M&A Activity • Aug 6, 2025
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| 【表紙】 | |
| 【提出書類】 | 意見表明報告書 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2025年8月6日 |
| 【報告者の名称】 | 三井住友建設株式会社 |
| 【報告者の所在地】 | 東京都中央区佃二丁目1番6号 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 東京都中央区佃二丁目1番6号 |
| 【電話番号】 | 03(4582)3000 |
| 【事務連絡者氏名】 | 企画部長 田 中 徳 明 |
| 【縦覧に供する場所】 | 三井住友建設株式会社 本店 (東京都中央区佃二丁目1番6号) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) |
(注1) 本書中の「当社」とは、三井住友建設株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、インフロニア・ホールディングス株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において、計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は必ずしも計数の総和と一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注6) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、日本の金融商品取引法で定められた手続及び情報開示基準を遵守して実施されますが、これらの手続及び基準は、米国における手続及び情報開示基準とは必ずしも同じではありません。特に米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934。その後の改正を含みます。以下同じです。)第13条(e)項又は第14条(d)項及び同条の下で定められた規則は本公開買付けには適用されず、本公開買付けはこれらの手続及び基準に沿ったものではありません。
(注9) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものとします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部については英語で作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存した場合には、日本語の書類が優先するものとします。
(注10) 本書中及び本書の参照書類の中の記載には、米国1933年証券法(Securities Act of 1933。その後の改正を含みます。)第27A条及び米国1934年証券取引所法第21E条で定義された「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。公開買付者及び当社又はそれらの関連者(affiliate)は、「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等が結果的に正しくなることを保証するものではありません。本書中及び本書の参照書類の中の「将来に関する記述」は、本書又は本書の参照書類の中の日付の時点で公開買付者及び当社が有する情報を基に作成されたものであり、法令で義務付けられている場合を除き、公開買付者、当社又はそれらの関連者は、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新したり修正したりする義務を負うものではありません。本書及び本書の参照書類の中に含まれる財務情報は、日本の会計基準に基づいた情報であり、当該会計基準は、米国その他の国における一般会計原則と大きく異なる可能性があります。また、公開買付者及び当社は米国外で設立された法人であり、その役員の全部又は一部が米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠として主張し得る権利又は要求を行使し又は請求することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人又はその役員に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人又はその役員について米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
(注11) 公開買付者、公開買付者及び当社の各ファイナンシャル・アドバイザー並びに公開買付代理人(これらの関連者を含みます。)は、それらの通常の業務の範囲において、日本の金融商品取引関連法規制及びその他の適用ある法令上許容される範囲で、米国1934年証券取引所法規則14e-5(b)の要件に従い、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けの開始前、又は本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず買付け又はそれに向けた行為を行う可能性があります。その場合、市場取引によって市場価格で売買される場合や、市場外の交渉で決まった価格で売買される場合があります。そのような買付け等に関する情報が日本で開示された場合には、当該買付けを行った者のウェブサイト(又はその他の開示方法)においても英文で開示が行われます。
E00085 18210 三井住友建設株式会社 Sumitomo Mitsui Construction Co.,Ltd. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 1 false false false E00085-000 2025-08-06 xbrli:pure
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名称 インフロニア・ホールディングス株式会社
所在地 東京都千代田区富士見二丁目10番地2号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関して、当該時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をしておりました。
当社は、上記の決議に際して、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥当社における利害関係を有しない取締役の過半数の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載のとおり、本公開買付けが開始される前に、本特別委員会(下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に定義します。以下同じです。)に対して、本特別委員会が2025年5月14日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、当社は、公開買付者から、2025年8月1日に、フィリピン競争委員会から本公開買付けによる当社株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)を承認する旨の文書を受領したことをもって、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了したことを確認したことから、同日、本前提条件(下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に定義します。)がいずれも放棄されることなく全て充足されることが確実であると判断し、本公開買付けの開始日を2025年8月6日とする予定である旨の連絡を受けました。
これを受け、当社は、2025年8月5日、本特別委員会に対して、本特別委員会から2025年5月14日付で入手した答申書(以下「2025年5月14日付答申書」といいます。)の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。そこで、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年8月5日開催の特別委員会において、本取引(下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に定義します。以下同じです。)に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年5月14日以後、2025年8月5日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年5月14日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月5日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年8月5日付答申書」といいます。2025年5月14日付答申書及び2025年8月5日付答申書の概要並びに本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を提出いたしました。
当社は、本特別委員会から提出された2025年8月5日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年5月14日以降、当社の経営環境に重要な状況変化は生じておらず、また、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられ、公開買付価格(普通株式1株につき、金600円。以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引に係る取引条件は妥当であると認められること等から、2025年8月5日現在においても、2025年5月14日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2025年8月5日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、2025年5月14日開催の取締役会及び2025年8月5日開催の取締役会における各取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥当社における利害関係を有しない取締役の過半数の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、2025年5月14日付「インフロニア・ホールディングス株式会社(証券コード5076)による三井住友建設株式会社(証券コード1821)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「2025年5月14日付公開買付者プレスリリース」といいます。)にて公表しておりましたとおり、フィリピンにおける競争法に基づき必要な手続及び対応に一定期間を要することが見込まれることから、当該手続及び対応を終えること等の前提条件(注1)(以下「本前提条件」といいます。)が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)、速やかに、当社株式の全て(ただし、公開買付者及び当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定していたとのことです。
(注1)(ⅰ)フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了し、又は公開買付期間の末日までに完了することが合理的に見込まれること、(ⅱ)当社取締役会において、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議が適法かつ有効に行われ、かつ、変更又は撤回がされていないこと、(ⅲ)当社が設置した本特別委員会において、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することに肯定的な内容の答申が行われ、かつ、変更又は撤回がされていないこと、(ⅳ)当社の財政状態に重大な悪影響を与える事由(法第27条の11第1項ただし書に定める当社又はその子会社の業務又は財産に関する重要な変更その他の本公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事由又はそれらに準ずる事由をいいます。)が生じていないこと、(ⅴ)当社の業務執行を決定する機関(当社の株主総会を含みます。以下同じです。)において、本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当(当社が2025年6月26日に提出した第22期有価証券報告書(以下「当社第22期有価証券報告書」といいます。)において2025年3月期の期末配当として記載された1株当たり14円とするものを除きます。以下同じです。)についての決定が行われていないこと、(ⅵ)本公開買付けを制限又は禁止することを求める旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も係属しておらず、かつ、本公開買付けを制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・行政機関等によるいかなる命令、処分若しくは判決も存在していないこと、(ⅶ)当社に係る業務等に関する未公表の重要事実(法第166条第2項に定める事実をいいます。以下同じです。)又は公開買付け等事実(法第167条第2項に定める事実をいいます。以下同じです。)で当社が公表(法第166条第4項又は法第167条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在しないこと、をいいます。
公開買付者は、2025年7月上旬頃を目途に本公開買付けを開始することを目指しておりましたが、2025年7月10日付「(開示事項の経過)三井住友建設株式会社(証券コード1821)に対する公開買付け開始に向けた進捗状況のお知らせ」にて公表しておりましたとおり、同日時点において、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了した場合、又は公開買付期間の末日までにフィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了する見込みである旨の日本及びフィリピンの法律事務所から取得した意見並びにフィリピン競争委員会から受領した本株式取得についてフィリピン競争法上の審査期間を延長しない旨の連絡書面等に基づき公開買付期間の末日までにフィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了することが合理的に見込まれることが確認できた場合には、2025年8月上旬頃までに、本公開買付けを開始することを見込んでいるとのことでした。
今般、公開買付者は、以下のとおり、本前提条件がいずれも充足されたことを確認したとのことです。
(ⅰ)フィリピンにおける競争法上の届出について、2025年8月1日に、フィリピン競争委員会から本株式取得を承認する旨の文書を受領したことをもって、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了したことを確認したとのことです。
(ⅱ)公開買付者は、当社より、2025年8月5日、2025年5月14日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断し、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を改めて行った旨の報告を受け、同日、本前提条件(ⅱ)の充足を確認したとのことです。
(ⅲ)公開買付者は、当社より、本特別委員会において、2025年5月14日以後、2025年8月5日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年5月14日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月5日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年8月5日付答申書を提出した旨の報告を受け、同日、本前提条件(ⅲ)の充足を確認したとのことです。
(ⅳ)公開買付者は、当社より、2025年8月4日時点において、当社の財政状態に重大な悪影響を与える事由は生じていない旨の報告を受け、同日、当該事由は生じていないと判断したとのことです。
(ⅴ)公開買付者は、当社より、2025年8月4日時点において、当社の業務執行を決定する機関において、当社が2025年5月14日に公表した「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社2025年3月期決算短信」といいます。)において2025年3月期の期末配当予想として記載された1株当たり14円とする剰余金の配当についての決定を除き、本公開買付けに係る決済の開始日前を基準日とする剰余金の配当についての決定が行われていない旨の報告を受け、同日、当該決定は行われていないことを確認したとのことです。
(ⅵ)公開買付者は、当社より、2025年8月4日時点において、司法・行政機関等に対して、本公開買付けの開始を禁止又は制限することを求める旨のいかなる申立、訴訟又は手続も係属しておらず、かつ、本公開買付けの開始を禁止又は制限する司法・行政機関等の判断等が存在しない旨の報告を受け、同日、当該判断等は存在していないことを確認したとのことです。
(ⅶ)公開買付者は、当社より、2025年8月4日時点において、当社に関する未公表の重要事実又は公開買付け等事実が存在しない旨の報告を受け、同日、当該事実は存在していないことを確認したとのことです。
これを受けて、公開買付者は、2025年8月5日、本前提条件がいずれも放棄されることなく全て充足されたことを確認したことから、本公開買付けを2025年8月6日より開始することを決定したとのことです。なお、2025年5月14日付公開買付者プレスリリースに記載した本公開買付けの内容及び条件からの変更はないとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、104,589,800株(所有割合(注2):66.67%)(注3)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全てを取得することにより、当社の完全子会社化を企図しているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。公開買付者は、本書提出日現在、当社の株主名簿の閲覧請求等の当社の株主としての権利行使の可能性を確保する観点から東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式100株(所有割合:0.00%)を所有しているとのことです。
(注2)「所有割合」とは、当社第22期有価証券報告書に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(162,673,321株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(5,788,439株)を控除した株式数(156,884,882株、以下「本基準株式数」といいます。)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
(注3)買付予定数の下限は、本基準株式数(156,884,882株)に係る議決権数(1,568,848個)に3分の2を乗じた数(1,045,899個(小数点以下を切り上げております。))に当社株式1単元(100株)を乗じた株式数から公開買付者が所有する当社株式の数100株を減じた株式数(104,589,800株)として設定しているとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社株式の全てを取得できなかった場合には、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことですが、株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有する当社の議決権数の合計が当社の議決権総数(2025年3月31日現在の発行済株式総数(162,673,321株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(5,788,439株)を控除した株式数(156,884,882株)に係る議決権の数である1,568,848個)の3分の2以上となるようにするためとのことです。
