Tender Offer By Those Other Than Issuer Form No. 4 Subject Company's Position Statement

JAMCO CORPORATION - Filing #7266546

Concept As at
2025-04-21
Tender Offer by Those Other than Issuer Form No. 4 Subject Company's Position Statement
Name and residential address or location of tender offeror
Name and residential address or location of tender offeror

名 称  株式会社BCJ-92

東京都千代田区丸の内一丁目1番1号 パレスビル5階

 

Classes of share certificates, etc. for tender offeror to acquire by purchase, etc.
Classes of share certificates, etc. for tender offeror to acquire by purchase, etc.

普通株式

 

Opinion and basis and reason of opinion regarding said tender offer
Opinion and basis and reason of opinion regarding said tender offer
(1) 意見の内容

当社は、2025年1月14日開催の取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。

当該取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングス株式会社(以下「ANAホールディングス」といいます。)の出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておりません。

また、確実に会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名を加えた取締役9名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議いたしました。

当社は、上記の決議に際して、当社取締役会において、本公開買付けが開始される際に、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載のとおり、本特別委員会(下記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ) 検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)に対して、本特別委員会が2025年1月10日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。

また、上記当社取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されておりました。

 

その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年1月14日付の本取引公表後、各取引先に速やかに連絡を取り、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の依頼を行っており、2025年2月21日時点で、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち1社を除いて、承諾又は同意が得られていること、加えて、残り1社についても承諾又は同意を拒否されているわけではなく、当社は、承諾又は同意の取得に向けた調整を進めていることから、承諾又は同意が得られる見込みである旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年2月21日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月上旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年2月26日、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社から、本公開買付け開始にあたり合意が必要となる契約書の草案を受領し、当該契約書の内容について協議を継続していたものの、2025年3月13日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月下旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社からの承諾又は同意の取得に関する協議は継続中であり、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」の公表以降、当該協議は大きく進展しているが、2025年3月31日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、2025年3月31日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年4月中旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、ベインキャピタルは、それ以降も当該残り1社との協議が大きく進展していることを踏まえ、2025年4月21日に本公開買付けを開始したとしても、公開買付期間満了の日の前日までに、当該承諾又は同意を取得できる目途はついたと判断し、2025年4月17日、当社はベインキャピタルより、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、当該残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

これに対し、当社は、2025年4月17日、本特別委員会に対して、本特別委員会から2025年1月10日付で入手した答申書(以下「2025年1月10日付答申書」といいます。)の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2025年4月17日開催の特別委員会において、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年1月10日以後、2025年4月17日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年4月18日付答申書」といいます。2025年1月10日付答申書及び2025年4月18日付答申書の概要並びに本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を提出いたしました。

 

その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年4月18日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年1月14日以降、当社の経営環境に重要な状況変化は生じておらず、また、引き続き、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当であると認められること等から、2025年4月18日現在においても、2025年1月14日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2025年4月18日開催の当社取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

 

(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、本書提出日現在、Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行う投資ファンド(以下Bain Capital Private Equity, LP、同社が投資助言を行う投資ファンド及びそのグループを個別に又は総称して「ベインキャピタル」といいます。)により議決権の全てを所有されているBCPE Phoenix Cayman, L.P.が出資する株式会社BCJ-91(以下「公開買付者親会社」といいます。)の完全子会社であり、当社株式を所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的として2024年12月10日に設立された株式会社とのことです。本書提出日現在、公開買付者は当社株式を所有していないとのことですが、ベインキャピタルが投資助言又は業務執行権限を通じて間接的に支配する昭和飛行機工業は、2011年4月26日に当社と良好な協力関係を構築し、相互の経営資源の有効活用を図ることを目的に当社株式を取得し、本書提出日現在、当社株式2,003,200株(所有割合(注1):7.46%)を所有しているとのことです。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年2月7日に提出した2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載の2024年12月31日現在の発行済株式総数(26,863,974株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(7,944株)を控除した株式数(26,856,030株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下所有割合の計算において同じです。)をいいます。以下同じです。

ベインキャピタルは、全世界で約1,850億米ドルの運用資産を持つ国際的投資会社であり、日本においては2006年に東京拠点を開設して以来、約70名の従業員により投資先の企業価値向上に向けた取組みを進めているとのことです。主に事業会社・コンサルティング会社での経験を有する専門家を中心に構成されており、一般的な投資会社の提供する資本・財務的支援にとどまらず、事業運営を現場レベルで支援することで着実に成長戦略を実行し、以下のとおりの価値向上施策を成功に導いた実績を有しているとのことです。ベインキャピタルは、日本においては、株式会社レッドバロンプロパティーズ、株式会社ティーガイア、トランコム株式会社、株式会社スノーピーク、株式会社アウトソーシング、株式会社T&K TOKA、株式会社システム情報(現株式会社SI&C)、株式会社IDAJ、株式会社エビデント(旧オリンパスの科学事業を承継)、インパクトホールディングス株式会社、株式会社マッシュホールディングス、日立金属株式会社(現株式会社プロテリアル)、株式会社Linc’well、日本セーフティー株式会社、株式会社イグニス、株式会社キリン堂ホールディングス、ヘイ株式会社(現STORES株式会社)、昭和飛行機工業株式会社、チーターデジタル株式会社(現エンバーポイント株式会社)、株式会社Works Human Intelligence、東芝メモリ株式会社(現キオクシア株式会社)等、37社に対して、そしてグローバルでは1984年の設立以来約400社、追加投資を含めると約1,450社以上に対して投資実績を有しているとのことです。

 

当社の2025年1月14日付プレスリリース「株式会社 BCJ-92 による当社株券等に対する公開買付けの開始予定に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「2025年1月14日付当社プレスリリース」といいます。)において公表しました通り、公開買付者は、当社との間で締結した公開買付契約(以下「本公開買付契約」といいます。)に基づき、国内外の競争法令等(日本、オーストリア、ドイツ、オランダ及び米国)及び日本における外国為替及び外国貿易法に基づき必要な許認可等の取得(以下「本クリアランス」といいます。)が完了していること等の前提条件(注2)(かかる条件を、以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合に、速やかに本公開買付けを開始することを予定していたとのことです。

(注2) 「本公開買付前提条件」は、本公開買付契約において概要以下のとおり規定されております。

① 当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことに係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が撤回又は変更されておらず、これと矛盾する内容のいかなる決議も行われていないこと

② 本特別委員会において、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が撤回又は変更されていないこと

③ 本公開買付契約に定める当社による表明及び保証(注3)がいずれも重要な点において真実かつ正確であること

④ 本公開買付契約に基づき当社が履行又は遵守すべき義務(注3)が重要な点において全て履行又は遵守されていること

⑤ (ⅰ)当社の筆頭株主(2024年9月30日現在)である伊藤忠商事と公開買付者との間の公開買付応募等契約(以下「本応募等契約」といいます。)、(ⅱ)当社の第2位株主(2024年9月30日現在)であるANAホールディングスと公開買付者との間の公開買付不応募契約(以下「本不応募契約(ANAホールディングス)」といいます。)及び(ⅲ)当社の第3位株主(2024年9月30日現在)であり、ベインキャピタル(下記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じです。)が投資助言又は業務執行権限を通じて間接的に支配する昭和飛行機工業株式会社(以下「昭和飛行機工業」といい、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業を総称して「本不応募合意株主」といいます。)と公開買付者との間の公開買付不応募契約(以下「本不応募契約(昭和飛行機工業)」といい、本不応募契約(ANAホールディングス)及び本不応募契約(昭和飛行機工業)を総称して「本不応募契約」といいます。)が2025年1月14日付で適法かつ有効に締結され、かつ変更されずに存続していること。但し、これらの契約が合意解除される場合を除きます。

⑥ 当社から、法第166条第2項に定める業務等に関する重要事実(但し、同条第4項に従い公表されているものを除きます。)が存在しないこと及び法第167条第2項に定める公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実(但し、本公開買付け及び同条第4項に従い公表されているものを除きます。)を認識していないことの確認が得られていること

⑦ 本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、そのおそれもないこと

⑧ 本クリアランスが完了していること

⑨ 公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先から、公開買付者が合理的に満足する内容により、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意が得られていること

⑩ 令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ネ、第3号イ乃至チ及びヌ、第4号並びに同条第2項第3号乃至第6号に規定される事由がいずれも生じていないこと。なお、令第14条第1項第1号ネに規定される「イからツまでに掲げる事実に準ずる事項」については、(x)(a)当社の業務執行を決定する機関が、本公開買付けに係る決済の開始日(以下「本決済開始日」といいます。)前を基準日とする剰余金の配当(株主に交付される金銭その他の財産の額が、当社の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合、及び(b)当社の業務執行を決定する機関が、具体的な剰余金の配当の額を示さずに、本決済開始日前を基準日とする剰余金の配当を行うことについての決定をした場合において、当社の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額を上回る規模の配当がなされる可能性がある場合、並びに(y)当社の業務執行を決定する機関が、自己株式の取得(株式を取得するのと引換えに交付する金銭その他の財産の額が、当社の最近事業年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の帳簿価額の10%に相当する額未満であると見込まれるものを除きます。)を行うことについての決定をした場合をいいます。また、令第14条第1項第3号ヌに規定される「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」については、(ⅰ)当社が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明し、かつ、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らなかった場合、及び(ⅱ)当社の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。

 

⑪ 本公開買付契約の締結日以降、当社及びその子会社の事業、資産、負債、財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー若しくはこれらの見通し又は本取引の実行に対して重大な悪影響を及ぼし又は及ぼすおそれのある事由若しくは事象、又は国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境及び経済環境に重大な変化(但し、かかる変化が、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を維持することができない程度に当社の企業価値又は株式価値の棄損が生じるものに限り、(ⅰ)本取引の公表に伴う当社株式の市場価格の変動、(ⅱ)国内外の政治情勢、経済情勢、金融市場又は証券市場の変化に起因する影響(国際的な外交上の関係悪化、テロ行為、政局不安その他国内外の政治的危機によって引き起こされるものを含みます。)、(ⅲ)戦闘行為、戦争、天災又は人災の発生又は拡大に起因する影響、(ⅳ)当社の事業が属する業界全般に生じた情勢の変動に起因する影響、(ⅴ)新型コロナウイルス感染症その他の感染症の流行、流行の継続又は流行の拡大に起因する影響、及び(ⅵ)法令等、会計基準又はそれらの解釈の変更に起因する影響を除きます。)が生じておらず、かつその具体的なおそれが生じていないこと

(注3) 本公開買付契約に基づく当社による表明及び保証・当社の義務の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」をご参照ください。

 

その後、ベインキャピタルは、ドイツについては2025年2月6日付で、オランダについては2025年2月7日付で、オーストリアについては2025年2月12日付で、日本については2025年2月12日の経過をもって、米国については2025年2月13日の経過をもって、それぞれ競争法に基づく必要な手続及び対応を完了したとのことです。

一方で、公開買付者は、2025年2月21日付プレスリリース「株式会社ジャムコ(証券コード:7408)の株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」、2025年3月13日付プレスリリース「株式会社ジャムコ(証券コード:7408)の株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」及び2025年3月31日付プレスリリース「株式会社ジャムコ(証券コード:7408)の株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」において、本公開買付前提条件のうち、(ⅰ)外国為替及び外国貿易法に基づき必要な許認可等の取得が完了していることについては、(a)公開買付者は、2025年1月15日付で、同法第27条第1項に従い日本銀行を経由して財務大臣及び事業所管大臣への届出を行い、同日に受理されたこと、(b)当該届出の受理後、2025年1月31日に、当社の事業を所管する経済産業省から、法定の30日の待機期間中の審査の完了が困難であり、審査の継続のために一度届出を取り下げるよう連絡を受けたこと、(c)そのため、公開買付者は、2025年2月12日付で上記届出を取り下げたこと、(d)当該許認可等の取得に向け、鋭意取り組んでいるが、当社の事業を所管する経済産業省から未だ再度の届出の指示を受けておらず、当該許認可等は取得できていないこと、(ⅱ)公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先から、公開買付者が合理的に満足する内容により、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意が得られていることについては、(a)1社を除いて当該承諾又は同意が得られたこと、(b)当社は残り1社からの承諾又は同意の取得に向けた調整を公開買付者とともに鋭意進めており、具体的には、本公開買付け公表後の2025年1月15日、当該取引先より本公開買付けに関する質問を受領し、2025年1月16日に回答を送付し、その後、2025年2月26日、本公開買付け開始にあたり合意が必要となる契約書の草案を受領し、当該契約書の内容について協議を継続しているものの、未だ当該承諾又は同意は得られていないこと、(ⅲ)それら以外の本公開買付前提条件はいずれも充足されている(本公開買付け開始時点で判断される事項については、当該時点で充足される見込みである)と判断しており、2025年4月中旬を目途に、本公開買付けを開始することを目指していることを公表しておりました。

本書提出日現在、公開買付者は、(ⅰ)外国為替及び外国貿易法に基づく必要な手続及び対応については、再度の届出は行っておりませんが、2025年3月31日付プレスリリース「株式会社ジャムコ(証券コード:7408)の株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」の公表以降も、経済産業省との間の協議は進展しており、当該協議が整い次第、速やかに再度の届出を行う予定であるとのことです。再度の届出が受理された後は、法定の待機期間中に、外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスを取得できる見込みですが、当該待機期間は短縮される可能性があるとのことです。そのため、本書提出日現在、本公開買付前提条件⑧のうち、外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件については充足していないものの、2025年4月21日に本公開買付けを開始したとしても、公開買付期間満了の日の前日までに、外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスが完了する目途はついたと判断しているとのことです。そのため、ベインキャピタルは、本公開買付前提条件⑧のうち、外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件については、本公開買付前提条件としては放棄することとしたとのことです。

 

