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| 【表紙】 | |
| 【提出書類】 | 意見表明報告書(2025年11月7日付け訂正報告書の添付インラインXBRL) |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2025年7月28日 |
| 【報告者の名称】 | 太平洋工業株式会社 |
| 【報告者の所在地】 | 岐阜県大垣市久徳町100番地 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 岐阜県大垣市久徳町100番地 |
| 【電話番号】 | (0584)93-0117 |
| 【事務連絡者氏名】 | 理事 経理部長 渡辺 智 |
| 【縦覧に供する場所】 | 太平洋工業株式会社 (岐阜県大垣市久徳町100番地) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) 株式会社名古屋証券取引所 (愛知県名古屋市中区栄三丁目8番20号) |
(注1) 本書中の「当社」とは、太平洋工業株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、株式会社COREをいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「本公開買付け」とは、本書提出に係る公開買付けをいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式及び新株予約権に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注9) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注10) 本公開買付けは、日本で設立された会社である当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)及び新株予約権を対象としています。本公開買付けは、日本法で定められた手続及び情報開示基準を遵守して実施されるものであり、これらの手続及び基準は米国における手続及び情報開示基準とは必ずしも同じではありません。特に米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)(その後の改正を含み、以下「米国1934年証券取引所法」といいます。以下同じです。)第13条(e)項又は第14条(d)項及びこれらの条項に基づく規則は本公開買付けには適用されず、本公開買付けはこれらの手続及び基準に沿ったものではありません。本書及び本書の参照書類の中に含まれる財務情報は、日本の会計基準に基づいた情報であり、当該会計基準は、米国その他の国における一般会計原則と大きく異なる可能性があります。また、公開買付者及び当社は米国外で設立された法人であり、その役員の全部又は一部が米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠として主張しうる権利又は請求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人及びその役員に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人並びに当該法人の子会社及び関係会社に米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
(注11) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものといたします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部は英語で作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものといたします。
(注12) 本書又は本書の参照書類の記載には、米国1933年証券法(Securities Act of 1933。その後の改正を含みます。)第27A条及び米国1934年証券取引所法第21E条で定義された「将来に関する記述」(forward-looking statements)が含まれております。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。公開買付者、当社又はその関係者(affiliate)は、これらの将来に関する記述に明示的又は黙示的に示された予測等が達成されることを保証するものではありません。本書又は本書の参照書類の中の「将来に関する記述」は、本書提出日の時点で公開買付者及び当社が有する情報を基に作成されたものであり、法令で義務付けられている場合を除き、公開買付者、当社及びその関係者は、将来の事象や状況を反映するためにその記述を変更又は修正する義務を負うものではありません。
(注13) 公開買付者及び当社の各ファイナンシャル・アドバイザー並びに公開買付代理人(これらの関係会社を含みます。)は、その通常の業務の範囲の他、日本の金融商品取引関連法規制及びその他適用ある法令並びに米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)規則14e-5(b)上許容される範囲で、当社株式を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず買付け又はそれに向けた行為を行う可能性があります。そのような買付けに関する情報が日本で開示された場合には、当該買付けを行ったファイナンシャル・アドバイザー又は公開買付代理人の英語ウェブサイト(又はその他の公開開示方法)においても開示が行われます。
E02178 72500 太平洋工業株式会社 PACIFIC INDUSTRIAL CO., LTD. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 6 true S100WF4C true false E02178-000 2025-11-07 xbrli:pure
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名 称 株式会社CORE
所在地 岐阜県大垣市久徳町100番地(注1)
(注1) 2025年7月23日現在の公開買付者の所在地は東京都港区高輪四丁目23番6号ハイホーム高輪708であるところ、2025年7月24日付で岐阜県大垣市久徳町100番地に本店を移転しており、本書提出日現在、当該所在地の変更について登記申請手続中とのことです。
① 2011年6月18日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2011年8月2日から2061年7月31日まで)(以下「第1回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
② 2012年6月23日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2012年8月2日から2062年7月31日まで)(以下「第2回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
③ 2013年6月15日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2013年8月2日から2063年7月31日まで)(以下「第3回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
④ 2014年6月14日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2014年8月2日から2064年7月31日まで)(以下「第4回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
⑤ 2015年6月13日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2015年8月4日から2065年8月3日まで)(以下「第5回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
⑥ 2016年6月18日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2016年8月2日から2066年8月1日まで)(以下「第6回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
⑦ 2017年6月17日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2017年8月2日から2067年8月1日まで)(以下「第7回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
⑧ 2018年6月16日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2018年8月2日から2068年8月1日まで)(以下「第8回新株予約権」といいます。)1個につき、金1円
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年7月25日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨及び本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
その後、当社は、2025年10月23日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨及び本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の意見を維持することを決議いたしました。
なお、上記2025年7月25日付及び2025年10月23日付の取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
公開買付者は、本書提出日現在において、当社の代表取締役社長かつ株主である小川哲史氏(所有株式数:116,127株(注1)、所有割合(注2):0.20%)が、その発行済株式の全てを所有する株式会社であり、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)プレミア市場へ上場している当社を非公開化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)を実施し、当社株式及び本新株予約権(注3)を取得及び保有することを主たる目的として、2025年3月3日に設立され、小川哲史氏が代表取締役を務める会社とのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。
(注1) 上記小川哲史氏の所有株式数(116,127株)には、小川哲史氏が本書提出日現在所有する①譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び執行役員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)19,000株、②本新株予約権176個の目的である当社株式数17,600株、及び③当社の役員持株会を通じて間接的に所有する当社株式13,832株(小数点以下を切捨てております。)が含まれているとのことです。以下、小川哲史氏の所有株式数において同じとのことです。