なお、本公開買付けに関連して、公開買付者は、株式会社シティインデックスイレブンス(以下「シティインデックスイレブンス」といいます。)(2025年5月14日現在所有する当社株式の数(以下「所有株式数」といいます。以下同じです。)100株、所有割合0.00%)との間で2025年5月13日付で公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、同日時点でシティインデックスイレブンスが所有する当社株式並びにシティインデックスイレブンスの共同保有者(法第27条の23第5項及び第6項に定義される共同保有者をいいます。)である野村絢氏(所有株式数15,432,000株、所有割合9.84%)、カダン キャピタル ファンド ピーティーイー エルティーディー(KADAN CAPITAL FUND PTE. LTD.)(所有株式数15,000,000株、所有割合9.56%)及び株式会社レノ(所有株式数14,796,800株、所有割合9.43%)(以下、総称して「本共同保有者」といい、シティインデックスイレブンスと併せて「応募株主ら」といいます。)が所有する当社株式の全てについて、自ら本公開買付けに応募し、又は本共同保有者をして応募させる旨の合意を得ているとのことです。本応募契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「①本応募契約」をご参照ください。
公開買付者は、2021年10月に共同株式移転の方法により、前田建設工業株式会社(以下「前田建設工業」といいます。)、前田道路株式会社、株式会社前田製作所の完全親会社として設立されたとのことです。また、公開買付者の株式は2021年10月に東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより、本書提出日現在においては東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。公開買付者グループ(本書提出日現在において、公開買付者、子会社117社及び関連会社32社により構成されるグループをいいます。以下同じです。)は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を主な事業とし、さらにリテール事業から不動産事業まで幅広く展開しているとのことです。
公開買付者グループは2025年3月26日に中期経営計画「INFRONEER Medium-term Vision 2027」(以下「本中期経営計画」といいます。)を公表したとのことです。2021年10月1日付で開示した中長期経営計画『INFRONEER Vision 2030』(以下「本中長期経営計画」といいます。)で掲げている目指す姿の実現に向けて、同じく2021年10月1日付で開示した中期経営計画『INFRONEER Medium-term Vision 2024』での成長を基盤に、今後3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置づけ、財務規律に則り、バリュー思考に基づく積極的な成長投資を推進するとのことです。外的要因に左右されずに持続的成長を実現するビジネスモデルの確立を目指し、「総合インフラサービス企業」をグループ全体戦略として推進し、グループ各社のエンジニアリング力の結集と、積極的なM&Aによる事業領域の拡大によって競争力を早期に最大化し、「高収益かつ安定的な収益基盤」を確立・拡大していくとのことです。目指す姿を実現するため、「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」、「付加価値の最大化」、「体質強化・改善」を戦略三本柱としているとのことです。EBITDAを重要指標として収益力を正確に把握し、特にインフラ事業における持続的成長を目指すとのことです。また、指名委員会等設置会社の設計理念を最大限活用した、あるべきガバナンス体制へさらに進化させ、未来志向の事業戦略と実行力で企業価値向上と社会貢献の両立を実現するとのことです。
一方、当社は、2003年4月に、三井建設株式会社と住友建設株式会社が合併し創立されました。なお、三井建設株式会社の起源は、1887年に、西本健次郎氏が、江戸時代中期より紀州徳川家へ出入りを許されていた西本家の家業を継いで、和歌山において土建業西本組を創設したことに始まります。1934年に、資本金100万円をもって前身である合資会社西本組が設立され、1941年10月に株式会社西本組に改組し、その後、三井不動産株式会社が、1945年5月に、施工部門の充実を図る目的で資本参加し、商号を三井建設工業株式会社と改称しました。1946年9月に、三井建設工業株式会社は三井建設株式会社に改称し、三井建設株式会社は1962年2月に東京証券取引所第二部に上場し、1963年8月には東京証券取引所第一部に指定替えとなりました。また、住友建設株式会社の起源は、1691年に開坑された住友別子銅山において坑場等の各種設備工事や運搬道路工事に従事していたことに始まります。別子銅山は久しく住友家の直営でありましたが、1950年3月に、終戦後の財閥解体の過程で、同社改め井華鉱業株式会社より、別子建設株式会社として独立し、1962年6月に東京証券取引所市場第二部に上場いたしました。1962年10月に株式会社勝呂組と合併し、商号を住友建設株式会社と改称し、1965年8月には東京証券取引所市場第一部に指定替えとなりました。当社は2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に当社株式を上場しております。
当社の企業集団は、本書提出日現在、当社、子会社22社及び関連会社8社で構成されており(以下「当社グループ」といいます。)、土木工事事業及び建築工事事業の2つのセグメントで事業展開しています。土木工事事業におきましては、橋梁やトンネル、河川改修、土地造成、上下水道施設等の社会基盤を支える土木構造物の新設や維持・更新に際し、過去の工事経験等をもとに最適な設計・施工技術を提供しています。PC(プレストレストコンクリート)(注1)橋梁分野では業界屈指の設計・施工実績を自負しており、新たな構造形式やPCa(プレキャスト)化(注2)による工期短縮・省力化施工等の技術開発を推進し、高品質で耐久性に優れ、維持管理がしやすい橋梁を提供しています。建築工事事業におきましては、住宅分野では、高品質・短工期を実現する当社独自技術のスクライム工法(注3)を活かした超高層住宅で豊富な実績を築いています。また、倉庫、データセンター、大型工場等において、鉄骨と鉄筋コンクリートのハイブリッド構法であるミック構法(注4)を活用し、大空間を実現しつつ振動にも強い建物を提供しています。加えて、カーボンニュートラルの実現に向けてZEB/ZEH建築(注5)にも力を入れており、自社単身寮においては、ZEH-M(注6)を取得し、エネルギー収支ゼロ以下で運用(注7)しています。
(注1)PC(プレストレストコンクリート)とはコンクリートにあらかじめ圧縮力を与えることで、引張強度を向上させたコンクリートのことをいいます。
(注2)PCa(プレキャスト)化とは工場で製造されたコンクリート部材を建設現場で組み立てることをいい、現場作業の省力化や工期の短縮、品質の安定化を図ることができます。
(注3)スクライム工法とは、梁と柱梁接合部を一体にした、接続部に現場打ちコンクリートを設けない、オールプレキャストコンクリート工法のことをいいます。鉄骨造並みの施工速度で大幅な工期短縮を実現することができます。
(注4)ミック構法とは、柱を鉄筋コンクリート、梁を鉄骨とする混合構造(ハイブリッド構造)のことをいいます。圧縮力に強い鉄筋コンクリート部材と、曲げ応力やせん断力に強い鉄骨部材を適材適所に配置する混合構造としての長所を活かしながら、工期短縮とコストダウンを実現することが可能な工法です。
(注5)ZEB(Net Zero Energy Building)及びZEH(Net Zero Energy House)建築とは、建物全体のエネルギー消費を最小限に抑え、再生可能エネルギーの利用によって年間のエネルギー収支をゼロ以下にする建築物のことをいいます。ZEBは商業施設やオフィスビル等の非住宅建築物に、ZEHは住宅に適用されます。
(注6)ZEH-M(Net Zero Energy House-Mansion)は、マンションや集合住宅において、エネルギー収支をゼロ以下にすることを目指した建築物のことをいいます。
(注7)エネルギー収支ゼロ以下で運用するとは、再生可能エネルギー(例えば太陽光発電等)で生み出されるエネルギーの総量が、建物が消費するエネルギー以上になる状態のことを指します。
公開買付者としては、建設業界においては、短中期的には、防災・減災、国土強靭化やカーボンニュートラルへの対応等により、公共投資額は堅調に推移し、横ばいか微増と予測しているとのことです。かたや、足元では建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫等により、市場環境は厳しさを増していると考えているとのことです。また、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していく問題が既に顕在化しており、今後も既存インフラの維持管理・更新が必要となる中で、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、2024年4月以降の建設業界への時間外労働の上限規制の適用による労務費の上昇により、人的リソースの不足や最適化の問題が生じると認識しているとのことです。
一方、中長期的には、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政は今後ますます厳しくなり、国内の新規建設の請負市場は、財政上の制約から縮小していくと想定しているとのことです。上記状況を踏まえると、これまでの総合建設業におけるビジネスモデルのあり方を抜本的に見直す等、大きな変化が必要だと考えているとのことです。
また、土木や建築等の建設業界でも、上述のような目まぐるしい変化に伴い、高い技術力や営業力、調達力や施工供給力はもちろん、新しいテクノロジーの迅速な活用がますます必要とされてきており、競争力を高めていくためにはその対応力が急務となっているとのことです。公開買付者グループの現在のケイパビリティでは、この産業構造の変化に対応していくためには質・量ともに十分ではなく、今後の事業拡大において一つの課題であると認識しているとのことです。
当社グループとしては、建設業界においては、国内においては高度経済成長期に全国に張り巡らされた膨大な数の社会インフラの多くが、整備から50年を越え、老朽化が一斉に進んでおり、防災・減災、国土強靭化、カーボンニュートラルへの対応といった観点からの計画的な投資により公共投資に対する需要は底堅く推移する見通しであり、さらに国内インフラの維持・更新の事業は拡大傾向にあると見込んでいます。また、民間企業の設備投資に対する需要も各民間企業の収益改善等を背景として持ち直し傾向が続く見通しであるものの、資源価格や建設資材価格の高止まり、労務需給の逼迫の影響、担い手不足、2024年4月から開始した建設業への時間外労働の上限規制適用による影響等により、依然として厳しい市場環境は続くと考えております。ただ、長期的には人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保険費の増大により、財政が悪化することで特に新規の公共工事のための投資は縮小するとも見込んでいます。一方、海外については特に新興国(東南アジア、南アジア、アフリカ等)で進む急速な経済成長により、旺盛なインフラ需要を見込んでいます。
加えて、当社グループ独自の課題としては、国内大型建築工事での損失計上により棄損した財務体質の改善と、早期の業績回復による企業価値の向上が急務となっていると認識しております。
当社グループは、上記のような事業環境の変化に対し、当社グループの強みを活かして、社員一人ひとりが未来志向を持って行動し、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な成長を遂げるため、2019年2月に長期ビジョンである「2030年の将来像」を設定し、その実現に向けて「新しい価値で『ひと』と『まち』をささえてつなぐグローバル建設企業」を目指しております。
このように、当社グループを取り巻く経営環境が著しく変化していく中で、公開買付者グループは、当社グループが中長期的に事業基盤を拡大し、更なる成長を実現していくためには、当社と経営統合することにより、当社が公開買付者グループと資本関係を構築し、経営リソースの連携による事業機会の拡大や成長投資、DX・技術開発・サステナビリティ対応、ガバナンス体制の強化、及び人材育成の共同推進等、両社グループ(以下、公開買付者グループと当社グループを総称していいます。)のシナジーを最大限発揮していくことが重要であると考えているとのことであり、これにより環境変化に対応できる強固な経営基盤の構築や経営資源の最適配分等、グループのシナジーを最大限発揮していくことが不可欠と考えていたとのことです。またこのようにグループ間のシナジーを最大限発揮することにより、公開買付者グループが本中長期経営計画及び本中期経営計画で掲げる「総合インフラサービス企業」としての地位確立を志向した、事業領域の拡大及び競争力の最大化を図れると考えているとのことです。
公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とし、かつ当社株式を非公開化することにより、具体的には以下のようなシナジーの実現が可能と考えているとのことです。
公開買付者グループの中には、前田建設工業のように当社と同種の事業を行っている企業が存在しているとのことですが、人口減少や税収減、社会保障費増大等による中長期的な新規建設投資の減少や既存インフラの老朽化問題の顕在化、担い手不足といった公開買付者グループ及び当社ともに対処する必要のある課題が存在すると認識しているとのことです。本取引を通じて公開買付者グループと当社が経営統合し、公開買付者グループとの連携を強化することで、営業・設計・現場支援、技術開発、システム及び広報・IR等の様々な連携が可能となり、そこから生まれる事業機会の拡大や生産性の向上、また両社グループの経営リソースを活用した成長投資が可能であると考えているとのことです。具体的には、(ⅰ)事業領域が重複する分野における建設資材の共同購買、建設機器の共用、製造ラインの一本化によるコストシナジー、(ⅱ)重複又は関連する分野での各事業のノウハウ、技術及びシステムの共有による更なる競争力の強化や事業運営の効率化、(ⅲ)各事業所への人材配置の効率性の向上、(ⅳ)公開買付者グループの格付や与信を活用した当社における資金調達力の向上及び調達コストの低減、を図ることが可能になると考えられ、これらを実現させることでより効率的な事業体制の構築及び事業拡大を図ることができ、また公開買付者及び当社における成長投資の拡大にも繋がるものと考えているとのことです。
近年の建設業界においては、少子高齢化による生産年齢人口減少の影響による働き手の不足が顕著に表れており、省人化、省力化による生産性向上は業界を上げて取り組むべき喫緊の課題であるとのことです。一方で、AIをはじめとする先端デジタル技術の発展はめざましく、こうした環境下における成長戦略には、建設現場における生産性向上やインフラ運営事業の効率化に資するデータの集積と活用、及び人材育成が必須の要件であり、それらは、単独の取組みではなく、グループが一丸となって進めることに加えて、多種多様なパートナーとの協業・連携が重要であり、グループ各社の技術開発及び人材開発拠点を連携することにより、その効果を最大化できるものと考えているとのことです。
当社及び公開買付者をはじめとするグループ会社が保有する技術・ノウハウに関するデータを一元管理することで、個々で取り組むよりも高い精度でデータを分析することが可能になり、それに基づくグループ全体の戦略立案、経営の効率化、サービスの高度化、さらには技術・システム開発をより強力に推進することができるとのことです。本公開買付けにより、当社の事業全体における業務効率化や生産性向上に寄与するものと考えており、シナジーによる価値創出をより早く確実に実現することが可能となると考えているとのことです。
建設業界の国内における情勢としては、新規建設の請負市場は人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大等による財政上の制約から縮小が見込まれる一方で、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していくため、防災・減災、国土強靭化への計画的な投資により公共投資は底堅く推移する見通しであり、官民連携によるインフラの維持管理・更新や新規建設に関する市場が拡大することが見込まれるとのことです。また、カーボンニュートラルに向けた政策推進により、再生可能エネルギーに関する市場についても急速な拡大が見込まれるとのことです。他方、建設業界の海外における情勢としては、特に新興国(東南アジア、南アジア、アフリカ等)において、急速な経済成長によるインフラ需要が見込まれているとのことです。建設業界においてこのような環境が想定される中で、事業拡大及び事業成長を継続するために、業界内でも競争力を高めながら拡大する市場の受注を着実に獲得していくことが必要不可欠であると考えているとのことです。
公開買付者グループ及び当社においては、こうした市場環境の見通しについて共通認識を持ちつつ、両社グループにおいて官公庁からの受注や海外事業の拡大を推進しており、また当社においては海外において多くの実績を有しており、高い競争力を誇っているとのことです。これまでに公開買付者グループ及び当社が築いてきた成長市場への事業接点、事業基盤、及び顧客接点を最大限に活かすことで、両社グループにおいて、業界における成長市場への更なる事業機会の創出及び案件パイプラインの拡大に繋がるものと考えているとのことです。
なお、一般に株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられますが、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、公開買付者グループの格付や与信を活用した当社における資金調達力の向上及び調達コストの低減、を図ることが可能になることに鑑みると、影響は軽微であると考えているとのことです。また、知名度や社会的信用についても、当社の知名度や社会的信用力の向上は事業活動を通じて獲得される部分もあり、当社がこれまで培ってきたブランド力や知名度に対する非公開化が与える影響は、大きくないものと考えているとのことです。そのため、本取引によって当社が上場廃止に至ることによる特段の影響はなく、かつ、公開買付者の傘下に入ることで、公開買付者グループが有する知名度や社会的信用も得られることからすれば、当社における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えているとのことです。
以上の検討を踏まえ、公開買付者は、公開買付者及び当社のより一層の企業価値向上を最大限実現するためには、一般株主(なお、本書内において「一般株主」と「少数株主」は適宜使い分けていますが、意味合いは同義です。)の利益を考慮し公開買付者グループとしての意思決定に制約が生じることを避けるため、当社を公開買付者の連結子会社として上場を維持することは検討せず、本公開買付けを含む本取引によって当社を完全子会社化することが最適であると判断したとのことです。また、完全子会社化の手法として、株式と比較して流動性の高い金銭を対価とすることにより、当該交付された金銭を用いて公開買付者の株式を購入し、公開買付者の株主となることを含めた選択の機会を当社の株主の皆様に提供できる手法である、公開買付けの方法によることが最適であると判断したとのことです。公開買付者は、当社に対して、2024年11月15日に、本取引の検討を行っている旨を連絡し、本格的な検討を開始するに当たり、2024年12月下旬に、公開買付者、当社及び応募株主ら(以下、総称して「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、また、2024年12月下旬に、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして瓜生・糸賀法律事務所をそれぞれ選任したとのことです。
その後、公開買付者は、当社に対して、2025年2月18日に、本公開買付けを通じて当社を完全子会社化することを目的とした本取引に関する正式な意向を表明する提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出し、その後、公開買付者は、本取引の実施に向けた当社と本格的な協議を開始したとのことです。
