Tender Offer By Those Other Than Issuer Form No. 4 Subject Company's Position Statement
Concept |
As at 2025-06-02 |
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Tender Offer by Those Other than Issuer Form No. 4 Subject Company's Position Statement | |
Name and residential address or location of tender offeror | |
Name and residential address or location of tender offeror |
1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名称 加賀電子株式会社 所在地 東京都千代田区神田松永町20番地
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Classes of share certificates, etc. for tender offeror to acquire by purchase, etc. | |
Classes of share certificates, etc. for tender offeror to acquire by purchase, etc. |
2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
普通株式
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Opinion and basis and reason of opinion regarding said tender offer | |
Opinion and basis and reason of opinion regarding said tender offer |
3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1)本公開買付けに関する意見の内容 当社は、2025年5月30日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。 なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要 公開買付者は、2025年5月30日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式(以下に定義されます。)及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。 本取引においては、当社の筆頭株主であり、かつ主要株主である三菱電機株式会社(所有株式数:558,958株、所有割合:18.36%、以下「三菱電機」といいます。)に法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含み、以下「法人税法」といいます。)に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、当社の一般株主の皆様の利益を最大化させることを目的として、公開買付者は、三菱電機との間で、三菱電機が所有する当社株式の全てである558,958株(所有割合:18.36%、以下「本不応募株式」といいます。)について、本公開買付けへの応募は行わず、本公開買付けの成立及び本株式併合(以下に定義されます。)の効力発生を条件として当社によって実施される三菱電機が所有する当社株式の自己株式取得(以下「本自己株式取得」といいます。)によって売却することを合意しているとのことです。 なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を283,600株(所有割合:9.31%)所有しているとのことです。 本取引は、①本公開買付け、②本公開買付けが成立した場合であって、公開買付者が本公開買付けにおいて、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合に、当社の株主を公開買付者及び三菱電機のみとすることを目的として実施される会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第180条に基づき行う株式併合(以下「本株式併合」といいます。)、③本公開買付けの成立及び本株式併合の効力発生を条件として、当社によって実施される本自己株式取得からそれぞれ構成され、最終的に、公開買付者が当社を完全子会社化することを企図しているとのことです。 本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年5月30日付で、当社の筆頭株主であり、かつ主要株主である三菱電機との間で、公開買付不応募契約(以下「本不応募契約」といいます。)を締結し、本不応募株式について、本公開買付けに応募しない旨を合意しているとのことです。 更に、本不応募契約では、三菱電機が、本臨時株主総会(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義されます。)において、本不応募株式に関して、本株式併合に関する議案に賛成する旨、及び本株式併合の効力発生後に当社が実施する予定の本自己株式取得に応じて三菱電機が所有する当社株式の全部を売却する旨等を合意しているとのことです。本自己株式取得は、本自己株式取得価格を、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮に三菱電機が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額に設定することにより、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることを企図するものであるとのことです。本不応募契約の概要については、下記「(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けにおいて1,187,442株(所有割合:39.00%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(1,187,442株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(1,187,442株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(1,187,442株)については、当社決算短信に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(3,193,545株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(148,446株)を控除した株式数(3,045,099株)に係る議決権の数である(30,450個)に3分の2を乗じた数(20,300個)(小数点以下切上げ)に、当社の単元株式数である100株を乗じた株式数(2,030,000株)から、買付者が所有する当社株式数(283,600株)及び三菱電機が所有する本不応募株式数(558,958株)を控除した株式数に設定としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者及び三菱電機が合計で当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものとのことです。 また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社に対し、本取引の一環として本株式併合の実施を要請する予定とのことです。 公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)からの借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)により賄うことを予定しているとのことであり、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに本銀行融資を受けることを予定しているとのことです。本銀行融資に係る融資条件の詳細は、三菱UFJ銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程 (ア)公開買付者及び当社を取り巻く経営環境等 公開買付者は1968年9月に電子部品商社として設立され、1986年12月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1997年9月に東京証券取引所市場第一部へ指定替えし、2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至るとのことです。公開買付者のグループは、本書提出日現在、公開買付者、連結子会社60社(国内19社、海外41社)及び持分法適用関連会社4社(国内1社、海外3社)、持分法非適用関連会社1社(国内1社)の合計66社(総称して、以下「公開買付者グループ」といいます。)により構成されており、その主な事業内容は、電子部品事業においては、半導体、一般電子部品、EMS(注2)などの開発・製造・販売等を行っているとのことです。情報機器事業においては、パソコン、PC周辺機器、各種家電、写真・映像関連商品及びオリジナルブランド商品等の販売等を行い、ソフトウェア事業においては、CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発等を行っているとのことです。また、その他事業として、エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品の販売等を行っているとのことです。 (注2) 「EMS」とは、Electronics Manufacturing Serviceの略語で、製品の開発・生産を受託するサービスのことをいうとのことです。公開買付者は、創業以来「すべてはお客様のために」の経営理念のもと、中長期的なビジョンとして「我が国業界No.1企業」そして「グローバル競争に勝ち残る企業」を掲げているとのことです。2025年3月期を最終年度とした「中期経営計画2024」及び当期以降スタートする「中期経営計画2027」において「自律的成長+新規M&A」を成長力の源泉に定めており、2028年度には売上高1兆円を目指しているとのことです。 公開買付者を取り巻く事業環境は、サプライヤー側では海外においてはドイツのインフィニオンテクノロジーズがアメリカのサイプレスセミコンダクタを買収、国内においては富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSIの設計・開発部門が統合し、ソシオネクストとなり、東芝の子会社である東芝メモリが日米間企業連合に売却されキオクシアホールディングスとなる等半導体・デバイスメーカーの再編統合が進む一方で、ルネサスエレクトロニクスが国内の販売代理店を絞り込むことを発表する等、代理店政策の見直しもされているとのことです。お客様側では中国経済の停滞、米中貿易摩擦によるサプライチェーンの見直し、また国内外市場における需給変化や価格変動、さらには脱炭素化に代表される地球環境問題への取り組み等、環境変化のスピードは加速していると考えているとのことです。また、海外ではメガディストリビューターと呼ばれる売上高1兆円を超える大手半導体商社がM&Aによる積極的な投資を継続して業界を主導しており、トップクラスの大手半導体商社は売上高3兆円を超える水準にある中、日本国内では、現在売上高1兆円を超える半導体商社が少数存在するにとどまり、未だ多数の中小規模の競合企業が存在している状況ですが、上記のとおり、半導体・デバイスメーカーの再編統合が進む中で主要半導体・デバイスメーカーは直接販売に関するリソースの確保、販売代理店経由での販売経費の削減を進めるため、商権を集約される傾向にあり、今後、スケールメリットの重要性がさらに増加し業界再編が加速するものと考えているとのことです。このような経営環境の中、公開買付者としては、自律的な成長だけでは世界的なメガディストリビューターとの競争に勝ち残ることは困難であると考え、業界再編を主導するべく積極的なM&Aに挑戦しているとのことです。
一方、当社は、1947年10月に金属雑貨・電気器具の製造・販売等を行うことを目的として、設立されました。翌年には三菱電機世田谷工場製品の特約店となりました。その後、当社は、1962年12月に株式を東京証券取引所第二部に上場した後、1997年9月に東京証券取引所第一部銘柄に指定され、2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行し、現在に至っております。 本書提出日現在、当社及び当社の連結子会社6社(株式会社協栄システム、協栄マリンテクノロジ株式会社、KYOEI ELECTRONICS SINGAPORE PTE LTD、KYOEI ELECTRONICS HONG KONG LIMITED、KYOEI ELECTRONICS SHANGHAI CO.,LTD.及びKYOEI ELECTRONICS (THAILAND) CO.,LTD.)で構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、下記の事業を営んでおります。
(ⅰ)半導体デバイス事業 半導体製品群や電子デバイス部品、金属材料の販売を行っております。単品からユニット、モジュールなどEMS/DMS(注3)開発した製品によるソリューション提案や、IC回路設計、ソフト開発も含めたワンストップ提案を可能としております。 (注3) 「DMS」とは、Development & Design Manufacturing Serviceの略語であり、設計開発製造受託サービスのことです。
(ⅱ)産業機器システム事業 FA(注4)(機器、加工機、ロボット)、自動化システム、空調冷熱機器、3Dプリンタを販売し、お客さまごとの生産環境に応じた最適なシステムを提案しております。FA化に不可欠な加工機などを、搬送機も含めたシステムとして提供するとともに、システム制御ソフトの開発も併せて実施しております。 (注4) 「FA」とは、Factory Automationの略語であり、生産工程の自動化を図るシステムを総称しています。
(ⅲ)システム開発事業 QSX(注5)(品質・サービス・変革)に注力し、建設、タクシー、流通業界に特化したシステム開発・製品販売や、システムインテグレーション、技術者提案による受託開発を実施しております。 (注5) 「QSX」とは、Quality・Servitization・Transformationの略語であり、お客様に提供する高品質な製品やサービス及びお客様とともに推進する変革を総称しています。
(ⅳ)プリント配線板事業 リジッド基板(注6)やフレキシブル基板(注7)などの海外製品を、日本・中国・アジア圏への販売を展開しております。複数の特色ある海外協力メーカーに生産を委託することで、お客さまの要望に最適な製品を提案しております。 (注6) 「リジッド基板」とは、柔軟性のない絶縁体基材を用いたもので、硬いボードで曲がらない構造のプリント基板のことです。 (注7) 「フレキシブル基板」とは、薄く柔軟性のある絶縁体基材を用いたもので、折り曲げたり形を変えたりすることができるプリント基板のことです。
(ⅴ)その他事業 船舶・航空機用救命器具類の整備及び購入・販売を展開しております。具体的には、救命胴衣から、膨張式救命筏、シューター格納庫、シューター投下、さらにはGMDSS機器など船舶に関する設備機器を販売しております。
当社グループは、「エレクトロニクス分野を通して、高い品質と優れた技術に基づいた価値ある製品・サービス・情報を提供することにより、夢とゆとりのある社会の実現に貢献します」という経営理念のもとで活動しております。自動車や家電、産業機器などのさまざまな電子製品に搭載されるエレクトロニクス部品の取扱いを行い、製造業向けには各種メカトロニクス装置や関連システムをトータルに提供する技術商社としての機能を備えています。また、高品質で優れた技術力を活かし、お客さまのニーズに応じたシステムやソフトウェアの開発・提供を行うシステムインテグレーターとしての役割も果たしております。ICTと電子デバイス・装置を組み合わせ、新たなビジネスの価値を創造する“System Technology Group”として、お客さまのものづくりや製品開発における課題解決を目指し、ソリューション企業として事業を展開しております。