(注2) 「所有割合」とは、当社が2025年7月25日付で公表した「2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2025年6月30日現在の当社の発行済株式総数(61,312,896株)に、(ⅰ)2025年6月30日現在残存する本新株予約権の合計である1,184個(注4)の目的となる当社株式数(118,400株)を加算した数(61,431,296株)から、(ⅱ)本書提出日現在の当社が所有する自己株式数(3,639,647株)を控除した株式数(57,791,649株。以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
(注3) 2025年6月30日現在残存する本新株予約権の内訳は以下のとおりです。
| 本新株予約権の名称 | 2025年6月30日現在の個数(個) | 目的となる当社株式の数(株) |
| 第1回新株予約権 | 227 | 22,700 |
| 第2回新株予約権 | 173 | 17,300 |
| 第3回新株予約権 | 122 | 12,200 |
| 第4回新株予約権 | 176 | 17,600 |
| 第5回新株予約権 | 167 | 16,700 |
| 第6回新株予約権 | 128 | 12,800 |
| 第7回新株予約権 | 86 | 8,600 |
| 第8回新株予約権 | 105 | 10,500 |
| 合計 | 1,184 | 118,400 |
今般、公開買付者は、当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株主(以下に定義します。)が所有する当社株式(以下「本不応募合意株式」といいます。)を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化するため、本取引の一環として、本公開買付けを実施することに至ったとのことです。
なお、本新株予約権に関しては、当社の取締役及び執行役員に対して株式報酬型ストックオプションとして発行されたものであり、(ⅰ)本新株予約権者は、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役及び執行役員のいずれかの地位を喪失した日の翌日から10日間以内(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)に限り、本新株予約権を行使することができるとされているところ(上記の地位喪失に伴う行使条件を、以下「本地位喪失行使条件」といいます。)、公開買付者がこれらを取得したとしても行使することができず、また、(ⅱ)当社によれば、本新株予約権者である当社の取締役及び執行役員のうち、本地位喪失行使条件の充足により本新株予約権の行使を予定している者はいないとのことであり、公開買付期間中に本新株予約権が行使され、当社株式が本新株予約権者に対して発行又は移転されることは想定されていないところ、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践するよう要請する予定とのことであり、かつ、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向であるため、本新株予約権者の皆様が本新株予約権を本公開買付けに応募されることは想定していないとのことです。
本取引は、創業家一族の1人かつ当社の代表取締役会長である小川信也氏の長男であって、同じく創業家一族の1人かつ当社の代表取締役社長である小川哲史氏が出資する公開買付者が実施するものであり、また、小川信也氏及び小川哲史氏(小川信也氏及び小川哲史氏を総称して、以下「本創業家株主」又は「小川氏ら」といいます。)は当社の事業内容を熟知しており、本取引後も継続して当社の経営に当たることを予定していることから、本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当するとのことです。本書提出日現在、公開買付者と当社のその他の取締役(監査等委員を含みます。)との間には、本公開買付け後の役員就任や処遇について合意はなく、本公開買付け成立後の当社の役員構成を含む経営体制については、本公開買付け成立後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。
本公開買付けの実施に当たり、公開買付者は、当社の代表取締役会長である小川信也氏(所有株式数:1,573,305株(注4)、所有割合:2.72%)及び当社の代表取締役社長である小川哲史氏(所有株式数:116,127株、所有割合:0.20%)との間で、2025年7月25日付で、小川信也氏が所有する不応募合意株式(1,484,005株、所有割合2.57%)及び小川哲史氏が所有する不応募合意株式(98,527株、所有割合0.17%)の全てをそれぞれ本公開買付けに応募しない旨、及び本公開買付けが成立した場合には本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)において本スクイーズアウト手続(以下に定義します。以下同じです。)に関連する各議案に、公開買付者の指示に従って公開買付者と同一の内容で議決権を行使する旨等を書面で合意しているとのことです(これらの合意を総称して、以下「本不応募合意(創業家)」といいます。)。本不応募合意(創業家)の詳細につきましては、下記「(7) 本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。
(注4) 上記小川信也氏の所有株式数(1,573,305株)には、小川信也氏が本書提出日現在所有する①本譲渡制限付株式25,600株、②本新株予約権893個の目的である当社株式数89,300株、及び③当社の役員持株会を通じて間接的に所有する当社株式13,856株(小数点以下を切捨てております。)が含まれているとのことです。以下、小川信也氏の所有株式数において同じとのことです。
また、本公開買付けの実施に当たり、公開買付者は、小川信也氏が理事長(代表理事)を、小川哲史氏が副理事長(業務執行理事)を務める公益財団法人小川科学技術財団(以下「本財団」といい、本創業家株主と本財団を総称して「本不応募合意株主」といいます。)(所有株式数:1,000,000株、所有割合:1.73%)との間で、2025年7月25日付で、本財団が所有する不応募合意株式(1,000,000株、所有割合:1.73%)の全てをそれぞれ本公開買付けに応募しない旨、及び本公開買付けが成立した場合には本臨時株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に、公開買付者の指示に従って公開買付者と同一の内容で議決権を行使する旨等を書面で合意しているとのことです(以下「本不応募合意(財団)」といいます。)。本不応募合意(財団)の詳細につきましては、下記「(7) 本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。なお、小川氏らは、利益相反の疑いを回避し、本不応募合意(財団)の締結及び履行に際しての本財団の意思決定過程における恣意性を排除するため、本不応募合意(財団)に関する本財団における理事会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本財団の代表理事又は業務執行理事の立場において、公開買付者との協議及び交渉には一切参加していないとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて35,841,900株(所有割合:62.02%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(35,841,900株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けは当社株式を非公開化することを目的としているため、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(35,841,900株)以上の場合は応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(35,841,900株)は、潜在株式勘案後株式総数(57,791,649株)から当社より報告を受けた2025年6月30日現在残存する本新株予約権の合計である1,184個の目的となる当社株式数118,400株を控除(注5)した株式数(57,673,249株)に係る議決権数(576,732個)に3分の2を乗じた数(384,488個)(小数点以下を切上げております。)より、本不応募合意株主が所有する当社株式に係る議決権数の合計(25,825個)及び当社から2025年6月30日現在残存するものと報告を受けた本譲渡制限付株式(91,900株)のうち本不応募合意株主(創業家)以外の当社取締役が2025年6月30日現在保有している株式数(合計:24,400株、所有割合:0.04%)に係る議決権の数(244個)を控除(注6)した議決権数(358,419個)に、当社の単元株式数である100株を乗じた株式数としているとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、本取引においては当社株式を非公開化することを目的としているところ、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の当社株式の株式併合(以下「本株式併合」といいます。)の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることを踏まえ、本取引を確実に実施できるように設定したものであるとのことです。なお、本不応募合意株式については、本不応募合意株主との間で本公開買付けに応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には本臨時株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨の合意が成立しているため、上記の議決権数の算定において控除されているとのことです。
(注5) 本新株予約権の目的となる当社株式数に関しては、(ⅰ)本新株予約権者は、本地位喪失行使条件上、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役及び執行役員のいずれかの地位を喪失した日の翌日から10日間以内(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)に限り、本新株予約権を行使することができるとされているところ、当社によれば、本新株予約権者は当社の取締役及び執行役員が存在しており、このうち、本地位喪失行使条件の充足により本新株予約権の行使を予定している者はいないため、公開買付期間中に本新株予約権が行使され、当社株式が本新株予約権者に対して発行又は移転されることは想定されていないとのことです。また、(ⅱ)下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践するよう要請する予定であり、かつ、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。そのため、買付予定数の下限の設定に際し、本新株予約権の目的となる当社株式数は考慮していないとのことです。
