AI assistant
TIEMCO LTD. — M&A Activity 2026
May 19, 2026
Preview isn't available for this file type.
Download source file 0000000_header_0440308033805.htm
| 【表紙】 | |
| 【提出書類】 | 意見表明報告書(2026年5月19日付け訂正報告書の添付インラインXBRL) |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2026年4月21日 |
| 【報告者の名称】 | 株式会社ティムコ |
| 【報告者の所在地】 | 東京都墨田区菊川三丁目1番11号 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 東京都墨田区菊川三丁目1番11号 |
| 【電話番号】 | 03(5600)0122 |
| 【事務連絡者氏名】 | 取締役管理部長 荻原浩二 |
| 【縦覧に供する場所】 | 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) |
(注1) 本書中の「当社」とは、株式会社ティムコをいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、堅果シナジー投資事業有限責任組合をいいます。
(注3) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注4) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注6) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
E02848 75010 株式会社ティムコ TIEMCO LTD. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 2 true S100Y03F true false E02848-000 2026-05-19 xbrli:pure
0100000_honbun_0440308033805.htm
1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名 称 堅果シナジ一投資事業有限責任組合
所在地 東京都千代田区岩本町2丁目17番4号泰合ビルⅡ201号室
2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1) 本公開買付けに関する意見の内容
当社は、2026年5月19日開催の取締役会において、公開買付者より2026年4月7日に開始された当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に反対することを決議いたしました。
(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
① 本公開買付けに関する意見の根拠
本公開買付けは、当社に対して何ら本公開買付けに関する情報提供や事前協議の機会のない状態で、2026年4月7日の公告により一方的に開始されました。
当社は、公開買付者による本公開買付けの突然の公表を受け、本公開買付けに対する意見表明に向け、直ちに、専門性及び実績等を検討の上、当社、公開買付者ら(公開買付者、株式会社堅果テクノ(以下「堅果テクノ」といいます。)及び厦门坚果投资管理有限公司を指し、以下同様とします。)から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人東京国際法律事務所(以下「東京国際法律事務所」といいます。)を選任し、その助言・協力を受けながら、本公開買付けに関して公開買付者が2026年4月7日に提出した公開買付届出書(以下「本公開買付届出書」といいます。)の内容その他の関連情報を精査し、慎重に評価・検討を進めてまいりました。しかしながら、本公開買付届出書に記載された内容を含め、2026年4月21日時点までに当社が入手することができた情報のみでは、本公開買付けの目的や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する影響、本公開買付け後の当社の経営方針に関する公開買付者の意図、本公開買付けにおける買付け等の価格の根拠、並びに本公開買付けの是非及びその諸条件について評価・検討する上で重要と思われる多くの事項が不明瞭な状態でありました。
そのため、当社取締役会は、本公開買付けの是非及びその諸条件等に関し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の最大化の観点から、慎重に評価・検討を行った上で、引き続き、本公開買付け及び公開買付者ら等について情報の収集に努めるべきであると考えました。
そこで、当社は、意見表明報告書における公開買付者に対する質問の制度を用いて、本公開買付け及び公開買付者らに関する正確な情報収集を早期に実施すべきであると判断し、2026年4月21日開催の当社取締役会において、後記「7 公開買付者に対する質問」及び別紙の内容を公開買付者に対する質問を行うことを決議いたしました。
また、当社は、2026年4月21日開催の当社取締役会において、本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、本公開買付けに対する当社の意思決定過程における恣意性のおそれを排除し、その公正性、透明性及び客観性を確保すること等を目的として、公開買付者ら及び当社との間に重要な利害関係が存在しないことを確認した上で、後藤悠氏(当社の監査等委員である社外取締役)、菊地春市朗氏(当社の監査等委員である社外取締役)及びM&Aに関する専門性(手続の公正性や企業価値評価に関する専門的知見)を有した外部の有識者である松本保範氏(松本保範公認会計士事務所、公認会計士)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、(ⅰ)本公開買付けの目的の正当性・合理性(本公開買付けが当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本公開買付けの取引条件(本公開買付けの実施方法や本公開買付けにおける対価を含む。)の公正性・妥当性、(ⅲ)本公開買付けに係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性、(ⅳ)本公開買付けの決定(当社取締役会が本公開買付けに対して表明すべきと判断する意見の内容、その他当社による本公開買付けの手続に係る決定を含む。)が当社の一般株主にとって公正なものであると考えられるか、(ⅴ)上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに対して表明すべきと判断する意見の内容の是非について、調査、検討、評価、意見、答申、又は勧告を行うこと(以下、これらを総称して「原諮問事項」といいます。)を本特別委員会に諮問いたしました。なお、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会は、当社取締役会における本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、本特別委員会の勧告・意見を最大限尊重することを併せて決議しております。また、原諮問事項の検討にあたって、本特別委員会が必要と認めるときは、当社の費用負担の下、独自のフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家を選任する権限を付与いたしました。
当社は、上記のとおり、本特別委員会に対して原諮問事項を諮問していたところ、2026年4月21日時点においては本公開買付けに関する本特別委員会の最終的な判断が示されていないことから、同日時点においては本公開買付けに対する意見の表明を留保することを決議し、当該意見を記載した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)を提出いたしました。
その後、上記の当社の質問を受けて、公開買付者は、2026年4月23日付で、対質問回答報告書(以下「本対質問回答報告書」といいます。)を関東財務局長に提出しました。本対質問回答報告書の回答を踏まえ、当社及び本特別委員会は、複数回にわたり質問書を通して公開買付者と質疑応答を行いました。当社は、本公開買付けの是非について、本対質問回答報告書を含む公開買付者との間の質疑応答の結果並びに当社が収集した本公開買付け及び公開買付者に関する情報を基に詳細に評価・検討いたしました。