また、(ⅱ)公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先から、公開買付者が合理的に満足する内容により、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意が得られていることについては、残り1社からの承諾又は同意の取得に関する協議中ではあるものの、2025年3月31日付プレスリリース「株式会社ジャムコ(証券コード:7408)の株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」の公表以降、当該協議は大きく進展しているとのことです。ベインキャピタルとしては、このように当該残り1社との協議が大きく進展していることを踏まえると、本日現在、本公開買付前提条件⑨のうち、当該残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については充足していないものの、2025年4月21日に本公開買付けを開始したとしても、公開買付期間満了の日の前日までに、当該承諾又は同意を取得できる目途はついたと判断しているとのことです。そのため、ベインキャピタルは、本公開買付前提条件⑨のうち、当該残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄することとしたとのことです。

さらに、公開買付者は、2025年4月18日までに、以下の方法により本公開買付前提条件(外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了、並びに、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち残り1社から、公開買付者が合理的に満足する内容により、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意が得られていることを除きます。)がいずれも充足されている(本応募等契約及び本不応募契約が変更されずに存続していることを含め、本公開買付け開始時点で判断される事項については、当該時点で充足される見込みである)ことを確認したことから、同日、本取引の一環として、当社株式の全て(但し、不応募合意株式(以下に定義します。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得するための本公開買付けを2025年4月21日より開始することを決定したとのことです。なお、公開買付価格を含め、2025年1月14日付公開買付者プレスリリースで公表した主要な買付条件に変更はないとのことです。

公開買付者は、本公開買付け実施にあたり、2025年1月14日付で、伊藤忠商事との間で本応募等契約を締結し、本公開買付けが開始された場合、伊藤忠商事が所有する当社株式8,956,500株(所有割合:33.35%)のうち4,393,850株(所有割合:16.36%、以下「応募合意株式」といいます。)について本公開買付けへ応募し、残りの4,562,650株(所有割合:16.99%、以下「伊藤忠不応募合意株式」といいます。)については本公開買付けへ応募しない旨を合意しているとのことです。

また、公開買付者は、2025年1月14日付で、ANAホールディングス(所有株式:5,373,200株、所有割合:20.01%)との間で本不応募契約(ANAホールディングス)を、昭和飛行機工業(所有株式:2,003,200株、所有割合:7.46%)との間で本不応募契約(昭和飛行機工業)をそれぞれ締結し、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業が所有する当社株式の全て(所有株式数の合計:7,376,400株、所有割合:27.47%。これに伊藤忠不応募合意株式4,562,650株(所有割合:16.99%)を合わせた11,939,050株(所有割合:44.46%)を、以下「不応募合意株式」といいます。)について本公開買付けへ応募しない旨を合意しているとのことです。

さらに、本応募等契約及び本不応募契約では、本不応募合意株主が、本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。以下同じです。)において、その時点で所有する全ての当社株式に関して、本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。以下同じです。)に関する議案に賛成する旨、また、本株式併合の効力発生後に当社が実施する予定の本自己株式取得(以下に定義します。以下同じです。)に応じて不応募合意株式の全てを売却する旨等が合意されているとのことです(注4)。

本応募等契約及び本不応募契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

(注4) 本自己株式取得は、本自己株式取得価格(以下に定義します。以下同じです。)を、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮に本不応募合意株主が不応募合意株式について本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同額となる金額に設定することにより、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることを企図するものとのことです。

 

 

さらに、公開買付者は、当社従業員持株会(以下「本持株会」といいます。)から、2025年1月21日に開催された臨時理事会において、本公開買付けが開始された場合には、本持株会が所有する当社株式372,700株(2025年2月28日現在。従業員持株会としての性質上、応募までに変動する可能性があります。所有割合:1.39%)の全てについて本公開買付けに応募する予定である旨の理事会決議を行った旨の連絡を2025年1月30日に受けたとのことです。なお、公開買付者は、本持株会との間で本公開買付けに関して応募契約は締結していないとのことです。なお、応募合意株式と本持株会が所有する当社株式の合計数は、4,766,550株(所有割合:17.75%)であるとのことです。

公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を5,965,000株(所有割合:22.21%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(5,965,000株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式(但し、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得することにより、当社株式を非公開化することを目的としているため、本公開買付けにおいて買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,965,000株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。

なお、買付予定数の下限(5,965,000株)については、本基準株式数(26,856,030株)に係る議決権の数(268,560個)に3分の2を乗じた数(179,040個)から、不応募合意株式数(11,939,050株)に係る議決権の数(119,390個)を控除した数(59,650個)に、当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(5,965,000株)としているとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式(但し、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社に対して、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを要請する予定であるところ、本スクイーズアウト手続として本株式併合の実施を想定しているため、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本スクイーズアウト手続の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者及び本不応募合意株主が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるようにするためとのことです。

また、公開買付者は、本公開買付けに要する資金を、公開買付者親会社からの出資(以下「本出資」といいます。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本決済開始日の2営業日前までに本出資を受けることを予定しているとのことです。なお、本出資により調達する金額は、当社第3四半期決算短信に記載の2024年12月31日現在の発行済株式総数(26,863,974株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(7,944株)及び不応募合意株式数(11,939,050株)を控除した株式数(14,916,980株)に本公開買付価格(1,800円)を乗じた金額(26,850,564,000円)を上回る金額を予定しているとのことです。

さらに、公開買付者は、本スクイーズアウト手続後、当社が不応募合意株式を取得すること(以下「本自己株式取得」といい、本自己株式取得に係る自己株式取得価格を「本自己株式取得価格」といいます。)を予定しているとのことです。本自己株式取得は、本株式併合後、有価証券報告書提出義務免除承認前に実施する可能性がありますが、当社株式の上場廃止後であり、上場廃止後の株式は自社株公開買付け(法第27条の22の2に定める公開買付けをいいます。以下同じです。)の対象となる「上場株券等」(法第24条の6第1項、令第4条の3)に該当しないため、公開買付者は、自社株公開買付けを実施しない予定とのことです。また、本自己株式取得価格は、本株式併合前の当社株式1株当たり、伊藤忠商事については1,536円、ANAホールディングスについては1,540円、昭和飛行機工業については1,499円を予定しているとのことです。これは、本不応募合意株主にみなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮に本不応募合意株主が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額をそれぞれ設定したものであるとのことです。本自己株式取得は、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させるため、ベインキャピタルから、2024年11月21日にANAホールディングスに対して、2024年12月5日に昭和飛行機工業に、2024年12月25日に伊藤忠商事に対してそれぞれ提案したものとのことです。また、公開買付者は、本スクイーズアウト手続後、当社において本自己株式取得を実施するために必要な資金及び分配可能額を確保するため、(ⅰ)当社による公開買付者を引受人とする第三者割当増資(以下「本増資」といいます。)及び(ⅱ)会社法第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金及び資本準備金の減少による減資(注5)(以下「本減資等」といいます。)を予定しているとのことです。

 

(注5) 本減資等においては、当社の資本金及び資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金へ振り替える予定とのことです。

 

なお、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業のいずれも、本自己株式取得の完了後に公開買付者親会社や公開買付者に対して出資を行うことは予定していないとのことです。

 

現在想定されている一連の取引を図示すると、大要以下のとおりとのことです。

 

Ⅰ.本公開買付けの実施前

 


 

Ⅱ.本公開買付けの実施後(2025年5月27日)

 


 

 

Ⅲ.本スクイーズアウト手続後(2025年7月中旬~2025年7月下旬(予定))

 


 

Ⅳ.本増資・本減資等・本自己株式取得(2025年7月下旬~2025年9月中旬(予定))

 


 

Ⅴ.本自己株式取得後

 


 

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針 (ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等

当社は、1949年3月に今橋証券株式会社として設立され、1952年12月に商号を新倉敷飛行機株式会社に変更し、航空機の製造、修理及び販売等の事業の準備を開始しました。その後、当社は、1955年9月に伊藤忠航空整備株式会社に商号を変更し、航空機の整備作業を開始し、1970年3月に、伊藤忠商事が所有株式を日本航空株式会社及び全日本空輸株式会社に譲渡し3社の資本参加となり、同年8月からギャレー等大型機用各種内装品の開発製造を開始し、1988年6月には、株式会社ジャムコに商号を変更しました。当社株式については、1988年11月に社団法人日本証券業協会(現、日本証券業協会)に店頭売買銘柄として登録され、1988年12月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第二部へ上場した後、2015年3月に東京証券取引所市場第一部に指定を受け、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、本書提出日現在においては、東京証券取引所プライム市場に上場しております。

当社グループ(当社、連結子会社7社、持分法適用関連会社2社(本書提出日現在)により構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、旅客機用ギャレー(厨房設備)、ラバトリー(化粧室)、シート(座席)を主体とした客室内装品及び航空機搭載機器、炭素繊維構造部材、航空機エンジン部品等の製造・販売、並びに航空機の整備を主体に事業活動を展開しております。

また、当社グループは、2005年9月の創立50周年を機に、創業以来代々の経営者が伝えてきた経営方針の根底にある普遍的な行動原理を再認識し、経営理念として「技術のジャムコは、士魂の気概をもって」「一、夢の実現にむけて挑戦しつづけます。」、「一、お客様の喜びと社員の幸せを求めていきます。」、「一、自然との共生をはかり、豊かな社会づくりに貢献します。」を制定しました。当社は航空業界において、製造と整備をベースとした「技術立社」として、誠実・公正、責任感と義務感をあらわす「士魂」の精神の下に、全役職員が等しく経営理念を強く意識し、その実現に向けて努力しております。

当社グループの事業内容は以下のとおりです。

(ア) 航空機内装品等製造関連

ギャレー、ラバトリーを主体とした製品製造と販売を行っており、航空機客室の全内装品に関わるデザイン、開発から機体システム改造までを含めた、客室内装備の一括供給メーカー(トータル・インテリア・インテグレーター)として、国内外の主要なエアライン、THE BOEING COMPANY(以下「ボーイング社」といいます。)及びAirbus SE(以下「エアバス社」といいます。)等の航空機メーカーを主な顧客としています。

(イ) 航空機シート等製造関連

航空機用シートを主体とした製品製造と販売を行っており、国内外の主要なエアラインを主な顧客としています。

(ウ) 航空機器等製造関連

熱交換器等各種航空機搭載機器、炭素繊維構造部材、航空機エンジン部品を主体とした製品製造と販売を行っており、株式会社島津製作所、株式会社IHI、東京計器株式会社、川崎重工業株式会社、東芝電波テクノロジー株式会社等の国内航空機器・機体・エンジンメーカー及びエアバス社等の航空機メーカーを主な顧客としています。

(エ) 航空機整備等関連

リージョナル機(注1)、中小型飛行機、ヘリコプターなどの機体整備及び改造、これら航空機に搭載される装備品の修理、並びに航空機用部品の販売などを行っており、国内エアライン、防衛省、海上保安庁、独立行政法人航空大学校、警視庁及び各都道府県警察等の官公庁を主な顧客としています。

(注1) 一定地域内の都市を結ぶ座席数が100席未満の小型ジェット旅客機を指します。

(オ) その他

その他区分には、国内連結子会社の株式会社オレンジジャムコの事業を含んでいます。株式会社オレンジジャムコは、企業の社会的責任の一つである障がい者雇用を促進するための特例子会社であり、名刺の作成、物資の運搬、清掃業務等を委託しています。

 

 

また、当社グループは2021年度に中長期ビジョン「JAMCO Vision 2030」を公表し、「技術と品質を翼に、快適で持続可能な未来へ」をスローガンとして、グループ全社の成長の方向性を示し、ビジョン実現に向けたロードマップとしてアクションプラン(行動計画AP2030)を掲げています。2024年5月23日には「選択と集中」を基本方針とする2024年度中期経営計画(以下「当社中期経営計画」といいます。)を公表し、アクションプランの着実な遂行と並行して、将来の成長を支える財務体質をはじめとした経営基盤の強化にも取り組んできました。具体的には、①内装品事業については、内装品事業の深化を目的として、応需能力・サプライチェーン強化、品質向上や製造拠点の最適化、②シート事業については、シート事業の抜本的な見直しを目的として、新規開発凍結による開発費の抑制及び既存契約の確実な履行、③整備事業と機器製造事業においては、受注拡大及び収益力強化を目的として、事業の選択と集中、ホイール整備における自動化や防衛案件(注2)への対応に取り組んでまいりました。

(注2) 防衛省を顧客とする取引を指します。

 

当社グループを取り巻く事業環境について、航空輸送業界における旅客需要は、国内線に加え国際線においても新型コロナウイルス感染症からの回復を果たし、今後も堅調な成長が見込まれると認識しております。その一方で、コロナ禍における急激な需要縮小により毀損したグローバルサプライチェーンは依然として回復途上であり、資材や部品の供給難に加え人員の確保が航空輸送業界全体の大きな課題となっており、また、インフレに伴う人件費・部材費等原価高騰への対応策として、原価管理の重要性がより一層高まっていると考えております。

このような当社を取り巻く経営環境のなかで、当社グループは、急激な航空旅客需要の回復に対応すべく応需能力の強化に努めるとともに、コロナ禍で毀損した財務基盤の回復を目指し、上記に記載した当社中期経営計画の取組みに加えて、人的リソース不足への対応、在庫管理の最適化、部材のリードタイムの長期化による生産納期への影響及びキャッシュ・フロー改善等、早急に対処しなければならない課題が存在しており、また、当社の主要取引銀行からは、既存借入金についての圧縮計画の策定・提出が求められているため、中でも財務体質の改善については喫緊の課題であると認識しています。

 

 

