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Renascience Inc.

Registration Form Nov 28, 2025

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【表紙】
【発行登録番号】 7-東北1
【提出書類】 発行登録書
【提出先】 東北財務局長
【提出日】 2025年11月28日
【会社名】 株式会社レナサイエンス
【英訳名】 Renascience Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役会長兼社長  宮田 敏男
【本店の所在の場所】 宮城県仙台市青葉区星陵町2番1号
【電話番号】 022-727-5070
【事務連絡者氏名】 管理部長  須田 欣也
【最寄りの連絡場所】 宮城県仙台市青葉区星陵町2番1号医学部6号館202
【電話番号】 022-727-5070
【事務連絡者氏名】 管理部長  須田 欣也
【発行登録の対象とした募集有価証券の種類】 株式
【発行予定期間】 この発行登録書による発行登録の効力発生予定日(2025年12月6日)から1年を経過する日(2026年12月5日)まで
【発行予定額又は発行残高の上限】 発行予定額 2,500,000,000円(注)

(注)エクイティ・プログラム契約(以下に定義する。)に基づき合計4回にわたって発行される当社普通株式合計1,065,200株についての発行価額の上限額を記載したものであり、実際の発行価額は、株価動向等により、上記金額を下回る可能性がある。
【安定操作に関する事項】 該当事項はありません。
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

E36825 48890 株式会社レナサイエンス Renascience Inc. 企業内容等の開示に関する内閣府令 第十一号様式 1 false false false E36825-000 2025-11-28 xbrli:pure

 0101010_honbun_0910905873709.htm

第一部 【証券情報】

第1 【募集要項】

以下に記載するもの以外については、有価証券を募集により取得させるに当たり、その都度「訂正発行登録書」又は「発行登録追補書類」に記載します。

1 【新規発行株式】

種類 発行数 内容
普通株式 未定 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。

なお、単元株式数は100株となっております。

(注)1.本発行登録書による募集(以下「本募集」という。)は、2025年11月28日開催の取締役会決議及び下記(注)2に記載の今後開催予定の取締役会における決議によります。

なお、本発行登録書の対象とした募集に係る当社普通株式(以下「本普通株式」という。)の発行(以下「本第三者割当」という。)は、金融商品取引法に基づく発行登録の効力発生及び発行登録追補書類の提出を条件としております。

2.本募集は、当社及びCVI Investments, Inc.(以下「割当予定先」という。)との間で本日付で締結されたEquity Program Agreement(以下「エクイティ・プログラム契約」という。)に基づき、以下の日程及び条件に従い、当社が割当予定先に対して計4回にわたり当社普通株式を割り当てることを企図するものです。

第1回目の発行 第2回目の発行 第3回目の発行 第4回目の発行
発行数 275,000株 263,400株 263,400株 263,400株
発行決議日 2025年11月28日 2025年12月19日

(予定)
2026年2月18日

(予定)
2026年3月11日

(予定)
発行予定日 2025年12月15日 2026年1月5日 2026年3月5日 2026年3月26日

なお、エクイティ・プログラム契約に基づき、当社は割当予定先に対して新株予約権(以下「本新株予約権」という。)も割り当てる予定であり、当該新株予約権の募集について本日付で発行登録書を提出しています。

3.本募集における各本普通株式の割当てについては、エクイティ・プログラム契約に定められる以下の条件(以下「本発行条件」という。)の成就を条件として行われます。そのため、当該条件が成就されない場合、本募集のうち第2回目の発行から第4回目の発行までの一部又は全部が行われない可能性があります。但し、以下の条件に該当しない場合であっても、割当予定先はその裁量により、かかる条件の全部又は一部を放棄することができ、その場合には発行を行う場合があります。

①当社がエクイティ・プログラム契約上の義務に重大な違反をしていないこと

②エクイティ・プログラム契約に基づき発行される当該回の当社普通株式又は当社新株予約権証券について、裁判所による差止命令等がなされていないこと

③上記各発行決議予定日前の30取引日において、当社普通株式の過去5日分の出来高の平均が500,000株を下回る取引日が3取引日以上ないこと。なお、本条件については、第1回目の発行及び第2回目の発行には適用されないものとする。

④上記各発行決議予定日前の30取引日において、当社普通株式の売買高加重平均価格が1,000円以下となる取引日が3取引日以上ないこと

⑤当社普通株式が東京証券取引所に上場されており、売買停止や上場廃止等のおそれがないこと。但し、ストップ高やストップ安による値幅制限が生じた場合には、当社と割当予定先は、新たな発行決議日を設定するために誠実に協議を行うものとする。

⑥当社の支配権の変動を生じさせる取引が当社又は第三者により公表されていないこと

⑦当社の債務不履行事由が発生していないこと

⑧当社の役員等から提供された当社に関する未公表の重要事実を割当予定先が保有していないこと

⑨当社の事業やエクイティ・プログラム契約に基づく各割当て等について、重大な悪影響を及ぼす事由が発生していないこと

⑩各割当てについて金融商品取引法に基づき発行登録書及び発行登録追補書類が提出され、効力が発生していること

⑪当社株主である宮田敏男(以下「貸株人」という。)と割当予定先との間で、当社普通株式(上限270,000株)を貸し付ける株式貸借契約が第1回目の発行の割当日までに締結され、貸株人が同契約上の義務に係る重大な違反をしていないこと

また、エクイティ・プログラム契約において、当社は、第4回目の発行に関して、戦略的投資家からの資金調達により、その時点で残存する当社の資金需要を賄うことができると判断される場合には、発行決議予定日の10営業日前までに割当予定先に書面による通知を行うことにより、第4回目の発行を実施しないことができます。

「営業日」とは、東京における銀行の営業日(土曜日、日曜日、東京における法定の休日又は東京の銀行が法令又は行政規則により休業することが義務づけられ、若しくは許可されている日を除きます。)をいいます。

4.振替機関の名称及び住所

名称:株式会社証券保管振替機構

住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号  

2 【株式募集の方法及び条件 】

(1) 【募集の方法】

区分 発行数 発行価額の総額(円) 資本組入額の総額(円)
株主割当
その他の者に対する割当 未定 未定 未定
一般募集
計(総発行株式) 未定 未定 未定

(注)1.第三者割当の方法によります。

2.発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は会社法上の増加する資本金の額の総額であります。なお、発行価額は、各発行の発行条件を決定する取締役会決議において、第1回目の発行については第1回発行決議日の直前取引日終値の91%に相当する金額(円未満切上げ)、第2回目の発行乃至第4回目の発行については各回発行決議日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)とする予定です。  

(2) 【募集の条件】

 |     |     |     |     |     |     |

| --- | --- | --- | --- | --- | --- |
| 発行価格(円) | 資本組入額(円) | 申込株数単位 | 申込期間 | 申込証拠金(円) | 払込期日 |
| 未定 | 未定 | 100株 | 未定 | - | 未定 |

(注)1.第三者割当の方法によるものとし、一般募集は行いません。

2.発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。なお、発行価格は、各発行の発行条件を決定する取締役会決議において、第1回目の発行については第1回発行決議日の直前取引日終値の91%に相当する金額(円未満切上げ)、第2回目の発行乃至第4回目の発行については各回発行決議日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)とする予定です。

3.申込み及び払込みの方法は、当社と割当予定先との間で総数引受契約を締結し、払込期日までに払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。

4.払込期日までに、割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合、本第三者割当に係る割当は行われないこととなります。

5.本第三者割当のうち、2025年11月28日開催の取締役会決議による第1回目の新株発行の概要は以下のとおりです。

募集株式の種類及び数 普通株式275,000株
払込金額 1株につき1,818円
払込金額の総額 499,950,000円
増加する資本金の額 249,975,000円
増加する資本準備金の額 249,975,000円
割当方法 CVI Investments, Inc.に対する第三者割当の方法による
払込期日 2025年12月15日
その他 株式の発行は、金融商品取引法に基づく発行登録の効力発生及び発行登録追補書類の提出を条件とする。