当社グループを取り巻く事業環境は、グローバル化による競争の激化、需要トレンドの急激な増減、半導体メーカーによる販売代理店集約等の代理店施策の見直し、スケールメリットの拡大等を企図した半導体商社業界の再編に伴う競争の激化に加え、技術革新の進展により新たな競争機会が増えるとともに省人化ニーズやIoT、DX、そして生成AIの普及などから新たな商機が幅広い領域で見込まれるなど大きく変化しております。 このような環境のもと、当社といたしましても事業環境の変化に対応するためには、新規顧客拡大や商材の拡充による収益構造の改善や新規事業への取組み体制の強化や、事業環境の変化に対応した戦略の見直し、海外市場でのプレゼンスの拡大により、経営基盤の安定強化を図る必要があると捉えております。2023年2月に策定した、2024年3月期から2028年3月期までの5ヶ年を対象とする中期経営計画「KYOEI Power 2028」(以下「本中期経営計画」といいます。)に記載の以下の基本戦略に従い、安定した利益を創出し、お客様から変革を共に推進するパートナーとして常に選ばれ、必要とされる存在価値のある企業グループへと成長することを目標としております。 (ⅰ)事業領域の拡大 新商材の発掘、新商流の開拓、パートナー企業との連携強化により、これまで十分に取り組めていなかった省人化ニーズやIoT、DX、そして生成AI等の分野で既存事業に捉われない新規の事業領域の拡大 (ⅱ)新規事業開発 大学、スタートアップ企業への投資やM&A、社内コラボレーション強化による新規事業の開発 (ⅲ)経営基盤の強化 人的資本、財務、サステナビリティを戦略の柱に据え、加えてDX、IR、コンプライアンス体制を強化することで持続可能な企業のあり方を追求
(イ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程 公開買付者は、これまで、今後一層の企業価値の向上が期待できる銘柄に対し、純投資を行ってきたとのことです。当社株式についても、経営戦略次第ではより一層の企業価値の増大が期待できると判断し、2017年6月頃から継続して純投資目的で株式市場を通じて当社株式(本書提出日時点における所有株式数:283,600株、所有割合:9.31%)を取得してきたとのことです。加えて、公開買付者は、公開買付者グループと当社グループは電子部品事業を主たる商材とし、国内外のメーカーが製造する半導体部品等の開発・販売等に従事し、両社の取扱う製品は相互補完関係にあることから、緊密に協業することにより両社の成長戦略を一層加速させることが可能と考え、2024年7月頃から両社の顧客、得意市場、両社で取り扱う商材・ソリューションの重複有無や海外への進出状況を確認する等、事業面での協業施策についても当社と継続的に協議してきたとのことです。その中で、単純に両社の取扱う製品を相互に取引するだけではなく、公開買付者グループ及び当社グループのシナジーを最大限顕在化させ得る成長戦略を実現する上では、当社を公開買付者の子会社とし、機動的な意思決定が可能な体制を構築することが有意義な施策であると考え、2024年8月に当社との協業及び当社の発行済株式数の過半数の株式取得を前提とした公開買付けの実施について初期的な検討を開始するとともに、当社との間でも、2024年8月23日、当社との資本提携を含めた当社の子会社化に関する予備的な対話を開始し、大株主として当社の経営方針について意見交換する中で、2024年10月16日に、資本業務提携の具体的な方針について予備的な対話を開始したとのことです。その結果、公開買付者としては、当社との間では統一的な意思決定の下で協業し、相互の取扱商品等の販売拡大等を図ることによりシナジーの実現が期待できる一方で、当社株式の上場が維持された場合、ガバナンスの観点から独立した経営体制を維持する必要があり、そのような資本関係では両社において機動的な意思決定を行うことができず、今後、両社の更なる成長の実現及び企業価値の向上に資するシナジーを多く創出していくためには、公開買付者による当社の完全子会社化を通じた、より迅速かつ機動的な意思決定が可能な経営体制の構築が必要との考えに至り、本取引に関して本格的な検討を開始したとのことです。なお、当社が完全子会社化された場合には、当社としては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスの調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上といったこれまで上場会社として享受してきたメリットが喪失することが考えられますが、公開買付者の傘下に入ることで、公開買付者が有する知名度や社会的信用を得られ、また、公開買付者の資金調達力及び資金余力をもってすれば、完全子会社化に伴うデメリットは限定的と考えているとのことです。その後、公開買付者は、2024年12月19日に、当社から本取引について本格的な検討を進める旨の連絡を受けたとのことです。公開買付者は、本取引に関して検討するにあたり、2025年1月上旬、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社KPMG FAS(以下「KPMG」といいます。)、リーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任するとともに、2025年1月下旬に本取引の実施に関する正式な意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
本意向表明書の提出後、公開買付者は、2025年1月30日に当社から、本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を受けたとのことです。また、公開買付者は、2025年2月上旬から2025年4月上旬まで、当社グループに対する財務・税務デュー・ディリジェンス及び法務デュー・ディリジェンス(以下「本デュー・ディリジェンス」といいます。)を実施したとのことです。その上で、公開買付者は、当社との間で、本取引の意義及び目的に関する協議・検討を行い、公開買付者グループ及び当社グループとの間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策、本取引後の経営方針等について更なる検討を進めてきたとのことです。 かかる検討の結果、公開買付者は、本取引により、以下のような具体的なシナジーが期待できるとの判断に至ったとのことです。 (ⅰ)製品ラインナップ及び販売チャネルの相互補完による販売量の拡大 ・公開買付者グループ及び当社グループの半導体デバイス事業において取り扱う商材の中で、重複しない製品を双方で相互補完することで既存の顧客を中心に販売量の拡大等を期待することができると考えているとのことです。また、当社グループにおいては、公開買付者が有するEMS機能を当社グループが活用し、単なるモノ売りだけではなく、当社グループの持つ開発力も活かしたソリューション提案(企画、開発、製造、アフターサービス)を顧客に提供し、更なる付加価値を付与することが可能と考えているとのことです。 ・産業機器システム事業において、当社が課題と認識しているグローバル展開について、公開買付者グループの海外FA事業における広範なグローバルネットワークとの連携により、インドを中心とする海外市場における販売量の拡大が可能と考えているとのことです。 ・公開買付者グループのプリント配線板事業において、EMS機能に対し当社グループの取り扱うプリント配線板を活用することで、当社グループにおける販売量の拡大を見込めるほか、当社グループのプリント配線板における技術力と公開買付者のEMS機能を組み合わせることで、一層両社の品質強化を図ることにより、顧客に対し更なる付加価値の提供が期待できると考えているとのことです。
(ⅱ)経営資源の共有による経営効率の向上 ・当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループ及び当社グループの経営資源を迅速かつ相互活用できる体制が整い、コーポレート機能等の組織機能の重複を解消し最適化することでコストの削減が図られ、また、両社の技術・ノウハウ・知見を融合することにより、取扱製品の相互補完等による販売拡大等の事業シナジーの創出に寄与すると考えているとのことです。
また、公開買付者は、2025年4月上旬より、当社との間で、本公開買付けにおける当社株式の1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)に関する協議を重ねてきたとのことです。具体的には、(ⅰ)本デュー・ディリジェンスの結果、(ⅱ)当社の財務状況、(ⅲ)当社株式の市場株価推移及び当社より提出された2025年3月期から2028年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づくKPMGによる当社株式の初期的な価値評価分析を踏まえた取引条件の検討結果、(ⅳ)当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び(ⅴ)本公開買付けに対する応募の見通し等に加え、(ⅵ)三菱電機との関係では本自己株式取得を活用し得ること等を総合的に勘案し、2025年4月8日、当社に対して、2026年3月期の中間配当及び2026年3月期の期末配当を無配とする前提で、本公開買付価格を2,980円(本株式併合の効力発生後に当社の株主を公開買付者及び三菱電機のみとした上で、当社が三菱電機から自己株式取得を実施するスキーム(以下「本自己株式取得スキーム」といいます。)の場合の本公開買付価格は3,024円)とする提案(以下「第1回提案」といいます。)を行ったとのことです。 これに対して、2025年4月11日、本特別委員会から、上記の当該提案価格は当社の一般株主の利益に配慮された金額とは言えないとして、本公開買付価格の再提案を要請する旨の回答を受けたとのことです。公開買付者は、本特別委員会からの上記要請を踏まえて再検討を行い、2025年4月18日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を3,080円(本自己株式取得スキームの場合の本公開買付価格は3,128円)とする提案(以下「第2回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対して、2025年4月22日、本特別委員会から、当該提案価格は当社の一般株主の利益に依然配慮された金額とは言えないとして、本公開買付価格の再提案を要請する旨の回答を受けたとのことです。 公開買付者は、本特別委員会からの上記要請を踏まえて再検討を行い、2025年4月28日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を3,180円(本自己株式取得スキームの場合の本公開買付価格は3,231円)とする提案(以下「第3回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対して、2025年4月30日、本特別委員会から、当該提案価格は当社の一般株主の利益に依然配慮された金額とは言えないとして、本公開買付価格の再提案を要請する旨の回答を受けたとのことです。公開買付者は、本特別委員会からの上記要請を踏まえて再検討を行い、2025年5月12日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を3,480円(本自己株式取得スキームの場合の本公開買付価格は3,543円)とする提案(以下「第4回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対して、2025年5月13日、本特別委員会から、当該提案価格は当社の一般株主の利益に依然として十分に配慮された金額とは言えないとして、本公開買付価格の再提案を要請する旨の回答を受けたとのことです。公開買付者は、本特別委員会からの上記要請を踏まえて再検討を行い、2025年5月19日、本特別委員会に対し、本公開買付価格を3,500円(本自己株式取得スキームの場合の本公開買付価格は3,564円)とする提案(以下「第5回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対して、2025年5月20日、本特別委員会から、当該提案価格は当社の一般株主の利益に依然として十分に配慮された金額とは言えないとして、本公開買付価格の再提案を要請する旨の回答を受けたとのことです。公開買付者は、本特別委員会からの上記要請を踏まえて再検討を行い、2025年5月26日、本特別委員会に対し、本自己株式取得スキームを前提として、本公開買付価格を3,950円とする提案(以下「第6回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対して、2025年5月27日、本特別委員会から、正式な意思決定は2025年5月30日に開催される当社取締役会での決議で承認されるという前提の下、公開買付者の提案を応諾する旨の回答を受けたとのことです。 また、公開買付者は、2025年4月15日、三菱電機に対して、本公開買付けを実施する意向である旨、及び本公開買付けを実施するにあたり、三菱電機が所有する当社株式の取得については、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮し、本自己株式取得価格を、仮に三菱電機が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額が同等となる金額に設定することを説明の上、本自己株式取得により取得することを提案したとのことです。これに対して、2025年5月2日、三菱電機から、その所有する当社株式を本自己株式取得により取得することについて前向きに検討する旨の連絡を受け、その後も本不応募契約の締結を前提に継続して協議を実施し、2025年5月27日、公開買付者は、三菱電機に対して、本自己株式取得スキームを前提として、本公開買付価格を3,950円とする提案を行いました。これに対して、2025年5月28日、三菱電機から、当該提案に応じる旨の連絡を受け、2025年5月30日、公開買付者及び三菱電機は、三菱電機が本公開買付けに応募せず、本自己株式取得に応じることを合意内容に含む本不応募契約を締結したとのことです。
以上の検討・協議・交渉の結果、公開買付者は、2025年5月30日開催の取締役会において、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針 公開買付者は、本公開買付けの成立後、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(イ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のシナジーの創出を着実に実行していく予定とのことです。本公開買付けの成立後の当社の役員構成を含む経営体制については、公開買付者グループ及び当社グループ全体のガバナンス体制を踏まえて決定することを想定しており、本取引の完了後に、当社との協議の上で、当社グループの事業の特性や強みを十分に生かして、両社の更なる企業価値向上を実現するために経営体制や事業運営の枠組みを構築していくことを検討しておりますが、本書提出日現在で決定した事項はないとのことです。 なお、公開買付者は、本取引後も、当社の既存の従業員の雇用及び処遇等は基本的に現状維持を想定しているとのことです。
