Tender Offer By Those Other Than Issuer Form No. 2 Tender Offer Notification

Daiseki Co.,Ltd. - Filing #7291739

Concept As at
2024-12-16
Tender Offer by Those Other than Issuer Form No. 2 Tender Offer Notification
Particulars of tender offer
Name of subject company
Name of subject company

大阪油化工業株式会社

 

Classes of share certificates, etc. to acquire by purchase, etc.
Classes of share certificates, etc. to acquire by purchase, etc.

普通株式

 

Purposes of purchase, etc.
Purposes of purchase, etc.
(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、2024年12月13日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。なお、本書提出日現在、公開買付者は対象者株式を所有しておりません。

本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年12月13日付で、対象者の代表取締役社長であり対象者の主要株主かつ筆頭株主である堀田哲平氏(以下「堀田氏」といいます。)との間で応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、堀田氏が所有する対象者株式(238,000株(所有割合(注1):22.79%)のうち、譲渡制限付株式4,000株(注2)を除く234,000株(所有割合:22.41%、以下「本応募合意株式」といいます。)について、本公開買付けに応募する旨を合意しております。本応募契約の詳細については、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

(注1) 「所有割合」とは、対象者が2024年11月14日に公表した「2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(1,073,500株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(29,406株)を控除した株式数(1,044,094株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)をいいます。

(注2) 当該譲渡制限付株式には譲渡制限が付されており、本公開買付けに応募できないことから、応募する旨の合意の対象としておりません。

 

公開買付者は、本公開買付けにおいて655,300株(所有割合:62.76%)(注3)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(655,300株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。

かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより対象者株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施する予定であるところ、本スクイーズアウト手続として本株式併合(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に定義します。以下同じです。)を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、当該手続が確実に実行可能となるよう、本公開買付け成立後において公開買付者が所有する対象者の議決権の数及び譲渡制限付株式に係る対象者の議決権の数(注4)の合計が、対象者の総株主の議決権の数の3分の2以上となるようにするためです。

 

他方、本取引は、対象者株式の全てを取得することにより、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(655,300株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

(注3) 買付予定数の下限は、対象者決算短信に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(1,073,500株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(29,406株)を控除した株式数に係る議決権の数(10,440個)に3分の2を乗じた数(6,960個)から、対象者の取締役が保有する譲渡制限付株式(合計40,700株)に係る議決権の数(407個)を除いた数(6,553個)に対象者の単元株式数(100株)を乗じた数(655,300株)としております。

(注4) 譲渡制限付株式には譲渡制限が付されており、本公開買付けに応募することはできませんが、2024年12月13日開催の対象者取締役会において、本取引の一環として実施される本公開買付けに賛同する旨の意見を表明することを決議していることから、譲渡制限付株式を保有する対象者の取締役は、本公開買付けが成立した場合には、本スクイーズアウト手続として実施される本株式併合の承認に係る対象者の株主総会において、本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成することを見込んでおります。

 

公開買付者は、本公開買付けにより対象者株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

また、公開買付者は、下記「8 買付け等に要する資金」の「(2) 買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「① 届出日の前々日又は前日現在の預金」に記載のとおり、本公開買付けに係る決済等に要する資金を、自己資金により充当することを予定しております。

 

なお、対象者が2024年12月13日付で公表した「株式会社ダイセキによる当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2024年12月13日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。対象者の意思決定の詳細につきましては、対象者プレスリリース並びに下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」及び「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針 ① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、1958年10月、石油製品の製造・販売を目的とした、株式会社大同石油化学工業として設立され、1984年2月に商号を現在の商号である株式会社ダイセキに変更いたしました。公開買付者は、1995年7月に発行する株式を日本証券業協会が運営する店頭市場(JASDAQ市場)へ登録し、1999年8月には東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)の市場第二部に上場、2000年8月には東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第一部に指定替え、2022年4月には東京証券取引所の市場再編に伴い市場第一部からプライム市場へ、名古屋証券取引所の市場再編に伴い市場第一部からプレミア市場へそれぞれ移行し、現在に至っております。

公開買付者の企業グループは、本書提出日現在、公開買付者及び連結子会社8社の計9社(以下、総称して「公開買付者グループ」といいます。)で構成されており、産業廃棄物のリサイクルを中心とした産業廃棄物中間処理業を主体としております。具体的には、産業廃棄物の収集運搬・中間処理、土壌汚染調査・処理、使用済バッテリーの収集運搬・再生利用、鉛の精錬及び非鉄金属原料の販売、タンク洗浄及びタンクに付帯する工事、VOCガス(注1)の回収作業、スラッジ(注2)減量化作業、COW(注3)洗浄機器販売、石油化学製品・商品の製造販売、古紙の販売、一般廃棄物の収集運搬を主な事業の内容としております。

(注1) 「VOCガス」とは、タンク開放時等に放出される大量の揮発性可燃性ガスのことをいいます。

(注2) 「スラッジ」とは、下水処理場や各種工場等で発生する泥状の物質のことをいいます。

(注3) 「COW」とは、大型原油タンク内に堆積している数千トンにも及ぶ原油スラッジをタンク内への危険な入槽作業なしで、少人数で安全かつ短工期で洗浄排出する技術のことをいいます。

 

 

公開買付者グループを取り巻く産業廃棄物処理の市場は、近年の各種環境規制の強化と環境に対する社会的関心の高まりにより、乱立する中小・零細企業から、管理や処理が適正でなおかつリサイクル処理を主体とした企業に処理委託が集約化されていく動きになりつつあると公開買付者は考えております。

こうした市場環境の中、公開買付者グループは、「限られた資源を活かして使う『環境を通じ社会に貢献する環境創造企業』」を存在価値(パーパス)に掲げ、リサイクルを中心とした産業廃棄物中間処理を事業の中心として業容の拡大を図るとともに、ESG(注4)を経営の最重要課題の一つとしてとらえ、「環境」に貢献する企業グループとして、株主の皆様、取引先の皆様をはじめとして社会全体からの信頼と期待に応えられる経営を目指しております。

公開買付者グループは、多様化・複雑化する産業廃棄物の適正処理・リサイクル化のニーズに対処するため、技術力の向上、新設備の導入による処理・リサイクル可能品目の拡大、並びに積極的な設備投資と営業展開に注力しております。また、産業廃棄物中間処理のみにとどまらず、顧客の環境リスクに対するニーズに応えるため、公開買付者は、特に連結子会社である株式会社ダイセキ環境ソリューションとの連携を密にし、土壌汚染調査・処理、環境分析、ゼロ・エミッション(注5)支援等の、企業の環境に対するトータル・プランナーとしての能力を高めることにより、グループとして事業分野の拡大を図っております。また、連結子会社である株式会社ダイセキMCRでは、鉛のリサイクル事業という従来公開買付者グループが持たなかった金属リサイクルを展開するとともに、連結子会社で大型タンク清掃事業の大手であるシステム機工株式会社では、危険物配管の洗浄事業等大型タンク以外の清掃事業にも注力をしております。こうした施策により、公開買付者グループは「環境創造企業グループ」として更なる飛躍を目指しております。

(注4) 「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字を取ったものであり、持続可能な世界の実現のために、企業の長期的成長に重要な観点であるとされています。

(注5) 「ゼロ・エミッション」とは、廃棄物の再利用等を通して、廃棄物を限りなくゼロにしようとする取り組みのことをいいます。

 

一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1949年に大阪市東成区において粗パラフィンの精製及び販売を目的として、現在の大阪油化工業株式会社の前身である、「大阪油化工業所」を創業したとのことです。その後、化学品の受託製造を目的として、1962年2月に大阪府枚方市に移転し、大阪油化工業株式会社を設立し、2017年10月に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場したとのことです。また、2022年4月に東京証券取引所の市場再編に伴いJASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場へ移行し、現在に至っているとのことです。

対象者の企業グループは、本書提出日現在、対象者並びに連結子会社であるユカエンジニアリング株式会社及び株式会社カイコーの2社(以下、総称して「対象者グループ」といいます。)により構成され、「社業を通じ、豊かな価値を創造し、社会の発展に貢献する」という経営方針に基づき、精密蒸留の受託を主たる業務とする「受託蒸留事業」及び蒸留装置及びろ過装置の設計・販売・保守サービスの提供を主たる事業とする「プラント事業」の2つの事業を行っているとのことです。

受託蒸留事業においては、創業以来培ってきた技術と経験を基に、石油化学品等の原料を対象者の蒸留装置にて精製し、安定した製品を提供するとともに、原料の選定、最適な蒸留方法、収集したデータの活用方法等、総合的な提案を行っているとのことです。

プラント事業においては、蒸留装置とろ過装置を取り扱っており、蒸留装置に関しては、対象者独自の技術と経験を活かし、対象者設備での試験データに基づき、様々な形で設計・販売し、実際の運転を行う際の技術支援、生産体制を確立するための最適条件についての総合的な提案を行っているとのことです。ろ過装置に関しては、様々な工場排水の処理及び造水設備の設計、製造、設置の後の保守まで一貫して行っているとのことです。

対象者は、対象者グループを取り巻く環境について、多様な業界において対象者技術が活用される高純度化やアップサイクル(高品質・高価値再生)のニーズが高まっていることから中長期的な成長が見込まれるものの、足元では半導体・電子材料向けの需要回復が当初の想定よりも遅れていることから厳しい状況にあると認識しているとのことです。

 

このような事業環境に加えて、最終ユーザーの需要急減に伴う一部主要取引先との取引縮小という影響もあって、収益基盤の回復ないし強化が急務となる中で、2024年11月14日に公表した中期経営計画では、「積極的な新規案件の獲得による技術力・対応力の更なる強化」、「お客様のニーズに応えるプラントの設計・製造」及び「既存技術・ノウハウを活用した新たな装置の開発」の3つを重点施策として中長期的な企業価値の向上に努めているとのことです。

一方で、対象者は、上記の3つの重点施策に取り組むことで、足元の事業環境への対処及び収益基盤の強化を行いつつ、対象者の中長期的な企業価値を向上させていくためには、第三者のパートナーとの事業提携による顧客基盤の共有や事業規模拡大に向けた積極的な投資が必要と認識するに至り、また、当該認識を踏まえ、2024年5月10日より、対象者と取引関係のある野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)との間で、中長期的な観点から対象者の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議を行ってきたとのことです。その結果、2024年6月13日、重点施策への取り組みの効果を最大限に発揮するために必要となる対象者資金による多額の投資は、今後の収益に不確実性を伴うものであり、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化を招来するリスクがあり、対象者が上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、その結果として、対象者の株価の下落を招き、対象者の株主の皆様に対して悪影響を与える可能性を否定できず、他方でこれらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的な対象者の収益力を弱めることにつながると考え、積極的な資金支援が可能な第三者のパートナーと提携し、対象者を非公開化することが最適であると判断したとのことです。

 