具体的には、公開買付者は、2025年3月上旬から2025年4月中旬までに、本取引の実現可能性の精査を目的として実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、当社が2025年3月期末の配当を無配とする前提で、2025年4月11日付で、当社に対し、本公開買付価格を1株当たり480円(480円は、当該提案がなされた2025年4月11日の前営業日である2025年4月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値433円に対して10.85%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同じです。)のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の初回の価格提案を行ったとのことです。これに対し、本特別委員会は、SMBC日興証券(下記「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に定義します。以下同じです。)の助言及び西村あさひ(下記「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に定義します。以下同じです。)の法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、現時点及び過去一定期間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であること、本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルティング(下記「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に定義します。以下同じです。)による株式価値の試算結果に照らして、十分な価格と判断できないことから、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で想定している価格水準からは著しく乖離していると判断したため、公開買付者は、同月14日、当社から、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を受けたとのことです。
公開買付者は、2025年4月23日付で、当社に対し、当社が2025年3月期末の配当(当社2025年3月期決算短信において2025年3月期の期末配当予想として記載された1株当たり14円とするものをいいます。)を実施する前提で、本公開買付価格を1株当たり530円(530円は、当該提案がなされた2025年4月23日の前営業日である2025年4月22日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値501円に対して5.79%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の第2回の価格提案を行ったとのことです。これに対し、本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、現時点及び過去一定期間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であること、本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルティングによる株式価値の試算結果に照らして、十分な価格と判断できないことから、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で想定している価格水準からは著しく乖離していると判断したため、公開買付者は、同月24日、当社から、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を受けたとのことです。
公開買付者は、2025年5月7日付で、当社に対し、本公開買付価格を1株当たり560円(560円は、当該提案がなされた2025年5月7日の前営業日である2025年5月2日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値502円に対して11.55%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の第3回の価格提案を行ったとのことです。これに対し、本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、現時点及び過去一定期間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であること、本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルティングによる株式価値の試算結果に照らして、十分な価格と判断できないことから、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で想定している価格水準からは著しく乖離していると判断したため、公開買付者は、同月8日、当社から、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を受けたとのことです。
公開買付者は、2025年5月9日付で、当社に対し、本公開買付価格を1株当たり570円(570円は、当該提案がなされた2025年5月9日の前営業日である2025年5月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値550円に対して3.64%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の第4回の価格提案を行ったとのことです。これに対し、本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、直近の株価及び過去1ヶ月間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であり、当社の少数株主にとって満足が得られる水準となっていないと判断したため、公開買付者は、同月12日、当社から、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を受けたとのことです。
また、公開買付者は2025年5月13日、当社を通じて、シティインデックスイレブンスに対して、本公開買付価格を590円以上として、本公開買付けを開始した場合には、シティインデックスイレブンスが所有する当社株式及び本共同保有者が所有する当社株式の全てについて自ら又は本共同保有者をして、本公開買付けにおいて応募し又は応募させることを要請したところ、シティインデックスイレブンスから当該要請を受諾する旨の回答を得たため、同日、シティインデックスイレブンスとの間で本応募契約を締結したとのことです。その後、公開買付者は、2025年5月13日付で、当社に対し、本公開買付価格を1株当たり600円(600円は、当該提案がなされた2025年5月13日の前営業日である2025年5月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値542円に対して10.70%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の第5回の価格提案を行い、同日付で、当社から本公開買付価格について更なる引上げを要請しない旨の回答を受けたため、公開買付者は、同日、当社を通じて、シティインデックスイレブンスに対して、本公開買付価格を600円とする旨を連絡し、シティインデックスイレブンスから、了解した旨の回答を口頭で受領したとのことです。これを受けて、公開買付者としては、本公開買付価格を600円として本公開買付けを開始した場合には、本応募契約に基づき、応募株主らが所有する当社株式の全てについて応募が行われるものと認識しているとのことです。
以上の協議・交渉を経て、公開買付者は、2025年5月14日、本取引の一環として、本公開買付価格を600円として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
なお、公開買付者は、本前提条件の充足を確認する過程で、2025年5月14日付公開買付者プレスリリースの公表以降、2025年8月5日現在において、当社の業況や本取引を取り巻く環境等に重大な変化が見られず、当社の企業価値に重大な影響を与える事象はないと判断したことから、2025年5月14日に決定した本公開買付価格を変更しないこととしているとのことです。
公開買付者としては、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「②本確認書」に記載のとおり、本公開買付け後も原則として当面の間は、当社の現行の法人格及び機関設計を維持する方針であるとのことであり、経営体制及び業務執行体制については、公開買付者の取締役会において基本的な要件及び構成を決定するものとし、具体的な役員の人選・人数については、公開買付者の指名委員会にて協議の上、公開買付者の取締役会において決議する方針とのことです。なお、当社の業務執行体制案・役員人事案については、当該基本的な要件及び構成に従い、当社が公開買付者に対して提案するものとし、公開買付者は、当該提案があった場合にはその妥当性を十分に検証し、妥当性が認められる場合には当該提案を尊重するとのことです。また、公開買付者は、当社を含む公開買付者グループの経営資源をこれまで以上に集約することにより、公開買付者グループが一体となり、更なる企業価値向上に向けて邁進していくとのことであり、当社グループの従業員について、原則として、当社における2025年5月14日現在の労働条件の水準を実質的に下回らない条件で、当面の間、その雇用を維持するものとすること、及び、公開買付者は、当社グループの従業員がそのエンゲージメントを高め、より高いモチベーションで働ける環境をグループ一体となって追求すること等についても合意しております。これらの点を含む当社の公開買付け後の経営方針の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「②本確認書」をご参照ください。
上記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、2024年11月15日に、公開買付者より本取引の検討を行っている旨の連絡を受けたことを契機として、本取引の実施について、公開買付者との間で協議を開始するとともに、本取引の実施の是非等を含めた検討を開始いたしました。当社は、2024年12月下旬に、本取引の検討のため、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を選任いたしました。
その後、2025年2月18日に、公開買付者から、本提案書を受領したこと、及び、公開買付者が応募株主らとの間で本応募契約を締結する可能性があることを踏まえ、当社の一般株主の皆様への影響に配慮し、本取引その他それに派生又は関連する事項(以下、総称して「対象事項」といいます。)を当社取締役会において検討するに際し、当社の意思決定の過程における恣意性及び一般株主との間の利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保することを目的として、西村あさひの助言も踏まえ、2025年2月25日付の取締役会決議に基づき、公開買付関連当事者から独立した、当社の社外取締役であり、独立役員として東京証券取引所に届出を行っている川橋信夫氏、笹本前雄氏及び山下真実氏の3名によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の取引条件の公正性・妥当性、(ⅲ)本取引の手続の公正性、(ⅳ)本取引が当社の一般株主にとって不利益なものではないと考えられるか、並びに(ⅴ)取締役会が本取引における本公開買付けに対して賛同する意見を表明すること及び株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、(ⅰ)乃至(ⅴ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問しております。
また、当社は、上記取締役会において、当社取締役会が対象事項に関する重要な決定を行うときには、本特別委員会の答申を最大限尊重しなければならず、本特別委員会が本公開買付けを通じて本取引を実施することの決定が当社の一般株主にとって不利益なものであると判断した場合には本公開買付けに賛同しないものとする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本特別委員会が対象事項の検討を行う特別委員以外の当社取締役及び従業員(以下「当社プロジェクトチーム」といいます。)に対して、必要な助言を行うことができる権限、(b)本特別委員会が公開買付者との対象事項に関する協議及び交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、随時、意見を述べ、当社取締役会に対して勧告や要請を行うことができる権限、(c)本特別委員会が当社プロジェクトチーム及び当社の外部専門家等(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。以下同じです。)に対し、対象事項に関する進捗、検討状況その他の事項の報告及び情報提供を随時求めることができる権限、並びに(d)本特別委員会がその役割を果たすために必要な範囲で、自らのための外部専門家等を当社の費用負担により選任することができる権限、及び当社の外部専門家等が十分な専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として当社の外部専門家等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社の外部専門家等に対して専門的助言を求めることができる権限をそれぞれ付与しております。
そして、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社は、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひをそれぞれ選任することの承認を受けております。また、本特別委員会は、2025年3月11日、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、公開買付関連当事者から独立した独自の第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサルティング」といいます。)を選任しております。
当社は、上記体制の下、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、SMBC日興証券及び西村あさひの助言を受けながら、本取引の実行の是非に関して検討を進めるとともに、公開買付者との間で複数回にわたる協議・検討を重ねてまいりました。
当社は、2025年4月11日付で、公開買付者から、当社が2025年3月期末の配当を無配とする前提で、本公開買付価格を1株当たり480円とする旨の初回の価格提案を受けました。本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、現時点及び過去一定期間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であること、本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルティングによる株式価値の試算結果に照らして、十分な価格と判断できないことから、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で想定している価格水準からは著しく乖離していると判断しました。そこで、当社は、同月14日、公開買付者に対して、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を行いました。
当社は、2025年4月23日付で、公開買付者から、当社が2025年3月期末の配当(当社2025年3月期決算短信において2025年3月期の期末配当予想として記載された1株当たり14円とするものをいいます。)を実施する前提で、本公開買付価格を1株当たり530円とする旨の第2回の価格提案を受けました。本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、現時点及び過去一定期間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であること、本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルティングによる株式価値の試算結果に照らして、十分な価格と判断できないことから、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で想定している価格水準からは著しく乖離していると判断しました。そこで、当社は、同月24日、公開買付者に対して、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を行いました。
当社は、2025年5月7日付で、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり560円とする旨の第3回の価格提案を受けました。本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、現時点及び過去一定期間の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であること、本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルティングによる株式価値の試算結果に照らして、十分な価格と判断できないことから、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で想定している価格水準からは引き続き著しく乖離していると判断しました。そこで、当社は、同月8日、公開買付者に対して、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を行いました。
当社は、2025年5月9日付で、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり570円とする旨の第4回の価格提案を受けました。本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、特に、直近の株価及び過去1ヶ月の株価に対するプレミアム水準が本件と同様の非公開化事例と比して不十分であり、当社の少数株主にとって満足が得られる水準となっていないと判断しました。そこで、当社は、同月12日、公開買付者に対して、本公開買付価格について再考すべき旨の要請を行いました。
当社は、2025年5月13日付で、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり600円とする旨の第5回の価格提案を受けました。本特別委員会は、SMBC日興証券の助言及び西村あさひの法的助言を踏まえ、公開買付者からの上記提案内容を慎重に検討した結果、下記「(ⅲ)判断の内容」の(ア)乃至(キ)に記載の理由により、当該提案は応諾可能であると判断しました。そこで、当社は、同日、公開買付者に対して、現段階において、本公開買付価格について更なる引上げを要請しない旨の連絡を行いました。
その後、当社は、公開買付者から、2025年8月1日に、フィリピン競争委員会から本株式取得を承認する旨の文書を受領したことをもって、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了したことを確認したことから、同日、本前提条件がいずれも放棄されることなく全て充足されることが確実であると判断し、本公開買付けの開始日を2025年8月6日とする予定である旨の連絡を受けました。
以上の経緯の下、当社は2025年5月14日開催の当社取締役会において、西村あさひから受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年5月13日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(SMBC日興証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2025年5月14日付答申書において示された判断内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。
その結果、当社は、以下のとおり、本公開買付けを含む本取引は当社が単独で存続し続ける場合と比較して、当社の企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。当社グループとして、本公開買付けを通じた資本関係の構築によって両社グループが一体となって業界全体の課題に立ち向かうとともに、当社グループの課題である企業価値向上を、より確実に、よりスピーディーに実現できると考えております。