(ⅱ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

ベインキャピタルは、かねてより日本国内の投資先について調査・検討を行っていたところ、2024年5月22日から、以前から接点のあった伊藤忠商事との間で当社の最適な資本構成等について意見交換を開始し、2024年6月11日に伊藤忠商事との間で秘密保持契約を締結し、当社株式の非公開化を前提とした検討を開始しました。当該意見交換の中で、2024年6月25日、まずは当社の筆頭株主(2024年9月30日現在)である伊藤忠商事から当社に対して本公開買付けに関する意向の通知を行うこととなったとのことです。そして、当社は、伊藤忠商事との間で当社の経営について協議を行う中で、2024年7月3日に、伊藤忠商事より、ベインキャピタルが本公開買付けの意思を有しており、かつ伊藤忠商事は本公開買付けへ賛成する意向である旨の通知を受けました。その後、ベインキャピタルは、伊藤忠商事を介して当社と接点を持ち、2024年7月5日に当社と初回の面談を実施し、ベインキャピタルによる投資先企業に対する一般的な経営支援の内容及び全社横断での収益改善や海外事業・新規領域の更なる強化等の初期的な成長方向性の仮説について情報共有を行ったとのことです。当社からは、ベインキャピタルによる企業価値創造のアプローチ及びその具体例について更なる情報を得たいとの回答がなされました。その後、2024年7月12日、当社に対し、ベインキャピタルが昭和飛行機工業への投資後に行った支援に関するケーススタディの説明及び当社との間で当社の成長の方向性に関する初期的ディスカッションを実施したとのことです。当社からは、非公開化後のより詳細な成長戦略や支援体制について議論をしていきたいとの回答がなされました。その後、べインキャピタルは、2024年7月23日に、当社に対し秘密保持に関する誓約書を提出した上で、当社から一部情報の開示を受けたとのことです。ベインキャピタルは、当社から提供された情報や公開情報等に基づく初期的な分析を通じ、当社は内装品事業において強固なポジショニングを確立しており、ボーイング社やエアバス社に対し長年の導入実績を有し、中でもボーイング社に対しては単独サプライヤーとしての地位を獲得していること、また、航空機整備事業においても独自のポジショニングを有し、幅広い種類の機体における認証や主要メーカーとの技術提携により安定的に収益を生み出していることについて高く評価しました。一方で、コロナ禍によって財務基盤が毀損したことにより、現在の急激な航空旅客需要の回復に対応する応需能力の強化が十分にできていない当社の状況を踏まえ、当社が非公開化を行うとともにベインキャピタルをパートナーとした際には、ベインキャピタルが有するグローバルな経営人材ネットワーク及び過去の豊富な投資実績に基づく経営ノウハウを活用して、柔軟かつ機動的に経営改革を推進することで当社の健全な財務基盤獲得及び収益性の改善を支援可能なこと、及びベインキャピタルが有するグローバルネットワークを活用したM&A機会の提供によって、今後も旅客需要にけん引され堅調に成長が見込まれる航空輸送業界需要を取り込み、当社に対し今後も更なる成長へのサポートが可能になることで、当社単独では成しえない当社の新たな成長が実現できると考えたことから、2024年8月8日、当社に対し、ベインキャピタルが投資助言を行うファンドが出資する買収目的会社が公開買付者となり、公開買付けを通じて当社株式の非公開化を行うこと、公開買付者が伊藤忠商事及びANAホールディングスとの間で公開買付けへ応募しない旨の契約を締結予定としていること、本公開買付けの成立後に、当社が、伊藤忠商事及びANAホールディングスから自己株式取得を実施予定であること並びに本取引後に伊藤忠商事及びANAホールディングスが、公開買付者に対して再出資を行う可能性があること等について、法的拘束力を有さない意向表明書(以下「初期的意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。

 

また、ベインキャピタルは、2024年5月以降、伊藤忠商事との間で、本公開買付け実施後に公開買付者に対して再出資を行うことで伊藤忠商事が当社株主として引き続き関与し続けることも含め、協議を継続してきたとのことです。伊藤忠商事によれば、伊藤忠商事は、長年にわたり当社の企業価値向上に向けた戦略的な支援や経営陣を含む出向者の派遣等の人的支援を実施してきたとのことです。もっとも、伊藤忠商事は、2024年5月下旬以降、ベインキャピタルとの間の協議を重ねていく中で、近年、航空機内装品を含む当社事業を取り巻く環境が変化し、伊藤忠商事が当社の株主として果たすことのできるミッションや当社の企業価値向上に貢献し得る役割も限定的になりつつあるとの認識のもと、伊藤忠商事の事業ポートフォリオの見直しの一環として、本公開買付けに応募する方法で、所有する当社株式を譲渡することが望ましいという判断に至り、2024年11月20日、ベインキャピタルに対してその旨を伝達したとのことです(但し、下記のとおり、ベインキャピタルが、その後の本公開買付価格に関する本特別委員会との交渉を踏まえ、伊藤忠商事と協議した結果、伊藤忠商事が所有する当社株式のうち伊藤忠不応募合意株式については、伊藤忠商事が本自己株式取得に応じる形で当社に譲渡することとなったとのことです。)。

さらに、ベインキャピタルは、2024年7月26日に伊藤忠商事を介して、ANAホールディングスに対して、当社株式の非公開化を前提とした検討を実施している旨を説明したとのことです。ANAホールディングスによれば、ANAホールディングスは、当社にとって重要な既存取引先であり、長年にわたり当社の企業価値向上に向けた戦略的な支援や経営陣を含む出向者の派遣等の人的支援を実施してきており、当社の意思を尊重した上で当社をサポートする意向を有しているとのことでした。その後、ベインキャピタルは、2024年11月8日に、ANAホールディングスに対して当社株式の非公開化を前提とした本取引に関するベインキャピタルの考え方を説明し、ANAホールディングスにおいても本取引に関する具体的な検討が開始されたとのことです。そして、ベインキャピタルは、2024年11月27日に実施したANAホールディングスとの面談の中で、ANAホールディングスに対して、当社によってANAホールディングスが所有する当社株式を取得すること、また、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮にANAホールディングスが本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額に設定することにより、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させる観点から、本公開買付けへの不応募及び本スクイーズアウト手続後の本自己株式取得に向けた協力を要請したとのことです。かかる要請を受け、ANAホールディングスは、本取引後に公開買付者に対して再出資を行うか否かも含めて検討したとのことですが、近年の航空機内装品を含む当社を取り巻く事業環境が変化し、ANAホールディングスが当社の株主として果たすことのできるミッションや当社の企業価値向上に貢献し得る役割も限定的になりつつあると認識し、かかる認識のもと、所有する当社株式は本取引を通じて売却し、公開買付者への再出資も行わないという判断に至り、2024年12月2日、本公開買付けへの不応募及び本スクイーズアウト手続後の本自己株式取得の提案に応諾する意向をベインキャピタルに示したとのことです。

 

そして、ベインキャピタルは、2024年10月下旬から同年12月上旬にかけて実施した当社に関するデュー・ディリジェンスの途中経過を踏まえて、当社の事業、財務及び将来計画に関する多面的な分析を行い、2024年12月3日に、当社に対して、当社が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として、本公開買付価格を1,643円(提案日の前営業日である2024年12月2日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,381円に対して18.97%(小数点以下第三位を四捨五入。以下プレミアム率の計算において同じです。)のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を含む意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、同月10日、本特別委員会より、当該提案価格は、当社の企業価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準とはいい難いとして、本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答があったとのことです。これを受けて、ベインキャピタルは、同月18日、本公開買付価格を1,660円(提案日の前営業日である2024年12月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,472円に対して12.77%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第二回提案を行ったとのことです。同月20日、本特別委員会から、当該提案価格は、足元の株価に対するプレミアム水準も類似案件と比較して不十分であり、当社の企業価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準とはいい難いとして、本公開買付価格の引上げに関する再検討を要請する旨の回答があったとのことです。これを受けて、ベインキャピタルは、同月25日、本公開買付価格を1,710円(提案日の前営業日である2024年12月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,482円に対して15.38%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第三回提案を行ったとのことです。同月25日、本特別委員会から、当該提案価格は、当社の企業価値が十分に反映されておらず、また、伊藤忠商事が本公開買付けに応募せず、みなし配当による税務メリットを享受するストラクチャーへ変更することで本公開買付価格の大幅な引上げが可能であることから本公開買付価格の大幅な引上げ及びストラクチャーを含む諸条件について再検討を要請する旨の回答があったとのことです。これを受けて、ベインキャピタルは、公開買付価格を可能な限り引き上げるべく、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮に本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額に設定することを前提に、2024年12月25日、伊藤忠商事に対し、同社が所有する当社株式の一部については本公開買付けに応募せず、本スクイーズアウト手続後の本自己株式取得に応じる形で当社に譲渡することを要請したところ、同月27日、伊藤忠商事から応諾する意向が示されたとのことです。そして、ベインキャピタルは、2025年1月8日、伊藤忠不応募合意株式が本自己株式取得に応じる形で当社に譲渡されることとなった結果、本取引に要する資金のうち本公開買付けに利用可能な資金が増加したことも踏まえ、本公開買付価格を1,800円(提案日の前営業日である2025年1月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,478円に対して21.79%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第四回提案を行ったとのことです。これに対し、同月10日、本特別委員会から、本公開買付価格が応募推奨の意見を表明することができる水準であると判断した旨の回答があり、合意に至ったとのことです。

 

その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年1月14日付の本取引公表後、各取引先に速やかに連絡を取り、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の依頼を行っており、2025年2月21日時点で、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち1社を除いて、承諾又は同意が得られていること、加えて、残り1社についても承諾又は同意を拒否されているわけではなく、当社は、承諾又は同意の取得に向けた調整を進めていることから、承諾又は同意が得られる見込みである旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年2月21日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月上旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年2月26日、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社から、本公開買付け開始にあたり合意が必要となる契約書の草案を受領し、当該契約書の内容について協議を継続していたものの、2025年3月13日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月下旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社からの承諾又は同意の取得に関する協議は継続中であり、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」の公表以降、当該協議は大きく進展しているが、2025年3月31日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年3月31日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年4月中旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、ベインキャピタルは、それ以降も当該残り1社との協議が大きく進展していることを踏まえ、2025年4月21日に本公開買付けを開始したとしても、公開買付期間満了の日の前日までに、当該承諾又は同意を取得できる目途はついたと判断し、当社は、2025年4月17日、ベインキャピタルより、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、当該残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。さらに、ベインキャピタルは、2025年4月18日までに、本公開買付前提条件(外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了、並びに、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち残り1社から、公開買付者が合理的に満足する内容により、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意が得られていることを除きます。)がいずれも充足されている(本応募等契約及び本不応募契約が変更されずに存続していることを含め、本公開買付け開始時点で判断される事項については、当該時点で充足される見込みである)ことを確認したことから、同日、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを決定したとのことです。

 

 

(ⅲ) 本公開買付け後の経営方針

ベインキャピタルは、本公開買付け後の経営方針について、上記「(ⅱ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、本取引により当社を非公開化した後は、過去の投資実績の経験等を踏まえ、当社に対して豊富な経験に基づくハンズオン経営支援(注1)、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMI(注2)の支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定とのことです。

(注1) 「ハンズオン経営支援」とは、投資実行後の投資先に対し専門家等の人材を一定期間派遣し、主体的に経営の支援を行うことを指します。

(注2) 「PMI」とは、Post Merger Integrationの略称であり、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指します。

 

ベインキャピタルは、本取引成立後における当社の経営方針として、当社に取締役を数名派遣することを検討しているとのことですが、現在の経営体制を原則維持することを予定しており、現経営陣に引き続き当社グループの運営に主導的な役割を果たしてもらうことを想定しているとのことです。外部人材の招聘及び要否については、当社の現経営陣と協議の上、今後の当社の成長に資すると判断する場合には、ベインキャピタルのグローバルネットワークを活用して適切な人材を紹介することを想定しているとのことです。その他の経営体制、経営方針等については現時点で決定・想定しているものはなく、本公開買付けの成立後に、公開買付者及び当社との間で協議・検討していく予定とのことです。

 

 

③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由 (ⅰ) 検討体制の構築の経緯

当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年8月8日に、ベインキャピタルより初期的意向表明書を受領したため、当社の企業価値向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、伊藤忠商事よりベインキャピタルが本公開買付けの意思を有している旨の通知を受けた同年7月3日から2025年4月18日現在において、当社は、公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしませんが、(ア)伊藤忠商事及びANAホールディングスは、2025年4月18日現在に至るまで、それぞれ当社株式を8,956,500株(所有割合:33.35%)、5,373,200株(所有割合:20.01%)所有し、伊藤忠商事及びANAホールディングスが所有する当社株式を合計すると、14,329,700株(所有割合:53.36%)に上ること、(イ)当社の取締役1名(髙端優氏)が伊藤忠商事との兼職者であること、当社の取締役3名(阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏)が伊藤忠商事の出身者であること、当社の取締役1名(鶴由貴氏)が伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であること、当社の取締役1名(米倉隆氏)がANAホールディングスの出身者であること及び当社の取締役1名(原田茂氏)がANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であること、並びに(ウ)初期的意向表明書によれば、その提出時点では、公開買付者が伊藤忠商事及びANAホールディングスとの間で公開買付けへ応募しない旨の契約を締結予定とされていたこと、本公開買付けの成立後に、当社が、伊藤忠商事及びANAホールディングスから自己株式取得を実施予定とされていたこと並びに本取引後に伊藤忠商事及びANAホールディングスが、公開買付者に対して再出資を行う可能性があるとされていたこと等から、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保する観点から、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会決議により、(ⅰ)当社取締役会において本取引の承認をするべきか否か(本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを含む。)について検討し、当社取締役会に勧告を行うこと及び(ⅱ)当社取締役会において、本取引の実施について決定すること(本公開買付けについて当社取締役会が賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を目的として、鈴木伸一氏(当社独立社外取締役)、高橋均氏(当社独立社外監査役)及び松本真輔氏(中村・角田・松本法律事務所弁護士)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました(本特別委員会の構成、付与された権限並びに検討の経緯及び判断内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

また、当社は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所(現在の森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をいい、以下単に「森・濱田松本法律事務所」といいます。)を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ2024年8月30日、2024年9月12日に選任し、本特別委員会において、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。

 