これに対し、公開買付者は、1971年に名古屋事業所内に産業廃棄物処理工場を建設し、産業廃棄物中間処理業に本格参入して以来、全国に7事業所を展開し、主に工場・研究施設より排出される廃液・汚泥の中間処理を主業としており、上記のとおり1995年7月に株式を店頭市場(JASDAQ市場)へ登録し、産業廃棄物リサイクル専業の事業者として初の公開企業となる等、産業廃棄物処理業界の先駆者として、公開買付者のみならず業界全体の社会的信頼性向上に努めてきたと自負しております。今後は時代の先を行くイノベーションに挑み、その強みを世の中に広く役立てられる企業となるべく、「限られた資源を活かして使う『環境を通じ社会に貢献する環境創造企業』」というパーパスの実現に向け、長期経営計画「VISION2030」において、2030年度に連結売上高1,500億円、連結営業利益250億円の達成を目標としております。それを達成する基本戦略の一つに「『環境』『リサイクル』をキーワードとするM&A」を掲げており、2026年度までの中期計画で、M&Aを含め260億円の成長投資を予定しております。

このような状況の下、公開買付者は、2024年6月18日、野村證券から、化学品に関する特殊技術を有する、専門的な製造業を営む上場会社の非公開化を前提とした公開買付けの実施による株式の取得に関する打診があり、野村證券に対し、当該事案に関心を有している旨を回答いたしました。その後、当該上場会社の更なる成長を実現させるため、複数の候補者の中からパートナーを選定するためのプロセス(以下「本入札プロセス」といいます。)の第1次入札プロセス(以下「本第1次入札プロセス」といいます。)を行うこと、及び当該上場会社の成長を促進し得る補完的な強みを持つ1社として公開買付者を本第1次入札プロセスに招聘する意向であるとの連絡を受けたことから、本第1次入札プロセスへの参加を具体的に検討するにあたり必要となる当該上場会社に関する情報を得るため、2024年6月25日に野村證券に秘密保持誓約書を提出いたしました。

2024年7月4日、公開買付者は、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券から対象者の名称が記載された本第1次入札プロセスの案内を受け、公開買付者が持ち合わせていない蒸留再生ノウハウを持つ対象者と協働することで、公開買付者グループ全体の顧客基盤を拡大でき、一層の顧客満足度向上に資することに加え、対象者のプラントサービスのノウハウを活かし、公開買付者の蒸留設備や廃棄物処理過程に新たな処理方法を導入することで、採算性の向上にも資するものと考えたことから、本第1次入札プロセスへの参加を決定いたしました。

その後、公開買付者は、2024年7月22日、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を選任いたしました。

 

公開買付者は、SMBC日興証券から適宜助言を受ける等しつつ、野村證券を通じて受領した2024年9月期から2027年9月期までの4期分の対象者の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を基に対象者株式の取得に関する初期的な検討を行い、2024年7月31日、本第1次入札プロセスにおいて、本取引の目的、本取引後の対象者の経営方針や事業戦略の方向性、対象者とのシナジー効果及び従業員の処遇、対象者株式1株当たりの希望取得価格等を記載した法的拘束力のない意向表明書を提出いたしました。

公開買付者は、2024年8月6日、野村證券から、本第1次入札プロセスを通過し最終入札プロセス(以下「本最終入札プロセス」といいます。)への参加が認められる旨の通知を口頭で受け、翌日に本最終入札プロセスの案内を受けました。

その後、公開買付者は、2024年8月19日、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所を、また、2024年8月20日、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立した財務・税務アドバイザーとして有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人をそれぞれ選任いたしました。

公開買付者は、本最終入札プロセスにおいて、2024年8月中旬から同年10月中旬まで、対象者に対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや対象者の経営陣と合計4回の面談を実施し、公開買付者グループと対象者グループとの間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策及び本取引後の経営方針等について更なる分析及び検討を進めてまいりました。

かかる検討の結果、公開買付者は、2024年10月上旬、本取引を通じて対象者を完全子会社化することは、公開買付者の基本戦略の一つである「『環境』『リサイクル』をキーワードとするM&A」に一致しており、公開買付者が産業廃棄物中間処理にとどまらず、顧客の環境リスクに対するニーズにより一層応え、企業の環境に対するトータル・プランナーとしての能力を高めることにより、公開買付者グループのパーパスを実現できると考えました。具体的には、公開買付者は、対象者との間で以下のシナジーの実現や、協業によるメリットの享受が期待できると考えました。

 

(ⅰ)リサイクル技術の向上

公開買付者は廃液・廃油・汚泥の中間処理に関して全国に7事業所を構え、それぞれの事業所が地域密着型でさまざまな企業の困りごとに即時対応することを重視して事業を展開しております。公開買付者グループの産業廃棄物中間処理の基本はリサイクルであり、リサイクル処理により環境負荷の低減を実現しておりますが、リサイクルが困難な廃液もあり、それらの廃液を対象者の蒸留に関する技術やノウハウを活用することでリサイクルが可能になれば、より幅広い品目の廃液をリサイクル製品の原料とすることが可能になり、再生燃料の利用者に更なるエネルギー源を提供できるものと考えております。

 

(ⅱ)顧客のリサイクルニーズへの対応強化

近年はサーキュラーエコノミー(注6)意識の高まりにより、廃溶剤から不純物を取り除き再生させるマテリアルリサイクル(注7)に対する要望が強くなっていると考えております。対象者の蒸留ノウハウにより、公開買付者グループとして廃溶剤のマテリアルリサイクルが可能となり、これまで以上に顧客のリサイクルニーズ、特に原料としてリサイクル品を使用するニーズへの対応が可能になると考えております。マテリアルリサイクルの要望がある顧客からも公開買付者グループとして廃液を受入れることで顧客層の拡大でき、グループ全体での業績拡大、顧客の利便性向上にもつながるものと考えております。

(注6) 「サーキュラーエコノミー」とは、従来の3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動のことをいいます。

(注7) 「マテリアルリサイクル」とは、廃棄物を同じ製品の原材料に再利用するリサイクル方法のことをいいます。

 

 

(ⅲ)半導体産業への対応強化

公開買付者は、半導体産業が多く立地する九州、西日本、中部、北海道に事業所用地を保有し、また東北においても事業用地確保を検討しております。公開買付者が各地の事業所にて対象者と協働することで、公開買付者グループとして半導体産業から要望の強い溶剤のマテリアルリサイクルに対応し、事業拡大を図ることができると考えております。また、公開買付者と対象者の持つ技術を組み合わせることでより精度の高いマテリアルリサイクル溶剤を製造し、これを半導体産業に提供することにより、半導体産業における公開買付者グループの優位性を築くことができるものと考えております。

 

また、対象者株式が上場廃止となることのデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることのほか、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられますが、本取引後は、公開買付者グループによる資金的な支援が可能となること、また、公開買付者は東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に株式上場しており、対象者が公開買付者のグループ企業となることにより、上場廃止後も対象者の社会的信用面に特段の懸念はないと見込んでいることから、公開買付者としては、対象者株式が上場廃止となることによるデメリットは特段想定しておりません。なお、公開買付者としては、対象者が公開買付者の完全子会社となることや公開買付者グループに加わることによるデメリット及びディスシナジーについても、特段想定しておりません。

 

上記の検討の結果を踏まえ、公開買付者は、2024年10月15日開催の取締役会での決議を経て、同日付で対象者に対して、公開買付者において2024年8月中旬から同年10月中旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスを踏まえた法的拘束力のある提案として、本公開買付けを実施した場合における対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)について、(ⅰ)対象者を公開買付者の完全子会社とすることを企図して、対象者株式の全てを対象とした公開買付けを実施し、(ⅱ)本公開買付価格を3,000円(提案日の直近の取引日である2024年10月11日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,512円に対して98.41%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,518円(円未満四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して97.63%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,477円に対して103.11%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,493円に対して100.94%のプレミアムを加えた価格。)とする最終提案書を提出いたしました。

その後、公開買付者は、2024年10月17日、野村證券を通じて、他の候補先からの提案との比較において優劣をつけることが難しいとして、本公開買付価格の再提案の要請を口頭で受けたことから、2024年10月21日に対象者との間で面談を実施し、本取引によるシナジーについて議論し対象者との事業におけるシナジーを改めて確認した上で、公開買付者において再度慎重な検討を実施した結果、2024年10月24日、上記の最終提案書に優先する法的拘束力のある提案として、本公開買付価格を3,201円(提案日の直近取引日である2024年10月23日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,530円に対して109.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,517円に対して111.01%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,479円に対して116.43%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,492円に対して114.54%のプレミアムを加えた価格。)とする最終提案書(再提案)(以下「本最終提案書(再提案)」といいます。)を提出いたしました。

そして、公開買付者は、2024年10月25日、野村證券から本最終入札プロセスを通過し、公開買付者を最終候補先として選定した旨の通知を口頭で受けました。

その後、公開買付者は、2024年11月15日、本特別委員会(下記「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に定義します。以下同じです。)より、公開買付者が本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的並びに本取引の諸条件等についてインタビューを受け、上記の公開買付者が期待するシナジーや公開買付者の想定するデメリットの有無、下記「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載の本公開買付け後の経営方針等について回答いたしました。

 

更に、公開買付者は、2024年11月25日、本特別委員会から、本最終提案書(再提案)において公開買付者が提示した本公開買付価格3,201円について、対象者の第三者算定機関による株式価値の試算結果等を勘案すると、少数株主保護の観点から一定程度評価できる水準にあると認識しているものの、本取引後には、対象者の高い技術力を基礎として、公開買付者との間で大きなシナジーが見込まれること、更には対象者の少数株主の皆様により一層ご満足いただくために、更なる引き上げの余地がないかどうかにつき、改めて検討いただきたいとの要請を受けました。これに対して、公開買付者は、2024年11月29日、本公開買付価格の引き上げの可能性について真摯に検討した結果、本公開買付価格を3,201円とする提案を維持する旨を記載した書面を本特別委員会に提出いたしました。

 

他方、公開買付者は、2024年11月22日から2024年12月13日にかけて、堀田氏との間で本応募契約の内容について協議・交渉を実施し、2024年12月13日に、本公開買付価格を3,201円とすることを含む本応募契約の内容について堀田氏との間で合意に至りました。なお、本応募契約の詳細については、下記「(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

これらの経緯を経て、公開買付者は、2024年12月13日開催の取締役会において、本公開買付けを実施すること及び堀田氏との間で本応募契約を締結することを決議いたしました。

 

② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の3つの重点施策に取り組むことで、足元の事業環境への対処及び収益基盤の強化を行い、対象者の中長期的な企業価値を向上させていくためには、第三者のパートナーとの事業提携による顧客基盤の共有や事業規模拡大に向けた積極的な投資が必要と認識するに至り、また、当該認識を踏まえ、2024年5月10日より、対象者と取引関係のある野村證券と、中長期的な観点から対象者の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議を行ってきたとのことです。その結果、2024年6月13日、重点施策への取り組みの効果を最大限に発揮するために必要となる多額の投資は、今後の収益に不確実性を伴うものであるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化を招来するリスクがあり、対象者が上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、その結果として、対象者の株価の下落を招き、対象者の株主の皆様に対して悪影響を与える可能性を否定できず、他方でこれらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的な対象者の収益力を弱めることにつながると考え、第三者のパートナーと提携し、対象者を非公開化することが最適であると判断したとのことです。

 

