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TOKYO ROPE MFG. CO., LTD. M&A Activity 2021

Feb 4, 2021

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【表紙】
【提出書類】 意見表明報告書(2021年2月4日付け訂正報告書の添付インラインXBRL)
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年1月27日
【報告者の名称】 東京製綱株式会社
【報告者の所在地】 東京都中央区日本橋三丁目6-2
【最寄りの連絡場所】 東京都中央区日本橋三丁目6-2
【電話番号】 03(6366)7772
【事務連絡者氏名】 常務取締役執行役員 経営企画部長 堀内久資
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所

 (東京都中央区日本橋兜町2番1号)

(注1) 本書中の「当社」とは、東京製綱株式会社をいいます。

(注2) 本書中の「公開買付者」とは、日本製鉄株式会社をいいます。

(注3) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。

(注4) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。

(注5) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。

(注6) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。

(注7) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。

(注8) 本書中の「本公開買付け」とは、本書提出に係る公開買付けをいいます。 

E01378 59810 東京製綱株式会社 TOKYO ROPE MFG. CO., LTD. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 2 true S100KKJ9 true false E01378-000 2021-02-04 xbrli:pure

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1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名 称  日本製鉄株式会社

所在地  東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 

2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式 

3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1) 本公開買付けに関する意見の内容

当社は、公開買付者より2021年1月22日に開始された当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)について、反対いたします。つきましては、株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募されないようお願い申し上げますとともに、既に応募された株主の皆様におかれましては、速やかに本公開買付けに係る契約の解除を行って頂きますよう、お願い申し上げます。

(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

1) 本公開買付けに関する意見形成の経緯

本公開買付けは、事前協議の機会もないまま、当社に対して具体的な条件等に関して事前に何らの通知や連絡もなく一方的に開始されたものです。

当社は、2021年1月21日になされた公開買付者による突然の本公開買付けの公表を受け、本公開買付けに対する当社の意見を表明することに向け、その翌日に提出された公開買付届出書(以下「本公開買付届出書」といいます。)の内容その他の関連情報を直ちに精査し、慎重に評価・検討を進めました。

しかしながら、本公開買付届出書の記載内容を含め、当社が入手することができた情報のみでは、本公開買付けの目的、本公開買付けが当社の企業価値の向上及び株主共同の利益に資するか、本公開買付け後の当社の経営方針に関する公開買付者の意図その他の本公開買付けの是非及びその諸条件について評価・検討する上で重要と思われる事項が明らかではありませんでした。

そのため、当社取締役会は、本公開買付けの是非及びその諸条件等に関し、本公開買付けが当社の企業価値の向上及び株主共同の利益に資するのかといった観点から、引き続き、本公開買付け等について情報の収集に努めるべきであると考えるに至り、法に基づく意見表明報告書における公開買付者に対する質問の制度を用いて本公開買付け等に関する正確な情報収集を早期に実施すべきであると判断いたしました。2021年1月27日開催の当社取締役会において、本公開買付けが当社の株主共同の利益はもとより、当社のすべてのステークホルダーの皆様の共同の利益、及び、創業会長である渋沢栄一翁が掲げた当社の経営理念である「共存共栄」を実現しうるのかといった観点から、更なる評価・検討を行うために明らかにされるべき事項を、特に重要な点に絞って公開買付者に対する質問として記載した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)を提出することを決議いたし、同日中に、本意見表明報告書を関東財務局長に提出し、その写しを公開買付者に送付しました。

公開買付者は、法第27条の10第11項及び同法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)第13条の2第2項に従い、本意見表明報告書の写しの送付を受けた日から5営業日以内に、本意見表明報告書「7 公開買付者に対する質問」に記載された質問(以下「2021年1月27日付質問事項」といいます。)に対して、法27条の10第11項に規定される対質問回答報告書を提出しなければならないことから、2021年2月3日、対質問回答報告書(以下「本対質問回答報告書」といいます。なお、以下本対質問回答報告書の頁数を記載する場合、本対質問回答報告書の別紙の頁数を意味します。)を関東財務局長に提出し、2021年1月27日付質問事項に対する回答を行いました。

当社は、公開買付者から提出された本公開買付届出書及び本対質問回答報告書並びに当社が収集した本公開買付け及び公開買付者に関する情報を基に、公開買付者の提案を詳細に評価・検討いたしました。その結果、本公開買付けが成立すると、株主共同の利益はもとより、当社のすべてのステークホルダーの皆様の共同の利益が毀損される恐れ、及び、当社の経営理念「共存共栄」を実現することができない恐れが生ずるとの結論に至り、2021年2月4日、当社取締役会において、社外取締役兼独立役員である2名を含む取締役全員の一致により、本公開買付けに反対し、株主の皆様へ応募を推奨しない旨を決議いたしました。

なお、上記取締役会において、社外監査役兼独立役員である2名を含む監査役全員が、本公開買付けに反対し、当社の株主の皆様には本公開買付けに応募されないようお願いする旨の意見を表明することに異議がない旨を述べております。

2) 本公開買付けに関する意見の理由

当社は、公開買付者が当社と利益が相反する鉄鋼線材サプライヤーとして利潤を追求する立場にあり、本公開買付けにより公開買付者の当社への影響力が高まることで、却って、株主共同の利益はもとより、当社のすべてのステークホルダーの共同の利益の毀損につながりかねないと判断しております。

この点を明らかにすべく、当社は2021年1月27日に公開買付者に対して質問を行いました。しかし、本対質問回答報告書において、公開買付者は、当社への材料供給に関する質問(6)に対して「これまでと同様の公正な取引関係を継続していく」(本対質問回答報告書(4頁)回答(6))と述べる一方、当社の経営の独立性維持に関する質問(9)に対しては、「経営の独立性の意味合い」や「公開買付者からの役員派遣の予定」に関する明確な回答をしておりません(本対質問回答報告書(5頁)回答(9))。そのため、本公開買付け後の当社の独立性の維持については、その確証が全く得られておらず、本公開買付け成立後に、公開買付者の当社に対する影響力が強まることを懸念しております。つまり、本公開買付けの成立により、当社の購買における自由度が制限され競争力・収益力が減退する恐れがある点、及び当社の多様な事業ポートフォリオを阻害する可能性も否定できない点が懸念されます。

これらが株主を含む当社のすべてのステークホルダーの共同の利益に対して将来的に影響を与え続けることで、当社の創業会長である渋沢栄一翁が掲げた「共存共栄」という経営理念を実現できない恐れがあると判断し、本公開買付けに反対します。

一方で、当社にとって公開買付者は重要な取引先でもあり、また長年の協業パートナーでもありました。当社は今後も、当社の掲げる「共存共栄」という経営理念の実現、すなわち、株主・公開買付者を含むお取引先様・地域社会・従業員といった当社のすべてのステークホルダーの皆様の将来的な共同の利益の向上を共に実現していくことを前提とした具体的なご提案をいただけるのであれば、これを前向きに受け止めて公開買付者との協議に応じていきたいと考えています。しかし、その協議の前提として公開買付者による当社株式の買増しが必要であるとは当社は考えておりません。