また、当社取締役会は、公開買付者との質疑応答や本特別委員会での協議等の結果を踏まえ、2026年5月16日、原諮問事項を一部変更し、(ⅰ)本公開買付けの目的の正当性・合理性(本公開買付けが当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本公開買付けの取引条件(本公開買付けの実施方法や本公開買付けにおける対価を含む。)の公正性・妥当性、(ⅲ)本公開買付けに係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに対して反対する意見を表明することの是非(以下「本諮問事項」といいます。)を本特別委員会に諮問いたしました。
そして、本特別委員会は、本日、当社取締役会に対し、本特別委員会の全員一致の意見として、当社が本公開買付けに対して反対の意見を表明することは適当である旨の答申を行いました。この答申を受けて、本日開催の当社取締役会において、本公開買付けに反対の意見を表明する旨の決議を行いました。
② 本公開買付けに関する意見の理由
当社は、公開買付者の想定する企業価値向上施策は、当社の経営課題を解決する一定の合理性を有すると考えるものの、(ア)公開買付者が上場会社である当社の主要株主となり経営に関与することの適否を検討するために必要な公開買付者らの情報が十分に開示されていないこと、(イ)公開買付者が提示する企業価値向上施策について、その具体的な実施方法、必要な人材・経営体制及び実行プロセスが明確ではなく、実現可能性に不透明な点が多いこと、(ウ)公開買付者が、本公開買付け成立後の上場維持に関する具体的かつ実効的な方策を十分に示していないこと、及び(エ)本公開買付けには強圧性が認められ、当社の一般株主の皆様の利益を損なうものであることから、本公開買付けは、当社の企業価値向上及び株主の皆様の共同の利益に資するものであるとは評価できないため、当社は、本公開買付けに反対いたします。当該判断の具体的な内容については、以下に詳述します。
ア.公開買付者の想定する企業価値向上施策は、当社の経営課題を解決する一定の合理性を有すると考えられること
当社は、第56期有価証券報告書に記載のとおり、外部環境の変化に順応し、今後の利益水準の向上を目指すための中長期的な経営戦略の中期的重点課題として、「BRAND(ブランド力を高める方向に全ての戦略を集中する)」、「NET(インターネット活用を前提とする仕組を強化する)」、及び「GLOBAL(世界に通用すること。商品・仕組の構築を強化する)」の3点を掲げています。具体的には、優先的に対処すべき事業上の課題として、今後ますます拡大が予想される「Eコマース(EC)分野」の強化、及びフライフィッシング以外の分野も含めた世界中のお客様への「海外への展開」の強化を急務として認識しております。また、足元では、円安や原材料価格、物流コストの上昇などに伴う物価上昇、気候変動の影響などによる夏の猛暑、熊被害増加による釣行や登山の自粛などにより個人消費が抑制される厳しい環境に置かれており、これらに適応した社内体制の構築と安定した収益の確保が不可欠となっています。
これに対し、公開買付者が本公開買付届出書及び本特別委員会の質問に対する公開買付者からの回答(以下、公開買付届出書とあわせて「公開買付届出書等」といいます。)において提唱する企業価値向上施策は、当社のこれらの経営課題を解決し得る一定の合理性を有しているものと評価しています。
すなわち、「NET(インターネット活用を前提とする仕組の強化)」課題に対し、公開買付者は、当社を「グローバル・デジタル・リテール」型のブランドへと転換させることを目指しています。具体的には、既存の販売構造を見直し、「D2C(消費者への直接販売)型ECシステムを全面的に高度化」し、公開買付者グループが比較的熟知している日本以外の市場において、D2C(自社から消費者へ直接販売する形)のオンライン成長体制を構築する計画とのことであり、Amazon等の海外各国サイト、越境サプライチェーン及び既存の販売代理店が相互に促進し合う体制を構築する想定とのことです。公開買付者は、「まずコンテンツと信頼を作り、その後に流入を拡大し、『コンテンツ→流入→転換→再購入→コンテンツ』という循環によって運営効率を引き上げる」方針を標榜し、「初年度には、独立サイトの仕組み、第三者ECプラットフォームへの出店、コンテンツ基盤、KOL体制、利用場面別訴求の仕組み、会員制度、ユーザー転換ファネルの立ち上げ等を計画」しているとのことです。また、公開買付者の標榜するデジタル戦略は単なる販売路の拡充等のみならず、「データに基づく運営モデル(ユーザー属性分析、精密な広告・販促投下、スマート在庫管理等)」を導入し、需要変動への対応力を「デジタル化及びAI化」によって高め、伝統的な小売事業者が直面する在庫リスクの低減と収益力の底上げを両立させる方針とのことです。さらに、「デジタルを活用した製品検証の仕組み」の構築も提案されており、具体的には、「世界各地の多数のユーザー及びインフルエンサー(KOL)と迅速に接続する体制」等を構築し、「製品に関する意見を積極的に収集するとともに、コミュニティ内での自発的な推奨を促す仕組み、及びこれに応える調達・研究開発の迅速な対応体制を整備する」ことも提案されています。加えて、「必要に応じ、DTC、CRM、データドリブンマーケティング、クロスボーダーEC、オムニチャネル運営、海外ローカライズ、コンテンツマーケティング、パフォーマンス広告配信及びグローバルサプライチェーン連携などの分野における知見とリソースを導入し」、当社の日本国内及び海外市場における顧客リーチ力、運営効率及び成長性の向上を図るとのことです。
また、グローバル戦略については、当社の「GLOBAL(世界に通用すること。商品・仕組の構築を強化する)」課題に対し、公開買付者は、既存の日本市場を基盤としつつ、「経済成長に伴うアウトドアレジャーへの関心の高まりが著しい中国・東南アジアや、高品質な日本製釣具・アウトドア用品に対する底堅い需要と成熟した市場基盤を有する欧米の海外の高潜在市場を開拓」することを標榜しています。特に、釣具事業においては「北米市場及び中国市場の開拓を強化することを計画」しているとのことです。具体的な実現手法については、公開買付者の有する広範なネットワークと既存リソースが活用され、海外販路の開拓に関して、公開買付者は、「当組合の投資先企業と調整を行い、販路提携、業務連携、合弁、代理店契約、ブランドコラボレーションその他合理的な協業形態の模索を推進する」と回答しています。さらに、「越境サプライチェーン資源を統合」し、「物流・配送ルートの最適化」を図るとのことであり、「公開買付者グループの多数の投資先企業(特にアパレル及び釣具関連の投資先)が、長年の事業運営を通じて蓄積してきた優良なサプライチェーン上の経営資源、取引先情報及び取引条件を、対象者が活用し得る形で連携させることにより、対象者の調達費用の低減及びサプライチェーンの効率化を支援する」想定とのことです。
加えて、これらの施策を実効性をもって遂行するための人的支援についても、「グローバル事業及びデジタル推進を統括するクラスの責任者の正式採用を支援」し、当該責任者のもとで「グローバル運営センター及びデジタル推進チームを編成」するとしています。また、必要に応じて当社の既存従業員を公開買付者の投資先企業へ派遣し、「視察・交流・研修を実施する機会」を整えることで、「成熟したデジタル運営、ECマネジメント、海外販路拡大及びブランド運営のノウハウを習得」させ、「当該知見を貴社の事業実態に合わせて活用・定着」させる包括的な育成支援も想定されています。
また、当社のブランド方針に関しても、公開買付者との質疑応答を通じて一定の整合性が確認されています。当社は中期的な重点課題として「BRAND(ブランド力を高める方向に全ての戦略を集中する)」を掲げ、基本理念「Think in the field.」を事業運営の核としておりますが、公開買付者はこれに対し、公開買付者との質疑応答にて、本公開買付け成立後も当社の商号及びブランドを現状通り維持する方針を明確に示しています。特に、当社のオリジナルブランドについて、公開買付者は、長年の活動を通じて築き上げられた「貴重な無形資産」であるとの認識を示し、その維持・発展に注力する意向を表明しています。当社の伝統的なブランド価値を尊重しつつ、デジタル化やグローバル展開を通じてそれを次世代へ継承・拡張させるという公開買付者の姿勢は、当社の経営戦略の方向性と共通する点が見出せます。
したがって、公開買付者が想定する企業価値向上施策は、今後、その具体的内容が明らかになり、実現可能性が十分に裏付けられることになれば、当社の経営課題を解決する一定の合理性を有するものと考えております。
イ.本公開買付けは、当社の企業価値向上及び株主の皆様の共同の利益に資するものであるとは評価できないこと
公開買付者が想定する企業価値向上施策について、上記のとおり一定の合理性を有するものと考えられるものの、以下のとおり、公開買付者から提供された情報のみでは、現時点において当社の経営の遂行能力と具体的な実施方法や実現可能性に対する疑問を払拭できるものではないことから、本公開買付けが当社の企業価値向上に資すると積極的に評価できないうえ、上場維持の方策が不確実であること等に鑑みると、本公開買付けが一般株主の皆様の利益に資するとは評価できないと考えております。