④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由 (ア)検討体制の構築の経緯 当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ア)公開買付者及び当社を取り巻く経営環境等」のとおり、中長期的な観点から当社の企業価値を最大化する施策についての検討を行ってまいりましたが、2024年8月下旬、公開買付者を含む2社の事業会社(以下「本件パートナー候補」といいます。)から、それぞれ異なるタイミングで、当社に対して、当社との資本業務提携等について関心が示されました。各本件パートナー候補の提案の具体性、関心の度合いや範囲、検討の深度等には差があったものの、当社は、その後、各本件パートナー候補との間で、複数回にわたって、当社の経営陣とのディスカッションの機会の提供や、実務者間での対話・協議等を行ってまいりました。 当社は、2024年8月23日、公開買付者との間で、公開買付者及び当社の資本提携を含めた当社の子会社化に関する対話を開始し、更に、2024年10月16日に、公開買付者との間で具体的な提携方針に関する対話を開始し、それ以降、継続的に協議及び意見交換を行ってまいりました。当社は、本件パートナー候補のうちの1社(公開買付者ではありません。)との間においても、資本業務提携を含めた協業の可能性について、継続的に協議及び意見交換を行っておりました。しかしながら、当社は、同社から具体的な提案を受けることがなく、同社との協議の進捗状況も踏まえ総合的に勘案した結果、同社との間の資本提携等については実現可能性が低いと判断し、当社及び同社は、双方の合意の下、当該協議を中止することといたしました。また、激しいグローバル競争や技術革新の急速な進歩等による価格競争の激化等の当社を取り巻く環境下において、公開買付者が当社との資本提携に係る取引及び当社株式の非公開化の可能性を含めた当社の子会社化(以下「本子会社化取引」といいます。)に関心を示していることを踏まえ、当社は、2024年12月9日、当社が今後も成長し、中長期的に企業価値を高めていくためには、当社の企業価値向上のための取り組みに対して付加価値を提供し、当社の中長期的な成長を促進してくれることが期待できるパートナーとして、公開買付者との間において、本子会社化取引に関する本格的な検討を進めることといたしました。 当社は、当社の非公開化の是非を含めて本子会社化取引について検討するに際し、本子会社化取引においては、当社の筆頭株主兼主要株主であり、当社株式を558,958株(所有割合:18.36%)所有する三菱電機が、その保有する当社株式を売却する可能性又は当社株主として残存する可能性があることに鑑み、本公開買付けを含む本子会社化取引の公正性を担保することを目的として、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益確保の観点から本子会社化取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築する観点から、公開買付者、当社及び三菱電機から独立した当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、2024年4月以降、当社に対して助言していた山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を2024年12月上旬以降も引き続き起用することとし、また、公開買付者、当社及び三菱電機から独立したリーガル・アドバイザーとして、2024年8月以降、当社に対して助言していた森・濱田松本法律事務所外国法共同事業(以下「森・濱田松本法律事務所」といいます。)を2024年12月上旬以降も引き続き起用することといたしました。 また、当社は、本子会社化取引の検討を進めるに際して、当社株式が非公開化される可能性があり、その場合には当社の一般株主に大きな影響を与え、取引条件の公正性が重要になるとともに、本子会社化取引について三菱電機と当社の一般株主との間で構造的な利益相反の問題が生じるおそれがあることに鑑み、企業価値の向上及び一般株主の利益を図る観点から、本子会社化取引の是非や取引条件の妥当性、手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、森・濱田松本法律事務所の助言を受けて、2024年12月9日開催の取締役会決議により、鈴木知幸氏(当社独立社外取締役)、杉田陽子氏(当社独立社外取締役)、森岡伸介氏(当社独立社外監査役)の3名によって構成され、公開買付者、当社及び三菱電機並びに本子会社化取引の成否から独立した本特別委員会(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(a)本子会社化取引を実施することの是非(本子会社化取引が公開買付けにより行われる場合には、当該公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して当該公開買付けへの応募を推奨するべきか否か)について検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、並びに、(b)当社取締役会における本子会社化取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下、これらを総称して、「本諮問事項」といいます。)について諮問しました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(a)取引条件等について本子会社化取引の相手方と交渉を行うこと(当社役職員やアドバイザーを通じた間接的な交渉を含みます。)、(b)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担します。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、特別委員会は、当社のアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。)、(c)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、及び(d)必要に応じ、当社の役職員その他特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に合理的に必要な情報を受領すること、(e)その他本子会社化取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項の権限を付与することを決議しました。 また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサル並びに当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しました。
(イ)検討・交渉の経緯 当社は、本特別委員会の意見を最大限尊重しつつ、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所から助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行うとともに、公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を重ねて参りました。 具体的には、当社は、公開買付者から2025年1月30日に受領した、本取引に関する初期的な意向表明書について慎重に検討を行った上で、2025年2月6日、本特別委員会を通じて、公開買付者に対して、本取引の意義・目的、本取引によるシナジー・ディスシナジー、本取引のストラクチャー、本取引後の経営体制等を含む質問事項を送付し、同年2月18日に書面により受領した回答を踏まえて同年2月19日に公開買付者へのインタビューを実施し、質疑応答を行いました。また、当社は、2025年2月上旬から同年4月上旬まで、公開買付者による事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスを受け入れた上で、公開買付者との間で本取引の実施において期待されるシナジーについて協議を実施しました。 その上で、当社は、2025年4月8日、公開買付者から第1回提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所からの助言を踏まえ、第1回提案における本公開買付価格は、第三者算定機関による株式価値の試算結果や本取引と同様に非公開化を前提とした公開買付けの他事例のプレミアム水準等を考慮しても、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底言えないとして、2025年4月11日、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答をしたところ、本特別委員会は、2025年4月18日、公開買付者から第2回提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所からの助言を踏まえ、第2回提案における本公開買付価格は、第三者算定機関による株式価値の試算結果や本取引と同様に非公開化を前提とした公開買付けの他事例のプレミアム水準等を考慮しても、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底言えず、また、第2回提案における本公開買付価格を前提とした当社の株式価値は、純資産合計金額と比較して大幅に低い金額であるとして、2025年4月22日、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答をしたところ、本特別委員会は、2025年4月28日、公開買付者から第3回提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所からの助言を踏まえ、第3回提案における本公開買付価格は、第三者算定機関による株式価値の試算結果や本取引と同様に非公開化を前提とした公開買付けの他事例のプレミアム水準等を考慮しても、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底言えないとして、2025年4月30日、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答をしたところ、本特別委員会は、2025年5月12日、公開買付者から第4回提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所からの助言を踏まえ、投資有価証券等の比較的換金可能性が高い当社の資産があることを検討要素として含めるべきであること等を考慮すべきであり、第4回提案における本公開買付価格は、依然として少数株主の利益に十分に配慮された金額とは言えないとして、2025年5月13日、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答をしたところ、本特別委員会は、2025年5月19日、公開買付者から第5回提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所からの助言を踏まえ、第5回提案における本公開買付価格は、本取引後のシナジー効果が十分に反映されているとは言い難く、依然として少数株主の利益に十分に配慮された金額とは言えないとして、2025年5月20日、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答をしたところ、本特別委員会は、2025年5月26日、公開買付者から第6回提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、第6回提案における本公開買付価格は、一般株主の保護の観点からでも十分に妥当であると考えられることから、本特別委員会として本公開買付価格を3,950円とすることを承認し、本特別委員会は、2025年5月27日、公開買付者に対して、第6回提案を応諾する旨の回答をしました。
(ウ)当社の意思決定の内容 以上の経緯を経て、当社は、森・濱田松本法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言、山田コンサルから受けた財務的見地からの助言、及び当社が山田コンサルから2025年5月29日に取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2025年5月29日付答申書(以下「本答申書」といいます。なお、本答申書の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に検討・協議を行いました。 その結果、当社は、以下の観点から、本取引が当社の企業価値向上に資するものであると判断いたしました。 当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の基本戦略に従い、安定した利益を創出し、お客様から変革を共に推進するパートナーとして常に選ばれ、必要とされる存在価値のある企業グループへの成長の実現に向けた取り組みとして以下の施策を掲げております。
(ⅰ)半導体デバイス事業 ・既存中核ビジネスのさらなる強化 ・新商材発掘、新商流開拓、次世代パワー半導体製品の積極展開 ・お客様の設計段階において当社販売製品の採用を促進する営業活動の強化 ・大学、スタートアップ企業との研究段階からの関係構築 ・IC設計及びソフト開発受託ビジネス、EMS/DMS完成品ビジネスの拡大
(ⅱ)産業機器システム事業 ・「モノ」から「コト」へのコトソリューション(注8)ビジネスの拡大 ・FAを中心とした基幹既存ビジネスの安定的規模拡大 ・当社システム開発による、IoT・空調・物流・工程間搬送ビジネス拡張 ・3Dプリンタの当社保守業務のルート拡張 ・当社製自動化装置の保守拡張による事業領域の拡大 (注8) 「コトソリューション」とは、顧客が求める体験や価値を重視して、顧客が抱える課題やニーズを解決するためのソリューションのことです。
(ⅲ)システム開発事業 ・品質・サービス・変革をお届けするコトソリューションの推進 ・パッケージ及び標準システムによる安定的な収益基板の確保 ・顧客ニーズに則した製品・サービス提供を実現するアライアンスの強化 ・パッケージ製品のサブスクリプション販売への転換 ・大手SIer(注9)との共創による新分野プロジェクト開発への参入 ・SI活動(注10)の強化、保守サービスビジネスの拡大 (注9) 「SIer」とは、System Integratorの略称で、企業や組織が必要とする情報システムの設計、開発、導入、運用、保守などを一括して提供する企業や業者を総称しています。 (注10) 「SI活動」とは、System Integration活動の略称で、企業や組織が情報システムを構築するために行う一連のプロセスや業務を総称しています。
(ⅳ)プリント配線板事業 ・海外生産品の、日本・中国・その他アジア各国への販売強化 ・アジア地区での生産拠点の拡充等
当社は、上記施策に取り組み、企業価値向上を推進しておりますが、国内の半導体商社業界は多数の企業が存在する中において、企業間の競争は激化しており、半導体商社の再編が加速するなか、相対的に事業規模の小さい企業は今後さらに厳しい競争環境に置かれることも想定されます。また、半導体商社業界の市場競争はグローバル化によっても激化しており、国際的なサプライチェーンを構築することや多国籍企業との関係を深めることで、多様な顧客ニーズに応える体制を整えることが急務であると考えております。更に、プリント配線板事業は主要顧客である自動車部品業界において、車載部品の電装化並びに電気自動車へのシフトが急速に進むとともに、IoTデバイスの普及により設計・製造技術の高度化が見込まれます。このように事業環境の変化がさらに加速する状況において、当社グループ単独で迅速かつ柔軟に事業環境に対応することは容易ではなく、上記施策を遂行し本中期経営計画を達成することが困難となる懸念があると考えております。更に、産業機器システム事業は省人化ニーズが益々高まるとともにデータ連携に基づく生産性の向上などを可能にするロボティクスの隆盛が今後はさらに加速することが想定され、システム開発事業はDXをはじめとする企業のIT投資が引き続き活況を呈しており成長が見込まれますが、当社グループ単独での経営資源のみでは好調な市場において更なる成長を加速させることが困難となる懸念があると認識しております。
また、当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程に記載のとおり、公開買付者との間で2025年2月上旬から同年4月上旬まで、本取引の実施において期待されるシナジーについて協議を行いました。 本取引の実行により想定される具体的なシナジーは以下のとおりです。
(ⅰ)事業シナジー ① 製品ラインナップの相互補完 ② 販売チャネルの相互補完、お互いの技術力を生かした営業力の強化 ③ 公開買付者グループのEMS機能を使ったソリューションの提供、当社プリント配線板ビジネスの技術力の活用によるEMS製品の品質向上 ④ 公開買付者のCVC事業との新規事業模索 ⑤ 当社産業機器システム事業と公開買付者グループの海外FA事業との連携による販売拡大 (ⅱ)マネジメントシナジー ⑥ 経営資源、ノウハウ等の有効活用 ⑦ 共通間接費等のコスト削減 ⑧ 人的資本投資などの情報、ノウハウ共有によるサステナビリティ経営の相互推進
事業別には以下のとおり、上記当社の施策における効果を期待しております。