そこで、対象者は、2024年6月13日以降、野村證券と対象者のパートナー候補について協議を行い、対象者の事業に強い関心を持つと考えられる複数の事業会社の候補先に対し、本入札プロセスへの参加について打診したとのことです。その結果、公開買付者を含む10社の候補先が本入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、対象者は、2024年7月上旬、当該10社の候補先に対し、本第1次入札プロセスを開始する旨の連絡をしたとのことです。なお、対象者は、2024年7年上旬、本入札プロセスを開始するに先立って、対象者及び堀田氏から独立した対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、また対象者のリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所・外国法共同事業(以下「北浜法律事務所」といいます。)を、それぞれ選任したとのことです。

そして、対象者は、2024年7月31日に、公開買付者を含む本第1次入札プロセスへ参加した候補先2社より第1次意向表明書を受領したとのことです。対象者は、本取引の目的、本取引後の対象者の経営方針や事業戦略の方向性、対象者とのシナジー効果及び従業員の処遇、提示された対象者株式1株当たりの希望取得価格等について慎重に検討した上で、2024年8月7日、公開買付者を含む候補先2社(以下「本最終パートナー候補」といいます。)を本最終入札プロセスに招聘したとのことです。なお、対象者は、本最終入札プロセスを開始するに先立って、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びにリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所について、本最終パートナー候補からの独立性を確認したとのことです。

 

その後、対象者は、本最終入札プロセスへ参加した候補先2社に対して、2024年8月中旬から同年10月中旬にかけて対象者経営陣へのインタビュー(各候補者に対し1回ずつ)及び対象者従業員への実務者インタビュー(各候補者に対し、各デュー・ディリジェンス分野で1回ずつ)を含むデュー・ディリジェンスの機会を提供したとのことです。そして、対象者は、2024年10月15日に、公開買付者を含む本最終入札プロセスへ参加した候補先2社より、法的拘束力を有する最終提案書を受領し、そのうち公開買付者からは、本公開買付価格を3,000円とする提案を受領したとのことです。対象者は、最終提案書の内容について慎重に検討し、2024年10月17日、公開買付者を含む最終提案書を提出した候補先2社に対し、本公開買付価格の引上げを要請したとのことです。そして、対象者は、2024年10月24日に、公開買付者より本公開買付価格を3,201円とする最終提案書の再提出を受けたとのことです。対象者は、最終提案書の内容について慎重に検討し、本入札プロセスを通じて受領した提案の中で公開買付者から提案された本公開買付価格、提案内容の実現の蓋然性、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から総合的に優れていたことを踏まえて、公開買付者と優先して交渉することが適切であると考え、公開買付者を優先交渉先とすることを、2024年10月25日、公開買付者に対して通知したとのことです。

 

また、対象者は、本公開買付けは支配株主による公開買付け、あるいは対象者の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定していないことから、本公開買付けを含む本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しないものの、公開買付者の提案において対象者株式の非公開化が含まれていること、及び公開買付者は、堀田氏との間において、その所有する対象者株式について、本応募契約の締結を想定していることから、堀田氏と対象者の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、2024年10月25日開催の対象者取締役会において、本取引に関する対象者の意思決定の恣意性を排除し、対象者の企業価値の向上及び少数株主の利益を図る観点から、対象者の社外取締役である橋森正樹氏及び今庄啓二氏並びに社外有識者である森住曜二氏(公認会計士・税理士)の3名により構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対して、(a)本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)、(b)本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)、(c)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)、(d)上記(a)乃至(c)及びその他の事項を踏まえ、対象者取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することが少数株主にとって不利益か否か(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申を対象者取締役会に提出することを嘱託することを決議したとのことです。なお、本特別委員会の各委員は、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏のいずれからも独立しており、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、堀田氏は、利益相反のおそれを排除する観点から、上記取締役会の審議及び決議には参加していないとのことです。

併せて、対象者は、上記取締役会において、本取引に係る対象者取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとし、特に本特別委員会が本取引の取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(a)対象者が本取引の取引条件等について公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含む。)、(b)適切な判断を確保するために、対象者の財務アドバイザー、第三者評価機関、法務アドバイザー等の外部専門家(以下「アドバイザー等」といいます。)を指名・承認(事後承認を含む。)する権限及び必要に応じて独自のアドバイザー等を選任する権限(なお、本特別委員会が独自のアドバイザー等を選任する場合の費用は対象者が負担し、本特別委員会は、対象者のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとされているとのことです。)、及び(c)対象者の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に、本特別委員会への出席、書面による回答その他適宜の方法により、本取引の検討及び判断に必要な情報について説明・提供を求める権限(以下、総称して「本特別委員会権限」といいます。)を付与することを決議したとのことです。

 

これを受けて、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びにリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所につき、独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認したとのことです。

 

その後、2024年11月15日、本特別委員会は、公開買付者に対し、公開買付者が本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的並びに本取引の諸条件等についてインタビューを行い、上記「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が期待するシナジーや公開買付者の想定するデメリットの有無、下記「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載の本公開買付け後の経営方針等についての回答を受領したとのことです。その上で、本特別委員会は、公開買付者からの最終提案及びインタビューでの回答等を踏まえながら、本取引により対象者の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点で慎重に検討を行った結果、本取引の目的や事業戦略については、対象者にとっても更なる成長が可能となり、シナジーを実現することができた際には、対象者の企業価値の向上に資するものであると確認し、また、本最終提案書(再提案)において公開買付者が提示した本公開買付価格3,201円について、対象者の第三者算定機関による対象者株式の株式価値の試算結果等を勘案すると、少数株主の利益の保護の観点から一定程度評価できる水準にあると認識しているものの、本取引後には、対象者の高い技術力を基礎として、公開買付者との間で大きなシナジーが見込まれること、更には対象者の少数株主の皆様により一層ご満足いただくために、公開買付者に対し、更なる引き上げの余地がないかどうかにつき、改めて検討を要請するという結論に達し、2024年11月25日、野村證券を通じて当該要請を書面で提出したとのことです。これに対して、本特別委員会は野村證券を通じて、公開買付者より、2024年11月29日、本公開買付価格の引き上げの可能性について真摯に検討した結果、本公開買付価格を3,201円とする提案を維持する旨を記載した書面を受領したとのことです。

 

そして、本特別委員会は、上記の本入札プロセスに関する情報の共有、公開買付者との協議・交渉の結果、野村證券及び北浜法律事務所の助言並びに2024年12月12日付で野村證券から取得した株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえて、本諮問事項について検討し、2024年12月12日、対象者取締役会が、本取引の一環として本公開買付けに関して、賛同の意見を表明すること及び対象者の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することは、対象者の少数株主にとって不利益ではないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)を対象者に提出したとのことです(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 

以上の経緯の下、対象者は、2024年12月13日開催の取締役会において、野村證券及び北浜法律事務所から受けた助言並びに野村證券から取得した対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により対象者の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行ったとのことです。

 

その結果、対象者は、以下の点等から、対象者が公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの創出その他のメリットを見込むことができ、これは本取引により生じうるデメリットを上回るものであるため、本取引は、対象者の企業価値向上に資するものであると考えるに至ったとのことです。すなわち、公開買付者は、本取引により、対象者を非公開化し、公開買付者グループの中に参画させることにより、①公開買付者が、全国7営業所において有する電子材料・医薬品・化学・自動車・石油製品関連の顧客基盤を対象者と共有し、営業面で協働することによる、対象者の受託加工事業、研究開発事業の取引先リスク分散、顧客基盤拡大への貢献、及び公開買付者が収集している廃液のうち、顧客より蒸留再生の要望があるものを対象者で処理することによる対象者の取扱量向上を通じた業績拡大、②公開買付者が事業所を構える中でも、特に半導体産業が事業展開を行っている地域にある、関西事業所、名古屋事業所及び北海道苫小牧市の事業用地における、枚方工場に次ぐ新たな工場建設の協働検討、並びに③公開買付者の主な処理方法である水処理及び混合処理の既存の処理過程における対象者の蒸留ノウハウ及びプラントサービスの導入、並びに公開買付者の顧客で自社内蒸留処理を志向する企業に対する、対象者のプラントサービス事業の紹介による対象者の事業拡大が期待できると考えているところ、これらについては、公開買付者を取り巻く事業環境として、近年のサーキュラーエコノミー意識の高まりにより、廃溶剤から不純物を取り除き再生させるマテリアルリサイクルに対する排出事業者からの要望が強くなってきており、対象者の蒸留ノウハウにより、公開買付者グループとして廃溶剤のマテリアルリサイクルが可能となること等を踏まえると、いずれも対象者が公開買付者グループとの営業面での協業等より幅広い案件を手掛け、対象者の稼働率の改善や対象者が保有する設備の増設ないしは公開買付者の顧客が保有する事業所内でのプラントサービスの導入等を通じて、対象者の取扱量・サービス量を向上させ、対象者の事業を更に発展させることに寄与するものであり、対象者グループの企業価値を更に向上させるものと判断したとのことです。

なお、対象者株式の非公開化を行った場合には、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②上場会社としてのブランドを喪失することで従業員の採用及び人材維持に悪影響が生じること及び③取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力の低下といったデメリットが一般的には予想されると認識しているとのことです。しかしながら、対象者の現在の状況に鑑みると、①については、公開買付者グループによる資金的な支援が可能となることから、大きなデメリットにはならないと考えているとのことです。②については本取引を通じてこれまで以上に対象者の成長・発展が実現できることを説明することで、対象者従業員はこれまで以上に高い意識をもって働くことが可能となり、採用活動や人材維持への好影響も期待できると考えられること、③については対象者グループの知名度や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きいこと、並びに公開買付者は東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に株式上場しており、対象者が公開買付者のグループ企業となることにより、上場廃止後も対象者の社会的信用面に特段の懸念はないと見込まれることから、非公開化によるデメリットは限定的と考えられるとのことです。また、対象者は、本取引を通じて対象者が公開買付者の完全子会社になることに伴うデメリット及びディスシナジーについて、想定していないとのことです。

また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格(3,201円)は対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。

(a)本公開買付価格は、対象者において、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられ、本入札プロセスが実施された上で合意された価格であること。

(b)本公開買付価格は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている野村證券による対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価平均法による算定結果のレンジの上限を上回るものであり、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること。

 

(c)本公開買付価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年12月12日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値の1,512円に対して111.71%、過去1ヶ月間の終値単純平均値1,548円に対して106.78%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,531円に対して109.08%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,506円に対して112.55%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、2022年1月1日以降2024年12月12日までに公表され、かつ、成立した上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(公開買付者(特別関係者を含む)の議決権保有比率が20%以上であり、対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例等を除く。)におけるプレミアムの実例37件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が62.08%、直近1ヶ月間が63.07%、直近3ヶ月間が62.72%、直近6ヶ月間が59.06%。)と比較して、公表日の前営業日の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を大幅に上回る水準にあるものと認められること。

(d)下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主の利益が確保されていると認められること。

(e)本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の諸条件の妥当性は確保されていると判断されていること。

 