さらに、当社は、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所の法的助言を踏まえ、本取引について当社内で検討、交渉及び判断を行うにあたり、上記(イ)の取締役7名は、本取引と利害関係を有すると考えられることから、当社取締役会においては、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うための二段階目の審議及び決議にのみ参加し、また、本取引に関する協議・交渉には一切参加しないこととする旨を決議いたしました。なお、当社の役職員(1名)による本取引に関して公開買付者に提出する当社の事業計画の作成への関与について、当該役職員は、当社の業務統括部長の地位にあり、当社における定量面での検討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠な人員であるところ、当該役職員は伊藤忠商事からの出向者であるものの、独立した特別委員会の設置等公正性を担保するための措置を講じていること、当該役職員は伊藤忠商事との交渉には関与せず、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与すること、当該事業計画は別途特別委員会で承認すること、その他本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)に独立性の観点から問題がないことを前提として、当該役職員が当社の事業計画の作成に限り関与することを、2024年8月30日開催の取締役会及び2024年9月6日開催の本特別委員会により、承認しております。

 

(ⅱ) 検討・交渉の経緯

その上で、当社は、大和証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、ベインキャピタルとの交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、森・濱田松本法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、当社グループを取り巻く事業環境及び当社グループの事業の状況、本取引の意義・目的、本取引が当社に与える影響並びに本取引後の経営方針の内容等を踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。

また、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会決議により本特別委員会を設置して以降、本特別委員会は、ベインキャピタルとの間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。

具体的には、本特別委員会は、2024年8月8日にベインキャピタルより初期的意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、2024年9月18日にベインキャピタルに対し本取引の背景・目的・意義等について書面による質問をしたところ、同月25日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、当該回答を踏まえて、本特別委員会が2024年10月11日に書面による追加の質問をしたところ、同月17日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。その後、本特別委員会は、2024年12月3日にベインキャピタルより本意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、同月11日にベインキャピタルに対し本意向表明書に記載の当社の課題・想定される施策、本取引のストラクチャー等について書面による質問をしたところ、同日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、同月12日開催の本特別委員会において、本特別委員会は、ベインキャピタルから当該回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。さらに、当該質疑応答を踏まえて、本特別委員会にて検討・協議を進め、同月17日に書面による追加の質問をしたところ、同月18日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、受領した回答を踏まえて、本特別委員会にて検討・協議を進め、同月24日に書面による追加の質問をしたところ、同月26日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。

 

また、本特別委員会は、ベインキャピタルとの間で協議・交渉を行うことと並行して、伊藤忠商事及びANAホールディングスからも意見聴取を行っております。具体的には、伊藤忠商事については、2024年12月3日にベインキャピタルより本意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、同月11日に伊藤忠商事に対し本取引の必要性、ベインキャピタルを当社へ紹介した経緯・背景・理由、本取引のストラクチャー等について書面による質問をしたところ、同月18日に伊藤忠商事から当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、同月19日開催の本特別委員会において、本特別委員会は、伊藤忠商事から当該回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。ANAホールディングスについては、2024年10月24日開催の本特別委員会において、本特別委員会からANAホールディングスに対し、本取引に関する意向・懸念や本取引以外の選択肢等について質問を行い、ANAホールディングスから当該質問事項に対する回答を受けるとともに、これに対する質疑応答を行いました。その後、2024年12月3日にベインキャピタルより本意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、同月12日にANAホールディングスに対し本取引後の再出資の有無・理由、本取引のストラクチャー等について書面による質問をしたところ、同月16日開催の本特別委員会において、ANAホールディングスから当該質問への回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。

 

本公開買付価格については、本特別委員会は、2024年12月3日以降、ベインキャピタルとの間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、本特別委員会は、ベインキャピタルから、2024年12月3日、ベインキャピタルが当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの途中経過を踏まえて、当社の事業、財務及び将来計画に関する多面的な分析を行い、当社が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として、本公開買付価格を1,643円(提案日の前営業日である2024年12月2日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,381円に対して18.97%のプレミアムを加えた価格)とすることの提案を含む本意向表明書を受領いたしました。しかし、本特別委員会は、同月10日、当該提案価格は、当社の企業価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準とはいい難いとして、提案内容の再検討を要請いたしました。これを受けて、ベインキャピタルから、同月18日、本公開買付価格を1,660円(提案日の前営業日である2024年12月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,472円に対して12.77%のプレミアムを加えた価格)としたいことを含む本取引に関する提案を受けました。しかし、本特別委員会は、同月20日、当該提案価格は、足元の株価に対するプレミアム水準も類似案件と比較して不十分であり、当社の企業価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準とはいい難いとして、本公開買付価格の引上げに関する再検討を要請いたしました。その後、同月25日、ベインキャピタルから本公開買付価格を1,710円(提案日の前営業日である2024年12月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,482円に対して15.38%のプレミアムを加えた価格)とすることの提案を受けました。しかし、本特別委員会は、同日、当該提案価格は、当社の企業価値が十分に反映されておらず、また、伊藤忠商事が本公開買付けに応募せず、みなし配当による税務メリットを享受するストラクチャーへ変更することで本公開買付価格の大幅な引上げが可能であることから本公開買付価格の大幅な引上げ及びストラクチャーを含む諸条件について再検討を要請いたしました。これを受けて、2025年1月8日、ベインキャピタルから伊藤忠商事が本公開買付けに対して一部不応募とするストラクチャーに変更すること及び本公開買付価格を1,800円(提案日の前営業日である2025年1月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,478円に対して21.79%のプレミアムを加えた価格)とする提案を受けました。これに対し、同月10日、本特別委員会は、当該提案価格が本公開買付けに対して応募推奨の意見を表明することができる水準であると判断し、合意に至りました。本特別委員会における判断の詳細は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

 

以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、随時、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社がベインキャピタルに対して提示し、また、大和証券が当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、ベインキャピタルとの交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、ベインキャピタルから本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、ベインキャピタルとの交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。

 

そして、当社は、2025年1月10日付で、本特別委員会から、2025年1月10日付答申書の提出を受けております(2025年1月10日付答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年1月14日付の本取引公表後、各取引先に速やかに連絡を取り、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の依頼を行っており、2025年2月21日時点で、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち1社を除いて、承諾又は同意が得られていること、加えて、残り1社についても承諾又は同意を拒否されているわけではなく、当社は、承諾又は同意の取得に向けた調整を進めていることから、承諾又は同意が得られる見込みである旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年2月21日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月上旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年2月26日、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社から、本公開買付け開始にあたり合意が必要となる契約書の草案を受領し、当該契約書の内容について協議を継続していたものの、2025年3月13日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月下旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社からの承諾又は同意の取得に関する協議は継続中であり、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」の公表以降、当該協議は大きく進展しているが、2025年3月31日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、2025年3月31日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年4月中旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2025年4月17日、当社は、ベインキャピタルより、上記以降も当該残り1社との協議が大きく進展していることを踏まえ、2025年4月21日に本公開買付けを開始したとしても、公開買付期間満了の日の前日までに、当該承諾又は同意を取得できる目途はついたと判断し、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、当該残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

 

 

(ⅲ) 判断内容

以上の経緯の下、当社は、2025年1月14日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年1月10日付で大和証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、2025年1月10日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。

 

その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。

 

上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ) 当社を取り巻く経営環境等」に記載のとおり、当社グループを取り巻く事業環境のなかで、当社グループは、コロナ禍収束に伴う急激な航空旅客需要の回復に対応すべく応需能力の強化に努めるとともに、コロナ禍で毀損した財務基盤の回復を目指し、上記に記載した当社中期経営計画の取組みに加えて、人的リソース不足への対応、内部管理体制の強化、在庫管理の最適化、部材のリードタイムの長期化による生産納期への影響及びキャッシュ・フロー改善等、従来から存在していた課題に早急に対応する必要があります。

当社としては、抜本的な構造改革を行うことで、当社中期経営計画への取組みや上記経営課題への対応を加速させることが可能となるところ、当社が上場をしており、当社に少数株主が存在している現在の状況では、当社の少数株主の利益を図る観点から、機動的な経営資源の活用や意思決定の柔軟性及びスピードには一定の制約があると認識しております。しかしながら、本取引により当社が非公開化することで、そうした制約を受けずに、短期的な業績にとらわれない中長期的な視点での取組みや意思決定の迅速化を実現することができると考えております。また、当社は、上場企業である限り発生する上場維持費用、金融商品取引法上の開示及び監査に対応するリソース・費用、IR費用等の株主対応に関する経営資源を事業への投資に振り向けることができると考えております。また、ベインキャピタルがこれまで培ってきた、国内外の投資先及び昭和飛行機工業などの近接領域における投資事例の経営ノウハウ、事業改革支援の経験及びベインキャピタルが保有する人材面と資金面を中心とした経営資源等を活用することにより、当社中期経営計画への取組みや経営課題への対応をはじめとした各種施策の実行が可能になると考えております。さらに、「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅲ) 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、ベインキャピタルは、本取引により当社を非公開化した後は、過去の投資実績の経験等を踏まえ、当社に対して豊富な経験に基づくハンズオン経営支援、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMIの支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定とのことであり、それらの支援により、当社単独では成しえない成長を実現することができると考えております。当社としては、本取引を通じて当社が非公開化し、ベインキャピタルとの協働が可能となることで、以下(a)~(c)のような施策の実施が可能となり、当社の企業価値向上に資するものと判断いたしました。

 

 

(a) 既存事業成長実現に向けた設備投資を可能とする財務安定化及びその前段階としての財務の見える化の推進

ベインキャピタルは、高い水準で推移している当社の財務レバレッジ改善のためには、①金融機関との交渉による当社成長を阻害しない条件での借換え、②キャッシュフロー創出力の改善による有利子負債の圧縮及び③EBITDAの改善が必要と考えているとのことです。当社としても、拡大する需要に対応するための運転資金及び設備投資資金の確保は重要と考えているところ、本取引が実施される場合には、ベインキャピタルの信用力を背景に当社にとって最適な資金調達手段をとることができると考えております。

また、ベインキャピタルは、経営判断や事業運営上必要な重要な数値及び指標の管理を適切にすべく、必要な指標の設定及びそのモニタリング体制の構築を実施し、「財務の見える化」を推進する予定とのことです。当社としても、人的リソースや内部管理体制の整備の不足によって、これらの経営指標等の管理が適切になされていないことが重要な課題の一つと認識しており、ベインキャピタルが有する経営管理のノウハウや高度な専門性を有する人材の受け入れにより、かかる課題を解決することができると考えております。

 

(b) ハンズオンでの中長期的な成長戦略の検討、策定及び推進

ベインキャピタルは、当社の中長期的な成長戦略として、内装品事業の更なる深化、整備・機器製造事業の安定成長、M&Aによるスケール拡大、コスト管理、生産性改善、シート事業の抜本的見直し等による収益性向上、在庫の滞留の解消等による運転資本の効率化等の各施策をハンズオンで行う予定とのことです。

当社は、内装品事業については既に強固なポジションを確立しているものの、応需能力・サプライチェーンの強化に加え、顧客基盤の拡大に向けた営業機能の強化及び既存機の改修やスペアパーツといったアフターマーケットの販売を強化することによって更なる成長の余地があると見込んでおります。また、棚卸資産の積み上がりの解消による運転資本の効率化も当社の主要な経営課題の一つと認識しておりますが、ベインキャピタルが有する経営ノウハウや高度な専門性を有する人材の受け入れにより、これらの解決に資するものと認識しております。さらに、当社では整備・機器製造事業をコア事業と位置づけており、選択と集中による受注拡大と収益力強化に加え、人員強化が必要であると考えており、ベインキャピタルが有する専門性を有する人材の受け入れにより、かかる課題を解決することができると考えております。また、中長期的にはM&Aの活用も有効であると考えられるところ、ベインキャピタルのM&Aのノウハウ、潜在的な投資対象のネットワーク等を活用することで有効なM&Aの実施の確度を高めることができると考えております。

このように、ベインキャピタルが提案する上記の各施策は、このような当社の現状の経営環境の認識とも一致しており、製造業における豊富な支援実績を有するベインキャピタルの経営支援を受けることによって中長期的な企業価値の向上を実現することが可能と考えております。

 

(c) 上記(a)及び(b)を可能とする人財の補強

上記(a)及び(b)の各施策を実行する上では、高度な専門性を有する人的リソースの補強が急務であるところ、ベインキャピタルは、日本国内だけで100名を超える経営人材プールを有し、これまでの投資先においても経営幹部人材を多数採用しているとのことです。また、経営幹部人材だけでなく、現場レベルの人材強化にも注力しているとのことです。ベインキャピタルは、本取引後に当社の役職員とも必要なポジションや人数について協議の上、必要な人材について、同社が有する世界的なネットワークを活用した外部人材の登用や外部コンサルティング会社等の活用も行う予定とのことです。上記のとおり、当社として多くの経営課題を抱える中、いずれの施策にも人的リソースが必要であるところ、ベインキャピタルから各種の人材の派遣や人材の採用、教育、生産性向上のノウハウの提供を受けることにより経営課題を解決するとともに、更なる成長に向けて人材リソースを投入することが可能になると考えております。

 

 

なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、上場会社としての知名度・ブランド力低下による、取引先その他ステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下や人材採用の不安定化、また、資本市場からの資金調達を行うことができなくなる点が挙げられます。しかしながら、当社はいわゆるB to Bビジネスを営むものであり、当社の知名度・ブランド力については、事業活動を通じて獲得・維持されている部分が多いため、当社の非公開化によって重大な影響を受けることはなく、むしろ本取引の実行後はベインキャピタルのネットワークを活用した人材採用が可能となること、また、資本市場からの資金調達については、本取引によって、ベインキャピタルの信用力を背景に適宜最適な資金調達手段の活用が可能となることから、当社が、本取引を通じて非公開化を行うデメリットは限定的であると考えております。さらに、当社は、本取引及び本自己株式取得によって、当社の筆頭株主である伊藤忠商事(2024年9月30日現在)及び当社の第2位株主であるANAホールディングス(2024年9月30日現在)が当社の株主ではなくなることに伴う、当社の企業価値への影響についても検討いたしました。しかしながら、当社は、両株主からの意見聴取も踏まえ、これらの株主が当社株式を所有していることを前提とした取引関係はなく、当社の非公開化後も事業上の取引の継続には特段懸念はないと認識しているため、当社の非公開化に伴い、当社の企業価値が毀損されるおそれはないと考えております。

