Tender Offer By Those Other Than Issuer Form No. 2 Tender Offer Notification

NIDEC CORPORATION - Filing #7544644

Concept As at
2023-09-14
Tender Offer by Those Other than Issuer Form No. 2 Tender Offer Notification
Particulars of tender offer
Name of subject company
Name of subject company

株式会社TAKISAWA

 

Classes of share certificates, etc. to acquire by purchase, etc.
Classes of share certificates, etc. to acquire by purchase, etc.

普通株式

 

Purposes of purchase, etc.
Purposes of purchase, etc.
(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、2023年7月13日付「株式会社TAKISAWA(証券コード:6121)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「公開買付者7月13日付プレスリリース」といいます。)において公表しましたとおり、同日開催の取締役会において、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、下記の全ての条件(以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足されたこと(又は公開買付者が本公開買付前提条件を放棄したこと)を本公開買付けの開始の条件として、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)を対象とする本公開買付けを実施することを決定しておりました。

 

① 本取引の実行に当たり国内外の競争法令等及び投資規制法令等に基づき必要となる手続が全て完了し、又は本公開買付けに係る買付け等の期間(以下「本公開買付期間」といいます。)の末日までに完了することが合理的に見込まれると公開買付者が判断していること

② 対象者の財政状態に重大な悪影響を与える事由(法第27条の11第1項但書に定める公開買付けの撤回が認められる事由又はそれらに類似し若しくは準じる事由をいいます。)が生じていないこと

 

公開買付者は、国内外の法律事務所を起用して入念に精査した結果に基づき、本取引の実行に当たっては、(ⅰ)日本及びベトナムにおける競争法令等に基づく手続、並びに(ⅱ)米国における投資規制法令である対米外国投資委員会(CFIUS)の規制に基づく手続(1950年国防生産法に基づく手続)、が必要になると判断していたところ、公開買付者は、本公開買付けによる対象者株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)に関して、(ⅰ)2023年6月2日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、同日付で受理されておりましたところ、2023年6月27日付で排除措置命令(下記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2) 根拠法令」において定義します。)を行わない旨の通知書の発出を受け、2023年7月2日付で取得禁止期間(下記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2) 根拠法令」において定義します。)が満了したこと、(ⅱ)ベトナムにおける競争法令等に基づく手続については、2023年8月21日付でベトナム競争委員会に対して事前届出を行い、2023年9月13日付で受理されておりますところ、本公開買付期間の末日までに当該手続に基づく待機期間(初期的審査期間30日)が満了すること(公開買付者7月13日付プレスリリースにおいて、ベトナム競争法に基づく手続の現状を「届出済み」としておりましたが、届出が受理されたのは2023年9月13日付になります)及び(ⅲ)米国における投資規制法令である対米外国投資委員会(CFIUS)の規制に基づく手続(1950年国防生産法に基づく手続)については、2023年7月18日付で対米外国投資委員会(CFIUS)に対して事前届出を行っているところ、2023年8月17日に当該手続に基づく待機期間が満了していること(遅くとも2023年9月28日に当該手続に基づく待機期間が満了することを2023年8月29日付で確認していること)から、2023年9月12日付で上記前提条件①が充足され、また、上記前提条件②についても充足されたことを確認いたしました。そのため、2023年9月13日、公開買付者は、2023年9月9日付の公開買付者の取締役会決議に基づき本公開買付けの実施に係る最終決定を一任された代表取締役会長永守重信において、本公開買付けを2023年9月14日より開始することを決定いたしました。なお、本公開買付けに係る買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は、公開買付者7月13日付プレスリリースにおいて公表しましたとおり、1株当たり2,600円としております。

 

また、公開買付者は、下記のとおり、2023年7月13日以降、対象者との間で、本取引を通じて両社の企業価値を向上させることについて継続的な協議を行った結果、2023年9月13日、①対象者が本取引に賛同するとともに、本公開買付けが開始された場合にはこれに賛同し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、②対象者グループ(下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「② 公開買付者が考える対象者の事業及び現在の事業運営状況について」において定義します。)の企業価値の向上及び公開買付者グループ(公開買付者並びにその子会社及び関連会社の総称を意味します。以下同じです。)の利益の最大化を図るべく、一定の経営上の事項について真摯かつ誠実に協議することなどについて合意し、対象者との間で法的拘束力のない覚書 (以下「本覚書」といいます。)を締結いたしました(本覚書の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。)。

 

公開買付者は、本書提出日現在、100株(所有割合(注1):0.00%)の対象者株式を保有しております。公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を3,193,900株(所有割合:50.00%)(注2)(注3)と設定し、(ⅰ) 本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が3,193,900株に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないこととし、(ⅱ)本公開買付期間の末日までに応募株券等の総数が3,193,900株に達した場合(公開買付者が応募株券等の総数を確認する方法等については下記(注4)をご参照下さい。)には、速やかにその旨を公表したうえで、当該時点から公開買付期間として10営業日を確保できるよう本公開買付期間を延長することを予定しております。公開買付者としては、これにより、対象者株主の皆様に対して、本公開買付けに応募するか否かの意思表示の機会とは別に、本取引の是非に関する判断(賛否)の機会を提供することになると考えており、これをもって(公開買付者としては、もともと一切の強圧性を排除することを意図していますが、理論的に何らかの強圧性が少しでも考え得るという場合に備えて、かかる)一切の強圧性が解消されること、またより多くの対象者の株主の皆様に応募いただく機会を提供できると考えております。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、経済産業省が2023年8月31日付で策定した「企業買収における行動指針」(注5。以下「企業買収行動指針」といいます。)を踏まえて本公開買付けの強圧性を可能な限り排除するために、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(3,193,900株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

(注1) 「所有割合」とは、対象者が2023年8月10日に提出した第94期第1四半期報告書(以下「対象者四半期報告書」といいます。)に記載された2023年8月10日現在の対象者の発行済株式総数(6,578,122株)から、対象者が2023年7月31日に公表した「2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者四半期決算短信」といいます。)に記載された2023年6月30日現在において対象者が所有する自己株式数(190,036株)を控除した株式数(6,388,086株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、比率の計算において同じとします。)をいい、以下同じとします。

(注2) 買付予定数の下限は、対象者四半期報告書に記載された2023年8月10日現在の対象者の発行済株式総数(6,578,122株)から対象者四半期決算短信に記載された2023年6月30日現在において対象者が所有する自己株式数(190,036株)を控除した株式数(6,388,086株)に係る議決権の数(63,880個)の2分の1以上となる議決権数(31,940個)に対象者株式1単元(100株)を乗じた株式数(3,194,000株)から、本書提出日現在において公開買付者が所有する対象者株式の数(100株)を控除した株式数(3,193,900株)としております。

 

(注3) 公開買付者は、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において「特に近年の我が国の資本市場の動向としてパッシブ・インデックス運用ファンド(注6)の規模が拡大しているところ、その中には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない投資家も存在する」と指摘されているとおり、対象者株式を所有するETF(上場投資信託)やその他のパッシブ・インデックス運用ファンドの中には公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないが、過去の事例に照らせば、その後のスクイーズアウトに係る臨時株主総会においては賛成の議決権行使を行う方針の者が存在しているものと理解しております。そして、対象者が2023年6月29日に提出した第93期有価証券報告書(以下「対象者有価証券報告書」といいます。)に記載された株主の状況及び年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2023年7月7日に公表したポートフォリオの状況を踏まえると、そうしたパッシブ・インデックス運用ファンドによる対象者株式の保有が一定数以上存在すると考えられます。

そのため、公開買付者は、公開買付者7月13日付プレスリリースの公表に先立ち、本公開買付けの公開買付代理人である三田証券株式会社(以下「三田証券」といいます。)に対して、パッシブ・インデックス運用ファンドが所有する対象者株式数がどの程度見込まれるかを含め、本公開買付価格のプレミアム水準を前提としてどれくらいの株数が本公開買付けに応募される見込みであるか、及び本公開買付けが成立した後に予定している株式併合を議案とする臨時株主総会における賛成議決権数の見込みについて、対象者有価証券報告書、対象者株主が提出する有価証券報告書や大量保有報告書(変更報告書を含む。)、及び対象者株主が開示する投資信託説明書等の公表情報並びに金融市場等の各種データ提供サービスを行う情報ベンダーによるデータベース情報(三田証券からは株式会社QUICKが提供するQ's Shareというデータベース情報を参照したと聞いております。)を踏まえて推計することを依頼しました。また、併せて、公開買付者は、三田証券に対して、対象者株式の内、株主の属性に伴う投票行動(本公開買付けの成立、すなわち本公開買付けに50.00%以上の応募があったという事実を踏まえた場合に想定される本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。以下同じです。)における投票行動)についても推計の検討を依頼しました。その結果、(ⅰ)本公開買付けの条件の適否にかかわらず原則として本公開買付けに応募を行わないが、公開買付者が本公開買付けにおいて買付予定数の議決権の過半数を取得し本公開買付けが成立し、本臨時株主総会に移行した場合に、少なくとも当該株主総会における本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」で定義します。以下同じです。)議案への特別決議への賛成票を投じると見込まれる株主数について、正確な把握は不可能であり、また厳密な推計は困難であるものの、結論的には、その合計株式数は、パッシブ・インデックス運用ファンドが所有している株式数(所有割合に換算して約7.96%)であるとの試算を受けておりました。また、本覚書の締結が見込まれる前の時点の検討においては、(ⅱ)仮に対象者が本公開買付けに賛同以外の意見表明を行ったと仮定した場合も想定し、この場合に本公開買付けに応募するか否かは不確実であるが、本公開買付けが成立して本臨時株主総会に移行した場合に、当該株主総会における本株式併合議案への特別決議への賛成票を投じると見込まれる株主数は、上記パッシブ・インデックス運用ファンドの所有株式数(同約7.96%)に加え、対象者の従業員持株会が所有している株式数(同約1.25%)、対象者の取締役が所有している株式数(同約0.66%)及び対象者の取引先持株会が所有している株式数(同約8.60%)等を合計して、所有割合に換算して約18.47%程度と見込まれることから(注7)、仮に本公開買付け成立後に公開買付者が所有する対象者株式数が買付予定数の下限近くであったとしても、本株式併合の承認決議の可決要件を満たすと予想される旨の試算を受けておりました。

 

その後、公開買付者は、2023年9月6日、2023年9月13日付で対象者との間で本覚書を締結することが見込まれるに至ったことを踏まえ、再度三田証券に対して、対象者が賛同の意見表明及び応募推奨を行った場合の株主の属性に伴う投票行動について推計の検討を依頼しました。その結果、(ⅰ)本公開買付けには応募しないという選択をした株主でも、本公開買付けが成立して公開買付者の所有割合が50%以上3分の2未満に留まるという状況が生じた場合においては、対象者の意向に理解を示し、対象者が本公開買付けに賛同の意見表明及び応募推奨を行った上で上程される本株式併合に係る議案自体には賛成するという株主が、厳密な推計は困難であるものの一定程度存在すると考えられることに加え、(ⅱ)本株式併合議案の成立に必要な所有株式数は、概ね、所有割合に換算して、全体の所有割合(100.00%)に対象者の直近5期の定時株主総会における平均議決権行使比率(約67.94%)(注8)(以下「本議決権行使比率」といいます。)及び株主総会の特別決議の可決に要する議決権比率(約66.67%)を乗じた割合(約45.30%)であると考えられるところ、本公開買付け成立後、公開買付者が所有する株式数(その場合想定される最低値は所有割合にして約50.00%)及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数(同約7.96%)(なお、対象者としては、パッシブ・インデックス運用ファンドのうち、本公開買付けには応募しないものの、本株式併合に係る議案に賛成する見込みの株主は所有割合にして3.98%にとどまるとのことですが、三田証券によれば、パッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)(同約3.99%)及び民間のパッシブ・インデックス運用ファンド(同約3.98%)を合計した株式数(所有比率にして約7.96%)と試算しており、この点に関して、対象者は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をパッシブ・インデックス運用ファンドに分類していないことが想定されるとのことです。三田証券からは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、その大部分(年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がウェブサイトに開示している情報によると、当該法人が運用対象とする国内株式のうち2021年度末時点におけるパッシブ運用の割合は93.65%を占めているとのことです。)がTOPIXをベンチマークとしたパッシブ運用となっており、一般的にアクティブ運用は市場において一定規模の株式売買の機会を確保することが求められるため、時価総額と出来高が相対的に大きいプライム市場の銘柄が中心であると考えられることから、スタンダード市場に上場する対象者への投資はパッシブ運用に分類されるとの分析結果を得ております。)を合計した株式数(同約57.96%)は、当該水準(約45.30%)を優に超えると推計されることから、本株式併合に係る議案が成立する確度は高いと見込まれる旨の報告を2023年9月7日に受けました。

なお、公開買付者は、一般的に公開買付け(公開買付価格にプレミアムが付された事案を指します。)の公表後は、市場で対象者株式を買い集める投資家が増加すると考えられることから、対象者の株主構成に公開買付けの開始前の時点から変動が生じることを踏まえ、本株式併合に係る議案が成立する確度をより保守的にみた場合の分析も併せて三田証券に依頼いたしました。三田証券によれば、このような投資家は、公開買付けの条件の中で買付予定数に上限を設定していないことに鑑み、取得した株式の全部又は一部につき公開買付けの決済がなされないリスクは低いと考える傾向にあり、買付予定数の下限の水準は相対的に必ずしも重視されるとまでは言えず、一般的には市場で取得した株式について公開買付けに応募の上トレーディング収益を獲得するという投資行動をとる者が大半であるとのことであり、本公開買付け成立後に株主として残存することを企図している投資家は少ないと考えられるとのことではありますが、仮に当該議案が成立する確度をより保守的にみる場合は、(ⅰ)対象者の議決権行使比率の(平均値ではなく)一定期間における最大値を採用することや、(ⅱ)本公開買付けと同類型の事案(以下「同種事案」といいます。)(注9)における株式併合議案に係る議決権行使比率で、より保守的な分析結果が得られるとのことであったため、公開買付者はこのような保守的な分析を参照することとしました。その結果、(ⅰ)本公開買付け成立後、公開買付者が所有する株式数(その場合想定される最低値は所有割合にして約50.00%)及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数(同約7.96%)を合計した株式数(同約57.96%)は、対象者の直近5期の定時株主総会における議決権行使比率のうちの最大値(約73.48%)(以下「最大議決権行使比率」といいます。)(注8参照)に株主総会の特別決議の可決に要する議決権比率(約66.67%)を乗じた割合(約48.99%)を、なお優に超えると推計されること、及び、(ⅱ)同種事案(注9)の分析によれば、公開買付け成立後の株式併合議案に係る公開買付主体以外の株主の議決権行使比率は、平時の定時株主総会の議決権行使比率に比して大きく低下するところ、公開買付者が所有する株式数(その場合想定される最低値は所有割合にして約50.00%)及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数(同約7.96%)を合計した株式数(同約57.96%)以外の株主(所有割合にして同約42.04%)の全員が、万が一本株式併合に係る議案に反対票を投じたという極端な仮定を置いても、その数値は、当該株主の所有割合(同約42.04%)に最大議決権行使比率(約73.48%)及び平均議決権変動率(約58.84%)((注9)で定義します。)を乗じた所有割合にして約18.18%と推計され、この場合の本株式併合に係る議案の賛成率は約76.12%と3分の2を超えると推計されることから、本株式併合に係る議案が成立する確度は高いと見込まれる旨の報告を受けております。公開買付者は、これらの三田証券による試算は、対象者や対象者株主の公表情報等を基礎として実施している点、上述の議決権行使比率の算定に際しては一定期間の平均値及び最大値を採用している点、上記(ⅱ)のとおり同種事案における株式併合議案の議決権行使比率も分析した上で推計結果を導いている点、その他三田証券による試算の手法(議決権行使比率の分析において、議決権行使の傾向を把握するために信頼性が高いと考えられる直近5年間のデータを用いている点を含む。)及び結果につき不合理な点は見当たらない点を踏まえ、合理性を有すると判断し、当該試算の内容を踏まえて本公開買付けに係る買付予定数の下限を決定いたしました。