3 【株式の引受け】

該当事項はありません。 

4 【新規発行による手取金の使途】

(1) 【新規発行による手取金の額】

エクイティ・プログラム契約に基づき設定された株式及び新株予約権発行プログラム(以下「本プログラム」という。)全体によって調達する資金の見込総額(差引手取概算額)は、次のとおりです。

払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
3,327,144,851 60,000,000 3,267,144,851

(注)1.上記の金額は、上記「1 新規発行株式」(注)2に記載の第1回目の発行乃至第4回目の発行により発行される本普通株式及び本新株予約権に係る払込金額に本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額であります。上記払込金額の総額に関して、各発行の内訳は以下のとおりとなります。なお、第2回目の発行乃至第4回目の発行に係るものは、本普通株式の払込金額が2025年11月28日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)であると仮定し、本新株予約権の払込金額が第1回目の発行と同じであると仮定し、本新株予約権の行使価額が2025年11月28日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)であると仮定した場合の見込額であり、実際の金額は、各発行の発行条件を決定する取締役会決議において、それぞれ、本普通株式の払込金額は、第1回目の発行については第1回発行決議日の直前取引日終値の91%に相当する金額(円未満切上げ)、第2回目の発行乃至第4回目の発行については各回発行決議日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)、本新株予約権の払込金額は第三者評価機関が算定した本新株予約権の評価額、本新株予約権の行使価額は各回発行決議日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)とする予定です。

① 第1回目の発行により発行される本普通株式に係る払込金額の総額

499,950,000円

② 第2回目の発行により発行される本普通株式に係る払込金額の総額

499,933,200円

③ 第3回目の発行により発行される本普通株式に係る払込金額の総額

499,933,200円

④ 第4回目の発行により発行される本普通株式に係る払込金額の総額

499,933,200円

⑤ 第1回目の発行により発行される本新株予約権に係る払込金額の総額

3,461,419円

⑥ 第2回目の発行により発行される本新株予約権に係る払込金額の総額

3,316,144円

⑦ 第3回目の発行により発行される本新株予約権に係る払込金額の総額

3,316,144円

⑧ 第4回目の発行により発行される本新株予約権に係る払込金額の総額

3,316,144円

⑨ 第1回目の発行により発行される本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額

339,172,600円

⑩ 第2回目の発行により発行される本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額

324,937,600円

⑪ 第3回目の発行により発行される本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額

324,937,600円

⑫ 第4回目の発行により発行される本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額

324,937,600円

2.本新株予約権の行使価額が調整された場合には、払込金額の総額及び差引手取概算額は増加又は減少する可能性があります。また、本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合及び本新株予約権の保有者がその権利を喪失した場合には、払込金額の総額及び差引手取概算額は減少いたします。

3.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

4.発行諸費用は、主に、弁護士費用、及びその他事務費用(印刷事務費用、登記費用)等からなります。 

(2) 【手取金の使途】

<本プログラム全体により調達する資金に関する資金使途>

本プログラム全体により調達する資金(差引手取概算額)の具体的な使途については、次のとおり予定しております。

具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
①希少がんの第Ⅲ相試験及びがん適応拡大の第Ⅱ相試験 1,800 2026年2月~2030年12月
②抗加齢・長寿臨床試験(XPRIZE Healthspan試験) 700 2025年12月~2030年1月
③抗加齢疾患の非臨床試験及び動物医薬品開発 417 2025年12月~2029年12月
④治験原薬、製剤費用 350 2026年2月~2029年12月
合計 3,267

(注)1.調達資金を実際に支出するまで銀行口座で管理いたします。

2.上記記載は、本プログラム全体で調達される手取金の使途について記載しております。本プログラムの詳細については、上記「第1 募集要項 1 新規発行株式」(注)2及び(注)3をご参照ください。本プログラム全体で調達される手取金は、本プログラム全体における払込金額の総額の見込額3,327,144,851円から、本プログラム全体に要する発行諸費用の概算額60,000,000円を差し引いた金額である3,267,144,851円を見込んでおります。なお、本プログラム全体における払込金額の総額の見込額3,327,144,851円は、第2回目の発行乃至第4回目の発行に係るものは、当社普通株式の払込金額が2025年11月28日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)であると仮定し、当社新株予約権の払込金額が第1回目の発行と同じであると仮定し、当社新株予約権の行使価額が2025年11月28日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)であると仮定した場合の見込額です。実際の金額は、各発行の発行条件を決定する取締役会決議において、それぞれ、本普通株式の払込金額は、第1回目の発行については第1回発行決議日の直前取引日終値の91%に相当する金額(円未満切上げ)、第2回目の発行乃至第4回目の発行については各回発行決議日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)、本新株予約権の払込金額は第三者評価機関が算定した当社新株予約権の評価額、当社新株予約権の行使価額は各回発行決議日の直前取引日終値の95%に相当する金額(円未満切上げ)とする予定であり、実際の本プログラムによる調達資金の総額、発行諸費用の概算額及び差引手取概算額は増加又は減少することがあります。

3.なお、上記2記載のとおり調達資金の総額等が減少した場合には、次の優先順位にて使途を実行いたします。

(ⅰ)  希少がんの第Ⅲ相試験及びがん適応拡大の第Ⅱ相試験

(ⅱ)  抗加齢・長寿臨床試験(XPRIZE Healthspan試験)

(ⅲ)  治験原薬、製剤費用

(ⅳ)  抗加齢疾患の非臨床試験及び動物医薬品開発

上記表中に記載の各資金使途についての詳細と具体的内容は以下のとおりです。

① 希少がんの第Ⅲ相試験及びがん適応拡大の第Ⅱ相試験

PAI-1阻害薬RS5614は、免疫系を活性化し、がん細胞や老化細胞の除去を促進させるなどの作用を有します。がんに対しては、国内で複数のがん種に対する治験を実施中です(悪性黒色腫第Ⅲ相試験、慢性骨髄性白血病第Ⅲ相試験、肺がん第Ⅱ相試験、血管肉腫第Ⅱ相試験)。まずは、日本や米国などで、早期承認のための希少がん(悪性黒色腫、血管肉腫)を対象とした第Ⅲ相試験を実施し、薬事承認を取得することにより、本医薬品の上市と臨床応用を目指します。また、悪性黒色腫の第Ⅲ相試験は既に日本で開始しているため、薬事承認に向けての国外でのブリッジング試験を複数の国の規制当局と協議中です。血管肉腫に関しては、日本で実施中の第Ⅱ相試験が2026年春に終了する予定であるため、速やかな第Ⅲ相試験に移行する予定です(国際共同治験として複数国での第Ⅲ相試験を実施することも協議中)。並行して、がん種の適応を拡大し、将来の大きな市場を確保するためのがん(肺がん、膵臓がんなど)を対象とした臨床試験(第Ⅱ相試験)を日本や米国で実施する予定です。

当社は、調達資金のうち、1,200百万円を希少がんの第Ⅲ相試験の費用として見込んでおり、具体的には、悪性黒色腫の試験費用に600百万円と皮膚血管肉腫の試験費用に600百万円を見込んでおります。これら適応症は希少疾患であることから国外と連携することも想定して実施するため、国外でのブリッジング試験(悪性黒色腫)や国際共同多施設共同治験(血管肉腫)などを計画しており、これらの試験や治験の実施に必要な資金として充当します。また、600百万円をがん適応拡大のための肺がん(250百万円)や膵臓がん(350百万円)の第Ⅱ相試験に充当します。今後開発に伴う詳細なスケジュール(医療機関、治験調整事務局等)が決まり次第、随時開示させていただく予定です。なお、本臨床試験について助成金などを取得した場合は、今般の資金調達(以下「本資金調達」という。)による調達資金のうち、当該助成金相当分については、②抗加齢・長寿臨床研究の試験費用及び③抗加齢疾患における非臨床試験及び動物医薬品開発に充当する予定です。

②  抗加齢・長寿臨床試験(XPRIZE Healthspan試験)