当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
ⅰ.国内建設事業の一層の強化の実現
当社グループは、収益力向上のための施策の一環として、土木事業においては、PC橋梁や大規模更新を軸に、優位分野の収益力を維持しつつも、市場規模の大きいトンネルや成長分野であるエネルギー関連施設に注力していくことで、新たな強み分野を創出していく方針です。その中で、当社はPC橋梁において優位技術を保有していると自負しており、2024年3月末時点で4,100橋の施工実績を積み上げてきましたが、市場が大きいトンネルや成長分野のエネルギー関連事業については、当社シェアの拡大余地は大きいと考えております。当社グループとしては、当社グループ単体での業容拡大ではなく、トンネル工事等当社と重複していない分野の工事施工に強みを持つ公開買付者グループとの一体化により、両社グループの強みを最大限に勘案した工事受注を行うことや当社及び公開買付者グループがこれまで蓄積してきたノウハウや技術を共有することで、両社グループの得意分野を補完し合いながら国内土木事業の更なる拡大及び強化が実現できると考えております。また、トンネルや橋梁、河川改修、土地造成、上下水道施設、道路等、フルラインナップで川上から川下まで対応可能となり、インフラ運営事業も含めると業界で唯一無二の立ち位置の企業体となることも見込んでおります。また、建築事業においては、一部の国内建築工事において工事採算が大きく低下したことを受け、①施工体制逼迫の改善と現場支援体制の再構築、②受注プロセスにおけるガバナンス強化と最適な受注ポートフォリオの構築、③採算性を重視した目標管理の徹底を行い、建築事業の利益率改善に取り組んできました。建築事業においては、当社グループが保有する幅広いPCa(プレキャスト)技術や公開買付者グループが保有する建築技術やシステム・ノウハウを共有することで、更なる競争力の強化に繋がると考えており、特に超高層住宅分野では、業界内で極めて優位な地位を確保できると考えています。
ⅱ.海外事業の事業規模の拡大
当社グループは、1971年のタイでの橋梁案件以降、50年以上に亘って海外で建設事業を行ってきており、この期間、日本のODA案件で実績を重ね、各国の慣習や風土を学びつつ、日本の先進技術を展開し、組織体制を確立してきました。その結果現在では、フィリピンでは長年の東南アジア地方での実績が評価され超大型鉄道案件を受注し、インドでは多くの民間顧客に対して最適な設計・工法を提案することで、さまざまな案件の受注を獲得しています。今後、当社グループの海外事業の更なる成長のためには、建設技術のラインナップとノウハウの拡大が不可欠であり、公開買付者グループがこれまで培ってきた総合インフラサービスの技術・ノウハウが新たに加わることによって、海外事業の事業規模の拡大を成し遂げることができると考えています。
ⅲ.経営資源共有による経営効率の向上と経営環境の変化に対する対応力の強化
当社グループは、建設資材価格の高止まり、建設技能者の高齢化や労働人口減少による技術者の担い手不足やいわゆる「2024年問題」と呼ばれる時間外労働の上限規制適用の影響による労務需給の逼迫等、厳しい業界環境に直面しております。これらの厳しい業界環境を乗り越えるため、当社グループはDX推進を行っており、過去の工期データや現場状況データ、建設資材発注データ等を活用したDX化による次世代建設生産システムの構築を行っており、工期の短縮化や建設現場の省人化、建設費高騰の緩和を推進しています。その一方で、建設技能者の減少は今後も継続的に続くと考えており、将来は一層の経営効率の向上が長期安定的な経営に必要であると考えています。そこで、土木事業と建築事業を中心に多くのノウハウを保有する当社グループと公開買付者グループが、本取引によって、これまで蓄積していた技術及びデータ等の共有が可能となることで、更なるデジタル技術の革新を促し、生産性の向上や経営規模の拡大を目指すことができると考えています。加えて、公開買付者グループの企業規模の拡大や受注高の増加とそれらによる財務基盤の強化が実現することで、認知度の向上や建設技能者にとっての魅力拡大により、優秀な人材の採用力の強化や既存従業員のエンゲージメント向上といった人的資本の強化、技術力向上に寄与すると考えます。これらにより、サステナビリティ経営の強化を実現すると当社グループは考えます。
一方、本取引により以下のようなデメリットが生じる可能性があるところ、当該デメリットについても以下のとおり対応がなされており、本取引によって実現可能なシナジーによるメリットが上回ると考えます。
具体的には、国内土木においては、建設分野において、公開買付者グループの前田建設工業及び当社の強みが一部重複することにより、公開買付者グループに当社が参画することによって、ディスシナジーとなる可能性も否定できないとも考えられます。もっとも、公開買付者としては、建築分野における超高層住宅の用途が重複することが想定されるものの、超高層住宅では設計施工案件が多く、両社グループの経営リソースの相互活用を行うことで、多くの案件に対応が可能であることからディスシナジーが発生することは想定していないとのことです。また、当社としては、特に土木部門において土木事業における得意工事の種別が異なることから入札時の競合といったディスシナジーが生じる可能性があるものの、当社と前田建設工業において互いの強みと弱みを補完しあうことで多様な案件の受注が可能となり、公開買付者グループ全体としては当該ディスシナジーを上回るシナジーが期待されると考えています。具体的には、当社が有する土木事業におけるPC橋梁と大規模更新、建築事業における超高層住宅、東南アジア、南アジア地域を中心に展開している海外事業等、豊富な施工実績と卓越した技術力により、得意分野が異なる土木事業においては補完し合い、建築分野においては保有する技術やシステムの共有による更なる競争力の強化を図ることができ、特に超高層住宅分野では圧倒的な地位を確保できると考えています。上記の当社と前田建設工業において互いの強みと弱みを補完することを確保するため、公開買付者は、本取引後、当社と公開買付者の傘下である前田建設工業との間で強みが重複する工事受注については、両社の強みを最大限に活かし、競争力を高めるとともに、効率的な事業運営を実現するため、競争法上許容される範囲内で、各社の得意分野やリソースを勘案し、①当社又は前田建設工業のいずれかのみが入札する、又は、②当社と前田建設工業がジョイントベンチャーを設立して共同で入札する等の最適な戦略を策定するものとし、当該戦略の策定に際しては、当社及び前田建設工業を相互に尊重し対等の精神をもって、各社誠実に協議の上で定めることを基本的な方針とすることを、2025年5月14日付の本取引後の公開買付者及び当社の事業運営等に関する「確認書」(以下「本確認書」といいます。)において合意しました。
また、本取引の実施によって、当社は非上場化することになり、上場会社としての社会的信用、知名度の維持・向上といったメリットを失うことや、商号の変更の可能性が想定されるところ、当社グループの従業員のうち上場会社への勤務を志向する者や当社の商号への誇りを持つ者のモチベーションが低下することが考えられます。加えて、当社グループと公開買付者グループは一定の重複する業務分野を有していることから、当社グループが公開買付者グループに参画することによって、当社グループが主体的に推進する案件が減少する場合には、そのような案件を自ら推進することにやりがいを感じている当社の優秀な技術者のモチベーションの低下に繋がりかねないと考えられます。したがって、本取引の実施によって、以上のような事項の従業員のリテンション等への影響が生じる可能性があります。もっとも、公開買付者としては、当社が非上場化することの影響について、本取引の実行によって上場廃止となることで当社の従業員の士気低下が懸念され、また、当社の従業員が当社の商号を重視していることは理解しているものの、①上場維持コストが削減されることによる従業員の給与の増加等の施策や公開買付者グループ全従業員を対象とした株式給付信託制度(J-ESOP)の付与等のインセンティブプランを実行することで、公開買付者グループに参加するメリットを享受してもらうこと、②公開買付者グループと一体となることで、ノウハウの共有や適材適所の人材交流が可能となり、より働き甲斐のある職場環境の実現につながること、③公開買付者としては、将来的な企業価値の向上について丁寧に説明することにより、当社グループの従業員の理解を得ることが可能であると考えているとのことです。他方で、当社としては、当社が非上場化することの影響について、非上場化によって、当社グループの従業員が不安を抱く可能性は否定できず、また、公開買付者と当社が経営統合することで、案件の重複が起きた際に現場技術者の活躍の場が狭まることにも繋がるといった事態が生じる場合には、現場技術者の離職につながる可能性があると認識しています。そこで、当社経営陣としては、当社グループの従業員のリテンションの観点から、公開買付者との間で、上記「③本公開買付け後の経営方針」に記載の合意に至りました。具体的には、当社グループの従業員の雇用水準を維持することを前提に、当社グループが公開買付者グループに参画するに当たって、当社グループの従業員がそのエンゲージメントを高め、より高いモチベーションで働ける環境を追求することを目的として、当社グループの従業員がその能力を発揮し、成長することを支援するための具体的な施策を実施することを、本確認書において合意しました。
なお、本取引の実施によって、当社は非上場化することになり、当社が上場会社として享受していた、上場会社としての社会的信用、知名度の維持・向上及び市場からの資金調達等のメリットは享受できなくなります。もっとも、公開買付者としては、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、公開買付者グループの格付や与信を活用した当社における資金調達力の向上及び調達コストの低減を図ることが可能になることに鑑みると、影響は軽微であると考えているとのことであり、当社としても同様に認識しています。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は、妥当であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ア)当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、公開買付関連当事者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者及び応募株主らとの間で真摯に交渉を重ねた上で合意された価格であり、公開買付者の当初提示額(480円)から120円(25.00%)引き上げられた価格で、当初提示額が当社の2025年3月期の配当を無配とする前提であったことも考慮すると実質的に134円(27.92%)引き上げられた価格であること。
(イ)当社における独立した本特別委員会から取得した2025年5月14日付答申書において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件は妥当であると判断されていること。
(ウ)本公開買付価格は、下記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているSMBC日興証券による当社株式に係る株式価値算定結果に照らし、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内であること。
(エ)本公開買付価格は、下記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている山田コンサルティングによる当社株式に係る株式価値算定結果に照らし、市場株価法による算定結果の範囲を上回っており、類似会社比較法及びDCF法による算定結果の範囲内であること。
(オ)本公開買付価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値544円に対して10.29%、同日までの過去1ヶ月間(2025年4月14日から同年5月13日まで)の終値単純平均値497円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値について同じです。)に対して20.72%、同日までの過去3ヶ月間(2025年2月14日から同年5月13日まで)の終値単純平均値447円に対して34.23%、同日までの過去6ヶ月間(2024年11月14日から2025年5月13日まで)の終値単純平均値427円に対して40.52%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっているところ、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年4月30日までに公開買付けが成立した上場企業の非公開化を目的とした本取引に類似する事例(公開買付けの対象会社の時価総額が500億円以上であり、かつ、公開買付けの対象となる株式のPBRが案件公表前から1倍を超えている事例。ただし、いわゆるディスカウント公開買付け、二段階公開買付け、同意なき買収、MBO、上場子会社の完全子会社化を目的とした事例は除きます。)28件におけるプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して33.06%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して35.96%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して36.64%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して42.38%)に照らした場合、公表日の前営業日及び基準日直近1ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアム水準は必ずしも高い水準とはいえないものの、当社の株価は2025年3月1日及び2025年4月20日に情報誌において当社の株券に対する公開買付けに関する憶測記事が掲載された際に上昇しており、2025年4月7日に当社が公表した「当社に対する訴訟の経過に関するお知らせ」及び2025年4月21日に公表した「業績予想の修正に関するお知らせ」も株価上昇の要因として考えられることを勘案しても、足許の株価上昇は当社の非公開化への期待を一定程度含んだ思惑買いによる影響がある可能性も否定しきれないことから、短期間の株価変動の影響を除外したより長い期間の株価との比較においてのプレミアム水準も考慮するべきであると考えられるところ、短期間の株価変動の影響がより小さい基準日直近3ヶ月及び基準日直近6ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアム水準との比較では、本公開買付価格は相応のプレミアムが付された価格であると判断できること。
(カ)当社の長期の株価推移に照らして、直近5年における当社株式の終値の最高値550円(2025年5月8日)を上回り、かつ、直近5年における当社株式の場中最高値564円(2025年5月9日)を上回る価格であるため、長期保有の一般株主にも十分配慮された水準であると考えられること。
(キ)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の利益が確保されていると認められること。
以上より、当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、当該時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
また、当社は、上記の決議に際して、本公開買付けが開始される前に、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年5月14日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。
その後、当社は、公開買付者から、2025年8月1日に、フィリピン競争委員会から本株式取得を承認する旨の文書を受領したことをもって、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了したことを確認したことから、同日、本前提条件がいずれも放棄されることなく全て充足されることが確実であると判断し、本公開買付けの開始日を2025年8月6日とする予定である旨の連絡を受けました。
これを受け、当社は、2025年8月5日、本特別委員会に対して、2025年5月14日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。そこで、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年8月5日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年5月14日以後、2025年8月5日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年5月14日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月5日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年8月5日付答申書を提出いたしました。
当社は、本特別委員会から提出された2025年8月5日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年5月14日以降、当社の経営環境に重要な状況変化は生じておらず、また、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当であると認められること等から、2025年8月5日現在においても、2025年5月14日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2025年8月5日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
上記の当社取締役会の決議の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥当社における利害関係を有しない取締役の過半数の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年5月13日付で、本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しております。
SMBC日興証券は公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、SMBC日興証券は、当社グループ、公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員であり、また、株式会社三井住友銀行は公開買付者の株主(2025年3月31日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合1.09%(小数点以下第三位を四捨五入しております。))でありますが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。また、本特別委員会は、第1回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられていることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。もっとも、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系を採用することによるデメリットも勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、当社にとっても一定の経済合理性があるとの判断から、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
(注) SMBC日興証券は、本株式価値算定書(SMBC日興証券)の作成に当たり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(SMBC日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、本株式価値算定書(SMBC日興証券)で使用している事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が当社の依頼により、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的として当社に提出したものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。