 

(注4) 具体的な確認方法としては、公開買付者は、本公開買付期間中(本注に記載の方法により、応募株券等の数が買付予定数の下限(3,193,900株)に達したことを確認し、かつ、本公開買付期間を延長した場合における、当該延長後の公開買付期間中においても同じです。)の毎営業日午後3時30分(日本時間を意味します。以下本注において同じです。)を基準時間として、公開買付代理人及び本公開買付けの復代理人であるマネックス証券株式会社をして、(ⅰ)同基準時間時点までに同各代理人の証券口座に実際に応募がなされている株式数を集計させ、(ⅱ)同日午後4時45分までに公開買付者に対して報告させることを予定しております。公開買付者は、かかる報告に基づき、当該時点における応募株券等の数が買付予定数の下限(3,193,900株)に達したことを確認した場合には、その旨を同日中又は翌営業日(但し、本公開買付期間の末日に限り同日中といたします。)に公表する予定です。なお、公開買付者は、買付予定数の下限である3,193,900株以上の応募を確認しその旨を公表した後に、本公開買付けへの応募者が応募を撤回し、結果的に応募株券等の総数が買付予定数の下限を下回る可能性については、本公開買付価格のプレミアム水準に照らし、相当に低いと考えておりますが、何らかの理由により多数の応募株券等について応募の撤回が誘発され、本公開買付けへの応募株券等の数が買付予定数の下限を下回ることとなった場合には、公開買付者は速やかにその旨を公表し、その上で、応募株券等の数が買付予定数の下限(3,193,900株)に再度達した場合の公表、本公開買付期間を延長するために必要な手続の実施等の対応を行う予定です。

(注5) 公開買付者の認識によれば、(ⅰ)企業買収行動指針の目的は、上場会社の経営支配権を取得する買収を巡る当事者の行動の在り方を中心に、M&Aに関する公正なルール形成に向けて経済社会において共有されるべき原則論及びベストプラクティスを提示することとされ、また、(ii)企業買収行動指針の策定に至る過程として公表されている経済産業省での議論の経緯等を踏まえると、同指針については多くの証券市場参加者から適切なガイドラインであるという評価を得ていることから、公開買付者としては、本取引との関係においても、証券市場参加者の一員として、企業買収行動指針を遵守する必要があると考えております。

(注6) 「パッシブ・インデックス運用ファンド」とは、株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマークとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用することにより、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンドを意味します。

(注7) 具体的には、公開買付者は、公開買付代理人である三田証券から、次のとおりの見解を受けておりました。すなわち、(ⅰ)対象者の具体的な株主構成(パッシブ・インデックス運用ファンド(所有割合に換算して約7.96%)、対象者の従業員持株会(同約1.25%)、対象者の取締役(同約0.66%)、及び対象者の取引先持株会(同約8.60%)による対象者株式の所有状況(合計して同約18.47%程度))を踏まえると、本公開買付けが成立したものの、公開買付者の所有割合が50%以上3分の2未満に留まるという状況が生じた場合には、その一因として、上述のとおり、公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないパッシブ・インデックス運用ファンドの存在(所有割合に換算して約7.96%)や、対象者株式を政策保有又はそれに類似する目的で保有している株主であって、かつ本公開買付け時においては対象者取締役会が賛同意見を表明しないと仮定した場合においては、対象者の当該意見の内容に理解を示して応募を控える者が一定数存在すると考えられる(厳密な推計は困難であるものの、少なくとも対象者株主のうち、対象者の従業員持株会(同約1.25%)、対象者の取締役(同約0.66%)、及び対象者の取引先持株会(同約8.60%)(合計して同約10.51%)は当該株主に該当すると考えております。)ものの(なお、この他に、対象者取締役会の意見表明の内容にかかわらず応募を控える者も存在すると考えられますが、そのような株主がその後の本臨時株主総会における本株式併合議案に賛成するか否かの予測は難しいと考えております。)、(ⅱ)一方で、本公開買付けが成立した後においては、スクイーズアウトに係る臨時株主総会において賛成の議決権行使を行うパッシブ・インデックス運用ファンドの存在(パッシブ・インデックス運用ファンドは一般的には会社が賛同を表明した上で上程した株主総会議案に対して賛成の議決権行使を行うものと考えられます。)や、実務上一般に、対象者の取締役会は、新たに親会社となった公開買付者の経営方針等に一定の理解を示し、親会社の方針と一致した方針の下に事業運営を行うことが多いところ、そのような対象者の取締役会における事業運営方針の見直しといった状況の変化を上記(ⅰ)のような株主は肯定的に捉え、本臨時株主総会における本株式併合に係る議案に賛成することが見込まれるとの試算を受けておりました

(注8) 対象者有価証券報告書によれば、2023年6月29日開催の第93回定時株主総会の基準日における議決権の数は63,675個でしたが、2023年7月4日に対象者が提出した臨時報告書によれば、実際に行使された議決権の数は全議案平均38,538個であり、行使された議決権は議決権の数全体に対して約60.52%に相当します。同様に議決権行使率を算定すると、第92回定時株主総会は約67.00%、第91回定時株主総会は約73.48%、第90回定時株主総会は約70.00%、第89回定時株主総会は約68.71%となり、対象者の直近5期の定時株主総会における平均議決権行使比率は約67.94%(なお、当該期間の議決権行使比率の最大値は、第91回定時株主総会における約73.48%)となります。

 

(注9) 「同種事案」とは、2020年1月以降に公表された、発行者以外の者による完全子会社化を目的とする買付予定数の上限のない公開買付けであって、公開買付けの開始前に、公開買付者(その特別関係者含みます。)による対象者株式の所有割合が33.34%未満の国内上場会社(Tokyo PRO Market除く)を対象とした公開買付け案件となる合計37件をいいます(但し、REITを対象とする案件、公開買付け不成立に終わった案件、二段階公開買付けやいわゆるディスカウント公開買付け案件、スクイーズアウト時の手法に株式売渡請求を選択した案件及び公開買付けの開始前に対抗公開買付け等による株価の変動が生じていた案件は、上記分析の対象から除外しています。)。かかる37件を分析した結果、株式併合議案(スクイーズアウト議案)に係る議決権行使比率(但し、公開買付者の行使個数は当該計算から除く)を、各事例における買収対象会社の直近の定時株主総会の議決権行使比率で除した割合の平均値は、約58.84%(以下「平均議決権変動率」といいます。)となります。

 

また、本公開買付けが成立した場合であって、本公開買付けの結果、(ⅰ)公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を保有するに至った場合には、公開買付者は、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、対象者の株主を公開買付者のみとし、対象者株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しており、(ⅱ)公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2を保有するに至らなかった場合であっても、対象者に対して、本臨時株主総会の開催を要請する予定です。上記(注3)及び(注7)に記載のとおり、公開買付者は、買付予定数の下限である過半数しか本公開買付けで取得できなかった場合でも、特別決議による本スクイーズアウト手続の承認決議の成立のために必要な賛成を得られる見込みと考えております。

 

但し、万一、本公開買付けが成立したものの、公開買付者の所有する対象者の議決権が対象者の総株主の議決権の3分の2を下回り、かつ本臨時株主総会において本株式併合に係る議案に賛成する株主が見込みと異なり結果として総株主の議決権の3分の2を下回る可能性もあります。その場合には、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載した、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案の承認を得ることが困難となります。しかし、当該承認を得られない場合であっても、公開買付者は、最終的には対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的としていることから、そうした可能性を排除するため、本臨時株主総会における議決権数に3分の2を乗じた議決権数に相当する株式数に達する数の株式を、及び本臨時株主総会において当該議案の承認を得られなかった場合には次回に開催を予定する株主総会における議決権数に3分の2を乗じた議決権数に相当する株式数に達する数の株式を取得するに至るまで、対象者株式を追加取得して、本株式併合の承認のための株主総会を開催する予定です。すなわち、公開買付者は、当該追加取得を行う時点での市場株価を考慮して決定する価格(但し、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得に対応して売却する株主にとって不利益と評価されることのない、合理的な価格(対象者が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)とします。)にて、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(法において認められる場合に限ります。)により対象者株式を追加取得し、最終的には、対象者の発行済株式総数から対象者が所有する自己株式数を控除した株式数に係る議決権数の3分の2に相当する数の株式を取得するに至るまで、対象者株式を追加取得することを予定しております。このような追加取得及びその後の株主総会による本株式併合の承認までに要する期間については、市況等の事情にもよるため、現時点では確定的な時期を特定することは困難であるものの、遅くとも2024年6月開催の対象者の定時株主総会までと予定しております。具体的な見込み時期が判明しましたらその旨お知らせいたします。本公開買付けが成立した場合には当該見込み時期にかかわらず、対象者を完全子会社化する方針を変更いたしません。なお、公開買付者において、本公開買付けが成立した場合、本株式併合に係る議案が成立する確度は高いと考えている点については、上記(注3)及び(注7)をご参照ください。

なお、本スクイーズアウト手続において、公開買付者が株主の皆様に対して支払う対価は、本公開買付価格と同額とし、また、上記追加取得において、公開買付者が株主の皆様に対して支払う対価は、本公開買付価格と比較して、経済的に同等の価格といたします。

 

 

公開買付者は、公開買付者7月13日付プレスリリースにおいて公表しましたとおり、2022年1月から3月にかけて、対象者代表取締役原田一八氏に対して、対象者と公開買付者の子会社であるニデックドライブテクノロジー株式会社(旧商号 日本電産シンポ株式会社)との資本業務提携を提案(以下「2022年提案」といいます。)しておりましたが、特段の理由のご説明をいただくことなく対象者取締役会より2022年提案に係る協議の実施を謝絶されました。その後、公開買付者は、工作機械事業を公開買付者グループにとって今後の新しい事業の柱とすべく買収による事業拡大の検討を続け、2023年2月にはイタリアの工作機械メーカであるPAMA S.p.A.(以下「PAMA」といいます。)及びその関連会社を新たに買収いたしました。さらにその後改めて工作機械業界で強いポジションを得るための一歩として、公開買付者グループとの非常に大きなシナジーが期待できる対象者との連合を再度2023年2月下旬に検討し、2022年提案を謝絶されたことを踏まえ、2023年7月13日付で、対象者に対して、本取引に関する公開買付者の詳細なご提案を記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出いたしました。

なお、(ⅰ)公開買付者は、対象者を完全子会社化することにより、売上シナジー(両社の製品が相互補完関係にあることによる顧客ベースの統一と相互活用による販路拡大・クロスセリング等)及びコストシナジー(共通部品調達の相乗り、購買ロット大型化による原価低減、海外調達や海外生産の推進等)などの各種シナジーが実現され、両社において企業価値を最大化させる具体的な蓋然性が高いものと確信するとともに、(ⅱ)本公開買付価格も、1株当たり2,600円に定め、これは2023年7月12日を基準日とする過去1ヶ月、3ヶ月、及び6ヶ月の各対象者株式市場株価終値平均値対比でそれぞれ、約104.89%、104.40%、及び112.94%のプレミアムを付けるものです。これにより、公開買付者は、対象者株主の皆様に対して、経済産業省が2023年6月8日付で公表した「企業買収における行動指針(案)」(注10。以下「企業買収行動指針案」といいます。)に記載された「株主が享受すべき利益」、すなわち、「買収を行わなくても実現可能な価値」を十二分に提供し、かつ「買収を行われなければ実現できない価値」の公正な分配をも適切に実現することが可能であり、対象者株主の皆様にとっても極めて魅力的なご提案であり、本取引は、全体として、企業買収行動指針案においてその実施が推奨されている、正に「望ましい買収」であると考えておりました。なお、公開買付者は、本取引のリーガル・アドバイザーとして、TMI総合法律事務所を選任し、同法律事務所の法的助言を受けています。

(注10) 企業買収行動指針案は、2023年6月8日(木曜日)から2023年8月6日(日曜日)までの間、パブリックコメントを受け付けており、2023年7月12日時点で確定したものではありませんでした。しかし、上記パブリックコメントの対象期間を踏まえますと、本公開買付けの開始時点では同指針案を基にした正式な指針が決定されていると公開買付者は予想しており、本公開買付けを開始するに至った段階において、本取引を公表した同日時点で施行されることが予測可能であった同指針案に従った行動及び対応がなされていたか否かという点が、遡って検証対象となり得る、と公開買付者は予想しておりました。

 

また、公開買付者は、対象者の企業価値を向上させ対象者株主価値を適切に確保する取引の実施は対象者及び対象者株主のみならず我が国経済社会全体にも有益であるとの考えのもと、本取引の全体にわたって、企業買収行動指針案を遵守するためのプロセス設計を詳細に行っており、対象者においても同指針案に沿った対応が当然になされることと想定した場合、同指針案で求められる、対象者における真摯な検討が可能となるような真摯な買収提案を行い、買収のために要する資力等の本公開買付けを実際に行う合理的な根拠を有した上で、本公開買付けを実施する条件や開始予定時期等、市場の判断に資する具体的な情報を開示するといったプロセスは全て遵守しております。具体的には、上記のとおり、2023年7月13日付で本取引に関する公開買付者の詳細なご提案を記載した本意向表明書を対象者に提出するとともに、公開買付者7月13日付プレスリリースを公表しております。また、上記のとおり、本公開買付けが開始される時点では同指針案に基づく正式な指針が決定されていることが予想されたこと、及び対象者も上場会社として証券市場参加者の一員であることから、公開買付者は、対象者も当然に同指針案に沿った対応を執るものと、想定しておりました。

 

 

本意向表明書の提出を受け、対象者は、公開買付者に対し、2023年7月28日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、対象者取締役会及び本意向表明書に記載された提案を検討するために対象者が設置した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)が必要と考える情報の提供を要請する必要情報リストを交付したとのことです。これを受け、公開買付者は、対象者に対し、2023年8月1日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、左記必要情報リストに対する回答書を提出いたしました。その後、対象者は、公開買付者に対し、2023年8月17日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、追加情報の提供を要請する必要情報リスト(2回目)を交付したとのことです。これを受け、公開買付者は、対象者に対し、2023年8月22日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、左記必要情報リスト(2回目)に対する回答書(2回目)を提出いたしました。

その後、2023年9月5日、公開買付者及び対象者との間で、回答書及び回答書(2回目)を踏まえ、公開買付者の傘下に入ることを含めて、対象者グループの企業価値の向上について協議が行われ、本特別委員会の諮問とそれを踏まえた取締役会の決議で賛成されることを条件とするものの、同日時点の方向性として本取引を友好的に進めることを前提に本公開買付けの開始日の前営業日までに本取引後の対象者グループの経営方針について協議することとなりました。

上記の公開買付者と対象者の間の協議の結果、公開買付者は、2023年9月13日、対象者との間で、法的拘束力のない本覚書を締結するに至りました。なお、本覚書においては、対象者取締役会が、本公開買付けに賛同し、かつ対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することについて合意しております。本覚書の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

また、対象者が2023年9月13日付で公表した「ニデック株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「対象者意見表明プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2023年9月13日開催の対象者取締役会において、本覚書の締結を承認するとともに、本公開買付けに賛同し、かつ対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決定したとのことです。かかる対象者取締役会の決定の詳細については、対象者意見表明プレスリリース並びに下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」及び「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である取締役を含みます。)の承認」をご参照ください。

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由 ① 公開買付者の概要

公開買付者は、1973年7月の創業以来、日本を代表する世界的な企業になるという目標を掲げ、これまで「日本電産株式会社」の社名を使用してまいりましたが、今般、創立50周年を迎え、2023年4月に社名を「ニデック株式会社」に変更いたしました。この間、公開買付者グループ(公開買付者並びにその子会社及び関連会社の総称を意味します。以下同じです。)は、2023年3月期には、連結ベースで、売上高2兆2,428億円、営業利益1,001億円、設備投資額1,378億円、研究開発費813億円を計上するとともに、グループ企業総数世界46ヶ国に連結子会社343社、持分法適用関連会社4社、合計347社を有しており、共に働く仲間も公開買付者グループ全体で106,592名)にまで、飛躍的な成長を続けてきたと考えております。株式市場においても、時価総額で4兆3,922億円(2023年9月12日終値ベース)と市場から評価されております。