(注6) 本譲渡制限付株式に関しては、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができないものの、当社は、2025年7月25日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募を推奨することを決議しており、本譲渡制限付株式の所有者のうち当社取締役から、本公開買付けが成立した場合には、本スクイーズアウト手続に賛同する旨の回答を得ていることから、買付予定数の下限を考慮するに当たって、これらの本譲渡制限付株式のうち当社取締役が保有している株式数に係る議決権の数を控除しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本取引の実行に必要となる資金への充当を目的として、本公開買付けの決済時までの期間において、公開買付者による株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」といいます。)、株式会社大垣共立銀行(所有株式数:2,671,093株、所有割合:4.62%)及び株式会社十六銀行(所有株式数:2,619,956株、所有割合:4.53%)を割当先とするA種優先株式(無議決権株式)(注7)の第三者割当増資及び公開買付者によるDBJを割当先とするB種優先株式(無議決権株式)(注8)の第三者割当増資、並びに公開買付者による岐建株式会社(以下「岐建」といいます。)(所有株式数:2,344,994株、所有割合:4.06%)を割当先とするD種優先株式(無議決権株式)の第三者割当増資(以下、これらを総称して「本第三者割当増資」といいます。)のための手続が行われることが予定されているとのことです。また、本第三者割当増資に加えて、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)から借入れ(以下「本ローン」といいます。)を受けることを予定しており、これらの資金をもって、本公開買付けの決済資金等に充当する予定とのことです。本ローンに係る融資条件の詳細は、三菱UFJ銀行と別途協議の上、本ローンに係るローン契約において定めることとされておりますが、本ローンに係るローン契約では、公開買付者が本公開買付けにより取得する当社株式等の一定の資産等が担保に供されることが予定されているとのことです。
(注7) A種優先株式は、無議決権株式、かつ、普通株式に優先して剰余金の配当及び残余財産の分配を受けられる旨の定めがある優先株式であり、取得請求権(A種優先株主が公開買付者に対して金銭を対価としてA種優先株式を取得することを請求する権利)及び取得条項(公開買付者がA種優先株主から金銭を対価としてA種優先株式を取得できる権利)が定められる予定とのことですが、普通株式への転換請求権(公開買付者がA種優先株式を取得するのと引換えに、A種優先株主が公開買付者の普通株式の交付を請求できる権利)は定められない予定とのことです。
(注8) B種優先株式は、無議決権株式、かつ、普通株式に優先して剰余金の配当及び残余財産の分配を受けられる旨の定めがある優先株式であり、取得請求権(B種優先株主が公開買付者に対して金銭を対価としてB種優先株式を取得することを請求する権利)、取得条項(公開買付者がB種優先株主から金銭を対価としてB種優先株式を取得できる権利)及び普通株式への転換請求権(公開買付者がB種優先株式を取得するのと引換えに、B種優先株主が公開買付者の普通株式の交付を請求できる権利)が定められる予定とのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。詳細については、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。)を実施する予定とのことです。
また、公開買付者は、最終的に公開買付者が当社の唯一の株主となることを予定しており、かかる目的を達成する手段として、本スクイーズアウト手続の完了を条件として、公開買付者を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とし、公開買付者の普通株式を対価とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を実施すること、及び本財団については、本株式交換の効力発生後において、公開買付者の普通株式は一切所有せず、公開買付者のC種優先株式のみを所有するために必要な手続を実施すること(以下「本株式交換等」といいます。)を予定しているところ、本書提出日現在において、詳細については未定とのことです(注9、注10、注11、注12)。
ただし、本公開買付けの結果、本不応募合意株主のいずれかが所有する当社株式と同数以上の当社株式を所有する株主が存在し、又は、本株式併合の効力発生時点でかかる株主が生じることが見込まれる場合は、本株式併合の効力発生後において、かかる株主が当社の株主として残存することがないよう、公開買付者は、かかる株主が所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるような株式併合比率で本株式併合を行うことを当社に要請することを予定しているとのことです。その場合、当社の株主として残存しない本不応募合意株主は、本株式併合の完了後、実務上可能な限り速やかに、本株式併合の結果、その所有する当社株式の対価として当社から受領する金銭の全額(ただし、公租公課及び合理的な諸経費は控除します。)を公開買付者に対して再出資(以下「本再出資」といいます。)することを予定しており、当社の株主として残存しない本不応募合意株主のうち、本創業家株主に対しては公開買付者の普通株式を、本財団に対しては公開買付者の無議決権株式であるC種優先株式を割り当てる予定とのことです(注9、注10、注11)。
(注9) 本創業家株主は、本株式交換又は本再出資により、公開買付者の普通株式を取得することが予定されているとのことです。もっとも、①本株式交換の株式交換比率又は本再出資における公開買付者の株式の1株当たりの払込価額を定めるに当たっては、当社株式の価値は、本公開買付価格(下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」において定義します。以下同じです。)と同一の価格で評価した上で(ただし、本スクイーズアウト手続として株式併合を実施する場合、株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定とのことです。)、実際に本公開買付価格よりも有利な条件とならない株式交換比率又は払込価額を設定する予定であること、②本株式交換等又は本再出資の目的は、本取引後も継続して当社の経営又は業務に従事することを予定している本創業家株主が、公開買付者の株式の所有を通じて、本取引後の当社の企業価値向上に向けた共通のインセンティブを持つことにあり、本公開買付けにおける応募の対価と同視されるものではないため、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項。以下同じです。)の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。
(注10) 本財団は、本株式交換等又は本再出資により、公開買付者のC種優先株式を取得することが予定されており、C種優先株式は、無議決権株式、かつ、年6,000万円を限度として普通株式に優先して剰余金の配当を受けられる旨の定めがある優先株式であり、取得請求権(C種優先株主が公開買付者に対して普通株式又は金銭等を対価としてC種優先株式を取得することを請求する権利)及び普通株式への転換請求権(公開買付者がC種優先株式を取得するのと引換えに、C種優先株主が公開買付者の普通株式の交付を請求できる権利)は定められていないとのことです。本財団は、科学技術・ものづくりに係る研究開発の助成及び振興に関する事業を行うことにより、学術及び科学技術の振興と地域経済の発展に寄与することを目的として、(ⅰ)学術研究、技術開発、国際交流等に関する助成、(ⅱ)講演会、発表会、展示会等に対する助成及び開催、(ⅲ)注目すべき業績に対する表彰、(ⅳ)育成教育に対する奨学金等の助成等の事業を行うこと、(ⅴ)その他この法人の目的を達成するために必要な事業を行うため、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号。その後の改正を含みます。)に基づく公益認定を受けた公益財団法人であるところ、本財団が現在と同様に事業を継続することが、生産・製造技術、社会基盤、IT情報、環境・エネルギー、デザインに関わる研究開発等への助成等を通じた将来の科学技術の発展に繋がることから、本取引の実施後においても公開買付者への出資を通じて本財団に当社株式を間接的に保有させる一方で、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を保有し、かつ、本創業家株主が公開買付者の議決権の全てを保有する資本構成となるよう、上記のとおり、本財団に対して無議決権株式であるC種優先株式を発行することとし、本財団との間で、本株式交換等及び本再出資について合意しているとのことです。なお、公開買付者は、①C種優先株式の1株当たりの払込価額を定めるに当たっては、当社株式の価値は、本公開買付価格と同一の価格で評価した上で(ただし、本スクイーズアウト手続として株式併合を実施する場合、株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定とのことです。)、実際に本公開買付価格よりも有利な条件とならない払込価額を設定する予定であること、②上記のとおり、C種優先株式は、年6,000万円を限度として普通株式に優先して剰余金の配当を受けられる旨の定めがあるものの、現時点で公開買付者においてC種優先株式に対する剰余金の配当を実施する具体的な予定はなく、また、将来における当該配当の実施の有無等は、本取引の実施後における当社の経営状況及び財務状況並びに市況等を踏まえて、公開買付者の議決権を有する株主が決定するものであり、公開買付者の議決権を有しない本財団は当該配当の実施の有無等の判断に関与できず、かつ、C種優先株式について普通株式への転換請求権の定めもないこと、並びに③上記のとおり、本株式交換等又は本再出資は、本財団が現在と同様に事業を継続することが、生産・製造技術、社会基盤、IT情報、環境・エネルギー、デザインに関わる研究開発等への助成等を通じた将来の科学技術の発展に繋がることから、公開買付者への出資を通じて本取引実行後も本財団を当社に関与させることを目的として実施するものであり、本財団による本公開買付けへの不応募の可否とは独立して検討されたものであることから、本財団がC種優先株式を取得する行為は、公開買付価格の均一性の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。