SMBC日興証券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定に当たり採用すべき算定手法を検討の上、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行い、当社は2025年5月13日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しております。本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、上記各手法に基づき算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法: 427円から497円
類似上場会社比較法: 472円から597円
DCF法: 481円から993円
市場株価法においては、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2025年5月13日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日までの直近1ヶ月の終値単純平均値497円、直近3ヶ月の終値単純平均値447円及び直近6ヶ月の終値単純平均値427円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を427円から497円と算定しております。
類似上場会社比較法においては、当社と比較的類似する事業を営む上場会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて当社株式の株式価値算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を472円から597円と算定しております。
DCF法においては、当社が作成した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の本事業計画における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を481円から993円と算定しております。また、継続価値の算定に当たっては永久成長法及びマルチプル法を採用しております。
DCF法による分析において前提とした財務予測は当社が作成した本事業計画に基づいているところ、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの増減を見込んでいる事業年度は含まれております。具体的には、2026年3月期には、国内建築事業における良質な新規工事への入れ替えによる利益率の改善を主因に、営業利益において大幅な増益となることを見込んでおります。2027年3月期においては、設備投資の増加や運転資本の減少額の縮小により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。また、2028年3月期においては、運転資本の減少により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果等については、算定時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であり、スタンドアロンベースで当社の株式価値を算定するため、財務予測に反映しておりません。
本特別委員会は、本諮問事項について検討するに当たり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関である山田コンサルティングに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年5月13日付で、株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(山田コンサルティング)」といいます。)を取得しております。
山田コンサルティングは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
なお、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられていることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、山田コンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、本取引に係る山田コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
山田コンサルティングは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定に当たり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行い、本特別委員会は山田コンサルティングから2025年5月13日付で本株式価値算定書(山田コンサルティング)を取得しております。本株式価値算定書(山田コンサルティング)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法: 427円から544円
類似会社比較法: 424円から944円
DCF法: 550円から1,014円
市場株価法では、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2025年5月13日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値544円、直近1ヶ月の終値単純平均値497円、直近3ヶ月の終値単純平均値447円及び直近6ヶ月の終値単純平均値427円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を427円から544円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の価値算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を424円から944円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の財務予測に基づき、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値及び株式価値を算定し、当社株式の1株当たり価値の範囲を550円から1,014円までと算定しております。
山田コンサルティングがDCF法による分析に用いた当社作成の本事業計画には、対前年度比において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年3月期には、国内建築事業における良質な新規工事への入れ替えによる利益率の改善を主因に、営業利益において大幅な増益となることを見込んでおります。2027年3月期においては、設備投資の増加や運転資本の減少額の縮小により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。また、2028年3月期においては、運転資本の減少により、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。
また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。なお、当該財務予測は当社が作成した本事業計画に基づいており、山田コンサルティングが当社との間で複数の質疑応答を行いその内容を分析及び検討しており、また、本特別委員会がその内容及び作成経緯等の合理性を確認しております。
(注) 山田コンサルティングは、本株式価値算定書(山田コンサルティング)の作成に当たり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(山田コンサルティング)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。山田コンサルティングが、本株式価値算定書(山田コンサルティング)で使用している事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(山田コンサルティング)において、山田コンサルティングが提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。山田コンサルティングは、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、山田コンサルティングの算定結果は、山田コンサルティングが本特別委員会の依頼により、本諮問事項を検討するための参考に資することを唯一の目的として本特別委員会に提出したものであり、当該算定結果は、山田コンサルティングが本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼しており、公開買付者は、大和証券から2025年5月13日に株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)を取得しているとのことです。なお、大和証券は公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
大和証券は、複数の株式価値の算定手法の中から当社の株式価値の算定に当たり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社との比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社株式の価値算定を行ったとのことです。公開買付者は、大和証券から2025年5月13日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しているとのことです。なお、公開買付者は、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
大和証券が上記各手法に基づいて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法: 427円から544円
類似会社比較法: 471円から723円
DCF法: 463円から696円
市場株価法では、2025年5月13日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値544円、直近1ヶ月間の終値単純平均値497円、直近3ヶ月間の終値単純平均値447円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値427円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を427円から544円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を471円から723円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社が作成した2026年3月期から2028年3月期までの3期分の当社の事業計画案における収益や投資計画、公開買付者において2025年3月上旬から2025年4月中旬までに実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、及び一般に公開された情報等の諸要素を基に、公開買付者で妥当と思われる数値を前提として、当社が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を463円から696円までと算定しているとのことです。なお、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
公開買付者は、大和証券から取得した本株式価値算定書(大和証券)の算定結果に加え、公開買付者において2025年3月上旬から2025年4月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場価格の動向、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、かつ、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年5月14日に、本公開買付価格を1株当たり600円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である600円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値544円に対して10.29%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間(2025年4月14日から同年5月13日まで)の終値単純平均値497円に対して20.72%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間(2025年2月14日から同年5月13日まで)の終値単純平均値447円に対して34.23%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間(2024年11月14日から2025年5月13日まで)の終値単純平均値427円に対して40.52%のプレミアムを加えた価格とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けに当たり当社の株主名簿の閲覧請求等の当社の株主としての権利行使の可能性を確保する観点から、2025年4月30日を取得日として、当社の従業員1名(以下「本当社従業員」といいます。)から相対取引により、当社株式100株を1株当たり511円(取得日の前営業日である同月28日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値)で取得しているとのことです。本公開買付価格(600円)と当該取得価格(511円)の間には、89円の差異が生じており、本公開買付価格(600円)は当該取得価格(511円)に対し17.42%のプレミアムを加えた価格になりますが、これは、公開買付者及び本当社従業員が譲渡価格の基準日として合意した同月28日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値に対し、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年5月13日における当社株式の終値(544円)が6.46%上昇していることに加えて、本公開買付価格には、上記のとおり2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(544円)に対して、10.29%のプレミアムを付与しているためとのことです。
その後、公開買付者は、2025年8月5日現在において、当社の業況や本取引を取り巻く環境等に重大な変化が見られず、当社の企業価値に重大な影響を与える事象はないと判断したことから、2025年5月14日に決定した本公開買付価格を変更しないこととしているとのことです。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社株式の全ての取得を目的とした手続の実行を予定しておりますので、当該各手続を実施することとなった場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
上場廃止を目的とする理由並びに一般株主への影響及びそれに対する考え方につきましては上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおりです。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して本株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主からその所有する当社株式の全てを取得するとのことです。そして、公開買付者は、本売渡株主に対し、本売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において本株式売渡請求を承認する予定です。
本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。
なお、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び執行役員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、当社株式を対象とする株式売渡請求に関する議案が当社取締役会で承認された場合(ただし、当該株式売渡請求の効力発生日が譲渡制限期間の満了日より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、当該各付与に関し割当契約書において定めた時点から当該承認の日を含む月までの月数を12(ただし、2018年8月に当社の執行役員に付与された本譲渡制限付株式については、9とします。)で除した数(ただし、計算の結果1を超える場合には1とします。)に、当該承認の日において当該対象取締役が所有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数(ただし、計算の結果1株未満の端数が生ずる場合には、これを切り捨てるものとします。)の本譲渡制限付株式につき、組織再編等効力発生日(株式売渡請求の取得日又は株式併合の効力発生日をいいます。以下同じです。)の前営業日の直前時をもって、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、組織再編等効力発生日の前営業日において、なお譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式を当然に無償で取得するとされております。本株式売渡請求においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、組織再編等効力発生日の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式について本株式売渡請求の対象とする予定とのことです。
本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社に対し、会社法第180条に基づき当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2025年11月中旬に開催することを本公開買付けの決済の完了後速やかに要請する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者からこれらの要請を受けた場合には、これらの要請に応じる予定です。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。
本株式併合に関する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、所定の条件を満たす場合には、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
