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Silver Egg Technology CO.,Ltd.

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 意見表明報告書_20251117100147

【表紙】

【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2025年11月17日
【報告者の名称】 シルバーエッグ・テクノロジー株式会社
【報告者の所在地】 大阪府吹田市江坂町一丁目23番43号
【最寄りの連絡場所】 大阪府吹田市江坂町一丁目23番43号
【電話番号】 (06)6386-1931
【事務連絡者氏名】 取締役  フォーリー 淳子
【縦覧に供する場所】 シルバーエッグ・テクノロジー株式会社

(大阪府吹田市江坂町一丁目23番43号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

(注1) 本書中の「当社」とは、シルバーエッグ・テクノロジー株式会社をいいます。

(注2) 本書中の「公開買付者」とは、株式会社イルグルムをいいます。

(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。

(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。

(注5) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。

(注6) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。

(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。

(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。

(注9) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示基準に従い実施されるものです。

E32624 39610 シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 Silver Egg Technology CO.,Ltd. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 1 false false false E32624-000 2025-11-17 xbrli:pure

 意見表明報告書_20251117100147

1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   株式会社イルグルム

所在地  大阪市北区梅田二丁目2番22号 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

(1)普通株式(以下「当社株式」といいます。)

(2)2024年3月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第3回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2027年3月29日から2032年3月28日まで) 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)意見の内容

当社は、2025年11月14日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

(2)意見の根拠及び理由

下記の意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、2025年11月14日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)グロース市場に上場している当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。また、本新株予約権は、当社の役職員に対してストックオプションとして発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても本新株予約権者がこれらの地位にあることとされており、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)は1円としているため、本新株予約権者の皆様が、本新株予約権を本公開買付けに応募されることは想定していないとのことです。

本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年11月14日付で、当社の代表取締役であり当社の主要株主かつ筆頭株主であるトーマス・アクイナス・フォーリー氏(所有株式数:1,605,800株、所有割合(注1):53.94%、以下「トーマス氏」といいます。)との間で、公開買付応募・不応募契約(以下「本応募・不応募契約」といいます。)を締結し、(ⅰ)同氏が所有する当社株式の半数(802,900株、所有割合:26.97%。以下「トーマス氏応募合意株式」といいます。)を本公開買付けに応募すること、(ⅱ)また、同氏が所有する当社株式の半数(802,900株、所有割合:26.97%、以下「不応募合意株式」といいます。)について、本公開買付けに応募しないこと、(ⅲ)本公開買付けにより公開買付者が当社株式の全て(ただし、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの成立後に、当社の株主を公開買付者及びトーマス氏のみとし、当社を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施するために必要な手続を行うこと、並びに(ⅳ)本スクイーズアウト手続の完了後、金融商品取引法第24条第1項但書に基づき当社が内閣総理大臣から有価証券報告書を提出する義務の中断申請に係る承認(以下「有価証券報告書提出免除承認」といいます。)を受けた後に、トーマス氏が所有する不応募合意株式の全てを公開買付者に譲渡すること(以下「本株式譲渡」といいます。)(注2)を合意しているとのことです。本応募・不応募契約の概要については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募・不応募契約」をご参照ください。

また、公開買付者は、2025年11月14日付で、当社の取締役でありトーマス氏の配偶者であるフォーリー淳子氏(以下「淳子氏」といいます。)がその発行済株式の全てを所有する資産管理会社であり当社の第2位株主である株式会社キョウサン(所有株式数:140,000株、所有割合:4.70%、以下「キョウサン」といいます。)との間で、同社が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募することに合意する公開買付応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結しているとのことです。本応募契約の概要については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約」をご参照ください。なお、トーマス氏とキョウサンが本公開買付けに応募することに合意している株式数の合計は942,900株(所有割合:31.67%)となるとのことです。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年11月14日に公表した「2025年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2025年9月30日現在の発行済株式総数(2,976,942株)から、当社決算短信に記載された2025年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(85株)を控除した株式数(2,976,857株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。なお、公開買付者は、当社から同日現在残存するものと報告を受けた第3回新株予約権700個の目的となる当社株式の数(70,000株)は、本取引の期間内に行使期間が到来しないことから、本基準株式数に加算していないとのことです。

(注2) 本株式譲渡により公開買付者がトーマス氏から取得する当社株式の譲渡価格(以下「本株式譲渡合計価格」といいます。)は、不応募合意株式の数(802,900株(所有割合:26.97%))に440円を乗じて得られる金額から本スクイーズアウト手続において会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第180条に基づき行うことを予定している当社株式の併合(以下「株式併合」といいます。)に関連して会社法第235条第1項に基づきトーマス氏に交付される端数代金(以下「株式併合端数代金」といいます。)(もしあれば)を控除して得られる金額とすることが合意されております。したがって、不応募合意株式の株式併合前の1株当たり譲渡価格(以下「本株式譲渡価格」といいます。)は440円となり、本公開買付けにおける当社株式の1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)(770円)よりも330円低い価格となるとのことです。これは、公開買付者が、公開買付者において実施した当社の株式価値算定の結果、当社株式の全てを対象とした公開買付価格の引き上げが困難であると考えるに至ったことを踏まえ、不応募株式に係る本株式譲渡価格を当社株価に対してディスカウント価格での取引とすることにより、本公開買付価格を引き上げることへの協力をトーマス氏に要請し、協議・交渉の結果、同氏と合意したことによるものであるとのことです。なお、公開買付者とトーマス氏が、同氏が所有する当社株式の半数であるトーマス氏応募合意株式のみを本公開買付けに応募することとし、不応募合意株式については有価証券報告書提出免除承認を受けた後に公開買付者に譲渡するに至った経緯については、下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の公開買付者と経営株主らとの協議・交渉の経緯をご参照ください。

公開買付者は、本公開買付けにおいて1,181,700株(所有割合:39.70%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(1,181,700株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(1,181,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(1,181,700株)については、本基準株式数(2,976,857株)に係る議決権の数(29,768個)に3分の2を乗じた数(19,846個(小数点以下切上げ))に、当社の単元株式数である100株を乗じた数である1,984,600株から、不応募合意株式(802,900株)を控除した株式数(1,181,700株)としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者及びトーマス氏が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものであるとのことです。上記のとおり、本新株予約権が本公開買付けに応募されることは想定していないため、公開買付者が本公開買付けにより買付予定数の下限以上の当社株式を取得した場合には、本公開買付け後に公開買付者及びトーマス氏が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるとのことです。

また、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者及びトーマス氏のみとし、当社を非公開化するために、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

公開買付者は、公開買付者が、2025年11月17日付で関東財務局長に対して提出した公開買付届出書の「8 買付け等に要する資金」の「(2)買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「① 届出日の前々日又は前日現在の預金」及び「③ 届出日以後に借入れを予定している資金」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、自己資金及び株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)からの借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに本銀行融資を受けることを予定しているとのことです。本銀行融資に係る融資条件の詳細は、公開買付者がみずほ銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされているとのことです。

以下は、本取引の概要を図示したものであるとのことです。

(ⅰ)現状(2025年11月17日時点)

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(ⅱ)本公開買付け成立後(2026年1月14日時点)

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(ⅲ)本スクイーズアウト手続実施後(2026年2月~2026年3月予定)

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(ⅳ)本株式譲渡後(2026年3月予定)

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② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は2001年6月に有限会社ロックオンとして設立され、インターネットサービスの開発・提供を開始し、2003年7月に株式会社ロックオンに組織変更を行い、2019年8月には商号を株式会社イルグルムに変更し現在に至っているとのことです。公開買付者の普通株式については、2014年9月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより東京証券取引所グロース市場へ移行した後、2025年8月に東京証券取引所スタンダード市場に上場市場を変更しているとのことです。

公開買付者のグループは、本書提出日現在、公開買付者及び連結子会社6社及び関連会社2社(以下、総称して「公開買付者グループ」といいます。)で構成されているとのことです。公開買付者グループは、「Impact On The World」という経営理念の下、「データとテクノロジーによって、世界中の企業によるマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる」ことをビジョンに掲げ、マーケティングDX支援事業とコマース支援事業の2つのセグメントで事業を展開しているとのことです。各セグメントの事業の内容は以下のとおりとのことです。

(ⅰ)マーケティングDX支援事業

「マーケティングの効果改善サイクルを回したい」という顧客課題に対し、広告効果測定ツール「アドエビス」、マーケティング・キャンペーン・マネジメントツール「アドエビス・キャンペーン・マネージャー」、運用型広告レポート自動作成ツール「アドレポ」、プロジェクト管理ツール「My Redmine」、動画マーケティングのコンテンツ制作や運用を行う「TOPICA WORKS」等の各種ソリューションを開発・提供しているとのことです。

(ⅱ)コマース支援事業

「より良い購買体験を提供したい」という顧客課題に対し、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」の開発・提供と、EC構築・運用フェーズを軸として、集客・物流に至るまで、ECサイト運営者が直面する課題を統合的に幅広く支援するサービスを提供しているとのことです。

また、公開買付者グループは、2023年11月に発表した、2024年9月期から2027年9月期に係る中期経営方針「VISION 2027」(以下「VISION 2027」といいます。)において、「マーケティングプロセス支援とコマース支援2軸の成長ドライバーによって、売上100億円達成への道のりを明確にする」ことをテーマと定め、これまで「アドエビス」による広告効果測定や「EC-CUBE」によるECサイト構築等、ツールの開発及び提供により、効率的ではあるものの顧客企業のマーケティングプロセスや購買プロセスに対する部分的な支援を行ってきた事業体制から、既存のツール提供だけでは実現できていないマーケティングや購買のプロセス全体に対する支援を可能とするため、「プロダクト×DX人財」で顧客事業を支援するビジネスパートナーとなることを掲げ、プロダクトと人的サービスの両面を強化することで支援可能領域の拡充を進めているとのことです。

一方、当社は1998年8月に、当社の代表取締役であるトーマス氏及び共同創業者である淳子氏により、AIを活用したパーソナライゼーション(注3)を実現するマーケティングサービスの提供を目的としてシルバーエッグ・テクノロジー有限会社として設立されました。その後、事業基盤の拡大・安定化のため株式会社にて事業展開をするべく、1999年9月に商号をシルバーエッグ・ホールディングス有限会社に変更した後、2004年1月にはシルバーエッグ・テクノロジー株式会社に商号と組織変更を行いました。また、当社株式については、2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場に上場した後、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、本書提出日現在において、東京証券取引所グロース市場に上場しております。

(注3) 顧客のウェブ閲覧行動、購買行動などの情報を基に、その顧客に最適な情報を提供すること又はその技術。

当社は、「Inspiring Choice with AI(未来から、今を選ぼう)」をミッションとして掲げ、膨大な行動データ解析とリアルタイムAIによるレコメンデーション技術(注4)を核とし、AIによるクラウド型サービスであらゆるタッチポイント(注5)におけるリアルタイム・パーソナライゼーション(注6)の実現を基本方針として、レコメンデーションサービスの開発及び提供を主な事業として展開しております。具体的には、当社は、AIを活用したレコメンド技術及びそれをベースとしたAIマーケティングサービス事業を行っております。当社のレコメンデーションサービスの特徴は、他社のサービスでは数時間から1日程度の頻度での解析がなされていると認識しているところ、当社のレコメンドエンジン「アイジェント」の活用によるリアルタイム解析の仕組みによって瞬時に顧客の趣向を判断し、その判断に基づいて顧客のウェブ閲覧行動中に顧客の趣向を反映したパーソナライズ・ターゲティングが可能な点にあります。

(注4) オンラインショップなどで、利用者の好みに合った物品やサービスを推薦するための技術・手法。ショップの利用者の購入履歴や行動履歴等の情報を分析し、適切な物品やサービスを絞り込んで推薦する技術。

(注5) 企業やブランドと顧客とのすべての接点のこと。企業やブランドについて顧客に何らかの印象が残るあらゆる接点が当てはまる。従業員のみでなくウェブサイト、スマートフォン、コールセンター、タブレット、広告など顧客がブランドに接するメディアも含まれる。

(注6) パーソナライゼーションの中でも、瞬時に顧客の趣向を判断し、その顧客に最適な情報を提供すること又はその技術。

当社が提供する主なサービスは以下のとおりです。

(ⅰ)アイジェント・レコメンダー

当社独自のリアルタイム・レコメンドサービスです。サイトに訪れるユーザーの行動データをリアルタイムに取得・解析して、その時点における各ユーザーの嗜好に合わせたおすすめ商品やコンテンツを顧客のサイトやアプリ内といった様々なタッチポイントで表示することができるサービスです。また、独自のリアルタイム・ユーザー動線分析技術により、単純な商品軸のレコメンデーションに比べ、より一人一人の嗜好に合わせたレコメンデーションが可能で、サービス・ドミナント・ロジック(注7)を強力に支援します。

当社が提供する管理画面とリリース後のレポーティングサービスにより、費用対効果を明確にすることができます。

(注7) 顧客との関係について、商品やサービスを提供したのみで終了させてしまうのではなく、継続的な関係を築き、顧客維持と拡大を目指す考え方。

(ⅱ)レコガゾウ

配信するHTMLメール内にタグを設置することで、ユーザーがメールを開封した時点で、そのユーザーの嗜好にマッチしたレコメンド結果をリアルタイムで抽出して表示することができる、リアルタイム・レコメンドメールサービスです。従来のレコメンドメールでは、レコメンドエンジンで生成されたレコメンド結果をメール配信システムに連携させる必要があり、システム構築の複雑さや導入コストの高さが課題となっておりました。また、リアルタイム配信が困難であるため、メール開封時に商品が在庫切れとなる等のタイムラグによる顧客体験の悪化も課題として存在しておりました。レコガゾウはこれらの課題を解消し、より簡易かつリアルタイム性の高いレコメンドメール配信を実現します