以下、反対理由を詳述します。

① 公開買付者と一般株主の皆様との関係性

公開買付者は、当社の株主の皆様と利益相反する立場にある。

本公開買付届出書第1[公開買付要項]3[買付け等の目的](2)①「ウ 両者の関係」に記載のとおり、公開買付者は当社の主要製品の原料である線材を供給する母材メーカーであります。すなわち、公開買付者は、当社の株主であると同時に鉄鋼線材サプライヤーの立場にあるのであって、かかるサプライヤーの立場との関係においては、当社の企業価値の向上及び当社の株主の皆様と利益相反する関係にあります。公開買付者は、2020年7月9日最終更新のコーポレートガバナンス報告書の「政策保有株式に係る議決権の行使に関する基本方針」において、「保有先企業の株主総会議案が当社及び投資先企業の企業価値の向上に寄与するか否かを総合的に判断して行使する」と記載し、議決権行使にあたっては「投資先企業の企業価値」だけでなく公開買付者自身の企業価値も考慮するとしています。これは保有先企業の企業価値向上に資するかという観点だけではなく、保有先の株主としての立場のみならず、サプライヤーという立場も考慮した上で公開買付者の企業価値が向上するかも含めて判断するということを言明しているものですので、純粋な当社の株主の皆様とは明らかに利益相反の関係にあることに留意が必要です。

しかも、本公開買付けによっても、当社を公開買付者の持分法適用会社にしないとのことであり、そうだとすれば、当社業績に関する事業リスクが公開買付者の業績に反映されない状態を本公開買付け後も維持することができるため(当社の業績の悪化が公開買付者の業績に反映されないため)、当社の企業価値及び株主共同の利益よりも、サプライヤーとしての公開買付者の利益を追求する恐れが将来に渡って継続することとなります。

② 当社の競争力・収益力への影響

公開買付者以外のサプライヤーからの線材調達が困難となり、当社競争力及び収益力を減退させる。

当社の主たる事業である線材二次加工製品の製造・販売においては、主材料である線材の品質及びコストが当社製品の品質及びコストに直ちに大きく影響します。そのため、当社の主たる事業である線材二次加工製品の製造・販売事業の存続においては、当社製品の安定供給を維持しながら、その品質を向上せしめ、競争力のある販売価格を設定するために、当社製品の主材料である線材の選択にあたって、品質はもとより安定供給・BCP・SDGsの観点を含めて総合的に判断することが求められます。それには、とりわけ、幅の広い選択肢が常に維持されていることが必要であり、主材料でありコストに占める割合が高く利益への影響が大きい線材の購買自由度の確保が不可欠であります。なお、かかる問題意識から、かねてより海外線材の利用促進に力を入れてまいりましたが、その取組が奏功して技術開発やお客様側での承認などが完了して徐々に海外線材の利用比率を高めようとし始めていた矢先に本公開買付けが実施されたことを付言いたします。

もとより、当社の線材の購買量に占める公開買付者からの購買量の比率は極めて高い状況にあり、本公開買付けによって公開買付者の当社への影響力がこれ以上強まると、購買先の選択のみならず、購買の価格、量などの購買条件の決定におけるイニシアティブが公開買付者に事実上委ねられる恐れがあり、当社の主たる事業である線材二次加工製品のコスト競争力及びBCPで重大な懸念が生じることになります。

そして、それがひいては、当社の主たる事業である線材二次加工製品の市場での競争力と収益力を減退せしめ、もって、当社の企業価値を毀損し、株主共同の利益のみならず、当社のすべてのステークホルダーの将来的な共同の利益を損なう事態を招来する恐れがあります。

前記「2) 本公開買付けに関する意見の理由」にて指摘したとおり、本対質問回答報告書における回答では、本公開買付け後の当社の独立性の維持については、その確証が全く得られておらず、本公開買付け成立後に、公開買付者の当社に対する影響力が強まることを懸念しております。

③ 当社の成長戦略への影響

当社の鉄以外の新素材に重点を置く成長戦略が阻害される。

線材二次加工製品は成熟産業であり、品質競争は高水準で高止まりし、価格競争がその激化の一途にあります。そのため、当社は、鉄以外の新素材に活路を見出し、中長期の成長戦略において鉄以外の新素材に重点を置いております。

一方で、公開買付者は、本公開買付届出書第1[公開買付要項]3[買付け等の目的](2)①「ア 公開買付者の概要」に記載のとおり、鉄及びその関連事業を主たる事業として堅持し、『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』の実現を志向することを掲げています。

鉄以外の新素材に活路を見出し、鉄以外の新素材に重点を置く当社の中長期の成長戦略は、『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』の実現を掲げる公開買付者の志向するところと相違する部分も多く、本公開買付けにより公開買付者の影響力が強まると、このような当社の中長期の成長戦略推進が阻害されることとなり、その結果、当社の企業価値が毀損し、株主の皆様をはじめとする当社のすべてのステークホルダーの将来的な共同の利益を損なう事態を招来することになります。

炭素繊維複合材ケーブル製品(以下「CFCC」といいます。)事業について問題視する公開買付者の指摘が当社の認識に反することは後記3) ① c)に詳述するとおりであり、明治30年代初頭に鋼索事業(スチールロープ事業)に挑戦した当社の先達がその当時の収益事業であった麻ロープで得た利益を惜しみなく鋼索事業に投資したからこそ、現在の当社があります。CFCC事業への投資はこのような当社創業時から存在する進取の精神に基づくものであり、将来の当社の企業価値及び株主の皆様をはじめとする当社のすべてのステークホルダーの将来的な共同の利益の源泉であると強く確信しております。

④ 当社の信用・名誉及び企業価値への影響

本公開買付けの前提とされたものが事実に反し、黙過すると徒に当社の信用を貶め毀損するものである。

前記③のとおり、当社は、成熟産業にあって持続的に企業価値を向上させることができるように、多少のリスクを伴うものであっても、将来的な事業の柱を育成すべく、新規事業等に果敢にチャレンジすることを経営方針に掲げ、これを実行しております。その一つがCFCC事業であり、同事業は、数年にわたる育成期間を経て、昨年11月の大型受注を契機として今後も成長が見込まれる事業であります。にもかかわらず、公開買付者はこれを「事業の失敗」と断じて本公開買付届出書で著しく論難しています。しかし、これは、当社の信用を貶めるのみならず、当社のこれからの成長事業の推進を著しく阻害するものであります。

また、公開買付者は、中国におけるスチールコード事業についても、実は2005年の事業開始当初から2018年3月に至るまで、公開買付者と当社との合弁事業であり、自らも長期にわたり合弁の経営方針や事業に関与してきたにもかかわらず、これを当社のみの「ビジネスの失敗」と断定しております。しかし、これは、読み手を誤導し、当社の信用を貶めるものであります。

さらに、公開買付者は、本公開買付届出書において、当社が工場財団に抵当権を設定したことを捉えて「対象者の財務状況が悪化しつつあることは明らかである」などと述べています。しかし、後記3) ① e)において詳述するとおり、コロナ禍で先行き不透明な中、手元資金の流動性と安定性を高める観点から、既存融資を取りまとめてシンジケーションローンの手法で借り換えるに際し、担保を活用して利払いの負担を抑制したものであり、当社の財務状況が悪化したために工場財団抵当を設定したという事実は断じてありません。