(注11) 公開買付者は、本株式交換等又は本再出資の実施を条件として、本取引完了後、本第三者割当増資による優先株式(無議決権株式)の割当てとは別に、本株式交換等又は本再出資及びDBJ普通株式出資(以下に定義します。)後の公開買付者の発行済普通株式総数の5%を上限として、DBJを割当先とする普通株式の第三者割当による出資(以下「DBJ普通株式出資」といいます。)を行うことを予定しているとのことです。DBJ普通株式出資は、DBJが培ってきた産業・インフラ分野における課題解決及び価値創造の知見を活かし、DBJに本取引後も本創業家株主とともに当社の企業価値向上を目指す共通のインセンティブを保有してもらうことを企図しているとのことです。なお、本書提出日現在において、その実施時期及び具体的な条件については未定とのことです。
(注12) 本株式交換等、本再出資及びDBJ普通株式出資の結果、小川氏らの公開買付者の総議決権に対する割合(以下「本公開買付者議決権割合」といいます。)が95%、DBJの本公開買付者議決権割合が5%、その他の株主の本公開買付者議決権割合が0%となる予定とのことです。
以下は、本取引の概要を図示したものです。
Ⅰ.現状(本書提出日現在)
Ⅱ.本公開買付けの決済(2025年12月1日)
Ⅲ.本スクイーズアウト手続の実施(2026年1月下旬~2026年3月中旬頃(予定))
Ⅳ.本株式交換等又は本再出資の実施
(本スクイーズアウト手続の完了後、実務上可能な限り速やかに実施。具体的な実施日程は未定)
<本株式交換等を実施する場合>
<本再出資を実施する場合>
Ⅴ.本株式交換等又は本再出資の実施後
当社は、1930年8月に創業者である小川宗一氏によって、岐阜県大垣市御殿町において、自動車用バルブコア(注1)の生産を目的に、太平洋工業合名会社として設立され、1938年4月に太平洋工業株式会社に商号が変更されました。また、当社株式については、1962年10月に名古屋証券取引所市場第二部に、1963年10月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1970年8月に東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部に指定された後、2022年4月に実施された東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分見直しにより、本書提出日現在においては、東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しております。
当社のグループは、本書提出日現在、当社、連結子会社16社及び持分法適用関連会社1社(総称して、以下「当社グループ」といいます。)によって構成され、プレス・樹脂製品事業、バルブ製品事業及びその他事業を展開しており、それぞれの事業内容は以下のとおりです。
(注1) 「自動車用バルブコア」とは、空気注入時には弁が開きスムーズな流通を確保し、通常時には空気を外部へ漏らさないといった機能を持つタイヤバルブを構成する精密部品のことをいいます。
軽量化と高強度化を両立させる超ハイテン材(注2)の成形技術をもつプレス製品や、フィルム加飾技術(注3)や防音技術等多彩な分野にまたがる樹脂製品を製造・販売しております。
プレス事業については、当社は、電動車を含む自動車全体において、軽量化と安全性を両立する超ハイテン材のニーズが拡大傾向にあり、特に当社が得意とする冷間超ハイテンプレス工法(注4)は生産時のCO2排出量が少なく安価でもあることから顧客ニーズが高まっていると考えており、それらのニーズを捉える技術開発を進めております。また、超ハイテン材の成形技術を活かした電動車向け新製品や既存ボディシェル部品(注5)の拡販による受注拡大に努める方針です。
樹脂事業については、当社は、自動車の電動化の進展に伴い、エンジン音に隠れていたモーターやコンプレッサー等の騒音対策や電費効率の改善ニーズが高まっていると認識しており、防音技術や空力制御・加飾技術といったコア技術をベースに、2025年10月に稼働を開始する当社の技術開発センターにおける電動車向け新製品の開発及び拠点拡大の推進により受注拡大に努める方針です。
(注2) 「超ハイテン材」とは、通常の鋼板よりも薄く・軽く仕上げながらも、高い強度と衝撃吸収性能を持たせた超高張力鋼板のことをいいます。
(注3) 「フィルム加飾技術」とは、専用のフィルムを用いて樹脂製品の射出成形時に、フィルムの図柄を製品に転写する技術のことをいいます。
(注4) 「冷間超ハイテンプレス工法」とは、超ハイテン材に熱を加えることなく常温でプレス成形を行う工法のことをいいます。
(注5) 「既存ボディシェル部品」とは、自動車の車体骨格を構成するルーフリンフォース、フロントピラーロアアウターリンフォース、フロントピラーアウターリンフォース、バックドアリンフォース、フードロックリンフォース等の部品のことをいいます。
当社は世界トップシェアを自負するタイヤバルブ・バルブコア、カーエアコン用の各種バルブをはじめとしたバルブ製品に加え、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)(注6)製品、及び鍛圧製品(注7)、航空機、産業機械、エネルギー産業向けバルブを製造・販売しております。
バルブ製品については、カーボンニュートラルに向けた自動車の電動化の流れを成長機会と捉え、電動車における効率的な熱の活用のために重要度が増している熱マネジメントシステム向けの製品開発を進めており、電子膨張弁をはじめとした、電動車向けのバルブの開発・拡販に注力する方針です。また、TPMS製品については、小型、軽量、低消費電力でコスト競争力が高い次期モデルの製品開発を進めており、データビジネスも視野に入れた更なる技術革新に挑戦する方針です。
(注6) 「TPMS」とは、「Tire Pressure Monitoring System」の略であり、タイヤ空気圧センサーをタイヤに取り付け、低気圧になった場合にドライバーに異常を知らせることができるシステムのことをいいます。
(注7) 「鍛圧製品」とは、プレス機械を用いて金属に圧力を加え、成形や加工することによってつくられる製品であり、具体的には自動車のオートマチックトランスミッションやハイブリッド関連ユニット向けの高機能部品として採用されるプレート、ハブ、フランジ、キャリア等の部品のことをいいます。
モビリティ以外の分野でAI技術やセンシング・無線通信技術等を活用したIoT(注8)製品やアプリケーション等の開発・販売・サービス提供、リサイクル材の利用やリサイクル可能な製品等のアップサイクル製品(注9)の開発・販売、及び損害保険の代理業務等を行っております。
IoT製品では、物流品質の向上に寄与する「e-WAVES」(注10)や牛体調モニタリングシステム「CAPSULE SENSE」(注11)、工場のエネルギー使用量を見える化できる「エネグラフ」等のソリューションを開発・販売しております。
今後は、モビリティ分野以外にも積極的に挑戦し、当社グループが保有するTPMSで培ったセンシング・無線通信技術といったコア技術を活かした社会課題解決に貢献する製品を開発することで、当社グループの中長期的な事業の柱に資するような新たなビジネス機会の獲得に努める方針です。
(注8) 「IoT」とは、「Internet of Things」の略であり、従来インターネットに接続されていなかった様々なモノが、ネットワークに接続され、相互に情報交換をする仕組みのことをいいます。
(注9) 「アップサイクル製品」とは、本来廃棄される製品に対してデザインや新たな機能等を加えて、元の製品よりも付加価値を持たせて再生させた製品のことをいいます。
(注10) 「e-WAVES」とは、当社が製造・販売を行う製品であり、主に物流業界の輸送や保管時に活用される温度・湿度・位置等の環境データをリアルタイムに計測・管理できるマルチセンシングロガー(複数のデータを同時に計測して記録・保存することのできる製品)のことをいいます。
(注11) 「CAPSULE SENSE」とは、当社が製造・販売を行う製品であり、温度・加速度センサーを内蔵したカプセルを牛の胃内に投入し、センサー情報を人工知能で解析することで、発情・分娩予兆・疾病等体調変化の兆候を検出し、専用アプリを通じて生産者に通知する牛の体調管理システムのことをいいます。
当社は、1930年の自動車用タイヤに使用されるバルブコアの開発以来90年以上に亘り、バルブコアのパイオニアとして自動車部品業界を支えてきたと自負するとともに、事業環境の変化に合わせて、自動車用プレス・樹脂製品、電子・制御機器製品、高機能バルブのTPMS製品へと事業を拡大し、我が国の自動車産業の発展とともに着実な成長を実現してきたと考えております。現在では、当社は国内における8工場、連結子会社2社及び持分法適用関連会社1社に加えて、海外では7カ国にわたる連結子会社14社を保有しており、国内・海外を横断して事業を展開するグローバル企業として、業界内で確固たる地位を築いていると自負しております。当社は、創業の精神や先達から受け継いできた大切な思いを中心とした普遍的な価値観である「PACIFIC VALUES」(注12)を当社グループ全体に共有するとともに、当社グループの経営の軸であるパーパスとして「思いをこめて、あしたをつくる」を掲げ、将来の飛躍に向けて、邁進しております。
また、当社は、VUCA(注13)と言われる先行きが見通せない厳しい環境下で、多様な人財が、将来を見据えて新しいことに挑戦し、性別・国籍・年齢・働き方等に関係なくそれぞれの強みを発揮し、長期的な視点で社会にプラスのインパクトを与えるような新しい価値を創造することが社会的存在意義であると考え、どのような環境変化でも追求すべき「パーパス」、環境変化を捉えて布石を打つ「長期戦略」、環境が想定と異なっても適応できる「レジリエンス」(注14)の3つの観点を踏まえ、2023年4月27日に、2030年に向けた中長期経営構想「Beyond the OCEAN」及び2026年度を最終年度とする中期経営計画「NEXUS-26」を策定いたしました。
(注12) 「PACIFIC VALUES」とは、当社グループの従業員が共有している普遍的な価値観を示したものであり、「創業の精神」や「社是」等、当社の歴史や、創業者・経営トップら先達の思いを中心に、当社が大切にしたい心構えを「夢と挑戦」、「信頼と感謝」という言葉で表現しております。
(注13) 「VUCA」とは、Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの頭文字を並べた頭字語であり、社会環境・ビジネス環境の複雑性が増大する中で、想定外のことが起きたり、将来の予測が困難であったりする、不確実な状態のことをいいます。
(注14) 「レジリエンス」とは、社会環境の変化やリスク等の困難や脅威に直面している状況に対して速やかに立ち直り、適応していく力のことをいいます。