(ⅲ)新領域事業

新領域事業として、人材発掘AIエージェントサービス「RecoTalent」の開発・提供を行っております。このサービスは、当社の長きにわたるAIの知見を結集し、大規模言語モデル(LLM)を活用して開発された革新的なAI人材発掘ツールです。このサービスにより、深刻なIT人材不足に直面する企業が抱える採用課題を根本から解決し、採用活動の劇的な効率化と精度の向上を実現し、企業価値を向上させることを目指します。また、建設会社の課題解決を目的としたDXシステム開発を行っております。

当社を取り巻く経営環境については、国内の情報通信サービス市場において、企業が収集するあらゆるデジタルデータを活用した業務効率化、サステナビリティ経営の実現に向けたIT環境整備とシステム更新需要が依然として高まっております。また、エンドユーザーとの接点強化など、企業成長と競争力強化を目的とするクラウドサービスや、生成AIなどのテクノロジーに対するIT投資が堅調に推移しており、企業ではIT投資が実装段階に移行しています。

国内のデジタルマーケティング市場規模は、事業者売上高ベースで2024年に3,672億4,000万円、2025年には前年比14.1%増の4,190億2,000万円(出典:株式会社矢野経済研究所「デジタルマーケティング市場に関する調査(2025年)」(2025年7月18日発表)。市場規模はMA、CRM、CDPに関するデジタルマーケティングツールを対象として算出)とされており、当社は大幅な成長を見込んでおります。また、2024年から2028年までの5年間において、年平均成長率(CAGR)は13.8%で推移すると予測(2024年の実績値と2028年の予測値は株式会社矢野経済研究所の上記出典データを採用し、CAGRは当社にて独自に計算)されており、当社が事業を展開している国内のEC市場規模の拡大も継続しております。当社は、自らをAIクラウド型サービスのリーディングカンパニーと考えており、このような環境下において、当社が果たすべき役割は重要性を増していると考えております。当社の競争優位性は、主要な業界を網羅する顧客行動データの蓄積、独自開発したAI技術、そしてリアルタイム解析エンジンという三位一体の強みによって支えられています。これらの要素を組み合わせることで、模倣困難なAIを利用したレコメンドサービスの提供を実現し、市場における確固たる競争優位性を確立していると考えております。さらに、当社は単にプロダクトを提供するに留まらず、個々の顧客企業の課題を解決すべくカスタマイズされたサービスを展開するとともに、当社のデータサイエンティストとAIが連携してデータ活用をサポートする包括的なソリューション提供体制により、多面的に顧客課題を解決し、価格を超えた付加価値を提供することで、他社との明確な差別化を図っております。

このような経営環境のもとで、当社は、2025年3月に5カ年の中期経営計画を発表し、「データとAIの融合で業界を変革するAIマッチングソリューションのリーディングカンパニー」となることを長期ビジョンとして掲げており、これはAIの急速な進化によって高まるデータとAIの融合ニーズに対応し、将来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在を目指すものです。当社は、この長期ビジョン実現に向け、既存事業の深化・拡張に加え、新規事業の創出・拡大を通じて事業基盤を再構築し、さらなる発展を図っていく所存です。

もっとも、当社の主要プロダクトであるレコメンドサービスについては、市場が成熟化してレコメンドサービス自体が広く普及し、その精度や提案の方法について、より高度なものを求められるようになっているとともに、消費者の消費行動の変化(消費者の商品を選ぶ基準や商品情報を得る方法の多様化)が同時に進みつつあります。そのような中で当社としては、持続的な成長を実現するため、蓄積した顧客行動データ、独自のAI技術及びリアルタイム解析エンジンという当社の持つ優位性を最大限に磨き上げ、基盤事業としての収益力を向上させることに注力する必要がありますが、かかる収益力の向上のためには、新アルゴリズムを搭載した従来を上回る高い性能のレコメンドサービス、既存サービスの品質強化、コスト構造の見直し及び販売体制強化が課題となっております。

また、新規事業の創出・拡大についても、AIによるイノベーションは、周辺領域を巻き込みながら新たな市場を創出しており、また企業における業務のDXは急速に進んでおります。そのため、当社はダイレクトリクルーティングDXサービス(注8)「レコタレント」の早期収益化、DXシステム開発など、当社のコア技術であるAIによるパーソナライゼーション技術とビッグデータの効果的な活用によって競争優位性を獲得し、社会課題を解決するDXサービスの開発・共創・展開の加速に向けて企業活動を行うことが課題であると認識しております。

(注8) エンジニアの採用活動において、専門性と実務経験を兼ね備えた候補者をリストアップするには、通常であれば膨大な時間と工数が必要となるところ、この工数をAIを用いて削減し、採用プロセスを効率化・高度化するサービス。

一方、公開買付者は、VISION 2027の実現に向けた具体的な施策の1つとして、M&Aの実施等によるコマース支援事業における支援領域拡大の機会を模索していたところ、2025年6月3日に当社のファイナンシャル・アドバイザーである株式会社パラダイムシフト(以下「パラダイムシフト」といいます。)から、当社の今後の更なる成長を実現させるための戦略的パートナーの選定に関して、当社との資本提携又は当社株式の非公開化を前提とした取引に関する提案を行うことを要請することによる入札を行うこととし、その第一次プロセス(以下「本第一次プロセス」といいます。)を行うこと、及び公開買付者を複数社が参加予定である本第一次プロセスに招聘する意向であるとの連絡を受けたとのことです。なお、パラダイムシフトは、本第一次プロセスの開始にあたり、マーケティング領域全般及びAI領域の2つの軸を基準とし、2つの軸のうちいずれかに当てはまる企業を候補者として選定したところ、公開買付者もこのような基準に該当することから、公開買付者に対して本第一次プロセスに招聘する意向である旨の連絡をいたしました。

公開買付者は、2025年6月10日にパラダイムシフトから受領した、当社のWebサイトで公開されている当社の有価証券報告書、決算短信、決算説明資料等における事業概況や財務情報を要約した企業概要書を検討した結果、当社の事業はVISION 2027で掲げる顧客企業のマーケティングプロセスや購買プロセス全体に対する支援の実現に近づくために必要なものであり、公開買付者と当社の提携シナジーにより両者の事業を拡大することが企業価値向上に資する可能性があると考え、2025年6月20日にパラダイムシフトに対し、本第一次プロセスに参加する意向を伝えたとのことです。

その後、公開買付者は2025年6月23日から2025年7月10日にかけてパラダイムシフトから当社の過去3期分の決算報告書、月別残高試算表、勘定科目内訳書等の財務資料及び提供サービスにかかる営業資料等の開示を受けて、2025年6月23日から2025年7月28日にかけて事業内容や売上及び費用に関する増減理由について質疑応答を行い、提携によるシナジー及び提携スキームについて検討を進める一方、当社の事業及び事業環境についての理解を深めるために、2025年7月11日、淳子氏及び当社の取締役である稲見吉彦氏(以下「稲見氏」といいます。)との間で面談を行い、当社の経営状況や今後の事業方針等について協議を行ったとのことです。かかる協議を踏まえ、公開買付者は、両者がデジタルマーケティング領域におけるECサイト運営者が抱える課題の解決に向き合いながら、異なる領域でサービスを展開していることから、両者の事業ノウハウやアセットを相互共有・活用し、顧客の課題解決を統合的に支援することにより、更なる提供価値の向上が実現できる可能性があるとの考えに至ったとのことです。また、公開買付者は、当社の上場が維持された場合、当社は公開買付者から一定程度独立した事業運営を行わざるを得ず、相互の経営資源・ノウハウの共有・活用や迅速な意思決定に一定の制約が生じることが懸念され、両者のシナジーを最大化するためには当社を公開買付者の完全子会社とすることが望ましいと考えたとのことです。

上記の判断を踏まえ、公開買付者は、2025年7月31日に、当社に対して、本取引における初期的な提案として、完全子会社化を前提に当社株式の全てを20億円で取得する意向を有している旨の法的拘束力のない第一次意向表明書を提出したとのことです。

その後、公開買付者は、パラダイムシフトを通じて、当社から、2025年8月13日に本第一次プロセス通過の連絡及び複数社が参加予定である第二次プロセス(以下「本第二次プロセス」といいます。)への参加を認める旨の通知を受け、本第二次プロセスに参加することとなったとのことです。

これを受け、公開買付者は、当社より2025年12月期の業績見込、過去3期分及び2025年1月から同年5月までの総勘定元帳、固定資産台帳、人件費の部門別月別推移表等の追加資料の開示を受けて提携によるシナジーの検討を進めるとともに、2025年8月中旬、公開買付者、当社並びにトーマス氏、淳子氏及びキョウサン(トーマス氏、淳子氏及びキョウサンを総称して、以下「経営株主ら」といいます。)から独立した第三者算定機関として株式会社クリフィックスFAS(以下「CFAS」といいます。)を選任し、当社株式の初期的な価値評価分析を行ったとのことです。なお、公開買付者は、CFASが、デジタルマーケティング関連領域のM&Aにおいて、第三者算定機関としての十分な実績を有していると考えたことから、CFASを第三者算定機関として選任したとのことです。また、公開買付者は、当社の経営理念、企業風土、経営戦略等について更なる理解を深めるとともに、本取引を実行する前提として、当社の株式を1,745,800株(所有割合:58.65%)所有する経営株主らの意向を確認するために、2025年8月19日に、トーマス氏、淳子氏及び稲見氏との間で面談を行い、公開買付者グループの事業内容の説明や想定シナジー等の提案、当社の経営状況や今後の事業方針等について協議を行うとともに、経営株主らが保有する当社株式の譲渡を検討するに至った背景について説明を受けたとのことです。

かかる検討及び面談の結果、公開買付者は、2025年8月下旬、本取引により、以下のような具体的なシナジーが期待できるとの考えに至ったとのことです。

(ⅰ)公開買付者及び当社におけるECサイト運営者支援事業の拡大

公開買付者グループにおけるECサイト運営者支援事業は、構築・運用フェーズを軸として、集客・物流に至るまで、ECサイト運営者が直面する課題を統合的に幅広く支援するのに対し、当社のレコメンデーションサービスは、ECサイト運営者に対して、AIによるリアルタイム・パーソナライゼーション技術による深く専門的な支援を強みとしており、両者のサービスを合わせることで、公開買付者は当社の専門的な支援を顧客提案における差別化要素とすることができ、また、当社は公開買付者が有するECサイト運営者への接触機会を利用することが可能となり、両者における顧客獲得機会の拡大と、顧客への提供価値の拡大が見込まれるとのことです。

また、当社の売上の90%以上が直販で構成されている状況に対し、公開買付者グループが有するパートナーネットワークや販売代理店網の構築ノウハウ、営業管理手法を活用することで、ECサイト構築事業者等に販売代理店として活動してもらうためのインセンティブ制度導入や、販売代理店向けの情報提供の強化を通じて、当社においてより多くの見込顧客に対する提案機会を販売代理店経由で創出することを可能とし、事業拡大を図ることができるものと考えているとのことです。

(ⅱ)AIによるパーソナライズを活かした新たな事業機会の創出

AIによるパーソナライズは、ユーザー一人ひとりに最適な体験を提供し、顧客満足度や成果を大きく高める取り組みとのことです。マーケティングやEC、採用など、あらゆる領域において「誰に・何を・どのように伝えるか」を自動で最適化できる点に、その価値があるとのことです。この実現には、次の3つの要素が不可欠であるとのことです。

(a)データ:顧客の行動・属性・購買などを正確に理解するための基盤

(b)AIアルゴリズム:データから意図や興味を読み取り、最適な提案を導く知能

(c)顧客接点:Webサイトやメール、アプリなど、AIが提案を届ける場

この3つが揃ってはじめて、AIは「理解→推定→提供」というサイクルを回すことができ、人では実現できないスピードと精度で体験の最適化を可能にするとのことです。

公開買付者が保有する「データ」と「顧客接点」に、当社が強みとする「AIアルゴリズム」の技術を掛け合わせることで、それぞれの領域において単独では実現できていないAIによるパーソナライズを活用した機能やサービスの創出が可能となるとともに、両者が加速させている生成AI技術の活用を組み合わせることで、これまでデータとして自動処理することが技術的に困難であった定性的な自然言語による情報群をパーソナライズに活用していくことが可能となり、両者にとって新たな事業機会を創出できると考えているとのことです。

(ⅲ)コーポレート機能の高度化・効率化

公開買付者のコーポレート部門は2025年11月14日時点において33名で構成されており、経営企画・人事・経理財務・法務・コーポレートIT・総務の各専門領域から、公開買付者の事業と組織の成長を支えているとのことです。これに対して当社のコーポレート部門は6名で構成されており、一人ひとりの業務負荷が高い状況にあることから、短期的には公開買付者のコーポレート部門による支援を行うとともに同部門が有する各領域における業務改善の経験や効率化に関する知見の共有により、当社のコーポレート機能の高度化・効率化を図るとともに、中長期的には公開買付者と当社のコーポレート部門を一体とし、公開買付者グループ全体を統括する、より強固なコーポレート機能を構築することができると考えているとのことです。