以上より、対象者は、2024年12月13日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。なお、当該取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、本取引後も対象者の独立性を尊重し、対象者の従業員の雇用や処遇は基本的に維持することを想定しておりますが、シナジーの早期実現に向けた最適な経営体制について、本取引の完了後に対象者と協議しながら決定する方針です。

また、公開買付者は、本取引後の対象者の役員体制について、公開買付者が指名する取締役1名を派遣し、シナジーの早期実現に向けて業務推進の協力体制を構築することを想定しておりますが、その時期及び候補者等について対象者との間で具体的な協議はしておらず、現時点で決定事項はなく、本取引の完了後に対象者の意向も踏まえて方針を決定する予定です。

 

 

(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在、公開買付者は対象者株式を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、対象者の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しません。もっとも、本公開買付けの結果、公開買付者が対象者の支配株主となった場合、本公開買付け成立後に予定されている本スクイーズアウト手続(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。)は、支配株主による従属会社の買収に該当するところ、本取引はこれらが一連の取引としてなされるものであること、公開買付者が本取引を通じて対象者株式の全て(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、対象者を非公開化することを目的としていること、また、公開買付者は、堀田氏との間において、その所有する対象者株式について、本応募契約を締結していることから、堀田氏と対象者の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることに照らし、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本取引に関する対象者の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避すべく、公開買付者及び対象者は以下の措置を講じております。

なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置に関する記載については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2024年12月12日付で株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。

詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の基礎」をご参照ください。

 

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 

(ⅰ)算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立した第三者算定機関として、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2024年12月12日付で、対象者株式価値算定書を取得したとのことです。なお、対象者は、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的には、本「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の措置)を実施し、対象者の株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

また、野村證券は、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏の関連当事者には該当せず、また、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有していないため、その独立性に問題がないと対象者は判断しているとのことです。

なお、本取引に係る野村證券の報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行を勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定される訳ではないと判断し、上記の報酬体系により野村證券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定したとのことです。

また、本特別委員会は、対象者が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券につき、独立性の程度、専門性及び実績等を確認した上で、その選任を承認しているとのことです。

 

 

(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要

野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定方法を検討した結果、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の株式価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから株式の市場株価の動向を勘案した市場株価平均法を用い、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行ったとのことです。

野村證券によれば、対象者株式の株式価値算定にあたり、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

市場株価平均法 1,506円~1,548円

DCF法    1,798円~3,442円

 

市場株価平均法では、2024年12月12日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の算定基準日の終値1,512円、直近5営業日の終値単純平均値1,521円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,548円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,531円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,506円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,506円から1,548円と算定しているとのことです。

DCF法では、対象者が作成した事業計画を基に、2025年9月期から2027年9月期までの3期分の事業計画における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2024年10月以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,798円から3,442円までと算定しているとのことです。

野村證券がDCF法による分析に用いた対象者作成の事業計画においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味していないとのことです。また、対象者が2024年12月13日に公表した「特別損失の計上に伴う2025年9月期通期業績予想及び配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」に記載されている業績予想の修正内容は反映されていないとのことです。なお、野村證券がDCF法による分析に用いた対象者作成の事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年9月期においては、受託蒸留事業で一部主要取引先との取引縮小及び半導体・電子材料分野の需要回復遅れ、プラント事業で案件の後ろずれが発生したことにより、業績が低調であったものの、2025年9月期以降においては、受託蒸留事業で半導体・電子材料分野の需要回復等により売上が復調傾向となる見込みであること、プラント事業で案件の後ろずれによる影響が解消するとともに新規案件が増加する見込みであることから業績の改善を計画し、営業利益について、2025年9月期において対前年比270%超の増益、2026年9月期において対前年比90%超の増益、2027年9月期において対前年比70%超の増益を見込んでいるとのことです。また、フリー・キャッシュ・フローについても、上記の理由から、2025年9月期から2027年9月期までの各期において大幅な増益を見込んでいるとのことです。

(注) 野村證券は、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。対象者の事業計画については、対象者の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は2024年12月12日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものであるとのことです。なお、野村證券の算定は、対象者取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。

 

 

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得 (ⅰ)設置等の経緯

上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、2024年10月25日、対象者取締役会による決議により、本特別委員会を設置したとのことです。本特別委員会は、対象者の社外取締役である橋森正樹氏及び今庄啓二氏並びに本特別委員会におけるM&A取引や株式価値評価に関する専門性を補完することを目的とし、当該専門性、評価業務の実績、及び社外役員の経験を鑑みて選任された社外有識者である森住曜二氏(公認会計士・税理士)の3名により構成されているとのことです。なお、本特別委員会の互選により、橋森正樹氏が本特別委員会の委員長に選定されており、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されていないとのことです。本特別委員会の各委員は、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立し、これらとの間に一切の利害関係を有しておらず、また、本取引の成否に関しても少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認しているとのことです。なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務に係る報酬として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。

そして、対象者は、上記の対象者取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問し、これらの点についての答申書を対象者に提出することを委嘱したとのことです。

また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に係る対象者取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとし、特に本特別委員会が本取引の取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、本特別委員会権限を付与することを決議しているとのことです。

上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役6名のうち、堀田氏を除く対象者の取締役5名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の対象者取締役会においては、対象者の監査役3名(うち社外監査役3名)全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年10月30日から同年12月12日までの間に合計7回、合計約9時間にわたって開催され、また、必要に応じて都度電子メール又は電話連絡を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行う等して、本諮問事項について、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。

具体的には、本特別委員会は、まず、対象者がファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任した野村證券並びにリーガル・アドバイザーとして選任した北浜法律事務所について、それぞれ十分な専門性を有し、また、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏のいずれに対しても独立性を有しており、かつ、これらとの間で重要な利害関係を有していないこと等を踏まえ、野村證券及び北浜法律事務所の選任を承認したとのことです。

その上で、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、対象者との間で面談を3回開催し、本最終パートナー候補からの提案を受けた経緯、提案内容に関する評価・検討状況等、本最終パートナー候補との間の協議の内容等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行うとともに、対象者に対して、対象者の事業環境、事業計画、経営課題、経営方針等、非公開化・上場廃止に関する評価・検討状況、及び本取引に関する評価・検討状況等につき質問し、対象者より回答を受領するとともに、これらの点に関する質疑応答を行ったとのことです。また、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者に対して、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的並びに本取引の諸条件等について質問した上で、これらの点に関する質疑応答を行い、交渉の窓口は対象者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が行うこととしつつ、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与しているとのことです。

 

また、本特別委員会は、公開買付者との交渉過程への関与方針として、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から、本取引の内容及び進捗状況等、株式価値算定の内容等、本入札プロセスにおける本最終パートナー候補との間の協議・交渉等の状況並びに公開買付者との間の協議・交渉等の状況について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行ったとのことです。更に、野村證券から対象者株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受けているとのことです(なお、野村證券は、株式価値の算定の基礎とされた対象者の事業計画について、対象者と質疑応答を行い、その作成経緯及び対象者の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から、対象者の事業計画の合理性を確認しているとのことです。)。

その後、本特別委員会は、本公開買付価格につき、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり交渉を行い、公開買付者との交渉過程に関与したとのことです。更に、北浜法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するために取られている措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ、質疑応答を行うとともに、対象者からは本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、質疑応答を行ったとのことです。

これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、野村證券及び北浜法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行ったとのことです。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年12月12日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出したとのことです。

(a)答申内容

a 本取引は対象者の企業価値向上に資すると認められ、本取引の目的は合理的である。

b 本取引の実施方法や対価の妥当性を含む本取引の条件は妥当である。

c 本取引に至る交渉過程等においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正である。

d 上記a乃至cその他の事項を踏まえ、対象者取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することは対象者の少数株主にとって不利益ではない。

 

(b)答申理由

a 本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)について

(ア)本取引の目的

本特別委員会は、本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる対象者の企業価値の具体的内容等について、対象者及び公開買付者に対して質疑を行った。それらの内容をまとめると、概要以下のとおりである。

・ 公開買付者グループは、産業廃棄物のリサイクルを中心とした産業廃棄物中間処理業を主体としている。具体的には、産業廃棄物の収集運搬・中間処理、土壌汚染調査・処理、使用済バッテリーの収集運搬・再生利用、鉛の精錬及び非鉄金属原料の販売、タンク洗浄及びタンクに付帯する工事、VOCガスの回収作業、スラッジ減量化作業、COW洗浄機器販売、石油化学製品・商品の製造販売、古紙の販売、一般廃棄物の収集運搬を主な事業の内容としている。

・ 公開買付者グループを取り巻く産業廃棄物処理の市場は、近年の各種環境規制の強化と環境に対する社会的関心の高まりにより、乱立する中小・零細企業から、管理や処理が適正でなおかつリサイクル処理を主体とした企業に処理委託が集約化されていく動きになりつつあると公開買付者は考えている。

 

・ 公開買付者グループは、多様化・複雑化する産業廃棄物の適正処理・リサイクル化のニーズに対処するため、技術力の向上、新設備の導入による処理・リサイクル可能品目の拡大、並びに積極的な設備投資と営業展開に注力している。また、産業廃棄物中間処理のみにとどまらず、顧客の環境リスクに対するニーズに応えるため、公開買付者は、特に連結子会社である株式会社ダイセキ環境ソリューションとの連携を密にし、土壌汚染調査・処理、環境分析、ゼロ・エミッション支援等の、企業の環境に対するトータル・プランナーとしての能力を高めることにより、グループとして事業分野の拡大を図っている。また、連結子会社である株式会社ダイセキMCRでは、鉛のリサイクル事業という従来公開買付者グループが持たなかった金属リサイクルを展開するとともに、連結子会社で大型タンク清掃事業の大手であるシステム機工株式会社では、危険物配管の洗浄事業等大型タンク以外の清掃事業にも注力をしている。

・ 公開買付者は、1971年に名古屋事業所内に産業廃棄物処理工場を建設し、産業廃棄物中間処理業に本格参入して以来、全国に7事業所を展開し、主に工場・研究施設より排出される廃液・汚泥の中間処理を主業としており、1995年7月に発行する株式を店頭市場(JASDAQ市場)へ登録し、産業廃棄物リサイクル専業の事業者として初の公開企業となる等、産業廃棄物処理業界の先駆者として、公開買付者のみならず業界全体の社会的信頼性向上に努めてきたと自負している。公開買付者は、今後は時代の先を行くイノベーションに挑み、その強みを世の中に広く役立てられる企業となるべく、「限られた資源を活かして使う『環境を通じ社会に貢献する環境創造企業』」という存在価値(パーパス)の実現を目指しており、これを達成する基本戦略の一つに「『環境』『リサイクル』をキーワードとするM&A」を掲げている。

・ 対象者は、1949年に大阪市東成区において粗パラフィンの精製及び販売を目的として、現在の大阪油化工業株式会社の前身である、「大阪油化工業所」として設立された。対象者の株式は、2024年12月12日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されている。

・ 対象者グループは、精密蒸留の受託を主たる業務とする「受託蒸留事業」及び蒸留装置及びろ過装置の設計・販売・保守サービスの提供を主たる事業とする「プラント事業」の2つの事業を行っている。