当社は、長期的なトレンドと、モビリティの価値の変容の中で、一人ひとりの従業員が力を発揮して新しい価値づくりにチャレンジしていくための「パーパスを実現する人財戦略」を中心に、「売上と利益の共成長」「多様な技術による価値創出」「サステナビリティと経営の統合」といった成長基盤の構築に向けた4つの長期的な基本戦略に取り組むことで、中長期的に「社会から信頼され、必要とされる会社」として持続的な成長を目指すとともに、未来に向けた新たな価値の創造と企業経営の質の向上を企図しております。一方で、当社グループの主要な取引先である自動車業界は、CO2削減等の気候変動対策による環境規制やエンドユーザーのニーズの多様化、電動化・自動化等の技術競争を背景にCASE(注15)やMaaS(注16)といった自動車のあり方や価値観が大きく変化する概念の登場によって、大変革期を迎えていると考えております。このような外部環境の変化を踏まえ、各自動車メーカーはカーボンニュートラルに向けた環境への取り組み、自動運転・電動車等の次世代モビリティの開発や技術革新のスピードを加速させており、競争環境は年々激化していると考えております。特に、ガソリン車から電動車へのシフトに伴い、欧米や中国を中心とした新興BEV(バッテリー電動車)メーカーの台頭や、更なる技術革新の加速を企図した自動車メーカーの再編等、自動車メーカーの勢力図は変化を見せており、これらを起因として、自動車部品業界においても更なる業界再編を予想しております。上記のような業界動向に加えて、IoTやAI、自動運転等の自動車業界の枠を超えたさまざまな分野にまたがる新しいテクノロジーの利用や競争力の強化を目的に、これらの技術に強みを持つ企業と新たな業務提携・資本提携等の進展も活発化しており、企業間の競争環境は今後一層激化していくことが見込まれていると考えております。
(注15) 「CASE」とは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略であり、自動車の次世代技術やサービスの新たな潮流を表す造語のことをいいます。
(注16) 「MaaS(Mobility as a Service)」とは、ICTを活用して交通をクラウド化し、マイカー以外の全ての交通手段によるモビリティ(移動)を一つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ「移動」の概念のことをいいます。
また、当社は、地政学的な情勢変化、米国による関税引き上げ、エネルギー価格の高騰や為替変動による原材料価格や物流費等の高騰も踏まえると、依然として先行き不透明な事業環境が継続すると予想しております。このような状況の中、当社グループが属する自動車部品業界では、上記の自動車業界全体の大きな変化に伴い、電動車の拡大による部品の代替、更なる軽量化、高性能化等、自動車に関連する技術の急速な進歩と市場ニーズの変化に応じた新たな製品・技術の開発や安定供給のための柔軟かつ効率的なサプライチェーンの強靭化が求められています。特に、当社グループの主要事業であるプレス製品事業では、自動車メーカーによる燃料消費量、排気ガスの削減や航続距離の延長等といった車両性能を向上させるための軽量化と高性能化を実現する車両開発への取り組みが求められています。当社グループでは、CO2排出量が少ない冷間超ハイテンプレス工法により、社会と顧客ニーズに即したプレス製品の供給を行っておりますが、今後、BEVにおいてアルミ鋳造で一体成形するギガキャスト工法が広く採用された場合、自動車のアッパーボディ部分の骨格部品を事業領域とする当社グループへの影響は限定的であるものの、自動車のアンダーボディ部分で影響を受ける他のプレスメーカーがアッパーボディ部分に進出することで、今後一層競争が激化する可能性があります。
さらには、当社は、自動車部品業界における技術面の構造変化だけではなく、国内外の競合他社との厳しい価格競争や主要取引先である自動車メーカーからの価格改定要請、及び自動車メーカーによる部品の内製化や既存競合他社間における提携等により、価格面においても、更なる競争激化を予見しており、当社グループを取り巻く事業環境は、より一層厳しさを増していくことが見込んでおります。
このような事業環境の下、小川哲史氏は、当社の代表取締役社長に就任した2023年4月頃から、当社グループが引き続き「思いをこめて、あしたをつくる」存在として今後も環境変化を勝ち抜く競争力を維持し持続的に成長するためには、従来の施策や各年度の戦略を遂行するだけではなく、常に最先端の技術を追求し、顧客である自動車メーカーや市場のニーズに合致した付加価値の高い製品をタイムリーに開発・供給していく必要があるとともに、技術・製品、市場といった事業環境の変化に対し、柔軟に適応することができる強固な事業構造を確立する必要があると認識するようになったとのことです。
また、小川哲史氏は、このような当社グループのおかれている経営環境を踏まえて今後の事業戦略や資本政策について考える中で、中期経営計画の1年目を終えた2024年4月頃から、当社グループがさらなる発展を遂げ、中長期的な視野での成長を目指し企業価値向上を実現するためには、当社グループにおいて、一部既に取り組まれている下記(Ⅰ)及至(Ⅳ)の各施策をより積極的かつ機動的に検討・実行できる経営体制を構築し、足元の業績や株価に捉われることなく、これらの施策を迅速に実行していくことが必要であるとの認識を持つに至ったとのことです。
当社グループの主要な取引先である自動車業界では、カーボンニュートラルの実現を目的として、ガソリン車から電動車へのシフトが進展しており、バッテリーの重量増に起因する燃費・電費の向上や安全性強化を目的として、車体の軽量化・高強度化のニーズが拡大している他、電動車の需要拡大に合わせた迅速な製品・技術開発が求められていると考えているとのことです。
このような事業環境の下、当社グループは、プレス・樹脂製品事業では、生産時のCO2の排出が抑えられる冷間超ハイテンプレス工法を中心に戦略的な技術開発に加えて、軽量化に寄与する超ハイテン製品(注17)やアルミ製品、電動化により求められる快適性や空力性能向上のための樹脂製品開発を進めていると認識しているとのことです。また、バルブ製品事業では、電動車で重要度が増している熱マネジメントシステム向けの製品開発の他、TPMS製品の事業領域拡大に向けた開発やセンシング技術(注18)・流体制御技術(注19)等のコア技術を活かした電動車向けの製品開発を加速させていると認識しているとのことです。
しかしながら、小川哲史氏は、今後、自動車の電動化シフトの更なる進展が見込まれる中で、当社グループが持続的な成長を遂げるためには、既存の技術領域にとどまらない高付加価値な独自技術の確立や電動車向け新製品の開発に向けた投資を従来以上に迅速かつ大胆に行う必要があると考えているとのことです。
具体的には、CAE(注20)構造解析技術の高度化と進化させてきた成形技術との融合によるユニット単位でのボディ構造提案力(注21)の強化、高強度な超ハイテン材を用いた難成形部品の工法開発投資、2025年10月に稼働を開始する当社の技術開発センターへの継続的な設備投資による防音・加飾技術力の向上を通じた新たな樹脂製品の開発力の強化が必要不可欠であると考えているとのことです。また、電動車のパワーユニットにおける多様な選択肢を見据え、構造解析や冷間プレス成形技術をさらに改良し、保有する大型プレス設備を活かした高付加価値製品や新技術・新工法の開発に積極的に取り組んでいく必要があると考えているとのことです。
(注17) 「超ハイテン製品」とは、超ハイテン材の成形技術を用いた車体骨格製品、センターピラー等のプレス製品のことをいいます。
(注18) 「センシング技術」とは、センサーを用いて環境や物体の状態、動き等を計測し、数値化する技術のことをいいます。
(注19) 「流体制御技術」とは、液体や気体等の流体の流れを管理し、目的に応じて制御する技術のことをいいます。
(注20) 「CAE」とは、「Computer Aided Engineering」の略であり、評価対象物をコンピュータ上でモデル化し、その機能や強度等を始めとする多くの工学的問題をシミュレーション(模擬実験)する手法のことをいいます。
(注21) 「ボディ構造提案力」とは、当社のボディ構造解析技術を活かし、冷間プレス工法への置き換え、軽量化、部品点数削減等のボディ最適構造を積極的に顧客に提案する力のことをいいます。
これらの施策を通じて、開発力と生産技術力を磨くとともに、カーボンニュートラルや安全性・快適性の向上に貢献し、脱炭素時代に勝ち残る「提案型技術集団」(注22)となることが、中長期的には競合他社対比での競争優位性を高め、さらには当社グループの企業価値の向上に繋がると考えているとのことです。
(注22) 「提案型技術集団」とは、車両開発初期段階からプロジェクトに参画し、顧客ニーズに応じた最適なソリューションの提案を行い、高い技術力をもって高品質な製品を提供する当社の目指す姿のことをいいます。
当社グループが属する自動車部品業界は、自動車の電動化シフトの進展に加えて、地政学的リスクの高まり、国内外における価格競争の激化、米国による関税引き上げ、労務費の上昇、エネルギー価格の高騰や為替変動による鉄鋼をはじめとする黄銅やアルミ等の金属材料、ゴム材料、樹脂材料等の原材料価格や物流費の上昇等、様々な影響を受けるため、グローバルでのサプライチェーンの強靭化やコスト低減による価格競争力の強化が求められていると考えているとのことです。
このような状況下、当社グループでは、国内の東大垣・北大垣工場への投資を通じて、電動車向け製品の生産能力増強や量産体制の構築に加えて、生産プロセスの自動化及び省人化、DX化した生産現場情報と管理・間接業務情報の融合・利活用といった、無駄を徹底的に排除したリーンな生産を目指したスマートファクトリー化(注23)に取り組むことで、市場ニーズの変化に応じた生産体制を構築するとともに、高品質な製品の提供を前提とした原価低減活動を推進し、価格競争力の維持・向上に努めていると認識しているとのことです。
一方で、小川哲史氏は、このような厳しく変化の絶えない事業環境の中において、グローバル自動車部品メーカーとして、今後も安定的かつ柔軟に高品質な製品の供給を継続するためには、自動車メーカーの今後の事業戦略に合わせた生産体制の構築やサプライチェーン全体における取引適正化、各種プロセスのDX推進による抜本的な効率化を従来以上に迅速かつ大胆に行うことが必要不可欠であると考えているとのことです。
具体的には、当社グループの主要拠点である日本・米国における電動車部品の生産能力増強に向けた拡充、今後の成長が見込まれるインド市場を見据えたアセアン拠点の強化、BEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)へのシフトによりローカル自動車メーカーが台頭している中国やBEVの販売が鈍化しつつある欧州における拠点の再編や生産・販売体制の最適化を通じて、自動車メーカーのグローバル戦略に沿った経営資源の転換や再配分に果敢に取り組んでいく必要があると考えているとのことです。また、あらゆる生産工程の可視化・デジタル化を通じた生産全体のプロセスの最適化や東大垣・北大垣工場といった国内のグローバルマザー工場で培った技術・生産・改善ノウハウの海外拠点への横展開によるグローバルでのスマートファクトリー化の実現が必要であると考えているとのことです。
これらの施策を通じて、グローバルでのサプライチェーン全体の最適化・安定化を追求することで、中長期的には収益性の向上による強固な事業基盤の確立を目指していくとのことです。
(注23) 「スマートファクトリー化」とは、製造業においてIoT、人工知能、ビッグデータ解析等を活用して、工場の生産プロセスを高度に自動化・最適化することをいいます。
上記のように自動車業界を取り巻く競争環境が日々劇的に変化する昨今の状況を踏まえ、当社グループは、上述したような電動化に向けた成長戦略に取り組むとともに、モビリティ以外の分野における中長期的な事業の柱の創出に注力していると認識しているとのことです。
当社の中長期経営構想「Beyond the OCEAN」では、2030年度のめざす姿として「無線・アプリ・クラウド・AI・ビッグデータを活用したデータビジネスを新事業の柱へ」を掲げ、足元では、社内公募型の新事業創出プロジェクトの開催やオープンイノベーション推進室の新設により、新事業案を発掘し、新しい価値を生み出すことができる企業風土の醸成を目指していると認識しているとのことです。