PAI-1阻害薬RS5614は、がんで薬事承認を受けた後に、オフラベルユーズで抗加齢・長寿医薬品として使用されることも想定されます。そのためにも、国際的な認知度や実績の蓄積が必要であり、XPRIZE Healthspan1)への参加と国際共同での臨床試験を通して、本内服薬の抗加齢・長寿医薬品としての成果と評価が得られれば、国際的な事業展開が加速できることが期待されます。XPRIZE Healthspanセミファイナル試験は2025年8月から2026年3月末まで実施することを予定しており、このセミファイナル臨床研究成績の成績により、2026年8月にTOP10(ファイナリスト)が選出され、その後、4年間のファイナル臨床試験が2027年1月から2029年12月まで実施されます。

当社は、調達資金のうち、2025年12月から2026年12月にかけて100百万円をセミファイナル臨床研究(非盲検試験で20名対象、日本)に、2026年12月から2030年1月にかけて600百万円をファイナル臨床試験(プラセボ対照二重盲検試験で100名対象、日本及び米国、サウジアラビアなど複数の国で実施計画)に、それぞれ充当する予定です。また、XPRIZE HealthspanのTOP10に入賞した際に受領する100万ドルも合わせてファイナル臨床試験にかかる費用に全て充当する予定です。今後開発に伴う詳細なスケジュール(医療機関、治験調整事務局等)が決まり次第、随時開示させていただく予定です。なお、XPRIZE Healthspan試験が当社の想定どおり進捗しない場合には、①希少がんの第Ⅲ相試験及びがん適応拡大の第Ⅱ相試験または③抗加齢疾患における非臨床試験及び動物医薬品開発に充当する予定です。

セミファイナル試験及びファイナル試験の概要は以下のとおりです。

ⅰ セミファイナル臨床試験の目的(XPRIZE Healthspan公募要項から抜粋)

セミファイナル臨床試験は短期間(4週~8週)、小規模(5~20人)の臨床研究であり、ファイナル臨床試験の準備状況とアプローチの実現可能性を示すために使用されます。セミファイナル臨床試験では、チームは試験参加医療機関と連携し、4年間のファイナル臨床試験の実現可能性を支持するための小規模試験を実施します。XPRIZE Healthspan評価委員会では、適切な倫理委員会等での協議と承認、試験のための医療機関との連携、治療薬の入手と投与、科学的データの収集と管理、報告書など総合的に評価されます。短期間、小規模試験なので有効性を証明する必要はありません。

ⅱ 当該チームのセミファイナル臨床試験概要

高血圧症、2型糖尿病、慢性腎臓病、高脂血症のいずれかを有し、症状が安定しており、重度の疾患がない50歳以上75歳以下の患者20例を対象に、PAI-1阻害薬RS5614を16週間投与した場合の安全性を確認する特定臨床研究2)であり、東北大学を実施医療機関、広島大学、東海大学を協力機関として実施中です(予定患者数である20例の登録を完了)。短期間、対象者も少数なので有効性は期待できませんが、免疫機能、幹細胞機能、老化のバイオマーカーを用いて探索します。

(セミファイナル臨床試験の概要)

対象 高血圧症、2型糖尿病、慢性腎臓病、高脂血症のいずれかを有し、症状が安定しており、重度の疾患がない50歳以上75歳以下の患者
研究デザイン 非盲検、非対照、単施設臨床研究
症例数 20例
研究実施施設 東北大学病院
実施期間 jRCT公表日3)(厚生労働大臣届日)~2026年7月31日

登録期間:jRCT公表日(厚生労働大臣届日)~2025年9月30日、投与期間:4ヶ月間(16週)、観察期間:~2026年1月31日

ⅲ ファイナル試験

XPRIZE Healthspan公募要項では、50歳以上の100名程度(200名以内)を対象とし、1年間の治療介入効果を評価する計4年間のプラセボ対照臨床研究となります。対照群と比較して、治療介入群が設定された3つの評価機能(筋肉、認知、免疫)すべてにおいて、少なくとも10年以上の機能改善を実証することが目的とされます。今後開発に伴う詳細なスケジュール(医療機関、治験調整事務局等)が決まり次第、随時開示させていただく予定です。

③抗加齢疾患の非臨床試験及び動物医薬品開発 

当社は、今後、感覚器あるいは骨筋肉領域の医療用医薬品やOTC医薬品、動物医薬品(イヌ、ネコ)の研究開発(非臨床試験、臨床試験)を実施する予定です。

RS5441の男性型脱毛症及び加齢性脱毛症外用薬としての実例もあり、今後PAI-1阻害薬RS5614の感覚器(皮膚科など)あるいは骨筋肉領域の医療用医薬品やOTC医薬品への可能性に関して、必要な非臨床試験(動物試験)を東北大学、東海大学、東京科学大学、米国ノースウェスタン大学など国内外の公的研究機関と共同で実施する予定です。さらに、動物の抗加齢に伴う医薬品としての事業を進めるため、イヌ(関節炎、メラノーマ、血管肉腫など皮膚がん)やネコ(腎臓病)への有効性につき非臨床試験(安全性)や臨床試験を東北大学、東海大学、東京科学大学など公的研究機関と共同で実施予定です。

当社は、調達資金のうち、240百万円を抗加齢疾患の非臨床試験に、177百万円を動物医薬品開発(非臨床試験、臨床試験)に、2025年12月から2029年12月にかけてそれぞれ充当する予定です。

④  治験原薬、製剤費用

当社は、がんの臨床試験、XPRIZE Healthspanの臨床試験、抗加齢・長寿研究(非臨床試験)、動物医薬品の非臨床試験や臨床試験に必要な治験原薬(GMP合成品)及び製剤を逐次必要に応じて製造する必要があります。また、日本以外の国(米国、サウジアラビア、台湾など)での使用を可能とするために各国の規制当局から承認が得られる基準での合成が必要です。

当社は、調達資金のうち175百万円をGMP治験原薬(約2回の治験原薬合成、1回約30kg合成)の製造費用として、175百万円をGMP治験原薬の製剤化費用(約5回の錠剤作成、1回あたり約180,000錠の作成を想定)として、2026年2月から2029年12月にかけてそれぞれ充当する予定です。

(用語解説)

1)XPRIZE Healthspan

健康寿命を延ばすことができた研究チームに対して、総額1億米ドルを支払うという世界的なコンペティションです。このコンペティションは、XPrize財団が主催し、人間の老化や長寿に対する治療アプローチに革命を起こし、健康寿命を積極的に10年以上延伸するという挑戦的な課題に取り組むことを目的とします。同財団は、これまで世界初の民間による月面探査、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留技術のコンペティションを行うなど、人類に利益を与える技術の開発や、世界が直面する課題の解決を目的とした賞金を懸けた幾つかのコンペティションを実施してきました。

2)特定臨床研究

治験と特定臨床研究は、どちらも医薬品の有効性や安全性を評価するための臨床研究の一種ですが、目的や規制の対象が異なります。治験は、医薬品の製造販売承認を得るために行われる臨床試験を指し、特定臨床研究は、製造販売承認を得る目的ではなく、未承認または適応外の医薬品等を用いた臨床研究を指します。PAI-1阻害薬RS5614はヒトの医療用医薬品(医師の診断や処方箋に基づいて使用される医薬品で処方薬ともいう)として開発しているので、がんなど個々の疾患に対する治療の適応をとるための臨床試験(治験)を実施しています。一方、XPRIZE Healthspanのセミファイナル試験で取り組む抗加齢・長寿は医療用医薬品の対象とはならず、臨床試験も特定臨床研究として実施されます。

3)jRCT公表日

jRCT(Japan Registry of Clinical Trials)とは、日本国内で実施される特定臨床研究等を登録・公開する厚生労働省所管の公式データベースです。jRCT公表日とは、当該臨床研究の概要が同データベース上に公開された日を指します。  