これらを踏まえ、公開買付者は、経営株主らの所有する当社株式も含めた、当社株式及び本新株予約権の全てを本公開買付け及びその後の本スクイーズアウト手続により取得するという方法(以下「当初スキーム」といいます。)で当社を完全子会社化することを前提に、当社より提出された2025年12月期の業績見込を基礎とし、公開買付者が2025年6月上旬から同年8月下旬までに当社から提供を受けた事業及び財務に関する資料の検討結果、並びにWebサイトで公開されている当社の有価証券報告書、決算短信、決算説明資料等における事業概況や財務情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づくCFASによる当社株式の初期的な価値評価分析を踏まえた取引条件の検討結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、2025年9月2日に、当社に対して、(ⅰ)本公開買付価格を672円(提案日の前営業日である2025年9月1日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値649円に対して3.54%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値639円(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して5.16%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値637円に対して5.49%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値644円に対して4.35%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを提案するとともに、(ⅱ)本新株予約権は、当社の役職員等に対してストックオプションとして発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても本新株予約権者がこれらの地位にあることとされており、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、本新株予約権買付価格を1円とすることを提案する、法的拘束力のない第二次意向表明書を提出したとのことです。

その後、公開買付者は、パラダイムシフトを通じて、当社より、2025年9月12日に、公開買付者から提出された第二次意向表明書による提案が当社の企業価値を最も高く評価する内容であったことを理由に、公開買付者を本第二次プロセスにおける最終候補者とする旨、及び公開買付者による当社に対するデュー・ディリジェンスを受け入れることとともに、本取引の実施に向けた協議を進める旨の連絡を受けたとのことです。

これを受け、公開買付者は、先に選任したCFASに加えて、2025年9月中旬、公開買付者、当社及び経営株主らから独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、2025年9月中旬から同年10月中旬までの間に、当社に対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスを実施するとともに、当社との間で本取引に関する具体的な協議を開始したとのことです。

また、公開買付者は、当社に対するデュー・ディリジェンス及び当社との本取引に関する協議と並行し、経営株主らに対しても、当初スキームで当社を完全子会社化することを前提に、2025年9月9日、(ⅰ)本公開買付価格を672円(提案日の前営業日である2025年9月8日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値649円に対して3.54%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値641円に対して4.84%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値637円に対して5.49%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値642円に対して4.67%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを提案するとともに、(ⅱ)本新株予約権は、当社の役職員等に対してストックオプションとして発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても本新株予約権者がこれらの地位にあることとされており、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことを理由として、本新株予約権買付価格を1円とすることを提案したとのことです。

その後、公開買付者は、2025年9月16日に、パラダイムシフトを通じて、当社より、当初スキームによる本公開買付価格は、他の類似事例におけるプレミアムの水準を下回る水準にあるため、公開買付価格の再考を要請したい旨の打診を受けたとのことです。

これに対し、公開買付者は、当初スキームを前提として本公開買付価格の引き上げをすることは、CFASによる当社株式の初期的な価値評価分析等を踏まえた公開買付者における株式価値算定の状況から困難であると考える一方で、当該提案価格では当社の少数株主から公開買付けに対して十分な応募を得られない可能性があることを踏まえ、2025年9月17日、経営株主らに対し、公開買付者による当社の完全子会社化の方法として、公開買付者が不応募合意株式以外の当社株式及び本新株予約権の全てを本公開買付け及びその後の株式併合を通じて取得し、不応募合意株式については、当社株式が本公開買付け及び株式併合を経て上場廃止となり、有価証券報告書提出免除承認を受けた後に、公開買付者による相対取得の方法により取得するスキーム(以下「本スキーム」といいます。)を提案するとともに、本株式譲渡を当社株価に対してディスカウント価格での取引とすることにより、本公開買付価格における当社株価に対するプレミアムを引き上げることへの協力を要請したとのことです。

その後、2025年10月6日に、公開買付者は経営株主らとの間で協議・交渉を行い、その結果、公開買付者及び経営株主らは、本スキームを前提に、今後の協議・交渉を進める方針を確認したとのことです。

かかる方針を踏まえ、公開買付者は、2025年10月6日に、本スキームを前提とした下記による経営株主らに対する本株式譲渡価格405円(提案日の前営業日である2025年10月3日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値640円に対して36.72%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、ディスカウント率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値643円に対して37.01%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値639円に対して36.62%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値634円に対して36.12%のディスカウントをした価格)におけるディスカウントの水準を踏まえ、当社及び本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じです。)に対して、本公開買付価格を770円(提案日の前営業日である2025年10月3日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値640円に対して20.31%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値643円に対して19.75%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値639円に対して20.50%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値634円に対して21.45%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを提案したとのことです。

これに対して、2025年10月9日に、公開買付者は、当社から、本公開買付価格は類似する事例におけるプレミアム水準を下回る水準にあるとして、本公開買付価格を再検討するよう要請を受けたとのことです。

当社からの要請を受け、公開買付者は、本公開買付価格の引き上げを真摯に検討する一方で、当初スキームを前提として本公開買付価格の引き上げをすることは、公開買付者における経済的な合理性の観点から困難であるとの認識から本スキームを提案するに至っており、本公開買付価格の引き上げをするためには、本株式譲渡価格の引き下げが必要であるところ、これ以上のディスカウントについて経営株主らと合意することが困難であり、かかる交渉により本取引の中止につながることが危惧されることから、2025年10月15日に、当社に対して、本公開買付価格を770円(提案日の前営業日である2025年10月14日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値639円に対して20.50%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値641円に対して20.12%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値640円に対して20.31%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値637円に対して20.88%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを再度提案したとのことです。

その後、公開買付者は、2025年11月7日に、本特別委員会より、直接協議を行いたい旨の申し入れを受け、同日、本特別委員会との間で本スキームを前提とする本公開買付価格について協議を行いましたが、当該協議の場で、本公開買付価格は類似する事例におけるプレミアム水準を下回る水準にあり、依然として不十分であるとの意見が示され、本特別委員会から、本公開買付価格について再検討するよう要請を受けたとのことです。これに対し、公開買付者は、当該協議の場で、公開買付者における経済的な合理性の観点から本公開買付価格の引き上げをするためには、本株式譲渡価格の引き下げが必要であるところ、並行して進めている経営株主らとの交渉状況に鑑み、改めて本株式譲渡価格の引き下げについて合意することは困難であることから、本公開買付価格の引き上げ要請には応じられず、本公開買付価格を770円(提案日の前営業日である2025年11月6日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値607円に対して26.85%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値631円に対して22.03%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値638円に対して20.69%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値637円に対して20.88%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを最終的な提案とする旨を回答したとのことです。

これに対し、公開買付者は、2025年11月11日に、当社より、本特別委員会の意見を踏まえて検討した結果、本公開買付価格を770円とすることに応諾する旨の回答書を受領したとのことです。

また、公開買付者は、当社との協議と並行して、2025年10月6日に、本スキームを前提に、経営株主らに対して、本株式譲渡価格を405円(提案日の前営業日である2025年10月3日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値640円に対して36.72%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値643円に対して37.01%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値639円に対して36.62%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値634円に対して36.12%のディスカウントをした価格)とすることを提案するとともに、トーマス氏に対して本応募・不応募契約を、キョウサンに対して本応募契約をそれぞれ締結するよう要請したとのことです。

これに対し、公開買付者は、2025年10月17日に行われた経営株主らとの協議の場で、経営株主らから、本公開買付価格及び本株式譲渡価格は、当社の企業価値を適正に反映しておらず、経営株主らの経済的な合理性の観点からしても受け入れられないとして、再検討するよう要請を受けたとのことです。

これを受けて、公開買付者は、CFASによる当社株式の価値評価分析に係る中間報告を踏まえて慎重に検討を重ねた結果、2025年10月20日に、経営株主らに対し、本スキームを前提に、本公開買付価格を770円(提案日の前営業日である2025年10月17日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値628円に対して22.61%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値640円に対して20.31%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値640円に対して20.31%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値638円に対して20.69%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)、本株式譲渡価格を430円(提案日の前営業日である2025年10月17日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値628円に対して31.53%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値640円に対して32.81%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値640円に対して32.81%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値638円に対して32.60%のディスカウントをした価格)とする旨の提案を行ったとのことです。

これに対し、公開買付者は、2025年10月23日に、経営株主らから、本公開買付価格及び本株式譲渡価格は、依然として当社の企業価値を適正に反映しておらず、経営株主らの経済的合理性の観点からしても受け入れられないとして、仮に本公開買付価格の増額が公開買付者の経済的合理性の観点から困難であるとすれば、本株式譲渡価格を440円(提案日の前営業日である2025年10月22日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値643円に対して31.57%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値639円に対して31.14%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値640円に対して31.25%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値638円に対して31.03%のディスカウントをした価格)に引き上げることを要請する旨の提案を受けたとのことです。

その後、公開買付者は、経営株主らとの間で、継続して本応募・不応募契約及び本応募契約について協議を重ねた結果、当社及び本特別委員会との協議・交渉の結果も踏まえ、2025年11月14日に、トーマス氏との間で本公開買付価格を770円及び本株式譲渡価格を440円とする方針を、また、キョウサンとの間で本公開買付価格を770円とする方針を、それぞれ確認したとのことです。

以上の検討、協議・交渉を踏まえ、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的として、2025年11月14日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付価格を770円として本公開買付けを実施すること、本株式譲渡価格を440円として本株式譲渡を実施すること、トーマス氏との間で本応募・不応募契約を締結すること、及び、キョウサンとの間で応募契約を締結することを決議したとのことです。なお、以上による本取引における当社株式の平均取得価格は681円となるとのことです。一方で、公開買付者は本新株予約権の買付価格についても検討しましたが、本新株予約権は、当社の役職員等に対してストックオプションとして発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても新株予約権者がこれらの地位にあることとされており、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、本新株予約権買付価格を1円とすることを決議したとのことです。なお、本応募・不応募契約の概要については、下記「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「(1)本応募・不応募契約」を、本応募契約の概要については、下記「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「(2)本応募契約」をご参照ください。

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、本公開買付けが成立した後の経営方針について、当社の企業理念や企業文化等を尊重しつつ、当社と協議の上、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のシナジー実現に向けた施策を講じることを考えているとのことです。なお、公開買付者は、当社に対し、公開買付者が指名する役員を派遣することを検討しており、公開買付者から派遣する取締役の数は過半数とする方針ですが、その具体的な人数、時期及び候補者等については本書提出日現在において未定であり、本公開買付け後の当社の経営体制・取締役会の構成については、当社と協議の上、決定する方針であるとのことです。本取引後は、当社の従業員の地位及び雇用条件を維持しながら、公開買付者及び当社の企業価値向上に向けたシナジー効果の発揮及び事業成長の加速にとって最適な経営体制を構築することを検討しているとのことです。

④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

(ⅰ)検討体制の構築の経緯

経営株主らによれば、経営株主らは、当社について、コロナ禍終息後のレコメンド市場やオンラインEC市場の変化、さらにはAIのかつてない進化によるソフトウェア業界における激変の流れを受けて、より急速な成長を実現すべく、事業資本提携先が必要であるという認識を持っていたとのことです。また、経営株主らによれば、当社は2016年9月27日に東京証券取引所マザーズ市場(現 東京証券取引所グロース市場)に上場いたしましたが、上場後10年を経過した日以降の最初の決算に係る基準日は2026年12月31日であり、同日が「上場維持基準の判定に関する基準日」となるところ、当社の時価総額は40億円を下回って推移しており、仮に基準日時点における当社の時価総額が40億円未満であった場合、当社は基準日から1年間の上場維持基準適合に向けた改善期間に入り、この改善期間の終了期限である2027年12月末日時点において、時価総額が40億円を超えていなければ、監理銘柄又は整理銘柄に指定されることになるという状況にあると認識していたとのことです。

経営株主らによれば、経営株主らは、この状況を踏まえて、早期での成長及び会社価値の上昇を図るために他社と提携することが得策であり、シナジー創出のためには提携先が当社株式を相当程度保有することもやむを得ないと考え、経営株主らが所有する当社株式の売却も選択肢から排除せずに提携先を探ることを検討するに至ったとのことです。

当社は、2025年5月15日に、経営株主からこのような検討の意思を有していることにつき連絡を受けました。これを受けて、当社は、2025年6月上旬、当社及び経営株主らから独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてパラダイムシフトを選任し、経営株主らの保有する当社株式の譲渡を含む資本政策に関する入札手続(以下「本入札手続」といいます。)を実施することといたしました(なお、当社は、本入札手続の開始後、パラダイムシフトが本入札手続に参加したいずれの候補者からも独立性を有することを確認しております。)。具体的には、当社は、本第一次プロセスとして、マーケティング領域全般、及びAI領域の2つの軸を基準として選定した合計41社に対して、2025年6月1日から2025年6月20日にかけて、ノンネームベースでの打診を実施し、そのうち19社に対し、IM(インフォメーション・メモランダム)を開示しております。その結果、当社は、2025年7月末に当該19社のうち3社から、各社の提案する取引の内容及び取引条件、取引後の経営方針等について記載された初期的意向表明書を受領したことから、当社は、当該初期的意向表明書の内容について慎重に検討を行い、これらの3社に対して、2025年8月13日から2025年8月14日にかけて、本取引についての最終的な候補先を決定するための本第二次プロセスへの参加を打診いたしました。その後、当社は、本第二次プロセスとして、当該初期的意向表明書を提出した3社との間で、トーマス氏を含むマネジメントインタビュー並びにトーマス氏が保有する当社株式の譲渡を検討するに至った背景、当社の売上その他の既存事業の状況、当社の今後の事業展開に関する考え方等についての初期的な質疑応答を実施した後、2025年8月下旬から9月上旬にかけて、候補者3社から、想定する取引条件を含む提案内容を詳細化した最終意向表明書を受領しました。