⑤ 本公開買付けの手法の妥当性

本公開買付けが一方的かつ不可解なものである。

当社は、1963年に公開買付者の前身たる八幡製鐵と橋梁用ケーブルにて協業を開始し、以後、公開買付者とは約60年もの長い年月をかけて様々な分野で協力し信頼関係を構築してきました。その間、当社は、協業に関する協議はもちろんのこと、公開買付者に対する定期的な決算報告や合弁会社に関する協議、線材の価格交渉などを通じて、公開買付者とのコミュニケーションを積極的に図ってまいりました。このような関係にある両社間にあって、当社に経営上の問題やガバナンス上の問題があるとご認識なのであれば、そうした懸念を当社の経営陣に対して直接お伝えいただくなど、株主として建設的な対話を通じて改善を促すのが、コーポレートガバナンス上、本来あるべき姿と信じます。しかし、公開買付者は、かような建設的な協議・対話を一切行うことなく、2020年10月より、当社経営陣からの面談の依頼や架電に応えていただけなくなり、突然、本公開買付けを一方的に開始されました。当社は、この点について、公開買付者に対し質問をいたしましたが、本対質問回答報告書においても合理的な説明がなく、まったく不可解であります。

公開買付者は、そのコーポレートガバナンス報告書において、政策保有株式に関して、「政策保有に関する方針」として、「これまでの事業活動の中で培われた国内外の幅広い取引先・提携先との信頼関係や協業関係の維持・発展は極めて重要と考えて」いると述べておられますが、事前協議もないままに、本公開買付けを突然かつ一方的に開始されたことは極めて遺憾であります。

また、本公開買付届出書全体をみれば、公開買付者が、本公開買付け終了後に「新たに社内人材を対象者の取締役として選任する」などして当社の経営体制に強い影響力を及ぼそうとしているのは明らかであります。にもかかわらず、本公開買付けでは、買付予定数の上限が1,625,500株(所有割合にして10.0%)と極めて低く設定されており、公開買付者は、本公開買付け終了後においても当社を持分法適用会社にすらしないとのことです。このような矛盾をはらむ本公開買付けをなぜ今行わなければならないのか、その理由もまったく理解できません。

さらに、本公開買付けの買付価格にプレミアムが付されているといっても、わずか10.0%の所有割合を保有する一部の株主しかこれを享受することはできず、株主の皆様が応募してもこれを享受できる保証はありません。したがって、当社の大多数の株主様にとっては、本公開買付けの成立に伴う利益を享受できないばかりか、本公開買付けが成立した場合は、前記2) ①乃至③において詳述したとおり、当社と利益相反関係にある大株主の影響力が高まることで、一般株主の皆様を含む当社のステークホルダーにとっての将来的な共同の利益を損なう懸念が払拭できないため、本公開買付けは妥当ではないと考えております。

⑥ 本公開買付けの趣旨と直前の市場買付け行為の不整合

直前の株式買増しが本公開買付けの目的に整合しない。

公開買付者は、本公開買付けの目的の一つに、株主の皆様への適切な売却機会の提供を掲げております。その一方で、公開買付者は、当社株式を本公開買付けの直前の2021年1月6日に161,000株、同年1月14日に299,500株、合計460,500株を市場内において予め取得し、所有割合を+2.83%増加させております。本公開買付届出書に公開買付者が自ら記載している趣旨に則り、当社株主の皆様への売却機会をより広く提供するのであれば、このような事前の買増しを行わずに460,500株を本公開買付けで取得する株数に含めるべきと考えます。当社はこのような問題意識に基づき、公開買付者に対して、2021年1月27日付質問事項において今回の手法を選択された理由や目的を質問いたしましたが、公開買付者は、「適切な売却機会の提供」という従前の回答に終始され(本対質問回答報告書(3頁)回答(4))、当社が首肯しえる回答を頂戴できませんでした。そのため、当社といたしましては、公開買付者が本公開買付けに先立って460,500株を取得することで、プレミアムを付す株数を意図的に減じて資金負担を低減する方法を選択したと思料され、公開買付者が掲げる「株主の皆様への売却機会の提供」という本公開買付けの目的に対して疑念を感じざるを得ず、本公開買付け自体が不可解であると言わざるを得ません。

加えて、公開買付者は、本公開買付けを実施した理由を「30営業日として設定された公開買付期間中に対象者の株主の皆様に公開買付者の考え等を十分にご検討いただく機会を提供できる」からとも説明していますが(本対質問回答報告書(3頁)回答(4))、かかる理由と、上記の株主の皆様への適切な売却の機会の提供という目的は両立するのですから、公開買付者は事前の買増しを行わずに465,000株も本公開買付けの対象にすべきであったと考えます。

⑦ 小括

本公開買付けは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の毀損につながる。

このように、公開買付者は、当社にとって重要なパートナーである一方、線材の購買においては利益相反の関係にあります。本公開買付けが実現すると、利益相反となる公開買付者の強い影響力行使が可能となる一方、当社を持分法適用会社にせず、当社業績に関する事業リスクを取らないことから、当社利益や株主共同の利益よりも、線材販売等を通じた公開買付者の利益が優先されるなどの懸念があります。

以上より、当社は、本公開買付けは、当社の株主の皆様の共同の利益はもとより、当社のすべてのステークホルダーの皆様の共同の利益を毀損し、もって当社の経営理念「共存共栄」を実現することができない恐れが高いと判断し、本公開買付けに反対し、当社の株主の皆様には本公開買付けに応募されないようお願いする旨の意見を表明するに至りました。

3) 本公開買付届出書中の真実でないか又は正確でない記載

公開買付者が本公開買付届出書第1[公開買付要項]3[買付け等の目的](2)「本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」「エ 対象者の現状及び問題点」の記載(以下「本件記載」といいます。)の中で、当社の現状又は問題点として指摘されている内容に真実でないか又は正確でないものが多くあり、株主の皆様をミスリードする恐れがあることから、極めて問題があると考えております。重要なものを挙げると、以下のとおりです。

① 「業績不振及び財務健全性の悪化」との指摘について

a) 業績低下は急激な市場環境の変化に起因する

公開買付者は、本件記載中の「(ア) 業績不振及び財務健全性の悪化」において、「(ⅰ) 前中期経営計画の未達」と「(ⅱ) 業績不振の継続及び事業の失敗」を指摘しています。計画未達並びに収益減の結果については、当社として真摯に受け止めております。しかしながら、公開買付者からの各種指摘に関して、これらは数値比較のみに終始した極めて表面的な批判であり、実績値に至るまでの背景にある国際情勢や市場動向といった外部環境の変化などを考慮しておらず、不適当と考えます。