(ア)公開買付者が上場会社である当社の主要株主となり経営に関与することの適否を検討するために必要な公開買付者らの情報が開示されていないこと
本特別委員会は、公開買付者に対し、本公開買付けの実質的な意思決定主体であるCapital Nutsの財務内容や公開買付者の有限責任組合員の実態等について、質問書を通じて詳細な情報開示を求めてまいりました。しかしながら、Capital Nutsの財務内容や経営成績については、「公開買付者と直接の資本関係を有さず財務上対象者と連結しない」こと等を理由として、具体的な回答が行われておらず、また、本公開買付けの原資を拠出する有限責任組合員についても、その名称、所在地、代表者等の基本的情報について、「守秘義務」を理由として開示されておりません。
本公開買付けは、当社の発行済株式の最大60.00%を取得し、当社の経営支配権を実質的に掌握しようとするものであるところ、そのような局面において、実質的な買収主体、資金の出所及び背景にある組織の財務健全性が十分に明らかにされていないことについて、当社としては、上場会社のガバナンス及び一般株主保護の観点から懸念を有しております。特に、公開買付者は、経営権の取得を企図する一方で、その前提となる透明性確保のための十分な情報開示を行っておらず、現時点において、一般株主に対して適切な投資判断をする十分な情報が与えられていません。
また、公開買付者が実績として挙げる「100社以上の投資実績」についても、その多くが中国等の海外市場における投資案件であり、かつ、出資比率が数%から最大でも28%程度の少数持分の投資に留まるとのことです。これに対し、本公開買付けは、下限43.18%、上限60.00%という支配権の取得を企図するものであり、従前の投資スタイルとは異なる投資形態であると考えています。しかしながら、日本の上場会社の経営においては、株主、従業員、取引先、顧客その他多様なステークホルダーとの調整に加え、日本の法規制への対応が求められるところ、公開買付者らからは、これらを適切に遂行可能であることを基礎付ける具体的な実績又は体制について、現時点において、十分な説明はなされておりません。
さらに、Capital Nutsの従業員数は8名、日本窓口である堅果テクノについては1名との説明がなされておりますが、この限られた人員体制の下で、100社以上の既存投資先への対応を継続しつつ、日本の上場会社である当社の経営構造改革及び企業価値向上施策を適切に遂行することが可能であるかについて、現時点において、当社として判断を行うための十分な情報提供を受けられておりません。
以上を踏まえ、当社取締役会としては、実態及び資金的背景が十分に明らかではなく、日本国内の上場企業の経営実績及び運営体制についても十分な裏付けを得られていない状況から、現時点において、当社の中長期的な企業価値及び一般株主共同の利益に寄与するとの判断には至りませんでした。
(イ)公開買付者が提示する企業価値向上施策について、その具体的な実施方法、必要な人材・経営体制及び実行プロセスが明確ではなく、実現可能性に不透明な点が多いこと
公開買付届出書等によれば、公開買付者は、当社の企業価値向上施策として、a)事業改革と収益構造の改善、b)デジタル戦略・EC分野の強化、c)海外展開の加速とグローバル戦略、d)戦略的提携・M&Aによる相乗効果創出を想定しているとのことです。
しかしながら、本公開買付けの手続が当社に対する情報提供や事前協議なく開始されたことから、公開買付者が把握している当社に係る情報は公開情報に限定されており、また、当社及び本特別委員会と公開買付者との間で複数回に亘る書簡のやり取りはしたものの、企業価値向上施策について十分な協議及び検討をする時間を確保できませんでした。その結果、公開買付者から提示された企業価値向上施策について、具体的な施策と評価できるだけの情報が提供されておらず、後記のとおり当社の企業価値向上に資するかについては、現時点において、不確実と評価せざるを得ません。
a.経営体制の構築及び人材の確保の不確実性
・ 公開買付者が公開買付届出書等で挙げている過去の投資実績は全てCapital Nutsによるものであり、公開買付者自身の実績ではありません。また、本対質問回答報告書によれば、公開買付者らの総従業員数は堅果テクノ1名及びCapital Nuts8名の合計9名に留まります。さらに、本特別委員会からの質問に対し、公開買付者は、Capital Nutsの財務内容は本公開買付けの判断に影響しないと主張し、同社のどのようなメンバーが当社の取締役会に関与するのか、不明瞭な状態であります。これは、施策の実行を担う人的資源の裏付けが不透明であることを示しており、施策実行の実質的な支援主体、及び経営責任の所在が曖昧であると言わざるを得ません。
・ 公開買付者は、本対質問回答報告書において、「対象者の事業に資する経営体制を構築する」、「具体的な取締役候補者につきましては、本公開買付けの成立後、対象者とも協議の上、本公開買付届出書11頁乃至13頁に記載のa)乃至d)の施策を含む対象者の企業価値向上のための施策を実行する観点から必要となる経歴、専門性(EC運営、ブランド管理、グローバル事業展開、対象者の属する業界に関する知見等)、経営能力等を総合的に勘案し、速やかに探索・選定する」、「経営上の調整課題を適時に解決する経営委員会を設置し定期的に開催する」と主張し、また、本特別委員会からの企業価値向上施策に関する質問に対し、「専門性の高い経営体制を構築・整備する」、「海外展開を担う中核チームを構築する」、「専門人材を投入する」等と繰り返し述べています。確かに公開買付者らの人的支援や経営委員会の設置等が当社の企業価値向上に資する可能性は否定できません。しかし、当社の企業価値向上に不可欠なEC運営、ブランド管理、グローバル展開等の高度な専門性を有する人材を、いつ、どのようなルートで、いかなる条件で招聘するのかという実務的なプロセスについて、現時点では具体的な説明がなされていません。
・ 公開買付者は、企業価値向上施策の実現のためにCapital Nutsから資金面での支援を行う意向を示しているにもかかわらず、本対質問回答報告書において、「Capital Nutsについては、公開買付者と直接の資本関係を有さず財務上対象者と連結しないため、個別の財務内容が、対象者や一般株主の皆様の本公開買付けに関する判断に直接的な影響を及ぼすものではないと考えられますので、詳細を回答する必要はない」と回答し、その後の当社からの質問に対しても、「今後の具体的な資金調達や支援の計画については、現時点で確定したものは存在せず、本公開買付け成立後に実施する貴社の財務状況の網羅的な再評価の結果を踏まえ、市場環境等の諸要因を総合的に勘案した上で決定いたします。」とのみ説明するに留まっており、企業価値向上施策を実現するためのCapital Nutsを含む公開買付者らからの資金面での支援の確実性を検証することが、現時点においては困難であります。
・ 本特別委員会からの質問に対し、公開買付者は、世界各地のユーザーやインフルエンサーと迅速に接続する体制や、現地の釣りユーザー及び専門家の知見を最大限に取り入れる仕組みを構築すると回答しています。しかし、これら広範なネットワークをどのように構築・維持し、デジタルを活用した製品検証の仕組み及び研究開発体制に繋げるのかという具体的な手法は語られていません。また、業務執行計画の策定時期についても「本公開買付けの成立後、対象者固有の事業特性に対する精査を踏まえ」策定すると回答するのみで、誰がどのように遂行するのかという根幹部分が現時点において不明です。
・ 本対質問回答報告書によれば、公開買付者らの主要な投資実績は、確かに短期的な利益の獲得を目的としないという公開買付者の説明とも矛盾するものではありませんが、いずれも中国国内を対象とし、出資割合も最大で28%に留まっているのであり、また、日本企業に対する投資や日本の上場企業を運営した実績はなく、公開買付者らにおいて、日本国内に基盤を有する上場企業である当社に対して、本公開買付けで企図する43.18%以上の出資をし、一般株主の利益にも配慮しながら当社の企業価値向上を実行する体制が整っているかは不明です。また、本特別委員会からの公開買付者らによる投資先に対する投資活動の詳細に関する質問に対し、公開買付者は、日本で事業実績を有するとして説明されたブランドについても「各投資先に対する守秘義務の関係上、開示可能な範囲で回答」する、「各投資先に対するバリューアップ(投資後支援)の具体的内容及び特定市場向けの事業提案は、いずれも各投資先との間で締結した秘密保持契約の対象であり、また、各投資先の中核的な営業秘密に該当する事項ですので、回答は差し控え」るとして、投資先のバリューアップの詳細は回答されていません。そのため、公開買付者らの投資能力やバリューアップノウハウ等の有無を現時点において、客観的に評価することは困難です。