また、当社は、本取引の代替となる財務体質の改善を含む企業価値向上策として、公募増資及び第三者割当増資の方法も検討いたしましたが、これらの方法は当社株式の希薄化が生じることで、当社の既存株主の利益を毀損する可能性があること、これらの方法は当社の上場維持を前提としているため、当社の少数株主の利益を図る観点から、非公開化を前提とした本取引と比較して抜本的な構造改革が困難であること、これらの方法を利用する際には、当社の筆頭株主である伊藤忠商事及び当社の第2位株主であるANAホールディングスの意向が重要であるところ、伊藤忠商事及びANAホールディングスは本取引へ賛同していること等から、公募増資及び第三者割当増資の方法は選択し得ないものと判断いたしました。

 

また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(ア) 下記「(3) 算定に関する事項」に記載されている大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果の上限を上回り、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内であること。

 

(イ) 本公開買付けの開始予定の公表日(2025年1月14日)の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の1,421円に対して26.67%、同日までの過去1ヶ月間(2024年12月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,482円(小数点以下を四捨五入。以下終値単純平均値の計算において同じです。)に対して21.46%、同日までの過去3ヶ月間(2024年10月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,360円に対して32.35%、同日までの過去6ヶ月間(2024年7月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,361円に対して32.26%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、本公開買付価格には本件と類似の事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること。具体的には、一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の当社のPBRは約2.6倍となっている。M&A指針が公表された2019年6月28日以降に公表され、2024年12月25日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした公開買付け事例のうち、対象会社のPBRが2.5倍以上の事例26件におけるプレミアム率は、基準日の終値に対しては10~20%及び20~30%のプレミアムが付された事例がそれぞれ5件、直近1ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が9件、直近3ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が7件、直近6ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が6件となっており、最頻値となっている。本公開買付価格は、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日の終値及び直近1ヶ月の終値単純平均値に対して20~30%の最頻値のプレミアムが付されており、直近3ヶ月の終値単純平均値及び直近6ヶ月の終値単純平均値に対して最頻値を超える30~40%台のプレミアムが付されていることから、本件と類似の事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること。

(ウ) 下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主利益が確保されていると認められること。

(エ) 本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2025年1月10日付答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

 

以上より、当社は、2025年1月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

その後、当社は、ベインキャピタルより、2025年4月17日、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

これに対し、当社は、2025年4月17日、本特別委員会に対して、2025年1月10日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2025年4月17日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年1月10日以後、2025年4月17日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年4月18日付答申書を提出いたしました。

 

その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年4月18日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年1月14日以降、当社の経営環境に重要な状況変化は生じておらず、また、引き続き、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当であると認められること等から、2025年4月18日現在においても、2025年1月10日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2025年4月18日開催の当社取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

 

なお、上記の各当社取締役会における決議の方法は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(3) 算定に関する事項 ① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、ベインキャピタルから提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年1月10日付で本株式価値算定書を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社の関連当事者には該当せず、本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。なお、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも当社の相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、かかる成功報酬が含まれていることをもって大和証券が本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断し、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定いたしました。

 

 

② 算定の概要

大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法を、また当社業績の内容や予想を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年1月10日付で大和証券より本株式価値算定書を取得しました。

上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法:  1,360円から1,482円

DCF法:     1,342円から2,447円

 

市場株価法では、2025年1月10日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値1,421円、直近1ヶ月間(2024年12月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,482円、直近3ヶ月間(2024年10月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,360円及び直近6ヶ月間(2024年7月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,361円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,360円~1,482円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たり価値の範囲を1,342円~2,447円までと算定しております。

なお、大和証券がDCF法による算定に用いた当社の財務予測においては、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には2026年3月期の連結営業利益の約120億円については、対前年度比で約108%増の大幅な増益を見込んでおります。これは主に航空旅客需要の回復に伴い、航空機メーカーによる新造機の増産計画やエアラインが運航している既存機の改修需要が拡大していることから、当社の主力事業である航空機内装品事業にリソースを集約させ、当事業の中でも収益性が高いスペアパーツの拡販強化等に注力することによる収益性改善を見込んでいるためです。また、大和証券がDCF法による算定に用いた当社の財務予測は、2024年5月10日に公表した「2024年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に対して、直近の事業環境の変化等を考慮して一定の調整を行っているため、当社の財務予測における2025年3月期の業績予想は、当社決算短信と異なる数値計画となっておりますが、この点も含め、当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。詳細は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

大和証券がDCF法による算定に用いた当社作成の事業計画においては、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。

大和証券は、当社株式の価値算定に際し、公開情報及び当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社による2024年9月末日時点で得られる最善の予測との判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。

 

本特別委員会は、2025年1月14日開催の取締役会から2025年4月18日時点までの状況を考慮しても、本株式価値算定報告書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えており、大和証券及び森・濱田松本法律事務所から受けた助言も踏まえ、本株式価値算定報告書は引き続き有効であると考えています。

 

 

(4) 上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(但し、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

具体的には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者及び本不応募合意株主は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及び本不応募合意株主が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。但し、本公開買付け後において、本不応募合意株主のいずれかが所有する当社株式数以上の当社株式を所有する株主(公開買付者を除きます。)が存在し又は生ずることが見込まれる場合、公開買付者は、本不応募合意株主と協議の上、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」の「Ⅲ.本スクイーズアウト手続後」に記載した資本関係を実現すべく、必要な措置を講じる予定とのことです。

株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

 

上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

上記の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いします。

 

(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在において、当社は、公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしませんが、(ア)伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業は、本書提出日現在に至るまで、それぞれ当社株式を8,956,500株(所有割合:33.35%)、5,373,200株(所有割合:20.01%)、2,003,200株(所有割合:7.46%)所有し、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業が所有する当社株式を合計すると、16,332,900株(所有割合:60.82%)に上ること、(イ)当社の取締役1名(髙端優氏)が伊藤忠商事との兼職者であること、当社の取締役3名(阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏)が伊藤忠商事の出身者であること、当社の取締役1名(鶴由貴氏)が、伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であること、当社の取締役1名(米倉隆氏)がANAホールディングスの出身者であること及び当社の取締役1名(原田茂氏)がANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であること、並びに(ウ)初期的意向表明書によれば、その提出時点では、公開買付者が伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業との間で公開買付けへ応募しない旨の契約を締結予定とされていたこと、本公開買付けの成立後に、当社が、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業から自己株式取得を実施予定とされていたこと、並びに、本取引後に伊藤忠商事及びANAホールディングスが、公開買付者に対して再出資を行う可能性があるとされていたこと等から、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類似的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保する観点から、以下のような措置を実施いたしました。また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

なお、公開買付者は、伊藤忠商事が所有する応募合意株式4,393,850株(所有割合:16.36%)、並びに、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業が所有する不応募合意株式11,939,050株(所有割合:44.46%)を合計すると16,332,900株(所有割合:60.82%)となるため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定していないとのことですが、公開買付者及び当社において以下の措置が講じられていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことであり、当社としても同様に判断しております。

 

 

① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得 (ⅰ) 設置等の経緯

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類似的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保する観点から、2024年8月30日開催の取締役会決議により、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業並びに本取引との間に利害関係を有さない、鈴木伸一氏(当社独立社外取締役)、高橋均氏(当社独立社外監査役)及び松本真輔氏(中村・角田・松本法律事務所弁護士)の3名から構成される特別委員会を設置いたしました。鈴木伸一氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有しており、かつ当社の社外取締役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していることから、高橋均氏は、商法・会社法、金融商品取引法及び企業法務に精通し、大学教授として法理論と実務の両面に関する幅広い見識を有しており、かつ当社の社外監査役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していることから、松本真輔氏は、弁護士としてM&Aに関する専門的知識・経験を有していることから、それぞれ本特別委員会の委員に選定しております。当該取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングスの出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。

また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、2024年9月6日開催の取締役会において、上記取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名を加えた取締役9名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議しました。

本特別委員会は、委員間の互選により、本特別委員会の委員長として、鈴木伸一氏を選定しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、鈴木伸一氏及び高橋均氏については開催回数に応じた報酬のみとしており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。松本真輔氏については稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

また、当社は、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこととすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認をしない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)こととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)ベインキャピタル及び公開買付者との間で取引条件等についての交渉(当社役職員やアドバイザー等を通じた間接的な交渉を含む。)を行うこと、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任若しくは指名すること(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)すること(なお、特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができる。)、(ⅲ)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、(ⅳ)必要に応じ、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に合理的に必要な情報を受領すること、及び(ⅴ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項を行うことについて権限を付与することを決議しております。

 

 

(ⅱ) 検討の経緯

本特別委員会は、2024年9月6日より2025年1月10日までの間に合計27回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。具体的には、本特別委員会は、ベインキャピタルから、本取引を提案するに至った経緯、本取引の目的、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行い、また、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。

また、本特別委員会は、ベインキャピタルに対して提示する事業計画及び大和証券が当社の株式価値の算定において基礎とする事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認及び承認を行いました。

その上で、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から、その独立性及び専門性に鑑み、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けています。さらに、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券の独立性及び専門性に鑑み、当社の依頼により、当社のファイナンシャル・アドバイザーである同社から説明を受け、公開買付者からより高い価格を引き出すための交渉方針について審議・検討しました。また、本特別委員会は、当社がベインキャピタルから本公開買付価格に関する提案を受領する都度、適時に報告を受け、当社の依頼により当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から説明を受け、当社に対して複数回に亘り、ベインキャピタルに対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、ベインキャピタルに対する交渉方針を審議・検討すること等により、ベインキャピタルとの間の本公開買付価格に関する協議・交渉に実質的に関与しました。

その結果、当社は、2025年1月8日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,800円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である1,643円から1,800円にまで引き上げております。

さらに、本特別委員会は、大和証券から、2025年1月14日付当社プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ) 判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、森・濱田松本法律事務所から受けた法的見地からの助言及び大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年1月10日付で提出を受けた本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年1月10日付答申書を提出しております。

(a) 答申内容

ⅰ.当社取締役会において、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することを決議することが妥当であると考えられる。

ⅱ.当社取締役会における本取引についての決定(本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することの決定、及び、本スクイーズアウト手続を実施することの決定)は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

(b) 検討

ⅰ.本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの検討

(ア) 当社グループを取り巻く事業環境

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の当社グループを取り巻く事業環境についての当社の認識については、本特別委員会としては異存はない。

 

(イ) ベインキャピタルの提案内容の検討

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のベインキャピタルの本取引後の施策の提案について、本特別委員会は、かかるベインキャピタルからの提案内容について、ベインキャピタルに対して複数回にわたり質問事項を送付し、ベインキャピタルから書面での回答を受けるとともに、ベインキャピタルから直接説明を受け、質疑応答を行う等して検討した結果を踏まえ、以下のとおり判断する。

すなわち、まず、当社としては、抜本的な構造改革を行うことで、当社中期経営計画への取組みや経営課題への対応を加速させることが可能となるところ、当社が上場をしており、当社に少数株主が存在している現在の状況では、当社の少数株主の利益を図る観点から、機動的な経営資源の活用や意思決定の柔軟性及びスピードには一定の制約があるものと考えられる。そこで、本取引により当社が非公開化することで、そうした制約を受けずに、短期的な業績にとらわれない中長期的な視点での取組みや意思決定の迅速化を実現することができるものと考えられる。加えて、当社は、上場企業である限り発生する上場維持費用、金融商品取引法上の開示及び監査に対応するリソース・費用、IR費用等の株主対応に関する経営資源を事業への投資に振り向けることができるものと考えられる。

また、ベインキャピタルがこれまで培ってきた、国内外の投資先及び昭和飛行機工業などの近接領域における投資事例の経営ノウハウ、事業改革支援の経験及びベインキャピタルが保有する人材面と資金面を中心とした経営資源等を活用することにより、当社中期経営計画への取組みや経営課題への対応をはじめとした各種施策の実行が可能になるものと考えられる。

さらに、ベインキャピタルは、本取引により当社を非公開化した後は、過去の投資実績の経験等を踏まえ、当社に対して豊富な経験に基づくハンズオン経営支援、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMIの支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定とのことであり、それらの支援により、当社単独では成しえない成長を実現することができるものと考えられる。

当社としては、本取引を通じて当社が非公開化し、ベインキャピタルとの協働が可能となることで、以下の①~③のような施策の実施が可能となり、当社の企業価値向上に資するものと考えられる。

① 既存事業成長実現に向けた設備投資を可能とする財務健全化及びその前段階としての財務の見える化の推進

ベインキャピタルは、高い水準で推移している当社の財務レバレッジ改善のためには、(ⅰ)金融機関との交渉による既存借入金の借換え、(ⅱ)キャッシュフロー創出力の改善による有利子負債の圧縮及び(ⅲ)EBITDAの改善が必要と考えているとのことである。当社としても、拡大する需要に対応するための運転資金及び設備投資資金の確保は重要と考えているところ、本取引が実施される場合には、ベインキャピタルの信用力を背景に当社にとって最適な資金調達手段をとることができると考えられる。なお、金融機関からの借換えについては、ベインキャピタルから当社の成長戦略を阻害しない条件での提案を受領しており、今後金融機関とも協議を進める予定である。