 

この成長は、高精度・高効率の技術力を有する企業の公開買付者グループへの参加抜きには不可能でした。公開買付者は、創業以来、グローバルでM&Aを積極的に行い、本書提出日現在、72社が公開買付者グループ入りを果たしており、グループ入り後は、各社とも公開買付者グループの経営手法を取り入れ、また他の公開買付者グループ会社とのシナジーを実現することにより、着実な成長を遂げております。一例ですが、1997年に公開買付者グループ入りした検査装置製品の製造/販売を手掛けるニデックアドバンステクノロジー株式会社(旧商号:日本電産リード株式会社)は、徹底したPMI(Post Merger Integration)活動の結果、公開買付者グループ入り前の1997年3月期と直近期である2023年3月期を比較して売上高は約36倍、営業利益は約121倍となり、公開買付者グループ会社の中でも、売上や営業利益等の業績面において突出した急成長を為しとげております。また、2003年に公開買付者グループ入りしたニデックインスツルメンツ株式会社(旧商号:日本電産サンキョー株式会社)は、1946年創立の歴史ある企業であり、一時業績不振に陥ったことから、そのような状況を打開すべく公開買付者グループ入りし、公開買付者グループ入り後、同社の既存技術と親和性が高く、かつ公開買付者グループに蓄積されている技術面及び経営面におけるノウハウを活用可能なモータ、モータ駆動ユニット、カードリーダ、及び産業用ロボット等へと事業範囲を拡大することで、順調に安定成長を続けております。同社の祖業であり、その企業文化の象徴であるオルゴールムーブメントの製造を現在も続けながら、公開買付者グループがそれまでに他のグループ会社の事業運営で培った経営手法を導入することにより既存事業の収益構造を変革して、オーガニック成長(M&Aによる企業買収の影響等を除いた、自社の経営資源のみによる成長)により黒字化に転じたことに加えて、自ら主体となってニデックマテリアル株式会社、東京丸善工業株式会社、及び米国Nidec Genmark Automation, Inc.等のM&A及びその後のPMIを行う会社へと成長しております。今後も、公開買付者は、グループ各社と共に互いの技術力を合わせ、公開買付者グループとして、100年を超えて成長し続け、人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団に継続して成長してまいりたいと考えております。

そのような取り組みの中にあって、近年、公開買付者グループは、「工作機械事業」を新しい事業の柱と位置づけ、2021年に三菱重工工作機械株式会社(現商号:ニデックマシンツール株式会社)を、2022年にOKK株式会社(現商号:ニデックオーケーケー株式会社)(2022年)を、2023年にイタリア工作機械メーカであるPAMA及びその関連会社を、それぞれ公開買付者グループに迎え入れました。ニデックマシンツール株式会社については、公開買付者グループ入り前は16ヶ月連続で営業赤字であったところ、公開買付者グループ入り後わずか2ヶ月目に単月黒字化し、2023年3月期には更なる増益を実現しました。ニデックオーケーケー株式会社についても、公開買付者グループ入りした2022年3月期は営業赤字であったところ、翌事業年度第1四半期には黒字化いたしました。このように、いずれの会社も公開買付者グループ入り後に事業構造の変革に成功し、公開買付者グループの新たな事業の柱として順調に成長しております。上記3社の公開買付者グループ入りに際しても、公開買付者は、過去これまでに実施してきたM&Aの事例と同様に、新たに公開買付者グループに加入した各社に対して、各社が培ってきた企業文化の良い点を活かしつつ、公開買付者の創業以来の理念や経営方針を融合させたPMI活動を続けて継続的に収益力・成長力・競争力の強化を図っております。

 

② 公開買付者が考える対象者の事業及び現在の事業運営状況について

対象者有価証券報告書等の公開情報によれば、対象者は、1922年8月に滝澤脩作氏及び滝澤七三郎氏がボール盤、旋盤等の各種工作機械の製造販売を目的として大阪市に瀧澤鐵工所を創立し、1935年4月の合名会社への改組、1944年10月の株式会社への改組を経て、1962年9月に証券会員制法人大阪証券取引所市場第二部に、1963年5月に証券会員制法人東京証券取引所市場第二部に株式を上場した後、2013年3月には東京証券取引所市場第一部に指定を受け、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所スタンダード市場に移行したとのことです。

対象者有価証券報告書等の公開情報によれば、対象者並びにその子会社11社及び関連会社1社(いずれも2023年3月末日現在)で構成される企業集団(以下「対象者グループ」といいます。)は、工作機械の製造・販売を通じて社会や環境におけるサステナビリティの実現に寄与し、世界中の人々の生活がより豊かになることを目的とするとともに、永続的な成長と安定的な収益の実現により株主価値の向上と企業の社会的責任を果たすことを目標として、日本を含むアジア(中国、台湾、インド、タイ、インドネシア、ベトナム)、北米(アメリカ)及びヨーロッパ(ドイツ)において、数値制御旋盤、マシニングセンタ及び普通旋盤等の工作機械の製造販売を主な事業内容とするとともに、それらに関連するサービス業務及び技術サポート業務等の事業活動を展開しているとのことです。

 

もっとも、2013年度以降の過去10年間の対象者の中期経営計画の達成状況を見ると、2017年度と2018年度の2か年度を除いては毎年度の営業利益に係る計画が未達となっており、景気変動の激しい工作機械業界において残念ながら当初の計画どおりの事業運営が行えておりません。

このような過去の計画未達状況、及び後述のような競争力を高めている海外メーカとの競争等の厳しい事業環境を勘案するに、対象者が2022年5月13日付で公表された中期経営計画「Value-Up 2024」で掲げられている、2024年度売上高310億円、営業利益率8%の目標値は、有力な工作機械メーカである対象者といえども単独で達成することは極めて難しいものと、公開買付者は、判断しております。

より具体的には、対象者は、「Value-Up 2024」において、上記業績の達成に向けた事業課題として「半導体製造装置関連、航空・宇宙、洋上風力発電など新規市場への販売展開を行う」、「ハイエンド機(高性能・高価格な製品)からミドルレンジ機(性能や価格が中位の製品)の新製品開発を強化」、「モジュール化戦略により「開発~製造」プロセスにおける一気通貫での付加価値を高める」等の点を重要な課題として挙げておられますが、(ⅰ)「Value-Up 2024」の計画期1年目にあたる2023年3月期の売上高、営業利益、及び営業利益率の実績値はいずれも計画未達成であったこと、(ⅱ)「Value-Up 2024」では2023年3月期から2025年3月期の3か年で売上高、営業利益及び営業利益率はいずれも大きく(それぞれ約11%、79%及び60%)成長することが計画されているにもかかわらず、対象者が2023年5月時点に公表した業績予想では2024年3月期の売上高、及び営業利益は「Value-Up 2024」の計画値未達であった2023年3月期の実績値すらも下回るものであること、(ⅲ)中期経営計画で掲げている上記課題を実現するための積極的な成長投資が行われていないこと、並びに、(ⅳ)中期経営計画公表後2事業年度目に至っても、その他2025年3月期に向けて今後の営業利益率等の飛躍を期待し得る成果が公表されていないこと等を踏まえると、これらの新たな取り組みを成功させ、国内外工作機械メーカの製品力や価格競争力に打ち克つことは、対象者独力による事業運営では、全くもって達成困難であると、公開買付者は、拝察しております。

そこで、公開買付者は、対象者が高い競争力を持って、今後持続的に大きく成長を遂げるためには、これまでのような独力による事業運営ではなく、公開買付者のように強固な基盤を持つ他社との合理的に意義のある連携に踏み切るべき局面に最早至っているものと2023年2月下旬に判断しました。

 

③ 本公開買付けを実施する理由

当初、2021年に実行したニデックマシンツール株式会社の買収は、公開買付者グループのEV、減速機等のその他事業とのシナジーを発揮させることが主目的でしたが、同社のPMI活動を行い、工作機械業界についての知見を深めていく中で、2021年11月上旬、公開買付者は、以下の理由から、工作機械事業こそ公開買付者グループにとって今後の新しい事業の柱として注力すべき事業であると、判断するに至りました。

すなわち、工作機械は従前より日本の製造業を支える重要な産業の一つでしたが、近時においては、経済産業省が2023年1月19日付で公表した「工作機械及び産業用ロボットに係る安定供給確保を図るための取組方針」(以下「経産省取組方針」といいます。)にも記載されているとおり、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大以降のデジタル・トランスフォーメーションの推進や、電気自動車をはじめとするカーボンニュートラルの実現に資する幅広い工業製品の生産に向けたニーズの高まりにより、国内外の製造現場における工作機械に対して求められる役割は、質・量ともに、中長期的かつ不可逆的に拡大していくことが想定されており、とりわけ、我が国が人口減少局面を迎え製造現場においても熟練労働者の高齢化や人手不足が次第に顕著となっていく点にも鑑みれば、製造プロセスの高精度化・自動化に資する工作機械の我が国製造業における重要性はより一層大きくなっております。

しかしながら、公開買付者の認識によれば、日本の工作機械業界は、1兆数千億円の市場に100社以上のメーカがひしめきあい、不況時には厳しい価格競争に至っており、そのような状況を見越して好況時に蓄積された利益も成長投資に充てられることなく内部に溜め込まれ、不況時に製品の値下げ等によって留保された利益を取り崩すという傾向が見られます。従って、一部の大手メーカを除き、長期的戦略に基づく継続的な成長投資が行えておらず、我が国工作機械メーカの多くは、競争力を欠き、低成長サイクルに陥っていると考えています。

 

このような日本の工作機械業界の現状に鑑みますと、拡大する国際市場において高い国際競争力を有する欧州メーカが積極的に日本市場に進出したり、今後成長スピードに勝る中国その他の新興国のメーカがさらに力を付けたりしていけば、他の業界で見られたように、世界でトップレベルの競争力を有していた日本企業が、打つ手のないままに欧州や中国その他の新興国メーカにシェアを奪われるという状況を招きかねません。さらに、経産省取組方針が指摘するように、このまま日本の工作機械業界の国際競争力が低下し、将来国内企業による供給の途絶が生じた場合には、我が国製造業の事業基盤そのものが揺るぎかねず、日本の製造業全体の競争力低下に直結する可能性があることは明らかです。日本を代表する世界的なメーカたらんとする公開買付者として、このような日本製造業の危機を看過することはできません。

このような危機意識のもと、グローバルな視点、積極的な投資戦略、及び豊富な企業買収経験を有する公開買付者グループが、世界トップの工作機械メーカとなって工作機械業界をけん引することで、日本の工作機械業界、ひいては日本の製造業そのものの世界的競争力の維持、向上に貢献したいと考えるに至り、2021年11月中旬、工作機械事業を新たな事業の柱に据えることとしたものです。

 

上記のような現下の状況を踏まえ、公開買付者は、公開買付者グループが、工作機械市場において強いプレゼンスを発揮し、国際競争力を獲得するためには何が必要かという点について考え続けてきました。その結論の1つとして、工作機械業界で強いポジションを得るための一歩として、2022年1月、公開買付者グループとの非常に大きなシナジーが期待できる対象者との連合を考えた次第であります。

 

対象者が公開買付者グループに加われば、「世界一の工作機械メーカグループになる」という目標の下、公開買付者が実施してきた過去のM&Aと同様に、これまでの取り組みを活かしながら、公開買付者グループがこれまで培ってきたグローバルでの事業運営のノウハウ、資金力、人財、技術力等のあらゆるリソースを活用することが可能になり、売上シナジー(両社の製品が相互補完関係にあることによる顧客ベースの統一と相互活用による販路拡大・クロスセリング等)及びコストシナジー(共通部品調達の相乗り、購買ロット大型化による原価低減、海外調達や海外生産の推進等)を期待することができます。これにより、これまで対象者が単独で行ってこられた施策の継続では達成することが難しい成長を遂げることが可能となると考えております。

 

 

具体的には、以下のとおりです。

 

(ⅰ)製品・市場の補完

ア 製品について

対象者が主力とする旋盤は、工作機械市場の約3割を占める機種であるにもかかわらず公開買付者グループは未参入の分野であり、両社には非常に大きな補完性があります。

イ 市場について

対象者は中国・台湾を主力市場とする一方、公開買付者グループは欧州(PAMA社)・米国(ニデックマシンツール株式会社の米国子会社)に重要な営業拠点を持っており、公開買付者グループの海外営業拠点をご活用いただくことにより海外の市場補完が可能です。

 

(ⅱ)拠点分散と地産地消の促進

対象者が生産拠点を有していない欧州・米国・インドにおいても公開買付者グループは生産拠点を有しており、公開買付者グループに加わることにより、対象者はこれらの地域に生産拠点を設置・拡大し、全世界での地産地消を進めることが可能となります。

 

(ⅲ)事業規模の拡大

公開買付者グループに加わることにより、公開買付者グループと対象者の工作機械事業における合計売上規模が1千億円を越え、対象者は購買・生産の原価低減、営業・サービスの質的向上など規模のメリットを享受することができます。

 

(ⅳ)その他

その他に、公開買付者が対象者をベストパートナーと考えている要因として以下の点を挙げさせていただきます。

- 対象者とニデックオーケーケー株式会社のターゲットユーザーが共通することから、クロスセルや一体提案等のシナジー効果のより迅速な実現が期待できること

- 日本及び中国において対象者と公開買付者グループ各社の拠点が地理的に近く、緊密な連携が期待できること

- 対象者は2022年に公開買付者グループ入りしたニデックオーケーケー株式会社と、規模・ビジネスモデル・沿革・株主構成において類似しており、公開買付者はそのPMI経験を活かして円滑な連携を進めることができること

 

上記の施策を通じて、対象者は先に公開買付者グループに加わった工作機械3社(上記ニデックマシンツール株式会社、ニデックオーケーケー株式会社並びにPAMA及びその関連会社)とともに、世界をリードする工作機械メーカとして成長され、強い競争力を持って持続的に発展可能になられるものと確信しております。かような認識のもと、公開買付者は2022年1月から3月にかけて、対象者に対し公開買付者の子会社であるニデックドライブテクノロジー株式会社との資本業務提携(注11)を提案するに至りましたが、対象者より特段の理由のご説明をいただくことなく協議の継続を謝絶されました。その後、公開買付者は製品の自主開発など代替手段を検討しましたが、海外メーカの急成長など市場環境の変化の速度や施策実現の確度を勘案し、対象者を公開買付者グループに取り込むことが必要と再度考え、前回とは異なる内容の提案を対象者及びそのステークホルダーに訴える最終判断に至りました。

(注11) 第三者割当株式発行による公開買付者グループ入りと業務提携を目的としていますが、具体的な条件の提示・交渉に入る前に、謝絶されております。

 

さらに今回、対象者経営計画「Value-Up2024」を拝見し、対象者の事業課題に照らして、公開買付者グループの経営リソースをどのようにご活用いただき、また、事業上のシナジーをどのように実現させることができるかという点について分析をした結果、以下のとおりと考えております。

 

 

(ⅰ)販売面・生産面

ア 成長市場進出支援

公開買付者グループのネットワークを利用し、EV関連・半導体・航空宇宙・洋上風力等の成長市場開拓を加速することが可能と考えます。

イ 海外代理店の最適化

両社合算の売上規模を背景に海外の既存代理店への影響力を高めながら、相互紹介と最適化を進めることが可能と考えます。

ウ 欧米市場の強化

公開買付者の資金と既存工場を活用し欧州又は北米で生産拠点を確保することにより、海外市場における原価低減・納期短縮・顧客サービス向上を図ることができます。

 