公開買付者は、「(ⅱ) 業績不振の継続及び事業の失敗」の冒頭で「2016年3月期から2020年3月期に至るまで、売上高対比でほぼ一貫して前年を割込んでおり」と指摘していますが、公開買付者自らが引用しているとおり、当社の売上高推移は、2016年3月期の65,281百万円から2020年3月期の63,090百万円となっており、5年間で▲3.4%の微減に留まっております。しかも、2020年3月期の売上高には、米中貿易摩擦やコロナ禍による経済情勢の悪化が少なからず含まれております。2020年3月期は、多くの上場企業が米中貿易摩擦やコロナ禍の影響で減収の傾向にあったと思料され、このような環境変化を論じずに数字のみの比較に依拠して批判を行っても、適切に事実を取らえることにはならず、環境変化や他社比較などを踏まえたより広い視野で比較を行えば、当社の業績不振が際立っているという主張には至らないと考えております。

第一に売上高を確認いたします。

以下のグラフは、線材製品協会が公表する国内鋼索メーカーの出荷量推移(暦年)です。同業他社の売上高も2015年から減少傾向にあり、2019年は2015年比で▲8.4%の減少となっております。当社の鋼索鋼線事業セグメントも例に漏れずこの傾向を受けており、2016年3月期の当セグメントの売上高は28,788百万円に対し、2020年3月期は27,266百万円と、▲5.3%の減少となっておりますが、CFCCなどの新規事業を含む開発製品セグメントなどの売上高を伸ばすことで、当社の全社売上高の同期間における減少率は、▲4.2%に止まっております。

第二に利益面を確認いたします。

公開買付者は、本件記載中で「2020年3月期には約26億円の純損失を計上する等、対象者は大変厳しい状況に置かれている」と記載しております。しかし、2020年3月期は446百万円の経常黒字であり、26億円の純損失を計上した要因は、会計基準に則り特別損失に減損等評価損失29億円を計上したことによるものです。当該評価損失29億円の中には、2020年4月2日付「2020年3月期有価証券評価損に関するお知らせ」にてお知らせしております、「2020年3月期(2019年4月1日から2020年3月31日まで)の1,147百万円の有価証券評価損」が含まれておりますが、この1,147百万円の有価証券評価損のうち391百万円は、当社が保有する公開買付者の普通株式に対する評価損計上によるものであります。このように、2020年3月期の各決算数値には急激な株価の下落による有価証券等の各種評価損など、米中貿易摩擦やコロナ禍による経済情勢の悪化が少なからず含まれており、これは当社だけの特殊要因ではないことが明らかです。そのことは、当社に対する金融機関の融資姿勢がこの一年間で基本的に変わっていない点からも確認でき、3) ① e)にて詳述する通り、当社は100億円の借り換えを有利に融資実行できております。

第三に、株価との比較を行います。

公開買付者は、2015年4月1日からのTOPIX、東証業種別株価指数(金属製品)の動きと当社株価の動きとを比較して、当社が「株価の面で市場から特に厳しい評価を受けている」と述べておりますが、この比較は不適切と考えます。まず、東証業種別株価指数(金属製品)には、半導体用シリコンウェハ製造会社、大手建材メーカーなどが含まれており、必ずしも当社が属する業界の動向を色濃く反映しているとは言えません。また、TOPIXや東証業種別株価指数(金属製品)は、時価総額加重方式を採用しており、時価総額の大きな銘柄の変動がより強く反映され、当社が属するような二次加工メーカーは相対的に時価総額が小さく、この点においても当社が属する業界の動向を色濃く反映しているとは言えないと思料されます。

これらのことを確認するために、公開買付者が示したグラフと同様に、以下のグラフにおいては、2015年4月1日の株価を100としてその推移を並べつつ、東証業種別株価指数(金属製品)と当社の株価に加え、当社と業容が類似するとされている神鋼鋼線工業、及び、参考値として公開買付者の株価を追加しております。

この結果、本公開買付けの報道を受けて当社の株価が高騰する前の2021年1月21日の終値時点で、当社の株価は57.0ポイントとなっており、神鋼鋼線工業の株価の53.7ポイントや公開買付者の株価の45.3ポイントよりも高くなっております。

公開買付者が本件記載にて分析したTOPIXや東証業種別株価指数(金属製品)との比較による株価の分析は、当社や公開買付者が属する業界内での個別企業の経営努力を測るという主旨の分析においては有用な方法ではない可能性も十分にありえると考えております。

以上のように、公開買付者が本件記載にて行っている問題点の指摘は、外部環境の変化などを含む様々な経済情報を考慮外として定量情報のみを根拠とし、その定量情報の分析においてもある一面から分析する傾向が強く、適切さを欠くといわざるを得ません。

このような指摘傾向は、本件記載中の「(ⅰ) 前中期経営計画の未達」等において行われる当社の中期経営計画「TCT-Focus2020」(以下「当該中期経営計画」といいます。)に対する批判にも当てはまり、これらの指摘もまた不適当と考えます。

当該中期経営計画が未達となった結果に対して、当社として真摯に受け止めております。しかしながら、期間中の諸施策を批評するためには基本コンセプトの理解が第一であり、当該中期経営計画の基本コンセプトは、「各事業、各子会社において新たなることに挑戦し、その挑戦を通じて弊社グループの全事業を活性化すること」にあります。新技術に挑んだ事業部もあれば、新市場の開拓に挑んだ子会社もあり、当該中期経営計画は極めて意欲的なものであった点は、批判を行ううえで十分にご留意いただく必要があります。

新たなことに挑戦する際には、一定の仮説や前提をおいて事業構想を練り、実行計画に落としていく方法が一般的です。この作業において前提とした外部環境が当初想定から劇的に変化したことが、当該中期経営計画が未達となった主要因と考えております。様々な想定外が発生しており、世界的なものでは、5カ年の序盤にあたる2015年に発生した原油価格の下落と以降の産油国経済の低迷、中盤では米中貿易摩擦、終盤ではコロナ禍などがあります。局地的なものでは、インドネシア案件における用地買収の遅延や中国における太陽光発電促進政策の急激な方針転換等が挙げられます。当該中期経営計画は、挑戦を主眼においたことで、こういった外部環境の変化に対する感応度が高い計画であったことは否めない点ではありますが、このような意欲的な計画に挑戦することは成熟産業に属する当社にとって不可欠な経営判断と考えております。加えて、計画を策定した2015年5月時点で上記のような想定外を的確に予測することは至難であったと考えられ、同時期に策定された国内上場会社の中期経営計画でこれらの発生を織り込んだものは、我々が調査した限りにおいては、存在しませんでした。

5年前に一般的に予測し得る外部環境の変化とこの5年で発生した現実との乖離に対する認識、及び、意欲的な計画を策定することもまた経営方針の一つであるとの認識を踏まえれば、当社の経営方針が、公開買付者が主張するような疑念を抱かれるようなものでない点はご理解いただけると考えております。

b) 収益改善対策の追加実施

当社といたしましては、外部環境等の変化による収益悪化に対して、公開買付者が指摘するように経営上の問題を放置していたわけでは決してなく、収益改善対策を各種講じてまいりました。