(ⅰ)半導体デバイス事業 公開買付者グループ及び当社において取り扱う商材の中で、重複しない製品を双方で相互補完することや、お互いの技術交流を図ることにより既存の顧客に対する提案力を強化し、公開買付者グループの海外販社を活用した海外への販路拡大を見込んでおります。また、新規事業開発にあたっては、公開買付者グループの有するCVC事業と協力し新規事業開発に取り組むことにより事業開発を加速することを見込んでおります。 (ⅱ)産業機器システム事業 公開買付者グループの販売チャネルを活用することで、新しい商圏の獲得や、技術を生かした顧客に対する提案力の強化が見込まれ、公開買付者グループの広範なグローバルネットワークとの連携によるグローバル展開における競争力の強化を見込んでおります。 (ⅲ)システム開発事業 公開買付者グループの製品ラインナップ及び技術力と、当社のコトソリューションを組み合わせることによる提案力の強化や、公開買付者グループのCVC事業とのアライアンスによる付加価値の高いサービスの開発を見込んでおります。
(ⅳ)プリント配線板事業 公開買付者グループのEMS事業に対し、当社グループの取り扱うプリント配線板を活用することで、販売量の拡大を見込めるほか、当社グループのプリント配線板における技術力と公開買付者のEMS機能を組み合わせることで、一層の品質強化を図ることにより、顧客に対し更なる付加価値の提供が可能となると見込んでおります。 (ⅴ)全社・マネジメント 営業拠点の相互活用や、共通間接費等の削減、株式非公開化によるコスト削減、海外事業拡大に際して公開買付者グループのグローバルネットワーク活用による海外事業の拡大費用の削減が見込まれ、また、削減したコスト及び人的リソースを既存顧客への営業力強化や新規事業開発に振り分けることにより、さらなる成長の加速が可能となると考えております。また、従業員の育成ノウハウや技術交流を行うことにより、新たな成長機会を提供することや、より規模の大きな企業グループとなることによる採用力の強化により人的資本の拡充を図ることが可能となると見込んでおり、さらにサステナビリティ経営の観点でもノウハウ共有等により効率かつ効果的な対応が可能となると考えております。
このような状況のもと、当社は、本取引により、両社の営業リソースの相互活用による営業提案力の強化や、公開買付者のグローバルネットワークを利用することによる海外事業の拡大促進、技術交流による新規事業開発の加速が可能となり、当社の課題を補完し、更に本中期経営計画達成への道筋を短縮化できると考えられることから、当社は公開買付者が当社の中長期的な成長を促進するものと期待できるパートナーとして最適と考えるに至りました。また、当社は、公開買付者グループの傘下に入ることで生じうる固有のデメリット・ディスシナジーは特段存在しないと考えております。
当社は、公開買付者との資本提携のあり方について、上場維持の可能性についても検討を行いましたが、当社が上場会社であった場合には、公開買付者と当社の少数株主の間には構造的な利益相反の懸念があるため、公開買付者と当社で一部重複する製品を扱っている半導体・デバイス事業や産業機器システム事業における営業面等の意思決定や事業戦略には一定の制約が生じることにより事業シナジーが最大化されないと考えております。そのため事業シナジー最大化のためには、公開買付者グループと当社グループの全体の観点から、柔軟かつ迅速な意思決定のもと一体的な連携が可能となる、公開買付者による完全子会社化が最適であると考えるに至りました。 他方、当社は、非公開化によるデメリットとして、上場企業としてのブランド力の低下に伴う取引先その他のステークホルダーを含む外部からの信用力への影響、人材確保が困難になる可能性、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達ができなくなることについても検討いたしました。 当社は業界内において既に一定の知名度を確立していることや、その培ってきた知名度や社会的信用力に加え、公開買付者の知名度や社会的信用力及び資金調達力等を考慮すれば、非公開化のデメリットは限定的であるとともに、株式の上場を維持するために必要な人的・経済的コストの削減等のメリットを享受することに、より利があるものと考えています。 この考えに基づけば、今後も業界再編が更に加速していくことを踏まえ、より主体的、能動的に半導体商社業界内での市場ポジションを確立するためにも、早い段階での決断が有益だとの考えに至りました。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。 (ⅰ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている山田コンサルによる当社株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果によれば、本公開買付価格である3,950円は、市場株価法及び類似会社比較法の上限値を上回る価格であり、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの中央値を超える価格となっていること。 (ⅱ)本公開買付価格である3,950円が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月29日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値2,216円に対して78.25%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,253円に対して75.32%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,280円に対して73.25%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,284円に対して72.94%のプレミアムが加算されたものであり、当該プレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降、2025年2月28日までに公表された、上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO、又は対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例を除く)のうち、公開買付け開始前のPBRが1倍未満である事例59件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が60.49%、直近1ヶ月間が60.48%、直近3ヶ月間が60.41%、直近6ヶ月間が59.79%)と比較して、公表日の前営業日の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均に対するプレミアム水準は、いずれにおいても上回る水準と認められるため、相当なプレミアムが付されていると考えられること。 (ⅲ)本公開買付価格は、当社の2025年3月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額(6,313円)を約37.43%(小数点以下第三位を四捨五入)下回っているものの、純資産額は理論上の会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的ではないと考えられること。また、当社は、顧客の需要に合わせた製品の販売及び技術サポートを活かした製品の販売を行っているところ、当社が現に保有する製品在庫等は各顧客に合わせたカスタマイズがなされたものであり、かつ、実装に向けたサポートを要するものであることから、直ちに売却することが困難であると考えられる上、製品在庫等の資産売却の困難性及び清算に付随すると考えられるその他のコスト(清算事務に係る人件費、従業員に対する割増退職金、賃借不動産の原状回復費用、海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等)も加味した相応な追加コストが発生し、連結簿価純資産額がそのまま換価されるわけではないと考えられること等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、連結簿価純資産額からの相当程度の毀損が見込まれること(なお、当社においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算等は行っておりません。)。 (ⅳ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。 (ⅴ)本公開買付価格である3,950円が、上記措置が採られた上で、本特別委員会が、公開買付者との間で、当社のファイナンシャル・アドバイザーを通じて、独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること。より具体的には、山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及び森・濱田松本法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、かつ、本特別委員会と公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として、本公開買付価格である3,950円が、本自己株式取得スキームの場合の当初提示額(1株当たり3,024円)よりも約30.62%(小数点以下第三位を四捨五入)引き上げられた価格であること。 (ⅵ)本公開買付価格を含む本取引の条件は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
以上より、当社は、2025年5月30日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。 なお、上記取締役会決議の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項 ① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 (ア)算定機関の名称並びに上場会社及び公開買付者との関係 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、三菱電機及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルに対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年5月29日付で、当社株式価値算定書を取得いたしました。なお、山田コンサルは、公開買付者、三菱電機及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。 なお、当社は、公開買付者及び当社において、少数株主の利益に配慮して、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載した本公開買付けの公正性を担保するための措置を実施していることを踏まえ、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、山田コンサルから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。 また、本取引に係る山田コンサルに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行、本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非及び本取引が成立した場合に限って支払われる報酬体系ではないこと等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しており、本特別委員会においても、山田コンサルの独立性に問題ないことが確認されております。
(イ)算定の概要 山田コンサルは、複数の算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を営む上場会社が複数存在し、類似会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を、それぞれ算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社の株式価値算定を行っております。なお、当社の価値評価の算定手法として、当社が継続企業としてその事業を継続していくことを企図していることから、純資産法は採用しておりません。 上記各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :2,216円から2,284円 類似会社比較法:2,567円から3,097円 DCF法 :3,213円から4,609円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年5月29日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における基準日の終値2,216円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価2,253円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)、直近3ヶ月間の終値単純平均株価2,280円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価2,284円を基に、当社株式1株当たりの価値の範囲を2,216円から2,284円と算定しております。 類似会社比較法においては、当社と比較的類似する事業を営む類似上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を行い、当社株式の株式価値を算定し、その1株当たりの株式価値の範囲を2,567円から3,097円と算定しております。 DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が、2025年3月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を3,213円から4,609円と算定しております。なお、上記DCF法において前提とした当社の事業計画については、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、2027年3月期は、売上高増加に伴い、運転資本が増加する影響から、フリー・キャッシュ・フローは前年度プラスからマイナスになり、前年対比で大幅な減少が見込まれております。2028年3月期は半導体デバイス事業における業界全体の市況の回復や採用内定案件の量産化による利益率の改善、システム開発事業における建設・受注ソリューション領域でのアライアンスパートナーとの協業による売上増加及び更なる開発体制強化による利益率の改善等により、営業利益は前年対比75.4%増、フリー・キャッシュ・フローについても大幅な増加が見込まれております。 なお、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、上記の財務予測には加味しておりません。
② 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるKPMGに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、KPMGは公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるKPMGに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。KPMGは、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討した結果、当社株式は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、KPMGから、2025年5月29日付で株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、KPMGから、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。 上記各手法において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価平均法:2,216円から2,284円 DCF法 :3,373円から4,239円