しかしながら、小川哲史氏は、2030年度のめざす姿を達成するためには、上記の各施策の更なる推進に加えて、既に高い競争優位性を確立している無線通信技術・センシング技術・AI技術といったコア技術の深化による社会課題や顧客課題を先取りした新事業の開発、外部の経営資源の活用による新事業領域への迅速な展開が必要不可欠であると考えているとのことです。
具体的には、2025年10月に稼働を開始する当社の技術開発センターにおける、試作・評価といった開発・生産技術の一体的な研究開発体制の構築やイノベーションエリアの拡張等を通じた、多様な人財が挑戦・活躍できる開発環境の整備による、新事業創出の加速が必要不可欠であると考えているとのことです。また、当社グループとシナジー効果を生み出すことができる企業との機動的な業務提携やM&Aを含むアライアンス等を通じて、パートナーが保有する最先端の技術力やノウハウ・アイデア等と当社グループの技術を融合することで、モビリティ分野だけでなく、防災・減災、農業、ヘルスケア等の分野で社会課題解決型サービスを提供し、非連続的な成長を実現することが可能になると考えているとのことです。
国内の少子高齢化の進展による労働人口の減少や若者の自動車離れが進む中、自動車産業の企業における人財の確保については、今後ますます困難になることが予測されるとのことです。また、当社グループにおいては、将来の厳しい事業環境の下で中長期的な成長を実現するためには、パーパスである「思いをこめて、あしたをつくる」の実践に加えて、上記(Ⅰ)乃至(Ⅲ)の施策の実行を含む企業改革を実現できる優れた人財の育成・確保が必要であり、人的資本の強化による従業員一人ひとりの能力向上や、多様な従業員が「思い」をもって成長・活躍できる仕組みづくりが必要であると考えているものと認識しているとのことです。
かかる状況下、当社グループにおいては、多様な従業員がそれぞれの強みを発揮するための環境整備の一環として、人的リソースの最大化と職場環境の改善、人権の尊重と働きやすい環境の提供、従業員の安全と健康を優先する取り組みといった「基盤充実施策」と、人財の成長を促進するためのスキルアップやキャリア支援、挑戦できる風土への変革といった「事業成長施策」の両輪で人財戦略を推進し、従業員エンゲージメント(注24)を高めることで、従業員自らが積極的に提案し挑戦できる心理的安全性の高い職場の実現に取り組んでいると認識しているとのことです。
しかしながら、小川哲史氏は、今後も自動車業界の変化に順応し持続的な成長と競争力を維持・向上するためには、人的資本である従業員一人ひとりが電動化、DX化、グローバル化といった時代の潮流に沿った最先端の専門知識・技術を身に付けるとともに、「挑戦できる風土」の中で、実際に自ら考え行動できる意欲ある人財の育成・確保が必要不可欠であると考えているとのことです。
具体的には、リーダーシップやマーケティング等のビジネススキル全般に関する教育プログラムの強化、キャリア形成や学び直し支援の積極的な推進による誰もが力を発揮できる環境の整備、従業員のスキル・能力の可視化と不足分野の強化が必要であると考えているとのことです。
さらに、全従業員に対して、DXリテラシー教育を実施し、DXを自分事と捉えた全社一体活動を推進することで、デジタルリテラシーを底上げするとともに、DX専門人財を部署毎の特性に合わせ適材適所に配置することによって、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出し、社内の人財リソースの適正化に取り組みたいと考えているとのことです。企業の持続的な成長の基盤となるものが人財であり、上述のような人財投資こそが、当社グループの中長期的な企業価値向上には必要不可欠であると考えているとのことです。
(注24) 「従業員エンゲージメント」とは、従業員と企業のつながりを示す指標の一つであり、従業員が組織や業務に対してどれだけ積極的に関わり、自発的に貢献したいという意欲を持っているかを示す指標のことをいいます。
一方で、2024年7月下旬以降、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の各施策を具体的に検討する過程で、小川哲史氏は、かかる施策は直ちに当社グループの業績に貢献するものではなく、相応の時間と各種先行投資が必要になることから、利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等、一時的に当社グループの財務状況や業績を悪化させるリスクがあり、当社グループが期待される利益を生み出すことが一時的に困難となる可能性も否定できないと考えるようになったとのことです。
また、小川哲史氏は、かかる考えを持つに至ると同時に、当社が上場企業であるがゆえに、短期的な業績に対してコミットメントが求められる中、上記の各施策の実行により中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価を得られず、当社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性もあるため、当社が上場を維持したまま、これらの施策を実施することは困難であると考えるようになったとのことです。他方で、大変革期の中にある自動車業界において激化する競争環境下で勝ち抜くためには、可及的速やかにこれらの施策を実施するべきであると強く認識するようになったとのことです。
加えて、小川哲史氏は、当社の1962年10月の名古屋証券取引所市場第二部への株式上場以来、当社が知名度の向上による優れた人財の確保や社会的信用の向上等、上場会社として様々なメリットを享受してきたと認識しているとのことです。一方で、当社が金融機関から効率的に資金の調達を行ってきた実績を踏まえると、事業活動に必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入れによって確保することが可能であり、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれないこと、また、当社グループは、90年以上の歴史を有するグローバル自動車部品メーカーとして業界内で確固たる地位を築いており、これまでの長きにわたる事業活動を通じて、一定のブランド力や取引先に対する信用力は既に確保できていると考えていること等から、現在では当社が上場を維持する必要性やメリットが低下している状況であると考えたとのことです。
さらに、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書等を通じたステークホルダーに対する追加的かつ継続的な情報開示事項は年々増加しており、上場会社として株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストの負担は増加傾向にあり、小川哲史氏としては、これらのコストが当社グループの経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあるとの考えに至ったとのことです。
上記のような状況を踏まえ、小川哲史氏は、2024年8月上旬、当社の代表取締役会長である小川信也氏に対して上記の考えについて説明し、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の施策を可及的速やかに実施すべきであるものの当社が上場を維持したまま実施することは困難である点、現在では当社が上場を維持する必要性やメリットが低下している点について合意を得たことを踏まえて、当社グループの企業価値向上を考える上で、成長戦略の遂行のための手段の選択肢のひとつとして、当社株式の非公開化の可能性について検討を開始したとのことです。
小川氏らは2024年8月上旬以降、当社グループの事業戦略や各施策の実施に一定の時間を要する可能性が高い点、事業環境の変化及び市場での競争激化により各施策を迅速に実施する必要がある点、非公開化の実現可能性、非公開化に伴う事業面・財務面、各ステークホルダーへの影響等について慎重に検討を重ねた結果、2024年9月中旬、短期的な利益にとらわれずに、安定的かつ持続的に当社グループの企業価値を向上させるためには、当社株式を非公開化することが、上記の各施策の実行に伴う一時的な業績の悪化等によって株価が低迷するといった当社の株主の皆様のリスク負担を回避しつつ、各施策を機動的に実践するために最も有効な手段であるとの結論に至ったとのことです。
同時に、小川氏らは、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の施策を中長期的な視点から一貫性をもって実践し、企業価値向上を推進するためには、これまでの当社の事業運営の連続性も確保しつつ当社を非公開化する必要があり、そのためには、当社の創業家一族かつ現代表取締役会長及び現代表取締役社長として、当社グループの経営について最も深く理解している小川氏ら自らが継続して経営を行うこと、及び、小川氏ら自らのコミットメントの下に所有と経営を一致させ、柔軟かつ機動的な経営判断を行うことが必要であると考えたため、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法が最適な手段であるという結論に至ったとのことです。そして、小川哲史氏がその発行済株式の全部を所有する公開買付者となる法人を設立し、小川哲史氏が代表取締役に就任の上、本公開買付けを含む本取引の実施主体とすることとしたとのことです。
小川氏らは、当社の非公開化後、自動車部品業界におけるグローバル企業として、より一層、安全・環境・快適性向上に寄与する新事業・新技術・新製品開発を推進し、これまで応援していただいた株主を含めた全てのステークホルダーの皆様の信頼・期待に応えることで、安定的かつ持続的な成長を遂げ、「常に変わり続け、社会から必要とされる会社」を実現したいと考えているとのことです。
小川氏らは、本取引に関してさらに検討を進めるにあたり、2024年9月下旬、小川氏ら及び当社から独立した外部のファイナンシャル・アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を、2024年10月上旬、小川氏ら及び当社から独立した外部のリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を選定し、具体的な検討を開始したとのことです。そして、小川氏らは、2024年10月25日に、当社に対して、本取引に関する法的拘束力のない意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出し、今後小川哲史氏により新設予定の特別目的会社を通じた、当社株式及び本新株予約権を対象とする、現金対価の公開買付けを通じて、当社を非公開化することを提案するとともに、デュー・ディリジェンスを実施したい旨の申入れを行い、2024年10月28日に、当社から、本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に定義します。以下同じです。)を設置し、本取引の実施に向けた協議・交渉に応じる旨の連絡を受けたとのことです。その後、2025年2月27日に本特別委員会に小川氏らが招聘され、その際の対話や質疑応答を通じて、本取引の目的や背景、本取引後の経営方針と上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の施策を企図していること、そのために非公開化を必要とする理由、本取引におけるメリット・デメリット、本取引のスキーム、本取引における手続・諸条件等を当社に対して伝達したとのことです。また、小川氏らは、2025年5月8日から2025年6月27日まで、当社に対するビジネス・財務・税務及び法務デュー・ディリジェンスを実施し、2025年6月16日から2025年6月23日まで、本特別委員会との書面による質疑応答を通じて、本取引に要する資金調達等の検討状況を当社に対して伝達したとのことです。その上で、小川氏らは、本意向表明書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容、足元の株価動向やデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、2025年6月25日から2025年7月24日までの間、当社及び本特別委員会との間で本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(総称して、以下「本公開買付価格」といいます。)及び本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(総称して、以下「本新株予約権買付価格」といいます。)に関する協議・検討を重ねたとのことです。