第2 【売出要項】

該当事項はありません。 

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

ロックアップ等について

当社は、エクイティ・プログラム契約において、割当予定先との間で以下の事項について合意しています。

①エクイティ・プログラム契約の締結日からエクイティ・プログラム契約に基づく各発行の各払込日後90日目に終了する期間中、割当予定先の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式、当社のその他の資本性商品、当社普通株式又は当社のその他の資本性商品に転換若しくは交換されうる証券又は当社普通株式若しくは当社のその他の資本性商品を取得若しくは受領する権利を表章する証券の発行等を行わないものとします。但し、本資金調達並びに本新株予約権又は発行済みの当社新株予約権等の行使による当社普通株式の交付(但し、発行済みの当社新株予約権等の行使により交付される当社普通株式の数は発行済株式数の5%以下とします。)、株式分割又は株式無償割当による当社普通株式の発行、株主への新株予約権無償割当及び当該新株予約権の行使による当社普通株式の交付、当社の取締役等への譲渡制限付株式の発行、ストック・オプションの付与及び当該ストック・オプションの行使による当社普通株式の交付(但し、交付される当社普通株式の数は発行済株式数の5%以下とします。)、又は資本業務提携を目的として当社の戦略的投資家に対して当社普通株式の発行等を行う場合、その他日本法上の要請による場合等を除くものとします。

②本普通株式若しくは本新株予約権の全部を割当予定先が保有しなくなる時又は第2回目の発行の払込日(当社がエクイティ・プログラム契約の定めに基づき第3回目の発行又は第4回目の発行を実施した場合にはその最終の払込日)から42箇月間経過した日のいずれか早い日まで、当社が株価連動取引(以下に定義される。)に関する第三者からの提案等を検討する場合、当社はまず、当該株価連動取引を検討する意向及びその主な条件等を記載した書面による通知を割当予定先に行わなければならないものとします。当該通知がなされた場合、当社は割当予定先の要求に従い、当該通知の日付から5営業日の期間、割当予定先と当該株価連動取引について排他的に誠実に協議するものとします。

「株価連動取引」とは、当社が、将来の当社普通株式の市場価格に基づいて再設定される価格で株式を取得する権利を保有者に付与する株式等価物(以下に定義される。)の発行又は売却に係る取引及びその発行価格又は売却価格が将来決定される有価証券の発行または売却に係る契約及びプログラム等の締結を意味します。

「株式等価物」とは、当社の証券で、その保有者がいつでも株式の取得、転換等ができる権利を有するものを意味し、負債、優先株式、権利、オプション、ワラント若しくはその他の有価証券が含まれます。

③当社がエクイティ・プログラム契約に定める取引(当社の連結財務諸表における総資産額の50%超の資産等の処分等)を行った場合又は当社にエクイティ・プログラム契約に定める事由(当社が発行する株式の上場廃止等)が発生した場合等においては、割当予定先が本新株予約権への投資を行うにあたって当初想定した前提に重大な変更が生じることに鑑み、割当予定先が当社に要求した場合には、当社は本新株予約権を当該時点における合理的な価格として、エクイティ・プログラム契約に定めるブラック・ショールズ価格(ブラック・ショールズ・モデルを用いて、当社普通株式の価格、ボラティリティ等を考慮して算出される価格)で買い取るものとします。

④当社は、割当予定先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとなるような取引等を行わないものとします。

⑤当社は、エクイティ・プログラム契約に基づく第1回目の発行乃至第4回目の発行のそれぞれに係る本新株予約権に関して、各払込日から起算して3年間経過した日(以下「行使指示可能日」という。)の直前10連続取引日のうちいずれか5連続取引日を通じて、各取引日の東京証券取引所における当社普通株式の終値が対象となる本新株予約権の行使価額の140%以上であることを条件として、割当予定先に対して、行使指示可能日において、残存する当該本新株予約権を行使するよう指示することができるものとします。 

第3 【第三者割当の場合の特記事項】

1【割当予定先の状況】

a.割当予定先の概要

(1)名称 CVI Investments, Inc.
(2)所在地 Maples Corporate Services Limited, PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands
(3)国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先 該当事項はありません。
(4)出資額 開示の同意が得られていないため、記載しておりません。
(5)組成目的 投資
(6)組成日 2015年7月1日
(7)主たる出資者及びその出資比率 開示の同意が得られていないため、記載しておりません。
(8)業務執行組合員又はこれに類する者に関する事項 名称 Heights Capital Management, Inc.(以下「HCM」という。)
所在地 アメリカ合衆国、19801、デラウェア州、ウィルミントン、スイート715、 1201Nオレンジストリート、ワン・コマース・センター
国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先 該当事項はありません。
出資額又は資本金 開示の同意が得られていないため、記載しておりません。
事業内容又は組成目的 投資
主たる出資者及びその出資比率 開示の同意が得られていないため、記載しておりません。
代表者の役職・氏名 President Martin Kobinger

(注)割当予定先の概要の欄は、2025年11月28日現在のものであります。

b.提出者と割当予定先との間の関係

割当予定先との出資関係 該当事項はありません。
割当予定先との人事関係 該当事項はありません。
割当予定先との資金関係 該当事項はありません。
技術又は取引等の関係 該当事項はありません。

(注)提出者と割当予定先との間の関係の欄は、2025年11月28日現在のものであります。

c.割当予定先の選定理由

(1)募集に至る経緯及び目的

当社は、『ヒトが心身共に生涯にわたって健康を享受できるための新しい医療を創造したい』との目標を掲げて研究及び事業に取り組んでいます。日本を含む先進国では超高齢化が進み、平均寿命と健康寿命3)の差が約10年あることが大きな課題となっています(厚生労働省・生活衛生局健康課令和6年12月第4回 健康日本21(第三次)推進専門委員会資料)。加齢と共に生じる種々の疾患、例えば、がん、循環器疾患、呼吸器疾患、糖尿病、骨筋肉疾患などを治療できれば、健康寿命の延伸に繋げることができます。超高齢化は喫緊の社会的課題であり、抗加齢・健康長寿の実現は先進国のみならず新興国でも重要な医療の課題になっています。

本プログラムの背景

①   当社の開発医薬品PAI-1阻害薬RS5614

プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)-14)は、血栓の溶解(線溶系という)に必要な分子ですが、近年ではがんや老化(加齢)に関連して発症する種々の疾患に関与することを強く示唆する一連の知見が明らかとなっており、がんや抗加齢・長寿に関わる創薬の標的と考えられております。しかし、これまでヒトのPAI-1分子の活性を阻害できる医薬品は、臨床応用されていません。当社は、世界に先駆けてPAI-1阻害薬の開発に取り組んできました。ヒトのPAI-1分子の結晶構造を基に、コンピューター工学を利用した約200万バーチャル化合物ライブラリーの探索からヒット化合物を取得し、10年以上かけてこれまで1,400個以上を合成スクリーニングし、臨床開発候補化合物RS5614を取得いたしました(Nature, 2023, September 6. https://www.nature.com/articles/d42473-023-00207-4)。

②   PAI-1阻害薬RS5614のがん疾患への応用

PAI-1阻害薬RS5614は、免疫系を活性化し、がん細胞の除去を促進させるなどの抗腫瘍効果を有します(Br J Dermatol. 2024: ljae343.)。具体的には、免疫チェックポイント分子の発現を阻害し、細胞障害性T細胞を活性化し、腫瘍関連マクロファージの腫瘍浸潤を軽減するなど、免疫チェックポイント阻害薬5)と同様な作用機序を有する知見が明らかとなりました(Front Immunol 2024:15:1365894)。実際に、大腸がん(東海大学)、悪性黒色腫(東北大学)、非小細胞性肺がん(広島大学)を移植した非臨床試験(マウス担がんモデル)において、PAI-1阻害薬RS5614が抗PD-1抗体6)の悪性黒色腫に対する治療効果を増強することが証明されました。抗PD-1/PD-L1抗体など免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法7)は、がん治療を大きく発展させる画期的な治療です。他方で、免疫チェックポイント阻害薬は抗体医薬であるため高額な医薬品であり、さらにその治療効果も限定的であることから、抗CTLA-4抗体8)など複数の抗体医薬の組み合わせが提唱されています。しかしながら、併用治療は肺臓炎や高サイトカイン血症などの致死的な免疫関連の副作用が増えること、高額な抗体医薬の併用治療を行うことによる医療費が高額となることなどが問題になっています。そのため、副作用が少なく、医療経済的にも安価な抗PD-1/PD-L1抗体の奏効率を上昇させる併用薬が待ち望まれており、抗PD-1抗体との併用で相乗的に抗腫瘍免疫を増強するPAI-1阻害薬RS5614はこのアンメットニーズ9)を解決できる医薬品であると当社では考えております。がんに対しては、国内で複数のがん種に対する治験が実施中です(悪性黒色腫第Ⅲ相、慢性骨髄性白血病第Ⅲ相、肺がん第Ⅱ相、血管肉腫第Ⅱ相)。まずは、日本や米国などで、早期承認のための希少がん(悪性黒色腫、血管肉腫)を対象とした第Ⅲ相試験を実施し、薬事承認を取得することにより、本医薬品の上市と臨床応用を目指します。並行して、がん種の適応を拡大し、将来の大きな市場を確保するためのがん(肺がん、膵臓がんなど)を対象とした臨床試験(第Ⅱ相試験)を日本や米国などで実施することを目指します。