市場株価平均法では、算定基準日を2025年5月29日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の算定基準日の終値2,216円、算定基準日までの過去1ヶ月間(2025年4月30日から2025年5月29日まで)の終値単純平均値2,253円、直近3ヶ月間(2025年3月1日から2025年5月29日まで)の終値単純平均値2,280円及び直近6ヶ月間(2024年11月30日から2025年5月29日まで)の終値単純平均値2,284円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,216円から2,284円までと算定しているとのことです。 DCF法では、当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、その他一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った2026年3月期から2028年3月期までの当社の財務予測に基づき、当社が2026年3月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,373円から4,239円までと算定しているとのことです。当社株式の1株当たりの株式価値を算定するにあたり、当社の株式数は2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数から当社が所有する同日現在の自己株式数を控除した株式数を使用しているとのことです。また、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。なお、KPMGがDCF法による分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益が見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年3月期においては、半導体デバイス事業に係る顧客側の在庫調整局面が引き続き影響するため、売上高の低調が想定される一方で、2027年3月期より市況の回復が予想され、新規の商談機会の立ち上がりに伴う売上増により、2027年3月期の営業利益は、対前年比45.9%増加、また2028年3月期は半導体デバイス事業における業界全体の市況の回復や採用内定案件の量産化による利益率の改善、システム開発事業における建設・受注ソリューション領域でのアライアンスパートナーとの協業による売上増、更なる開発体制強化による利益率の改善等により、2028年3月期の営業利益は、対前年比で45.2%増加を見込んでいるとのことです。 なお、本公開買付価格である3,950円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年5月29日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,216円に対して78.25%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,253円に対して75.32%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,280円に対して73.25%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,284円に対して72.94%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であるとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があるとのことです。 また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式併合を実施することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項) 公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者及び三菱電機のみとするための一連の手続を実施することを予定しているとのことです。 具体的には、公開買付者は、会社法第180条に基づく当社株式に係る本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者及び三菱電機は本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。 本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及び三菱電機が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、三菱電機及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。本臨時株主総会を開催する場合、2025年9月下旬頃を目途に開催される予定ですが、その具体的な手続及び実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。 本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められているとのことです。 上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、三菱電機及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者、三菱電機及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなるとのことです。 上記の本株式併合の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、三菱電機及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。 なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置 本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することは予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)にも該当いたしません。 もっとも、本取引は当社株式を非公開化するものであり、当社の一般株主に大きな影響を与え、取引条件の公正性が重要になるとともに、本取引について三菱電機と当社の一般株主との間で構造的な利益相反の問題が生じるおそれがあることを踏まえ、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避すべく、公開買付者及び当社は以下の措置を講じております。 なお、以下の記載のうち公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者、当社及び三菱電機から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるKPMGに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年5月29日付で公開買付者株式価値算定書を取得したとのことです。公開買付者株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 当社は、公開買付者、当社及び三菱電機のいずれからも独立した第三者算定機関として、山田コンサルを選任し、本公開買付価格に関する公開買付者との交渉方針に関する助言を含めて、本取引の検討過程全般にわたって財務的見地からの助言を受けております。また、当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、山田コンサルに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年5月29日付で当社株式価値算定書を取得いたしました。当社株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
③ 当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得 当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、公開買付者、当社及び三菱電機のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置に関する助言を含めて、本取引の検討過程全般にわたって法的助言を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者、当社及び三菱電機のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。森・濱田松本法律事務所に対する報酬には、本取引の公表や成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会においては、森・濱田松本法律事務所の独立性に問題がないことが確認しております。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得 (ⅰ)設置等の経緯 当社は、当社株式を非公開化する可能性があり、その場合には当社の一般株主に大きな影響を与え、取引条件の公正性が重要になるとともに、本子会社化取引について三菱電機と当社の一般株主との間で構造的な利益相反の問題が生じるおそれがあることに鑑み、企業価値の向上及び一般株主の利益を図る観点から、本子会社化取引の是非や取引条件の妥当性、手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、2024年12月9日開催の取締役会決議により、弁護士としての豊富な経験と幅広い見識を有する鈴木知幸氏(当社独立社外取締役)、弁護士としての豊富な経験と幅広い見識を有する杉田陽子氏(当社独立社外取締役)、公認会計士・税理士としての豊富な経験・専門的知見を有する森岡伸介氏(当社独立社外監査役)の3名によって構成され、公開買付者、当社及び三菱電機並びに本子会社化取引の成否から独立した本特別委員会を設置いたしました。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておらず、上記3名は、公開買付者、当社及び三菱電機から独立性を有しており、また、本取引の成否に関し、当社の一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、鈴木知幸氏を委員長として選任しております。 そして、当社は、上記取締役会決議による本特別委員会の設置に際して、本特別委員会に対し、(ⅰ)本子会社化取引を実施することの是非(本子会社化取引が公開買付けにより行われる場合には、当該公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して当該公開買付けへの応募を推奨するべきか否か)について検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、並びに、(ⅱ)当社取締役会における本子会社化取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べることを諮問いたしました。なお、(ⅰ)の検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本子会社化取引(公開買付けを含みます。)の是非について検討・判断するとともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとしております。また、本特別委員会への諮問にあたり、①当社取締役会は、公開買付けへの賛否を含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して本子会社化取引に関する意思決定を行うこと、及び②本特別委員会が本子会社化取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本子会社化取引の承認をしないことを決議するとともに、本特別委員会に対し、以下の権限を付与することを決議いたしました。 (a)取引条件等について本子会社化取引の相手方と交渉を行うこと(当社役職員やアドバイザーを通じた間接的な交渉を含みます。) (b)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担します。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、特別委員会は、当社のアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。) (c)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること (d)必要に応じ、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に合理的に必要な情報を受領すること (e)その他本子会社化取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項
(ⅱ)検討の経緯 本特別委員会は、2024年12月12日から2025年5月29日まで合計15回、計約19時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて電子メールを通じて報告の受領、協議及び意思決定等を行う等により、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。 具体的には、本特別委員会は、2024年12月12日に開催された第1回特別委員会において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサル並びにリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれの選任を承認し、本特別委員会も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認しております。その上で、本特別委員会は、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。 また、本特別委員会は、当社経営陣から、本取引の経緯・本取引に関する見解、本取引のシナジー・ディスシナジー、本取引後の経営方針、当社が2024年10月30日付で公表した「第2四半期(中間期)連結業績予想数値と実績値との差異及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」の検討経緯等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を実施するとともに、公開買付者に対して質問事項を提示し、公開買付者から、本取引の意義・目的、本取引によるシナジー・ディスシナジー、本取引のストラクチャー、本取引後の経営体制等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を実施しております。 更に、本特別委員会は、山田コンサルから受けた財務的見地からの助言を踏まえつつ、本取引において公開買付者に対して提示するとともに、山田コンサルによる当社株式の価値算定の前提とする本事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、山田コンサルは、当社の事業計画を前提として当社株式の株式価値の算定を実施しておりますが、本特別委員会は、山田コンサルから、株式価値の算定結果とともに、当社の株式価値の算定方法、当該算定方法を選択した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。 また、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社が、2025年4月8日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,980円(本自己株式取得スキームの場合の本公開買付価格は3,024円)とする提案を受領して以降、本特別委員会は、山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及び森・濱田松本法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、公開買付者との間で、当社のファイナンシャル・アドバイザーを通じて、継続的に協議・交渉を行って参りました。 その結果、当社は、2025年5月26日、公開買付者から、本自己株式取得スキームを前提として本公開買付価格を1株当たり3,950円とすることを含む提案を受け、結果として、合計6回の提案を受け、本公開買付価格を、公開買付者の本自己株式取得スキームの場合の当初提示額である3,024円から3,950円にまで、約30.62%(小数点以下第三位を四捨五入しております。)の価格の引き上げを受けるに至りました。 更に、本特別委員会は、森・濱田松本法律事務所及び山田コンサルから、複数回に亘って、当社が公表又は提出予定の本プレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフトの内容について説明を受け、当社が、適切かつ充実した開示を行う予定であることを確認しております。