(ⅱ)開発面

ア 製品の品揃え

製品ラインアップが重複しない公開買付者と組むことにより、カニバリゼーション(同じ市場において同一企業グループのブランド・商品が競合し、売上を奪い合ってしまうこと)のない品揃え、顧客への総合提案、クロスセルによる売上拡大が可能となります。

イ ハイエンド機の開発

各種マシニングセンタ、ミル加工、5軸加工に関する公開買付者技術と、対象者の旋盤技術の組み合わせにより、競争力のある5軸加工機と複合加工機を迅速に開発することができます。

ウ モジュール化の着手

公開買付者グループでのモジュール化はPAMA社が先行しており、その事業運営の過程で培った事例及びノウハウを共有することにより開発思想転換の糸口としていただくことが可能です。

なお、一般にモジュール化に伴って、部品の共通化及び集約による調達コストの削減が見込まれますが、対象者グループについては、モジュール化を待たずして、公開買付者グループ入り直後から、公開買付者グループとの情報交換や廉価サプライヤの紹介等によりコスト削減の効果を享受していただくことが可能です。

 

(ⅲ)組織体制、資金調達

ア 上場維持コスト及び業務負荷の低減

非上場化が実現した場合は、公開買付者グループに入ることで、上場会社グループとしての対外信用力や知名度向上などのメリットを享受しつつ、対象者単体でのコストや業務負荷の軽減と経営判断の迅速化が可能となります。

イ 台灣瀧澤科技股份有限公司(台湾瀧澤社)との連携強化

台湾瀧澤社は、連結ベースで対象者の売上利益を支える重要な子会社です。公開買付者グループの経営資源と提携ノウハウを活用し、台湾瀧澤社に対してあらたな着眼点から連携強化のご提案を差し上げることが可能と考えます。

ウ 資金調達力の底上げ

公開買付者のグループファイナンスにより、国内生産拠点や販売・サービス拠点の新設増設等の設備投資資金や運営に必要な運転資金を、スピーディーかつ低コストで調達することが可能です。

 

以上のような理由により、公開買付者は、2023年7月13日、対象者を公開買付者の完全子会社とするための一連の取引の一環として、対象者株式に対する公開買付けの実施を正式に提案するに至りました。

 

かかる提案を受け、対象者は、公開買付者に対し、2023年7月28日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、対象者取締役会及び本特別委員会が必要と考える情報の提供を要請する必要情報リストを交付したとのことです。これを受け、公開買付者は、対象者に対し、2023年8月1日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、左記必要情報リストに対する回答書を提出いたしました。その後、対象者は、公開買付者に対し、2023年8月17日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、追加情報の提供を要請する必要情報リスト(2回目)を交付したとのことです。これを受け、公開買付者は、対象者に対し、2023年8月22日付で、別添「質問事項及び回答書の概要」のとおり、左記必要情報リスト(2回目)に対する回答書(2回目)を提出いたしました。

その後、2023年8月28日に、公開買付者は、対象者より、本取引の実施条件に関する事項、及び本公開買付け成立後の対象者グループの経営体制等に関する事項を合意することを主たる目的とした、経営統合契約の主要条件書を受領し、契約条件の協議・交渉に入ることの打診を受けました。その後、2023年9月5日、公開買付者及び対象者との間で、回答書及び回答書(2回目)を踏まえ、公開買付者の傘下に入ることを含めて、対象者グループの企業価値の向上について協議が行われ、本特別委員会の諮問とそれを踏まえた取締役会の決議で賛成されることを条件とするものの、同日時点の方向性として本取引を友好的に進めることを前提に本公開買付けの開始日の前営業日までに本取引後の対象者グループの経営方針について協議することとなりました。なお、公開買付者は、対象者に対するデュー・ディリジェンスを実施しておりません。

なお、公開買付者は、公開買付者が買付予定数の下限として、所有割合にして50%に相当する株式数である3,193,900株(所有割合:50.00%)と設定していることにより、いわゆる強圧性の問題が生じないかについて、2023年7月28日付の必要情報リストにおいて質問を受けたため、2023年8月1日付回答書において回答したところ、公開買付者は、対象者より、2023年8月28日に、かかる下限について再考をするように要請を受けるとともに、2023年9月8日に、対象者の過去5年間の議決権行使比率の平均値は67.94%(但し、直近の定時株主総会の議決権行使比率は約60%)であるところ、当該議決権行使比率を前提とすると、仮に、公開買付者が本公開買付け後に対象者の議決権総数の50%に相当する株式を保有するに至った場合には、公開買付者が確保した議決権個数でもって、株式併合に必要となる株主総会決議の特別決議が成立する可能性が相当程度あることを踏まえ、本公開買付けが成立したにもかかわらず、株主総会において株式併合に係る議案が否決されるという可能性が低いとも言い得ることから、本公開買付けが成立したにもかかわらず、非公開化が実現されない状態を懸念視し、自身の希望に反して、本公開買付けに応募するという株主が生ずる可能性は実際には低いとも言い得ると考えられる旨の連絡を受けました。

上記の公開買付者と対象者の間の協議の結果、公開買付者は、対象者に対し、2023年9月6日に本覚書のドラフトを交付し、2023年9月13日、対象者との間で、本覚書を締結するに至りました。なお、本覚書においては、対象者取締役会が、本公開買付けに賛同し、かつ対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することについて合意しております。本覚書の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

④ 対象者における意思決定の過程及び理由

対象者意見表明プレスリリースによれば、対象者は、2023年9月13日開催の対象者取締役会において、本覚書の締結を承認するとともに、本公開買付けに賛同し、かつ対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決定したとのことであり、その決定の過程及び理由は、以下のとおりであるとのことです。

 

(ⅰ)公開買付者からの提案、提案の真摯性の確認及び検討体制の構築の経緯

対象者は、本意向表明書の受領に先立ち、2022年1月に公開買付者から2022年提案を受領していたとのことです。2022年提案を検討するために、対象者は、第三者機関である株式会社大和総研(以下「大和総研」といいます。)を起用し、同社を交え、業務執行取締役及び社外取締役を含む対象者のプロジェクトメンバーにおいて、合計9回の会合を開催するなど、2ヶ月にわたって協議及び検討を実施したとのことです。なお、この9回の会合のうち、業務執行取締役及び社外取締役を含む対象者のプロジェクトメンバーと、公開買付者との間で、面談及び協議を2回行ったとのことです。これらの協議等を経て、対象者は、大和総研からの助言内容を踏まえ、(a)2022年提案は、対象者が公開買付者グループに対して第三者割当増資をすることで対象者を連結子会社化するものであり、ここでは対象者の株主の皆様に対して支配権移転に伴うプレミアムの支払いを伴うものでは必ずしもなかったこと、(b)2022年提案は、対象者の株主総会の決議を前提としない形での第三者割当増資を通じた連結子会社の提案であったと対象者は理解しているところ、対象者には大規模な増資を正当化する資金調達の必要性及び緊急性がなかったため、株主総会の決議なくしてこれを実施することが適切ではないと判断したことから、これを謝絶していたとのことです。

 

その後、対象者は、2023年7月13日に公開買付者から本意向表明書を受領したとのことです。本取引は、2022年提案と異なり、対象者の完全子会社化を目的として対象者株主の皆様に対して現金を対価として対象者株式の取得等を行う取引に変更されていたこと、及び本取引に係る提案はプレミアムの支払いを伴う提案であったことから、対象者は、これを検討することとしたとのことです。

 

そして、対象者は、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本意向表明書における提案が、公開買付者による対象者の完全子会社化を目的とする公開買付けの提案(すなわち、対象者株主の皆様に対して、本スクイーズアウト手続を通じて強制的に対象者株主としての地位を終了させる提案を含むもの)であることから、本公開買付価格その他の本公開買付けに係る諸条件の公正性の担保、及び本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、2023年7月中旬に選任したとのことです。

 

また、対象者は、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言を受け、公開買付者による本取引に係る提案が、本意向表明書及び公開買付者7月13日付プレスリリースの内容に照らして、「具体性・目的の正当性・実現可能性の認められる真摯な買収提案」であると判断の上、2023年7月27日、公開買付者及び対象者並びに本取引の成否から独立した立場で本取引について検討、交渉等を行うため、対象者の独立社外取締役全員(合計5名)によって構成される本特別委員会を設置したとのことです。

具体的には、対象者は、2021年6月25日開催の第91回定時株主総会において「対象者株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下「対象者買収対応方針」といいます。)の更新について対象者株主の皆様から承認を受けていましたが、仮に、本取引に係る提案に対して、対象者取締役会が対象者買収対応方針上の対抗措置を発動する場合には、対象者買収対応方針上の「独立委員会」への諮問を行うこととなっているとのことです。そのため、仮に、対象者が「独立委員会」への諮問を行った際にもこれを速やかに検討できるようにするため、対象者は、「独立委員会」の委員である独立社外取締役5名に、本特別委員会の委員に就任いただくよう2023年7月下旬に意見聴取及び就任の打診を行ったとのことです。

 

そして、対象者は、対象者の独立社外取締役5名への意見聴取及び就任の打診の結果を踏まえて、2023年7月27日付の取締役会における決議により、小林正啓氏(本特別委員会委員長。監査等委員である独立社外取締役。弁護士。花水木法律事務所所長)、三宅盛夫氏(常勤監査等委員である独立社外取締役)、十川智基氏(監査等委員である独立社外取締役。公認会計士・税理士)、米澤和美氏(監査等委員である独立社外取締役。社会保険労務士)、及び坂上修一氏(監査等委員である独立社外取締役。特定非営利法人CIO Lounge理事)の5名から構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、(ア)対象者取締役会が本公開買付けに対してどのような意見を表明すべきか、(イ)本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるかどうか、並びに(ウ)本取引に対する真摯な対抗提案が第三者よりなされた場合において、対象者取締役会が当該対抗提案に対してどのような意見を表明すべきか、及び当該対抗提案は少数株主にとって不利益でないと考えられるかどうか(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。なお、諮問事項(ウ)に関しては、本取引に係る提案が公開買付者7月13日付プレスリリースにより一般に公表される形でも対象者に対してなされたことに伴い、公開買付者7月13日付プレスリリースの内容を確認した第三者が対抗提案者として登場する場合に備えて本諮問事項に含めているとのことです。

また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(a)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会は、本取引(上記の対抗提案を含みます。以下、本段落において同じです。)に係る対象者のアドバイザーを利用することができるほか、対象者の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関等に委託することができるものとし、その場合の当該委託に係る合理的な費用は対象者が負担すること、(b)本取引に関する対象者取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を尊重して行われるものとすること、(c)本特別委員会に対して、適切な判断を確保するために、対象者の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限を付与すること、(d)本特別委員会に対して、本取引の取引条件等に関する対象者による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与すること等を決議していたとのことです(下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)。

 

そして、本特別委員会は、2023年7月31日に開催された初回の会合において、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所が公開買付者及び対象者並びに本取引の成否から独立していること、それぞれの専門性を確認の上、対象者において、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することをそれぞれ承認したとのことです。なお、本特別委員会は、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所が、公開買付者及び対象者並びに本取引の成否からの独立性及び専門性のいずれの観点からも問題ないことを確認したことから、両社に対して専門的な助言等を求めることとし、本特別委員会独自のアドバイザーの選任は行っていないとのことです。

 

さらに、対象者は、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者及び本取引の成否から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる体制に独立性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の確認を受けているとのことです。

 

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

上記「(ⅰ)公開買付者からの提案、提案の真摯性の確認及び検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、対象者は、2023年7月13日に公開買付者から本意向表明書を受領し、本意向表明書に係る提案を「具体性・目的の正当性・実現可能性の認められる真摯な買収提案」であると判断し、公開買付者との間で協議を開始することや本取引の実施の是非等について真摯な検討を開始したとのことです。また、この検討に際しては、公開買付者が、対象者買収対応方針の手続に沿って本意向表明書を対象者に提出していることから、対象者は対象者買収対応方針の手続に則って対応を行うこととしたとのことです。

 

すなわち、対象者は、本意向表明書に記載されている内容その他の本取引に関連する事項について質問を行うべく、対象者買収対応方針上の必要情報リストを2023年7月28日に公開買付者に送付し、公開買付者から2023年8月1日に回答書を受領し、2023年8月2日に公開買付者が対象者の本社に訪問の上、公開買付者と面談し、直接、公開買付者の考え等について説明を受けたとのことです。対象者は、公開買付者からの書面及び口頭による説明を受けて、さらに公開買付者の考え等についての理解を深めるべく、対象者買収対応方針上の追加情報リストを2023年8月17日に公開買付者に送付し、公開買付者から2023年8月22日に回答書を受領し、その内容の検討を行ったとのことです。

上記と並行して、対象者は、本取引に係るシナジー及びディスシナジーを可能な限り検討すべく、2023年8月初旬以降、対象者グループの役職員に対してヒアリングを実施するとともに、その結果の取りまとめを行ったとのことです。

なお、上記のとおり、公開買付者からの本取引に係る提案に関する分析及び検討を行っている中、対象者は、2023年7月28日に、1社(以下「本件対抗提案者」といいます。)から本取引に係る提案に対する対抗提案としての初期的な意向表明書を受領したとのことです。対象者は、本件対抗提案者が提出した意向表明書が、「具体性・目的の正当性・実現可能性の認められる真摯な買収提案」であると判断の上、対象者買収対応方針に基づいて、公開買付者に対して実施したのと同様に、本件対抗提案者に対し、対象者取締役会及び本特別委員会が、本件対抗提案者の大規模買付行為を検討するために必要と考える情報の提供を要請する「必要情報リスト」を交付し、その回答を求めるとともに、本件対抗提案者からのデュー・ディリジェンスの実施の依頼に基づき、一定の資料の提供や質問への回答の対応をしていたとのことです(なお、対象者は、本件対抗提案者によるデュー・ディリジェンスへの対応を開始するのと同じタイミングで、公開買付者に対してもデュー・ディリジェンスの実施の要否についての確認を行ったとのことです。対象者は、公開買付者から現時点でデュー・ディリジェンスは実施しないとの連絡を受けたため、公開買付者との関係でデュー・ディリジェンスへの対応を行っていないとのことです。)。しかしながら、本件対抗提案者からは、2023年8月下旬に最終提案を行わない旨の連絡を受けたことから、対象者は本件対抗提案者との協議を打ち切ったとのことです。なお、対象者は、本件対抗提案者による提案のほか、本取引に係る提案に対する対抗提案を受領していないとのことです。

 

以上の過程を経て、対象者は、(ア)公開買付者からの必要情報リスト及び追加情報リストへの回答書並びに2023年8月2日の面談における公開買付者からの説明や、(イ)対象者において検討した本取引に係るシナジー及びディスシナジーの分析結果を踏まえて、公開買付者からの本取引に係る提案は企業価値の向上に資する可能性があると判断し、2023年8月28日に、公開買付者に対して、本取引の実施条件に関する事項、及び本公開買付け成立後の対象者グループの経営体制等に関する事項を合意することを主たる目的とした経営統合契約の主要条件書を交付し、公開買付者との契約条件の協議・交渉に入ることを打診したとのことです。その後、2023年9月6日に、対象者は、公開買付者から、本公開買付け成立後の対象者グループの経営体制等に関する事項については、本取引実行後に時間をかけて検討したいことから、経営統合契約に代えて、本取引に関して対象者と公開買付者との間で、ともに「世界一の工作機械メーカグループ」を目指すこと(以下「本件目的」といいます。)を目的とした法的拘束力のない本覚書を締結したい旨の連絡を受け、2023年9月6日に本覚書のドラフトを受領したとのことです。

 

対象者としては、公開買付者との間で経営統合契約を締結することで、本取引の実施条件に関する事項、及び本公開買付け成立後の対象者グループの経営体制等に関する事項について、公開買付者との間で上記事項に関する認識を一致させたいと考えていたとのことです。他方で、本覚書の形式であっても、書面の形で対象者グループの経営体制等に関する事項について公開買付者の認識を確認できることもあり、公開買付者からの要望も踏まえて、経営統合契約の締結についての要望を取り下げることとしたとのことです。