以上のような経緯を経て、当社は、本入札手続において候補者から提出された最終意向表明書の内容を踏まえ、2025年9月12日開催の取締役会において、各社との取引により想定されるシナジー、各社が想定しているスキーム、取引条件及び取引の実現可能性についての慎重な検討を行いました。その結果、公開買付者による提案が当社の企業価値を最も高く評価する内容であったこと、少数株主の皆様が保有する当社株式について市場株価を上回る合理的な売却の機会を提供し得る提案が公開買付者による提案のみであったこと、公開買付者が本取引により当社を非上場化することによって実現されるシナジーが、他の候補者が提案した取引によるシナジーと比較して最も具体性を伴っており、他の候補者と提携した場合のシナジーを上回るものと考えられたこと、及び組織風土面においても公開買付者が他の候補者と比べて最も親和的であると見込まれたことから、同日、本第二次プロセスの結果として、公開買付者を最終候補先とすることを決定いたしました。また、当社は、2025年9月12日に、公開買付者に対して、公開買付者による提案が当社の企業価値を最も高く評価する内容であったことを理由に、本第二次プロセスの結果として公開買付者を最終候補先とすることを決定したことを通知しました。

また、当社は、2025年9月中旬以降、公開買付者からのデュー・ディリジェンスへの対応を含め、当社の企業価値向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、2025年9月中旬、本公開買付価格を含む本取引における諸条件の公正性を担保すべく本取引の検討体制の構築を進め、本取引に関して当社、経営株主ら及び公開買付者を含む本入札手続における候補者から独立したリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任しました。

本取引は、支配株主による公開買付けにもMBOにも該当しないものの、当社の支配株主であるトーマス氏による株式の売却が予定されており、当社又は当社の少数株主との間に構造的な利益相反が存するおそれがあることを踏まえ、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、当社は、リーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の法的助言を受け、公開買付者を最終候補先として選定した2025年9月12日と同日の取締役会にて、当社、公開買付者及び経営株主らから独立した立場で本取引について検討・交渉等を行うための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置する旨を決議いたしました。なお、本特別委員会は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、その審議の過程において、2025年10月15日、独自の第三者算定機関として株式会社赤坂国際会計(以下「赤坂国際会計」といいます。)を選任する旨を決定しております。

さらに、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、2025年9月中旬に、本取引に関して当社、公開買付者及び経営株主らから独立した第三者算定機関として株式会社ディープインパクト(以下「ディープインパクト」といいます。)を選任し、同社に対し、当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(ディープインパクト)」といいます。)の提出を依頼しました。なお、本新株予約権については、ストックオプションとして、当社の役職員に対して発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても新株予約権者がこれらの地位にあることとされているため、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれを行使できないことから、公開買付者は、本新株予約権買付価格を1円と決定しており、本新株予約権者の皆様が本新株予約権を本公開買付けに応募されることは想定していないため、当社は、本新株予約権に係る第三者算定機関からの算定書を取得しておりません。

また、当社は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、経営株主ら及び公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。

(ⅱ)検討・交渉の経緯

上記のような体制の下で、当社は、公開買付者から2025年9月2日付で法的拘束力のない第二次意向表明書を受領した後、リーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及びファイナンシャル・アドバイザーであるパラダイムシフトの助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。また、本特別委員会は、本取引に係る公開買付者の提案内容を踏まえ、当社の事業内容、経営環境、経営課題やそれに対して現状想定している経営施策、当社における本取引の検討体制、本取引により期待されるシナジー効果及び本取引の実施に当たって上場廃止が不可欠であるか否か、並びに本取引により当社に生じ得る悪影響の有無等についての2025年10月7日付の質問事項書を当社に送付し、当社から2025年10月14日付で回答書を受領するとともに、2025年10月15日開催の本特別委員会において当社からのヒアリングを実施して回答書の内容及び公開買付者とのシナジー等について当社から説明を受け、これらの点に関する検討及び協議を行いました。その中で、公開買付者に対して提示し、またディープインパクト及び赤坂国際会計が当社株式の株式価値の算定において基礎とする当社の2026年12月期から2030年12月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に関し、本特別委員会は、本事業計画の策定のプロセス(淳子氏がその策定に当たって最低限必要な範囲内で関与したことを含む。)について確認するとともに、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。また、本特別委員会は、トーマス氏及び淳子氏に対しても、当社を長年経営してきた知見に基づく当社の強み及び課題、本取引について検討を開始した経緯、本取引により期待されるシナジー効果並びに本取引の実施後の当社の従業員の処遇等に関する意向等についての2025年10月7日付の質問事項書を送付し、トーマス氏及び淳子氏から2025年10月14日付で回答書を受領するとともに、2025年10月15日開催の本特別委員会において回答書の内容、本取引に至る経緯及び公開買付者とのシナジー等について淳子氏に対するヒアリングを実施して質疑応答を行い、これらの点に関する検討及び協議を行いました。

同様に、本特別委員会は、本取引の実施の背景及び目的、本取引の意義及び本取引実施後の成長戦略、本取引により生じ得るデメリット、公開買付者が本取引を提案するに至った経緯・背景及び理由等、本取引後の経営方針、従業員の取扱い、本取引の価格その他の条件、本取引のストラクチャー及び手続等に関する2025年9月29日付の質問事項書を公開買付者に送付し、2025年10月6日付で公開買付者から回答書を受領することにより公開買付者から説明を受け、公開買付者との間で質疑応答を行っております。

そして、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、本公開買付価格を含む本取引に関する取引条件について、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるパラダイムシフトを通じて、公開買付者との間で継続的に協議・交渉を行うとともに、本特別委員会も、公開買付者からの提案がなされる都度、交渉に関して意見を述べることで、公開買付者との交渉に主体的に関与しております。

具体的には、当社は、2025年9月2日に、公開買付者から、(ⅰ)本公開買付価格を672円(提案日の前営業日である2025年9月1日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値649円に対して3.54%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値639円に対して5.16%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値637円に対して5.49%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値644円に対して4.35%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることを提案するとともに、(ⅱ)本新株予約権は、当社の役職員等に対してストックオプションとして発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても本新株予約権者がこれらの地位にあることとされており、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、本新株予約権買付価格を1円とすることを提案する、法的拘束力のない第二次意向表明書を受領しました。

これを受けて、当社は、2025年9月16日に、パラダイムシフトを通じて、公開買付者に対し、当初スキームによる本公開買付価格は、他の類似事例におけるプレミアムの水準を下回る水準にあるため、公開買付価格の再考を要請したい旨の打診をいたしました。

これに対し、当社は、2025年10月6日に、公開買付者より、本公開買付価格を1株当たり770円とし、本新株予約権買付価格を1円とする提案を受領したものの、本特別委員会においては、当社の第三者算定機関であるディープインパクトによる当社株式に係る株式価値の試算結果、当社株式に係る当該時点、直近1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間における市場株価の水準(具体的には、2025年10月3日を基準日として、当該基準日の終値、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値、同過去3ヶ月間の終値単純平均値及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値がそれぞれ、640円、643円、638円及び634円であり、概ね横這いであること)や、他の類似事例(本取引と近接した時期における経済環境や株式市場の動向が一定程度反映されていると考えられた概ね直近1年間の2024年10月1日から2025年9月30日までに公表された非公開化を前提とした公開買付けの成立事例(MBO、買付者が子会社又は関連会社に対して行った公開買付けを除く、46件))において付されたプレミアム割合の実例(中央値は、公表日前営業日が32.77%、直近1ヶ月間が39.73%、直近3ヶ月間が42.16%、直近6ヶ月間が43.30%)を考慮し、当該提案価格は当社株式の本源的価値に照らして合理的な水準に達していると考えられるものの、他の類似事例におけるプレミアムの水準に照らすと、当社の少数株主の利益保護の観点から当該提案価格について可能な限り引き上げを要請することが望ましいと考え、2025年10月9日に、当社は、公開買付者に対し、当該提案価格は類似する事例におけるプレミアム水準を下回るとして、本公開買付価格の再考を要請しました。

これに対して、当社は、2025年10月15日に、公開買付者から、本公開買付価格の引き上げをするためには、本株式譲渡価格の引き下げが必要であるところ、これ以上のディスカウントについて経営株主らと合意することが困難であり、かかる交渉により本取引の中止につながることが危惧されることを理由に、当社に対して、本公開買付価格を770円(提案日の前営業日である2025年10月14日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値639円に対して20.50%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値641円に対して20.12%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値640円に対して20.31%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値637円に対して20.88%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすることの再提案を受けました。

これを受けて、当社は、2025年10月27日に開催された本特別委員会において、本特別委員会と公開買付者との間での直接の協議を行うことを申し入れることとし、同日に公開買付者から本特別委員会との直接の協議に応じる旨の回答を受けたことから、2025年11月7日に開催された本特別委員会において、公開買付者との直接の協議を実施し、公開買付者に対し、上記の他の類似事例におけるプレミアム水準を下回るとして、改めて本公開買付価格の再考を要請しました。これに対し、当社は、当該直接の協議の場において、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり770円とする提案は公開買付者として当社の少数株主のために可能な限りの配慮をした価格であるとして、当該提案価格を公開買付者からの最終提案として受領しました。

これを受けて、当社は、当社の第三者算定機関であるディープインパクトによる当社株式に係る株式価値の試算結果及び本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計算定機関による当社株式に係る株式価値の試算結果、当社のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所からの助言、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるパラダイムシフトからの助言並びに本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付価格については、(ⅰ)本公開買付価格は、本入札手続による積極的なマーケット・チェックを経て提案された価格であること、(ⅱ)当社の第三者算定機関であるディープインパクトによる当社株式に係る株式価値の試算結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回る水準であり、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの上限を上回る水準であること、(ⅲ)本特別委員会独自の第三者算定機関である赤坂国際会計による当社株式に係る株式価値の試算結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回る水準であり、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの上限を上回る水準であること、(ⅳ)本公開買付価格が、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられた上で、当社と公開買付者の間で真摯に交渉を重ねた上で決定された価格であること、(ⅴ)本特別委員会の意見として、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されているとの判断が示される見込みであること、(ⅵ)下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められることを踏まえ、本公開買付価格に付されたプレミアムが下記「(ⅲ)判断内容」の「(b)本公開買付価格に係る判断」に記載の他の類似事例のプレミアム水準の中央値には及ばないとしても、本公開買付価格の妥当性は確保されていると考えられ、本公開買付価格に付されたプレミアムの一事をもって本公開買付価格の妥当性が失われるものとまでは言えないと考え、2025年11月11日に、公開買付者に対し、本公開買付価格についての公開買付者からの最終提案を応諾する旨の回答書を送付しました。

当社は、上記のような検討・交渉過程における判断の合理性を担保するため、2025年11月14日付でディープインパクトより本株式価値算定書(ディープインパクト)を取得しております。なお、本新株予約権については、ストックオプションとして、当社の役職員等に対して発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても新株予約権者がこれらの地位にあることとされているため、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれを行使できないことから、公開買付者は、本新株予約権買付価格を1円と決定しており、本新株予約権者の皆様が、本新株予約権を本公開買付けに応募されることは想定していないため、当社は、本新株予約権に係る第三者算定機関からの算定書等を取得しておりません。本株式価値算定書(ディープインパクト)の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

また、当社は、2025年11月14日付で本特別委員会から答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております。本答申書の概要については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。なお、当社は、本答申書と併せて、本特別委員会から、2025年11月14日付で本特別委員会が赤坂国際会計から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(赤坂国際会計)」といいます。)の提出も受けております(本株式価値算定書(赤坂国際会計)の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)。

以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにパラダイムシフト及び中村・角田・松本法律事務所からの助言を踏まえて検討を行ってきました。また、本特別委員会においては、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行っており、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるパラダイムシフトは、公開買付者との交渉に当たっては、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。

(ⅲ)判断内容

(a)本取引による企業価値の向上

以上の経緯のもと、当社取締役会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定に当たっての留意点についての法的助言、パラダイムシフトから受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書(ディープインパクト)の内容並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(赤坂国際会計)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引における諸条件は妥当なものであるか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。

その結果、当社は、以下の観点から、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると認識しております。

a.公開買付者のコマース支援事業におけるEC構築のオープンプラットフォームである「EC-CUBE」に当社レコメンドサービスをバンドルすることで、当社の販売網の拡大が見込まれます。具体的には、これまで、当社のサービス提案の際に、顧客が利用しているプラットフォームにより、当社サービスの提供の可否を利用者側で確認する必要がありましたが、「EC-CUBE」に当社レコメンドサービスをバンドルすることにより、利用者側での当社サービスの提供の可否の事前確認が不要となり、「EC-CUBE」を導入している全ての利用者へのアプローチが可能となり、その結果として当社のサービスの販売機会が増えるものと想定されます。

b.公開買付者のマーケティングDX支援事業のアドエビスやアドエビス・キャンペーン・マネージャーの活用により、当社における既存顧客へのハンズオンコンサルティング(注9)において、効果測定という視点からより有益なコンサルティングサービスを当社のお客様へ提供することが可能になると考えております。その結果、当社のアップセルや解約抑制に寄与し、当社とお客様との間で、より深い関係を築くことが可能となり、当社の顧客基盤の拡大に寄与するものと考えております。