b.各個別施策における具体性の欠如
(a) 事業改革と収益構造の改善
・ 本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、公開買付者は、当社が卸売を通じた販売を主軸とする伝統的な事業者であることを前提として、デジタル化及びAI化を通じて、需要変動局面における在庫・販促の精度を高めることを想定しているとのことです。
・ しかし、そもそも、当社における直営店や自社ECを通じた販売比率は概ね売上の50%であり、当社は卸売を通じた販売を主軸とする伝統的な事業者には必ずしも該当しません。
(b) デジタル戦略・EC分野の強化
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、当社のEC(電子商取引)事業及びデジタルマーケティングを、運営高度化の中核として強化するとのことです。
・ もっとも、公開買付者が提案するEC(電子商取引)事業及びデジタルマーケティングに必要な人材に関し、具体的な供給元・可能性については確認ができておりません。
(c) 海外展開の加速とグローバル戦略
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者らは、当社の商品・ブランドの海外市場進出を包括的に支援するとのことです。
・ 確かに、海外市場へのECを通じた展開方針については、当社のブランドの維持・発展ひいては当社の企業価値の向上に資するものと考えられます。しかしながら、本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、その具体的手法については、公開買付者らのネットワーク等を用いて進めるとの抽象的なものになっており、具体的な専門人材が明示・推挙されておらず、現時点においては、企業価値向上の手段が不明瞭です。さらに、公開買付者は日本を拠点とした海外進出・海外展開の実績がなく、また、日本独自の商慣習や文化を踏まえた戦略構築について、現時点において、具体的な説明はなされておりません。
(d) 戦略的提携・M&Aによる相乗効果創出
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、当社の企業価値向上のため、必要に応じて他社との戦略的提携やM&Aも検討するとのことです。公開買付者らの参画により、当社の既存のネットワークに留まらない新たな協業機会をグローバルに開拓し、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上を実現することが可能とのことです。
・ もっとも、本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、公開買付者には、日本企業のM&Aや戦略的提携の実績がありません。また、当該回答によれば、公開買付者らが当社に提供するM&Aや戦略的提携の経験、経営資源及び専門能力についても具体的に把握できない状態であり、戦略的提携・M&Aによる相乗効果創出について、現時点では確実性のある検証が困難です。
(ウ)公開買付者が、本公開買付け成立後の上場維持に関する具体的かつ実効的な方策を十分に示していないこと
公開買付届出書によれば、本公開買付けの成立により当社の流通株式比率は18.22%(下限で成立した場合)〜5.75%(上限で成立した場合)となり、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準である25%を下回るとのことです。もっとも、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図したものではなく、公開買付者は、本公開買付けの成立後、可及的速やかに、当社とも協議の上、代表取締役を含む当社の役員の全部又は一部の変更及び、自己株式の消却や新株発行又は自己株式の処分を含む流通株式比率を向上させる方策を実施し、当社の上場維持のために最善を尽くす方針とのことです。
また、当社及び本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、公開買付者は、より具体的な上場維持のための方策として、当社が保有する自己株式(863,500株)の消却、公募増資を含む新株発行・自己株式の処分、当社の既存の安定株主に対する保有株式の売却の働きかけ、従業員持株会の設置及び拡充を検討しており、自ら保有する株式の売却を含めいかなる手法についても検討対象から除くことは考えていないとのことです。
しかしながら、自己株式の消却のみでは上場維持に必要となる流通株式比率を確保することはできず、また、新株発行・自己株式の処分や安定株主に対する保有株式の売却の働きかけについては、具体的な発行・処分先や働きかけを行う安定株主も現時点で未定であり、実現可能性には疑問が残ります。従業員持株会の設置及び拡充についても、流通株式比率の改善の効果は限定的です。この点に関し、公開買付者は、当社及び本特別委員会からの質問に対し、「公開買付者は、上場維持のための具体的な方策及びスケジュールは、本公開買付けの成立後、対象者と緊密に協議させていただいた上で確定させるべきものと考えており、現時点で確定しているものではない」、「公表情報のみを基礎として検討可能な施策につきましては、既にこれまでのやりとりにおいてお示ししたとおりであるところ、各施策の実現可能性の判断につきましては、貴社の内部情報に依拠せざるを得ないと考えられ、当該情報にアクセスする立場にない当組合において、これ以上の具体化を独自に行うことは困難」等の回答を繰り返す等、現在に至るまで、本公開買付け成立後に上場を維持するための具体的な方策を示せておらず、本公開買付け成立後、当社株式が上場廃止を回避できない可能性を完全には否定できません。
(エ)本公開買付けには強圧性が認められること
本公開買付けにおいては買付予定数の上限が定められており、その買付数は最大で1,485,897株(所有割合:60.00%)に設定されています。また、公開買付者において、買付予定数の上限を超える株式数について、本公開買付け後に当社株式を取得する予定はないとのことです。すなわち、本公開買付けによって、当社の株主の皆様は、限定された数の当社株式についての売却の機会を得る一方で、応募された株式の全てについて公開買付価格による売却が保証されているものではありません。
本公開買付けは、まさに、経済産業省が2023年8月31日付で公表した「企業買収における行動指針―企業価値の向上と株主利益の確保に向けて―」(以下「企業買収行動指針」といいます。)において、懸念を示されている強圧性の認められる態様の買収です。具体的には、企業買収行動指針においては、「上限が設定されている場合(部分買付け)には、買収の結果、既存株主が少数株主として残存することとなるため、企業価値を下げる可能性のある買収は、そうであるがゆえに、買収を成立させやすくなる側面がある」(40頁)とされており、本公開買付けによって公開買付者らが当社の筆頭株主となることで、当社の株主の皆様は企業価値の毀損した当社株式を保有するというリスクや当社株式が上場を廃止するというリスクを避けるために、本公開買付けへの応募を余儀なくさせられます。
なお、公開買付者は、本公開買付けについて、①本公開買付届出書及び対質問回答報告書を通じて応募判断に必要な情報を十分に開示し、30営業日の公開買付期間を確保していること、②買付予定数の上限を60.00%に設定することで一般株主に可能な限り広い売却機会を提供していること、③さらに、本公開買付けは上場維持を前提とする部分買付けであり、応募しない株主についても引き続き株主としての地位及び40%以上の議決権割合が維持されるため、企業価値向上施策による利益享受や特別決議事項に対する一定の牽制機能が確保されていること等を理由として、構造的な強圧性は存在しないと主張しております。
しかしながら、①本公開買付けは、当社に対して情報提供や事前協議の機会のない状態で開始されており、また、当社及び本特別委員会が必要と考える公開買付者らの実態、企業価値向上施策の具体的な実施方法、必要な人材・経営体制及び実行プロセス等に関する十分な情報が開示されていないことから、株主が応募の可否を合理的に判断するための情報及び期間が十分に確保されているとはいえず、②本公開買付けは部分買付けであるため、応募した株式の全てについて公開買付価格による売却が保証されているものではない一方で、③公開買付者らが当社の筆頭株主となることにより、株主の皆様において企業価値が毀損した当社株式を保有するリスクを回避するため本公開買付けへの応募を余儀なくされる心理的圧力が生じ得ることから、公開買付者の上記主張は妥当ではないと考えています。
以上のとおり、本公開買付けは、強圧性の懸念が存在することから、仮に本公開買付けへの応募が集まったとしても、本公開買付けの条件や本公開買付けにより公開買付者らが当社株式の所有割合を高めることに、株主の皆様が賛同されていることを必ずしも意味しておりません。このような強圧性を有する本公開買付けは、一般株主の皆様の利益を損なうものとして容認しがたいものです。