 

本覚書では、概要以下の事項について記載がなされているとのことです。

①意向等の再確認

公開買付者は、本意向表明書並びに対象者から公開買付者に対する必要情報リスト及び追加情報リストに対する各回答書において記載した事項について、本取引実行後も維持されることを対象者に対して改めて確認し、対象者もこれを受諾する。

 

②対象者による賛同及び応募推奨

対象者は、①及び③を前提として、本取引に賛同して、本公開買付けが開始された場合には、これに賛同するとともに、対象者の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨する。

 

③誠実協議

対象者からの要望を受け、公開買付者と対象者は、本件目的の達成のため、対象者グループの企業価値の向上及び公開買付者グループの利益の最大化を図るべく、所定の事項((a)本公開買付け後の業務提携等に関する事項、(b)経営統合に関するステアリングコミッティの設置、(c)対象者グループの経営体制、(d)対象者グループの従業員の雇用条件の維持等を含みます。)について、今後、真摯かつ誠実に協議する。但し、本③は、上記①の規定に基づき公開買付者が確認し、対象者が受諾した事項が本取引実行後も維持されることを覆すものではない。

 

なお、対象者は、本公開買付価格に関しては、(ア)本公開買付けの実施についての公表日(以下「本件公表日」といいます。)である2023年7月13日を基準日として、基準日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値に対して63.83%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、基準日までの直近1ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値に対して102.23%、同直近3ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値に対して103.63%、同直近6ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値に対して112.16%のプレミアムが付されており、これは、下記「(iii)対象者の意思決定の内容」に記載のとおり、非公開化を企図した公開買付け(マネジメント・バイアウト(MBO)取引及び支配株主による公開買付けを除く。)事例に関するプレミアムの水準の数値を超えるものであるとの説明を大和証券から受けたこと、(イ)大和証券による対象者株式に係る価値算定結果によると、本公開買付価格は、市場株価法、類似会社比較法及びディスカウンティッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)によりそれぞれ算定された対象者株式1株当たり株式価値のレンジの上限を優に超過していること、さらには、(ウ)公開買付者は本公開買付けの実施の意向を2023年7月13日に公開買付者7月13日付プレスリリースにより一般に公表をしていることから、潜在的な対抗提案者による検討の機会が既に生じていることを踏まえ、本特別委員会による承認の下、公開買付者と交渉を行わないこととしたとのことです。

 

他方で、対象者は、買付予定数の下限を巡って以下のとおり、対象者から公開買付者に対して要望を伝えているとのことです。すなわち、公開買付者が買付予定数の下限として、所有割合にして50%に相当する株式数である3,193,900株(所有割合:50.00%)と設定しているため、本公開買付けが成立した場合であっても、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案の承認を得ることができない可能性があります。したがいまして、対象者としては、本公開買付けが成立したにもかかわらず、非公開化が実現されない状態を懸念した対象者の株主において、本公開買付けへの応募を迫られるという、いわゆる強圧性の問題が生じる可能性が、理論的にはあるため、検証を要するものと考えたとのことです。

 

対象者は、公開買付者は、本臨時株主総会に移行した場合に、本公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として本公開買付けへの応募を行わないが、当該株主総会における本株式併合議案に係る特別決議への賛成票を投じると見込まれる他の株主数について、正確な把握は不可能であり、また厳密な推計は困難であるものの、結論的には、その合計株式数は、パッシブ・インデックス運用ファンドが所有している株式数に対象者の取引先持株会が所有している株式数等を含めて、所有割合に換算して、約18%程度と見込まれると考えていると認識したとのことです。

他方で、対象者は、対象者買収対応方針上の必要情報リスト(2023年7月28日付)にて上記の点について公開買付者に対して質問を行い、公開買付者から回答を受領したところ、本臨時株主総会において本株式併合議案に係る特別決議への賛成票を投じると見込まれる株主とされた対象者株主の範囲が、対象者の認識よりも広いと考えたこと(注12)、また、公開買付者の上記認識は対象者取締役会が賛同意見を表明しないことを前提としたものであり、対象者取締役会が賛同意見を表明した場合には当該前提が当てはまらないことを踏まえて、かかる範囲について再考をするように公開買付者に対して、2023年8月28日に要請したとのことです。

(注12) 公開買付者によれば、本臨時株主総会において本株式併合議案に係る特別決議への賛成票を投じると見込まれる株主とされた対象者株主の所有する対象者株式に係る所有割合の合計が約18%とされているところ、対象者としては、パッシブ・インデックス運用ファンドであっても公開買付けに応募する者は存在しており、それを踏まえると、本公開買付けへの応募がその運用方針上できないものの、株式併合に係る議案に賛成する見込みの株主に係る所有割合は3.98%にとどまると考えており、その旨を公開買付者に連絡していたとのことです。

 

加えて、対象者は、公開買付者に対して、買付予定数の下限を所有割合にして50%に相当する株式数に維持するのであれば、公開買付者の従前の説明とは異なる説明を採用することで、対象者の株主の皆様の利益に照らしても、これを承諾することができる旨の連絡を、2023年9月8日に行ったとのことです。すなわち、対象者の過去5年間の株主総会における議決権行使比率の平均値は67.94%であり、当該議決権行使比率を前提とすると、仮に、公開買付者が本公開買付け後に対象者の議決権総数の50%に相当する株式を保有するに至った場合には、公開買付者が確保した議決権個数でもって、株式併合に必要となる株主総会決議の特別決議が成立する可能性が相当程度あることを踏まえ、本公開買付けが成立したにもかかわらず、株主総会において株式併合に係る議案が否決されるという可能性が低いとも言い得ることから、本公開買付けが成立したにもかかわらず、非公開化が実現されない状態を懸念視し、自身の希望に反して、本公開買付けに応募するという株主(強圧性の影響を受けた株主)が生ずる可能性は実際には低いとも言い得るものと考えており、その旨を公開買付者に対して2023年9月8日に伝えたとのことです。なお、対象者としては、一般的に公開買付け(公開買付価格にプレミアムが付された事案を指します。)の公表後は、市場で対象者株式を買い集める投資家が増加すると考えられることから、対象者の株主構成に公開買付けの開始前の時点から変動が生じることを踏まえ、当該議案が成立する確度をより保守的に検討する観点から、(ⅰ)対象者の議決権行使比率の(平均値ではなく)一定期間における最大値を採用することや、(ⅱ)同種事案における株式併合議案に係る議決権行使比率をも参照いたしました。その結果、(ⅰ)本公開買付け成立後、本株式併合に係る議案の議決権行使比率が、対象者の直近5期の定時株主総会における議決権行使比率のうちの最大値(約73.48%)となることを前提としても、公開買付者が本公開買付け後に対象者の議決権総数の50%に相当する株式を保有するに至った場合には、公開買付者が確保した議決権個数でもって、株式併合に必要となる株主総会決議の特別決議が成立する可能性が相当程度あること、及び、(ⅱ)公開買付け成立後の株式併合議案に係る公開買付主体以外の株主の議決権行使比率は、平時の定時株主総会の議決権行使比率に比して大きく低下するところ、公開買付者及びパッシブ・インデックス運用ファンド以外の株主の全員が、万が一本株式併合に係る議案に反対票を投じたという極端な仮定を置いたとしても、株式併合に必要となる株主総会決議の特別決議が成立する可能性が相当程度あることから、本株式併合に係る議案が成立する確度は高いと考えたとのことです。

 

加えて、対象者は、公開買付者は、本公開買付けにおいては、本公開買付期間の末日までに公開買付者が合理的な方法により、応募株券等の総数が買付予定数の下限である3,193,900株以上となったことを確認した場合には、速やかにその旨を公表した上で、当該時点から公開買付期間として10営業日を確保できるよう本公開買付期間を延長することを予定しており、公開買付者は、これにより、対象者の株主に対して、本取引に対する賛否の判断を行う機会と本公開買付けに応募するか否かの意思表示の機会を分離して両機会を提供することになり、本公開買付けの強圧性を排除することを意図していると認識したとのことです。

さらに、対象者は、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合であって、その結果、公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を保有するに至らなかった場合であっても、対象者に対して、本スクイーズアウト手続を実施するための臨時株主総会の開催を要請する予定であり、当該臨時株主総会において仮に承認を得られなかった場合であっても、公開買付者は、非公開化に係る議案における議決権行使個数に3分の2を乗じた議決権数に相当する株式数に達する数の株式を取得するに至るまで、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(但し、金融商品取引法において認められる場合に限る。)により対象者株式を追加取得し、最終的に、対象者の発行済株式総数から対象者が所有する自己株式数を控除した株式数に係る議決権数の3分の2に相当する数の株式を取得するに至るまで、対象者株式を追加取得する意向を明確に表明していると認識したとのことです。なお、追加取得に際しての対価は本公開買付価格と比較して、対象者の株主にとって経済的に不利益と評価されることのない、合理的な価格(対象者が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)とする旨も併せて表明されていると認識したとのことです。公開買付者による追加取得の意向を踏まえると、本公開買付けが成立したにもかかわらず、最終的に対象者の非公開化が実現されない可能性は高いとはいえないものと考えているとのことです。

上記の公開買付者が採用する公開買付期間の延長に係る措置及び追加取得の意向を前提とすれば、本公開買付けにおいては、株式併合に必要となる株主総会の特別決議の可決に要する議決権総数の3分の2を下回る買付予定数の下限が設定されているものの、それによって理論的に生じうる可能性のある本公開買付けの強圧性については相応の手当てがなされているものと考えられるとのことです。

公開買付者から提出された本意向表明書において、公開買付者が対象者の企業価値の向上を真摯かつ具体的に提案している旨表明していることを加味すれば、本取引は、主に強圧性の問題が生じうる典型的な場面(公開買付けによって支配権を取得した後に、対象会社の企業価値の減少が予測されるような場面)には該当せず、強圧性を低減させるための相応の措置が一定程度講じられていることを踏まえると、買付予定数の下限の設定について、対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考えるに至ったとのことです。

 

以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、適時に、対象者や対象者のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申述等を行ったとのことです。加えて、対象者が大和証券に対して対象者株式に係る価値算定を依頼する上で、2024年3月期から2028年3月期までを対象とする事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を策定しましたが、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、本特別委員会の確認を受けたとのことです。

 

そして、対象者は、2023年9月12日、本特別委員会から、対象者取締役会が本公開買付けに賛同し、対象者の株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨するべきであると思料する旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けたとのことです(本答申書の概要については、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)。

 

 

(ⅲ)対象者の意思決定の内容

以上の経緯を経て、対象者は、2023年9月13日開催の対象者取締役会において、大和証券から受けた助言、及び対象者が大和証券から2023年9月12日に受領した株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)の内容、並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、真摯かつ慎重に検討を行ったとのことです。

その結果、対象者は、以下の理由から、本取引は対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。

 

(a) 公開買付者が提案する業務提携の推進は、対象者の企業価値の向上に資すること

公開買付者の提案においては、本取引による想定シナジーとして、公開買付者グループと対象者グループとの業務提携に関する提案が含まれておりますが、これらの事項については、十分に実現の可能性があると考えられるところ、これらが実現した場合、下記(イ)に記載のディスシナジーを考慮しても、総合して対象者の収益にとってプラスとなることが予想されるため、対象者の企業価値の向上に資するものと考えられるとのことです。対象者として、特に期待するシナジー及び予想されるディスシナジーは以下のとおりであるとのことです。

 

(ア) シナジーに関する事項

(ⅰ)売上面におけるシナジー

① 公開買付者グループ入りすることでアプローチ可能な顧客層の拡大

公開買付者グループ入りに伴う対象者の経営基盤の更なる安定化により、従来の対象者の企業規模ではアプローチすることが難しかった中堅から大手の顧客企業への参入が可能

② 公開買付者グループとの取引の拡大

公開買付者グループ各社は旋盤をはじめとした様々な工作機械を使用しており、公開買付者グループ入りすることによる、対象者と公開買付者グループ各社との商談機会の増加

(ⅱ)コスト面におけるシナジー

① 共同購買による仕入れ原価の低下

公開買付者グループとの購買情報の共有や共同購買による仕入ボリューム増による仕入れ原価の低減

② 物流網の効率化

公開買付者グループの物流拠点との連携による物流網の効率化

③ 生産機能の効率化

公開買付者グループの製造拠点との連携による、公開買付者グループの優れたプラクティスの対象者工場への取り入れ、生産キャパシティの柔軟化、少額投資でのグローバルでの地産地消体制の構築、対象者の設備投資の抑制

 

(イ) ディスシナジーに関する事項

対象者が公開買付者グループ入りすることで公開買付者グループと直接競合する一部の顧客との取引が減少する可能性

 

 

(b) 対象者が公開買付者に提案した業務提携の実現が期待でき、これにより対象者の企業価値の向上が見込めること

対象者は、公開買付者の提案に係る業務提携事項に追加して、以下の各事項(以下「対象者業務提携提案事項」といいます。)についても、公開買付者に対して提携をしていただくよう依頼を行ったとのことです。対象者と公開買付者は、本覚書において、対象者業務提携提案事項について誠実に協議する旨を合意し、かつ、対象者が公開買付者グループ入りした場合には、これを実現する上で特段障害となる事象も認められないことから、対象者業務提携提案事項については実現可能と考えているとのことです。

 

(ア) 公開買付者グループとの基礎研究・商品開発における技術交流

(イ) 公開買付者グループの保有技術・インフラ等の共有

 

(c) 上場維持に伴う負担の軽減

対象者においては、対象者株式の上場維持のために必要となる人的・経済的コストが近年増加しており、このようなコストが対象者の経営上のさらなる負担となる可能性も否定できないと認識しているとのことです。対象者は本取引を通じて対象者株式が非公開化されることにより、これらの上場維持に伴うコストを回避できるものと考えているとのことです。

 

なお、上場廃止に伴うデメリットとして、対象者が上場会社でなくなることに伴う人材採用面への影響、株式を通じた資本市場からの資金調達が困難となることが考えられますが、対象者は、1962年以来の上場を通じて知名度・ブランド力等は確立できていること、公開買付者グループ入りすることで公開買付者の知名度・ブランド力等も活用することができることから、人材採用面に対する具体的な悪影響は見込まれず、また、株式を通じた資本市場からの資金調達についても、当面の間、予定していないことから問題はないと考えているとのことです。

 

また、対象者は、以下の点から、本公開買付価格である対象者株式1株当たり2,600円は、対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。

(ア) 公開買付者が公開買付者7月13日付プレスリリースにより本公開買付けの実施の意向を一般に公表した2023年7月13日以降、対象者は、本公開買付価格を上回る提案を受領しておらず、このことをもって本公開買付価格の妥当性が確保されていることが間接的に確認できるものと考えられること。

(イ) 本公開買付価格が、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の対象者株式価値算定書における大和証券による対象者株式の価値算定結果のうち、(a)市場株価法により算定された対象者株式1株当たり株式価値のレンジの上限を超過していること、(b)類似会社比較法により算定された対象者株式1株当たり株式価値のレンジの上限を超過していること、かつ、(c)DCF法により算定された対象者株式1株当たり株式価値のレンジの上限を超過していること。

 

(ウ) 本公開買付価格が、本件公表日である2023年7月13日を基準日として、基準日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,587円に対して63.83%、基準日までの直近1ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値1,286円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して102.23%、同直近3ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値1,277円に対して103.63%、同直近6ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値1,225円に対して112.16%のプレミアムが加算されたものであり(本件公表日の前営業日の終値に対して79.68%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して104.89%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して104.40%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して112.94%)、2021年8月から2023年7月までの2年間に公表された、非公開化を企図した公開買付け(マネジメント・バイアウト(MBO)取引及び支配株主による公開買付けを除きます。)の事例33件におけるプレミアム水準(公表日の前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値それぞれからのプレミアム)の中央値(それぞれ44.55%、46.21%、42.72%、46.68%)を上回っており、合理的な水準のプレミアムが付されていること。