また、ベインキャピタルは、経営判断や事業運営上必要な重要な数値及び指標の管理を適切にすべく、必要な指標の設定及びそのモニタリング体制の構築を実施し、「財務の見える化」を推進する予定とのことである。当社としても、人的リソースや内部管理体制の整備の不足によって、これらの経営指標等の管理が適切になされていないことが重要な課題の一つと認識しており、ベインキャピタルが有する経営管理のノウハウや高度な専門性を有する人材の受入れにより、かかる課題を解決することができるものと考えられる。

② ハンズオンでの中長期的な成長戦略の検討、策定及び推進

ベインキャピタルは、当社の中長期的な成長戦略として、内装品事業の更なる深化、整備・機器製造事業の安定成長、M&Aによるスケール拡大、コスト管理、生産性改善、シート事業の抜本的見直し等による収益性向上、在庫の滞留の解消等による運転資本の効率化等の各施策をハンズオンで行う予定とのことである。

 

当社は、内装品事業については既に強固なポジションを確立しているものの、顧客基盤の拡大に向けた営業機能の強化及びレトロフィットやスペアパーツといったアフターマーケットの販売を強化することによって更なる成長の余地があると見込んでいる。また、現在不採算事業となっているシート事業に関しても立て直しが急務と考えている他、棚卸資産の積上がりの解消による運転資本の効率化も当社の主要な経営課題の一つと認識しているが、ベインキャピタルが有する経営ノウハウや高度な専門性を有する人材の受入れにより、これらの解決に資するものと考えられる。さらに、当社では整備・機器製造事業をコア事業と位置づけており、中長期視点でのキャパシティ・人員強化が必要であると考えており、そのための方策としてM&Aの活用も有効であると考えられるところ、ベインキャピタルのM&Aのノウハウ、潜在的な投資対象のネットワーク等を活用することで有効なM&Aの実施の確度を高めることができると考えられる。

このように、ベインキャピタルが提案する上記の各施策は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の当社グループを取り巻く事業環境についての当社の認識とも合致しており、製造業における豊富な支援実績を有するベインキャピタルの経営支援を受けることによって中長期的な企業価値の向上を実現することが可能と考えられる。

③ 上記①及び②を可能とする人財の補強

上記①及び②の各施策を実行する上では、高度な専門性を有する人的リソースの補強が急務であるところ、ベインキャピタルは、日本国内だけで100名を超える経営人材プールを有し、これまでの投資先においても経営幹部人材を多数採用しているとのことである。また、経営幹部人材だけでなく、現場レベルの人材強化にも注力しているとのことである。ベインキャピタルは、本取引後に当社の役職員とも必要なポジションや人数について協議の上、必要な人材について、同社の既存の人員を当社に派遣するのみならず、同社が有する世界的なネットワークを活用した外部人材の登用や外部コンサルティング会社等の活用も行う予定とのことである。上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」のとおり、当社として多くの経営課題を抱える中、いずれの施策にも人的リソースが必要であるところ、ベインキャピタルから各種の人材の派遣や人材の採用、教育、生産性向上のノウハウの提供を受けることによりこれらの経営課題を解決するとともに、更なる成長に向けて人材リソースを投入することが可能になると考えられる。

(ウ) 本取引に伴う当社の非公開化によるデメリットについての検討

本取引は当社の非公開化を目的として行われるものであるが、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、上場会社としての知名度・ブランド力低下による、取引先その他ステークホルダーへの影響、従業員のモチベーション低下や人材採用の不安定化、また、資本市場からの資金調達を行うことができなくなる点が挙げられる。

しかしながら、当社はいわゆるB to Bビジネスを営むものであり、当社の知名度・ブランド力については、事業活動を通じて獲得・維持されている部分が多いため、当社の非公開化によって重大な影響を受けることはなく、むしろ本取引の実行後はベインキャピタルのネットワークを活用した人材採用が可能となること、また、資本市場からの資金調達については、本取引によって、ベインキャピタルの信用力を背景に適宜最適な資金調達手段の活用が可能なとなることから、当社が、本取引を通じて非公開化を行うデメリットは限定的であると考えられる。

また、本特別委員会は、本取引及び本自己株式取得によって、伊藤忠商事及びANAホールディングスが当社の株主ではなくなることに伴う、当社の企業価値への影響についても、伊藤忠商事及びANAホールディングスに対して質問事項を送付し、書面で回答を受け、又は直接説明を受け、質疑応答を行う等して検討した。

 

この点、当社は、両株主からの意見聴取も踏まえ、これらの株主が当社株式を所有していることを前提とした取引関係はなく、当社の非公開化後も事業上の取引の継続には特段懸念はないと認識しているとのことである。また、伊藤忠商事は、同社からの出向者については、一定の引継ぎ期間を設けるなど誠実に協議するとのことであり、海外における販売代理店契約については現行契約の維持を想定しているとのことである。また、ANAホールディングスも同社からの出向者については継続する必要がある者がいれば協議に応じるとのことであり、シート事業及び整備事業に係る取引については継続を希望しているとのことである。

したがって、伊藤忠商事及びANAホールディングスが当社の株主ではなくなることに伴う、当社の企業価値への影響は限定的であると考えられる。

(エ) 小括

以上より、当社は、本取引を通じて非公開化することにより、ベインキャピタルの支援を受けて当社中期経営計画の取組みや喫緊の経営課題に対応するための各種施策を実行することが可能となるものと考えられる一方、本取引を通じた当社の非公開化によるデメリットは限定的であると考えられることから、本取引を通じた非公開化は、当社の企業価値の向上に資するものと考えられる。

ⅱ.本取引の手続の公正性の検討

以下の点より、本取引においては、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考えられる。

(ア) 当社において独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められること

(イ) 当社は、外部専門家(森・濱田松本法律事務所及び大和証券)の独立した専門的助言を取得しているものと認められること

(ウ) 当社は、本取引についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者算定機関である大和証券からの株式価値算定書の取得をしているといえること

(エ) 当社は、利害関係を有する役職員を可能な限り本取引の検討・交渉過程から除外し、当社を除く公開買付関連当事者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制を構築しているものと認められること

 

(オ) 当社は公開買付者との間で本公開買付契約を締結する予定であり、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」「① 本公開買付契約」のとおり、同契約においては、当社が本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)が終了するまでの間に、賛同意見表明に係る取締役会決議の変更等を行うこと、同契約締結日から本株式併合の効力発生日までの間に、公開買付者以外の者に対して競合取引に関する提案、勧誘を行うことが原則として禁止されているが、対抗公開買付けが開始された場合であって、かつ、対抗公開買付けが開始されているにもかかわらず、なお賛同意見表明を維持することが、当社の取締役としての善管注意義務に違反すると当社の取締役会がその旨の弁護士の意見を踏まえた上で合理的に判断し、本特別委員会から賛同意見表明を撤回若しくは変更することは適当である旨の答申を受けた場合には、当社は、当該弁護士の意見の内容を公開買付者に開示した上で、公開買付者に対し本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、公開買付者が当該申入れの日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の末日のいずれか早い日までに本公開買付価格を対抗公開買付けの買付価格以上の価格に変更しない場合には例外が認められており、対抗的買収提案者が当社と接触等を行うことを過度に制限するような内容の合意等を行っているとは認められないこと、ベインキャピタルによれば、本公開買付けの公開買付期間は法令で定める最短期間である20営業日に設定する予定とのことであるが、本公開買付けの予告から本公開買付け開始までの期間を含めると、実質的には法令で定める最短期間よりも長期(少なくとも30営業日以上)にわたる期間設定となる予定とのこと、M&Aに関する事実を公表し、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められること、当社は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックまでは行っていないが、積極的なマーケット・チェックについては、M&Aに対する阻害効果の懸念や情報管理の観点等からの実務上の問題も指摘されており、常に積極的なマーケット・チェックを行うことが望ましいとまではいえないこと、本取引においては、上記のとおり間接的なマーケット・チェックは行われているものと認められるほか、上記(ア)から(エ)まで及び下記(キ)及び(ク)のとおり、他に十分な公正性担保措置が講じられていることを踏まえると、積極的なマーケット・チェックが行われていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えられること

(カ) 本取引において、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定は予定されていないが、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合には、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、本公開買付けの成立が不安定なものとなることで、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があり、また、上記(ア)から(オ)まで及び下記(キ)及び(ク)のとおり、他に十分な公正性担保措置が講じられていることを踏まえると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えられること

(キ) 本取引においては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められること

(ク) 本取引においては、強圧性の排除のために経済産業省の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」において望ましいとされる実務上の対応がなされているものと認められること

(ケ) 総括

以上より、本取引においては、積極的なマーケット・チェックは行われておらず、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定されていないものの、それ以外に十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考えられる。

 

ⅲ.本取引の取引条件の妥当性の検討

本取引の条件については、下記(ア)のとおり、買収方法及び買収対価の種類については妥当性があると考えられる。また、下記(イ)のとおり、本公開買付価格及びそれと同額とされる本スクイーズアウト手続の対価は妥当であると考えられる。

(ア) 買収の方法及び買収対価の種類の妥当性

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本取引は、当社の非公開化を目的として、市場価格に一定のプレミアムを付した価格で本公開買付けを行い、本公開買付けが成立した場合には、速やかに本株式併合による本スクイーズアウト手続を行うという方法により行われる。このように公開買付け後に株式併合により非公開化を行う方法は上場会社の非公開化において一般的に採用されている方法の一つである。また、本取引においては、不応募合意株主が本公開買付けに応募せず、本株式併合の効力発生後に本自己株式取得に応じて不応募合意株式を売却するという方法により、当社の株主を公開買付者のみとする方法が予定されているが、これは、本自己株式取得価格を、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮に不応募合意株主が本公開買付けに応募した場合の取引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引き後手取り額が同額となる金額に設定することにより、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることを企図するものとのことであり、妥当であると考えられる。

以上より、本取引の買収方法は妥当であると考えられる。

また、本取引における買収対価の種類については、公開買付者はベインキャピタルが設立する非上場の特別目的会社であり、換金が困難な株式を対価とすることは一般株主の利益にならないと考えられることから、公開買付者の株式ではなく、金銭を買収対価とすることには妥当性があると考えられる。

したがって、買収方法及び買収対価の種類については、妥当性があると考えられる。

(イ) 買収価格の妥当性

① 本株式価値算定書におけるDCF法による算定の基礎とされている事業計画(以下「本事業計画」という。)の合理性

以下の点より、本事業計画の策定目的、策定手続及び内容につき特に不合理な点は認められない。

・本事業計画については、本特別委員会による承認の下、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠な伊藤忠商事からの出向者である役職員(業務統括部長)1名が関与しているものの、それ以外には利害関係を有する役職員は関与しておらず、本事業計画の策定手続についても特に不合理な点は認められないこと

・本事業計画は、本取引の取引条件の妥当性を客観的かつ合理的に検証する目的で策定されたものと認められること。

・本事業計画の内容についても特に不合理な点は認められないこと

② 大和証券の算定結果の検討

本特別委員会としては、以下のとおり、本株式価値算定書について、算定の方法及び内容のいずれについても不合理な点は認められず、信用できるものと判断する。

・大和証券が採用した市場株価平均法及びDCF法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、大和証券による各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められないこと

・大和証券による市場株価平均法及びDCF法の各算定内容に不合理な点は認められないこと

・公開買付価格は、本株式価値算定書の市場株価平均法による算定結果の上限を超えており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内にある価格であることが認められること

・大和証券は、類似会社比較法を採用していないが、これは当社には適切に比較可能な上場会社が存在しないと判断したことによるものであり、そう判断した理由に関する大和証券の説明に特に不合理な点は認められないこと

 

③ プレミアム分析

本公開買付価格は、本公開買付けの予告についての公表予定日の前営業日である2025年1月10日の当社株式の終値に対して26.67%、2025年1月10日から直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して21.46%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して32.35%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して32.26%のプレミアムが付されたものである。

一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の当社のPBRは約2.6倍となっている。M&A指針が公表された2019年6月28日以降に公表され、2024年12月25日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした公開買付け事例のうち、対象会社のPBRが2.5倍以上の事例26件(以下「本件類似事例」という。)におけるプレミアム率は、基準日の終値に対しては10~20%及び20~30%のプレミアムが付された事例がそれぞれ5件、直近1ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が9件、直近3ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が7件、直近6ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が6件となっており、最頻値となっている。

本公開買付価格は、公表予定日の前営業日の終値及び直近1ヶ月の終値単純平均値に対して20~30%の最頻値のプレミアムが付されており、直近3ヶ月の終値単純平均値及び直近6ヶ月の終値単純平均値に対して最頻値を超える30~40%のプレミアムが付されていることから、本件類似事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められる。

④ 公開買付者との真摯な交渉

本特別委員会は、公開買付者との間で本取引の取引条件に関する協議・交渉を行っており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち、独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で、公開買付者との間で真摯な交渉が行われ、最終的に本公開買付価格に合意したものと認められる。

⑤ 小括

上記のとおり、本株式価値算定書におけるDCF法による算定の基礎とされている本事業計画の策定目的、策定手続及び内容について特に不合理な点は認めらない。また、本株式価値算定書はその算定方法及び算定内容について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断される。

本公開買付価格1,800円は、かかる本株式価値算定書の市場株価平均法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内であること、本公開買付価格には本件類似事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること、公開買付者と当社の間における独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で真摯な交渉が実施された結果合意されたものであること、直近1年間の当社株式の場中高値(1,661円)を上回っていること等からすれば、妥当であると考えられる。

ⅳ.勧告内容

上記ⅰ.のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられること、上記ⅱ.のとおり、本取引においては一般株主の利益を確保するための公正な手続が実施されており、上記ⅲ.のとおり、本取引の買収方法及び買収対価の種類には合理性があり、本公開買付価格は妥当であると認められる。したがって、当社取締役会が本公開買付けに賛同するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することが、妥当であると考えられる。

ⅴ.当社取締役会における本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないかの検討

上記ⅰ.のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられること、上記ⅱ.のとおり、本取引においては一般株主の利益を確保するために公正な手続が実施されており、上記ⅲ.のとおり、本取引の取引条件については、買収方法及び買収対価の種類には合理性があり、本公開買付価格及び本スクイーズアウト手続の対価は妥当であると認められること等からすれば、当社取締役会が本取引の実施についての決定(本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び、本スクイーズアウト手続を実施することの決定)をすることは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