ウ.まとめ
以上のとおり、当社は、公開買付者の想定する企業価値向上施策は、当社の経営課題を解決する一定の合理性を有すると考えるものの、(ア)公開買付者が上場会社である当社の主要株主となり経営に関与することの適否を検討するために必要な公開買付者らの情報が十分に開示されていないこと、(イ)公開買付者が提示する企業価値向上施策について、その具体的な実施方法、必要な人材・経営体制及び実行プロセスが明確ではなく、実現可能性に不透明な点が多いこと、(ウ)公開買付者が、本公開買付け成立後の上場維持に関する具体的かつ実効的な方策を十分に示していないこと、及び(エ)本公開買付けには強圧性が認められ、当社の一般株主の皆様の利益を損なうものであることから、本公開買付けは、当社の企業価値向上及び株主の皆様の共同の利益に資するものであるとは評価できないため、当社は、本公開買付けに反対いたします。
(3) 上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。本公開買付届出書によれば、本公開買付けの成立により当社の流通株式比率は18.22%(下限で成立した場合)~5.75%(上限で成立した場合)となり、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準である25%を下回るとのことであります。
もっとも、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図したものではなく、公開買付者は、本公開買付けの成立後、可及的速やかに、当社とも協議の上、当社の臨時株主総会を開催し、当社の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制及びガバナンス体制を実現する予定である(当社とも協議の上で公開買付者において役員体制案を確定した後、当社において当該体制案への賛同が得られた場合には、当社の取締役会を通じて、最短の日程で当該臨時株主総会が開催されることを目指すとのことです。他方で、公開買付者は本公開買付書提出日現在において当社の株主ではなく、本公開買付けの決済日から起算して6箇月間は会社法297条1項に基づく株主総会の招集請求権を行使できないため、仮に当社からの賛同が得られない場合には、最短でも当該期間経過後の2026年11月下旬に招集請求権を行使することになるとのことです。)ところ、これにより、役員等所有株式が減少するため、流通株式比率が最大(当社の役員の全部を変更した場合(酒井貞彦氏、酒井八重子氏及び酒井由紀子氏が所有する株式は、酒井誠一氏が役員でなくなった場合に公開買付者が当社第56期有価証券報告書に基づき流通株式でないと考える当社株式でなくなると考えられるとのことです。))で34.41%(下限で成立した場合)又は21.93%(上限で成立した場合)まで上昇するとのことです。また、当社の役員の全部又は一部の変更により流通株式比率が25%を上回らなかったとしても、公開買付者は、本公開買付けの成立後、東京証券取引所スタンダード市場における当社の上場維持基準の判定基準日である2026年11月30日(又は2026年11月30日に適合しなかった場合の改善期間の末日である2027年11月30日)までの間に、当社株式の流通株式比率を同市場の上場維持基準を満たす水準に回復させる措置をとることを予定しているとのことです。2027年11月30日までに流通株式比率を上場維持基準を満たす水準に回復させることができなかった場合には、当社株式は、株式会社東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となりますが、公開買付者は、自己株式の消却や新株発行又は自己株式の処分を含む流通株式比率を向上させる施策を検討し、当社の上場維持のために最善を尽くす方針とのことであります。
(4) 本公開買付け成立後の公開買付者による株券等の追加取得の予定
本公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付け後に当社株式を取得する予定はないとのことです。
(5) 公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等
① 本特別委員会の設置及び勧告
ア.設置の経緯
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、当社取締役会の意思決定過程における恣意性のおそれを排除し、その公正性及び透明性を確保することを目的として、当社及び公開買付者らからの独立性を有する当社の独立社外取締役及び外部有識者によって構成される本特別委員会を設置することを決議するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項を諮問いたしました。なお、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会は、当社取締役会における本公開買付けに係る当社の意見を表明するにあたり、本特別委員会の勧告・意見を最大限尊重することを併せて決議しております。
イ.検討の経緯
本特別委員会は、2026年4月22日から2026年5月15日まで合計7回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メール等を通じて報告・情報共有等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。本特別委員会は、2026年4月22日に開催された第1回特別委員会において、当社が選任したリーガル・アドバイザーである東京国際法律事務所については、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。また、本特別委員会は、本公開買付届出書及び本対質問回答報告書の内容その他の関連情報から、本諮問事項について検討しております。
ウ.判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下、東京国際法律事務所から受けた法的見地からの助言を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2026年5月19日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書を提出いたしました。
(ア)答申内容
1.本公開買付けの目的の正当性・合理性(本公開買付けが当社の企業価値向上に資するかを含む。)
公開買付者の想定する企業価値向上施策の内容・実施方法が抽象的・不明確である現時点では、本公開買付けは当社の企業価値向上に資するものであり、その目的が正当性・合理性を有するとまでは、評価できない。
2.本公開買付けの取引条件(本公開買付けの実施方法や本公開買付けにおける対価を含む。)の公正性・妥当性
本公開買付けの取引条件は公正・妥当であると認められない。
3.本公開買付けに係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性
本公開買付けに係る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正であると考える。
4.上記1乃至3を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに対して反対する意見を表明することの是非
上記1乃至3を踏まえれば、当社取締役会が本公開買付けに反対する意見を表明することは妥当であると考えられる。
(イ)答申理由
1.本公開買付けの目的の正当性・合理性(本公開買付けが当社の企業価値向上に資するかを含む。)
以下のとおり、公開買付者の想定する企業価値向上施策の内容・実施方法は抽象的、かつ実現可能性が確実であると信頼するに足る根拠の提示がなされておらず、また、公開買付者は、本公開買付け成立後に上場を維持するための具体的な方策を示せておらず、本公開買付け成立後、当社株式が上場廃止を回避できない可能性を完全には否定できないことから、本公開買付けが当社の企業価値向上に資するものであり、その目的が正当性・合理性を有するとまでは、評価できない。
(1) 公開買付者による当社の事業環境及び経営課題の認識
公開買付届出書11頁以下に記載の公開買付者の認識する当社の事業環境及び経営課題について、当社から受けた説明並びに当社の属する業界及び市場環境として一般に説明されている内容とも概ね整合し、不合理な点はないと考える。
(2) 公開買付者が想定する企業価値向上施策
公開買付届出書等によれば、公開買付者は、当社の企業価値向上施策として公開買付届出書11頁から12頁の施策を想定しているとのことである。