(エ) 本公開買付価格は、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、対象者の一般株主が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の一般株主に対して適切なプレミアムを付した価格での貴社株式の売却の機会を提供するものであると認められる旨、本特別委員会により判断されていること。

 

なお、対象者によれば、本公開買付価格は、対象者の2023年3月31日時点の1株当たり純資産額(2,777.24円)を7.4%下回っていますが、一般に公正妥当と認められる会計基準においては、継続企業の前提に基づいて連結貸借対照表は作成されており、その純資産は理論的な清算価値を示すものではないと考えているとのことです。また、対象者の資産には棚卸資産や工場の土地・建物など流動性の低い事業用資産(対象者の連結貸借対照表(2023年6月30日現在)上、資産合計(40,839,474千円)に占めるそれらの資産に該当する資産(「商品及び製品」(4,417,958千円)、「仕掛品」(3,435,974千円)、「原材料及び貯蔵品」(5,517,533千円)、「有形固定資産」(10,083,565千円)及び「無形固定資産」(378,903千円))の割合は58.36%)が多く含まれており、資産売却に際しての困難性や清算に伴う様々な追加コストの発生等を考慮すると、仮に対象者が清算する場合にも、簿価からの相当程度の毀損が見込まれること(但し、対象者としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。)から、継続企業である対象者の企業価値の算定において、純資産額を重視することは合理的ではないと考えられるとのことです。

 

以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2023年9月13日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。

 

当該取締役会における決議の方法については、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である取締役を含みます。)の承認」をご参照ください。

 

(3) 本公開買付け後の経営方針 (ⅰ)経営体制については、今後対象者と協議し、決定いたします。

公開買付者は、本公開買付けが成立した後の具体的な経営体制については、両社の企業価値をさらに向上させる観点から、対象者の経営陣と、公開買付者の企業文化や経営方針の理解といった観点も踏まえて、誠実に協議を行った上で決定します。

 

 

(ⅱ)公開買付者グループがこれまで培った経営ノウハウをもとに経営改革をサポートいたします。

本取引後、公開買付者グループとのシナジーを早期に実現し、対象者の潜在的な企業価値を現実化していくために、これまでの公開買付者のM&AやPMIの経験より蓄積された経営ノウハウを用いて、経営改革の実現をサポートしてまいります。具体的には、これまで公開買付者グループ入りした各社における経験等を踏まえれば、(ア)公開買付者グループの企業理念であり三大精神の1つである「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」に代表されるスピードと徹底を重視する姿勢、(イ)徹底した「顧客第一主義」、及び、(ウ)「結果第一・信賞必罰」を貫き出自や主観的な感情を排し役職員の成し遂げた結果に基づく公正な評価方法等の経営方針を対象者事業運営に浸透させ、実践することで、対象者のポテンシャルを最大限に引き出し、公開買付者グループとのシナジー(販売、開発、生産におけるシナジー、対象者の台湾子会社との連携強化から創出されるシナジー、資金力・調達力の底上げ等)を実現させることが可能になると考えております。公開買付者グループは、そのために必要な経営改革をサポートしてまいります。

公開買付者は、対象者が公開買付者グループに加わることは対象者が持続的に成長可能な企業となるための導入に過ぎず、本取引後長きに渡って、対象者が公開買付者グループと共に成長し続ける企業になることがなにより重要と考えております。そのためには、対象者がこれまで培ってきた優れた企業文化を維持する必要があり、そのような企業文化の担い手である対象者従業員の皆様が、高いモチベーションと大きな希望をもって主体的に活躍することが必須であると考えております。具体的な人員配置については、今後対象者と協議し決定させていただきたく考えておりますが、本取引の実行後の対象者の役員については、公開買付者グループ入りした他のグループ会社と同様に、公開買付者グループからの派遣は、最小限の範囲に留める予定です。

一方、これまでの公開買付者のM&AやPMIの経験より蓄積された経営ノウハウを用いて、公開買付者グループとのシナジーを早期に実現するために、公開買付者代表取締役会長永守重信、同代表取締役社長執行役員小部博志、及び同副社長執行役員西本達也といった公開買付者グループのトップマネージメントはもちろんのこと、現場レベルの責任者が継続的に対象者を訪問し、対象者役職員の皆様と直接協議し、対象者の現場が抱える問題点や改善点についての意見交換を積極的に行うなど、対象者の経営改革の実現に向けて公開買付者グループとして責任をもってコミットし、サポートしてまいります。

 

(ⅲ)対象者のブランドについて、維持する方向で慎重に検討いたします。

また、商号につきましては、基本的には公開買付者グループ入りした会社には社名に「ニデック」を冠することとしておりますが、対象者ブランドは既に工作機械業界でその名を知られており、また商号変更をされたのが近年であることも踏まえて、維持する方向で慎重に検討させていただく所存です。

 

(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在において、公開買付者は、対象者株式を100株所有しているにすぎず、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、本公開買付けは、公開買付者が対象者の役員である公開買付けや公開買付者が対象者の役員の依頼に基づき公開買付けを行う者であって対象者の役員と利益を共通にする者である公開買付けに該当せず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しません。

もっとも、公開買付者及び対象者は、本取引の公正性担保につき慎重を期する観点から、以下の措置を講じております。

① 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるXIBに対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、公開買付者は、XIBから2023年9月8日に本株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得しております。

なお、XIBは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、XIBから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

 

② 対象者における独立した特別委員会の設置 (ⅰ)設置等の経緯

上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、2023年7月27日付の取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、対象者は、本特別委員会の委員の候補者が、公開買付者及び対象者からの独立性を有すること、並びに本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、対象者の監査等委員である独立社外取締役に意見聴取及び就任の打診を行い、小林正啓氏(本特別委員会委員長。監査等委員である独立社外取締役。弁護士。花水木法律事務所所長)、三宅盛夫氏(常勤監査等委員である独立社外取締役)、十川智基氏(監査等委員である独立社外取締役。公認会計士・税理士)、米澤和美氏(監査等委員である独立社外取締役。社会保険労務士)、及び坂上修一氏(監査等委員である独立社外取締役。特定非営利法人CIO Lounge理事)の5名を本特別委員会の委員として選定したとのことです(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。

また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体として位置付け、(a)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会は、本取引(本取引に対する真摯な対抗提案を含みます。以下、本段落において同じです。)に係る対象者のアドバイザーを利用することができるほか、対象者の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関等に委託することができるものとし、その場合の当該委託に係る合理的な費用は対象者が負担すること、(b)本取引に関する対象者取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を尊重して行われるものとすること、(c)本特別委員会に対して、適切な判断を確保するために、対象者の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限を付与すること、(d)本特別委員会に対して、本取引の取引条件等に関する対象者による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与すること等を決議したとのことです。

なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うか、又は無償としているとのことです。

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2023年7月31日から2023年9月12日までの間に合計8回、約13.5時間にわたって開催され、会合にて、また、会合の期日間では随時面談又は電子メールにて、報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。

具体的には、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、公開買付者及び対象者並びに本取引の成否から独立していること、並びにそれぞれの専門性を確認の上、その選任を承認したとのことです。

また、本特別委員会は、対象者が作成した本事業計画について、対象者からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認したとのことです。

さらに、本特別委員会は、下記「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしているとのことです。その上で、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行ったとのことです。

 

本特別委員会は、対象者を通じて、公開買付者に対する対象者の質問事項及び公開買付者による回答を確認し、また、本特別委員会の委員全員は、2023年8月2日に公開買付者との面談に参加し、直接、公開買付者の考え等について説明を受けたとのことです。

 

 

加えて、下記「④ 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、大和証券は、本事業計画を前提として対象者株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、大和証券から、対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しているとのことです。

 

また、本特別委員会は、対象者による公開買付者との協議・交渉について、随時、対象者及び大和証券から報告を受け、審議・検討を行い、対象者の協議・交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べたとのことです。

その上で、本特別委員会は対象者に対し、対象者としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、対象者と公開買付者との間の本取引の条件に関する協議・交渉過程の全般において関与したとのことです。

さらに、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、対象者が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース等の開示文書のドラフトの内容について説明を受け、適切な情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯を経て、本諮問事項について真摯かつ慎重に検討・協議を重ねた結果、2023年9月12日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出したとのことです。

 

(a) 答申内容

■ 諮問事項1(対象者取締役会が本公開買付けに対してどのような意見を表明すべきか。)について

対象者取締役会は、本公開買付けに対して賛同の意見を表明し、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明するべきであると思料する。

■ 諮問事項2(本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるかどうか。)について

本取引の一環として本公開買付け後に行われる予定の本スクイーズアウト手続に関してこれを承認し、また協力する決定(具体的には、公開買付者を対象者の唯一の株主とすることを目的とした株式併合に係る議案を対象者の株主総会に上程する取締役会決議を行うこと、又は、公開買付者からの株式売渡請求の承認請求に対して承認する旨の取締役会決議を行うこと)は、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと思料する。

■ 諮問事項3(本取引に対する真摯な対抗提案が第三者よりなされた場合において、対象者取締役会が当該対抗提案に対してどのような意見を表明すべきか、及び当該対抗提案は少数株主にとって不利益でないと考えられるかどうか。)について

2023年9月13日時点において、該当する対抗提案に関する連絡を対象者から受けていないことから、答申を行わない。

 

(b) 答申理由

諮問事項1について

■ 本特別委員会は、以下の理由から、本取引を実施することにより、対象者の企業価値の向上に資するものであると判断する。

① 公開買付者が提案する業務提携の推進は、対象者の企業価値の向上に資すること

・ 本取引による想定シナジーとして対象者は下記(ア)があると考えているところ、これらの事項が実現した場合、下記(イ)に記載のディスシナジーを考慮しても、総合して対象者の収益にとってプラスとなることが予想されるため、対象者の企業価値の向上に資するものと考えている。

 

(ア) シナジーに関する事項

✓ 売上面におけるシナジー

・ 公開買付者グループ入りすることでアプローチ可能な顧客層の拡大

・ 公開買付者グループとの取引の拡大

✓ コスト面におけるシナジー

・ 共同購買による仕入れ原価の低下

・ 物流網の効率化

・ 生産機能の効率化

(イ) ディスシナジーに関する事項

対象者が公開買付者グループ入りすることで公開買付者グループと直接競合する一部の顧客との取引が減少する可能性

・ 対象者は、本特別委員会に対して、公開買付者が提案するシナジーに関する事項の実現可能性について説明をしたが、特段不合理な点は見当たらなかった。加えて、本特別委員会は、対象者から、本取引によるシナジー・ディスシナジーを定量化した資料を確認したが、シナジーがディスシナジーを上回っていることを確認し、また、当該資料の作成方法についても特段問題は見当たらなかった。

② 対象者が公開買付者に提案した業務提携の実現が期待でき、これにより対象者の企業価値の向上が見込めること

・ 対象者は、対象者が公開買付者グループとなった場合には、以下の各事項(以下「対象者業務提携提案事項」と総称する。)についても提携をするよう公開買付者に依頼を行ったところ、対象者業務提携提案事項を含む本公開買付け後の業務提携等に関する事項について誠実協議をするとのことである。

(ア) 公開買付者グループとの基礎研究・商品開発における技術交流

(イ) 公開買付者グループの保有技術・インフラ等の共有

・ 対象者業務提携提案事項は、対象者グループが、公開買付者グループの技術・インフラを用いて、基礎研究・商品開発を行うことをもって品質向上を実現することを目的とするものであると理解しているところ、これが実現した場合、企業価値の向上が見込まれるものと考えられる。

③ 上場維持に伴う負担の軽減

・ 対象者は本取引を通じて対象者株式が非公開化されることにより、上場維持に伴うコストを回避でき、対象者によれば、この点が本取引の一つのメリットになるとのことである。

 

なお、対象者としては、1962年以来の上場を通じて知名度・ブランド力等は確立できていること、公開買付者グループ入りすることで公開買付者の知名度・ブランド力等も活用することができることから、人材採用面に対する具体的な悪影響は見込まれず、また、株式を通じた資本市場からの資金調達についても、当面の間、予定していないことから問題はないと考えているとのことである。このような上場廃止に伴うデメリットがないという対象者の判断については特段不合理な点はないものと考えられる。

 

■ 以上のとおり、本取引によるシナジーによって対象者における企業価値の向上が見込まれるとのことであり、本取引の一部である本公開買付けに対しては賛同の意見を表明するべきであると思料する。

 

 

■ 次に、本特別委員会は、次の点を考慮し、本公開買付価格は、対象者の一般株主が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の一般株主に対して適切なプレミアムを付した価格での対象者株式の売却の機会を提供するものであると考えられる。そのため、対象者は、対象者の株主に対して、本公開買付けに応募をすることを推奨する旨の意見を表明するべきであると思料する。

・ 本公開買付けは、公開買付者により2023年7月13日にその実施予定の意向が公に示されている。これにより、第三者が本公開買付けに対する対抗提案を行うかどうかの検討機会が与えられているものといえるところ、対象者は、本公開買付価格を上回る提案を受領しておらず、このことをもって、本公開買付価格の妥当性が確保されていることが間接的に確認できるものと考えられること。

・ 本公開買付価格が、対象者が大和証券から取得した株式価値算定書における対象者株式の価値算定結果のうち、各種手法により算定された対象者株式1株当たり株式価値のレンジの上限を超過していること。

・ 本公開買付価格が、2021年8月から2023年7月の2年間に公表された、非公開化を企図した公開買付け(マネジメント・バイアウト(MBO)取引及び支配株主による公開買付けを除く。)の事例33件におけるプレミアム水準(公表日の前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値それぞれからのプレミアム)の中央値(それぞれ44.55%、46.21%、42.72%、46.68%)を上回っており、合理的な水準のプレミアムが付されていること。

 

なお、本公開買付価格は、対象者の2023年3月31日時点の1株当たり純資産額(2,777.24円)を7.4%下回っているとのことであるが、以下の対象者の説明を踏まえると、本公開買付価格が1株当たりの純資産額を下回っていることをもって、本公開買付けに応募をすることを推奨する旨の意見を述べることが妨げられるものではないと思料する。

・ 一般に公正妥当と認められる会計基準においては、継続企業の前提に基づいて貸借対照表は作成されており、その純資産は理論的な清算価値を示すものではないこと。

・ 対象者の資産には棚卸資産や工場の土地・建物など流動性の低い事業用資産が多く含まれており、資産売却に際しての困難性や清算に伴う様々な追加コストの発生等を考慮すると、仮に対象者が清算する場合にも、簿価からの相当程度の毀損が見込まれること(但し、対象者としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っていない。)から、継続企業である対象者の企業価値の算定において、純資産額を重視することは合理的ではないと考えられること。

 

■ 本特別委員会は、本件においては、以下の措置が講じられており、公正な手続が履践されることで、一般株主の利益が確保されているものと考えられる。

・ 特別委員会の設置

本件においては、特別委員会の設置時期、委員の独立性、権限、交渉過程への関与等に照らして、特別委員会が果たすべきとされる役割をはたしているものと考えられる。

・ 対象者における独立した検討体制・意思決定プロセスの採用

対象者における意思決定プロセスに関して、公正性に疑義のある点は見当たらない。

・ 外部専門家からの専門的な助言の取得

本件では、対象者は、独立性を有する専門家からの法務・財務に関する助言を受けている。

・ 第三者評価機関からの対象者株式価値算定書の取得

独立した第三者算定機関である大和証券から、対象者株式の株式価値に関する資料としての対象者株式価値算定書を取得しており、また、株式価値算定書のために使用された事業計画については、不合理と考えられるところはなかった。

・ 間接的なマーケット・チェック及び対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意等の不存在

本公開買付けは、公開買付者により2023年7月13日にその実施予定の意向が公に示されている。これにより、第三者が本公開買付けに対する対抗提案を行うかどうかの検討機会が与えられているものといえる。加えて、本公開買付期間は、30営業日に設定されている。

 