・ 対象者は、「受託蒸留事業」においては、創業以来培ってきた技術と経験を基に、石油化学品等の原料を対象者の蒸留装置にて精製し、安定した製品を提供するとともに、原料の選定、最適な蒸留方法、収集したデータの活用方法等、総合的な提案を行っている。

・ 対象者は、「プラント事業」においては、蒸留装置とろ過装置を取り扱っており、蒸留装置に関しては、対象者独自の技術と経験を活かし、対象者設備での試験データに基づき、様々な形で設計・販売し、実際の運転を行う際の技術支援、生産体制を確立するための最適条件についての総合的な提案を行っている。ろ過装置に関しては、様々な工場排水の処理及び造水設備の設計、製造、設置の後の保守まで一貫して行っている。

・ このような状況の下、下記「(ウ)本取引に対する対象者の判断」に記載のとおり、対象者においては、中長期的な観点から対象者の企業価値を最大化するための資本政策の在り方としては、第三者のパートナーと提携し、対象者を非公開化することが最適であると判断するに至ったため、下記「c 本取引に至る交渉過程等の手続の公正性について」の「(オ)入札手続の実施」に記載のとおり、対象者の売却のための手続として入札プロセスを実施していたところ、その中で、公開買付者は、野村證券から、化学品に関する特殊技術を有する、専門的な製造業を営む上場会社の非公開化を前提とした公開買付けの実施による対象者株式の取得に関する打診を受けた。そして、公開買付者は、公開買付者が持ち合わせていない蒸留再生ノウハウを持つ対象者と協働することで、公開買付者グループ全体の顧客基盤を拡大でき、一層の顧客満足度向上に資することに加え、対象者のプラントサービスのノウハウを活かし、公開買付者の蒸留設備や廃棄物処理過程に新たな処理方法を導入することで、採算性の向上にも資するものと考えるに至った。

 

・ 公開買付者は、本取引を通じて対象者を完全子会社化することは、公開買付者の基本戦略の一つである「『環境』『リサイクル』をキーワードとするM&A」に一致しており、公開買付者が産業廃棄物中間処理にとどまらず、顧客の環境リスクに対するニーズにより一層応え、企業の環境に対するトータル・プランナーとしての能力を高めることにより、公開買付者グループのパーパスを実現でき、対象者との間で以下のシナジーの実現や、協業によるメリットの享受が期待できると考えるに至った。

➢ リサイクル技術の向上

公開買付者は廃液・廃油・汚泥の中間処理に関して全国に7事業所を構え、それぞれの事業所が地域密着型でさまざまな企業の困りごとに即時対応することを重視して事業を展開している。公開買付者グループの産業廃棄物中間処理の基本は、廃液を原料にして再生燃料を精製するリサイクルであり、当該リサイクル処理により環境負荷の低減を実現しているが、公開買付者の有する技術のみではリサイクルが困難な廃液もあるところ、それらの廃液に対し対象者の精密蒸留に関する技術やノウハウを活用することでリサイクルが可能になれば、より幅広い品目の廃液を再生燃料としてリサイクルすることが可能になり、再生燃料の利用者に更なるエネルギー源を提供できるものと公開買付者は考えている。

➢ 顧客のリサイクルニーズへの対応強化

公開買付者は、近年はサーキュラーエコノミー意識の高まりにより、廃溶剤から不純物を取り除き再生させるマテリアルリサイクルに対する要望が強くなっていると考えているものの、公開買付者の有する技術のみではこれらの要望への対応ができていないところ、対象者の精密蒸留ノウハウを活用することで、廃溶剤を蒸留再生させるマテリアルリサイクルが可能となり、これまで以上に顧客のリサイクルニーズ、特に原料としてリサイクル品を使用するニーズへの対応が可能になると考えている。また、公開買付者は、上記ニーズに対応することで、マテリアルリサイクルの要望がある新たな顧客層を拡大でき、グループ全体での業績拡大、顧客の利便性向上にもつながるものと考えている。

➢ 半導体産業への対応強化

公開買付者は、半導体産業に関する企業が多く立地する九州、西日本、中部、北海道に事業所用地を保有し、また東北においても事業用地確保を検討しているところ、公開買付者が各地の事業所にて対象者と協働し、対象者の精密蒸留ノウハウを活用することで、特にマテリアルリサイクルに対する要望の強い半導体産業に対応し、事業拡大を図ることができると考えている。また、公開買付者は、公開買付者と対象者の持つ技術を組み合わせることにより精度の高いマテリアルリサイクル溶剤を製造し、これを半導体産業に提供することにより、半導体産業における公開買付者グループの優位性を築くことができるものと考えている。

・ 対象者株式が上場廃止となることのデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることのほか、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられるものの、本取引後は、公開買付者グループによる資金的な支援が可能となること、また、公開買付者は東京証券取引所プライム市場及び株式会社名古屋証券取引所プレミア市場に株式上場しており、対象者が公開買付者のグループ企業となることにより、上場廃止後も対象者の社会的信用面に特段の懸念はないと見込んでいることから、公開買付者としては、対象者株式が上場廃止となることによるデメリットは特段想定されないと認識している。また、公開買付者としては、対象者が公開買付者の完全子会社となることや公開買付者グループに加わることによるデメリット及びディスシナジーについても、特段想定していない。

 

 

(イ)本取引成立後の対象者の経営方針

・ 公開買付者は、本取引後も対象者の独立性を尊重し、対象者の従業員の雇用や処遇は基本的に維持することを想定しているとのことであるが、シナジーの早期実現に向けた最適な経営体制について、本取引の完了後に対象者と協議しながら決定する方針である。

・ 公開買付者は、本取引後の対象者の役員体制について、公開買付者が指名する取締役1名を派遣し、シナジーの早期実現に向けて業務推進の協力体制を構築することを想定しているが、その時期及び候補者等は、本取引完了後に対象者の意向も踏まえて決定する方針である。

 

(ウ)本取引に対する対象者の判断

・ 対象者は、対象者グループを取り巻く環境について、多様な業界において対象者技術が活用される高純度化やアップサイクル(高品質・高価値再生)のニーズが高まっていることから中長期的な成長が見込まれるものの、足元では半導体・電子材料向けの需要回復が当初の想定よりも遅れていることから厳しい状況にあると認識している。

・ このような事業環境に加えて、最終ユーザーの需要急減に伴う一部主要取引先との取引縮小という影響もあって、収益基盤の回復ないし強化が急務となる中で、対象者は、「積極的な新規案件の獲得による技術力・対応力の更なる強化」、「お客様のニーズに応えるプラントの設計・製造」及び「既存技術・ノウハウを活用した新たな装置の開発」の3つを重点施策として中長期的な企業価値の向上に努めてきた。

・ このような状況の下、対象者は、上記3つの重点施策に取り組むことで、足元の事業環境への対処及び収益基盤の強化を行いつつ、対象者の中長期的な企業価値を向上させていくためには、第三者のパートナーとの事業提携による顧客基盤の共有や事業規模拡大に向けた積極的な投資が必要と認識するに至り、また、当該認識を踏まえ、対象者と取引関係のある野村證券と、中長期的な観点から対象者の企業価値を最大化するための資本政策の在り方についての協議を行った。その結果、上記3つの重点施策への取組みの効果を最大限に発揮するために必要となる対象者資金による多額の投資は、今後の収益に不確実性を伴うものであるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化を招来するリスクがあり、対象者が上場を維持したままこれらの施策を実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、その結果として、対象者の株価の下落を招き、対象者の株主に対して悪影響を与える可能性を否定できず、他方でこれらの施策を縮小又は先延ばしにすることは、中長期的な対象者の収益力を弱めることにつながると考え、積極的な資金支援が可能な第三者のパートナーと提携し、対象者を非公開化することが最適であると判断するに至った。

・ 対象者は、対象者が公開買付者の完全子会社となることにより、以下のようなシナジーの創出その他メリットを見込むことができ、公開買付者を取り巻く事業環境として、近年のサーキュラーエコノミー意識の高まりにより、廃溶剤から不純物を取り除き再生させるマテリアルリサイクルに対する排出事業者からの要望が強くなってきており、対象者の蒸留ノウハウにより、公開買付者グループとして廃溶剤のマテリアルリサイクルが可能となること等を踏まえると、いずれも対象者が公開買付者グループとの営業面での協業等より幅広い案件を手掛け、対象者の稼働率の改善や対象者が保有する設備の増設ないしは公開買付者の顧客が保有する事業所内でのプラントサービスの導入等を通じて、対象者の取扱量・サービス量を向上させること、対象者の事業を更に発展させることに寄与するものであると認識している。

➢ 顧客基盤の連携

公開買付者は、全国7営業所において有する電子材料・医薬品・化学・自動車・石油製品関連の全国規模での数千社の顧客との取引を有している。対象者は、公開買付者の上記顧客基盤を対象者と共有し、また、営業面で協働することにより、対象者の受託加工事業、研究開発事業の取引先リスク分散、顧客基盤拡大を期待できると考えている。また、対象者は、公開買付者が収集している廃液のうち、顧客より蒸留再生の要望があるものを対象者で処理することにより、対象者の取扱量向上を通じた業績拡大も期待できると考えている。

 

➢ 新たな工場用地の検討

対象者は、公開買付者が事業所を有する地域のうち、特に半導体産業が事業展開を行っている地域にある関西事業所、名古屋事業所及び北海道苫小牧市の事業用地において、枚方工場に次ぐ対象者の新たな工場建設に関し、公開買付者との協働が期待できると考えている。また、対象者は、これらの公開買付者との協働検討により、対象者がより幅広い案件を手掛け、取扱量を向上させること、対象者の事業を更に発展させることが期待できると考えている。

➢ プラントサービス事業との連携

対象者は、公開買付者の主な処理方法である水処理及び混合処理の既存の処理過程において対象者の蒸留ノウハウ及びプラントサービスを導入することができ、また、公開買付者の顧客で自社内蒸留処理を志向する企業に対し対象者のプラントサービス事業を提供することができるところ、このように対象者と公開買付者が連携することで、対象者がより幅広い案件を手掛け、取扱量を向上させ、対象者グループのプラントサービス事業を活かした事業展開を行っていくことが期待できると考えている。

・ なお、対象者株式の非公開化により、一定のデメリットが生じるおそれもあるが、以下の理由からすれば、対象者株式の非公開化によりデメリットが生じたとしても、それらの影響は限定的であり、非公開化によるメリットの方が上回ると対象者は判断している。また、対象者は、本取引を通じて対象者が公開買付者の完全子会社になることに伴うデメリット及びディスシナジーについて、想定していない。

➢ 資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなるおそれがある。しかしながら、対象者の昨今の良好な資金調達環境に鑑みても、間接金融を通じて必要に応じた資金調達を行うことが十分可能であり、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれないことから、大きなデメリットにはならないと考えられる。

➢ 上場会社としてのブランドを喪失することで従業員の採用及びリテンションに悪影響が生じる可能性も考えられる。しかしながら、本取引を通じてこれまで以上に対象者の成長・発展が実現できることを説明することで、対象者従業員はこれまで以上に高い意識をもって働くことが可能となり、採用活動や人材維持への好影響も期待できると考えられる。