しかしながら、本公開買付けの手続が当社に対する情報提供や事前協議なく開始されたことから、公開買付者が把握している当社に係る情報は公開情報に限定されており、また、当社及び本特別委員会と公開買付者との間で複数回に亘る書簡のやり取りはしたものの、企業価値向上施策について十分な協議及び検討をする時間を確保できなかった。その結果、公開買付者から提示された企業価値向上施策について、具体的な施策と評価できるだけの情報が提供されておらず、以下のとおり当社の企業価値向上に資するかについては、現時点において、不確実と評価せざるを得ない。
① 経営体制の構築及び人材の確保の不確実性
・ 公開買付者が公開買付届出書等で挙げている過去の投資実績は全てCapital Nutsによるものであり、公開買付者自身の実績ではない。また、本対質問回答報告書によれば、公開買付者らの総従業員数は堅果テクノ1名及びCapital Nuts8名の合計9名に留まる。さらに、本特別委員会からの質問に対し、公開買付者は、Capital Nutsの財務内容は本公開買付けの判断に影響しないと主張し、かつ同社のメンバーが当社の取締役に就任することも現時点では想定していないと回答している。これは、施策の実行を担う人的資源の裏付けが不透明であることを示しており、施策実行の実質的な支援主体、及び経営責任の所在が曖昧であると言わざるを得ない。
・ 公開買付者は、本対質問回答報告書において、「対象者の事業に資する経営体制を構築する」、「具体的な取締役候補者につきましては、本公開買付けの成立後、対象者とも協議の上、本公開買付届出書11頁乃至13頁に記載のa)乃至d)の施策を含む対象者の企業価値向上のための施策を実行する観点から必要となる経歴、専門性(EC運営、ブランド管理、グローバル事業展開、対象者の属する業界に関する知見等)、経営能力等を総合的に勘案し、速やかに探索・選定する」、「経営上の調整課題を適時に解決する経営委員会を設置し定期的に開催する」と主張し、また、本特別委員会からの企業価値向上施策に関する質問に対し、「専門性の高い経営体制を構築・整備する」、「海外展開を担う中核チームを構築する」、「専門人材を投入する」等と繰り返し述べている。確かに公開買付者らの人的支援や経営委員会の設置等が当社の企業価値向上に資する可能性は否定できない上、公開買付者らの人的支援の実現可能性を現時点で否定すべき特段の事情も見当たらない。しかし、当社の企業価値向上に不可欠なEC運営、ブランド管理、グローバル展開等の高度な専門性を有する人材を、いつ、どのようなルートで、いかなる条件で招聘するのかという実務的なプロセスについては具体的な説明がなされていない。
・ 公開買付者は、企業価値向上施策の実現のためにCapital Nutsから資金面での支援を行う意向を示しているにもかかわらず、本対質問回答報告書において、「Capital Nutsについては、公開買付者と直接の資本関係を有さず財務上対象者と連結しないため、個別の財務内容が、対象者や一般株主の皆様の本公開買付けに関する判断に直接的な影響を及ぼすものではないと考えられますので、詳細を回答する必要はない」と回答し、その後の当社からの質問に対しても、「今後の具体的な資金調達や支援の計画については、現時点で確定したものは存在せず、本公開買付け成立後に実施する貴社の財務状況の網羅的な再評価の結果を踏まえ、市場環境等の諸要因を総合的に勘案した上で決定いたします。」とのみ説明するに留まり、企業価値向上施策を実現するためのCapital Nutsを含む公開買付者らからの資金面での支援の確実性を検証することが不可能であり、実現可能性に疑義が残ると言わざるを得ない。
・ 本特別委員会からの質問に対し、公開買付者は、世界各地のユーザーやインフルエンサーと迅速に接続する体制や、現地の釣りユーザー及び専門家の知見を最大限に取り入れる仕組みを構築すると回答している。しかし、これら広範なネットワークをどのように構築・維持し、デジタルを活用した製品検証の仕組み及び研究開発体制に繋げるのかという具体的な手法は語られていない。また、業務執行計画の策定時期についても「本公開買付けの成立後、対象者固有の事業特性に対する精査を踏まえ」策定すると回答するのみで、誰がどのように遂行するのかという根幹部分が依然として不明である。
・ 本対質問回答報告書によれば、公開買付者らの主要な投資実績は、確かに短期的な利益の獲得を目的としないという公開買付者の説明とも矛盾するものではないが、いずれも中国国内を対象とし、出資割合も最大で28%に留まっているのであり、また、日本企業に対する投資や日本の上場企業を運営した実績はなく、公開買付者らにおいて、日本国内に基盤を有する上場企業である当社に対して、本公開買付けで企図する43.18%以上の出資をし、一般株主の利益にも配慮しながら当社の企業価値向上を実行する体制が整っているかは不明である。また、本特別委員会からの公開買付者らによる投資先に対する投資活動の詳細に関する質問に対し、公開買付者は、日本で事業実績を有するとして説明されたブランドについても「各投資先に対する守秘義務の関係上、開示可能な範囲で回答」する、「各投資先に対するバリューアップ(投資後支援)の具体的内容及び特定市場向けの事業提案は、いずれも各投資先との間で締結した秘密保持契約の対象であり、また、各投資先の中核的な営業秘密に該当する事項ですので、回答は差し控え」るとして、投資先のバリューアップの詳細は回答されていない。そのため、公開買付者らの投資能力やバリューアップノウハウ等の有無を本特別委員会が客観的に評価することは不可能である。
② 各個別施策における具体性の欠如
ア 事業改革と収益構造の改善
・ 本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、公開買付者は、当社が卸売を通じた販売を主軸とする伝統的な事業者であることを前提として、デジタル化及びAI化を通じて、需要変動局面における在庫・販促の精度を高めることを想定しているとのことである。
・ しかし、そもそも、当社における直営店や自社ECを通じた販売比率は概ね売上の50%であり、当社は卸売を通じた販売を主軸とする伝統的な事業者には必ずしも該当しない。
イ デジタル戦略・EC分野の強化
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、当社のEC(電子商取引)事業及びデジタルマーケティングを、運営高度化の中核として強化するとのことである。
・ もっとも、公開買付者が提案するEC(電子商取引)事業及びデジタルマーケティングに必要な人材に関し、具体的な供給元・可能性については説明がなされていない。
ウ 海外展開の加速とグローバル戦略
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者らは、当社の商品・ブランドの海外市場進出を包括的に支援するとのことである。
・ 確かに、海外市場へのECを通じた展開方針については、当社のブランドの維持・発展ひいては当社の企業価値の向上に資するものと考えられる。しかしながら、本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、その具体的手法については、公開買付者らのネットワーク等を用いて進めるとの抽象的なものになっており、具体的な専門人材が明示・推挙されておらず、企業価値向上の手段が不明瞭である。さらに、公開買付者は日本を拠点とした海外進出・海外展開の実績がなく、また、日本独自の商慣習や文化を踏まえた戦略構築について具体的な説明はなされておらず、実現可能性が不透明である。
エ 戦略的提携・M&Aによる相乗効果創出
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、当社の企業価値向上のため、必要に応じて他社との戦略的提携やM&Aも検討するとのことである。公開買付者らの参画により、当社の既存のネットワークに留まらない新たな協業機会をグローバルに開拓し、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上を実現することが可能とのことである。
・ もっとも、本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、公開買付者には、日本企業のM&Aや戦略的提携の実績がない。また、当該回答によれば、公開買付者らが当社に提供するM&Aや戦略的提携の経験、経営資源及び専門能力についても具体性を欠いており、戦略的提携・M&Aによる相乗効果創出についての確実性の検証が不可能である。
(3) 当社株式の上場維持の方策の不確実性
・ 公開買付届出書によれば、本公開買付けの成立により当社の流通株式比率は18.22%(下限で成立した場合)∼5.75%(上限で成立した場合)となり、東京証券取引所スタンダード市場における上場維持基準である25%を下回るとのことである。もっとも、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図したものではなく、公開買付者は、本公開買付けの成立後、可及的速やかに、当社とも協議の上、代表取締役を含む当社の役員の全部又は一部の変更及び、自己株式の消却や新株発行又は自己株式の処分を含む流通株式比率を向上させる方策を実施し、当社の上場維持のために最善を尽くす方針とのことである。