なお、本譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、株式併合に関する議案が当社の株主総会で承認された場合(ただし、当該株式併合の効力発生日が譲渡制限期間の満了日より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、当該各付与に関し割当契約書において定めた時点から当該承認の日を含む月までの月数を12(ただし、2018年8月に当社の執行役員に付与された本譲渡制限付株式については、9とします。)で除した数(ただし、計算の結果1を超える場合には1とします。)に、当該承認の日において当該対象取締役が所有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数(ただし、計算の結果1株未満の端数が生ずる場合には、これを切り捨てるものとします。)の本譲渡制限付株式につき、組織再編等効力発生日の前営業日の直前時をもって譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、組織再編等効力発生日の前営業日において、なお譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式を当然に無償で取得するとされております。本株式併合においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、組織再編等効力発生日の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式について本株式併合の対象とする予定とのことです。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施の時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性がありますが、その場合であっても、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。もっとも、本株式売渡請求に関する売買価格の決定の申立て又は本株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、当該申立てを行った当社の株主が所有していた当社株式の売買価格又は株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者が当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任において税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しません。もっとも、本公開買付けは当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていること、また、公開買付者は、応募株主らとの間において、その所有する当社株式について、本応募契約を締結していることから、応募株主らと当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることに照らし、公開買付者及び当社は、本公開買付価格を含む本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、一般株主との間の利益相反を回避する観点から、それぞれ以下の措置を講じております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに当たり、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年5月13日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得したとのことです。詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「③公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年5月13日付で、本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得いたしました。詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
SMBC日興証券は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
なお、SMBC日興証券は、当社グループ、公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員であり、また、株式会社三井住友銀行は公開買付者の株主(2025年3月31日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合1.09%(小数点以下第三位を四捨五入しております。))でありますが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。また、本特別委員会は、第1回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
なお、当社は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられていることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。もっとも、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系を採用することによるデメリットも勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、当社にとっても一定の経済合理性があるとの判断から、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
上記「(3) 算定に関する事項」の「②本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本諮問事項について検討するに当たり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関である山田コンサルティングに対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年5月13日付で、本株式価値算定書(山田コンサルティング)を取得しております。詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「②本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
山田コンサルティングは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
なお、本特別委員会は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられていることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、山田コンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、本取引に係る山田コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、当社の一般株主の皆様への影響に配慮し、対象事項を当社取締役会において検討するに際し、当社の意思決定の過程における恣意性及び一般株主との間の利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保することを目的として、西村あさひの助言も踏まえ、2025年2月25日付の取締役会決議に基づき、公開買付関連当事者から独立した、当社の社外取締役であり、独立役員として東京証券取引所に届出を行っている川橋信夫氏、笹本前雄氏及び山下真実氏(株式会社ここるく代表取締役、株式会社イオンファンタジー社外取締役、株式会社ナック社外取締役)の3名によって構成される、本特別委員会を設置いたしました(本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。また、特別委員による互選の結果、川橋信夫氏が本特別委員会の委員長に選任されました。なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず本特別委員会の開催回数に応じた報酬を支払うものとされ、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、本特別委員会に対して、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社は、上記取締役会において、当社取締役会が対象事項に関する重要な決定を行うときには、本特別委員会の答申を最大限尊重しなければならず、本特別委員会が本公開買付けを通じて本取引を実施することの決定が当社の一般株主にとって不利益なものであると判断した場合には本公開買付けに賛同しないものとする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本特別委員会が当社プロジェクトチームに対して、必要な助言を行うことができる権限、(b)本特別委員会が公開買付者との対象事項に関する協議及び交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、随時、意見を述べ、当社取締役会に対して勧告や要請を行うことができる権限、(c)本特別委員会が当社プロジェクトチーム及び当社の外部専門家等に対し、対象事項に関する進捗、検討状況その他の事項の報告及び情報提供を随時求めることができる権限、並びに(d)本特別委員会がその役割を果たすために必要な範囲で、自らのための外部専門家等を当社の費用負担により選任することができる権限、及び当社の外部専門家等が十分な専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として当社の外部専門家等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社の外部専門家等に対して専門的助言を求めることができる権限をそれぞれ付与しております。
本特別委員会は、2025年2月28日より2025年5月13日まで合計14回開催されたほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項について、慎重に協議及び検討を行っております。
具体的には、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひについて、公開買付関連当事者の関連当事者にも該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認し、また、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。また、本特別委員会独自の第三者算定機関として、十分な専門性を有し、また、公開買付関連当事者の関連当事者にも該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、山田コンサルティングを選任し、山田コンサルティングから専門的助言を受けることを決定いたしました。
本特別委員会は、西村あさひから受けた説明を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。また、本特別委員会は、SMBC日興証券及び山田コンサルティングから受けた助言も踏まえつつ、本事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。
本特別委員会は、公開買付者に対して質問事項を提示し、公開買付者に対して本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施するとともに、公開買付者からのこれらの点に関する質疑応答の内容を踏まえ、当社に対して、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施しております。
加えて、上記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、SMBC日興証券及び山田コンサルティングは本事業計画を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及び山田コンサルティングが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を認識しております。
また、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社及びSMBC日興証券から受けた報告も踏まえて審議・検討を行い、当社の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、公開買付者からの本公開買付価格に関する提案を受領次第、それぞれの提案について報告を受け、SMBC日興証券による公開買付者との交渉方針等についての分析・意見を踏まえて検討を行いました。その上で、本特別委員会は当社に対し、これらのいずれに際しても、当社としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与いたしました。
さらに、本特別委員会は、西村あさひから、複数回、2025年5月14日付当社プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、適切な情報開示がなされる予定であることを確認しております。
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行った結果、2025年5月14日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の2025年5月14日付答申書を提出しております。
(a)答申の内容
ⅰ 本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は正当かつ合理的である。
ⅱ 本取引の取引条件は公正かつ妥当である。
ⅲ 本取引の手続は公正である。
ⅳ 本取引は当社の一般株主にとって不利益なものではない。
ⅴ 取締役会が本取引における本公開買付けに対して賛同する意見を表明すること及び株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当である。
(b)答申の理由
ⅰ 本取引の目的の正当性・合理性
・ 当社グループとしては、建設業界においては、資源価格や建設資材価格の高止まり、労務需給の逼迫の影響、2024年4月から開始した建設業への時間外労働の上限規制適用による影響等により、依然として厳しい市場環境は続くと考えている。
・ 公開買付者によれば、建設業界においては、短中期的には、建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫等により、市場環境は厳しさを増していると考えているとのことであり、また、社会インフラの老朽化の問題の顕在化に伴い、今後も既存インフラの維持管理・更新が必要となる中で、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、2024年4月以降の建設業界への時間外労働の上限規制の適用による労務費の上昇により、人的リソースの不足や最適化の問題が生じると認識しているとのことである。また、中長期的には、国や地方公共団体の財政は今後ますます厳しくなり、国内の新規建設の請負市場は、財政上の制約から縮小していくと想定しているとのことである。このような状況を踏まえると、これまでの総合建設業におけるビジネスモデルのあり方を抜本的に見直す等、大きな変化が必要だと考えているとのことであり、また、土木や建築等の建設業界でも、上述のような目まぐるしい変化に伴い、高い技術力や営業力、調達力や施工供給力はもちろん、新しいテクノロジーの迅速な活用がますます必要とされてきており、競争力を高めていくためにはその対応力が急務となっているとのことで、このような産業構造の変化に対応していくことが、今後の事業拡大において一つの課題であると認識しているとのことである。
・ そのような中で、公開買付者グループは、当社グループが中長期的に事業基盤を拡大し、更なる成長を実現していくためには、当社と公開買付者が経営統合することにより、当社が公開買付者グループと資本関係を構築し、経営リソースの連携による事業機会の拡大や成長投資、DX・技術開発・サステナビリティ対応、ガバナンス体制の強化、及び人材育成の共同推進等、両社グループのシナジーを最大限発揮していくことが重要であると考えているとのことであり、これにより環境変化に対応できる強固な経営基盤の構築や経営資源の最適配分等、グループのシナジーを最大限発揮していくことが不可欠と考えていたとのことである。またこのようにグループ間のシナジーを最大限発揮することにより、公開買付者グループが本中長期経営計画及び本中期経営計画で掲げる「総合インフラサービス企業」としての地位確立を志向した、事業領域の拡大及び競争力の最大化を図れると考えているとのことである。
・ 公開買付者における当社との協業及び本取引によるシナジーとして、①公開買付者及び当社の経営リソースの相互活用、②グループ全体でのDX、技術開発、サステナビリティ戦略及び人材育成の共同推進、③相互の事業基盤を活用した新規事業機会の創出が挙げられるとのことである。また、当社における公開買付者との協業及び本取引によるシナジーとして、①国内建設事業の一層の強化の実現、②海外事業の事業規模の拡大、③経営資源共有による経営効率の向上と経営環境の変化に対する対応力の強化が挙げられるとのことである。
・ 国内土木においては、建設分野において、公開買付者グループの前田建設工業及び当社の強みが一部重複することにより、公開買付者グループに当社が参画することによって、ディスシナジーとなる可能性も否定できないとも考えられる。もっとも、本特別委員会が受領した資料及び本特別委員会が公開買付者に対して行ったインタビューによれば、建築分野における超高層住宅の用途が重複することが想定されるものの、超高層住宅では設計施工案件が多く、両社の経営リソースの相互活用を行うことで、多くの案件に対応が可能であることからディスシナジーが発生することは想定していないとのことである。また、本特別委員会が当社経営陣に対して行ったインタビュー等によれば、特に土木部門において土木事業における得意工事の種別が異なることから入札時の競合といったディスシナジーが生じる可能性があるものの、当社と前田建設工業において互いの強みと弱みを補完しあうことで多様な案件の受注が可能となり、公開買付者グループ全体としては当該ディスシナジーを上回るシナジーが期待されると考えているとのことである。この点については、当社と前田建設工業において互いの強みと弱みを補完することを確保するため、当社及び公開買付者の経営陣及び実務担当者の間で、競争法上許容される範囲内で、本取引後の受注体制について協議がなされたとのことであり、当該協議では、当社と前田建設工業とで得意工種が重複し、両社間で受注を希望する案件が重なることも理論的にはあり得るものの、各社の得意分野やリソースを勘案し、ベストな提案を行うことで当該ディスシナジーを上回るシナジーが見込めることが確認されたとのことである。その上で、公開買付者及び当社は、当社と前田建設工業との間で強みが重複することによるディスシナジーの発生を防ぐため、公開買付者は、本取引後、当社と公開買付者の傘下である前田建設工業との間で強みが重複する工事受注については、両社の強みを最大限に活かし、競争力を高めるとともに、効率的な事業運営を実現するため、競争法上許容される範囲内で、各社の得意分野やリソースを勘案し、①当社又は前田建設工業のいずれかのみが入札する、又は、②当社と前田建設工業がジョイントベンチャーを設立して共同で入札する等の最適な戦略を策定するものとし、当該戦略の策定に際しては、当社及び前田建設工業を相互に尊重し対等の精神をもって、各社誠実に協議の上で定めることを基本的な方針とすることを、本確認書において合意したとのことである。
・ 本取引の実施によって、当社は非上場化することになり、上場会社としての社会的信用、知名度の維持・向上といったメリットを失うことや、商号の変更の可能性が想定されるところ、当社グループの従業員のうち上場会社への勤務を志向する者や当社の商号への誇りを持つ者のモチベーションが低下することが考えられる。また、当社グループと公開買付者グループは一定の重複する業務分野を有していることから、当社グループが公開買付者グループに参画することによって、当社グループが主体的に推進する案件が減少する場合には、そのような案件を自ら推進することにやりがいを感じている当社の優秀な技術者のモチベーションの低下に繋がりかねないと考えられる。したがって、本取引の実施によって、以上のような事項の従業員のリテンション等への影響が生じる可能性がある。本特別委員会が受領した資料及び本特別委員会が公開買付者に対して行ったインタビューによれば、当社の人事システムは一定期間維持することを想定しており、当社が非上場化することの影響について、公開買付者は、本取引の実行によって上場廃止となることで当社の従業員の士気低下が懸念され、また、当社の従業員が当社の商号を重視していることは理解しているものの、①上場維持コストが削減されることによる従業員の給与の増加等の施策や公開買付者グループ全従業員を対象とした株式給付信託制度(J-ESOP)の付与等のインセンティブプランを実行することで、公開買付者グループに参加するメリットを享受してもらうこと、②公開買付者グループと一体となることで、ノウハウの共有や適材適所の人材交流が可能となり、より働き甲斐のある職場環境の実現につながること、③公開買付者としては、将来的な企業価値の向上について丁寧に説明することにより、当社グループの従業員の理解を得ることが可能であると考えているとのことである。他方で、本特別委員会が当社に対して行ったインタビューによれば、当社が非上場化することの影響について、当社経営陣としては、非上場化によって、当社グループの従業員が不安を抱く可能性は否定できず、また、公開買付者と経営統合することで、案件の重複が起きた際に現場技術者の活躍の場が狭まることにも繋がるといった事態が生じる場合には、現場技術者の離職につながる可能性があると認識しているとのことである。そのため、当社経営陣としては公開買付者との間で従業員のリテンションについて一定の合意をし、当該合意の内容を従業員に対して説明することで従業員の理解を得ることが必要と認識しているとのことである。そこで、当社経営陣としては、当社グループの従業員のリテンションの観点から、公開買付者との間で、当社グループの従業員の雇用水準を維持することを前提に、当社グループが公開買付者グループに参画するに当たって、当社グループの従業員がそのエンゲージメントを高め、より高いモチベーションで働ける環境を追求することを目的として、当社グループの従業員がその能力を発揮し、成長することを支援するための具体的な施策を実施することを、本確認書において合意したとのことである。