➢ 取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力の低下が生じる可能性も考えられる。しかしながら、対象者グループの知名度や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きいことから、デメリットは限定的であると考えられる。

 

(エ)小括

対象者及び公開買付者から説明された内容に不合理な点は認められない。そして、対象者を取り巻く市場環境・経営環境、対象者における収益基盤の強化の必要性、また対象者の事業における今後の見通し等に鑑みれば、本取引を実施し、対象者が公開買付者の完全子会社となり、公開買付者グループの中に参画することは、対象者の持続的な成長を促し、中長期的な企業価値向上に資すると認められる。

以上から、本取引の目的は合理的であると判断するに至った。

 

b 本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)について

(ア)野村證券による対象者株式価値算定書

・ 対象者は、公開買付者及び堀田氏並びに対象者から独立した第三者算定機関である野村證券から対象者株式価値算定書を取得しているところ、本特別委員会は、対象者株式価値算定書において用いられた算定方法等について詳細な説明を受けた。

・ 対象者株式価値算定書によれば、対象者株式の1株当たり株式価値は、市場株価平均法によると1,506円から1,548円、DCF法によると1,798円から3,442円、とされている。

 

・ 本特別委員会は、野村證券及び対象者に対して、評価手法の選択、市場株価平均法における市場株価・出来高についての分析、DCF法における算定の基礎となる対象者の事業計画、当該事業計画を基礎とした財務予測、継続価値の算定方法、割引率の算定根拠、非事業資産の算定内容等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、これらについて一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。

・ なお、対象者の事業計画は、本取引とは無関係に対象者が策定中であった3か年中期経営計画(2025年9月期~2027年9月期)に関する議論を基に作成され、対象者が2024年12月13日に公表予定の「特別損失の計上に伴う2025年9月期通期業績予想及び配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」に記載されている業績予想の修正内容は反映されていない。これは、当該業績予想の修正は、本取引に関するアドバイザー等に対する報酬その他本取引に関する対象者の費用負担が発生することを踏まえてなされたものであるところ、対象者の事業計画は、本取引の存在を考慮しない、いわゆるスタンドアローンベースの事業計画であることからすれば、これらの費用負担が反映されていないという点が不合理なものであるとはいえず、また、対象者の事業計画の作成過程において、公開買付者側から不当な圧力が加えられている等、不合理な点は見受けられなかった。

・ したがって、対象者株式価値算定書による対象者の株式価値評価額は不合理なものではないと判断される。

 

(イ)本公開買付価格(3,201円)について

本公開買付価格(3,201円)は、対象者株式価値算定書による市場株価平均法に基づく算定結果のレンジを超えており、更にDCF法による算定結果のレンジの範囲内にあり、かつレンジの中央値(DCF法による算定の基礎となる割引率について、その感応度分析において用いた数値の中央値を使用して算出された対象者株式の1株当たりの株式価値。)を優に上回っている。

加えて、本公開買付価格(3,201円)は、対象者株式の2024年12月12日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,512円に対し111.71%、2024年12月12日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,548円に対して106.78%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,531円に対して109.08%、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,506円に対して112.55%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であって、近時の他の類似事例におけるプレミアム水準を大幅に上回る水準のプレミアムが付されていることを確認した。

 

(ウ)交渉過程の手続の公正性

下記「c 本取引に至る交渉過程等の手続の公正性について」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に至る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格(3,201円)は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。

 

(エ)本取引に係るスキームの妥当性

本取引は、公開買付者が、堀田氏の所有する対象者の株式の一部及び対象者の自己株式を除く対象者の発行済普通株式を対象として公開買付けを行うことを予定している。

本公開買付け後の本スクイーズアウト手続に関しては、公開買付者の所有する対象者の議決権数が対象者の総株主の議決権数の90%以上となった場合には株式売渡請求の手続、公開買付者の所有する対象者の議決権数が対象者の総株主の議決権数の90%未満となった場合には株式併合の手続が予定されている。公開買付者によれば、株式売渡請求又は株式併合のいずれのスキームを用いる場合であっても、公開買付者は、本公開買付け成立後、本スクイーズアウト手続実施のための手続を早期に実施することを予定しており、また、本スクイーズアウト手続においては、本公開買付けに応募しなかった対象者の少数株主に対して、本公開買付価格(3,201円)に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定された額が交付される予定であり、その旨がプレスリリース等で明示される予定である。更に、本スクイーズアウト手続においては、会社法上、価格に不満のある少数株主が裁判所に対して価格決定の申立てを行う権利が確保されている。

 

これらのことからすれば、本公開買付け後に予定されている本スクイーズアウト手続の方法を考慮しても、手続面で不合理な点があるとは認められない。

その他、本取引全体に係るスキーム(以下「本スキーム」という。)に関し、少数株主の利益を害するような特殊な点は見受けられない。

以上から、本スキームは少数株主に不利益を及ぼすものではないと認められる。

 

(オ)対価の種類

本取引の対価は金銭とされているところ、最も流動性の高い対価であり、対価の種類は妥当と認められる。

 

(カ)小括

以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引の実施方法、本スキーム並びに本取引により対象者の少数株主に交付される対価の種類及び金額を含む本取引の取引条件は妥当であると判断するに至った。

 

c 本取引に至る交渉過程等の手続の公正性について

(ア)本特別委員会の組成

上記のとおり、対象者は、本提案を検討するに際し、本公開買付価格の公正性を担保し、利益相反を回避することを目的として、2024年10月25日付取締役会決議に基づき、本特別委員会の委員3名を選任した。

なお、本特別委員会の委員は、いずれも対象者の社外取締役(独立役員)又は外部専門家であり、公開買付者を含む本取引に関する入札プロセスの最終候補者2社(以下「本最終候補先」という。)、対象者及び堀田氏と特別な利害関係を有する立場にはなく、また、特別委員としての報酬も本取引の成否等を条件とする成功報酬制は採用されていないことから、本取引との関係でも独立性が認められる。

 

(イ)利益相反回避措置の実施

対象者の取締役会においては、本特別委員会の意見を最大限尊重しつつ、本取引に対する賛否及び対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するか否かに係る審議及び決議が行われる予定であるところ、かかる取締役会においては、対象者の代表取締役である堀田氏は、本公開買付けに際して公開買付者との間で本応募契約を締結することが予定されていることから、本取引に関して対象者の少数株主との間で利害が必ずしも一致しない可能性もあるため、利益相反を回避すべく、特別利害関係取締役として、上記取締役会における審議及び決議には一切参加しない予定となっている。

その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者又は本取引に特別な利害関係を有する者が対象者側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は特段認められない。したがって、本件では利益相反を回避するための措置が適切に講じられていると認められる。

 

(ウ)独立性を有する外部専門家の専門的助言等の取得

対象者は、本取引が支配株主による公開買付けないしいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものではないものの、本公開買付けに際して公開買付者と堀田氏の間で本応募契約を締結することが予定されているとのことから、本取引に関して対象者の少数株主との間で利害が必ずしも一致しない可能性もあるため、本公開買付価格の公正性の担保し、利益相反を回避すべく、本取引について検討するにあたっては、本最終候補先、対象者及び堀田氏から独立した第三者算定機関兼ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券から対象者株式価値算定書を取得したほか、野村證券及びリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所から助言・意見等を得ながら、対象者の企業価値向上ひいては株主共同の利益の観点から、本公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。

 

なお、野村證券及び北浜法律事務所は、いずれも本最終候補先、対象者及び堀田氏のいずれに対しても独立性を有しており、かつ、これらの者との間で本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しない。本特別委員会は、上記の点を含め、野村證券及び北浜法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、対象者の第三者算定機関、ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして承認している。

 

(エ)本特別委員会による協議・交渉

対象者は、本特別委員会に対し、対象者が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限を付与している。これを前提に、本特別委員会は、野村證券を窓口として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券を介し、公開買付者に対して、公開買付価格の更なる引き上げの余地がないかにつき、改めて検討を要請する旨の書面を提出した。これを受けて、公開買付者から、本公開買付価格(3,201円)の引き上げについて真摯に検討した結果、最終提案書(再提案)にて提示した本公開買付価格(3,201円)を維持する旨を記載した書面を受領したため、本特別委員会は、経済情勢、市場動向、その他対象者を巡る経営環境に大幅な変動が無いことを前提に、本公開買付価格(3,201円)にて今後の手続を進める旨回答した。

以上のとおり、本特別委員会は、公開買付者との間で、公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を行った。

 

(オ)入札手続の実施

対象者は、本取引の相手方の選定にあたり、2024年7月上旬より、幅広く公開買付者を含む候補先10社に打診することによる複数回に亘る入札プロセスを実施し、本最終候補先に2024年8月中旬から同年10月中旬までデュー・ディリジェンスの機会を付与した上で、複数の候補者から対象者の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保した。その結果、対象者は、2024年10月下旬までに本最終候補先から提案書を受領した。対象者は、提案された公開買付価格、提案内容の実現の蓋然性、並びに本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から総合的に優れていたため、対象者は、公開買付者が対象者の株主にとってより最も有利な条件を提示する候補者であると判断した。

かかる経緯を踏まえれば、本件においては、入札手続に基づく積極的なマーケット・チェックが適切に実施されたものといえる。

 

(カ)対抗的な買付け等の機会確保

㋐本公開買付けに関しては、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定される予定であるとともに、㋑公開買付者と対象者とは、公開買付者以外の者による公開買付け等の機会が不当に制限されることがないよう、対象者が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮されている。

 

(キ)フェアネス・オピニオンについて

独立した第三者評価機関から具体的な取引条件の公正性に関する意見(いわゆるフェアネス・オピニオン)を取得することは、公正なM&Aの在り方に関する指針においても、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応する上でより有効な機能を有し得るとされている一方、公正性担保措置としての有効性は事案により一様ではないと解されており、フェアネス・オピニオンの取得の要否については、個別のM&Aにおける具体的状況を踏まえて判断することが適当と考えられている。

 

本取引に関しては、前述のとおり、専門性・独立性を有する野村證券が作成した対象者株式価値算定書等に基づき、本取引の条件の妥当性を是認することができると判断されるものであり、また、他の種々の措置によって、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされ、少数株主に十分な情報に基づく適切な判断の機会も確保されていると考えられることから、フェアネス・オピニオンを取得する必要はないものと判断した。

 

(ク)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件について

公開買付者は、本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け成立後に公開買付者が所有する対象者の議決権が対象者の総議決権数の3分の2以上となるように設定している。本公開買付けが成立するためには、堀田氏が所有する対象者株式の他に、公開買付者と利害関係を有さない対象者の株主が所有する対象者株式から一定数以上の応募が必要であり、これは、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の水準(公開買付者と利害関係を有さない対象者の株主が所有する対象者株式数は、2024年9月30日現在の発行済株式総数から、同日現在の対象者が所有する自己株式数及び堀田氏が所有する株式を控除した数に係る議決権の数の過半数に相当する数に相当する対象者株式数。)を上回っており、「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件を満たしている。

 

(ケ)少数株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上

本取引に際しては、以下に掲げる情報又はこれらと実質的に同様の情報が開示書類において開示される予定であり、少数株主に対して適切な情報提供が行われる予定であると認められる。