・ また、本特別委員会からの質問に対する公開買付者の説明によれば、公開買付者は、より具体的な上場維持のための方策として、当社が保有する自己株式(863,500株)の消却、公募増資を含む新株発行・自己株式の処分、当社の既存の安定株主に対する保有株式の売却の働きかけ、従業員持株会の設置及び拡充を検討しており、自ら保有する株式の売却を含めいかなる手法についても検討対象から除くことは考えていないとのことである。
・ しかし、自己株式の消却のみでは上場維持に必要となる流通株式比率を確保することはできず、また、新株発行・自己株式の処分や安定株主に対する保有株式の売却の働きかけについては、具体的な発行・処分先や働きかけを行う安定株主も現時点で未定であり、実現可能性に疑問が残る。従業員持株会の設置及び拡充についても、流通株式比率の改善の効果は限定的である。この点に関し、公開買付者は、当社及び本特別委員会からの質問に対し、「公開買付者は、上場維持のための具体的な方策及びスケジュールは、本公開買付けの成立後、対象者と緊密に協議させていただいた上で確定させるべきものと考えており、現時点で確定しているものではない」、「公表情報のみを基礎として検討可能な施策につきましては、既にこれまでのやりとりにおいてお示ししたとおりであるところ、各施策の実現可能性の判断につきましては、貴社の内部情報に依拠せざるを得ないと考えられ、当該情報にアクセスする立場にない当組合において、これ以上の具体化を独自に行うことは困難」等の回答を繰り返す等、現在に至るまで、本公開買付け成立後に上場を維持するための具体的な方策を示せておらず、本公開買付け成立後、当社株式が上場廃止を回避できない可能性を完全には否定できない。
2.本公開買付けの取引条件(本公開買付けの実施方法や本公開買付けにおける対価を含む。)の公正性・妥当性
以下の点より、本公開買付けの取引条件が公正・妥当であると判断するには至らなかった。
(1) 本公開買付けが強圧性を有するものと考えられること
本公開買付けには買付予定数の上限が定められており、本公開買付けが応募された全ての株式について本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」という。)による売却の機会を保証するものではないこと、本公開買付けが成立した場合には公開買付者らが当社の経営支配権を実質的に取得することになると考えられることや、本公開買付け成立後に当社株式が上場廃止を回避できない可能性を完全には否定できないことを踏まえると、本公開買付けは構造的な強圧性を有すると評価できる。
(2) 本公開買付価格を妥当であると判断するには根拠が不十分であること
本公開買付けが有する構造的な強圧性も考慮すると、以下のとおり、本公開買付価格を妥当であると判断するには根拠が不十分である。
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付価格の決定に際して、第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得していないとのことである。
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、当社に対する詳細なデュー・ディリジェンスが実施できず、将来の事業計画を入手できないことを理由として、本公開買付価格の決定にあたり、当社事業の将来キャッシュ・フローに基づく本源的価値を参照していないとのことである。
・ 公開買付届出書によれば、本公開買付価格は、応募株主に対して相応の価値を提供すべく、本公開買付けの公表日である2026年4月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,857円に対して2.32%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,773円に対して7.16%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,739円に対して9.26%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,540円に対して23.38%のプレミアムを加えた価格に設定したとのことであるが、当社株式は、本公開買付け開始後の2026年4月7日以降、概ね本公開買付価格を上回る水準で推移している。
・ 公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付価格が当社株式の過去約28年間(1998年3月20日から2026年4月6日)の株価と比較して最高値であると主張するが、これは当社の上場後一定期間の株価水準を除外した不明瞭な基準に過ぎず、当社の将来的な収益力や本源的価値を正当に反映した価格設定であることの証明にはならない。
3.本公開買付けに係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性
以下のとおり、本公開買付けに係る交渉過程及び意思決定に至る手続は公正であると考える。
(1) 独立した特別委員会の設置
① 設置の時期
当社は、公開買付者の連結子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当しないものの、公開買付者が2026年4月7日に当社に対して何ら本公開買付けに関する情報提供や事前協議のない状態で本公開買付けを開始したこと、また、本公開買付け後には公開買付者において当社の役員の全部又は一部を変更することが想定されること等を踏まえ、本公開買付けに係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、東京国際法律事務所の助言を踏まえて、2026年4月21日付で、本特別委員会を設置する旨の決議を行い、その後、4月22日に第1回の特別委員会が開催されている。
したがって、本公開買付けの公表当初から、本特別委員会は本公開買付けへの関与を開始していたことが認められる。
② 委員構成
当社は、本特別委員会の委員の選任に際して、当社の独立した法務アドバイザーである東京国際法律事務所の助言を得て、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載のとおり、当社の社外取締役であり独立役員でもある後藤悠氏及び菊地春市朗氏並びにM&Aに関する専門性(手続の公正性や企業価値評価に関する専門的知見)を有した社外有識者である松本保範氏(松本保範公認会計士事務所、公認会計士)の3名を委員に選任した。
以上のとおり、本特別委員会の委員は、それぞれ独立性を有することが確認されており、属性にも十分配慮して選任されたものであることが認められる。
③ アドバイザー等
当社は、本特別委員会の設置に係る取締役会決議において、本特別委員会に対し、特別委員会の財務アドバイザー・第三者評価機関や法務アドバイザー(以下「アドバイザー等」という。)を選任し、又は当社のアドバイザー等を指名し若しくは承認(事後承認を含む。)する権限(なお、特別委員会は、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができる。)を付与している。これを受け、本特別委員会は、当社の法務アドバイザーである東京国際法律事務所につき、独立性及び十分な専門性を有していることを確認した。
そして、本特別委員会においては、本公開買付けに関する検討過程において適時に上記の外部アドバイザー等の専門的な助言・意見等を取得しながら、当社の企業価値向上の観点及び一般株主の利益を図る観点から、本公開買付けの是非、本公開買付価格を含む本公開買付けに係る取引条件の妥当性、本公開買付けにおける手続の公正性等について、慎重に検討及び協議が行われた。
このように、本特別委員会においては、当社の取締役会が選任したアドバイザー等が独立性及び十分な専門性を有しているとして、本特別委員会が当該アドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した上で、当該アドバイザー等を利用したことが認められる。
④ 買付者との取引条件の交渉過程への関与
当社取締役会は、本特別委員会の設置に係る取締役会決議において、本公開買付けの取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本公開買付けの取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与するとともに、本特別委員会の判断内容を適切に理解・把握した上で、これを最大限尊重して意思決定を行うことを併せて決議している。