・ 本取引の実施によって、当社は非上場化することになり、当社が上場会社として享受していた、上場会社としての社会的信用、知名度の維持・向上及び市場からの資金調達等のメリットは享受できなくなる。この点、本特別委員会が受領した資料及び本特別委員会が公開買付者に対して行ったインタビューによれば、公開買付者としては、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、公開買付者グループの格付や与信を活用した当社における資金調達力の向上及び調達コストの低減を図ることが可能になることに鑑みると、影響は軽微であると考えているとのことである。
・ 本特別委員会が当社及び公開買付者から受けた説明並びに資料を踏まえると、上記に記載の本取引に至る背景となる当社グループの事業内容・事業環境等については、当社の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容や当社取締役会の理解とも整合すると考えられる。また、上記の公開買付者が企図する施策の内容は当社グループの現在の事業内容・事業環境を前提とした合理的なものであり、当社における将来の中長期的な企業価値の向上のための施策として、評価し得るものであると考えられる。すなわち、上記のとおり、資源価格や建設資材価格の高止まり、労務需給の逼迫の影響、2024年4月から開始した建設業への時間外労働の上限規制適用による影響等により、依然として厳しい市場環境は続くことを踏まえると、環境変化に対応できる強固な経営基盤の構築や経営資源の最適配分を行うことが重要な経営課題であることは是認できる。また、本取引後に講じられることが具体的に想定される施策に関して、公開買付者は「①公開買付者及び当社の経営リソースの相互活用」については、当社グループが公開買付者グループとの連携を強化することで、営業・設計・現場支援、技術開発、システム及び広報・IR等の様々な連携が可能となり、そこから生まれる事業機会の拡大や生産性の向上、また両社グループの経営リソースを活用した成長投資が可能となり、「②グループ全体でのDX、技術開発、サステナビリティ戦略及び人材育成の共同推進」については、AIをはじめとする先端デジタル技術を活用した生産性向上やインフラ運営事業の効率化に資するデータの集積と活用、及び人材育成が可能となり、「③相互の事業基盤を活用した新規事業機会の創出」については、当社グループにおいては、土木分野における橋梁を中心とした公共工事、建築分野における超高層建築を代表とする高い技術力、及び海外事業において強みを有しており、これまでに当社グループ及び公開買付者グループが築いてきた成長市場への事業接点、事業基盤、及び顧客接点を最大限に活かすことで、両社グループにおいて、業界における成長市場への更なる事業機会の創出及び案件パイプラインの拡大が可能になると考えているとのことであるが、いずれも当社グループを取り巻く事業環境及び経営課題に対応するものであり、これらの施策は合理的なものであると考えられる。また、当社としては、本取引の実施により、「①国内建設事業の一層の強化の実現」、「②海外事業の事業規模の拡大」、「③経営資源共有による経営効率の向上と経営環境の変化に対する対応力の強化」等のシナジーが生じると認識しているとのことであるが、公開買付者が企図する施策及び認識するシナジーは、当社の認識にも沿うものであると考えられる。
・ さらに、上記のとおり、本取引の実施により当社と前田建設工業との間で強みが重複することによるデメリットが生じる可能性は否定できないものの、当社は、公開買付者との間で、本取引後の事業運営に関する合意を行っており、当該デメリットについてはその発生の防止が一定担保されていると考えられる。すなわち、特に当社においては、土木部門において入札時の競合といったディスシナジーについては当社の取締役会において議論がなされ、当該ディスシナジーの発生の可能性を認めつつも、当社と前田建設工業において互いの強みと弱みを補完しあうことで多様な案件の受注が可能となり、公開買付者グループ全体としてはシナジーが期待されるという評価に至っており、このような点を踏まえた当社及び公開買付者の本取引の実施によるデメリット及びその評価に対する認識に不合理な点はなく、その上で、当社と前田建設工業において互いの強みと弱みを補完することを確保するため、本確認書において、重複する事業については、当社グループ及び公開買付者グループの強みを最大限に活かし、競争力を高めるとともに、効率的な事業運営を実現するための戦略を両グループが相互に尊重し対等の精神をもって、誠実に協議の上で定めることを基本方針とする旨が合意されている。また、上場廃止や商号の変更については、当社グループの従業員のリテンションへの悪影響が否定できないことは当社経営陣の認識のとおりであると考えられるが、本確認書における合意内容を含む当社グループの従業員のリテンションに関する施策は不合理とはいえず、また、本確認書において、本取引実施後当面の間は原則として当社の法人格及び現行の機関設計が維持され、当社グループ及び公開買付者グループの企業価値に資する場合には、経営環境の変化や市場の動向に応じて当社と公開買付者が協議の上で、必要に応じた柔軟な対応を行う旨合意されており、当社の本取引以前の態様の事業運営が直ちに妨げられるものではなく、従前の取引先との関係でも影響は最小限であると考えられる。このように本取引を実行することによるデメリットに対しては本確認書の締結を含む合理的な措置や説明がなされており、重大な懸念が存在するとまではいえない一方、本取引の実施によりそのようなデメリットを上回るシナジーの発現を期待することができ、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると認められる。
以上の検討結果を踏まえると、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は正当かつ合理的であると考えられる。
ⅱ 本取引の取引条件の公正性・妥当性
・ 本公開買付価格は、当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本特別委員会の決定した交渉方針を踏まえた当社と公開買付者との間の真摯な価格交渉の結果決定されており、また、4回にわたる価格の引上げの要請が行われ、実際に公開買付者が当初提案した480円から600円にまで引き上げられているところ、これらの当社と公開買付者との本公開買付価格の交渉に係る経緯には不合理な点は認められない。したがって、以上の公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。
・ 本公開買付価格は、本株式価値算定書(山田コンサルティング)の市場株価平均法による算定結果の上限を上回り、類似会社比較法及びDCF法による算定結果の範囲内であるものと認められ、また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)の市場株価平均法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内であるものと認められる。
・ 本株式価値算定書(山田コンサルティング)及び本株式価値算定書(SMBC日興証券)におけるDCF法による算定の基礎とされている本事業計画の作成経緯及び内容について特に不合理な点は認めらない。また、本株式価値算定書(山田コンサルティング)及び本株式価値算定書(SMBC日興証券)はその算定方法及び算定内容について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断される。
・ 本公開買付価格は、2025年5月14日付答申書作成日の前営業日である2025年5月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値544円に対して10.29%、同日までの過去1ヶ月間(2025年4月14日から同年5月13日まで)の終値単純平均値497円に対して20.72%、同日までの過去3ヶ月間(2025年2月14日から同年5月13日まで)の終値単純平均値447円に対して34.23%、同日までの過去6ヶ月間(2024年11月14日から2025年5月13日まで)の終値単純平均値427円に対して40.52%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっているところ、経済産業省がM&A指針を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年4月30日までに公開買付けが成立した上場企業の非公開化を目的とした本取引に類似する事例(公開買付けの対象会社の時価総額が500億円以上であり、かつ、公開買付けの対象となる株式のPBRが案件公表前から1倍を超えている事例。ただし、いわゆるディスカウント公開買付け、二段階公開買付け、同意なき買収、MBO、上場子会社の完全子会社化を目的とした事例は除きます。)28件におけるプレミアム水準の中央値(本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日の終値に対して33.06%、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して35.96%、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して36.64%、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して42.38%)に照らした場合、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日及び基準日直近1ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアム水準は必ずしも高い水準とはいえないものの、当社の株価は2025年3月1日及び2025年4月20日に情報誌において当社の株券に対する公開買付けに関する憶測記事が掲載された際に上昇しており、2025年4月7日に当社が公表した「当社に対する訴訟の経過に関するお知らせ」及び2025年4月21日に公表した「業績予想の修正に関するお知らせ」も株価上昇の要因として考えられることを勘案しても、足許の株価上昇は当社の非公開化への期待を一定程度含んだ思惑買いによる影響がある可能性も否定しきれないことから、短期間の株価変動の影響を除外したより長い期間の株価との比較においてのプレミアム水準も考慮するべきであると考えられるところ、短期間の株価変動の影響がより小さい基準日直近3ヶ月及び基準日直近6ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアム水準との比較では、本公開買付価格は相応のプレミアムが付された価格であると認められる。
・ 当社の長期の株価推移に照らして、直近5年における当社株式の終値の最高値550円(2025年5月8日)を上回り、かつ、直近5年における当社株式の場中最高値564円(2025年5月9日)を上回る価格であるため、長期保有の一般株主にも十分配慮された水準であると考えられる。
・ 公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、会社法第179条に基づく株式等売渡請求又は同法第180条に基づく株式併合により本スクイーズアウト手続を行うことを予定している。上記方法は、本取引のような非公開化取引において一般的に採用されている方法であり、本取引の方法として妥当であると考えられる。本取引は現金対価による全部買収(最終的に100%の株式を取得することに買収者がコミットしている買収)の提案であり、本スクイーズアウト手続については、本取引に反対する株主に株主買取請求権又は価格決定請求権が確保できないスキームは採用されておらず、また、(ⅰ)本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続を行う旨及び(ⅱ)本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となる旨が開示されている。このように、本取引に係る株式併合又は株式等売渡請求においては、一般株主が本公開買付けに応募するか否かに当たって、仮に本公開買付けに応募しなかった場合に不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないような配慮がなされていることから、本スクイーズアウト手続に係る取引条件は、公正かつ妥当であるといえる。また、組織再編行為による当社の完全子会社化に比して、本スクイーズアウト手続は、株式と比較して流動性の高い金銭を対価とすることにより、当該交付された金銭を用いて公開買付者の株式を購入し、公開買付者の株主となることを含めた選択の機会を一般株主に提供できるため、一般株主により有利であると考えられる。
以上の検討結果を踏まえると、本取引の条件は公正かつ妥当なものであると考えられる。
ⅲ 本取引の手続の公正性
・ 公開買付者は、当社に対して、2024年11月15日に本取引の検討を行っている旨を連絡し、当社との間で、本取引の実施について協議を開始するとともに、本取引の実施の是非等を含めた検討を開始した。その後、公開買付者は、2025年2月18日に本公開買付けを通じて当社を完全子会社化することを目的とした本取引に関する正式な意向を表明する本提案書を提出した。当社は、本提案書の受領直後である同月25日、本特別委員会を設置する旨の取締役会決議を行っており、第1回の本特別委員会は同月28日に開催された。したがって、本取引においては、取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が関与していたと認められる。
・ 当社取締役会は、本特別委員会の委員選定に当たり当社の独立したリーガル・アドバイザーである西村あさひの助言を得て、当社の社外取締役であり、独立役員として東京証券取引所に届出を行っている川橋信夫氏、笹本前雄氏及び山下真実氏を委員に選定した。これらの者はいずれも、公開買付関連当事者から独立しており、本取引に関して一般株主とは異なる重要な利害関係を有していない。また、川橋信夫氏、笹本前雄氏及び山下真実氏はいずれも、当社取締役であることから、当社の事業にも一定の知見を有しており、本取引についてこれまで培われた経験・識見を活かすことができると考えられる。したがって、本特別委員会の委員は、それぞれ独立性を有することが確認されており、本取引を検討するに当たって必要な経験・識見を有していることを踏まえて選定されたものであることが認められる。
・ 本特別委員会は、当社から、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議、交渉の経緯及び内容等につき、適時に報告を受けるだけでなく、本特別委員会における協議、公開買付者との本取引に係る面談及び質疑応答を実施し、当社に対して、公開買付者に対する本公開買付価格の見直しを求めることを要請する等、公開買付者との交渉過程に実質的に関与してきた。このように、本特別委員会が公開買付者との間の取引条件に関する交渉過程に、当社取締役会を通じて実質的に関与してきたことが認められる。
・ 本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びにリーガル・アドバイザーである西村あさひについて、いずれも公開買付関連当事者からの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、必要に応じSMBC日興証券及び西村あさひから専門的助言を得ることとし、さらに、本特別委員会は、本特別委員会独自の第三者算定機関として、公開買付関連当事者からの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、山田コンサルティングを選任し、山田コンサルティングから専門的助言を受けることを決定した。このように、本特別委員会においては、本取引に関する検討過程において適時に上記の各アドバイザーの専門的な助言・意見等を取得し、本取引の是非、本公開買付価格をはじめとする本取引の取引条件の妥当性、本取引における手続の公正性等について慎重に検討及び協議を行う体制が確保されていたと認められる。
・ 本特別委員会は、公開買付者に対して質問事項を提示し、公開買付者に対して本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施するとともに、公開買付者からのこれらの点に関する質疑応答の内容を踏まえ、当社に対して、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施した。また、本特別委員会は、当社から、公開買付者の提案内容等に対する当社の評価、SMBC日興証券が2025年5月13日付の本株式価値算定書(SMBC日興証券)、山田コンサルティングが2025年5月13日付の本株式価値算定書(山田コンサルティング)を作成するに当たり前提とした本事業計画の内容に関する説明を受け、質疑応答を行い、その合理性を検証している。本特別委員会は、SMBC日興証券及び山田コンサルティングから当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受け、当該算定方法の前提、内容及び結果等について財務的見地から質疑応答を行い、その合理性を検証し、西村あさひから本取引において利益相反を軽減又は防止するために採られている措置及び本取引に関する説明を受け、公正性担保措置の一般的意義・概念及び本取引における当該措置の十分性等に関して質疑応答を行っている。また、本特別委員会は、必要に応じてSMBC日興証券及び山田コンサルティング、並びに西村あさひから専門的助言を得ながら、本諮問事項に関する協議及び検討並びに公開買付者との価格交渉等を行っている。このように、本特別委員会が非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行っていたと認められる。
・ 当社は、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、本特別委員会の開催回数に応じた報酬を支払うこととしており、成功報酬は採用していない。したがって、報酬という観点からは、特別委員が時間的・労力的なコミットメントを行いやすく、かつ、本取引の成否から独立した立場から判断を行うための環境が整えられていることが認められる。
・ 当社取締役会において、当社取締役会が対象事項に関する重要な決定を行うときには、本特別委員会の答申を最大限尊重しなければならず、本特別委員会が本公開買付けを通じて本取引を実施することの決定が当社の一般株主にとって不利益なものであると判断した場合には本公開買付けに賛同しないものとする旨を決議している。このように、本取引については取締役会が本特別委員会の意見を最大限尊重して意思決定を行うことが確保されていることが認められる。
・ 当社の役員及び当社プロジェクトチームには、公開買付者又は応募株主らと一定の利害関係を有する者は存在しない。したがって、当社においては、本取引の検討・交渉に際しては、公開買付者及び応募株主らから独立した社内検討体制が整備されていたことが認められる。
・ 当社は、2024年12月下旬頃に、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、公開買付者から2025年2月18日に本公開買付けを通じて当社を完全子会社化することを目的とした本取引に関する正式な意向を表明する本提案書を受ける前の段階から、西村あさひの法的助言を受けていた。したがって、当社は、本取引の検討の初期段階より、西村あさひから、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けていたことが認められる。
・ 当社は、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を選任し、当社株式の株式価値の算定結果の提供を受けた。また、本特別委員会は、独自の第三者算定機関として山田コンサルティングを選任し、当社株式の株式価値の算定結果の提供を受けた。