③   PAI-1阻害薬RS5614の抗加齢・長寿への応用

当社が開発したPAI-1阻害薬RS5614を用いた国内及び米国の研究機関との共同研究により、抗加齢に関連して発症する種々の疾患や長寿に対する応用の可能性を強く示唆する一連の知見が明らかとなっています。

ⅰ 細胞の老化(Senescence)

生物の細胞は、細胞老化10)と呼ばれる現象のために、無制限に増殖することはできません。この現象には、遺伝子のテロメア長11)の短縮、p53,p21,p16ink4aなどの細胞周期調節因子12)が関与しています。老化した細胞は、PAI-1の発現が極めて高いことが分かっています。当社が開発したPAI-1阻害薬RS5614は、細胞周期調節因子、老化関連β-ガラクトシダーゼ(SA-β-gal)染色13)、IL-6等インターロイキンなどの細胞老化随伴分泌現象(SASP:senescence-associated secretory phenotype)14)、DNA損傷応答15)などの老化バイオマーカー16)を改善し、心筋細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞の細胞老化を阻害します(Oncotarget 7: 72443, 2016)。また、ヒトの早老症であるハッチンソンーギルフォード症候群17)の線維芽細胞のDNA損傷を減少し、ミトコンドリア障害を改善し、細胞の老化を改善することが報告されました(Cell Death and Disease. 13:737, 2022. doi: 10.1038/s41419-022-05168-y)。

ⅱ 組織や個体の老化(Aging)

細胞のみならず、老化した組織や個体(klothoマウス18)、早老症として有名なウェルナー症候群19)のヒト)でも、PAI-1の発現が高いことが報告されました(Proc Natl Acad Sci USA. 111: 7090, 2014)。当社、東北大学や米国ノースウェスタン大学との共同研究で、老化(早老症)モデルとして有名なklothoマウスでは、PAI-1の発現や活性を遺伝子あるいはタンパク質レベルで阻害することにより、老化の主症状を改善し、正常マウスと同じ寿命を維持できることを明らかにしました(Proc Natl Acad Sci USA. 111: 7090, 2014)。

ⅲ 加齢に関連する疾患

加齢とともに、がん、血管(動脈硬化)、肺(肺気腫、慢性閉塞性肺疾患)、代謝(糖尿病、肥満)、腎臓(慢性腎臓病)、骨筋肉(骨粗鬆症、変形性関節症、サルコペニア)、脳(脳血管障害、アルツハイマー病・認知症)などの関連した様々な疾患が発症します。興味深いことに、これら疾患の病的組織ではPAI-1の発現は極めて高く、PAI-1阻害薬RS5614を投与することで病態が改善できることが明らかとなりました(Biomedical J, in press)。

RS5614は、血管老化の進展を抑制するだけでなく、RS5614投与前の血管老化症状よりもさらに症状を改善することが明らかになりました(J Clin Invest, in press)。「人は血管とともに老いる」といわれるように、加齢とともに血管が老化し、この血管の老化が健康寿命に大きく影響すると考えられます。現代の様々な生活習慣病(高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、高脂血症)が血管老化を促進しています。当社PAI-1阻害薬RS5614が血管の老化を防止するだけでなく、回復させる作用もあることが示唆されたことはPAI-1阻害薬の抗加齢作用として極めて重要な知見であると考えております。

ⅳ 長寿家系の疫学的調査

米中西部に暮らすキリスト教の一派アーミッシュ20)の人々の健康な老い方については、10年以上にわたって研究が行われました。米国ノースウェスタン大学、東北大学との共同研究で、アーミッシュコミュニティーの人々を調査し、PAI-1遺伝子を持たない人は、持っている人に比べて10年長生きすることを見出しました(Science Advances 3: eaao1617, 2017.doi: 10.1126/sciadv.aao1617)。この事実は、2017年11月にニューヨーク・タイムズを始め(THE NEW YORK TIMES, NOVEMBER 21, 2017)、多くの新聞で報道されました。さらに、アーミッシュのヒトと同じPAI-1遺伝子の異常を有するマウスの寿命は、正常のマウスに比べて20%程度長いことも示されました(J Clin Invest,in press)。

ⅴ 世界長寿コンペティションXPRIZE Healthspan

PAI-1阻害薬RS5614の抗加齢・長寿作用に基づき、「老化細胞を除去し、がん化を促進する事なく老化関連疾患を抑制する新たな新規低分子医薬品」のコンセプト(Senolytic drug21))でXPRIZE Healthspanに参加し、TOP40(セミファイナリスト)に入賞し(https://www.xprize.org/prizes/healthspan)、現在、セミファイナル臨床試験22)を東北大学、米国ノースウェスタン大学、サウジアラビアキング・アブドラ国際医療研究センター(King Abdullah International Medical Research Center:KAIMRC)、東海大学、広島大学など国内外の研究機関及び医療機関と共同で実施中です(予定患者数である20例の登録を完了)。

XPRIZE Healthspanは、人間の老化や長寿に対する治療アプローチに革命を起こし、健康寿命を積極的に10年以上延伸することを目的とし、2030年までに健康寿命を延ばすことができた研究チームに対して、総額1億米ドルを支払うという長寿を課題としたコンペティションで、世界から600を超える応募があり、人間の長寿に対する治療アプローチとして、食事療法、運動療法、サプリメント、機能性食品、低分子医薬品、バイオ医薬品、遺伝子治療、医療機器(電気医療機器、磁気医療機器)など様々なモダリティが提案されました。

XPRIZE Healthspanセミファイナリストは、2026年3月末までに1年以内のセミファイナル臨床試験を実施し、その報告書をXPRIZE Healthspan評価委員会に提出します。このセミファイナル臨床研究成績を基に、2026年8月にTOP10(ファイナリスト)が選出され(賞金100万米ドル)、最終コンペティションのための4年のファイナル臨床研究23)が実施されます。ファイナル臨床研究を実施したTOP10のチームの中で最も優れた研究に対しては、寿命を延ばした年数に応じて賞金が与えられます(最大8,100万米ドル)。

本プログラムの目的

当社は、PAI-1阻害薬RS5614に関して、これまで国内でのがんや肺疾患を対象とした開発を進めてまいりましたが、上述するように、今後大きな国際的な規模での事業性が期待される抗加齢・長寿分野での研究開発並びに事業を展開できる可能性に当社は期待しています。現時点では、PAI-1阻害薬RS5614は、がんなどを対象とした医療用医薬品として開発しているので、がんなど個々の疾患に対する治療の適応をとるための臨床試験(治験)を実施しています。一方、超高齢化を背景に急成長しているセルフメディケーション分野、OTC医薬品24)、動物医薬品などの重要なテーマである抗加齢・長寿分野において、当社が開発したPAI-1阻害薬RS5441の男性型脱毛症及び加齢性脱毛症外用薬としての実例もあり、当社のPAI-1阻害薬RS5614は、がんで薬事承認を受けた後に、オフラベルユーズ25)として抗加齢・長寿医薬品が使用されることも期待されます。さらに、感覚器(皮膚科など)あるいは骨格筋領域の医療用医薬品やOTC医薬品、動物医薬品(イヌ、ネコ)への事業展開の可能性も考えられます。