具体的には、公開買付者は、当社に対し、2025年6月25日、当社が2026年3月期の中間配当及び期末配当を行わないことを前提として、2025年6月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,310円に対して22.14%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、株価に対するプレミアム率の計算において同じです。)、過去1ヶ月間の終値の単純平均値(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)1,305円に対して22.61%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,281円に対して24.90%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,335円に対して19.85%のプレミアムが付与されていることに加え、当社株式の過去1年間の終値の最高値である1,580円を上回ることを確認の上、本公開買付価格を1,600円とする初回提案(以下「本初回提案」といいます。)を行ったとのことです。また、本新株予約権買付価格については、本新株予約権が当社の取締役及び執行役員に対して株式報酬型ストックオプションとして発行されたものであることや、本地位喪失行使条件を充足する場合に限り権利行使することができるものとされているため、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使することができないこと等を考慮し、残存しているいずれの本新株予約権についても、本新株予約権買付価格を1円とする提案(以下「本新株予約権価格提案」といいます。)を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月4日、本特別委員会より、当社が実現しうる本源的価値が適切に反映された合理的な水準には至っておらず、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアム水準の近時の動向(注25)を踏まえ、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主にとって十分な価格であるとはいえないことを理由に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2025年7月7日、2025年7月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,341円に対して34.23%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,325円に対して35.85%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,279円に対して40.73%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,335円に対して34.83%のプレミアムが付与されていることに加え、当社株式の過去2年間の終値の最高値である1,762円を上回ることを確認の上、本公開買付価格を1,800円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の再提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月10日、本特別委員会より、当社が実現しうる本源的価値が適切に反映された合理的な水準には至っておらず、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアムの水準の近時の動向(注25)を踏まえ、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主にとって未だ十分な価格であるとはいえないことを理由に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2025年7月16日、2025年7月15日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,385円に対して37.18%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,341円に対して41.69%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,297円に対して46.49%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,337円に対して42.11%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を1,900円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の再提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月18日、本特別委員会より、当社が実現しうる本源的価値が適切に反映された合理的な水準には至っておらず、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアム水準の近時の動向(注25)を踏まえ、本特別委員会より、当社が実現しうる本源的価値が適切に反映された合理的な水準には至っていない点を踏まえ、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主にとって今猶十分な価格であるとはいえないことを理由に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2025年7月22日、2025年7月18日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,374円に対して43.38%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,348円に対して46.14%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,306円に対して50.84%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,339円に対して47.12%のプレミアムが付与されていることに加え、当社株式の上場来終値の最高値である1,956円を上回ることを確認の上、本公開買付価格を1,970円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の再提案を行ったとのことです。
その後、公開買付者は、2025年7月23日、本特別委員会より、依然として、当社が実現しうる本源的価値が適切に反映された合理的な水準には至っていない点を踏まえ、少数株主にとって十分な価格であるとはいえないことを理由に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2025年7月24日、2025年7月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,461円に対して40.31%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,367円に対して49.96%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,317円に対して55.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,341円に対して52.87%のプレミアムが付与されていることに加え、当社株式の上場来高値の最高値である1,998円を上回ることを確認の上、本公開買付価格を2,050円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の最終提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2025年7月24日、本特別委員会より、公開買付者からの最終提案を応諾する旨の回答を受領したとのことです。
以上の協議及び交渉を経て、公開買付者は、2025年7月25日、本公開買付価格を2,050円、本新株予約権買付価格を1円とし、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
その後、公開買付者は、2025年7月28日から本公開買付けを開始しましたが、本公開買付けの開始後における当社の株主の皆様による応募状況及び今後の応募の見通しを考慮して、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について更なる判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、2025年9月8日、公開買付期間を2025年9月24日まで延長し、合計40営業日とすることを決定したとのことです。
さらにその後、公開買付者は、本公開買付けの開始後における当社の株主の皆様による応募状況、今後の応募の見通し及び本公開買付けの目的を円滑に達成する必要性を考慮して、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について更なる判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、2025年9月24日、公開買付期間を2025年10月8日まで延長し、合計50営業日とすることを決定したとのことです。