・ 本特別委員会に関する情報

・ 対象者株式価値算定書による対象者の株式価値の算定結果に関する情報

・ 本取引の実施を決定するに至ったプロセス等に関する情報

・ 本取引を行うことを選択した背景・目的等に関する情報

・ 対象者と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の経緯に関する情報

・ 本公開買付けの公正性を担保するための措置に関する情報

 

(コ)強圧性の排除

本公開買付け後の本スクイーズアウト手続は、株式売渡請求又は株式併合を用いるスキームにより実行するとされている。いずれのスキームを用いる場合でも、本公開買付けに応募しなかった対象者の少数株主に対し、価格決定の申立てを行う権利が認められている。そして、公開買付者によれば、公開買付者は、本公開買付け成立後、本スクイーズアウト手続実施のための手続を早期に実施することを予定しており、また、本スクイーズアウト手続においては、本公開買付けに応募しなかった対象者の少数株主に対して、本公開買付価格(3,201円)に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定された額が交付される予定であり、その旨がプレスリリース等で明示される予定である。

これらのことからすれば、本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会は少数株主に対して与えられており、強圧性は排除されていると解される。

 

(サ)小括

以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に至る交渉過程等の手続は公正であると判断するに至った。

 

 

d 対象者取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することが少数株主にとって不利益か否かについて

上記a乃至cその他の事項を踏まえ、慎重に検討した結果、対象者取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することは対象者の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。

 

④ 対象者における独立した法律事務所からの助言

対象者は、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏から独立したリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けているとのことです。なお、本取引に係る北浜法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。また、北浜法律事務所は、本最終パートナー候補、公開買付者、対象者及び堀田氏の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。

また、本特別委員会において、北浜法律事務所の独立性に問題がないことが確認されているとのことです。

 

⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

対象者は、北浜法律事務所から得た法的助言、野村證券から得た財務的見地からの助言、対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から入手した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行ったとのことです。

その結果、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者取締役会は、本取引について、本公開買付けを含む本取引により対象者の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格は対象者の株主の皆様にとって妥当なものであり、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して、対象者株式の合理的な売却の機会を提供するものであると判断し、2024年12月13日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議しているとのことです。

上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役6名のうち、堀田氏を除く対象者の取締役5名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の対象者取締役会においては、対象者の監査役3名(うち社外監査役3名)全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。なお、対象者の代表取締役である堀田氏は、本公開買付けに際して公開買付者との間で本応募契約を締結することが予定されていたことから、利益相反の疑義を回避する観点から、当該取締役会における本取引に関する審議及び決議には参加しておらず、また、対象者の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切関与していないとのことです。

 

⑥ 入札手続の実施

上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は2024年7月上旬より、候補先10社を対象とした本入札プロセスを実施し、そのうち公開買付者を含む2社に2024年8月中旬から同年10月中旬までデュー・ディリジェンスの機会を付与したとのことです。その上で、2024年10月下旬までに当該2社より提案書を受領したとのことです。

対象者は、提案された公開買付価格、提案内容の実現の蓋然性、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から総合的に優れていたことから、公開買付者との間で、本取引の実施に向けた最終協議を行うこととしたとのことです。

 

以上のとおり、対象者は、本入札プロセスを実施し、複数の候補先から対象者の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保したとのことですが、公開買付者よりも対象者の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったとのことです。

 

⑦ 他の買付者からの買付機会等を確保するための措置

公開買付者は、対象者との間で、対象者が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しております。このように、公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、対象者の株主の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに対する応募の是非について適切な判断を行うための期間を提供しつつ、対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することも企図しております。

 

⑧ マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を充たす下限の設定

上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、公開買付者は対象者株式を所有していないところ、本公開買付けにおける買付予定数の下限(655,300株、所有割合:62.76%)から堀田氏の所有株式数(238,000株)を控除した株式数(417,300株、所有割合:39.97%)は、対象者決算短信に記載された2024年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(1,073,500株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(29,406株)及び堀田氏の所有株式数(238,000株)を控除した株式数(806,094株)の半数に相当する株式数(403,047株、所有割合:38.60%)を上回っております。すなわち、公開買付者と利害関係を有しない対象者の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には本公開買付けは成立せず、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件を充たしたものとなっており、対象者の株主の皆様の意思を重視したものであると考えております。

 

(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とするための本取引の一環として本公開買付けを実施するため、本公開買付けが成立したものの、対象者株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、対象者株式の全ての取得を目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

 

① 株式売渡請求

公開買付者は、本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する対象者の議決権数が対象者の総株主の議決権数の90%以上となった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第179条に基づき、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式の全てを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定です。本株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して本株式売渡請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主からその所有する対象者株式の全てを取得いたします。そして、公開買付者は、本売渡株主に対し、本売渡株主の所有していた対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より本株式売渡請求がなされた場合には、対象者取締役会において本株式売渡請求を承認する予定とのことです。

 

本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

② 株式併合

本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する対象者の議決権数が対象者の総株主の議決権数の90%未満である場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、対象者に対し、(ⅰ)会社法第180条に基づき対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び(ⅱ)本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を、2025年4月を目途に開催することを要請する予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。この場合、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主に対して、会社法第235条及び第234条第2項乃至第5項その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が対象者株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう対象者に要請する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。

本株式併合に関する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、対象者の株主は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。

 

上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性がありますが、その場合でも、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。

以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。

なお、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任において税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(5) 上場廃止となる見込み及びその事由

対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、当該手続が実施された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止となります。なお、対象者株式が上場廃止となった後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。

 

(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は堀田氏との間で、2024年12月13日付で本応募契約を締結しております。なお、本書提出日現在、本応募契約を除き、公開買付者と堀田氏との間で本取引に係る重要な合意はありません。また、本公開買付けに係る対象者株式の売却代金を除き、本取引に関して、公開買付者から堀田氏に対して供与される利益はありません。本応募契約の概要は以下のとおりです。

 

① 応募義務の前提条件

堀田氏が本公開買付けに応募する義務を履行する前提条件として、(ⅰ)本公開買付けが適法かつ有効に開始されており、撤回されていないこと、(ⅱ)対象者の取締役会において、本公開買付けに対して賛同し、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見に関する決議が適法かつ有効に行われ、これが公表され、かつ、かかる表明が変更又は撤回されていないこと、(ⅲ)本応募契約に基づく公開買付者の表明及び保証(注)が重要な点において真実かつ正確であること、(ⅳ)公開買付者が本応募契約に規定する重要な義務に違反していないことが規定されています。

(注) 公開買付者の表明及び保証事項として、(ⅰ)設立及び存続の有効性並びに本応募契約の締結及び履行に必要な権利能力等の保有、(ⅱ)強制執行可能性、(ⅲ)必要な許認可等の取得及び履践、(ⅳ)本応募契約の締結及び履行が法令等に違反しないこと、(ⅴ)倒産手続等の不存在、(ⅵ)反社会的勢力等との関係の不存在がそれぞれ規定されております。

 

② いわゆるFiduciary Out条項

堀田氏は、本応募契約の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、自ら又は他の者をして、公開買付者以外の者との間で、直接又は間接に、本公開買付けと競合、矛盾若しくは抵触し、又はそのおそれのある一切の行為を行わないものとされています。但し、対抗提案に係る勧誘、提案、情報提供又は申込みを受けた場合、堀田氏は、直ちに公開買付者にその旨及びこれらの内容を通知し、かかる第三者への対応について公開買付者と誠実に協議した上で、当該第三者との間で、対抗提案に関する協議及び交渉をすることができるものとされています。また、公開買付期間の末日までに公開買付者以外の者により、本公開買付価格を超える金額により対象者株式を取得する旨の、実現可能性が客観的に認められ、かつ、法的拘束力を有する申出、提案、公表等(以下「対抗提案」といいます。)が行われた場合、堀田氏は公開買付者に対して、本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、(ⅰ)公開買付者が当該協議申入れを受けた日から起算して10営業日を経過する日若しくは公開買付期間の末日の前営業日のいずれか早い方の日までに、公開買付者が、本公開買付価格を、対抗提案における対象者株式の取得金額を超える金額に適法に変更しない場合、又は、(ⅱ)対象者が対抗提案に対して賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して対抗提案への応募を推奨する旨の決議を行うこととなると堀田氏が合理的に判断した場合、堀田氏は、本公開買付けに応募をせず、又は本公開買付けへの応募により成立した本応募合意株式の買付けに係る契約を解除するとともに、対抗提案に応じることができるものとされています。

 

 

③ 議決権に関する合意

堀田氏は、本応募契約の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なく、対象者の株主総会の招集請求権(会社法第297条)、株主提案権(会社法第303条乃至第305条)その他の株主権を行使してはならないものとされています。また、堀田氏は、本応募契約の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間に開催される対象者の株主総会において議決権を行使できる場合、(ⅰ)株主提案に係る議案、及び(ⅱ)可決されれば対象者の財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー、事業、資産、負債若しくは将来の収益計画又はその見通しに重大な影響を及ぼす又は及ぼすことが合理的に予想される議案が上程されるとき(対象者が提出した議案を修正する旨の動機がなされた場合も含みます。)は、堀田氏の所有する対象者株式に係る当該株主総会における議決権について、当該議案又は動議に反対の議決権を行使するものとされています。更に、本公開買付けが成立した場合において、本公開買付けの決済の開始日より前の日を権利行使の基準日とする対象者の株主総会が、当該決済の開始日以降に開催される場合、堀田氏は、その所有する対象者株式に係る当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従って権利を行使するものとするとされています。

 

④ 堀田氏の表明及び保証事項

堀田氏は、公開買付者に対して、堀田氏自身に関し、(ⅰ)本応募契約の締結及び履行に必要な権利能力等の保有、(ⅱ)強制執行可能性、(ⅲ)必要な許認可等の取得及び履践、(ⅳ)本応募契約の締結及び履行が法令等及び司法・行政機関等の判断等に違反しないこと、(ⅴ)倒産手続等の不存在、(ⅵ)反社会的勢力等との関係の不存在、(ⅶ)対象者株式の適法かつ有効な保有について、また、対象者グループに関し、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本応募契約の締結及び履行が定款その他の社内規則、法令等又は契約等に違反しないこと、(ⅲ)倒産手続等が存在せず、支払不能等の状態にないこと、(ⅳ)発行可能株式総数及び発行済株式総数等に関する事項、(v)反社会的勢力等との関係の不存在、(ⅵ)対象者の子会社に関する事項、(ⅶ)法定開示書類の正確かつ適正な開示、(ⅷ)未公表の重要事実の不存在について表明及び保証を行っています。

 

Period and price of purchase, etc. and number of share certificates, etc. intended to purchase
Period of purchase, etc.
Original period at filing
Original period at filing
Whether or not period may be extended upon request of subject company
Whether or not period may be extended upon request of subject company (N/A)
該当事項はありません。
Contact information for confirming about extension of period
Contact information for confirming about extension of period (N/A)
該当事項はありません。
Price of purchase, etc.
Price of purchase, etc.
Number of share certificates, etc. intended to purchase
Number of share certificates, etc. intended to purchase
Holding ratio of share certificates, etc. after purchase, etc.
Holding ratio of share certificates, etc. after purchase, etc.
Permit, etc. regarding acquisition of share certificates, etc.
Permit, etc. regarding acquisition of share certificates, etc. (N/A)
該当事項はありません。
How to accept and how to cancel
How to accept
How to accept
How to cancel
How to cancel

応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。

契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付する等の方法によりお手続ください(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に到達することを条件とします(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。

なお、日興イージートレードにおいて応募された契約の解除は、日興イージートレードログイン後、画面に記載される方法に従い、公開買付期間の末日の15時30分までに解除手続を行ってください。

 

  解除書面を受領する権限を有する者

  SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

  (その他のSMBC日興証券株式会社国内各営業店)

 

How to return share certificates, etc.
How to return share certificates, etc.