これまでの抗加齢・長寿の方法は食事療法、運動療法、サプリメント・健康食品などが大半でしたが、今後は新たな医薬品(内服薬)など新規治療法の創出が強く期待されています。当社のPAI-1阻害薬RS5614は、1日1回の内服(経口服用)で抗加齢・長寿の可能性を有する新薬候補であり、研究と事業の拡大を図ることは、当社の目標実現のみならず、超高齢化という社会的及び医学的に大きな課題に貢献することにも繋がると考えており、さらには当社の企業価値の向上の観点からも大きく貢献できることが期待されます。

当社は、米国ノースウェスタン大学、サウジアラビアキング・アブドラ国際医療研究センター、台湾台北医科大学など複数の国の研究・医療機関からも、それぞれの国でのPAI-1阻害薬RS5614の抗加齢・長寿に基づく事業展開を含めた共同研究の依頼を受けており、既にいくつかのパートナーとは連携協定を締結しておりますので、速やかな国際的研究並びに事業の展開が可能になりつつあります。

当社は、PAI-1阻害薬RS5614に関しては、これまで国内でのがんや肺疾患を対象とした開発を進めてまいりましたが、今後大きな国際的な規模での事業性が期待される抗加齢・長寿分野での研究開発並びに事業の展開を図っていくにあたり、米国やサウジアラビア、アジアなど日本以外の国での早期の薬事承認のための臨床試験(前記(1)②記載の希少がんを対象とした第Ⅲ相試験やがん種の適応を拡大のための第Ⅱ相試験等)、前記(1)③記載のXPRIZE Healthspanのための臨床試験、上記のPAI-1阻害薬RS5614の更なる事業展開のための感覚器や骨筋肉領域の医療用医薬品の非臨床試験及び動物医薬品の非臨床試験や臨床試験を実施する必要があることを強く認識しています。一方、2025年第三四半期の財政状況、現預金残高(約15億6千5百万円(2025年9月30日現在))を考慮すると、これらの事業を展開した上で、企業価値を向上させ、現在の機会を充分に活用し、更なるがんや長寿の革新的な研究や事業を実施する為の資金としては不十分と考えております。これらの施策を実施するための資金を調達すべく、この度、第三者割当による資金調達を実施することとしました。

なお、上述の事情から2025年5月のXPRIZE Healthspanセミファイナリスト入賞以降、当社が資金調達を検討していたところ、XPRIZE Healthspanセミファイナリスト入賞の経緯を知った国外の複数の投資家から第三者割当を介した今般の資金調達(以下「本資金調達」という。)に関する提案を受けました。今回の割当予定先であるHCMからも2025年5月に初期的な提案があり、同社の本邦上場企業に対する投資実績や投資方針に鑑み、当社として同社との間で本格的に資金調達に関する協議を開始することを決定し、今後の事業戦略、資金調達のニーズを踏まえ、具体的な資金調達手法についての協議を行いました。その結果、本資金調達のスキームについて合意するに至ったため、HCMが資産運用を行うCVI Investments, Inc.を割当予定先として決定いたしました。

(用語解説)

3)健康寿命

心身ともに健康で自立して生活できる期間をいいます。平均寿命から介護状態にある期間(寝たきりや認知症など)を差し引いた期間を健康寿命と称しています。日本を含む先進国では超高齢化が進み、平均寿命と健康寿命の差が約10年あることが大きな課題となっています。

4)プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI) -1阻害薬RS5614

PAI-1は線溶系に関与するタンパク質で、血栓溶解のみならず線維化、炎症など様々な病態への関与が報告されています。我々はPAI-1阻害薬の臨床応用に向けて低分子経口阻害薬を開発しました。PAI-1のX線結晶構造解析情報を基にコンピューター工学を用いてヒット化合物を取得し、約1,400の誘導体の中から医薬品候補化合物(RS5614)を得て、GMP合成/製剤化、GLP安全性試験、医師主導治験(第Ⅰ相~第Ⅲ相)を実施しました。得られたPAI-1阻害薬を用いた非臨床試験から、がんや老化などPAI-1阻害薬の臨床応用に向けての新たな着想が得られ、種々の医師主導治験で確認されています。

5)免疫チェックポイント阻害薬

過剰な免疫反応は有害ですので、体内にはそれを抑える機構が備わっています。免疫に対してブレーキ機能を担う分子は免疫チェックポイント分子と呼ばれています。実は、がんはこの免疫チェックポイント分子を悪用することで自分自身に対する免疫が働かないようにしています。抗体医薬である抗PD-1抗体など免疫チェックポイント阻害薬は、免疫チェックポイント分子を阻害することでこのブレーキを解除し、がんに対する免疫応答を賦活化します。抗がん剤はがん細胞を直接殺傷します。これに対して免疫チェックポイント阻害薬は生体内の免疫チェックポイント分子を阻害して、もともと体が持つ免疫を活性化してがんを攻撃します。

6)抗PD-1抗体

プログラム細胞死1(PD-1)という免疫チェックポイント分子を標的とする抗体医薬(ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体)で、免疫系の抑制解除による抗がん作用を狙った医薬品です。代表的な免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブです。

7)免疫療法

がんの治療には、①手術療法、②放射線療法、③化学療法(抗がん剤)、④免疫療法があり、4大治療法と呼ばれています。このうち免疫療法は体に備わっている免疫本来の力を利用してがんを攻撃する治療法です。様々な免疫療法が提案されましたが、効果が証明された免疫療法の中でも免疫のブレーキを阻害する免疫チェックポイント阻害薬が主なものです。

8)抗CTLA-4抗体

細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)という免疫チェックポイント分子を標的とする抗体医薬(ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体)で、ニボルマブとは異なる標的の免疫チェックポイント阻害薬です。

9)アンメットニーズ

有効な治療法がない疾患や、既存の治療法では十分な効果が得られない、あるいは患者負担が大きい疾患など、新たな治療法が強く求められている医療ニーズを意味します。

10)細胞老化(Senescence)

生物の細胞は、細胞老化と呼ばれる現象のために、無制限に増殖することはできません。細胞老化とは、テロメア短縮、DNA損傷、がん遺伝子の活性化などにより細胞周期が不可逆的に停止し、増殖を停止する現象です。老化細胞は増殖しませんが、炎症性サイトカインなどを分泌して周囲の正常細胞の老化を誘発し、加齢性疾患の原因となるため、除去することで臓器の機能改善や健康寿命の延長が期待されており、研究が進められています。

11)テロメア長

テロメアは染色体の末端に存在する構造で、細胞分裂のたびに短縮することが知られています。テロメア長は細胞の寿命や老化と密接に関連しており、その維持は健康や加齢に伴う疾患の予防に重要な役割を果たします。

12)細胞周期調節因子

老化細胞は細胞周期が停止していますが、静止細胞と異なり老化細胞はどのような生理学的刺激を受けても細胞周期を再開することがありません。細胞周期の停止には、p53、p21、p16ink4aなどの因子が関与しており、老化細胞のバイオマーカーともなっています。

13)老化関連β-ガラクトシダーゼ(SA-β-gal)染色

SA-β-gal は、細胞が老化する過程でリソソームに蓄積される酸性β-ガラクトシダーゼのことです。老化細胞では、この酵素の活性が上昇するため、老化の指標として利用されます。

14)細胞老化随伴分泌現象(SASP:senescence-associated secretory phenotype)

老化細胞から分泌されるIL‐6などの炎症性サイトカイン、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、プロテアーゼを含む分子群で、老化バイオマーカーの一つとして位置づけられます。

15)DNA損傷応答

DNA二本鎖断裂などのDNA損傷は、細胞老化で見られる特徴の一つです。老化細胞では持続的なDNA損傷応答がみられ、最終的に細胞周期の停止を誘導します。

16)老化バイオマーカー

老化細胞のバイオマーカーとして、細胞周期調節因子(p53、p21、p16ink4a)、老化関連β-ガラクトシダーゼ(SA-β-gal) 染色、細胞老化随伴分泌現象(SASP)、DNA損傷応答などが知られています。当社の開発したPAI-1阻害薬RS5614は、これら老化バイオマーカーを改善することが国外の研究から報告されています。