(ⅲ)判断内容 以上の経緯を経て、本特別委員会は、山田コンサルから取得した当社株式価値算定書の内容及び同社から受けた財務的見地からの助言、並びに森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2025年5月30日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(a)答申内容 ① 当社取締役会は、本公開買付けについて賛同するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきであると考える。 ② 当社取締役会における本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
(b)答申理由 ① 本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かという観点からの検討 a.当社グループを取り巻く事業環境及び当社の経営課題 ・上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ア)公開買付者及び当社を取り巻く経営環境等」記載の当社を取り巻く事業環境及び当社の経営課題に関して、本特別委員会としても同様の認識を有している。 ・当社は、事業環境の変化に対応することを目的として、2023年2月に本中期経営計画を策定し、(ⅰ)事業領域の拡大、(ⅱ)新規事業開発、(ⅲ)経営基盤の強化を基本戦略として掲げ、本中期経営計画に基づく各種施策に取り組み、企業価値向上を推進してきた。 ・しかしながら、本中期経営計画策定以降も、当社を取り巻く事業環境は、国際市場への統合の進展や半導体商社業界の再編による企業間競争の激化といった構造的変化が加速している状況にあり、本中期経営計画を達成するためには、国際的な事業展開力の向上と、市場での優位性の確立が喫緊の課題であると認識される。 ・具体的には、半導体デバイス事業に関しては、グローバル化によって市場競争が激化しており、国際的なサプライチェーンの構築の必要性が高まり、現在当社が注力している中国商材以外の海外商材の確保が必要となっている。 ・また、産業機器システム事業に関しては、省人化ニーズの高まりとともにロボティクスの隆盛が加速すると想定され、海外市場を含めてニーズを捉え、差別化された競争優位性のあるソリューションの開発や提供速度の向上が課題になっている。 ・また、プリント配線板事業は、主要顧客である自動車部品業界における車載部品の電装化等を背景とする設計・製造技術の高度化が見込まれることから、更なる品質強化が必要となっている。 ・更に、システム開発事業についても市場が拡大している中で、顧客開拓・営業強化を図ることが必須な状況にある。 ・このような足下の市場環境・構造を踏まえると、当社の本中期経営計画を遂行するために必要な抜本的かつ実効的な経営改革を、当社グループ単独で遂行する実行力や経営資源は必ずしも十分とは言えない。
b.本取引のシナジーその他のメリット ・上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(イ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」、及び、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ウ)当社の意思決定の内容」記載のとおり、本取引のシナジーその他のメリット及び本取引後に想定される当社の企業価値向上のための各施策について、公開買付者と当社の認識は概ね整合している。 ・また、半導体商社業界のグローバル化や企業間競争の激化が進む状況を踏まえると、抜本的かつ実効的な施策を迅速に実行することが必要と考えられるところ、上記(a)及び(b)記載の当社・公開買付者の一体化による各シナジーは、いずれも当社の経営課題の解消に資する重要な内容といえ、これらの施策が実現された場合には、当社の本中期経営計画の達成に資するものと認められる。更に、上記のとおり、当社グループ単独での経営課題に関する取組みでは一定の限界があるため、他社と協働することで、より抜本的な経営改善が期待できる。 ・具体的には、半導体デバイス事業においては、同事業が公開買付者の中核事業でもあり、相互補完や技術交流による提案力や販売力の強化が見込め、公開買付者グループの海外販売会社を活用した海外への販路拡大による国際的なサプライチェーンの活用も見込めるとの説明は合理的である。 ・また、産業機器システム事業においては、当社の課題である海外市場への展開について、公開買付者グループの海外FA事業の販路を活用することが見込め、公開買付者との協働による提案力の強化も見込めるとの説明は合理的である。 ・更に、プリント配線板事業においては、公開買付者の同事業におけるEMS機能との組み合わせによって販売量の拡大や品質強化を図ることができるとの説明は合理的である。 ・加えて、産業機器システム事業においては、公開買付者グループの製品ラインナップ及び技術力を活用することによって、ソリューション提案力が強化されるという説明は合理的である。 ・上記の事業ごとのシナジーのほか、公開買付者グループ及び当社グループの経営資源の相互活用、組織機能の重複の解消といったコスト削減・グループ最適化のシナジーや双方のノウハウ共有や技術交流の実施といったシナジーについても、公開買付者及び当社において概ね同様の認識を有していることから、これらが実現される可能性は相応に高く、また、一定の効果が生じることも見込まれる。 ・このように、上記の各シナジーは、具体的な実現可能性が認められ、本取引によって、当社は、上記a.記載の経営課題に関する改革・改善に資する各施策を、迅速かつ着実に実行できるようになることが期待され、これにより当社の本中期経営計画の遂行を通じた企業価値向上に資すると言える。 c.本取引のデメリット ・本特別委員会としても、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ウ)当社の意思決定の内容」記載の、本取引を行うことのデメリットに関する当社の認識は合理的であると考えている。 ・上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、(ⅰ)資金調達手段の制約、(ⅱ)知名度・社会的信用力の低下が挙げられる。また、(ⅲ)当社の主要株主かつ主要取引先である三菱電機との資本関係が外れることの影響が生じる可能性も指摘できる。 ・(ⅰ)資金調達に関しては、近年の金融環境を踏まえると、エクイティ・ファイナンスに依拠するよりも、間接金融を通じた資金調達の方が合理的とされる場面が多く、公開買付者の信用力を背景としたファイナンスを活用することで、むしろ有利な条件での資金調達が可能となると考えられ、当社の経営上重大な支障となるおそれは小さい。 ・(ⅱ)知名度や社会的信用力の低下についても、公開買付者の社会的信用、企業規模及び財務状態を勘案すれば、非公開化によってかえって当社の対外的な評価や認知度に好影響を及ぼす可能性もある。 ・(ⅲ)三菱電機との資本関係の解消については、三菱電機は、公開買付者との間において、本不応募契約を締結していることから、本取引について理解を示していると言え、また、三菱電機から、本取引に伴う取引の終了又は縮小に関する意向は伝えられておらず、本取引後も取引関係は引き続き継続されるものと考えられる。 ・また、公開買付者からの説明及び公開買付者から提供を受けた本銀行融資のタームシートの内容等によれば、三菱UFJ銀行からの本銀行融資の条件は、当社の資産に対する担保権の設定その他当社の事業活動に対して、重要な点において悪影響を及ぼすものではないものと考えられる。 ・以上を踏まえれば、本取引のデメリットは限定的であり、本取引のシナジーその他のメリットを上回るものではないと認められる。 d.本取引以外の選択肢の検討 ・本特別委員会としても、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ウ)当社の意思決定の内容」記載の、本取引以外の選択肢に関する当社の認識はいずれも合理的であると考えている。 ・上場維持の可能性については、理論上考えられるものの、上記a.記載のとおり、当社が上場を維持した上で、当社グループ単体で現状の経営課題を抜本的に解決することは容易とは言い難く、公開買付者による完全子会社化が当社グループの中長期的な成長に資すると考えられる。 ・また、本件パートナー候補のうち1社(公開買付者ではない。)との取引の可能性についても、同社から具体的な提案を受けていない以上は実現可能性が低いと判断することは不合理ではなく、一方で、本子会社化取引に関心を示しており、かつ、具体的な高いシナジー効果が期待できる公開買付者との提携を優先することは、妥当かつ合理的な方針と考えられる。 ・更に、当社は連携候補先を公に募ることは行っていないものの、山田コンサルの助言も踏まえて本件パートナー候補以外の連携候補先も広く検討しており、その検討の結果、有力な連携候補先は存在しないと判断したという経緯も踏まえれば、かかる過程が不合理であるとは言えない。 ・このように、他の選択肢との比較においても、本取引を選択した判断の過程及び内容に不合理な点は見当たらない。 e.小括 ・以上を踏まえると、本取引の目的に関する当社の認識は、本特別委員会としても合理的と考えられるものであり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと認められる。 ② 本取引の取引条件の妥当性 a.独立した第三者算定機関による株式価値算定の結果 (a)株式価値算定の内容の合理性 ・公開買付者、三菱電機及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルの当社株式価値算定書において、市場株価基準方式、類似会社比準方式及びDCF方式が算定方法として用いられているが、各算定方法による算定の前提やその内容に不合理な点は認められない。 (b)事業計画の合理性 ・DCF法の算定の基礎となっている本事業計画は公開買付者及び三菱電機から独立した者による主導の下、作成されているなど、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれが合理的に排除されていることが認められる。 ・また、本特別委員会は、本事業計画の策定方法等を含めた本事業計画の策定状況等について当社から説明を受けた上で、山田コンサルから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、質疑応答を行った上で、本事業計画の合理性を確認し、承認をしている。 ・更に、本事業計画は、当社が、本取引とは無関係に従前から策定している本中期経営計画において想定する各種施策と整合する形で作成された客観性・合理性のあるものと言え、過度に保守的な数値計画に是正されたことをうかがわせる事情は認められなかった。 ・したがって、株式価値算定の前提となった本事業計画は、その前提条件、作成経緯及び当社の現状に照らして合理的であると認められる。 (c)株式価値算定結果に基づく検討 ・上記のとおり、山田コンサル作成の当社株式価値算定書における市場株価法、類似会社比較法及びDCF法には、特段不合理な点は認められない。 ・そして、当社株式価値算定書における当社株式の株式価値評価に照らし、本公開買付価格は、市場株価法及び類似会社比較法により算定された価格帯の上限値を上回っており、更にDCF法により算定された価格帯の範囲内にあり、かつ当該価格帯の中央値を超える価格となっている。このように、本公開買付価格が、当社株式価値算定書における算定結果の上限値を超え、又は算定結果の範囲の中央値を上回っていることは、本公開買付価格の妥当性を裏付ける要素と評価することができる。 ・なお、本公開買付価格は、当社の2025年3月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額(6,313円)を約37.43%下回っているものの、純資産額は理論上の会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的ではないと考えられる。また、当社は、顧客の需要に合わせた製品の販売及び技術サポートを活かした製品の販売を行っているところ、当社が現に保有する製品在庫等は各顧客に合わせたカスタマイズがなされたものであり、かつ、実装に向けたサポートを要するものであることから、直ちに売却することが困難であると考えられる上、製品在庫等の資産売却の困難性及び清算に付随すると考えられるその他のコスト(清算事務に係る人件費、従業員に対する割増退職金、賃借不動産の原状回復費用、海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等)も加味した相応な追加コストが発生し、連結簿価純資産額がそのまま換価されるわけではないと考えられること等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、連結簿価純資産額からの相当程度の毀損が見込まれる(なお、当社においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算等は行っていない。)。したがって、本公開買付価格が2025年3月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額を下回っていることをもって、本公開買付価格の妥当性を否定する理由にはならないと考えられる。 b.当社株式の市場価格に対するプレミアム ・本公開買付価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月29日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値2,216円に対して78.25%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,253円に対して75.32%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,280円に対して73.25%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,284円に対して72.94%のプレミアムが加算されたものであり、当該プレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降、2025年2月28日までに公表された、上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO、又は対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例を除く。)のうち、公開買付け開始前のPBRが1倍未満である事例59件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が60.49%、直近1ヶ月間が60.48%、直近3ヶ月間が60.41%、直近6ヶ月間が59.79%)と比較して、公表日の前営業日の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均に対するプレミアム水準は、いずれにおいても上回る水準と認められるため、相当なプレミアムが付されていると考えられる。 c.