(注9) 伴走型支援サービスとも呼ばれるサービスで、利用者に寄り添って、利用者の課題解決を支援するコンサルティングサービス。

c.販売面では、当社の売上収益の90%以上が直販で構成されている状況について、公開買付者の販売代理店網を利用するとともに、公開買付者の販売代理店構築ノウハウを活用することで、当社においてより多くのお客様にアプローチすることができると考えております。

d.本取引によるデメリットに関しては、当社が非公開化されることによる人材確保への影響、主要顧客や取引先等からの対外的な信用への影響及びブランドイメージへの影響などを検討しましたが、公開買付者が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、これらへの悪影響が生じることは考えづらいこと、公開買付者とのサービスの共同提供や共同開発により主要顧客や取引先等からの対外的な評価の向上を図ることが可能であること、現状の当社の顧客に対するサービス提供の状況を踏まえると本取引による公開買付者との取引先の競合による取引の終了は発生しないと考えられることから、本取引によるデメリットは想定されないものと考えております。

以上より、当社取締役会は、2025年11月14日、本公開買付けを含む本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。

(b)本公開買付価格に係る判断

本公開買付価格については、(ⅰ)本公開買付価格は、本入札手続による積極的なマーケット・チェックを経て提案された価格であること、(ⅱ)下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のディープインパクトによる当社株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回る水準であり、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの上限を上回る水準であること、(ⅲ)下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の赤坂国際会計による当社株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回る水準であり、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの上限を上回る水準であること、(ⅳ)本公開買付価格である770円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年11月13日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値の609円に対して26.44%、過去1ヶ月間(2025年10月14日から2025年11月13日まで)の終値単純平均値624円に対して23.40%、過去3ヶ月間(2025年8月14日から2025年11月13日まで)の終値単純平均値635円に対して21.26%、過去6ヶ月間(2025年5月14日から2025年11月13日まで)の終値単純平均値636円に対して21.07%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、他の類似事例(本取引と近接した時期における経済環境や株式市場の動向が一定程度反映されていると考えられた概ね直近1年間の2024年10月1日から2025年9月30日までに公表された非公開化を前提とした公開買付けの成立事例(MBO、買付者が子会社又は関連会社に対して行った公開買付けを除く、46件))において付されたプレミアム割合の実例(中央値は、公表日前営業日が32.77%、直近1ヶ月間が39.73%、直近3ヶ月間が42.16%、直近6ヶ月間が43.30%)を下回る水準ではあるものの、一定のプレミアムが付されていること、(ⅴ)本公開買付価格が、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられた上で、当社と公開買付者の間で真摯に交渉を重ねた上で決定された価格であること、具体的には、ディープインパクト及び赤坂国際会計による当社株式の株式価値に係る算定結果の内容、パラダイムシフトによる財務的見地からの助言並びに中村・角田・松本法律事務所による本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言等を踏まえ、かつ、本特別委員会による交渉方針や交渉局面における意見、指示、要請等に基づいて当社と公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として、当初提示額(1株当たり672円)よりも1株当たり98円(14.6%)(小数点以下第二位を四捨五入)引き上げられた価格で提案された価格であること、(ⅵ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること、(ⅶ)下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められることを踏まえ、本公開買付価格に付されたプレミアムが他の類似事例のプレミアム水準の中央値には及ばないとしても、上記(ⅰ)から(ⅲ)及び上記(ⅴ)から(ⅶ)のような事情が認められることからすれば、本公開買付価格の妥当性は確保されていると考えられ、本公開買付価格に付されたプレミアム(上記(ⅳ))の一事をもって本公開買付価格の妥当性が失われるものとまでは言えないと考え、当社取締役会は、2025年11月14日、本取引について、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格並びに(上記のうち特に上記(ⅵ)及び(ⅶ)からすれば)本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

なお、当社株式は2016年9月に東京証券取引所グロース市場に上場したものであり、当社は、上場から約9年2ヶ月程度で上場廃止を伴う本取引に賛同するという判断をしております。この点、当社は、東京証券取引所グロース市場において上場後10年経過後から適用される上場維持基準(時価総額40億円以上)に関し、当社における当該上場維持基準の判定に関する基準日は2026年12月31日であるところ、現時点において当社の時価総額は40億円を下回って推移しており、かつ、現時点でスタンダード市場への市場区分の変更基準における流通株式時価総額に関する要件(10億円以上)の水準に達しておらず、当社単独での上場維持が容易ではない状況にあることから、今般の公開買付者からの本取引に係る提案を受けることこそが当社の企業価値向上に資すると判断し、本取引の実施に賛同するという判断に至りました。また、このように本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、上記のとおり本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であることから、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会であるものであるとの判断に至りました。

以上より、当社は、2025年11月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募することは想定されておらず、本新株予約権に関して本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることといたしました。

当該取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社、経営株主ら及び公開買付者から独立した第三者算定機関であるディープインパクトに対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年11月14日付で、本株式価値算定書(ディープインパクト)を取得しております。ディープインパクトは、当社、経営株主ら及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、ディープインパクトから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

なお、本取引に係るディープインパクトの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。

本特別委員会は、当社が選任した第三者算定機関につき、独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、本特別委員会において確認しております。

(ⅱ)算定の概要

ディープインパクトは、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、市場株価が存在することから市場株価法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年11月14日付でディープインパクトより本株式価値算定書(ディープインパクト)を取得いたしました。

なお、当社は、ディープインパクトから、類似会社比較法については収益性や財務状況の類似性における制約に鑑み採用しないこととし、またネットアセット・アプローチについては当社が継続企業であり価値源泉が将来の収益獲得能力であるため採用しないという説明を受けております。

上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

市場株価法:609円から636円

DCF法   :649円から717円

市場株価法では、2025年11月13日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所グロース市場における基準日の終値609円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値624円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値635円及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値636円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を609円から636円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した本事業計画を基に、2025年12月期から2030年12月期までの6期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2025年12月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率(加重平均資本コスト)で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を649円から717円と分析しております。なお、ディープインパクトがDCF法による算定に用いた本事業計画においては、2025年3月28日付「事業計画及び成長可能性に関する事項(中期経営計画)」で当社が公表した計画(以下「本中期経営計画」といいます。)とは2030年12月期における営業収益と営業利益について異なる計画となっており、かつ、本事業計画に含まれる2025年12月期の数値については、当社が従前市場で公表していた業績予想を下回る数値となっておりますが、その理由及びこれらの本事業計画の取扱いの合理性を含めて本特別委員会の承認を得ていることは、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおりです。

ディープインパクトがDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年12月期、2027年12月期及び2028年12月期において当社の提供するリアルタイム・レコメンドサービス「アイジェント・レコメンダー」のOEM連携強化や組織教育により顧客提案能力向上施策を徹底することにより既存顧客解約率の抑制や新規顧客獲得を実現し、それぞれ営業利益が対前期比で大幅な増益(2026年12月期において対前期比で約55百万円の増益、2027年12月期において対前期比で約68百万円の増益、2028年12月期において対前期比で約88百万円の増益)となることを見込んでおります。また、本事業計画に基づいてディープインパクトが算出したフリー・キャッシュ・フローについても、大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、AIを活用した新規領域(DXソリューション事業及び人材サービス事業)でのサービス拡充による売上高の増加、ITインフラの見直し、マーケティング費用のスリム化及び適正な人員配置による費用削減施策を徹底することにより、フリー・キャッシュ・フローが2026年12月期、2027年12月期及び2028年12月期に前期比で大幅な増加(2026年12月期において対前期比で約44百万円の増加、2027年12月期において対前期比で約47百万円の増加、2028年12月期において対前期比で約71百万円の増加)となることを見込んでおります。また、DCF法による算定において、余剰現預金は非事業用資産として加算しております。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、具体的に見積もることが困難であったため、財務予測には加味しておりません。

(注10) ディープインパクトは、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用しており、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また当社の株式価値の算定に重大な影響を与える可能性がある事実でディープインパクトに対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。ただし、ディープインパクトは、算定の基礎とした当社の本事業計画について、複数回の質疑応答を行い、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、当社の本事業計画の合理性を確認しております。また、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性については、本特別委員会において確認を行っております。ディープインパクトの算定は、2025年11月13日までの上記情報を反映したものです。

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

本特別委員会は、本諮問事項(下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」で定義します。)の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために、当社から独立した立場で独自の第三者算定機関を起用して当社株式の本源的価値を把握することが有益であると考え、当社、経営株主ら及び公開買付者から独立した第三者算定機関である赤坂国際会計に対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年11月14日付で、本株式価値算定書(赤坂国際会計)を取得しております。赤坂国際会計は、当社、経営株主ら及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、赤坂国際会計につき、独立性及び専門性に問題がないことから、本特別委員会の独自の第三者算定機関として選任しております。

なお、当社は、赤坂国際会計から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。また、本新株予約権については、ストックオプションとして、当社の役職員に対して発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても新株予約権者がこれらの地位にあることとされているため、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれを行使できないことから、公開買付者は、本新株予約権買付価格を1円と決定しており、本新株予約権者の皆様が本新株予約権を本公開買付けに応募されることは想定していないため、本特別委員会は、本新株予約権に係る第三者算定機関からの算定書を取得しておりません。

なお、本取引に係る赤坂国際会計の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。

(ⅱ)算定の概要

赤坂国際会計は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、市場株価が存在することから市場株価法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年11月14日付で赤坂国際会計より本株式価値算定書(赤坂国際会計)を取得いたしました。

なお、当社は、赤坂国際会計から、類似会社比較法等のマルチプル法については、評価指標のベースとなる当社の2025年12月期のEBITDAが一時的にマイナス見通しであり、適切な評価指標の設定が困難であることから採用しないという説明を受けております。

上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

市場株価法:609円から636円

DCF法   :704円から740円

市場株価法では、2025年11月13日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所グロース市場における基準日の終値609円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値624円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値635円及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値636円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を609円から636円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した本事業計画を基に、2025年12月期から2030年12月期までの6期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2025年12月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率(加重平均資本コスト)で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を704円から740円と分析しております。

赤坂国際会計がDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画(上記「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」においてディープインパクトがDCF法による算定に用いた本事業計画と同一のもの。)においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年12月期、2027年12月期及び2028年12月期において当社の提供するリアルタイム・レコメンドサービス「アイジェント・レコメンダー」のOEM連携強化や組織教育により顧客提案能力向上施策を徹底することにより既存顧客解約率の抑制や新規顧客獲得を実現し、それぞれ営業利益が対前期比で大幅な増益(2026年12月期において対前期比で約55百万円の増益、2027年12月期において対前期比で約68百万円の増益、2028年12月期において対前期比で約88百万円の増益)となることを見込んでおります。また、本事業計画に基づいて赤坂国際会計が算出したフリー・キャッシュ・フローについても、大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、AIを活用した新規領域(DXソリューション事業及び人材サービス事業)でのサービス拡充による売上高の増加、ITインフラの見直し、マーケティング費用のスリム化及び適正な人員配置による費用削減施策を徹底することにより、フリー・キャッシュ・フローが2026年12月期、2027年12月期及び2028年12月期に前期比で大幅な増加(2026年12月期において対前期比で約26百万円の増加、2027年12月期において対前期比で約47百万円の増加、2028年12月期において対前期比で約41百万円の増加)となることを見込んでおります。また、DCF法による算定において、余剰現預金は非事業用資産として加算しております。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、具体的に見積もることが困難であったため、財務予測には加味しておりません。

③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)普通株式

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及び経営株主らから独立した第三者算定機関であるCFASに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、CFASは、公開買付者、当社及び経営株主らの関連当事者には該当していないとのことです。

CFASは、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法を用いて、当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は、CFASから2025年11月13日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(CFAS)」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ当社及び経営株主らとの協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、CFASから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

本株式価値算定書(CFAS)によると、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

市場株価法  :609円から636円

類似会社比較法:608円から701円

DCF法     :684円から710円

市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年11月13日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所グロース市場における算定基準日の終値609円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値624円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値635円及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値636円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を609円から636円と算定しているとのことです。

類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を608円から701円と算定しているとのことです。

DCF法では、当社から提供を受けた2025年12月期の業績見込を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2025年9月中旬から同年10月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、Webサイトで公開されている当社の有価証券報告書、決算短信、決算説明資料等における事業概況や財務情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2025年12月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率(加重平均資本コスト)で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を684円から710円と算定しているとのことです。なお、CFASが上記DCF法による分析に用いた収益予想については、対前期比較において大幅な増減益が見込まれる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年12月期においては、ITインフラの見直し、上場廃止に伴う費用削減により、営業利益、経常利益、当期純利益が対前期比で大幅な増益となることを見込んでいるとのことです。また、これに伴い、2026年12月期においては、対前期比較において、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。

CFASは、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及びCFASに提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。CFASの算定は、2025年11月13日までにCFASが入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、CFASの算定は、公開買付者の取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。

公開買付者は、CFASから取得した本株式価値算定書(CFAS)の算定結果に加え、公開買付者において2025年9月中旬から同年10月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、本公開買付価格に関する経営株主らとの協議・交渉の結果、本スキーム等も踏まえ、最終的に2025年11月14日開催の取締役会において、本公開買付価格を770円とすることを決定したとのことです。

なお、本公開買付価格である770円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年11月13日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値609円に対して26.44%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値624円に対して23.40%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値635円に対して21.26%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値636円に対して21.07%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。

また、本公開買付価格である770円は、本書提出日の前営業日である2025年11月14日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値606円に対して27.06%のプレミアムを加えた価格となります。