17)ハッチンソン-ギルフォード症候群

早老症は、幼い頃から体が実際より早く老化する病気の総称です。ウェルナー症候群、ハッチンソン-ギルフォード症候群など約10種類の疾患が含まれます。ハッチンソン-ギルフォード症候群は、遺伝性早老症の中でも特に症状が重い疾患で、動脈硬化による脳や心臓の重篤な血管障害が10代で起こることが多く、平均寿命は14.6歳と報告されています。

18)klothoマウス

klothoマウスは寿命が8~10週と短く、その短い寿命の間に骨粗鬆症や動脈硬化というようなヒトの老化症状に類似した多彩な症状を示します。この表現型は一種の早老症と考えられ、ヒト老化のモデル動物としての可能性が注目されています。

19)ウェルナー症候群

思春期以降に「白髪・白内障・難治性潰瘍」など、実年齢よりも老化が促進された症状を呈する早老症の1つで、常染色体劣性遺伝疾患です。

20)アーミッシュ

アメリカ合衆国の中西部などに居住する集団であり、移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足の生活をしています。

21)Senolytic drug

がん化を促進する事なく老化関連疾患を抑制することをsenolyticsといい、その作用を有する医薬品をsenolytic drugといいます。老化(senescence)と対抗(lytics)を組み合わせた言葉で、「老化防止」を意味します。

22)セミファイナル臨床試験

セミファイナル臨床試験は短期間(4週~8週)、小規模(5~20人)の臨床研究であり、ファイナル臨床試験の実現可能性を示すための試験と位置付けられます。セミファイナル臨床試験では、チームは実施医療機関と連携し、4年間のファイナル臨床試験の実現可能性を支持するための小規模試験を実施します。XPRIZE Healthspan評価委員会では、適切な倫理委員会等での協議と承認、試験のための医療機関との連携、治療薬の入手と投与、科学的データの収集と管理、報告書など総合的に評価します。短期間、小規模試験なので有効性を証明する必要はありません。

23)ファイナル臨床試験

50歳以上の100名程度(200名以内)を対象とし、1年間の治療介入効果を評価する計4年間のプラセボ対照臨床研究となります。対照群と比較して、治療介入群が設定された3つの評価機能(筋肉、認知、免疫)すべてにおいて、少なくとも10年以上の機能改善を実証することを目的とします。

24)OTC医薬品

医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる「要指導医薬品」と「一般用医薬品」のことをいいます。要指導医薬品は、OTC医薬品として初めて市場に登場したもので慎重に販売する必要があることから、薬剤師が当該医薬品に関する説明を行うことが義務付けられています(インターネット等での販売は難しい)。要指導医薬品以外のOTC医薬品を一般用医薬品といいます(分類によっては薬剤師の説明が必要)。

25)オフラベルユーズ

医薬品が承認されている効能・用法・用量以外で使用することをいいます。たとえば、対象・投与方法・用量の変更などが該当します。

(2)本第三者割当を選択した理由

当社は、上記「(1)募集に至る経緯及び目的」に記載の資金調達を行うために、様々な資金調達方法を検討していましたところ、割当予定先から本資金調達の提案を受けました。当社は、本普通株式及び本新株予約権の発行により、当社の資金需要に対し一定の金額を発行時点で調達することができるため、また、残りの必要金額については本新株予約権の行使により株価に配慮した形での調達が可能となるため、今般の資金調達を選択いたしました。また、当社は今回の資金調達に際し、以下の「(本資金調達の特徴)」及び「(他の資金調達方法との比較)」に記載されている点を総合的に勘案した結果、本資金調達による資金調達方法が、既存株主の利益に配慮しながら当社の将来の資金ニーズに対応しうる、現時点において最適な選択肢であると判断し、本手法を採用することといたしました。なお、本資金調達は本普通株式及び本新株予約権の発行によって達成されるものであるため、本「(2)本第三者割当を選択した理由」においては、本新株予約権の発行についても併せて記載しております。

(本資金調達の特徴)

[メリット]

① 本普通株式の発行により、証券の発行時に一定の資金調達が可能となり、上記「(1)募集に至る経緯及び目的」に記載した事業戦略を遅滞なく円滑に遂行することが可能となります。

② エクイティ・プログラム契約という形態を取ることで、一度に全株を発行する場合と比べ、株価インパクトの分散化が可能となります。また、当社が予定する将来の事業進捗をより織り込んだ株価によって発行ができる可能性が高まるため、既存株主の保有する株式価値が向上することが期待され、既存株主の希薄化等に対してもより配慮した設計となります。

③ 本新株予約権の発行により、将来的な自己資本の拡充が期待可能でありつつも、段階的に行使が行われることが期待できるため、株価インパクトの分散化が可能となります。

④ 本新株予約権には、行使価額の修正条項が付されておりません。本新株予約権の行使価額は各回発行決議日の直前取引日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の95%に相当する金額に設定されており、資金調達の蓋然性が期待できます。なお、当社普通株式の交付を請求できる新株予約権や新株予約権付社債等を当社が新たに発行する場合で、当該新株予約権の当初行使価額等が本新株予約権の行使価額を下回る場合には、本新株予約権に付された調整規定の適用により、本新株予約権の行使価額は、新たに発行される新株予約権又は新株予約権付社債の行使価額又は転換価額と同額になるよう下方調整されます。但し、エクイティ・プログラム契約に基づいて割当予定先に対して発行する第2回目の発行から第4回目の発行に係る本普通株式及び本新株予約権の発行等、本新株予約権の発行要項に定められた一定の例外に該当する場合には、下方調整はされません。

⑤ 本普通株式の発行により発行される当社普通株式は最大1,065,200株(第1回目の発行につき275,000株、第2回目の発行乃至第4回目の発行につき各263,400株)、本新株予約権の目的である当社普通株式数は最大692,300株(第1回目の発行による本新株予約権について最大178,700株、第2回目の発行乃至第4回目の各発行による本新株予約権についてそれぞれ最大171,200株)でそれぞれ固定されており、株価動向にかかわらず、最大交付株式数が限定されているため、希薄化の規模が当初予定より増加することはありません。

⑥ 本普通株式による調達資金、本新株予約権による調達金額のうち行使の対象となった金額はいずれも資本性の資金となるため、財務柔軟性が向上します。

[デメリット]

① 本普通株式及び本新株予約権の発行は、上記「第1 募集要項 1 新規発行株式」(注)3に記載のとおり、本発行条件の成就を条件としており、当該条件が成就されない場合、本普通株式及び本新株予約権の発行による資金調達の一部が実現しない可能性があります。

② 本普通株式については即座の資金調達が可能ですが、本新株予約権については、新株予約権の特徴として、新株予約権者による権利行使があって初めて、行使価額に行使の対象となる株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本新株予約権の発行当初に発行を予定する金額の満額の資金調達が行われるわけではなく、また資金調達の時期についても不確実性があります。

③ 市場環境に応じて、本新株予約権の行使完了までには一定の期間が必要となります。また、当社の株式の流動性が減少した場合には、行使完了までに時間がかかる可能性があります。

④ 株価が本新株予約権の行使価額を下回って推移した場合、割当予定先による本新株予約権の行使が期待できないため、事実上資金調達ができない仕組みとなっております。特に、本新株予約権については、行使価額修正型の新株予約権と比べて、その行使の蓋然性は相対的に低くなっております。

⑤ 株価が本新株予約権の行使価額を超えている場合でも、割当予定先が本新株予約権を行使するとは限らず、資金調達の時期には不確実性があります。

(他の資金調達方法との比較)

① 公募増資等により一度に全株を発行すると、一時に資金を調達できる反面、希薄化も一時に発生するため株価への影響が大きくなるおそれがあると考えられます。また、一般投資家の参加率が不透明であることから、十分な額の資金を調達できるかどうかが不透明であり、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。