第一に、構造的改革の取り組みがあります。具体的には、鋼索鋼線事業における拠点の再編として、子会社である赤穂ロープ株式会社からの製品販売を終了することで、各拠点の製販の整流化を図り、工場操業の改善を進めています。スチールコード事業においては抜本的な構造改革として、2018年3月まで公開買付者との合弁事業であった中国拠点から撤退しました。経営資源をスチールコード国内拠点に集約するとともに、競争力あるグローバルメーカーとの合弁化による大規模合理化投資の実施により、生産性向上、省エネ、省人化を図っております。

第二に、既存事業における新商品開発、新市場開拓の売上の取り組みがあります。具体的には、鋼索事業の分野ではコンテナクレーン用の高性能ワイヤロープを開発して伸長著しい東アジア地域のコンテナポートに拡販し、一方で米国には索道用ロープの市場開拓を進めて来ました。橋梁分野では、ルーマニアの超大橋のメインケーブル、ハンガーロープを受注しております。防災製品の分野では、暫定二車線の高速道路における対面衝突防止用に中央分離帯ガードケーブルを開発・販売し、さらに直近では豪雨災害の被害軽減のための土砂災害対策製品やアクリル止水板などを開発しております。これらの中にはすでに収益貢献できているものもあれば、今後の収益貢献が見込まれるものもあります。

第三に、コストダウンに向けた取り組みがあります。具体的には、鋼索鋼線事業では大型伸線機、撚線機を導入して設備集約を行うことで生産性向上・省人化を進めていますし、各事業とも主材料、副資材、機械、工器具備品などの調達先の多様化、内製化などにより調達コストの削減を推進してまいりました。また、間接経費の縮減においても、経営責任を果たす観点から役員報酬減額を実施するほか、各削減施策を実施しております。

以上のような収益改善対策の結果、当下期には相応の業績回復が見込まれております。一方、ここまで進めてきた材料調達先の多様化は当社の最重要施策の一つであり、本公開買付け後に材料調達の自由度が抑制されるようなことは、当社の収益改善を阻害し株主価値の毀損につながることが非常に懸念されます。

c) CFCC事業の現状

当社は、創業以来長年に亘って培ってきたロープ状製品の加工技術を有しており、その高い技術を活かして、繊維ロープからワイヤロープ、スチールコード、道路安全施設等へと事業の幅を広げ、取引先のニーズに応えてまいりました。当社としては、素材にこだわらず、当社の技術を最大限に活用し、「トータルケーブルテクノロジー」(以下「TCT」といいます。)の追求と提供を理念に掲げ、様々な製品開発に取り組んでいます。これにより、ケーブル総合企業として、長期的視点に立った事業領域の拡大や発展に努めております。

CFCCについても、長年に亘り研究開発を続けた結果、量産技術を確立する一方、コンクリート補強材や架空送電線として相応の需要が見込めると判断し、TCTの基幹となる事業として本格的に事業化いたしました。新しい市場への新製品の投入であること、特に、コンクリート補強材、架空送電線の両分野とも、各国の最も重要なインフラに関わるため、各国独自の基準に沿った認証手続き等が必要であることから、当初見込みより時間を要しております。

しかし、CFCCを使用したプレキャストPC床版の開発や、2018年には米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO)において、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を緊張材として橋梁に用いる場合の設計指針が承認されるなど、各取り組みが実現し、米国の橋梁案件を中心に着実に実績を積み上げてきた結果、2020年11月の米国ハンプトンロードブリッジトンネル拡張という大型事業で、当社製のCFCCが採用されるに至りました。

また、架空送電線の分野においても、インドネシア、北米、ブラジル、インド、タイと各国で実績を積み上げております。

CFCC事業への投資については、中長期的な当社発展に向けての新規事業育成の必要性と当社経営体力を総合的に勘案し、都度適切に判断し進めておりますが、コロナ禍が世界規模で拡大する中で予測が困難な状況となったため、会計基準に従って、2020年3月期に減損の判断に至ったものであります。

しかしながら、これが直ちに「事業の失敗」を意味するものでは決してありません。

米国全体で60万橋ある橋の20%が老朽化により更新・再建が必要と言われている他、インフラ未整備の国々での新規インフラ投資需要も進展する中、上記の米国大型案件への参画を機に、米国他案件や他国でのCFCC採用に弾みがつくことが期待できます。また、架空送電線分野でも、グローバル標準制定の流れが進んでおり、当社で既に実績のあるインド、ブラジル、米国等でも、標準化の動きが加速しています。

国内既存事業の市場は総じて縮小傾向にある中、当社としては次世代の事業の柱となる成長戦略の育成が必須であります。ケーブル総合企業として、お客様のニーズに幅広く対応する為、CFCCはまさに次世代の事業の柱となり得る事業です。事業領域の拡大による中長期的発展と企業価値向上の観点からも、当社にとって必須の取り組みと考えておりますが、本公開買付けの成立により、公開買付者が当社の経営資源の配分を鉄に集中するよう誘導し、鉄以外の素材における新規成長戦略の推進が阻害され、長期的視点に立った当社独自の企業価値向上が毀損されることを懸念しています。

d) スチールコード事業の現状

(ⅰ) 中国スチールコード事業

公開買付者から指摘のある当社海外子会社であった東京製綱(常州)有限公司(以下「TRCZ」といいます。)は、主に当社と公開買付者の合弁企業(設立時出資比率 当社約52%、公開買付者約40%、その他約8%)である東京製綱海外事業投資株式会社を通じて、2005年設立した中国法人です。

当社と公開買付者は、モータリゼーションの高まりと高速道路網の整備が進む中国で、拡大が見込まれるスチールコード市場を捕捉し、中国線材を使用するローカルメーカーとの差別化により、事業展開を企図しておりました。しかし、客先の高品質化への動きが鈍く、また、同業他社が多用する安価中国線材の品質がそれなりに向上してきたこともあり、品質での差別化戦略が図れず、タイヤコードの収益性は厳しい状況が継続しました。一方、当社北上工場(現在の東綱スチールコード株式会社)では、収益性の極めて高いソーワイヤ(太陽光発電用シリコンインゴット切断用ワイヤ)事業が拡大し、収益を支える構図となっていたことから、太陽電池生産が急拡大していた中国に展開することで、TRCZの収益性を高める施策を講じました。その結果、2011年の年央にはTRCZにおける累積損失を解消しましたが、2011年後半に入ると、欧州に端を発した太陽光発電関連産業の不況と、前年からの新興勢力急拡大が重なり、ソーワイヤマーケットは一気に供給過剰状態に陥り、再度、TRCZの収益が圧迫されました。このような状況下、TRCZの収益改善のため、タイヤコードの選別受注や収益性の高い更なる細径ソーワイヤ(コアワイヤ)の拡販を行うなどの対策を講じた結果、赤字幅は縮小しました。

しかし、2018年5月に中国政府の太陽光発電関連産業に対する補助金制度の大幅見直しにより、コアワイヤの収益が急激に悪化し、日本資本のみでの経営継続は困難との判断に至りました。合弁パートナーである公開買付者や顧客に説明の上、現地パートナーとのアライアンスを模索したところ、2018年に候補先が出現したことから、公開買付者と協議した結果、既存の合弁事業を解消し、公開買付者保有の株式を買い取りました。