(ⅱ)本新株予約権

本新株予約権については、ストックオプションとして、当社の役職員に対して発行されたものであり、権利行使の条件として、本新株予約権の行使時においても新株予約権者がこれらの地位にあることとされているため、公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれを行使できないことから、公開買付者は、本新株予約権買付価格を1円と決定したとのことです。なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定していることから、本新株予約権買付価格を決定するにあたり、第三者算定機関からの算定書等を取得していないとのことです。

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所グロース市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所グロース市場において取引することはできません。

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社に対して、以下の方法により、当社の株主を公開買付者及びトーマス氏のみとし、当社株式を非公開化することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

具体的には、公開買付者は、株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2026年2月中旬を目途に予定しているとのことです。

本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(トーマス氏及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及びトーマス氏が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、トーマス氏及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

なお、本公開買付けに係る決済の開始日以降、公開買付者若しくはトーマス氏が所有する当社株式の数と同数以上の当社株式を所有する公開買付者若しくはトーマス氏以外の株主(以下「多数保有株主」といいます。)が存在し、又は生ずることが見込まれる場合には、公開買付者は、トーマス氏と協議の上、公開買付者及びトーマス氏の全てが、多数保有株主が所有する当社株式の数を超える数の当社株式を所有するための手続又はその他本スクイーズアウト手続の目的を達成するために必要な措置を講じる予定とのことですが、具体的な対応方法については未定とのことです。

株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者、トーマス氏及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者、トーマス氏及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者、トーマス氏及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

また、公開買付者は、本公開買付けにおいて、本新株予約権の全部を取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨その他本取引の実行に必要な合理的な手続を実施することを要請し、又は実施する予定とのことですが、本書提出日現在において詳細は未定とのことです。

上記の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(トーマス氏及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定とのことであり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主及び本新株予約権者の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者が、当社の支配株主であり代表取締役であるトーマス氏(所有株式数:1,605,800株、所有割合:53.94%)との間で本応募・不応募契約を締結していること、当社の取締役でありトーマス氏の配偶者である淳子氏がその発行済株式の全てを所有する資産管理会社であり当社の第2位株主であるキョウサン(所有株式数:140,000株、所有割合:4.70%)との間で本応募契約を締結していること、本公開買付けは当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的の一環として実施されることから、トーマス氏及びキョウサン以外の当社の株主の皆様との利益が一致しない可能性があることを考慮し、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保するため、それぞれ以下の措置を講じております。

また、公開買付者は、本公開買付けにおいて、少数株主、すなわち公開買付者と重要な利害関係を共通にしない株主が所有する株式の過半数の応募を下限とする、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)(以下「MoM」といいます。)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいてMoMの買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者としては、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するため並びに利益相反を回避するための措置として、以下の措置を講じていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。

なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 複数の買い手候補先からの提案の受領と検討

上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は2025年6月上旬より本入札手続を実施しているところ、その中で、マーケティング領域全般、及びAI領域の2つの軸を基準として選定した合計41社に打診を実施し、その結果として、2025年8月下旬から9月上旬にかけて、公開買付者を含む3社の候補先から最終意向表明書を受領いたしました。

当社は、公開買付者による提案が当社の企業価値を最も高く評価する内容であったこと、少数株主の皆様が保有する当社株式について市場株価を上回る合理的な売却の機会を提供し得る提案が公開買付者による提案のみであったこと、公開買付者が本取引により当社を非上場化することによって実現されるシナジーが、他の候補者が提案した取引によるシナジーと比較して最も具体性を伴っており、他の候補者と提携した場合のシナジーを上回るものと考えられたこと、及び組織風土面においても公開買付者が他の候補者と比べて最も親和的であると見込まれたことから、公開買付者を最終候補先とすることを決定いたしました。

このように、当社は、本取引の検討において、本入札手続により、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックを実施しております。当社は、本入札手続を通じて、複数の候補者からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、本取引に関する競争環境の醸成・維持に努め、その結果として、公開買付者の提案が、当社の企業価値の向上の観点及び当社の少数株主の皆様への合理的な売却の機会の提供のいずれの観点からも最善のものであると判断しました。

② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

当社は、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、2025年9月12日開催の取締役会において、特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役及び社外監査役について、公開買付者、経営株主ら及び当社との間で利害関係を有しておらず、また本取引の成否に関して少数株主とは異なる重要な利害関係を有していないことに加え、委員としての適格性を有することを確認した上で、吉崎浩一郎氏(当社独立社外取締役)、森忠嗣氏(当社独立社外取締役)、橋本芳則氏(当社独立社外監査役、弁護士)及び津田和義氏(当社独立社外監査役、公認会計士)の4名から構成される本特別委員会を設置いたしました。当社が独立役員として指定している者は上記4名であり、本特別委員会は、当社の全独立役員から構成されております。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会は、互選により、本特別委員会の委員長として、橋本芳則氏を選定しております。なお、本特別委員会の委員の報酬については、本特別委員会の委員はいずれも当社の社外取締役又は社外監査役であり、その職責に委員としての職務も含まれると考えられることから、社外取締役又は社外監査役の報酬に含まれるものとし、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。

当社取締役会は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)本取引についての決定(当社が本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨すること及び当社による株式併合の決定)が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか、並びに(ⅴ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての答申を当社に提出することを嘱託いたしました。

また、当社は、上記の取締役会において、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、取締役会は本取引の実施を承認しないこと(本公開買付けに賛同しないことを含む。)を決定するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)本特別委員会の財務アドバイザー・第三者評価機関や法務アドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、又は当社のアドバイザー等を指名し若しくは承認(事後承認を含む。)する権限(なお、特別委員会は、当社のアドバイザー等に対しても専門的助言を求めることができる。)、(ⅱ)本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係るアドバイザー等に対して、本特別委員会への出席を要求し、必要な事項について説明を求める権限、並びに(ⅲ)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与する旨を決定いたしました。

なお、本取引は支配株主による公開買付けにもMBOにも該当しないものの、上記の当社取締役会においては、当社取締役会における審議及び決議が本取引における利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、当社の取締役5名のうち、本取引により保有する当社株式を売却することが予定されていたトーマス氏及びトーマス氏の配偶者であり、かつ公開買付者と本応募契約を締結することが予定されていたキョウサンの発行済株式の全てを所有している淳子氏を除く3名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2025年9月12日から2025年11月14日までの間に合計10回、合計約12時間にわたって開催されたほか、各会合間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項についての協議・検討を行いました。

具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、上記の本特別委員会が有する権限に基づき、2025年9月12日、当社が選任したリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所、ファイナンシャル・アドバイザーであるパラダイムシフトについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認し、それぞれ当社のアドバイザーとして承認いたしました。また、本特別委員会は、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために、上記の本特別委員会が有する権限に基づき、2025年10月15日、赤坂国際会計を、その独立性及び専門性に問題がないことを確認し、本特別委員会独自の第三者算定機関として選任する旨を決定いたしました。なお、本特別委員会は、本特別委員会の委員長を弁護士である橋本芳則氏が務めていること、必要に応じて当社のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から専門的助言を得ることができることから、本特別委員会として独自にリーガル・アドバイザーを選任しないことを確認しております。

さらに、本特別委員会は、下記「⑧ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。

その上で、本特別委員会は、本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に当たっての留意点等について、当社のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所からの助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。

具体的には、本特別委員会は、まず本入札手続の経緯及び本入札手続の結果として公開買付者を候補者として選定した経緯について、当社及びパラダイムシフトから説明を聴取して、公開買付者から提案を受けた本取引が当社の少数株主に対して合理的な売却の機会を提供し得る提案であるか否かという観点から検証し、その合理性を確認しました。次いで、本特別委員会は、当社の事業内容、経営環境、経営課題やそれに対して現状想定している経営施策、当社における本取引の検討体制、本取引により期待されるシナジー効果及び本取引の実施に当たって上場廃止が不可欠であるか否か、並びに本取引により当社に生じ得る悪影響の有無等についての質問事項書を当社に送付し、当社から回答書を受領するとともに、当社からのヒアリングを実施して当社から説明を受け、これらの点に関する検討及び協議を行いました。さらに、本特別委員会は、トーマス氏及び淳子氏からも、当社を長年経営してきた知見に基づく当社の強み及び課題、本取引について検討を開始した経緯、本取引により期待されるシナジー効果並びに本取引の実施後との当社の従業員の処遇等に関する意向等についての質問事項書を送付し、トーマス氏及び淳子氏から回答書を受領するとともに、淳子氏に対するヒアリングを実施して質疑応答を行い、これらの点に関する検討及び協議を行いました。

同様に、本特別委員会は、本取引の実施の背景及び目的、本取引の意義及び本取引の実施後の成長戦略、本取引により生じ得るデメリット、公開買付者が本取引を提案するに至った経緯・背景及び理由等、本取引の実施後の経営方針、従業員の取扱い、本取引の価格その他の条件、本取引のストラクチャー及び手続等に関する質問事項書を公開買付者に送付し、公開買付者から回答書を受領することにより公開買付者から説明を受け、公開買付者との間で質疑応答を行っております。

加えて、当社が公開買付者に対して提示し、またディープインパクト及び赤坂国際会計が当社株式の株式価値の算定において基礎とする本事業計画に関し、本特別委員会は、本事業計画の策定のプロセス(淳子氏がその策定に当たって最低限必要な範囲内で関与したことを含む。)について当社から説明を受けるとともに、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。

その上で、上記「(3)算定に関する事項」に記載のとおり、ディープインパクト及び赤坂国際会計は、本事業計画を前提として当社株式の株式価値の算定を実施しておりますが、本特別委員会は、ディープインパクト及び赤坂国際会計に対してヒアリングを実施し、当社株式の株式価値算定の方法及び評価プロセス並びに株式価値算定に関する考察過程について説明を受け、その内容や当該算定の重要な前提等について質疑応答を行っております。

このほか、本特別委員会は、パラダイムシフトから、本公開買付価格の公正性の検討に当たっての参考資料とするため、類似事例(具体的には、本取引と近接した時期における経済環境や株式市場の動向が一定程度反映されていると考えられた概ね直近1年間である2024年10月1日から2025年9月30日までに公表された非公開化を前提とした公開買付けの成立事例(MBO、買付者が子会社又は関連会社に対して行った公開買付けを除く、46件))についてのプレミアム分析及び当該類似事例のうち支配株主による保有株式の売却を伴う事例として抽出した5件についてのプレミアム分析の提供を受けたほか、パラダイムシフトから、本公開買付価格の交渉状況等について、随時報告を受け、審議を行っております。

さらに、本特別委員会は、本取引に係る手続の公正性を検討するため、中村・角田・松本法律事務所から、本取引のスキーム、当社において採用されている利益相反回避措置の内容その他の手続の公正性に関する助言を得ました。

以上のような検討を踏まえた上で、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社が、2025年10月6日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり770円とし、本新株予約権買付価格を1円とする提案を受領して以降、本特別委員会は、パラダイムシフトから交渉状況を含めた詳細な説明を随時受けるとともに、ディープインパクト及び赤坂国際会計による当社株式の株式価値の算定結果(中間報告を含む。)、パラダイムシフトによる公開買付者との交渉方針等に係る財務的な観点からの説明、中村・角田・松本法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についての説明等を踏まえ、公開買付者及び経営株主らの影響を排除した公正な手続によって、本公開買付価格の検討を重ね、公開買付者からの提案がなされる都度、交渉に関して意見を述べることで、公開買付者との交渉に主体的に関与しております。

なお、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフトの内容についても説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯で本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、2025年11月14日付で、当社取締役会に対し、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。

(a)答申内容

ⅰ 本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的である。

ⅱ 本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されている。

ⅲ 本取引に係る手続の公正性は確保されている。

ⅳ 本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる。

ⅴ 当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは、合理的である。

(b)答申理由

ⅰ 以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められる。

・上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断内容」に記載の本取引によるシナジーについての当社の認識及び説明には、当社の従前の開示内容と矛盾した点や一見して客観的事実に反している点もなく、特に不合理な点は認められない。また、本特別委員会の委員は、全員が当社の独立役員を務めているところ、当社の認識及び説明は、これまで独立役員として認識してきた当社の事業に関する情報から得た知見や当社が抱える課題とも整合的であり、合理的なものであると認められる。また、本取引により期待されるシナジーは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。

・本取引によるシナジーに関する公開買付者の認識のうち、(ⅰ)当社と公開買付者のサービスを合わせることによる顧客獲得機会の拡大及び顧客への提供価値の拡大については、当社が認識している本取引のシナジーとほぼ同様の内容であり、(ⅱ)公開買付者が保有する「データ」と「顧客接点」に当社の技術を掛け合わせることによる新たな事業機会の創出は、当社の新規事業の創出につながるものであり、(ⅲ)より強固なコーポレート機能の構築についても、不合理な内容ではないことから、本取引により生じるシナジーについて、公開買付者の認識と当社の認識との間に齟齬はない。

・本取引を実施せずに当社単体での成長を目指すという戦略との比較においては、上場維持基準との関係について、当社がグロース市場に移行した2022年以降、時間をかけて当社取締役会において議論し、新領域事業への展開の検討や重点戦略の設定等、様々な施策を講じてきた結果、新規顧客獲得で徐々に効果が表れ始めているものの、上場維持基準である時価総額40億円を当社単体で実現するには時間が必要な状況にある状況からみても、当社の単体でのオーガニックな成長には限界もあるところであり、公開買付者のようなシナジーを創出することができる他社と組むことによって企業価値の向上を図るという本取引は、合理的なものと考えられる。