当社は、ベインキャピタルより、2025年4月17日、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

当社は、これを受けて、2025年4月17日、本特別委員会に対して、2025年1月10日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。

本特別委員会は、2025年4月17日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年1月10日以後、2025年4月17日までの事情を勘案して検討を行った結果、本公開買付前提条件⑧のうち、外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件及び本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については2025年4月17日現在充足してないものの、当社は、ベインキャピタルより、外国為替及び外国貿易法に係るクリアランスの完了及び当該残り1社からの承諾又は同意の取得の目途はついたと判断している旨の連絡を受けており、当社においても同様の判断をしており、これらが本取引後に当社の企業価値に重大な悪影響を与える可能性は低いと考えていること、米国のトランプ政権による関税引上げが当社の事業に悪影響を与える可能性はあるものの、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの判断に重要な影響を与えるものではなく、引き続き、本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられること、本取引においては当社の一般株主の利益を確保するための公正な手続が実施されていると考えられること並びに本取引の買収方法及び買収対価の種類には妥当性があり、本公開買付価格及び本スクイーズアウト手続の対価は妥当であると考えられること等からすれば、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年4月18日付答申書を提出しました。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

上記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年1月10日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、大和証券につき、独立性及び専門性に問題がないことから、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けております。また、本特別委員会において、森・濱田松本法律事務所の独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。森・濱田松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

 

④ 当社における独立した検討体制の構築

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2024年8月8日に、ベインキャピタルより初期的意向表明書を受領した以降、本取引に関する検討(当社株式の価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを検討の上、設置し、そのメンバーは、当社取締役会及び本特別委員会の承認を得て事業計画の作成に関与した当社の下記役職員1名を除き、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業の役職員を兼職しておらず、かつ過去に各社の役職員としての地位を有していたことのない当社の取締役1名(木村敏和氏)をはじめとする当社の役職員により構成されるものとし、かかる取扱いを継続しております。

当社は、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所の法的助言を踏まえ、本取引について当社内で検討、交渉及び判断を行うにあたり、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ) 検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、本取引と利害関係を有すると考えられる取締役7名は、当社取締役会においては、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うための二段階目の審議及び決議にのみ参加し、また、本取引に関する協議・交渉には一切参加しないこととする旨を決議いたしました。なお、当社の役職員(1名)による本取引に関して公開買付者に提出する当社の事業計画の作成への関与について、当該役職員は、当社の業務統括部長の地位にあり、当社における定量面での検討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠な人員であるところ、当該役職員は伊藤忠商事からの出向者であるものの、独立した特別委員会の設置等公正性を担保するための措置を講じていること、当該役職員は伊藤忠商事との交渉には関与せず、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与すること、当該事業計画は別途特別委員会で承認すること、その他本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)に独立性の観点から問題がないことを前提として、当該役職員が当社の事業計画の作成に限り関与することを、2024年8月30日開催の取締役会及び同年9月6日開催の本特別委員会により、承認しております。

これらの取扱いを含めて、当社の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

当社は、森・濱田松本法律事務所から得た法的助言、大和証券から得た財務的見地からの助言、本特別委員会から入手した2025年1月10日付答申書、ベインキャピタルとの間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容並びにその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり本取引の目的は合理的であるものと判断し、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果のレンジの上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であり、本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられている等の理由より、本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が認められるものと判断し、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することを決議しております。

 

また、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」のとおり、本公開買付けは、本公開買付前提条件が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合に、速やかに開始されることが予定されており、2025年1月14日現在、公開買付者は、本クリアランスに係る手続を所管する当局における手続等に要する期間を正確に予想することは困難であるものの、2025年2月中旬を目途に本公開買付けの開始を目指しているとのことでした。このため、当社は、上記取締役会において、本特別委員会に対して、2025年1月10日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。

上記の取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングスの出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておりません。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記の取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名を加えた取締役9名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議いたしました。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

その後、当社はベインキャピタルより、2025年4月17日、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

当該連絡を受け、本特別委員会は、2025年1月10日以降に本取引に影響を及ぼしうる重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年4月18日付答申書を提出いたしました。

その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年4月18日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年4月18日現在においても、2025年1月10日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2025年4月18日開催の当社取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを、推奨する旨の決議をいたしました。

上記の取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングスの出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておりません。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

 

また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記の取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名のうち、一身上の都合により欠席した社外取締役1名(鶴由貴氏)を除いた6名を加えた取締役8名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議いたしました(なお、当該取締役会決議後に鶴由貴氏に決議の内容を説明したところ、同氏からも決議内容に賛成する旨の意見表明を受けております。)。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

 

⑥ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

また、公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日と設定していますが、本公開買付けの開始予定を公表した2025年1月14日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる期間設定となるため、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会は確保されるように配慮されており、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。

さらに、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」に記載のとおり、本公開買付契約においては、当社が公開買付期間が終了するまでの間に、賛同意見表明に係る取締役会決議の変更等を行うこと、同契約締結日から本株式併合の効力発生日までの間に、公開買付者以外の者に対して競合取引に関連する提案、勧誘を行うことが原則として禁止されておりますが、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」のa)に従って当社が賛同意見表明の変更等を行うことができる場合には例外が認められており、対抗的買収提案者が当社と接触等を行うことを過度に制限するような内容の合意等は行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しています。

なお、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックまでは行っておりませんが、積極的なマーケット・チェックについては、M&Aに対する阻害効果の懸念や情報管理の観点等からの実務上の問題も指摘されており、常に積極的なマーケット・チェックを行うことが望ましいとまではいえないこと、本取引においては、上記のとおり間接的なマーケット・チェックは行われているものと認められるほか、他に十分な公正性担保措置が講じられていることを踏まえると、積極的なマーケット・チェックが行われていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えております。

 

 

(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項 ① 本公開買付契約

公開買付者及び当社は、本公開買付けの実施にあたり、2025年1月14日付で本公開買付契約を締結しております。本公開買付契約において、当社は、本特別委員会により、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が撤回又は変更されていないことを条件として、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うこと(以下「賛同意見表明」といいます。)に係る取締役会決議を行うものとされております。また、公開買付者及び当社は、本公開買付契約において、以下の内容を合意しております。

a) 当社は、公開買付期間が終了するまで、賛同意見表明に係る取締役会決議を変更し又は当該決議と矛盾する内容の取締役会決議を行わないものとされております。但し、本公開買付契約締結後、公開買付期間の末日までに、当社が本公開買付契約に定める義務に違反することなく、公開買付者以外の者により本公開買付価格を上回る買付価格による当社株式に対する公開買付け(但し、当該公開買付けは、買付予定数の上限が設定されておらず、かつ、当該公開買付けの買付者が所有する当該公開買付け後の議決権が当社の総議決権の3分の2以上となる株式数を買付予定数の下限としているものであることを要します。)(以下「対抗公開買付け」といいます。)が開始された場合であって、かつ、対抗公開買付けが開始されているにもかかわらず、なお賛同意見表明を維持することが、当社の取締役としての善管注意義務に違反すると当社の取締役会がその旨の弁護士の意見を踏まえた上で合理的に判断し、本特別委員会から賛同意見表明を撤回若しくは変更することは適当である旨の答申を受けた場合には、当社は、当該弁護士の意見の内容を公開買付者に開示した上で、公開買付者に対し本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、公開買付者が当該申入れの日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の末日のいずれか早い日までに本公開買付価格を対抗公開買付けの買付価格以上の価格に変更しない場合には、賛同意見表明を撤回又は変更する取締役会決議を行うことができるものとされております。

b) 当社は、本公開買付契約の締結日から本株式併合の効力発生日までの間、直接又は間接に、公開買付者以外の者に対して、本取引と実質的に競合し若しくは本取引を阻害すると合理的に認められる取引(当社による第三者との間の合併・株式交換・会社分割等の組織再編行為、当社の事業の全部又は一部の譲渡及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けその他の売買を含みます。以下「競合取引」といいます。)に関連する提案、勧誘を行ってはならないものとされております。但し、当社が上記a)に従って賛同意見表明を撤回又は変更することができる場合、当該対抗公開買付けを開始した第三者との間では、この限りでないとされております。また、当社は、本公開買付契約の締結日から本株式併合の効力発生日までの間、公開買付者以外の者から競合取引の提案、勧誘、情報提供又は申込を受けた場合、合理的に可能な範囲で速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案等の内容を通知し、その対応について公開買付者との間で誠実に協議するものとされております。

c) (ⅰ)公開買付者は、当社が下記(ⅱ)に定める義務を履行することを条件として、本公開買付契約の締結後実務上合理的な範囲で速やかに、国内外の競争法令等及び投資規制法令等上のクリアランスの取得を完了するよう、最大限努力するものとされており、(ⅱ)当社は、公開買付者がこれらのクリアランスの取得を完了できるよう、公開買付者が求める合理的に必要な情報を合理的な範囲で速やかに提供し、公開買付者が求める事項につき合理的な範囲で適時かつ誠実に協力し、かつ当社及びその子会社をして、合理的な範囲で速やかな情報の提供及び適時かつ誠実な協力をさせるものとされております。

d) 本取引の実施に係る事項、公開買付者及び当社による表明保証事項(注1)、並びに上記のほか本取引完了までの当社の一定の義務(注2)が定められております。また、本公開買付前提条件が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合に、公開買付者が本公開買付けを実施することが定められております。

e) 契約解除事由(但し、公開買付期間の開始までに限ります。)として、(ⅰ)各当事者の表明及び保証の重要な違反、(ⅱ)各当事者の重要な義務の違反、(ⅲ)2025年4月30日までに本公開買付けが開始されない場合(但し、解除しようとする者の責めに帰すべき事由により開始できない場合を除きます。)が定められております。また、上記契約解除事由以外の契約終了事由として、公開買付者が法令等に従い本公開買付けを撤回した場合又は本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合が定められております。

 

(注1) 本公開買付契約において、公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権限及び権能、③本公開買付契約の法的拘束力及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥資金調達、⑦反社会的勢力との関係の不存在について表明及び保証を行っております。また、当社は、①設立及び存続の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権限及び権能、③本公開買付契約の法的拘束力及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力との関係の不存在、⑦腐敗防止法令等の遵守、⑧発行済株式等の有効性、⑨法令違反等の不存在、⑩重要な契約等の有効性等、⑪訴訟等の不存在、⑫租税等の支払、⑬法定開示書類の正確性、⑭公開買付者への開示情報の正確性、⑮未公表の重要事実等の不存在について表明及び保証を行っております(但し、上記⑨乃至⑬の表明及び保証については、当社の補償義務の対象外とされております。)。

(注2) 本公開買付契約において、当社は、大要、①本公開買付前提条件の充足に向けて公開買付者との間で相互に誠実に協力し、合理的な範囲で努力する義務、②本公開買付けが成立した場合の本スクイーズアウト手続及び本自己株式取得の実施に係る義務、③通常の業務の範囲内で業務遂行する義務、④本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して相手方からの承諾又は同意の取得が必要となる契約等について、当該契約等の相手方から当該承諾又は同意を取得するよう最大限努力する義務、⑤公開買付者による資金調達への協力義務、⑥表明保証違反又は義務違反を認識した場合の通知義務、⑦公開買付者に対して当社及びその子会社の情報へのアクセスを認める義務、⑧表明保証違反又は義務違反が生じた場合の補償義務、⑨秘密保持義務、⑩契約上の地位又は権利義務の譲渡等禁止義務を負担しております。

 

 

② 本応募等契約

公開買付者は、2025年1月14日付で、伊藤忠商事との間で本応募等契約を締結し、(ⅰ)伊藤忠商事が所有する当社株式8,956,500株(所有割合:33.35%)のうち4,393,850株(所有割合:16.36%)について、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けの開始から10営業日以内に本公開買付けに応募し、伊藤忠商事が所有する当社株式4,562,650株(所有割合:16.99%)について、本公開買付けに応募しない旨、(ⅱ)本臨時株主総会において、その時点で所有する全ての当社株式に関して、本株式併合に関連する議案に伊藤忠商事が賛成する旨、(ⅲ)本株式併合の効力発生後に伊藤忠商事が本自己株式取得に応じてその時点で所有する全ての当社株式を当社に売却する旨を合意したとのことです。また、公開買付者は、本応募等契約において、以下の内容を合意しているとのことです。なお、本応募等契約を除いて、公開買付者と伊藤忠商事との間で本取引に関する合意は締結されておらず、本公開買付価格の支払を除き、伊藤忠商事に対して本公開買付けに際して付与される利益はないとのことです。