・ 公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しており、公開買付期間を法定期間より長期に設定している。また、本公開買付けはいわゆる事前公表型公開買付けであり、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで一定の期間が確保されていることから、当該公表後の期間も考慮すると、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断の時間と機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保している。さらに、公開買付者は、当社との間で、公開買付者以外の者による公開買付け等の機会が不当に制限されることがないよう、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを制限するような合意は行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。したがって、本取引においては間接的なマーケット・チェックが実施されていることが認められることから、他の買収者による買収提案の機会は確保されていると評価できると考えられる。
・ 本公開買付けにおいては、買付予定数の下限(104,589,800株、所有割合:66.67%)は、当社第22期有価証券報告書に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(162,673,321株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(5,788,439株)を控除した株式数(156,884,882株)の過半数に相当する株式数(78,442,442株、所有割合:50.00%)、すなわち、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数を上回るものとなる。したがって、本公開買付けの成立に本公開買付けと重要な利害関係を有しない一般株主の過半数の賛同(応募)を要するような買付予定数の下限が設定されていることは、一般株主による判断機会の確保をより重視することにつながり、かつ、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることに資するものと認められる。
・ 本取引において、プレスリリース等の開示書面による情報開示は、当社の一般株主が本公開買付けに応じるか否かを適切に判断するために相当と認められる情報が開示されているものと認められる。
・ 本取引においては、①公開買付け後のスクイーズアウト手続は株式等売渡請求又は株式併合により行うことを予定しており、本取引に反対する株主に株式買取請求権又は価格決定請求権が確保できないスキームは採用されておらず、②(ⅰ)公開買付けが成立した場合には速やかにスクイーズアウトを行う旨、及び(ⅱ)スクイーズアウト時の価格は公開買付価格と同一の価格を基準にする旨が開示されている。そのため、一般株主は、本公開買付けに応募するか否かに当たって、仮に応募しなかった場合に、不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないような配慮がなされている。したがって、本取引においては、一般株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされているといえ、本取引の手続の公正性の確保に資する対応が取られていると考えられる。
以上のとおり、本取引においてはM&A指針で提示されている各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらないため、本取引における手続の公正性は確保されていると考えられる。
ⅳ 上記ⅰ乃至ⅲのとおり、本取引は当社の一般株主にとって不利益なものではない。
ⅴ 上記ⅰ乃至ⅳのとおり、本取引の目的は正当かつ合理的と考えられること、本取引における手続は公正なものであると考えられること、及び本取引の条件が公正かつ妥当なものであると考えられることからすると、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当である。
当社は、公開買付者から、2025年8月1日に、フィリピン競争委員会から本株式取得を承認する旨の文書を受領したことをもって、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了したことを確認したことから、同日、本前提条件がいずれも放棄されることなく全て充足されることが確実であると判断し、本公開買付けの開始日を2025年8月6日とする予定である旨の連絡を受けました。
これを受け、当社は、2025年8月5日、本特別委員会に対して、2025年5月14日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。
本特別委員会は、2025年8月5日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年5月14日以後、2025年8月5日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年5月14日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月5日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年8月5日付答申書を提出いたしました。
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、西村あさひから、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、西村あさひは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、西村あさひに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
当社取締役会は、西村あさひから受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、2025年5月13日付で取得した本株式価値算定書(SMBC日興証券)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2025年5月14日付答申書において示された判断内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に検討・協議を行いました。
その結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、2025年5月14日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全9名の過半数(賛成8名、反対1名)の承認により、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。また、当該取締役会に出席した監査役5名の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。
なお、公開買付者としては上記のとおり、本前提条件が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)、本公開買付けを速やかに実施することを予定しており、2025年5月14日現在、2025年7月上旬頃には本公開買付けを開始することを目指していたとのことでした。
このため、当社は、上記の決議に際して、本公開買付けが開始される前に、本特別委員会に対して、2025年5月14日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、当社は、公開買付者から、2025年8月1日に、フィリピン競争委員会から本株式取得を承認する旨の文書を受領したことをもって、フィリピンの競争法に基づき必要な手続が全て完了したことを確認したことから、同日、本前提条件がいずれも放棄されることなく全て充足されることが確実であると判断し、本公開買付けの開始日を2025年8月6日とする予定である旨の連絡を受けました。
これを受け、当社は、2025年8月5日、本特別委員会に対して、2025年5月14日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。そこで、本特別委員会は、上記「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年8月5日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年5月14日以後、2025年8月5日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年5月14日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年8月5日に、当社取締役会に対して、2025年8月5日付答申書を提出いたしました。
当社は、本特別委員会から提出された2025年8月5日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年5月14日以降、当社の経営環境に重要な状況変化は生じておらず、また、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当であると認められること等から、2025年8月5日現在においても、2025年5月14日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
その結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、2025年8月5日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全7名の全員一致により、改めて、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。また、当該取締役会に出席した監査役5名の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付関連当事者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うため、2024年11月15日に、公開買付者より本取引の検討を行っている旨の連絡を受けたことを契機として、公開買付関連当事者から独立した当社プロジェクトチームを構築しました。
当社プロジェクトチームを含めた本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことについては本特別委員会の確認を経ております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいては、買付予定数の下限(104,589,800株、所有割合:66.67%)は、本基準株式数(156,884,882株)から公開買付者が所有する当社株式の数(100株、所有割合:0.00%)を控除した株式数(156,884,782株)の過半数に相当する株式数(78,442,392株、所有割合:50.00%)、すなわち、応募株主らを含む、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数を上回るものとなるとのことです。公開買付者は、本公開買付けは、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には成立せず、当社の一般株主の皆様の意思を重視したものであると考えているとのことです。
なお、応募株主らは、いずれも公開買付者と利害関係を有しない独立した第三者であり、本応募契約は独立した当事者間で行われた真摯な協議・交渉に基づき締結に至ったものであることから、公開買付者としては、本応募契約の締結の事実により、応募株主らが、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」条件の判断における、公開買付者と利害関係を有する当社の株主に該当することになるものではないと考えているとのことです。
本応募契約の詳細につきましては、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「①本応募契約」をご参照ください。
公開買付者は、当社との間で、公開買付者以外の者による公開買付け等の機会が不当に制限されることがないよう、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを制限するような合意は行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を法定期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断の時間と機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
公開買付者は、シティインデックスイレブンスとの間で、2025年5月13日付で以下の概要の本応募契約を締結したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、本応募契約以外に、応募株主らとの間で合意を行っておらず、応募株主らに対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。本公開買付価格の支払いを除き、応募株主らに供与される利益はないとのことです。
公開買付者は、2025年5月13日付で、シティインデックスイレブンスとの間で、公開買付者が公開買付価格を590円以上とすることを条件として、同日時点でシティインデックスイレブンスが所有する当社株式及び本共同保有者が所有する当社株式の全てについて、自ら本公開買付けに応募し、又は本共同保有者をして応募させる旨の本応募契約を締結したとのことです。本応募契約において、応募株主らによる応募の前提条件は定められていないとのことです。
本応募契約においては、本公開買付けの条件の変更、公開買付者以外の者による当社株式に対する公開買付けその他当社株式の買付けに係る法的拘束力のある申出等がなされ、本公開買付けへの売付けの申込みが応募者(シティインデックスイレブンスをいいます。以下同じです。)の取締役の善管注意義務に明らかに違反するものと合理的に判断される場合、応募者は本公開買付けに応募する義務を免れるものと規定したとのことです。また、応募者は、公開買付者の書面による事前の同意を得ない限り、当該契約締結日以降、本公開買付けへの応募を除き、自ら又は本共同保有者をして、その所有する当社株式の第三者への譲渡、担保権の設定その他の処分又は当社株式の取得を行わず又は行わせないものとされているとのことです(ただし、応募者が本公開買付けに応募する義務を免れる場合、上記義務も負わないものと規定されているとのことです。)。なお、応募者は、応募対象株式等に関して法令等に従い義務付けられる開示につき、開示内容及びその時期を事前に公開買付者に対して通知し、公開買付者との事前協議を経た上で、法令等に基づき義務付けられた範囲内で最小限の開示又は公表を行うことができるものとされているとのことです。
公開買付者及び当社は、本取引後の公開買付者及び当社の事業運営等について、2025年5月14日付で、本確認書を締結し、以下の事項について合意しております。
(ⅰ)公開買付者は、原則として、本取引後当面の間は、当社の法人格及び現行の当社の機関設計を維持するものとする。ただし、公開買付者は、当社及び公開買付者グループの企業価値向上に資する場合には、経営環境の変化や市場の動向に応じて、当社と協議の上で、必要に応じた柔軟な対応を行い、最適な機関設計を構築することができるものとする。
(ⅱ)本取引後の当社の経営体制、業務執行体制については、公開買付者の取締役会において基本的な要件及び構成を決定するものとし、具体的な役員の人選・人数については、公開買付者の指名委員会にて協議の上、公開買付者の取締役会において決議する。ただし、当社の業務執行体制案・役員人事案については、当該基本的な要件及び構成に従い、当社が公開買付者に対して提案するものとし、公開買付者は、当該提案があった場合にはその妥当性を十分に検証し妥当性が認められる場合は、当該提案を尊重する。
(ⅲ)本取引の完了直後においては、当社の推薦する者1名が、公開買付者の指名委員会及び取締役会による承認を得た上で、公開買付者の執行役を兼務するものとする。なお、本取引後の公開買付者における取締役及び執行役の選任に際しては、対等の精神をもって、公開買付者グループ全体での業務の変革を勘案し、都度、公開買付者の指名委員会及び取締役会で決定する。
(ⅳ)公開買付者は、当社グループの従業員について、原則として、当社における2025年5月14日現在の水準を実質的に下回らない条件で、当面の間、その雇用を維持するものとする。
(ⅴ)公開買付者は、当社グループが公開買付者グループに参加することで、当社グループの従業員がそのエンゲージメントを高め、より高いモチベーションで働ける環境をグループ一体となって追求するものとし、①当社グループの従業員のキャリアパスの多様化やスキルアップの機会を提供し、働きがいのある職場環境を整備することで、当社グループの従業員一人ひとりが最大限の能力を発揮できるよう支援すること、及び②公開買付者グループ全体での人材育成プログラムや研修制度を当社の従業員が活用できるようにすることで、当社グループの従業員の成長をサポートすることを含む施策を実施する。
(ⅵ)公開買付者は、公開買付者グループの経営戦略に基づき、公開買付者グループ全体の企業価値の向上に資するものとするため、公開買付者グループにおけるグループ管理規程、権限分配及び決裁基準その他の内部規則に従うことを前提として、当社の策定した投資・経費計画及び運営等の事業戦略及び投資戦略、並びに、採用や人事処遇等の人員計画及び人事戦略については、当社の運営を尊重して、公開買付者グループ全体最適の観点から誠実に協議を行うものとする。
(ⅶ)公開買付者は、本取引後、当社と前田建設工業との間で強みが重複する工事受注については、両社の強みを最大限に活かし、競争力を高めるとともに、効率的な事業運営を実現するため、競争法上許容される範囲内で、各社の得意分野やリソースを勘案し、①当社又は前田建設工業のいずれかのみが入札する、又は、②当社と前田建設工業がジョイントベンチャーを設立して共同で入札する等の最適な戦略を策定するものとし、当該戦略の策定に際しては、当社及び前田建設工業を相互に尊重し対等の精神をもって、各社誠実に協議の上で定めることを基本的な方針とする。
(ⅷ)公開買付者は、当社グループを当事者とする組織再編(当社と前田建設工業との間の組織再編を含む。)については、当面の間は実施しないものとする。当該組織再編の実施の可能性等については、本取引後、公開買付者グループ及び当社グループにおける事業会社の重複等を評価の上、当社との間で協議及び検討を行うものとする。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
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| 氏名 | 役職名 | 所有株式数(株) | 議決権の数(個) |
| 柴田 敏雄 | 代表取締役社長
執行役員社長 | 102,301 | 1,023 |
| 平 喜彦 | 取締役
常務執行役員
安全環境本部管掌
土木本部長 | 39,180 | 391 |
| 由井 孝 | 取締役
常務執行役員
経営企画本部長 | 29,392 | 293 |
| 十河 亮介 | 取締役
常務執行役員
管理本部・人材開発本部管掌 | 0 | 0 |
| 川橋 信夫 | 取締役 | 0 | 0 |
| 丹生谷 晋 | 取締役 | 500 | 5 |
| 山下 真実 | 取締役 | 0 | 0 |
| 原田 道男 | 常勤監査役 | 20,479 | 204 |
| 野澤 和史 | 常勤監査役 | 6,098 | 60 |
| 楓 孝史 | 常勤監査役 | 3,006 | 30 |
| 黒川 晴正 | 監査役 | 0 | 0 |
| 日野 義英 | 監査役 | 0 | 0 |
| 計 | - | 200,956 | 2,009 |
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役川橋信夫氏、同丹生谷晋氏及び同山下真実氏は、社外取締役です。
(注3) 常勤監査役楓孝史氏、監査役黒川晴正氏及び同日野義英氏は、社外監査役です。
(注4) 上記所有株式数には、持株会における本書提出日現在の各自の持分を含めた実質所有株式数を記載しています。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7 【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
8 【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以 上
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