ⅱ 以下の点より、本公開買付価格を含めた本取引全体について、当社の少数株主からみて、条件の公正性・妥当性が確保されていると認められる。

・当社は、本入札手続において、(ⅰ)公開買付者による提案が当社の企業価値を最も高く評価する内容であったこと、(ⅱ)少数株主が保有する当社株式について市場株価を上回る合理的な売却の機会を提供し得る提案が公開買付者による提案のみであったこと、(ⅲ)公開買付者が本取引により当社を非上場化することによって実現されるシナジーが、他の候補者が提案した取引によるシナジーと比較して最も具体性を伴っており、他の候補者と提携した場合のシナジーを上回るものと考えられたこと、及び(ⅳ)組織風土面においても公開買付者が他の候補者と比べて最も親和的であると見込まれたことから、公開買付者を最終候補先として選定したものである。さらに、本取引は、当社を公開買付者の完全子会社としつつ、当社の支配株主であるトーマス氏が当社株式の売却を含む資本関係の再構築を検討した結果として行われる取引であることから、トーマス氏を含む経営株主らの了解が得られない取引については、実現可能性に劣る取引であると考えられるから、実現可能性の観点からも、本取引に伍する提案は存在しないと考えられる。このように考えると、当社が本取引を実施することは、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の少数株主に最も有利な条件を選択したものであると考えられる。

・本入札手続の結果として公開買付者が最終候補先として選定されてからの公開買付者とのスキームや価格に係る協議についても、本特別委員会は、パラダイムシフトから詳細な報告を受けている。さらに、スキームを踏まえた具体的な価格の交渉についても、その一連の交渉経緯については、パラダイムシフト及び当社から本特別委員会に対して詳細な説明が行われ、本特別委員会からも当該説明の都度、交渉に関して意見を述べることで、交渉に積極的に関与する形で公正な検討が行われ、最終合意に至ったものである。また、本特別委員会は、本特別委員会に与えられた権限を行使して、公開買付者側との直接の交渉も行い、少数株主に可能な限り有利な金額を引き出せるように最大限の努力を行った。したがって、本特別委員会は、本公開買付価格の交渉について、与えられた権限を踏まえて主体的に関与しており、このような交渉により、少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して交渉がされた経緯が認められる。以上からすれば、本取引における合意は、当社と公開買付者との間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。

・当社の第三者算定機関であるディープインパクト及び本特別委員会の独自の第三者算定機関である赤坂国際会計による算定の前提とされた本事業計画については、策定プロセスの観点や、その策定方法のいずれからみても、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。

① 本特別委員会は、本事業計画及び本事業計画の一部を構成する2025年12月期の着地見込みについて、その作成方法・作成過程及び内容(事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)について、当社から説明を受け、本特別委員会の委員が独立役員として当社の取締役会で把握している当社の事業の近況(当社のサービスの解約率等)や事業の見込みについての認識と整合性がとれていることを確認し、その合理性を承認した。

② 本事業計画は、本中期経営計画で当社が公表した計画よりも下振れしているが、本中期経営計画は2030年12月期における予想ではなく目標数値として作成されたものであるから、現時点でより達成可能性の高い本事業計画を本取引において採用することも合理的と考えられる。

③ 本事業計画に含まれる2025年12月期の数値については、当社が従前市場で公表していた業績予想を下回る数値となっているが、これは2025年8月までの当社の業績の実績を踏まえたものであり、当社は本取引の公表と同時に2025年12月期の業績予想の修正を公表するため、この点も不合理とは認められない。

④ 本事業計画の策定プロセスを検討すると、公開買付者は本答申書の作成日時点において当社株式を保有していないこともあり、本事業計画の策定に全く関与していない。一方、淳子氏は、当社の管理担当取締役として、当社の経理財務部門の全般を所掌する立場であり、当社として将来の事業計画を策定するに当たって、特に営業利益の額の予測に当たっては当社で発生する販管費等の費用の予測が不可欠であるため、淳子氏が関与することが必要不可欠であるという事情がある。そのため、当社においては、淳子氏が本事業計画の策定に必要不可欠な範囲内で関与しつつ、淳子氏には本事業計画の策定に関する決定権までは付与せず、同氏が策定に関与した本事業計画の原案について、その内容について利害関係を有しない当社の取締役である稲見氏が確認し、かつ、本特別委員会の承認を得た上で最終的に決定するプロセスを採用した。本特別委員会としては、(ⅰ)当社が本取引において利益相反を適切に管理することはもちろん重要であるが、同時に、合理性のある事業計画を策定することも少数株主の利益の確保にとって不可欠であり、そのバランスが重要であること、(ⅱ)本取引においては経営株主らもその保有する当社株式を売却することが予定されており、事業計画を実態よりも悲観的に策定するインセンティブを有するものではないこと、及び(ⅲ)当社が、本特別委員会に対し、淳子氏の関与状況について適時適切に報告しておりモニタリングも行われていることから、当社の採用したプロセスは、利益相反管理と事業計画の合理性確保の両方に配意した合理的なものであると評価する。

⑤ 本事業計画は、本取引が行われることを前提とするシナジー等を織り込んでいない、スタンドアローン・ベースの事業計画となっているが、一般にM&A取引においては、特に被買収側がM&A取引によるシナジーを定量的に見込むことは難しく、本取引においても当社側で確度のある分析を行うことは不可能である(M&A指針も同様の指摘をしている)。したがって、本取引でも、スタンドアローン・ベースの本事業計画が算定の基礎とされていることは、不合理ではない。

・本取引に関してディープインパクト及び赤坂国際会計が採用した評価手法は、継続企業を前提とした企業価値評価手法(市場株価法及びDCF法)であり、企業評価の標準的なアプローチに沿ったもので妥当であると評価できる。また、ディープインパクト及び赤坂国際会計による具体的な算定の結果によれば、本公開買付価格(1株当たり770円)は、(ⅰ)両社の市場株価法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)両社のDCF法の算定結果の上限を超えていることから、本公開買付価格は、赤坂国際会計及びディープインパクトにより算定された当社株式価値評価との比較の観点からしても、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考える。

・本取引では公開買付けが想定され、株式交換は想定されていないが、このスキームは一般的なものであるし、公開買付者と当社とではその事業内容が異なり、当社株主の中には公開買付者株式の取得を望まない者もいると思われること等からすると、株式交換等の株式対価による方法ではなく、公開買付け及びその後のスクイーズアウト手続による金銭対価での買収は、当社の少数株主に対して特に不利益を及ぼすものではない。

・本取引における当初スキームから本スキームへの変更は、公開買付者としての当社の企業価値の評価が本入札手続の時点で固まっている状況下で(なお、かかる公開買付者の評価は本入札手続の候補者の中で最も当社に有利であった。)、本公開買付価格が少しでも当社の少数株主にとって有利になることが企図されたものであり、少数株主に利益をもたらすものである。また、本スキームにおいては、当社の支配株主である経営株主らと比較して、当社の少数株主に不利益を押しつけるスキームにはなっていないことが認められ、かつ、本公開買付価格を相応に下回る金額でも経営株主らが当社株式を売却することに合意していることからすれば、本公開買付価格は、当社株式の価値をよく知る経営株主らからみても合理性のある金額であることが認められ、本スキームは妥当なものといえる。

・以上のような要素を勘案すれば、本特別委員会としては、類似事例の平均的なプレミアム水準には及ばないという事情があるものの、それでも一定のプレミアムは付された金額であり、かつ、本公開買付価格は、当社の株式価値が十分に反映されたものと考えることができるので、少数株主の利益に十分な配慮がされた水準にあるものと考える。

・当社の時価総額は、本答申書の作成日時点において20億円弱であるが、2026年12月31日の時点で当社の時価総額が40億円を下回ると、当社は基準日から1年間の上場維持基準適合に向けた改善期間に入り、この改善期間の終了期限である2027年12月末日時点において、時価総額が40億円を超えていなければ、監理銘柄又は整理銘柄に指定されることになるという状況にある。本答申書の作成日時点から1年強という期間で時価総額を2倍以上にするということは現実的には容易ではなく、当社としてそのための有効な施策を見いだせているわけではない現状において、本取引の実施を見送った場合に、監理銘柄又は整理銘柄に指定されることにより当社の少数株主が損害を受けるリスクを回避し、かつ、本取引に匹敵するような、当社の少数株主にとって合理的な当社株式の売却の機会を提供することは、容易でないと考えられる。

・したがって、本特別委員会としては、当社が本取引を実施することは、当社の少数株主に対して合理的な売却機会を提供するものであるという評価が可能であり、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の少数株主に最も有利な条件を選択したものであり、本公開買付価格は公正性・妥当性を有しているものと認める。

・また、本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されている。

ⅲ 以下の点より、本取引においては、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

・以下のとおり、本特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。

① 本特別委員会は、本取引に係る取引条件が公開買付者と当社との間で決定される前の段階で設置されていること

② 本特別委員会は、M&A指針で最も特別委員会の委員としての適格性があるとされる社外取締役と、社外取締役を補完するものとして適格性を有するとされる社外監査役のみによって構成されていること

③ 当社が公開買付者と本公開買付価格その他の諸条件について協議する場合には、事前又は事後速やかに本特別委員会に確認を求めており、これにより、本特別委員会は、適時に交渉状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行って、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること

④ 本特別委員会は、独自の第三者算定機関として赤坂国際会計を選任し、企業価値評価に関する専門的知見に基づき検討・判断をしてきたこと

⑤ 本特別委員会が、少数株主に代わり、本取引に関して締結される予定の契約書の文案も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行ったこと

⑥ 当社取締役会は、本特別委員会に対する諮問事項について決議するに際し、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は本取引を行う旨の意思決定を行わない旨を決議していること

・当社における意思決定プロセス及び検討体制の構築・運用に、公正性に疑義のある点は見当たらない。

・当社取締役会は、意思決定につき、独立性が認められるリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の弁護士から助言を受けている。また、当社取締役会が、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立性が認められる第三者算定機関であるディープインパクトから、当社株式の株式価値に関する資料として、本株式価値算定書(ディープインパクト)を取得するとともに、本特別委員会は、本取引に関する検討に際し、独立性が認められる独自の第三者算定機関として赤坂国際会計を選任しており、赤坂国際会計からも当社株式の株式価値に関する資料として本株式価値算定書(赤坂国際会計)を取得しており、本株式価値算定書(ディープインパクト)及び本株式価値算定書(赤坂国際会計)は、いずれも、独立した第三者評価機関による株式価値算定書であると認められる。

・本件では本取引に係る本入札手続が実施されており、合計41社に打診を実施し、その結果として、公開買付者を含む3社の候補先から本取引に関する最終意向表明書が提出され、ここから当社が公開買付者を最終候補先として選定したことが認められる。したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されている。

・本公開買付けにおいては、公開買付期間を31営業日と比較的長期に設定することにより、本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保するものと認められる。また、本特別委員会は、当社からのヒアリング及び公開買付者との書面での質疑応答において、当社と公開買付者との間において、当社が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っていない旨の説明を受けており、本取引では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックも確保されている。

・本取引においては、買付予定数の下限につきマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていないものの、マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方については、M&A指針においても、支配株主による従属会社の買収のように買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等も指摘されているところであり、本公開買付けの実施に際しては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定以外の公正性担保措置が多く採用されていることが認められることからすると、本公開買付けの実施に際してマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていないこと自体が本取引の取引条件の公正さを阻害しているとまでは認められない。

・一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上の観点からは、本取引に係る当社のプレスリリースにおいて、(ⅰ)特別委員会に関する情報、(ⅱ)株式価値算定書に関する情報及び(ⅲ)その他のM&Aの実施に至るプロセスや交渉経緯についての充実した記載がされているものと認められる。

・本スクイーズアウト手続の過程で、株主には、会社法第182条の4及び第182条の5の規定により価格決定の申立てを行う権利が認められ、しかも、本取引に係る当社のプレスリリースにおいてその旨が明示的に開示されていることに加え、本取引に係る当社のプレスリリースでは、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われること、本スクイーズアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭について、本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定である旨が開示されており、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。

ⅳ 上記ⅰ乃至ⅲのとおり、本取引にとって必要十分な内容での公正性担保措置が採用され、実際に実効性をもって運用されていると認められ、本取引においては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

ⅴ 上記ⅰ乃至ⅲのとおり、本取引の目的は合理的であり、本取引に係る取引条件の公正性・妥当性は確保されており、本取引に係る手続の公正性は確保されている。とりわけ、当社が本取引を実施することは、当社を巡る様々な状況(上場維持基準との関係性を含む。)に鑑みて、当社の少数株主に対して合理的な売却機会を提供するものであるという評価が可能であり、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の少数株主に最も有利な条件を選択したものであると認められる。

③ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社、経営株主ら及び公開買付者から独立した第三者算定機関であるディープインパクトに対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年11月14日付でディープインパクトより本株式価値算定書(ディープインパクト)を取得しました。なお、ディープインパクトは、当社、経営株主ら及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、ディープインパクトから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。本取引に係るディープインパクトの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、ディープインパクトにつき、独立性に問題がないことを確認しております。

本株式価値算定書(ディープインパクト)の概要は、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために、当社、経営株主ら及び公開買付者から独立した第三者算定機関である赤坂国際会計に対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年11月14日付で赤坂国際会計より本株式価値算定書(赤坂国際会計)を取得しました。なお、赤坂国際会計は、当社、経営株主ら及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、赤坂国際会計から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。本取引に係る赤坂国際会計の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、赤坂国際会計につき、独立性に問題がないことを確認しております。