また、本特別委員会は、対象者から、対象者と公開買付者との間において、対象者が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)と接触することを禁止するような合意等を行うことの報告を受けていない。なお、本覚書では、対象者は、本公開買付けに対して賛同するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに対して応募を推奨することが規定されているが、本覚書は法的拘束力がないものとされていることから、このような規定があり、かつ、それが開示書類上、明記されていることから、対抗的買収提案者との接触・協議を妨げる効果が生じることはないものと考えられる。

・ 買付予定数の下限の設定と、強圧性の低減のための措置等

本取引のうち本スクイーズアウト手続は、株式併合又は株式売渡請求を用いるスキームにより実行するものとされている。いずれのスキームを用いる場合でも、価格に不満がある株主には、会社法上、価格決定の申立てを行う権利が認められ、しかも、対象者プレスリリースでその旨が明示的に開示されている。また対象者プレスリリースでは、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われ、本スクイーズアウト手続の際に一般株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が開示されている。

他方で、しかしながら、本公開買付けにおいては、買付予定数の下限を満たした場合であっても、公開買付者は3分の2以上の議決権を確保していない状態が発生する可能性があるため、本公開買付けが成立したにもかかわらず、非公開化が実現されない状態を懸念した対象者の株主において、本公開買付けへの応募を迫られる(いわゆる強圧性)可能性が理論的には存在する。

 

この点に関しては、対象者プレスリリース、及び対象者からの対象者買収対応方針に基づく情報提供リストに対する公開買付者の回答書によれば、以下のとおりである。

① パッシブ・インデックス運用ファンドの存在

公開買付者7月13日付プレスリリースによれば、対象者株式を所有するETF(上場投資信託)やその他のパッシブ・インデックス運用ファンドの中には、公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないが、過去の事例に照らせば、その後のスクイーズアウトには臨時株主総会において賛成の議決権行使を行う方針の者が存在しているものと公開買付者は考えている。

② 協力株主の存在

加えて、公開買付者によれば、三田証券から、対象者株式を政策保有又はそれに類似する目的で保有している株主であって、かつ本公開買付け時においては対象者取締役会が賛同意見を表明しないことから応募を控える者が一定数存在すると考えられるものの、本公開買付けが成立した後においては、実務上一般に、対象者取締役会は、新たに親会社となった公開買付者の経営方針等に一定の理解を示し、親会社の方針と一致した方針の下に事業運営を行うことが想定される株主として、以下の株主の報告を受けているとのことである。

 

公開買付者によれば、上記①・②に記載の株主が保有する株式数の所有割合は約18%程度と見込まれることから、仮に本公開買付け成立後の公開買付者の所有株式数が買付予定数の下限近く(例えば所有割合にして50%)であったとしても、株式併合の承認決議の可決要件を満たすことが予想されるとのことである。他方で、本特別委員会は、大和証券から、本件におけるパッシブ・インデックス運用ファンドであっても公開買付けに応募する者は存在しており、それを踏まえると、「本公開買付けへの応募がその運用方針上できないものの、株式併合に係る議案に賛成する見込みの株主」に係る所有割合は3.99%にとどまるとの報告を受けている。

加えて、本特別委員会は、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、上記②に記載されている株主は、株式併合に係る議案に賛成するとは限らず、また、②は本公開買付け時において対象者取締役会が賛同意見を表明しないことを前提としており、本特別委員会が本答申書で答申するとおり対象者取締役会が賛同意見を表明した場合には当該前提が当てはまらないとの説明も受けている。

 

 

他方で、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からは、対象者の過去5年間の議決権行使比率の平均値は67.94%であり、当該議決権行使比率を前提とすると、仮に、公開買付者が本公開買付け後に対象者の議決権総数の50%に相当する株式を保有するに至った場合には、公開買付者が確保した議決権個数でもって、株式併合に必要となる株主総会決議の特別決議が成立する可能性が相当程度あるとの報告を受けている。この報告に基づけば、本公開買付けが成立したにもかかわらず、株主総会において株式併合に係る議案が否決されるという可能性が高いとは言えないことから、本公開買付けが成立したにもかかわらず、非公開化が実現されない状態を懸念視し、自身の希望に反して、本公開買付けに応募するという株主(強圧性の影響を受けた株主)が生ずる可能性は実際には低いともいいうると考えられる。

加えて、本公開買付けにおいては、公開買付者は、応募株券等の総数が買付予定数の下限である3,193,900株以上となったことを確認した場合には、速やかにその旨を公表した上で、当該時点から公開買付期間として10営業日を確保できるよう本公開買付期間を延長することを予定しており、公開買付者は、これにより、対象者の株主に対して、本取引に対する賛否の意思表示を行う機会と応募を行うか否かの判断の機会を分離して両機会を提供することになり、もって本公開買付けの強圧性を排除することを意図しているとのことである。

さらに、公開買付者によれば、本公開買付けが成立した場合であって、その結果、公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を保有するに至らなかった場合であっても、対象者に対して、本スクイーズアウト手続を実施するための臨時株主総会の開催を要請する予定であり、当該臨時株主総会において仮に承認を得られなかった場合であっても、公開買付者は、非公開化に係る議案における議決権行使個数に3分の2を乗じた議決権数に相当する株式数に達する数の株式を取得するに至るまで、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(金融商品取引法において認められる場合に限る。)により対象者株式を追加取得し、最終的に、対象者の発行済株式総数から対象者が所有する自己株式数を控除した株式数に係る議決権数の3分の2に相当する数の株式を取得するに至るまで、対象者株式を追加取得する意向を明確に表明している。なお、追加取得に際しての対価は本公開買付価格と比較して、対象者株主にとって経済的に不利益と評価されることのない、合理的な価格(対象者が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)とする旨も併せて表明されている。

公開買付者による追加取得の意向を踏まえると、本公開買付けに応募しなかった対象者株主も、公開買付者による追加取得に応募することにより、本公開買付けが成立したにもかかわらず、最終的に対象者の非公開化が実現されない可能性は高いとはいえないものと考えられる。

以上の大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の説明、並びに公開買付者が採用する公開買付期間の延長に係る措置及び追加取得の意向を前提として、本公開買付けにおいては、通常の非公開化を目的とした公開買付けに係る買付予定数よりも低い数値が設定されているものの、それによって理論的に生じうる可能性のある本公開買付けの強圧性については相応の手当てがなされており、そのことだけをもって、本公開買付けに反対をする必要は必ずしもないものと考える。

公開買付者から提出された意向表明書において、公開買付者が対象者の企業価値向上を真摯かつ具体的に提案していることを加味すれば、本取引は、主に学説上主張される強圧性の問題が生じうる典型的な場面(公開買付けによって支配権を取得した後に、対象会社の企業価値の減少が予測されるような場面)には該当せず、強圧性を低減させるための相応の措置が講じられていることを踏まえると、買付予定数の下限の設定について、対象者の一般株主にとって不利益なものではないと思慮する。

 

・ 一般株主への充実した情報提供とプロセスの透明性の確保

本件において一般株主に対する情報開示として問題とするべき事項は特段見当たらない。

 

 

諮問事項2について

■ 上記において述べたところからすれば、諮問事項2については、対象者取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明し、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定をすること、及び、②本取引の一環として、本スクイーズアウト手続に関してこれを承認し協力する決定すること(具体的には、公開買付者を対象者の唯一の株主とすることを目的とした株式併合に係る議案を対象者の株主総会に上程する取締役会決議を行うこと、又は、公開買付者からの株式売渡請求の承認請求に対して承認する旨の取締役会決議を行うこと)は、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと思料する。

 

諮問事項3について

■ 本特別委員会に対して、2023年9月13日時点において、該当する対抗提案が存在しないことから、諮問事項3については答申を行わない。

 

③ 対象者における独立した法律事務所からの助言の取得

対象者は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)公開買付者からの提案、提案の真摯性の確認及び検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、公開買付者及び対象者並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。

なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者又は対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

④ 対象者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 (ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者及び対象者並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、対象者株式の価値算定を依頼し、2023年9月12日付で対象者株式価値算定書を取得したとのことです。また、大和証券は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。

なお、対象者は、公開買付者及び対象者において、少数株主の利益に配慮して、本公開買付けの公正性を担保するための措置を実施していることから、フェアネス・オピニオンの取得は不要と判断しており、大和証券からフェアネス・オピニオンを取得していないとのことです。

 

また、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により大和証券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。

 

(ⅱ)算定の概要

大和証券は、複数の算定手法の中から対象者株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、市場株価が存在することから市場株価法、対象者の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法、及びこれらを補完する目的で類似会社比較法を算定方法として用いて対象者株式1株当たりの株式価値の分析を行い、対象者は、2023年9月12日付で大和証券より対象者株式価値算定書を取得したとのことです。

上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

市場株価法  :1,225円から1,587円

DCF法   :1,206円から1,385円

類似会社比較法:736円から1,483円

 

市場株価法では、公開買付者7月13日付プレスリリースの公表による株価への影響を排除するため、かかる公表の影響を受けていないと考えられる2023年7月13日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における基準日の対象者株式の終値1,587円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,286円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,277円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,225円を基に、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,206円から1,385円までと算定したとのことです。

DCF法では、対象者が作成した本事業計画を基に、2024年3月期から2028年3月期までの5期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2024年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,216円から1,397円までと算定したとのことです。

なお、対象者は、2022年5月13日付で、2023年3月期から2025年3月期までの3期分の中期経営計画「Value-Up 2024」を公表しておりますが、2023年3月期実績及び2024年3月期見込みが当該中期経営計画から下振れしていることから、直近の市場環境や最新の受注状況等を踏まえ、本事業計画を策定したとのことです。

大和証券がDCF法による分析に用いた本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年3月期においては、受注動向の予測から拡販が期待でき、台湾瀧澤との代理店共有による営業効率の向上により営業利益は2,111百万円で大幅な増益を、2028年3月期においては、市場動向の予測をもとにした受注環境の悪化を受けることにより営業利益は1,800百万円で大幅な減益を見込んでいるとのことです。また、フリー・キャッシュ・フローについても大幅な変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。

具体的には、2025年3月期においては、台湾瀧澤における土地取得及び生産設備投資によるフリー・キャッシュ・フローは△448百万円で赤字化を、2026年3月期においては、台湾瀧澤における事務所建設の設備投資が予定されているものの、前期比では投資額が減少することによるよりフリー・キャッシュ・フローは254百万円で黒字化を、2027年3月期においては、引き続き生産設備等の投資を進めていくものの、投資額としては減少することによりフリー・キャッシュ・フローは1,457百万円で大幅な増加を、2028年3月期においては、売上高減少に伴う運転資本減少によるフリー・キャッシュ・フローは3,336百万円で大幅な増加を見込んでいるとのことです。

 

類似会社比較法では、対象者と比較的類似する事業を手掛ける上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を736円から1,483円までと算定しているとのことです。

 

⑤ 対象者における独立した検討体制の構築

上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者及び本取引の成否から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制(対象者の取締役及び執行役員を主要なメンバーとする体制)を対象者の社内に構築したとのことです。

具体的には、対象者は、上記の主要なメンバーの中に、現に公開買付者の役職員を兼任する者など公開買付者又は本取引に関して重要な利害関係を有する者がいないことを確認したとのことです。

また、かかる取扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことについては本特別委員会の確認を得ているとのことです。

 

⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である取締役を含みます。)の承認

対象者取締役会は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、大和証券から受けた助言及び対象者株式価値算定書の内容、並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、真摯かつ慎重に検討したとのことです。

その結果、対象者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであり、かつ、本公開買付価格である対象者株式1株当たり2,600円は、対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断の上、公開買付者による対象者株式の非公開化が最善であると判断し、2023年9月13日開催の対象者取締役会において、対象者取締役合計12名(うち、監査等委員である独立社外取締役5名)の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。

 

⑦ 対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意等の不存在

公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

 

⑧ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、法令において定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しております。公開買付者は、公開買付期間を法定期間よりも長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対象者株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しております。

 

加えて、本公開買付けは事前公表型公開買付けであり、本公開買付価格を含む主要な取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで一定の期間を確保することにより、対象者の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対抗的買収提案者による買収提案の機会を確保することで、本公開買付の取引条件の適正性を担保し、もって対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保することを企図しています。

さらに、公開買付者は、応募株券等の総数が買付予定数の下限である3,193,900株に達した場合には、速やかにその旨を公表した上で、当該時点から公開買付期間として10営業日を確保できるよう本公開買付期間を延長することを予定しており、公開買付者は、これにより、対象者の株主に対して、本取引に対する賛否の意思表示を行う機会と応募を行うか否かの判断の機会を分離して両機会を提供することになり、本公開買付けの強圧性を排除することを意図しています。

また、上記「⑦ 対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意等の不存在」に記載のとおり、公開買付者は、対象者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けが成立した場合であって、本公開買付けの結果、公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を保有するに至った場合には、決済開始日後に対象者株式を非公開化するための一連の手続を実施する方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、公開買付者が対象者株式の全てを取得することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

なお、本公開買付けが成立した場合であって、本公開買付けの結果公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2を保有するに至らなかった場合であっても、対象者に対して、会社法第180条に基づき対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うこと(並びに取締役の追加的に選任すること)を付議議案に含む、本臨時株主総会の開催を要請する予定です。上記「(1) 本公開買付けの概要」の(注3)及び(注7)に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合であって、本公開買付けの結果公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2を保有するに至らなかった場合でも、特別決議による本スクイーズアウト手続の承認決議の成立のために必要な賛成を得られる見込みと考えております。

また、本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案の承認を得られない可能性がありますが、当該承認を得られない場合であっても、公開買付者は、対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得するため、次回に開催を予定する株主総会における議決権数に3分の2を乗じた議決権数に相当する株式数に達する数の株式を取得するに至るまで、当該追加取得を行う時点での市場株価を考慮して決定する価格(但し、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得を行う時点での株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(対象者が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)とします。)によって、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(法において認められる場合に限ります。)により対象者株式を追加取得することを予定しております。公開買付者が、かかる数の株式を取得した場合、又は、本株式併合に係る議案の株主総会での承認が見込まれる数(本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案に対して反対の議決権が行使された比率等を踏まえて判断する予定です。)の株式を取得した場合には、公開買付者は、対象者に対し、再度の臨時株主総会の開催を要請する予定です。但し、時期によっては2024年に開催される定時株主総会にて議案として上程する可能性もあります。

 

① 株式売渡請求

公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。以下本①において同じです。)の全員に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を対象者の株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して株式売渡請求の承認を求めます。なお、対象者意見表明プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、これを承認する予定とのことです。

対象者が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承認を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、対象者の株主全員からその所有する対象者株式の全部を取得いたします。株式売渡請求がなされた場合については、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主は、裁判所に対して、その有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができます。

 

 

② 株式併合

他方で、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を遅くとも本公開買付けの成立後3ヶ月以内(2023年10月27日に公開買付期間が終了し、本公開買付けが成立した場合には、2024年1月下旬まで)を目途に開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。

本臨時株主総会の開催時期等については、公開買付者と対象者にて協議の上、決定次第、対象者に速やかに公表していただくよう要請いたします。なお、対象者意見表明プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者から当該要請があった場合にはこれに従う予定とのことです。

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する対象者株式(以下「本端数合計株式」といいます。)を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。本端数合計株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。

本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が対象者株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう要請する予定です。

株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関連法令の定めに従い、株式併合に反対する対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する対象者の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者に速やかに公表していただくよう要請する予定です。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(6) 上場廃止となる見込み及びその事由

対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の手続が実行された場合には、対象者株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、対象者株式が上場廃止となった後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することはできません。

なお、本公開買付けにおいては、本公開買付け成立後に公開買付者が所有する対象者の議決権が対象者の総株主の議決権の3分の2を下回る場合もあり得るところ、その結果、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載した本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案の承認を得られない可能性があります。しかし、当該承認を得られない場合であっても、公開買付者は、対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得するため、再度の株主総会における議決権行使個数に3分の2を乗じた議決権数に相当する株式数に達する数の株式を取得するに至るまで、当該追加取得を行う時点での市場株価を考慮して決定する価格(但し、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得を行う時点での株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(対象者が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)とします。)にて、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(法において認められる場合に限ります。)により対象者株式を追加取得することを予定しております。公開買付者が、かかる数の株式を取得した場合、又は、本株式併合に係る議案の株主総会での承認が見込まれる数(本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案に対して反対の議決権が行使された比率等を踏まえて判断する予定です。)の株式を取得した場合には、公開買付者は、対象者に対し、臨時株主総会の開催を要請する予定です。