公開買付者からは、当社による事業撤退の判断が遅きに失したとの見解が示されておりますが、合弁期間中を通し、公開買付者にも合弁会社の意思決定の議論に相当の関与をいただき、適宜ご相談、ご了解のもと事業構造改革を実施してまいりました。

その後、米中貿易摩擦の影響から新アライアンスが頓挫したこと、更には、コロナウィルスの影響に伴う顧客の操業停止などにより受注が減少したことを受け、事業構造改革の一環としてTRCZ並びにその持株会社である東京製綱海外事業投資株式会社を、コロナ禍で現地への渡航が叶わないにも関わらず、現地と連携して迅速に売却処分することで、2020年度上期内に中国事業の損失を止めることができました。これにより、当下期のスチールコード事業の収益は改善しております。

(ⅱ) 国内スチールコード事業

一方、国内スチールコード事業に関しては、グローバル化が進行したこともあって海外の量産安価スチールコードの輸入が拡大しており、販売価格維持が難しい状況になっています。そこで、当社は収益性の高いコアワイヤを拡販することで事業全体としての収益を確保してきましたが、前記(ⅰ)の中国政府の太陽光発電関連産業への補助金見直しに端を発する大幅なリセッションにより、日本国内のコアワイヤ市場が急変し、大幅な赤字に陥りました。

これに対処するため、当社100%子会社の東綱スチールコード株式会社(岩手県北上市)では、従来単独で進めていた抜本的なコスト削減施策を、かねてより技術交流のある海外グローバルメーカーと合弁で行うことを決定しました。

本提携により、当該合弁パートナーの生産効率の高い先端製造装置や操業技術の知見を活用することが可能となり、大幅な生産性向上や人員削減が実現しつつあります。また、当該パートナーからの増資資金を得ることで、総額30億円規模の設備刷新が可能となりました。

更に、両社の強みを活かし相互補完的な協力関係を構築することで、将来的な競争力向上を目的とした「生産のデジタル化」「生産設備の自動化・無人化」を推進していく予定です。

既に省人施策や安価な海外製線材の導入などのコスト削減策により、収益改善効果が表れております。この効果と、不採算であった中国拠点撤退効果により、当下期はスチールコード事業の収益改善が見込まれており、2022年3月期にはスチールコード事業の黒字化を目標にしております。なお、そのためには、グローバル価格に基づいた調達コストの削減は必要不可欠であります。

e) 工場財団抵当設定経緯についてのミスリード

公開買付者は、本件記載中の「(ア) 業績不振及び財務健全性の悪化」「(ⅱ) 業績不振の継続及び事業の失敗」にて、「2021年1月4日には、当社の主要工場である土浦工場の土地及び建物について、9つの銀行に対する計100億円の借入債務を被担保債務とする工場財団抵当が設定されるに至っていることが確認され、このことからも、当社の財務状況が悪化しつつあることは明らかである」との考えを示されています。当該工場財団の設定だけで以て、あたかも既存取引行の当社に対する与信判断の悪化があったかのように「当社の財務状況が悪化しつつある」との結論を導いていますが、これは極めて不適切です。

公開買付者が指摘する工場財団抵当の被担保債務である「9つの銀行に対する計100億円の借入債務」は、既存取引銀行からの借り換えが主体です。コロナ禍で先行き不透明な中、手元資金の流動性と安定性を高める観点から、複数の銀行から個別に調達した既存融資を取りまとめてシンジケーションローンの手法で借り換えておりますが、その必要性は十分に首肯し得ると考えます。加えて、その際に、短期融資から長期融資に切り替えることなどで生じる利払いの負担を抑制する目的で工場財団抵当を設定したものでありますが、これは担保を活用して利払いの負担を抑制する当社の戦略的判断によるものであり、その判断にも経済合理性があり、融資契約時の外部環境や経済情勢を踏まえた場合、当該契約が経営判断として最適解の一つであったと認識しております。断じて、当社の財務状況が悪化したために工場財団抵当を設定したものではありません。

にもかかわらず、あたかも100億円すべてが新規借入であるかのようにも読み取れる記述が本件記載でなされております。当社の事業性維持に十分に配慮いただいているのであれば、当社のステークホルダーの皆様(当社の取引先様、従業員、他の株主等を含みます。)に与える不安・混乱等の影響を最小限にすべく、当社の信用に関する記述については細心の注意を払って推敲いただくだけでなく、必要に応じて当社に問い合わせるなどして十分な確認をするなど相応の配慮をすべきであったと考えております。

② 「ガバナンス体制の機能不全」との指摘について

公開買付者は、①取締役会長の代表取締役としての在任期間が約20年に及ぶこと、②社外取締役が取締役9名中2名にとどまり、当該社外取締役も1名は在任期間が約10年に及んでいること等をもって、取締役会として十分な独立性を備えておらず、そのことがガバナンス体制の機能不全を起こし、引いては当社の企業価値が毀損され続けているとの考えを示しております。

当社としては、上記①及び②でいう、取締役会長及び社外取締役の在任期間の長さについて、当社取締役の任期が1年であり、毎年の定時株主総会にて、選任権者である株主の皆様に経営の状況、在任期間や経営方針、社外役員の独立性に関する当社基準等を示したうえで正式に選任されている以上、在任期間の長さは株主のご信認の厚さの現れでこそあれ、期間の長さが不適切であるとの公開買付者の主張に首肯することはできません。

次に、社外取締役の員数が少ない、又は比率が低いとの主張については、株式会社東京証券取引所が発刊したコーポレートガバナンス白書2019 図表82(P84)によると、外国人株式所有比率10%以上20%未満の会社における独立社外取締役の員数は、0名が1.9%、1名が11.7%、2名が56.5%、3名以上の選任が30%であり、当社の2020年3月末現在の外国人株主保有比率は13.4%となっていることから、当社の2名が著しく低いとは言えません。また、同白書図表93(P91)では、当社株式が上場する東証第一部市場でも独立社外取締役を全取締役の3分の1以上選任している会社の割合が33.6%に留まっており、当社の事業規模、経営環境等に照らして、当社社外取締役が取締役9名中2名にとどまる事実のみで直ちに問題があるといえるものではないと考えております。

また、公開買付者は、多様性が不足していると当社自身が自認しているとの主張をされておりますが、当社の取締役及び監査役は、当社事業領域の知見を有するのは当然のこととして、金融機関や商社等の会社経営の経験者や弁護士といった幅広い経歴をバックボーンとした人材を登用しております。当社が2020年11月30日に提出したコーポレートガバナンス報告書で、「ジェンダー及び多様性の観点から取締役会構成を変更すべきかは今後の課題」と記載している趣旨は、現状を肯定したうえで、今後、事業構造の変革が進み、海外事業の比重が増大するなどの変化が具現化し、更なる多様化やジェンダーが課題となったときに対応していくべき事項との認識を示したものに過ぎません。