② 普通社債又は借入れによる資金調達では、利息負担が生じ、調達金額が全額負債として計上されるため、本第三者割当において調達するのと同規模の資金を全て負債により調達した場合、財務健全性が低下する可能性があります。今後の事業戦略推進において、緊急の資金需要が生じた場合に備えて迅速に有利子負債による資金調達を行う選択肢を残す観点からも、普通社債の発行又は借入れにより調達することは現時点における現実的な選択肢ではないと判断いたしました。

③ 株主割当増資では出資を履行した株主との間では希薄化懸念は払拭されますが、割当先である既存投資家の参加率が不透明であることから、十分な額の資金を調達できるかどうかが不透明であり、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。

④ いわゆるライツ・イシューには、発行会社が金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・イシューと、発行会社はそのような契約を締結せず、新株予約権の行使が株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・イシューがありますが、コミットメント型ライツ・イシューについては国内で実施された実績が乏しく、資金調達手法としてまだ成熟が進んでいない段階にある一方で、引受手数料等のコストが増大することが予想され、適切な資金調達方法ではない可能性があります。また、ノンコミットメント型ライツ・イシューについては、当社は最近2年間において経常赤字を計上しており、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第304条第1項第3号aに規定される上場基準を満たさないため、実施することができません。

⑤ 行使価額修正条項付の新株予約権には、様々な設計がありますが、その行使価額は下方にも修正される形が一般的です。行使価額修正条項付の新株予約権は行使の蓋然性が高まる一方、資金調達の金額が当初の予定を下回ることも珍しくありません。今般の資金調達に際しては、本普通株式の発行により当面必要な資金を調達しつつ、本新株予約権については行使価額を固定とすることにより、既存株主の株式価値を損なうことなく、追加的な資金調達を当初の予定どおりの金額規模で達成できる見込みです。このように、行使価額が下方修正されるタイプの修正条項付の新株予約権に比べて、想定どおりの金額での資金調達を実現できる可能性が高いという意味で、本新株予約権は当社の資金需要に合致した資金調達方法であると考えております。

⑥ 転換社債型新株予約権付社債は、発行当初に資金調達が可能となるものの、その全額が当初負債となり、その後の転換状況も株価に依拠することとなります。株価の状況等により行使が進まなければ、負債であるため、当社の財務の健全性を害することから今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。

⑦ 第三者割当により一度に当社普通株式のみを発行する場合、一時に資金調達を可能とする反面、1株当たり利益の希薄化も一時に引き起こすため、株価に対する直接的な影響が大きいと考えられること、また現実的に本スキームと同規模の金額を一度に引き受ける投資家を見つけることは困難であることから、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。

d.割り当てようとする株式の数

2025年9月30日における当社の総議決権数126,990個に係る株式数12,699,000株の8.39%である1,065,200株を上限とします。

e.株券等の保有方針

割当予定先との間で、本プログラムにより発行される本普通株式について、継続保有に関する取り決めはありません。なお、当社代表取締役会長兼社長の宮田敏男が、HCMのAsia Pacific地域投資責任者を通じてInvestment ManagerであるMartin Kobinger氏より、本普通株式に関する割当予定先の保有方針は、純投資であると書面で確認しております。なお、割当予定先は、中長期投資ができる余裕を持つ機関投資家として広く知られており、当社にとって将来の成長を加速するための資本パートナーとなると考えております。このため、エクイティ・プログラム契約上、割当予定先の実質的保有株式に係る議決権数が、当社の議決権総数の9.9%を上回ることとならないようにする旨を盛り込んでおります。当社は、割当予定先より、全4回それぞれの第三者割当の払込みから2年以内に本普通株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対し書面により報告すること、並びに当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。

f.払込みに要する資金等の状況

当社は、割当予定先から、割当予定先が作成し、PricewaterhouseCoopers LLP(所在地:2001 Market Street, Suite 1800, Philadelphia, Pennsylvania 19103)が監査した2024年12月期の監査済財務諸表を受領しており、割当予定先との間で締結したエクイティ・プログラム契約において、割当予定先より払込みに要する十分な財産を保有する旨の表明を受けています。また、当社代表取締役会長兼社長の宮田敏男が、HCMのAsia Pacific地域投資責任者を通じてInvestment ManagerであるMartin Kobinger氏に対する書面による確認により払込みにあたって十分な資産があること及び自己資金での払込みであることを2025年11月4日に確認しており、割当予定先に割り当てられる本普通株式及び本新株予約権の発行に係る払込みに十分な財産を有することを確認しております。なお、割当予定先は、Susquehanna International Groupが有する自己資金で運用する機関投資家です。

g.割当予定先の実態

当社は、割当予定先との間で締結したエクイティ・プログラム契約において、割当予定先から、割当予定先及びその主な出資者が反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らの関係ない旨の表明保証を受けています。さらに、割当予定先及びその業務執行組合員について、反社会的勢力であるか否か、並びに割当予定先及びその業務執行組合員が反社会的勢力と何らかの関係を有しているか否かについて、独自に専門の第三者調査機関であるリスクプロ株式会社(代表取締役:小板橋 仁、本社:東京都千代田区九段南二丁目3番14号靖国九段南ビル 2F)に調査を依頼し、2025年8月29日に同社より報告を受けております。当該報告において、割当予定先若しくはその業務執行組合員が反社会的勢力である、又は割当予定先若しくはその業務執行組合員が反社会的勢力と何らかの関係を有している旨の報告はありませんでした。以上により、当社は、割当予定先並びにその業務執行組合員及び主な出資者が反社会的勢力と一切の関係がないと判断し、これに係る確認書を東京証券取引所に提出しております。 

2【株券等の譲渡制限】

本普通株式及び本新株予約権には譲渡制限は付されていません。但し、割当予定先との間で締結したエクイティ・プログラム契約において、本新株予約権の譲渡(但し、割当予定先の投資管理目的で、Bank of America、J.P. Morgan及びGoldman Sachs & Co.並びにこれらの関連会社に対する譲渡(注)を除きます。)の際に当社取締役会の承認が必要である旨が定められております。

(注) 割当予定先は、保有する資産について、効率的な資金運用を目的として同社のプライム・ブローカー口座に移転することがあります。この場合、当該資産は形式的にはプライム・ブローカーに移転されるものの、割当予定先が引き続き実質的保有者として経済的利益を有します。 

3【発行条件に関する事項】

未定 

4【大規模な第三者割当に関する事項】

該当事項はありません。 

5【第三者割当後の大株主の状況】

未定 

6【大規模な第三者割当の必要性】

該当事項はありません。 

7【株式併合等の予定の有無及び内容】

該当事項はありません。 

8【その他参考になる事項】

該当事項はありません。  

第4【その他の記載事項】

該当事項はありません。  

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第二部 【参照情報】

第1 【参照書類】

会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照すること。

1 【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第26期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)2025年6月24日に東北財務局長に提出

事業年度 第27期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)2026年6月30日までに東北財務局長に提出予定 

2 【半期報告書】

事業年度 第27期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)2025年11月12日に東北財務局長に提出

事業年度 第28期中(自 2026年4月1日 至 2026年9月30日)2026年11月16日までに東北財務局長に提出予定 

3 【臨時報告書】

1の有価証券報告書提出後、本発行登録書提出日(2025年11月28日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2に基づき、臨時報告書を2025年6月27日に東北財務局長に提出 

4 【訂正報告書】

訂正報告書(上記1の有価証券報告書の訂正報告書)を2025年9月3日に東北財務局長に提出 

第2 【参照書類の補完情報】

上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書及び半期報告書(以下「有価証券報告書等」という。)に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書等の提出日以後、本発行登録書提出日(2025年11月28日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。

また、当該有価証券報告書等に記載されている将来に関する事項は、本発行登録書提出日(2025年11月28日)現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載すべき将来に関する事項もありません。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。 

第3 【参照書類を縦覧に供している場所】

株式会社レナサイエンス 本店

(宮城県仙台市青葉区星陵町2番1号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

第三部 【保証会社等の情報】

該当事項はありません。

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