そして、公開買付者は、最終的に対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的としていることから、最終的には、対象者の発行済株式総数から対象者が所有する自己株式数を控除した株式数に係る議決権数の3分の2に相当する数の株式を取得するに至るまで、対象者株式を追加取得すること(但し、当該追加取得に係る取得価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得を行う時点での株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(対象者が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)といたします。)を予定しております。

 

(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

公開買付者及び対象者は、2023年9月13日付で、共に「世界一の工作機械メーカグループ」を目指すことを目的として、法的拘束力のない本覚書を締結しております。

本覚書においては、概要以下の事項について記載がなされています。

①意向等の再確認

公開買付者は、本意向表明書並びに対象者から公開買付者に対する必要情報リスト及び追加情報リストに対する各回答書において記載した事項について、本取引実行後も維持されることを対象者に対して改めて確認し、対象者もこれを受諾する。

②対象者による賛同及び応募推奨

対象者は、①及び③を前提として、本取引に賛同して、本公開買付けが開始された場合には、これに賛同するとともに、対象者の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨する。

③誠実協議

対象者からの要望を受け、公開買付者と対象者は、本件目的の達成のため、対象者グループの企業価値の向上及び公開買付者グループの利益の最大化を図るべく、対象者及び買付者の一定の経営上の事項(注13)について、今後、真摯かつ誠実に協議する。但し、本③は、上記①の規定に基づき公開買付者が確認し、対象者が受諾した事項が本取引実行後も維持されることを覆すものではない。

 

(注13) 本覚書において、公開買付者と対象者は、今後、①本公開買付け後の業務提携等に関する事項、②両社の経営統合に関するステアリングコミッティ、③対象者グループの経営体制、④対象者の従業員の雇用及び雇用条件の維持等(既存労働組合の維持・存続、労働協約の維持を含む。)、⑤対象者の商号等(商標及びブランドの維持、対象者グループの事業拠点の統廃合を含む。)、⑥対象者の本店所在地、⑦対象者グループの製品ラインナップ、⑧対象会社グループのアフターサービス体制、⑨情報等の取得に関する事項、⑩台湾瀧澤グループからの問い合わせ事項について、真摯かつ誠実に協議することとしております。

 

Period and price of purchase, etc. and number of share certificates, etc. intended to purchase
Period of purchase, etc.
Original period at filing
Original period at filing
Whether or not period may be extended upon request of subject company
Whether or not period may be extended upon request of subject company (N/A)
該当事項はありません。なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を3,193,900株と設定し、(ⅰ)応募株券等の総数が3,193,900株に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないこととし、(ⅱ)本公開買付期間の末日までに応募株券等の総数が3,193,900株に達した場合(公開買付者が応募株券等の総数を確認する方法等については上記「3 買付け等の目的」の「(1) 本公開買付けの概要」をご参照下さい。)には、速やかにその旨を公表したうえで、当該時点から本公開買付期間の末日までに10営業日を確保することができるよう本公開買付期間を延長することを予定しております。
Contact information for confirming about extension of period
Contact information for confirming about extension of period (N/A)
該当事項はありません。
Price of purchase, etc.
Price of purchase, etc.
Number of share certificates, etc. intended to purchase
Number of share certificates, etc. intended to purchase
Holding ratio of share certificates, etc. after purchase, etc.
Holding ratio of share certificates, etc. after purchase, etc.
Permit, etc. regarding acquisition of share certificates, etc.
Classes of share certificates, etc.
Classes of share certificates, etc.

普通株式

 

Stipulating laws
Stipulating laws
① 独占禁止法

公開買付者は、独占禁止法第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対して、本株式取得に関する計画をあらかじめ届け出なければならず、同条第8項により事前届出受理の日から原則として30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは本株式取得をすることができません(以下、株式の取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。

また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命じ(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)、又は裁判所に対し緊急停止命令の申立てを行うことができます(同法第70条の4第1項。以下「緊急停止命令の申立て」といいます。)。上記の事前届出が行われた場合で、公正取引委員会が排除措置命令を発令しようとするときは、公正取引委員会は、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、意見聴取を行うにあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、株式取得に関する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされております(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号)第9条)。

公開買付者は、本株式取得に関して、2023年6月2日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、同日付で受理されております。公開買付者は、公正取引委員会から2023年6月27日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」を2023年7月4日付で受領したため、2023年6月27日をもって措置期間が終了しております。その後、取得禁止期間は、2023年7月2日の経過をもって満了しております。

 

② ベトナム競争法

公開買付者は、ベトナムの競争法に基づき、ベトナム競争委員会に対し、本株式取得の前に、本株式取得に関する事前届出を行う必要があります。ベトナム競争委員会が本株式取得に対する審査権限を行使することを決定した場合には、当該届出が受理された日から一定の待機期間(初期的審査は30日ですが、正式審査に入った場合180日まで延長される可能性があります。)内にベトナム競争委員会が本株式取得の禁止等の措置をとらなければ、公開買付者は、上記待機期間が満了した後に本株式取得を実行することができます。また、ベトナム競争委員会が本株式取得に対する審査権限を行使しないことを決定した場合には、その決定の後に本株式取得を実行することができます。本株式取得についての事前届出は、2023年8月21日(現地時間)付でベトナム競争委員会に提出され、2023年9月13日(現地時間)付で受理されております。

したがって、待機期間は、原則として2023年10月13日(現地時間)の経過を持って満了する予定であると、公開買付者は判断しております。

公開買付期間(延長した場合を含みます。)満了の日の前日までに待機期間が満了しない場合には、令第14条第1項第4号の「許可等」を得られなかった場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、ベトナム競争委員会が本株式取得の禁止等の措置をとることなく待機期間が満了した場合には、公開買付者は、法第27条の8第2項に基づき、直ちに本書の訂正届出書を関東財務局長に提出いたします。

 

 

③ 米国1950年国防生産法

公開買付者は、米国の1950年国防生産法(その後の改正を含みます。)第721条に基づき、米国対米外国投資委員会(以下「CFIUS」といいます。)に対し、本株式取得に関し、その実行の30日前にあらかじめ申告(declaration)を行う必要があります。

本株式取得についての申告(declaration)は、2023年7月18日(現地時間)付でCFIUSに提出され、2023年8月29日(現地時間)付で、CFIUSの受領確認書を得ております。そのため、公開買付者は、上記米国の1950年国防生産法(その後の改正を含みます。)の規定の内容から、当該受領確認書に記載されている本株式取得についての申告(declaration)を提出した日から30日の経過する日の翌日である2023年8月17日(現地時間)をもって株式取得を実行できると考えており、遅くともCFIUSが受領確認書を発行した日から30日の経過する日の翌日である2023年9月28日(現地時間)には株式取得を実行できることを確認しております。

 

Date and number of permit, etc.
Date and number of permit, etc.
How to accept and how to cancel
How to accept
How to accept
How to cancel
How to cancel

(三田証券株式会社から応募される場合)

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付に係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の15時30分までに、以下に指定する者の本店に「本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)」を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに、以下に指定する者の本店に到達することを条件といたします。従って、解除書面を送付する場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに公開買付代理人に到達しなければ解除できないことにご注意ください。なお、解除書面は、下記に指定する者の本店に備え置いていますので、契約の解除をする場合は、下記に指定する者にお尋ねください。

 

解除書面を受領する権限を有する者

三田証券株式会社   東京都中央区日本橋兜町3番11号

 

(マネックス証券株式会社から応募される場合)

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除については、公開買付復代理人のホームページ(https://www.monex.co.jp)画面から所要事項を入力する方法、又は、公開買付期間の末日の午前12時までに、公開買付復代理人のお客様ダイヤル(電話番号:0120-846-365 携帯電話からは03-6737-1666)までご連絡いただき、解除手続を行ってください。

 

解除の申し出を受領する権限を有する者

マネックス証券株式会社   東京都港区赤坂一丁目12番32号

 

How to return share certificates, etc.
How to return share certificates, etc.

上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により、応募株主等が公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに、後記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

 

Name and location of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle custody and return of share certificates, etc.
Name and location of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle custody and return of share certificates, etc.

三田証券株式会社           東京都中央区日本橋兜町3番11号

マネックス証券株式会社(復代理人)   東京都港区赤坂一丁目12番32号

 

Fund for purchase, etc.
Fund, etc. for purchase, etc.
Fund, etc. for purchase, etc.
Deposits or borrowings, etc. which can be utilized as fund for purchase, etc.
Deposits as of one or two days before filing date
Deposits as of one or two days before filing date
Borrowings before filing date
Financial institution
Financial institution (N/A)
Other than financial institution
Other than financial institution (N/A)
Funding by borrowings after filing date
Financial institution
Financial institution (N/A)
Other than financial institution
Other than financial institution (N/A)
Other ways of funding
Other ways of funding (N/A)
Total amount of deposits or borrowings, etc. which can be utilized as fund for purchase, etc.
Total amount of deposits or borrowings, etc. which can be utilized as fund for purchase, etc.

24,522,069千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

Relationship, etc. between issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc. and tender offeror
Relationship, etc. between issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc. and tender offeror (N/A)
該当事項はありません。
Information about issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc.
Information about issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc. (N/A)
該当事項はありません。
How to settle
Name and address of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle settlement of purchase, etc.
Name and address of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle settlement of purchase, etc.

三田証券株式会社                    東京都中央区日本橋兜町3-11

マネックス証券株式会社(復代理人)   東京都港区赤坂一丁目12番32号

 

Date of commencement of settlement
Date of commencement of settlement

2023年11月6日(月曜日)

 

How to settle
How to settle

(三田証券株式会社から応募される場合)

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)の住所宛に郵送いたします。買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか、公開買付代理人の応募受付けをした応募株主等の口座へお支払いします。

 

(マネックス証券株式会社から応募される場合)

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付復代理人から応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

 

How to return share certificates, etc.
How to return share certificates, etc.

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1) 法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を、公開買付期間の末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)に、公開買付代理人の応募株主口座上で、応募が行われた時の状態(応募が行われた時の状態とは、本公開買付けへの応募注文の執行が解除された状態を意味します。)に戻します。

 

Other terms and methods of purchase, etc.
Descriptions of terms specified in items of article 27-13(4), if any
Descriptions of terms specified in items of article 27-13(4), if any

応募株券等の総数が買付予定数の下限(3,193,900株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(3,193,900株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

Description of terms of withdrawal, etc. of tender offer and methods of disclosure, if any such terms
Description of terms of withdrawal, etc. of tender offer and methods of disclosure, if any such terms

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、第4号並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。

なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、及び②対象者の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。

また、上記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2) 根拠法令」に記載のとおり、ベトナム競争法に基づくベトナム競争委員会に対する公開買付者の事前届出に関し、公開買付期間(延長した場合を含みます。)満了の日の前日までに待機期間が満了しない場合には、令第14条第1項第4号の「許可等」を得られなかった場合として、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。

撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 

Description of terms of price reduction of purchase, etc., and methods of disclosure, if any such terms
Description of terms of price reduction of purchase, etc., and methods of disclosure, if any such terms

法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

Information about cancellation rights of accepting shareholders, etc.
Information about cancellation rights of accepting shareholders, etc.

応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

Methods of disclosure if terms of purchase, etc. is changed
Methods of disclosure if terms of purchase, etc. is changed

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。

買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更等の内容につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

Methods of disclosure if amendment report is filed
Methods of disclosure if amendment report is filed

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付することにより訂正します。

 

Methods of disclosing result of tender offer
Methods of disclosing result of tender offer

本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

Other information
Other information

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)を利用して行われるものでもなく、さらに米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けできません。

本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の表明及び保証を行うことを求められることがあります。

応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

 

Information about tender offeror
Information about corporation
Overview of company
Major shareholders
Major shareholders (N/A)
Job history of officers and number of owned shares
Job history of officers and number of owned shares (N/A)
Financial information
Financial information
① 【貸借対照表】

 

② 【損益計算書】

 

③ 【株主資本等変動計算書】

 

Information about tender offeror subject to ongoing disclosure
Information about tender offeror subject to ongoing disclosure
① 【公開買付者が提出した書類】 イ 【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第50期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月21日 関東財務局長に提出

 

ロ 【四半期報告書又は半期報告書】

事業年度 第51期第1四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月9日 関東財務局長に提出

 

ハ 【訂正報告書】

 

② 【上記書類を縦覧に供している場所】

ニデック株式会社

(京都市南区久世殿城町338番地)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

Information about organization other than corporation
Information about organization other than corporation (N/A)
該当事項はありません。
Information about individual
Information about individual (N/A)
該当事項はありません。
Information about holding and trading of share certificates, etc. by tender offeror or its special interest parties
Holding of share certificates, etc.
Total holding of share certificates, etc. by tender offeror and special interest parties
Total holding of share certificates, etc. by tender offeror and special interest parties
Holding of share certificates, etc. by tender offeror
Holding of share certificates, etc. by tender offeror
Total holding of share certificates, etc. by special interest parties
Total holding of share certificates, etc. by special interest parties (N/A)
該当事項はありません。
Holding of share certificates, etc. by each special interest party
Holding of share certificates, etc. by each special interest party (N/A)
該当事項はありません。
Information about trading of share certificates, etc.
Information about trading during last 60 days before filing
Information about trading during last 60 days before filing
Significant contracts made about said share certificates, etc.
Significant contracts made about said share certificates, etc. (N/A)
該当事項はありません。
Agreement whereby purchase, etc. of share certificates, etc. is to be made after filing date
Agreement whereby purchase, etc. of share certificates, etc. is to be made after filing date (N/A)
該当事項はありません。
Transactions, etc. between tender offeror and subject company
Description of transactions between tender offeror and subject company, if any
Description of transactions between tender offeror and subject company, if any (N/A)
該当事項はありません。
Description of agreements between tender offeror and subject company, if any
Description of agreements between tender offeror and subject company, if any
(1) 本公開買付けへの賛同及び応募推奨

対象者意見表明プレスリリースによれば、対象者は、2023年9月13日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同し、かつ対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決定したとのことです。かかる対象者取締役会の決定の詳細については、対象者意見表明プレスリリース並びに上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景及び理由」の「④ 対象者における意思決定の過程及び理由」及び「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である取締役を含みます。)の承認」をご参照ください。

 

(2) 本覚書

公開買付者は、2023年9月13日、対象者との間で、本覚書を締結いたしました。本覚書の詳細については、上記「第1公開買付要項」の「3買付け等の目的」の「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

Information about subject company
Profit (loss), etc. during last 3 years
Information about profit (loss)
Information about profit (loss) (N/A)
Per share information
Per share information (N/A)
Information about stock prices
Information about stock prices
Information about shareholders
Information by each shareholder
Information by each shareholder (N/A)
Number of stocks owned by major shareholders and officers
Major shareholders
Major shareholders (N/A)
Officers
Officers (N/A)
Information about subject company subject to ongoing disclosure
Information about subject company subject to ongoing disclosure
(1) 【対象者が提出した書類】 ① 【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第92期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) 2022年6月24日 中国財務局長に提出

事業年度 第93期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月29日 中国財務局長に提出

 

② 【四半期報告書又は半期報告書】

事業年度 第94期第1四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月10日 中国財務局長に提出

 

③ 【臨時報告書】

該当事項はありません。

 

④ 【訂正報告書】

該当事項はありません。

 

(2) 【上記書類を縦覧に供している場所】

株式会社TAKISAWA

(岡山市北区撫川983番地)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

Information received on fact about launch of tender offer, etc.
Information received on fact about launch of tender offer, etc. (N/A)
該当事項はありません。
Other information
Other information

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