更に、当社取締役会の諮問機関として設置され、社内取締役2名、社外取締役2名で構成されている人事・報酬委員会について、公開買付者は、当社業績が低迷する中で2017年以降一貫して「企業価値向上に貢献している」ことを理由として、代表取締役会長及び代表取締役社長を取締役候補者として指名することが妥当と判断し続けていることを問題視しております。

本件に関して、近年の当社業績は、2012年度連結経常利益は▲3,529百万円と大幅な損失計上となったものの、速やかに経営改善を行い、2013年度連結経常利益は3,541百万円に回復し、2014年度の連結経常利益は4,444百万円と過去最高益を記録し、以後2015年度3,021百万円、2016年度2,989百万円、2017年度3,114百万円、2018年度908百万円、2019年度446百万円と推移しております。

2018年度以降の業績の低迷は、主として2018年度初頭に高付加価値製品であったコアワイヤが中国政府の太陽光関連事業への補助金政策見直しによって突然の市場喪失という未曽有の事態に直面したことが主要因です。加えて、鋼索鋼線事業を始めとする既存事業についても漸減的な市場縮小傾向が続き、その傾向が当面続くものと見込まれるなど事業環境が厳しい状況下に晒されたことも影響しております。かかる状態を変えるべく、前記3) ① b)に記載の構造改革に即時に着手するとともに、これと並行して新たな事業の育成を更に加速させてまいりました。

新規事業の本格化に時間を要している面は否定できませんが、昨年11月公表のとおりCFCCの土木用途でのシンボリックな大規模プロジェクトへの参画が決定し、このプロジェクトを成功させることで、今後普及が本格化していくことが期待できます。2018年度以降経営成績が悪化したことは事実でありますが、一方でそのような環境下においても中長期的な企業価値向上を図る経営判断がなされなければ、CFCC土木用途の大規模受注も実現しえなかったことも事実であり、そのような観点から将来的な企業価値向上に貢献していると判断いたしました。

当社の人事報酬委員会委員である社外取締役は2名とも経営者であって経営に精通しておられます。その経営に精通した社外取締役が半数を構成する人事・報酬委員会が、以上の点を十分考慮した上で、当社の置かれた経営環境と現在為すべきことを適切に判断した上で、役員人事を定めているのであって、公開買付者が指摘する社外取締役の人数や在任年数の問題は極めて形式的で表層的なものであると言わざるを得ません。

以上のことから、当社のガバナンス体制が上場企業において機能不全となり企業価値が毀損しつづけているとの公開買付者の主張については、正鵠を射るものではないと言わざるを得ません。

なお、公開買付届出書に記載の当社グループ企業における決算公告の不備について、改めて点検いたしましたところ、決算公告の不備を確認いたしました。かかる状況を真摯に受け止め、今後、このような手続き面の不備が生じないよう、グループ各社との一層の連携強化を図ってまいります。

③ その他の当社見解と相違する記載について

a) 2017年5月中旬以降の公開買付者との面談の有無

本公開買付届出書第1[公開買付要項]3[買付け等の目的](1)「本公開買付けの概要」などにおいて、公開買付者は、当社の株主として、2017年5月中旬以降、当社経営陣との間で継続的に面談を行い、経営上の問題点の指摘を含め、当社の経営陣に対して経営改善を促した趣旨の指摘が随所に出てまいりますが、線材供給を受ける個別事業の相談や合弁事業であるTRCZに関する協議などの意見交換などを除き、公開買付者の経営陣から、当社の経営陣に対して経営全般の問題点に係る具体的な指摘や改善提案が行われた事実はございません(従業員については両社グループともに相当の数となるため確認の対象外としており、両社の従業員間でなんらかの意見交換があったこと等に対しては関知しておりません。)。むしろ、2017年5月以前より、当社から公開買付者へは当社決算のご報告や線材価格交渉、合弁会社に関する協議など面談の機会は都度ありましたが、2020年10月より、当社経営陣からの面談の依頼や連絡に応えていただけなくなったと認識しております。

b) 当社取締役の選任議案に関する各記載(時期・趣旨等)

本公開買付届出書第1[公開買付要項]3[買付け等の目的](1)「本公開買付けの概要」などにおいて、公開買付者が、当社の2017年6月27日開催の定時株主総会以降、継続して当社の取締役の選任議案に反対票を投じてきたとの記載が随所にあります。これらの記載は、公開買付者が経営上の問題を指摘し、経営改善を促すために当社の株主として議決権を行使したかのような印象を与えますが、実際には、当社の連結経常利益過去最高益(4,444百万円)を計上した2014年度ですら、公開買付者は、一部の取締役候補者の選任に反対票を投じていることからも明らかなように、当社の業績如何にかかわらず、公開買付者自らの意に沿わない取締役の選任に反対してきたものではないかと推察されます。なお、これまでご説明を申し上げたとおり、当社では近年、厳しい事業環境にある中で、既存の不採算事業からの撤退等の構造改革を進めつつ、同時に当社の企業価値の維持向上に必須といえる新規事業の育成を進めなければならないという課題に直面しておりますが、漸くその端緒が見えつつあります。公開買付者は取締役の在任期間の長さを問題視しておりますが、特に新規事業の育成には経営方針の一貫性が重要であることも株主の皆様にはご理解いただけるものと考えております。

以上、本公開買付届出書において当社の現状又は問題点として指摘されている内容には多々、真実でないか又は正確でないものがあります。このような誤った認識を前提にして、本公開買付けを実施することには改めて反対いたし、当社の株主の皆様には本公開買付けに応募されないようお願い申し上げます。

4) 公開買付期間終了後の当社の基本姿勢

これまで繰り返し言及してまいりましたとおり、公開買付者は、本公開買付け以前から、当社の筆頭株主であると同時に、当社の重要な取引先であるとともに長年にわたる協業パートナーでもあります。

当社は、本公開買付け後において、当社の掲げる「共存共栄」という経営理念の実現、すなわち、株主・公開買付者を含むすべてのお取引先様・地域社会・従業員といった当社のステークホルダーの皆様の将来的な共同の利益の向上を共に実現していくことを前提とする公開買付者からの当社の経営改善に資する建設的提案や新たな企業価値創出に向けた各種提案については、本公開買付けの成否に関わらず、これを前向きに受け止めて協議に応じたいと考えています。

(3) 上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所市場第一部に上場されております。本公開買付届出書によれば、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者は買付予定数の上限を1,625,500株として本公開買付けを実施し、本公開買付け成立後に公開買付者が直接又は間接に所有する当社株式の所有割合(注)は、最大で19.91%にとどまる予定であるため、当社株式は本公開買付け成立後も、東京証券取引所市場第一部における上場は維持される予定とのことです。

(注) 本公開買付届出書によれば、「所有割合」とは、当社が2020年11月13日に提出した第222期第2四半期報告書に記載された2020年9月30日現在の発行済株式総数(16,268,242株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(13,069株)を控除した株式数(16,255,173株)に対する割合(少数点以下第三位を四捨五入)を指しているとのことです。以下同じとします。

(4) 本公開買付け成立後の公開買付者による株券等の追加取得の予定

本公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限に達する応募があり、公開買付者が所有割合にして19.91%を所有するに至った場合には、本公開買付け後に当社株式を追加で取得することは現時点で予定していないとのことです。