本株式価値算定書(赤坂国際会計)の概要は、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

⑤ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及び経営株主らから独立した第三者算定機関であるCFASに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、CFASは、公開買付者、当社及び経営株主らの関連当事者には該当していないとのことです。また、公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ当社及び経営株主らとの協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、CFASから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

公開買付者がCFASから取得した本株式価値算定書(CFAS)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、リーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定に当たっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、中村・角田・松本法律事務所は、当社、経営株主ら及び公開買付者から独立しており、当社、経営株主ら及び公開買付者との間に重要な利害関係を有しておりません。また、中村・角田・松本法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬(いわゆるタイムチャージ)のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所につき、独立性に問題がないことを確認しております。

⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

当社は、中村・角田・松本法律事務所から得た法的助言、パラダイムシフトから受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書(ディープインパクト)の内容、本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(赤坂国際会計)の内容、本特別委員会から入手した本答申書の内容、公開買付者との間で実施した複数回に亘る継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けに関する諸条件の内容について慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、取締役5名のうち審議及び決議に参加した3名の取締役全員の一致により、2025年11月14日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議しております。

また、上記の取締役会において、審議に参加した監査役3名全員が上記のいずれの決議についても異議がない旨の意見を述べております。

なお、本取引に係る当社の取締役会決議(上記の2025年11月14日付取締役会決議及び本特別委員会設置に係る2025年9月12日付取締役会決議)に際しては、当社の代表取締役であるトーマス氏については、公開買付者と本応募・不応募契約を締結する予定であり、当社の少数株主の皆様との利益が一致しない可能性があること及び取締役である淳子氏についてはトーマス氏の配偶者であり、かつ公開買付者と本応募契約を締結する予定であるキョウサンの発行済株式の全てを所有しており、当社の少数株主の皆様との利益が一致しない可能性があることを考慮し、取締役会における審議及び決議がかかる問題による影響を受けるおそれを排除する観点からその審議及び決議には参加しないこととしております。また、トーマス氏及び淳子氏は、当社における本取引に係る検討、交渉及び判断には関与しておりません。

⑧ 当社における独立した検討体制の構築

当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、経営株主ら及び公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、本取引に係る検討、交渉及び判断は、全て経営株主ら及び公開買付者から独立した者が担当することとした上で、経営株主ら及び公開買付者からの独立性の認められる役職員(当社の取締役である稲見氏及び当社従業員1名の計2名)のみで構成することとし、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。

公開買付者に対して提示し、またディープインパクト及び赤坂国際会計が当社株式の株式価値の算定において基礎とする本事業計画については、以下のような手続を経て策定されました。すなわち、当社の取締役のうち淳子氏は、トーマス氏の配偶者であり、当社の第2位株主であるキョウサンの発行済株式の全てを所有しているため、本取引に係る当社の取締役会における審議及び決議には参加しないこととしておりますが、当社の管理担当取締役として、当社の経理財務部門の全般を所掌する立場であり、当社として将来の事業計画を策定するに当たって、特に営業利益の額の予測に当たっては当社で発生する販管費等の費用の予測が不可欠であるため、淳子氏が関与することが必要不可欠で代替できないこと、本取引は支配株主による公開買付けにもMBOにも該当せず、淳子氏として事業計画を実態よりも悲観的に策定するインセンティブを有するものではないこと、淳子氏は公開買付者と本応募契約を締結する予定であるキョウサンの発行済株式の全てを所有しているため公開買付者との関係で利益相反関係が存在するおそれがあるものの、本取引に伴い当社株式を売却するという点において当社の少数株主の皆様と利害が共通しており、公開買付者から指示を受ける立場にもないこと、経済産業省が2019年6月28日に公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)においても、保有する株式を売却する予定である者について利益相反を理由に除外されるべきとする記載は見当たらないこと等から、公開買付者との関係で利益相反のおそれは小さいと判断できることを勘案し、原則として本取引の検討・交渉(本取引に関する取締役会の審議・決議を含みます。)には関与させないものの、本事業計画の策定については、最低限必要な範囲内で関与させることといたしました。ただし、淳子氏の関与に際しては、公正性を担保するため、当社が、本特別委員会に対し、淳子氏の関与状況について適時適切に報告することといたしました。また、淳子氏には本事業計画の策定に関する決定権までは付与せず、同氏が策定に関与した本事業計画の原案については、その内容について利害関係を有しない当社の取締役である稲見氏が確認したうえ、最終的に決定するものといたしました。その結果、淳子氏が策定に関与した本事業計画について、稲見氏が確認したうえ、最終的に決定されております。加えて、本事業計画は、その作成過程において、本特別委員会に対して作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明が行われるとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を得ております。

なお、本中期経営計画から改めて本事業計画を作成した背景としては、本中期経営計画は2030年12月期における営業収益と営業利益のみの計画であり、当社株式の株式価値の算定に当たってはより詳細な計画を策定する必要があることと、本中期経営計画は2030年12月期における予想ではなく目標数値として作成されたものであり、現時点でより達成可能性の高い本事業計画を本取引においては採用することで、公正性を担保することができると考えられたため、改めて本事業計画を作成しました。また、本事業計画に含まれる2025年12月期の数値については、当社が従前市場で公表していた業績予想を下回る数値となっておりますが、これは2025年8月までの当社の業績の実績を踏まえたものです。なお、当社は2025年11月14日付で、「2025年12月期 通期業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しております。

以上のような本事業計画の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は、中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。

⑨ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を、法令に定められた最短期間である20営業日よりも長い31営業日に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断の機会を確保しているとのことです。また、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者を含む複数の候補者から意向表明書の提示を含む提案を受け、かかる提案や各社との面談の結果等の比較を通じて、公開買付者を最終候補先とすることを決定しており、本取引に関して、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等その他の取引機会は、実質的には設けられていたものと考えているとのことです。さらに、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていないとのことです。このように、公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会等が確保されていることを確認しており、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本応募・不応募契約

上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」及び「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2025年11月14日付で、当社の代表取締役であり当社の主要株主かつ筆頭株主であるトーマス氏(所有株式数:1,605,800株、所有割合:53.94%)との間で本応募・不応募契約を締結し、(ⅰ)トーマス氏応募合意株式802,900株(所有割合:26.97%)を本公開買付けに応募すること、また、(ⅱ)不応募合意株式802,900株(所有割合:26.97%)について、本公開買付けに応募しないこと、(ⅲ)本公開買付けにより公開買付者が当社株式の全て(不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの成立後に、本スクイーズアウト手続を実施するために必要な手続を行うこと、及び(ⅳ)本スクイーズアウト手続の完了後、金融商品取引法第24条第1項但書に基づき当社が内閣総理大臣から有価証券報告書提出免除承認を受けた後に、トーマス氏が公開買付者との間で株式譲渡契約を締結し、当該株式譲渡契約に従い、本株式譲渡を行うことを合意したとのことです。本応募・不応募契約の概要は以下のとおりとのことです。

(ⅰ)本公開買付けへの応募及び不応募に関する合意

トーマス氏は、本応募・不応募契約において、(ⅰ)本公開買付けが開始してから15営業日以内に、トーマス氏応募合意株式の全てを本公開買付けに応募し、かつ、当該応募を撤回せず、当該応募の結果成立したトーマス氏応募合意株式の買付けに係る契約を解除しないこと、(ⅱ)不応募合意株式の全てについて本公開買付けに応募しないこと、(ⅲ)自ら又は第三者を通じて、本応募・不応募契約締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、トーマス氏応募合意株式及び不応募合意株式の譲渡、担保設定その他の処分、又は、当社の株式等若しくは当社の株式等に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売りを含みます。)を行わず、また本公開買付けと実質的に矛盾若しくは抵触し、又は本公開買付けの実行を困難にする具体的なおそれのある取引(以下「競合取引」といいます。)の実施、合意、申込み、申込みの勧誘、協議、交渉、提案を行わないこと、及び(ⅳ)第三者から競合取引の申込み又は提案を受けた場合には、公開買付者に対し、当該事実を直ちに通知し、公開買付者と誠実に協議することに合意しているとのことです。なお、本応募・不応募契約において、トーマス氏による応募の前提条件は定められていないとのことです。

(ⅱ)当社株式に係る議決権行使等に関する合意

公開買付者は、本公開買付けの完了後、本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、トーマス氏は、本応募・不応募契約において、トーマス氏が、当社の株主として、本臨時株主総会において、不応募合意株式に係る議決権の行使として、株式併合に関連する議案に賛成することを合意しているとのことです。

また、(ⅰ)本株式譲渡の効力発生日以前の日を権利行使の基準日として、本公開買付けの決済の開始日後に当社の株主総会が開催されるときには、トーマス氏応募合意株式及び不応募合意株式に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従い、(a)公開買付者の指示に従って議決権を行使するか、又は(b)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与すること、(ⅱ)本公開買付けの完了後、実務上可能な限り速やかに、公開買付者の合理的な指示に従って、当社をして、最終的に当社の株主をトーマス氏及び公開買付者のみとすることを目的として、株式併合の議案を目的事項に含む株主総会を開催し、当該議案に係る決議を成立させるよう、株式併合に関する議案に賛成の議決権を行使することに合意しているとのことです。

(ⅲ)本株式譲渡に関する合意

公開買付者とトーマス氏は、本スクイーズアウト手続の効力発生日後、実務上合理的に可能な限り速やかに、当社をして、有価証券報告書提出免除承認を受けるために必要な一切の行為を行わせ、有価証券報告書提出免除承認後、実務上合理的に可能な限り速やかに、不応募合意株式の全てを、株式併合の効力発生直前におけるトーマス氏が所有する当社株式の数に440円を乗じて得られる金額から株式併合端数代金(もしあれば)を控除した金額で公開買付者に対して譲渡することを合意しているとのことです。

なお、2025年11月14日現在、本応募・不応募契約のほか、公開買付者とトーマス氏を当事者とする本取引に係る重要な合意はないとのことです。また、本公開買付けに応募することにより得られる金銭及び本株式譲渡合計価格以外に、公開買付者からトーマス氏に対して本取引に関して供与される利益はないとのことです。

② 本応募契約

上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」及び「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者は、2025年11月14日付で、キョウサン(所有株式数:140,000株、所有割合:4.70%)との間で、同社が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する旨の本応募契約を締結したとのことです。

キョウサンは、本応募契約において、(ⅰ)本公開買付けが開始してから15営業日以内に、キョウサンが所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募し、かつ、当該応募を撤回せず、当該応募の結果成立した当社株式の買付けに係る契約を解除しないこと、(ⅱ)自ら又は第三者を通じて、本応募契約締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、キョウサンが所有する当社株式の全ての譲渡、担保設定その他の処分、又は、当社会社の株式等若しくは当社会社の株式等に係る権利の取得、提供若しくは譲渡(空売りを含みます。)を行わず、また競合取引の実施、合意、申込み、申込みの勧誘、協議、交渉、提案を行わないこと、及び(ⅲ)第三者から競合取引の申込み又は提案を受けた場合には、公開買付者に対し、当該事実を直ちに通知し、公開買付者と誠実に協議することに合意しているとのことです。なお、本応募契約において、キョウサンによる応募の前提条件は定められていないとのことです。

また、キョウサンは、本応募契約において、本公開買付けの決済の開始日以前の日を権利行使の基準日として本公開買付けの決済の開始日後に当社の株主総会が開催されるときには、当該株主総会における本公開買付けにより買い付けられた当社株式に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従い、(ⅰ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するか、又は(ⅱ)公開買付者若しくは公開買付者の指定する者に対して包括的な代理権を授与することに合意しているとのことです。

なお、2025年11月14日現在、本応募契約のほか、公開買付者とキョウサンを当事者とする本取引に係る重要な合意はないとのことです。また、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、公開買付者からキョウサンに対して本取引に関して供与される利益はないとのことです。 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

(1)普通株式

氏名 役職名 所有株式数(株) 議決権数(個)
トーマス・アクイナス・フォーリー 代表取締役社長CEO 1,605,800 16,058
稲見 吉彦 取締役
フォーリー 淳子 取締役 140,000 1,400
吉崎 浩一郎 取締役
森 忠嗣 取締役 100 1
田中 守 常勤監査役
橋本 芳則 監査役
津田 和義 監査役
1,745,900 17,459

(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。

(注2) 取締役吉崎浩一郎及び森忠嗣は社外取締役であります。

(注3) 監査役橋本芳則及び津田和義は社外監査役であります。

(2)新株予約権

氏名 役職名 所有個数(個) 株式に換算した数

(株)
株式に換算した議決権の数(株)
トーマス・アクイナス・フォーリー 代表取締役社長CEO
稲見 吉彦 取締役 200 20,000 200
フォーリー 淳子 取締役 100 10,000 100
吉崎 浩一郎 取締役 100 10,000 100
森 忠嗣 取締役 100 10,000 100
田中 守 常勤監査役
橋本 芳則 監査役
津田 和義 監査役
500 50,000 500

(注1) 役職名は本書提出日現在のものです。

(注2) 所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は、本書提出日現在のものです。

(注3) 取締役稲見吉彦は、第3回新株予約権を200個所有しています。

(注4) 取締役フォーリー淳子は、第3回新株予約権を100個所有しています。

(注5) 取締役吉崎浩一郎は、第3回新株予約権を100個所有しています。

(注6) 取締役森忠嗣は、第3回新株予約権を100個所有しています。 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

7【公開買付者に対する質問】

該当事項はありません。

8【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。

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