交渉価格・価格決定プロセス ・本特別委員会は、当社が、2025年4月8日に公開買付者より、公開買付価格を2,980円(自己株式取得スキームの場合の公開買付価格は3,024円)とする第1回提案を受領して以降、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルによる当社の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的見地からの助言、並びに、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所からの法的助言等を踏まえ、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引における諸条件について協議・交渉を行った。 ・その結果として、公開買付価格は計5回にわたり引き上げられ、最終的には、自己株式取得スキームの場合の第1回提案(3,024円)から約30.62%(小数点以下第三位を四捨五入)の価格の引き上げを実現している。 ・以上のとおり、本特別委員会と公開買付者との間で真摯に協議・交渉が行われたものといえる。 d.当該時期に本取引を行うことの合理性 ・当社は、2023年2月に本中期経営計画を策定・公表し、当該計画に基づき、掲げられた目標の達成に向けた事業運営を着実に進めてきたものの、市場構造の変容、国際競争の激化といった事業環境の変化の下、当社が2025年5月13日に提出した「2025年3月期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2025年3月期の売上高及び営業利益の数値を踏まえると、本中期経営計画を策定した当初の2028年3月期の売上高及び営業利益の計画数値の達成可能性は不透明であると考えられる。 ・他方で、公開買付者との連携により、グローバルネットワークの拡張、経営資源やノウハウの有効活用が可能となることで、本中期経営計画に掲げた各施策の実行可能性が高まり、本中期経営計画の達成までの期間の短縮化を期待することができる。 ・加えて、当社は、2024年10月30日付で「第2四半期(中間期)連結業績予想数値と実績値との差異及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」(以下「本業績予想修正」という。)を公表し、足元の受注高が盛り上がりに欠け、需要の回復時期がやや後ろ倒しになると判断せざるを得ないこと等により、2025年3月期の通期の連結業績予想を修正している。もっとも、本特別委員会の確認した内容によれば、四半期決算処理における過去の慣行に従った検討方法により合理的に見積もった数値を基礎として適時開示基準に該当したために本業績予想修正の公表に至ったものであり、当社経営陣の判断に恣意性が認められるものではなく、当該検討過程及び開示時期について公開買付者の関与も認められない。また、その検討方法も、当社における通常の決算処理で用いられる検討方法と同じ方法により行われたものと認められ、当社経営陣の判断に恣意性が認められるものではなく、当該検討過程及び開示時期について公開買付者の関与も認められない。更に、本取引について、公開買付者及び当社は、2024年8月下旬頃から協議していたことが認められるが、かかる時点では、本業績予想修正が公表されることは予定されていなかったことが認められるため、本業績予想修正が公表され、当社の株価が下がったタイミングで本取引を実行することが予め企図されていたわけではない。 ・以上の事情を考慮すれば、本取引の実施時期について特段不合理な点は認められない。 e.取引の方法の合理性 ・当社は、公開買付者から、現金を対価とする公開買付け及びその後の株式併合の方法による二段階買収という方法が提案されている。 ・一段階目として公開買付けを行い、二段階目として株式併合を行うという方法は、完全子会社化の取引においては一般的に採用されている方法であり、二段階目の取引において支払われる対価は公開買付価格と同額とすることが予定されているほか、対価の額に不満のある株主は、裁判所に対して株式買取請求後の価格決定の申立てを行うことが可能である。よって、かかる二段階買収の方法に不合理な点は認められない。 ・また、公開買付者は、当社をして、スクイーズアウトの完了後に三菱電機が所有する当社株式の全て(558,958株(所有割合:18.36%))を対象として、本自己株式取得を実施する予定である。かかる方法は、法人大株主が存在する上場会社の非公開化取引においては採用されることが少なくない方法であり、自己株式取得価格と公開買付価格に差異を設けることで、公開買付価格の引き上げにもつながり、少数株主の利益に資する可能性もある方法といえる。また、本自己株式取得価格である3,566円は、三菱電機を除く少数株主の経済的利益を最大化することを目的として、三菱電機が本自己株式取得に応じた場合に法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることにより三菱電機が理論上享受し得る税務メリットを最大限考慮した場合においても、三菱電機が本公開買付けに応募する場合と本自己株式取得に応じる場合とで税引き後の手取金額が同等となる金額として設定されているため、本自己株式取得価格は、本公開買付価格との対比において、三菱電機が当社株式の対価として少数株主を上回る経済的利益を得るものではないと評価できる。したがって、本特別委員会は、本取引において本自己株式取得が行われるからといって、当社の少数株主の犠牲のもとに、三菱電機が不当に利益を得るものではないものと考え、本取引の方法は、当社の一般株主の利益に鑑みても不合理ではないといえる。 ・更に、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、三菱UFJ銀行からの借入れにより賄うことを予定しているところ、公開買付者は、三菱UFJ銀行からの融資証明書を取得しているとのことであり、本取引の実行に要する資金は確保されていると認められる。 f.小括 ・以上のとおり、(a)(ⅰ)独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサル作成の株式価値算定の算定方法及び算定内容(算定において基礎とした本事業計画の内容を含む。)には、特に不合理な点は認められず、現在の実務に照らして妥当なものであると考えられるところ、本公開買付価格は、当社株式価値算定書における市場株価法及び類似会社比較法により算定された価格帯の上限値を上回っており、DCF法により算定された価格帯の範囲内かつ当該価格帯の中央値を超える価格であること、(ⅱ)市場株価に対して類似事例と比較しても少数株主への配慮という点で遜色のない水準のプレミアムが付されていること、(ⅲ)公開買付者との間で価格交渉を行い、かかる交渉の結果として当初提案から複数回に亘り相当程度の価格の引き上げが実現されたこと、及び(ⅳ)この時期に本取引を行うことが不合理であるとは考えられないことを総合的に勘案すれば、本公開買付価格は妥当な価格であると考えられること、並びに(b)本自己株式取得の方法に不合理な点は認められないことに照らし、当社の少数株主の利益を図る観点から、本取引の取引条件の妥当性は確保されていると考える。 ③ 本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性 a.独立した特別委員会の設置 ・当社は、2024年8月23日に、公開買付者より当社との資本提携を含めた当社の子会社化に関する初期的打診を受け、更に、2024年10月16日に、公開買付者より提携方針に関する具体的な提案を受けた。 ・2025年5月30日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当しない。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することは予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)にも該当しない。もっとも、本取引は当社株式を非公開化するものであり、当社の一般株主に大きな影響を与え、取引条件の公正性が重要になるとともに、本取引について三菱電機と当社の一般株主との間で構造的な利益相反の問題が生じるおそれがあることを踏まえ、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避すべく、特別委員会設置に向けた準備を開始した。 ・当社は、その後、山田コンサルの助言を得つつ、特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性及び適格性等について確認を行うとともに、公開買付者らとの間で重要な利害関係を有していないこと、及び本取引の成否に関して一般株主とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行った。そして、当社は、山田コンサルの助言も得つつ、当社の独立社外取締役及び独立社外監査役の意見も踏まえ、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、当社独立社外取締役である鈴木知幸氏及び杉田陽子氏並びに当社独立社外監査役である森岡伸介氏の3名を本特別委員会の委員の候補として選定した。 ・その上で、当社は、2024年12月9日付の当社取締役会において、本特別委員会を設置すること、並びに、本特別委員会の委員として、当社の独立社外取締役及び独立社外監査役であり公正な職務の執行が期待できることなどから、鈴木知幸氏、杉田陽子氏及び森岡伸介氏の3名を委員として選任することを決議し、本特別委員会に対して本諮問事項を諮問している。 ・また、当社は、同日付の取締役会において、特別委員会の位置付けに関して、(a)本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないこと、並びに(b)本特別委員会に対して、(ⅰ)取引条件等について本子会社化取引の相手方と交渉を行うこと(当社役職員やアドバイザーを通じた間接的な交渉を含む。)、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含む。)すること(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができる。)、(ⅲ)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、及び(ⅳ)必要に応じ、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に合理的に必要な情報を受領すること、(ⅴ)その他本子会社化取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項の権限を付与すること等の権限を付与すること等を決議している。 ・加えて、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないことから、本特別委員会の各委員の本取引の成否からの独立性は確保されている。 ・したがって、本特別委員会は、独立した立場から一般株主の利益を保護すべく適正な構成とされているといえ、また、当社取締役会が、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行う仕組みが担保されており、更に、本特別委員会が有効に機能するために必要な権限等が付与されているものと考えられる。 b.本特別委員会による交渉 ・本特別委員会は、上記a.に記載の構成及び権限等を前提として、当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルによる当社の株式価値の算定結果や公開買付者関係者との交渉方針等を含めた財務的な助言、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所からの助言等を踏まえ、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引における諸条件について、直接又は当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルを通じて、継続的に協議・交渉を行ってきた。また、かかる交渉過程において、本特別委員会が、山田コンサルを通じて、公開買付者との間で協議・交渉を行う際には、山田コンサルは、公開買付者から受領した本取引に係る取引条件の提案を直ちに本特別委員会に対して報告し、本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これにしたがって対応を行った。 ・その結果、本公開買付価格は、第1回提案における公開買付価格2,980円(自己株式取得スキームの場合の公開買付価格は3,024円)から計5回にわたり引き上げられ、最終的に自己株式取得スキームの場合を前提として3,950円となった。 ・以上のとおり、本特別委員会と公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われたものと評価できる。
c.当社による独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得 ・当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、公開買付者、当社及び三菱電機のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置に関する助言を含めて、本取引の検討過程全般にわたって法的助言を受けている。なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者、当社及び三菱電機のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していない。また、森・濱田松本法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていない。 ・なお、2024年12月12日開催の第1回特別委員会において、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認した。 d.当社による独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得 ・当社は、公開買付者、当社及び三菱電機のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、山田コンサルを選任し、本公開買付価格に関する公開買付者との交渉方針に関する助言を含めて、本取引の検討過程全般にわたって財務的見地からの助言を受けている。また、当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、山田コンサルに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年5月29日付で当社株式価値算定書を取得している。 ・なお、本取引に係る山田コンサルに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているものの、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行、本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非及び本取引が成立した場合に限って支払われる報酬体系ではないこと等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しており、2024年12月12日開催の第1回特別委員会においても、山田コンサルの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認している。 e.当社における独立した社内検討体制の構築 ・当社は、公開買付者及び三菱電機から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)を当社の社内に構築した。具体的には、下記f.に記載の斉藤陽一監査役及び高橋哲夫監査役を含め、公開買付者の役職員を兼務していない公開買付者及び三菱電機から独立性が認められる役職員を本取引に係る検討、交渉及び判断に関する関与メンバーとし、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて2024年12月12日開催の第1回特別委員会の承認を受けている。 ・したがって、当社における独立した社内検討体制は、適切に構築されており、また、有効に機能していたものと評価できる。 f.利害関係を有する取締役の取締役迂回における審議・決議及び本取引の検討・交渉過程からの除外 ・当社取締役会出席監査役である斉藤陽一監査役については、2016年3月まで三菱電機に在籍していたことから、三菱電機からの独立性という観点からの検討が必要となるものの、斉藤陽一監査役は三菱電機から当社に転籍して8年以上が経過しており、三菱電機から指示を受ける立場になく、本取引に関して三菱電機側で一切の関与をしておらず、それができる立場にないことから、三菱電機との関係で利益相反のおそれはないものと判断できることを勘案し、斉藤陽一監査役が本取引の検討等に関与することについて、出席取締役の全員の賛成を得た上で、上記審議に参加している。 ・また、上記取締役会出席監査役である高橋哲夫監査役については、2003年3月まで三菱電機に在籍していたことから、三菱電機からの独立性という観点からの検討が必要となるものの、高橋哲夫監査役は三菱電機から転籍して20年以上が経過しており、三菱電機から指示を受ける立場になく、本取引に関して三菱電機側で一切の関与をしておらず、それができる立場にないことから、三菱電機との関係で利益相反のおそれはないものと判断できることを勘案し、高橋哲夫監査役も本取引の検討等に関与することについて、出席取締役の全員の賛成を得た上で、上記審議に参加している。