a) 上記(ⅰ)の、伊藤忠商事の所有する当社株式の本公開買付けへの応募及び不応募の義務の履行は、①本公開買付けが適法かつ有効に開始されており、撤回されていないこと、②本応募等契約に定める公開買付者による表明及び保証(注1)がいずれも重要な点において真実かつ正確であること、③本応募等契約に基づき公開買付者が履行又は遵守すべき義務(注2)が重要な点において全て履行又は遵守されていること、④本公開買付け又は伊藤忠商事による本公開買付けへの応募を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされていないこと、⑤本クリアランスが完了していること、⑥当社から、当社に係る未公表の重要事実等が存在しない旨の確認が得られていること、⑦当社の取締役会が、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明に係る決議を実施し、これが法令等に従って公表されており、かつ、当該決議が撤回又は変更されておらず、これと矛盾する内容のいかなる決議も行われていないこと(注3)、⑧本特別委員会において、当社の取締役会が、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明に係る決議を実施することについて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が撤回又は変更されていないことを前提条件とするものとされているとのことです。但し、伊藤忠商事は、応募を行うまでの間に上記⑦の条件が充足されなくなった場合で、上記(ⅰ)の、伊藤忠商事の所有する当社株式の本公開買付けへの応募及び不応募の義務を履行しないと判断する場合には、当該判断に先立ち、公開買付者との間で誠実に協議を行うものとされているとのことです。この場合、公開買付者は、伊藤忠商事から求められた場合には、直ちに協議に応じるものとするとされているとのことです。なお、各前提条件のいずれかが充足されない場合でも、伊藤忠商事が自らの裁量で応募合意株式の全部又は一部を本公開買付けに応募することができるとのことです。また、伊藤忠商事は、本公開買付けへの応募後、公開買付期間の末日までの間に、上記の⑤又は⑦の条件のいずれかが充足されなくなった場合には、当該応募を撤回し、当該応募の結果成立した当該株式の買付けに係る契約を解除することができるとのことです。但し、伊藤忠商事は、上記の⑦の条件が充足されなくなった場合に該当して当該応募を撤回し、当該応募の結果成立した当該株式の買付けに係る契約を解除する場合には、当該撤回及び解除に先立ち、公開買付者との間で誠実に協議を行うものとされているとのことです。この場合、公開買付者は、伊藤忠商事から求められた場合には、直ちに協議に応じるものとするとされているとのことです。

b) 伊藤忠商事は、本自己株式取得の完了までの間、本公開買付けへの応募及び本自己株式取得を除き、直接又は間接に、(ⅰ)その所有する当社株式の譲渡、承継、担保設定その他一切の処分、又は、当社の株式若しくは当社の株式に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売り及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けに対する応募を含むとのことです。)を行わず、また、(ⅱ)第三者に対して本取引と競合し若しくは本取引を阻害する又はそれらのおそれのある一切の取引(当社による第三者との間の合併・株式交換・会社分割等の組織再編行為、当社の事業の全部又は一部の譲渡及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けその他の売買を含むとのことです。)に関する提案、勧誘を行わないものとされているとのことです。また、伊藤忠商事は、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘等を受けた場合には速やかに公開買付者に通知するものとされているとのことです。

c) 伊藤忠商事は、本自己株式取得の完了の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合には、公開買付者の指示に従って、当該株主総会においてその所有する当社株式の議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。但し、当該権利の行使時において、上記a)⑦の条件が充足されていない場合は、この限りではないとされているとのことです。

 

d) 伊藤忠商事は、髙端優氏をして、遅くとも本決済開始日の前日までに、当社に対して、本公開買付けの成立を条件として、当社の取締役を辞任する旨の辞任届を提出させ、取締役を辞任させるものとされているとのことです。

e) 伊藤忠商事及び公開買付者は、伊藤忠商事から当社に対して出向している従業員の出向継続の可否について、従業員毎に個別に協議するものとされているとのことです。また、伊藤忠商事及び公開買付者は、当該従業員の帰任に伴う当社グループの事業運営上の支障を軽減すべく誠実に協議するものとされているとのことです。

f) 契約解除事由(但し、公開買付期間の開始までに限るとのことです。)として、(ⅰ)各当事者の重要な義務の違反、(ⅱ)各当事者の表明及び保証の重要な違反、(ⅲ)各当事者につき、法的倒産手続又は私的整理手続の開始の申立てがなされた場合、(ⅳ)各当事者につき、支払不能、支払停止又は銀行取引停止処分がなされた場合、(ⅴ)2025年3月31日までに本公開買付けが開始されない場合(但し、解除しようとする者の責めに帰すべき事由により開始できない場合を除くとのことです。また、本クリアランスが完了しないため公開買付者が2025年3月31日までに本公開買付けを開始しない場合には、当該期限は2025年3月31日から2025年4月30日に延長されるとのことです。)が定められているとのことです。また、上記契約解除事由以外の契約終了事由として、(ⅰ)公開買付者が法令等に従い本公開買付けを撤回した場合又は本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合(伊藤忠商事が応募義務に違反した場合を除くとのことです。)、(ⅱ)公開買付期間の末日までの間に、上記a)⑤又は⑦の条件のいずれかが充足されなくなった場合に伊藤忠商事が応募をしなかった場合(応募が撤回された場合を含むとのことです。)であって、かつ、公開買付者が買付予定数の下限を変更して本公開買付けが成立した場合が定められているとのことです。

(注1) 本応募等契約において、公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②本応募等契約の法的拘束力及び強制執行可能性、③本応募等契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、④倒産手続等の不存在、⑤反社会的勢力との関係の不存在、⑥汚職防止法規の遵守について表明及び保証を行っているとのことです。また、伊藤忠商事は、①設立及び存続の有効性、②本応募等契約の法的拘束力及び強制執行可能性、③本応募等契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、④当社株式の所有、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力との関係の不存在、⑦汚職防止法規の遵守について表明及び保証を行っているとのことです。

(注2) 本応募等契約において、各当事者は、①表明保証違反又は義務違反を認識した場合の通知義務、②表明保証違反又は義務違反が生じた場合の補償義務、③秘密保持義務、④契約上の地位又は権利義務の譲渡等禁止義務等を負っているとのことです。

(注3) 上記「① 本公開買付契約」に記載のとおり、本公開買付契約において、当社は、公開買付期間が終了するまで、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明に係る決議を変更し又は当該決議と矛盾する内容の取締役会決議を行わないものとされております。但し、本公開買付契約締結後、公開買付期間の末日までに、当社が本公開買付契約に定める義務に違反することなく、対抗公開買付けが開始された場合であって、かつ、対抗公開買付けが開始されているにもかかわらず、なお賛同意見表明を維持することが、当社の取締役としての善管注意義務に違反すると当社の取締役会がその旨の弁護士の意見を踏まえた上で合理的に判断し、本特別委員会から賛同意見表明を撤回若しくは変更することは適当である旨の答申を受けた場合には、当社は、当該弁護士の意見の内容を公開買付者に開示した上で、公開買付者に対し本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、公開買付者が当該申入れの日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の末日のいずれか早い日までに本公開買付価格を対抗公開買付けの買付価格以上の価格に変更しない場合には、賛同意見表明を撤回又は変更する取締役会決議を行うことができるものとされております。

 

 

③ 本不応募契約(ANAホールディングス)

公開買付者は、2025年1月14日付で、ANAホールディングスとの間で本不応募契約(ANAホールディングス)を締結し、(ⅰ)ANAホールディングスが所有する当社株式5,373,200株(所有割合:20.01%)の全てについて、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募しない旨、(ⅱ)本臨時株主総会において、その所有する全ての当社株式に関して、本株式併合に関連する議案にANAホールディングスが賛成する旨、(ⅲ)本株式併合の効力発生後にANAホールディングスが本自己株式取得に応じてその所有する全ての当社株式を当社に売却する旨を合意しているとのことです。また、公開買付者は、本不応募契約(ANAホールディングス)において、以下の内容を合意しているとのことです。なお、本不応募契約(ANAホールディングス)を除いて、公開買付者とANAホールディングスとの間で本取引に関する合意は締結されていないとのことです。

a) 本公開買付けが、①本特別委員会において当社の取締役会が本公開買付けに賛同し当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明をすることについて肯定的な内容の答申が行われていること、②当社の本公開買付けに関する意見表明として、本公開買付けに賛同し当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の取締役会決議が適法かつ有効に行われていることのいずれかの条件を満たさない場合には、公開買付者は、本公開買付けの開始前にANAホールディングスとの間で誠実に協議するものとされているとのことです。

b) ANAホールディングスは、本自己株式取得の完了までの間、直接又は間接に、(ⅰ)その所有する当社株式の譲渡、承継、担保設定その他一切の処分、又は、当社の株式若しくは当社の株式に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売り及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けに対する応募を含むとのことです。)を行わず、また、(ⅱ)第三者に対して本取引と競合し若しくは本取引を阻害する又はそれらのおそれのある一切の取引(当社による第三者との間の合併・株式交換・会社分割等の組織再編行為、当社の事業の全部又は一部の譲渡及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けその他の売買を含むとのことです。)に関する提案、勧誘を行わないものとされているとのことです。また、ANAホールディングスは、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘等を受けた場合には速やかに公開買付者に通知するものとされているとのことです。

c) ANAホールディングスは、本自己株式取得の完了の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合には、公開買付者の指示に従って、当該株主総会においてその所有する当社株式の議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。

d) ANAホールディングスは、原田茂氏をして、遅くとも本自己株式取得の完了までに、当社に対して、当社の取締役を辞任する旨の辞任届を提出させ、取締役を辞任させるものとされているとのことです。

e) ANAホールディングス及び公開買付者は、本公開買付けの成立後、ANAホールディングスから当社への従業員出向の継続の要否及び位置付けについて誠実に協議するものとされているとのことです。

f) 契約解除事由(但し、公開買付期間の開始までに限るとのことです。)として、(ⅰ)各当事者の表明及び保証(注1)の重要な違反、(ⅱ)各当事者の重要な義務(注2)の違反、(ⅲ)2025年3月31日までに本公開買付けが開始されない場合(但し、解除しようとする者の責めに帰すべき事由により開始できない場合を除くとのことです。また、本クリアランスが完了しないため公開買付者が2025年3月31日までに本公開買付けを開始しない場合には、当該期限は2025年3月31日から2025年4月30日に延長されるとのことです。)が定められているとのことです。また、公開買付者が、本公開買付けの公表時及び開始時のいずれかの時点において、上記a)①又は②のいずれかの条件を満たさない本公開買付けを開始した場合には、ANAホールディングスは、公開買付者に対する書面による通知をもって、本不応募契約(ANAホールディングス)を直ちに解除することができるとされているとのことです。但し、ANAホールディングスは、左記に基づいて本不応募契約(ANAホールディングス)を解除する場合には、当該解除に先立ち、公開買付者との間で誠実に協議を行うものとされているとのことです。この場合、公開買付者は、ANAホールディングスから求められた場合には、直ちに協議に応じるものとされているとのことです。さらに、上記契約解除事由以外の契約終了事由として、公開買付者が法令等に従い本公開買付けを撤回した場合、本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合、又は伊藤忠商事の保有する応募合意株式が本公開買付けに応募されることなく本公開買付けが成立した場合(伊藤忠商事がその保有する応募合意株式を本公開買付けに応募しないことが上記「② 本応募等契約」のa)⑤又は⑦の条件を充足しないことにより伊藤忠商事の義務の不履行とならない場合に限るとのことです。)が定められているとのことです。

 

(注1) 本不応募契約(ANAホールディングス)において、公開買付者は、①設立及び存続の有効性、②本不応募契約(ANAホールディングス)の法的拘束力及び強制執行可能性、③本不応募契約(ANAホールディングス)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、④倒産手続等の不存在、⑤反社会的勢力との関係の不存在、⑥汚職防止法規の遵守、⑦本不応募契約(ANAホールディングス)の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑧資金調達について表明及び保証を行っているとのことです。また、ANAホールディングスは、①設立及び存続の有効性、②本不応募契約(ANAホールディングス)の法的拘束力及び強制執行可能性、③本不応募契約(ANAホールディングス)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、④当社株式の所有、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力との関係の不存在、⑦汚職防止法規の遵守について表明及び保証を行っているとのことです。

(注2) 本不応募契約(ANAホールディングス)において、各当事者は、①表明保証違反又は義務違反を認識した場合の通知義務、②表明保証違反又は義務違反が生じた場合の補償義務、③秘密保持義務、④契約上の地位又は権利義務の譲渡等禁止義務等を負っているとのことです。

 

④ 本不応募契約(昭和飛行機工業)

公開買付者は、2025年1月14日付で、昭和飛行機工業との間で本不応募契約(昭和飛行機工業)を締結し、(ⅰ)昭和飛行機工業が所有する当社株式2,003,200株(所有割合:7.46%)の全てについて、本公開買付けが開始された場合、本公開買付けに応募しない旨、(ⅱ)本臨時株主総会において、その所有する全ての当社株式に関して、本株式併合に関連する議案に昭和飛行機工業が賛成する旨、(ⅲ)本株式併合の効力発生後に昭和飛行機工業が本自己株式取得に応じてその所有する全ての当社株式を当社に売却する旨を合意しているとのことです。また、公開買付者は、本不応募契約(昭和飛行機工業)において、以下の内容を合意しているとのことです。なお、本不応募契約(昭和飛行機工業)を除いて、公開買付者と昭和飛行機工業との間で本取引に関する合意は締結されていないとのことです。

a) 昭和飛行機工業は、本自己株式取得の完了までの間、本公開買付けへの応募を除き、直接又は間接に、(ⅰ)その所有する当社株式の譲渡、承継、担保設定その他一切の処分、又は、当社の株式若しくは当社の株式に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売り及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けに対する応募を含むとのことです。)を行わず、また、(ⅱ)第三者に対して本取引と競合し若しくは本取引を阻害する又はそれらのおそれのある一切の取引(当社による第三者との間の合併・株式交換・会社分割等の組織再編行為、当社の事業の全部又は一部の譲渡及び第三者による当社の発行する株券等を対象とする公開買付けその他の売買を含むとのことです。)に関する提案、勧誘を行わないものとされているとのことです。また、昭和飛行機工業は、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘等を受けた場合には速やかに公開買付者に通知するものとされているとのことです。

b) 昭和飛行機工業は、本自己株式取得の完了の前日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合には、公開買付者の指示に従って、当該株主総会においてその所有する当社株式の議決権その他の一切の権利を行使するものとされているとのことです。

 

Number of share certificates, etc. and number of voting rights owned by officers
Number of share certificates, etc. and number of voting rights owned by officers
Description of provision of profit by tender offeror or its special interest parties
Description of provision of profit by tender offeror or its special interest parties (N/A)
該当事項はありません。
Policy to address basic policy about how to control company
Policy to address basic policy about how to control company (N/A)
該当事項はありません。
Inquiries to tender offeror
Inquiries to tender offeror (N/A)
該当事項はありません。
Request for extending tender offer period
Request for extending tender offer period (N/A)
該当事項はありません。

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