応募株主等が上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除をした場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。

 

Name and location of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle custody and return of share certificates, etc.
Name and location of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle custody and return of share certificates, etc.

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

Fund for purchase, etc.
Fund, etc. for purchase, etc.
Fund, etc. for purchase, etc.
Deposits or borrowings, etc. which can be utilized as fund for purchase, etc.
Deposits as of one or two days before filing date
Deposits as of one or two days before filing date
Borrowings before filing date
Financial institution
Financial institution (N/A)
Other than financial institution
Other than financial institution (N/A)
Funding by borrowings after filing date
Financial institution
Financial institution (N/A)
Other than financial institution
Other than financial institution (N/A)
Other ways of funding
Other ways of funding (N/A)
Total amount of deposits or borrowings, etc. which can be utilized as fund for purchase, etc.
Total amount of deposits or borrowings, etc. which can be utilized as fund for purchase, etc.

6,134,570千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

Relationship, etc. between issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc. and tender offeror
Relationship, etc. between issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc. and tender offeror (N/A)
該当事項はありません。
Information about issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc.
Information about issuer of security to be delivered as consideration of purchase, etc. (N/A)
該当事項はありません。
How to settle
Name and address of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle settlement of purchase, etc.
Name and address of registered headquarter of financial instruments business operator, bank, etc. to handle settlement of purchase, etc.

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

Date of commencement of settlement
Date of commencement of settlement

2025年2月7日(金曜日)

 

How to settle
How to settle

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。なお、日興イージートレードからの応募については、電磁的方法により交付します。

買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

 

How to return share certificates, etc.
How to return share certificates, etc.

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1) 法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を、公開買付期間の末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)に、公開買付代理人の応募株主口座上で、応募が行われた時の状態(応募が行われた時の状態とは、本公開買付けへの応募注文の執行が解除された状態を意味します。)に戻します。

 

Other terms and methods of purchase, etc.
Descriptions of terms specified in items of article 27-13(4), if any
Descriptions of terms specified in items of article 27-13(4), if any

応募株券等の総数が買付予定数の下限(655,300株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(655,300株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

Description of terms of withdrawal, etc. of tender offer and methods of disclosure, if any such terms
Description of terms of withdrawal, etc. of tender offer and methods of disclosure, if any such terms

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ネ、第3号イ乃至チ及びヌ並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。令第14条第1項第1号ネに定める「イからツまでに掲げる事項に準ずる事項」とは、対象者の業務執行を決定する機関が、2024年9月30日を基準日とする1株当たり35円の剰余金の配当(注1)とは別に、本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当(株主に交付される金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の純資産の帳簿価額の10%に相当する額(175,271千円)未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合(具体的な剰余金の配当の額を示さずに、本公開買付けに係る決済の開始日前を剰余金の配当の基準日とする旨を決定した場合を含みます。)又は上記配当を行う旨の議案を対象者の株主総会に付議することを決定した場合をいいます(注2)(注3)。また、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、(ⅰ)対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、及び(ⅱ)対象者の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実のいずれかが発生した場合をいいます。

撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 

(注1) 対象者が2024年11月20日に公表した「剰余金の配当に関するお知らせ」によれば、対象者は、2024年9月30日を基準日として、1株当たり35円の剰余金の配当を行うことについて決議しております。

(注2) 金融庁企画市場局「公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)」(2024年10月)の「C 株券等の公開買付けに関するQ&A」の(問36)において、対象者の業務執行を決定する機関が剰余金の配当を行うことについての決定をしたことが公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情である場合、令第14条第1項第1号ネの「イからツまでに掲げる事項に準ずる事項」として、公開買付けの撤回事由とすることができると考えられる旨記載されているとともに、撤回事由から除かれる軽微なものの例として「当該決定に係る剰余金の配当の額が最近事業年度の末日における純資産の帳簿価額に比べ少額(例えば、10%に相当する額未満)である場合や対象者が既に公表している配当予想の額との差異が小さい場合」と記載されていることから、既に対象者において予定されている剰余金の配当とは別に、対象者の最近事業年度における単体の純資産の帳簿価額の10%に相当する額以上の剰余金の配当が決定された場合は、上記の「イからツまでに掲げる事項に準ずる事項」に該当するとしております。

(注3) ご参考:株主に交付される金銭その他の財産の額が、対象者の最近事業年度の末日における単体の純資産の帳簿価額の10%に相当する額となる剰余金の配当が行われる場合、当該配当に係る基準日時点の対象者の発行済株式総数及び自己株式の数が本書記載のこれらの数と一致していると仮定すると、1株当たりの配当額は168円に相当します(具体的には、対象者が2023年12月22日に提出した第62期有価証券報告書に記載された2023年9月30日現在における対象者の単体の純資産額1,752,717千円の10%に相当する額である175,271千円(千円未満を切り捨てて計算しています。)を、自己株式控除後の対象者の発行済株式総数(1,044,094株)で除し、1円未満の端数を切り上げて計算しています。)。

 

Description of terms of price reduction of purchase, etc., and methods of disclosure, if any such terms
Description of terms of price reduction of purchase, etc., and methods of disclosure, if any such terms

法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

Information about cancellation rights of accepting shareholders, etc.
Information about cancellation rights of accepting shareholders, etc.

応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

Methods of disclosure if terms of purchase, etc. is changed
Methods of disclosure if terms of purchase, etc. is changed

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。

買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更等の内容につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

Methods of disclosure if amendment report is filed
Methods of disclosure if amendment report is filed

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付することにより訂正します。

 

Methods of disclosing result of tender offer
Methods of disclosing result of tender offer

本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

Other information
Other information

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)を使用して行われるものではなく、更に米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けいたしません。

本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)はそれぞれ、以下の表明・保証を行うことを要求されます。

応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても、米国に所在していないこと、応募株主等が本公開買付けに関するいかなる情報若しくは買付け等に関する書類を、直接間接を問わず、米国内において、若しくは米国に向けて、又は米国内からこれを受領したり送付したりしていないこと、買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名乃至交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと、及び他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動している者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。

 

Information about tender offeror
Information about corporation
Overview of company
Major shareholders
Major shareholders (N/A)
Job history of officers and number of owned shares
Job history of officers and number of owned shares (N/A)
Information about tender offeror subject to ongoing disclosure
Information about tender offeror subject to ongoing disclosure
① 【公開買付者が提出した書類】 イ 【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第66期(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) 2024年5月24日 関東財務局長に提出

 

ロ 【半期報告書】

事業年度 第67期中(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日) 2024年10月11日 関東財務局長に提出

 

ハ 【訂正報告書】

該当事項はありません。

 

② 【上記書類を縦覧に供している場所】

株式会社ダイセキ

(名古屋市港区船見町1番地86)

(上記は登記上の本店所在地であり、本社ビルの増築工事を行うため最寄りの連絡場所である名古屋市中区栄一丁目23番10号名古屋伏見アイマークビル8階に一時移転し、本社業務を行っております。)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

株式会社名古屋証券取引所

(名古屋市中区栄三丁目8番20号)

 

Information about organization other than corporation
Information about organization other than corporation (N/A)
該当事項はありません。
Information about individual
Information about individual (N/A)
該当事項はありません。
Information about holding and trading of share certificates, etc. by tender offeror or its special interest parties
Holding of share certificates, etc.
Total holding of share certificates, etc. by tender offeror and special interest parties
Total holding of share certificates, etc. by tender offeror and special interest parties (N/A)
該当事項はありません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。 
Holding of share certificates, etc. by tender offeror
Holding of share certificates, etc. by tender offeror (N/A)
該当事項はありません。
Total holding of share certificates, etc. by special interest parties
Total holding of share certificates, etc. by special interest parties (N/A)
該当事項はありません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。 
Holding of share certificates, etc. by each special interest party
Holding of share certificates, etc. by each special interest party (N/A)
該当事項はありません。
Information about trading of share certificates, etc.
Information about trading during last 60 days before filing
Information about trading during last 60 days before filing (N/A)
該当事項はありません。
Significant contracts made about said share certificates, etc.
Significant contracts made about said share certificates, etc. (N/A)
該当事項はありません。
Agreement whereby purchase, etc. of share certificates, etc. is to be made after filing date
Agreement whereby purchase, etc. of share certificates, etc. is to be made after filing date (N/A)
該当事項はありません。
Transactions, etc. between tender offeror and subject company
Description of transactions between tender offeror and subject company, if any
Description of transactions between tender offeror and subject company, if any (N/A)
該当事項はありません。
Description of agreements between tender offeror and subject company, if any
Description of agreements between tender offeror and subject company, if any
(1) 本公開買付けへの賛同及び応募推奨

対象者プレスリリースによれば、対象者は、2024年12月13日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。

なお、対象者取締役会決議の詳細につきましては、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(2) 本応募契約

本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年12月13日付で、堀田氏との間で本応募契約を締結し、堀田氏が所有する対象者株式(238,000株(所有割合:22.79%)のうち、譲渡制限付株式4,000株を除く本応募合意株式234,000株(所有割合:22.41%)について、本公開買付けに応募する旨を合意しております。本応募契約の詳細については、上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

Information about subject company
Profit (loss), etc. during last 3 years
Information about profit (loss)
Information about profit (loss) (N/A)
Per share information
Per share information (N/A)
Information about stock prices
Information about stock prices
Information about shareholders
Information by each shareholder
Information by each shareholder (N/A)
Number of stocks owned by major shareholders and officers
Major shareholders
Major shareholders (N/A)
Officers
Officers (N/A)
Information about subject company subject to ongoing disclosure
Information about subject company subject to ongoing disclosure
(1) 【対象者が提出した書類】 ① 【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第61期(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) 2022年12月23日 近畿財務局長に提出

事業年度 第62期(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) 2023年12月22日 近畿財務局長に提出

事業年度 第63期(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) 2024年12月20日 近畿財務局長に提出予定

 

② 【四半期報告書又は半期報告書】

事業年度 第63期第2四半期(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) 2024年5月9日 近畿財務局長に提出

 

③ 【臨時報告書】

該当事項はありません。

 

④ 【訂正報告書】

該当事項はありません。

 

 

(2) 【上記書類を縦覧に供している場所】

大阪油化工業株式会社

(大阪府枚方市春日西町二丁目27番33号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

Information received on fact about launch of tender offer, etc.
Information received on fact about launch of tender offer, etc. (N/A)
該当事項はありません。
Other information
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