g.他の買収者による買収提案の機会の確保(マーケット・チェック) ・公開買付者は、本公開買付けにおける買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日とする予定であり、買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保していることから、間接的なマーケット・チェックが行われていると認められる。 ・公開買付者及び当社は、当社が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」という。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととしている。 ・これらの点を踏まえると、本公開買付けでは、買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会が確保されているものと認められる。 h.マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)条件の設定 ・本公開買付けの買付予定数の下限は、本公開買付け成立後に公開買付者及び三菱電機の二者が所有する当社の議決権が当社の総議決権数の3分の2以上となるように1,187,442株(所有割合39.00%)に設定されている。 ・かかる買付予定数の下限は、当社が2025年5月13日に提出した「2025年3月期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2025年3月31日現在の発行済株式総数(3,193,545株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(148,446株、所有割合:4.87%)、公開買付者が所有する当社株式数(283,600株、所有割合:9.31%)、三菱電機が所有する本不応募株式数(558,958株、所有割合:18.36%)を控除した株式数の過半数(1,101,271株、所有割合:36.17%)を上回るものとなる。すなわち、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主が所有する当社株式の過半数の賛同が得られない場合には本公開買付けは成立せず、当社の少数株主の意思を重視した設定となっており、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の条件を満たしている。 i.適切な情報開示 ・本特別委員会は、当社が公表又は提出する予定の本公開買付けに関する意見表明に係るプレスリリースドラフトを含む本公開買付けに関する開示書類のドラフトの内容について説明を受け、また、山田コンサル及び森・濱田松本法律事務所からも助言を受け、その内容を確認した。 ・そして、これらのドラフトでは、本特別委員会に関する情報として、(ⅰ)委員の独立性や専門性等の適格性、(ⅱ)本特別委員会に付与された権限の内容、(ⅲ)本特別委員会における検討経緯、公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、(ⅳ)本取引の是非、取引条件の妥当性や手続の公正性についての本特別委員会の判断の根拠・理由の概要を含む本答申書の内容の概要、(ⅴ)委員の報酬体系、(ⅵ)本取引を実施するに至った経緯、(ⅶ)当社と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯等に関して、充実した情報開示が予定されている。 ・また、これらのドラフトでは、本特別委員会が取得した当社株式価値算定書の内容及びその計算過程の概要等について充実した情報開示がなされる予定となっている。 ・かかる充実した開示は、本取引に関する情報の非対称性を緩和し、一般株主に十分な情報に基づく適切な判断機会を確保するものであると言える。 ・また、かかるドラフトの内容は、金融商品取引法令及び東京証券取引所の適時開示基準に準拠し、経済産業省が2019年6月28日付で公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」を適切に考慮したものになっていると考えられ、各当事者は、それぞれのリーガル・アドバイザーからの助言を得て適切な開示を行う予定とのことである。 j.スクイーズアウト手続の適法性・強圧性の排除 ・本取引では、公開買付者が当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除く。)を取得することが前提とされており、当社の株主に対して株式買取請求権が確保されない手法は採用されないこと、また、一般株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる当社の本株式併合のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることが公表される予定であることから、本取引については強圧性の問題が生じないように配慮の上、スクイーズアウト手続の適法性も確保されているといえる。
k.公正性を疑わせるその他の事情の不存在 ・以上の点に加え、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、当社が公開買付者より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められない。 l.小括 ・以上の点を検討の上、本特別委員会は、本取引に係る取引条件の公正性を担保するための手続として十分な公正性担保措置が実施されており、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引の手続には公正性が認められると考える。
(c)結論 ・上記の検討の結果、上記(b)①に記載のとおり、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、上記(b)②及び③に記載のとおり、当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性も認められる。 ・したがって、当社取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議するべきであると考える。 ・当社取締役会において、本公開買付けに関して、現時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。 ・また、本公開買付けが成立した後における公開買付者による当社の非公開化及び当社の完全子会社化は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見 当社は、山田コンサルより取得した株式価値算定書の内容及び同社から受けた財務的見地からの助言、並びに、森・濱田松本法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引の諸条件が妥当なものか否かについて、慎重に検討・協議を行いました。その結果、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、本公開買付けについて、(ⅰ)本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年5月30日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。また、上記の取締役会において、審議に参加した監査役3名全員が上記の決議についても異議がない旨の意見を述べております。 なお、上記取締役会出席監査役である斉藤陽一監査役については、2016年3月まで三菱電機に在籍していたことから、三菱電機からの独立性という観点からの検討が必要となるものの、斉藤陽一監査役は三菱電機から当社に転籍して8年以上が経過しており、三菱電機から指示を受ける立場になく、本取引に関して三菱電機側で一切の関与をしておらず、それができる立場にないことから、三菱電機との関係で利益相反のおそれはないものと判断できることを勘案し、斉藤陽一監査役が本取引の検討等に関与することについて、出席取締役の全員の賛成を得た上で、上記審議に参加しております。 また、上記取締役会出席監査役である高橋哲夫監査役については、2003年3月まで三菱電機に在籍していたことから、三菱電機からの独立性という観点からの検討が必要となるものの、高橋哲夫監査役は三菱電機から転籍して20年以上が経過しており、三菱電機から指示を受ける立場になく、本取引に関して三菱電機側で一切の関与をしておらず、それができる立場にないことから、三菱電機との関係で利益相反のおそれはないものと判断できることを勘案し、高橋哲夫監査役も本取引の検討等に関与することについて、出席取締役の全員の賛成を得た上で、上記審議に参加しております。 なお、上記の取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行っております。
⑥ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回る買付予定数の下限の設定 本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け成立後に公開買付者及び三菱電機の二者が所有する当社の議決権が当社の総議決権数の3分の2以上となるように1,187,442株(所有割合:39.00%)に設定しているとのことです。かかる買付予定数の下限は、当社決算短信に記載された2025年3月31日現在の発行済株式総数(3,193,545株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(148,446株、所有割合:4.87%)、買付者が所有する当社株式数(283,600株、所有割合:9.31%)、三菱電機が所有する本不応募株式数(558,958株、所有割合:18.36%)を控除した株式数の過半数(1,101,271株、所有割合:36.17%)を上回るものとなるとのことです。すなわち、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主の皆様が所有する当社株式の過半数の賛同を得られない場合には本公開買付けは成立せず、当社の少数株主の皆様の意思を重視した設定となっており、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の条件を満たしているとのことです。
⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置 公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を30営業日に設定したとのことです。このように公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに対する応募の是非について適切な判断を行うための期間を提供しつつ、対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することも企図したとのことです。 また、公開買付者及び当社は、当社が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないとのことです。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
⑧ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置 公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者、三菱電機及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかとしているとのことから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年5月30日付で、三菱電機との間で本不応募契約を締結し、三菱電機が所有する本不応募株式の全て(所有株式数:558,958株、所有割合:18.36%)について、本公開買付けに応募しないことを合意しているとのことです。 なお、本不応募契約の前提条件はないとのことです。
(8)その他 ① 2025年5月30日付「2026年3月期の中間配当及び期末配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ」の公表 当社は、2025年5月30日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2025年5月13日に公表した2026年3月期の期末配当予想を修正し、2026年3月期の中間配当及び期末配当を行わないこと及び2026年3月期より株主優待制度を廃止することを決議しております。詳細につきましては、当社が2025年5月30日に公表した「2026年3月期の中間配当及び期末配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ」をご参照ください。
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Number of share certificates, etc. and number of voting rights owned by officers | |
Number of share certificates, etc. and number of voting rights owned by officers | |
Description of provision of profit by tender offeror or its special interest parties | |
Description of provision of profit by tender offeror or its special interest parties (N/A) |
該当事項はありません。
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Policy to address basic policy about how to control company | |
Policy to address basic policy about how to control company (N/A) |
該当事項はありません。
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Inquiries to tender offeror | |
Inquiries to tender offeror (N/A) |
該当事項はありません。
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Request for extending tender offer period | |
Request for extending tender offer period (N/A) |
該当事項はありません。
以 上
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