一方で、本公開買付届出書によれば、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限に満たない応募となり、その結果、公開買付者が所有割合にして19.91%を所有するに至らなかった場合には、現時点においては具体的な対応方針は未定であるものの、市場動向等を総合的に勘案し、買付予定数の上限に満たなかった範囲で、市場取引等の方法により当社株式を追加的に取得することを現時点で予定しているとのことです。

(5) 公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等

公開買付者は、当社株式を長年保有しており、また、当社の主材料である線材の極めて高い割合を供給するサプライヤー、且つ、当社製品の販売先として公開買付者との間で深い関係を当社は構築してまいりました。しかし、本公開買付けは、当社との協議を経ずに一方的に開始されたものであり、本公開買付けに関して当社と公開買付者との間には何らの合意も存在しません。公開買付者は、本公開買付けを開始する直前に当社株式を市場で買い増し、所有割合にして9.91%を所有するに至っておりますが、かかる所有割合に至った公開買付者による当社株式の買付けは当社の要請又は同意に基づくものではありません。公開買付者と当社との間には、当社代表取締役会長ほか1名の取締役が公開買付者の出身者であるほかは、役員においては何らの人的関係も存在しません。ただし、従業員においては、複数名の公開買付者の出身者が在籍しております。取引関係においては、当社は公開買付者より各種線材や受託加工母材の仕入れ等を行っており、2020年3月期には、これらの材料の極めて高い割合を公開買付者から仕入れているという取引上の依存関係がございましたが、直近では、BCPやコスト削減の観点から調達先の多様化を進めており、その割合は低下しつつあります。なお、公開買付者は、当社の関連当事者にも該当しません。

従って、当社は、公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等を講じておりません。

(6) 公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

該当事項はありません。 

4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

(1) 普通株式

氏  名 役  名 職  名 所有株式数(株) 議決権の数(個)
田中 重人 代表取締役会長 49,347 493
浅野 正也 代表取締役社長 23,677 236
佐藤 和規 専務取締役 総務部管掌 21,172 211
幸野 誠司 専務取締役 経営企画部・人事部管掌 572 5
首藤 洋一 常務取締役 14,418 144
中原 良 常務取締役 スチールコード事業部長 7,655 76
堀内 久資 常務取締役 経営企画部長 経理部・内部監査室・環境安全防災室管掌 12,084 120
増渕 稔 取締役 4,330 43
駒井 正義 取締役 3,723 37
中村 裕明 監査役 39,084 390
小田木 毅 監査役 8,183 81
𠮷川 智三 監査役 1,208 12
林 俊雄 監査役 6,918 69
192,371 1,923

(注1) 役名、職名、所有株式数、議決権の数は、2020年9月30日現在のものであります。

(注2) 取締役増渕稔、駒井正義は、会社法第2条第15号に定める社外取締役であります。

(注3) 監査役小田木毅、𠮷川智三は、会社法第2条第16号に定める社外監査役であります。

(注4) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。 

5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

7 【公開買付者に対する質問】

公開買付者に対する質問は以下のとおりです。なお、以下における「貴社」とは公開買付者を意味します。

(1) 本公開買付届出書では、「対象者の2017年6月27日開催の定時株主総会以降、継続して対象者の複数の取締役(社内取締役及び社外取締役を含みます。)の選任議案に反対票を投じてまいりました。」とあります。しかし、当社の記録によれば、貴社は、2013年6月開催の定時株主総会にて、取締役選任議案の一部につき反対票を投じ、それ以降、継続して一部取締役の選任議案に反対票を投じてきておられると認識しております。当社の認識に相違ないか、ご確認ください。

(2) 本公開買付けに関して、貴社がファンドや当社株主、当社の取引関係先、その他の第三者との間で、何らかの連絡、協議、合意、その他の意思連絡等をなされたか、なされた場合にはその具体的な内容をご教示ください。また、今後このような連絡、協議、合意等を行う予定がある場合は、その相手先及び内容等について、具体的にご教示ください。

(3) 本公開買付けが成立した場合、当社株式の流動性が低下することから、現在予定されている東証の市場区分変更により当社株式が割り当てられる市場区分に影響を与える可能性があります。これに対する貴社のご見解(2022年4月4日から実施予定とされる「流通株式」の定義見直しを見据えたご見解をお願いします。)、及びこのような事態が懸念されるにも拘わらず、当社株式を買い進む理由をご教示ください。

(4) 貴社は、本公開買付けを実施せずに、本公開買付けの買付予定数の上限である1,625,500株の当社株式を市場で買い進む方法もあったはずですが、その方法を採用せずに敢えて本公開買付けを実施した理由及び目的についてご教示ください。

(5) 事前に当社に対して当社株式の買付けについて何らの協議も申し入れることなく、突然、本公開買付けを開始することが、当社のステークホルダーの皆様(当社の取引先様、従業員、他の株主等を含みます。)にもたらす不安・混乱等の影響、ひいては、当社の企業価値に及ぼす影響について、いかなる評価・検討を行われたのかにつき、具体的にご教示ください。

(6) 実際に、本公開買付けの公表後、当社の顧客等から懸念の問合わせが来ております。具体的には、本件に対する当社の意見表明の内容によっては、貴社が当社への材料供給等に関して何かしら不利益を課すことを考えておられるのではないかとの懸念であります。このような懸念に対し、当社の主要サプライヤーである貴社は、どの様なご見解をお持ちか具体的にご教示ください。

(7) 本公開買付価格の決定に際して、価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しなかった理由につきご教示ください。

(8) 本公開買付けに要する資金及び事前の市場での購入金額の投資回収について、貴社が想定している回収期間及び回収方法などを具体的にご教示ください。

(9) 本公開買付届出書において、貴社は、当社の経営の独立性は維持すべきと考えている旨繰り返し述べておられますが、ここでいう経営の独立性とはいかなる意味か、具体的にご教示ください。特に、本公開買付届出書4頁においては「対象者を公開買付者の持分法適用会社としない」と明言しておられますが、これは、貴社から当社に対して役員を派遣する予定はないと理解してよいかご回答ください。

(10)本公開買付届出書では、企業価値向上を図る施策として、「サプライチェーンマネジメントシステムの共同利用による在庫管理の最適化」を挙げておられますが、できる限り具体的にこの内容をご教示ください。

なお、上記に類似する施策は既に貴社と当社との間で以前から実施されており、相当に当社の各工場における線材在庫は減少しております。まとまった費用削減効果、資金負担削減効果を得ようとすると、線材の供給システムを抜本的に見直し、在庫の回転日数を大幅に削減する必要があると考えます。よって、貴社の東日本製鉄所釜石地区(岩手県釜石市)と当社子会社の東綱スチールコード株式会社(岩手県北上市)との間での供給体制は輸送距離が短く改善が図りやすいのではないかと思料されることから、両工場間での取引を例に、どのような仕組によって現状の線材在庫の回転日数を何日から何日まで削減されるご構想を描いておられるかを、詳細にご教示ください。 

8 【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。