そして、本特別委員会は、公開買付者に対して、企業価値向上施策や本公開買付けの取引条件等に関する質問を重ねつつ、当社と公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容等について当社から適時に報告を受け、本特別委員会を通じて方針等を協議し、公開買付者への主張内容について具体的に意見を述べるなど、公開買付者との交渉過程に実質的に関与している。
このように、本特別委員会は、公開買付者との間の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたことが認められる。
⑤ 情報の取得
本特別委員会は、2026年4月28日と同年5月2日、公開買付者に直接質問状を送付し、書面による回答を受領しており、また、当社から、本公開買付けに係る公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けており、これらによって得られた非公開情報を含む重要な情報も併せて本公開買付けの検討を行う体制を確保している。
このように、本特別委員会は、非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて本公開買付けの是非や取引条件の妥当性について検討・判断を行うことのできる体制を整備していることが認められる。
⑥ 報酬
本特別委員会の各委員の報酬に関しては、各委員が当社取締役会により特別委員会に対して諮問された事項に対応するに際して要する合理的な範囲の報酬及び実費を負担し、その報酬には、本公開買付けの公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれないことから、本特別委員会の委員の本公開買付けの成否からの独立性も確保されているといえる。
⑦ 対象会社(当社)の取締役会における特別委員会の判断の取扱い
上記④のとおり、当社は、本特別委員会の判断内容を適切に理解・把握した上で、これを最大限尊重して意思決定を行うことを併せて決議している。
このように、本公開買付けについては取締役会が特別委員会の意見を尊重して意思決定を行うことのできる体制が確保されていることが認められる。
⑧ 小括
上記のとおり、本公開買付けの検討に際しては、独立性を有する特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
(2) 外部専門家の独立した専門的助言等の取得
本公開買付けにおいては、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載のとおり、当社は、2026年4月17日頃より東京国際法律事務所を法務アドバイザーに選任し、本公開買付けに関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けていたことが認められる。なお、東京国際法律事務所は、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないことが認められる。また、東京国際法律事務所の報酬は、本公開買付けの成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本公開買付けの成立を条件とする成功報酬は含まれていない。
4.上記1乃至3を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに対して反対する意見を表明することの是非
上記1乃至3に記載のとおり、現時点では、本公開買付けは当社の企業価値の向上に資するものとは評価できず、本公開買付けの目的は正当性・合理性を有すると考えられず、また本公開買付けの取引条件は公正・妥当であるとはいえないから、当社取締役会が本公開買付けに反対する意見を表明することは妥当であると考えられる。
② 外部アドバイザーの選任
当社は、本公開買付けの評価・検討に際して、意思決定過程における公正性・適正性を確保するため、当社及び公開買付者らから独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人東京国際法律事務所を選任し、その法的助言を踏まえて、本公開買付けについて慎重に評価・検討しております。なお、弁護士法人東京国際法律事務所は、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
(6) 公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
本公開買付届出書によれば、本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、当社の株主である、株式会社キャピタルギャラリー、大谷寛氏、株式会社人生設計、及び株式会社キャピタルギャラリーの代表取締役である青山浩氏との間で、同一の契約書において、2026年4月6日付で、それぞれが所有する当社株式の全て(合計所有株式:709,600株、所有割合の合計:28.65%)を本公開買付けに応募する旨を合意(以下「本応募契約」といいます。)しているとのことです。なお、本応募契約を除いて、公開買付者と応募合意株主との間で本公開買付けに関する合意は締結されておらず、本公開買付価格の支払いを除き、応募合意株主に対して本公開買付けに際して付与される利益はないとのことです。
本応募契約の概要は以下のとおりとのことです。
・応募合意株主による応募の前提条件は定められておりません。
・応募合意株主は、本公開買付けに応募した後、本公開買付けの期間の末日に至るまで、本応募の撤回その他本公開買付けに係る契約の解除をしてはならないとしています。
・本応募契約は、本公開買付けの決済が開始され、本株式の全部の移転が実行された日か、又は本公開買付けが撤回され、又は不成立により終了した日のいずれか早い日において、終了するとされています。
・応募合意株主は、本応募契約締結日後、本決済開始日までの間、本応募契約に基づく本公開買付けへの応募を除き、全ての当社株式の売却、担保設定その他の処分その他本公開買付けの実現に悪影響を及ぼす一切の行為を行わず、また、第三者との間で競合取引を行わないものとし、第三者から競合取引に係る提案を受けた場合は、公開買付者に対し、その旨を直ちに通知するとともに、当該提案への対応について公開買付者及び当社との間で誠実に協議するものとされています。
・本応募契約の当事者は、本応募契約に定める表明及び保証(注1)又は義務の違反に起因又は関連して相手方当事者に損害、費用その他損失(直接間接を問わず、合理的な弁護士費用を含みます。以下「損害等」といいます。)を生じさせた場合、相手方当事者に違約金として2億円を支払うほか、相手方当事者に対し、かかる損害等の補償をする義務を負うこととされています。但し、不可抗力(投資又は国際送金についての規制又は制約その他司法・行政機関等の判断等その他のいずれの当事者の責めにも帰することのできない事由を含みます。)によって本契約上の義務を履行できない場合は、違約金、その他損害賠償責任について免責されるものとしています。
(注1) 本応募契約において、応募合意株主は、①応募合意株主の属性、②本応募契約の適法かつ有効な締結及び履行のために必要な権限及び権能の存在及び必要な手続の履践、③本応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、④本応募契約の適法性、有効性及び強制執行可能性、⑤応募合意株主が所有する応募合意株式に対する権利及び⑥反社会的勢力との関連性の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
また、上記のほか、本応募契約においては、一般条項が規定されているとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(1) 普通株式
| 氏 名 | 役 名 | 所有株式(株) | 議決権の数(個) |
| 酒井 誠一 | 代表取締役社長 | 177,400 | 1,774 |
| 杉本 安信 | 取締役アウトドア部長 | 1,000 | 10 |
| 瀬戸 昭則 | 取締役フィッシング部長 | 900 | 9 |
| 荻原 浩二 | 取締役管理部長 | 6,200 | 62 |
| 増田 豊 | 取締役(監査等委員) | 3,000 | 30 |
| 後藤 悠 | 取締役(監査等委員) | ― | ― |
| 菊地 春市朗 | 取締役(監査等委員) | ― | ― |
(注1) 本書提出日現在のものであります。
(注2) 取締役後藤悠及び菊地春市朗は、会社法第2条第15号に定める社外取締役であります。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7 【公開買付者に対する質問】
添付別紙をご参照ください。
8 【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以 上