さらにその後、公開買付者は、本公開買付けの開始後における当社の株主の皆様による応募状況、今後の応募の見通し及び本公開買付けの目的を円滑に達成する必要性を考慮して、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について更なる判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、2025年10月8日、公開買付期間を2025年10月23日まで延長し、合計60営業日とすることを決定したとのことです。
さらにその後、公開買付者は、引き続き本公開買付けの成立可能性を高めるため、2025年10月8日以降、当社の株主である岐建(所有株式数:2,344,994株、所有割合:4.06%)に対して本公開買付けへの応募に関する意向を確認し、同年10月23日、岐建との間で、その保有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しかつこれを撤回しない旨を口頭で合意(以下「本応募合意(岐建)」といいます。)したとのことです。本応募合意(岐建)の詳細につきましては、下記「(7) 本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。
また、当社は、2025年7月29日に当社株主である株式会社シティインデックスイレブンス(以下「CI11」といいます。)から、公開買付者の発行済株式の全てを保有する株主及び代表取締役であり、かつ、当社の代表取締役社長である小川哲史氏との面談を要請する旨の連絡を受けました。同年8月7日、公開買付者は、CI11並びに同社の関係者である村上世彰氏及び野村絢氏(以下、総称して「村上氏ら」といいます。)との初回面談を行い、本公開買付けにおける問題点の指摘を受けたとのことです。これに対して、公開買付者及び当社は、本取引の意義について説明するとともに、小川氏らによる本取引の実施について理解をいただきたい旨を伝えました。また、同月12日に、当社は、CI11から、公開買付者による当社株式の非公開化を通じた将来的な企業価値向上への想いを支援する意向があるものの、同日時点の本公開買付価格(2,050円)には引上げ余地があること、そして小川氏らによる公開買付者に対するエクイティ拠出額の少なさに問題があり、村上氏らによって本公開買付価格の引上げのために公開買付者への一定の資金提供が可能である旨の書簡を受領しました。
これらの村上氏らの提案を受け、同月22日以降、CI11による公開買付者への資金提供の可能性の検討を目的とした協議を行いましたが、公開買付者は、本公開買付価格の引上げの可能性について村上氏らのアドバイスも踏まえ検討を重ねた結果、同年9月16日、村上氏らの出資を受けることなく本公開買付けの成立を目指す方針であることを村上氏らに伝達した上で、村上氏らが、引き続き本公開買付けの成立のため最大限の支援を続けていただけること及び公開買付者がレンダー、取引先又は政策保有株主等の関係先を除く、第三者株主によるエクイティの受入れを行う場合には、村上氏らに対してもその旨を伝達し、村上氏らの資本参加について真摯に協議を行うことについて合意したとのことです。
公開買付者は、本公開買付価格(2,050円)は、当社及び特別委員会の間の複数回にわたる真摯かつ継続的な協議・交渉を経て合意した公正かつ妥当な価格であると考えておりましたが、当社株式に係る市場株価が本公開買付価格を上回って推移していることや当社の株主の皆様による本公開買付けへの応募状況に鑑みて、本公開買付けの成立に向けては、本公開買付価格の見直しを行う必要性を認識していたとのことです。そして、公開買付者は、2025年10月8日には、当社から、当社の複数の株主から本公開買付価格(2,050円)が当社の株式価値を十分に反映していないとの意見があること及び当社株式に係る市場株価が本公開買付価格(2,050円)を上回って推移していることから、当社の株主の皆様により高い価格での売却機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるために、本公開買付価格(2,050円)を見直すよう要望を受けたとのことです。
そこで、公開買付者は、当社の株主の皆様による本公開買付けの応募状況、今後の見通し及び本公開買付けの目的を円滑に達成する必要性を総合的に考慮するとともに、村上氏らによる本公開買付価格の引上げに関する指摘や当社による本公開買付価格の見直しに関する要望を真摯に受け止め、当社の一般株主の皆様に本買付価格変更(以下に定義します。)前の本公開買付価格(2,050円)より高い金額での売却機会を提供し、当社の一般株主の皆様からのご理解を得て本公開買付けの成立可能性を高めることができると考えたことから、本公開買付価格を2,919円に引き上げることを検討したとのことです。
かかる検討と並行して、公開買付者は、同年10月22日、村上氏らとの間で面談を行い、村上氏らの指摘も踏まえて、本公開買付価格を2,919円に引き上げることを前提に、その所有する当社株式を本公開買付けに応募することを打診したところ、応募の意向があることを口頭で確認したとのことです。
その結果、公開買付者は、2025年10月23日付で、当社が算出した当社株式1株当たり純資産額である2,877円を上回るとともに、同日の前営業日である同年10月22日時点までの当社株式の市場株価の最高値である2,787円を上回るよう、本公開買付価格を2,050円から、2,919円へ引き上げること(以下「本買付価格変更」といいます。)を決定したとのことです。
なお、公開買付者は、本買付価格変更にあたって、本公開買付けが成立した場合、本取引の実行に必要となる資金への充当を目的として、本公開買付けの決済時までの期間において、公開買付者による岐建を割当先とするD種優先株式(無議決権株式)(注26)の第三者割当増資のための手続が行われることが予定されているとのことです。
(注25) 経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降、2025年5月15日までの間に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われた公開買付けにおける事案167件における、公表日前営業日の終値、並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの平均値は、順に44.31%、46.99%、48.47%、47.51%となっています。
(注26) D種優先株式は、無議決権株式、かつ、普通株式に優先して剰余金の配当及び残余財産の分配を受けられる旨の定めがある優先株式であり、取得請求権(D種優先株主が公開買付者に対して金銭を対価としてD種優先株式を取得することを請求する権利)及び取得条項(公開買付者がD種優先株主から金銭を対価としてD種優先株式を取得できる権利)が定められる予定ですが、普通株式への転換請求権(公開買付者がD種優先株式を取得するのと引換えに、D種優先株主が公開買付者の普通株式の交付を請求できる権利)は定められない予定とのことです。なお、①岐建を割当先とするD種優先株式の第三者割当増資における公開買付者のD種優先株式の1株当たりの払込価額を定めるに当たっては、当社株式の価値は、本公開買付価格と同一の価格で評価した上で、実際に本公開買付価格よりも有利な条件とならない払込価額を設定する予定であること、及び②当該第三者割当増資は公開買付者に対する本取引の実行に必要となる資金への充当を目的とするものであって、岐建による本公開買付けへの応募の可否とは独立して検討されたものであることから、公開買付価格の均一性の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。
これに伴い、公開買付者は、2025年10月23日、公開買付届出書の訂正届出書(以下「2025年10月23日付訂正届出書」といいます。)を提出するとともに、それに伴って公開買付期間を2025年10月23日付訂正届出書の提出日である2025年10月23日より起算して10営業日を経過した日にあたる同年11月7日まで延長し、合計70営業日とすることを決定したとのことです。
さらにその後、公開買付者は、引き続き本公開買付けの成立可能性を高めるため、2025年10月23日以降、当社の株主であるPECホールディングス株式会社(以下「PECホールディングス」といいます。)(所有株式数:1,987,000株、所有割合:3.44%)に対して本公開買付けへの応募に関する意向を確認し、同年11月7日、PECホールディングスとの間で、その保有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しかつこれを撤回しない旨を口頭で合意(以下「本応募合意(PECホールディングス)」といいます。)したことから、2025年11月7日、公開買付届出書の訂正届出書(以下「2025年11月7日付訂正届出書」といいます。)を提出するとともに、それに伴って公開買付期間を2025年11月7日付訂正届出書の提出日である2025年11月7日より起算して10営業日を経過した日にあたる同年11月21日まで延長し、合計80営業日とすることとしたとのことです。本応募合意(PECホールディングス)の詳細につきましては、下記「(7) 本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、当社の代表取締役会長である小川信也氏及び当社の代表取締役社長である小川哲史氏は、本公開買付け終了後も継続して当社の経営に当たることを予定しており、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載の経営施策を推進する予定とのことです。なお、本書提出日現在において、公開買付者と当社のその他の取締役(監査等委員を含みます。)との間には、本公開買付け成立後の役員就任や処遇について合意はありません。本公開買付け成立後の具体的な当社の役員構成を含む経営体制については本公開買付け成立後、当社と協議しながら、検討・決定していく予定とのことです。また、当社の従業員については、本公開買付け後も、原則として現在の雇用条件を維持する予定とのことです。
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年10月25日に当社代表取締役会長である小川信也氏及び当社代表取締役社長である小川哲史氏から本意向表明書の提出を受けたため、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付者、小川信也氏、小川哲史氏及び当社(総称して、以下「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年10月下旬に、山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を、また、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任し、公開買付関連当事者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。
さらに、当社は、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、当社の取締役である小川信也氏及び小川哲史氏が公開買付者を通じて一般株主から当社株式を取得することになり、本公開買付価格について当社及び当社の一般株主とは異なる利害関係を有する買い手としての性格を併せ持つことから、当社又は当社の一般株主との間に構造的な利益相反の問題が存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年10月28日付の当社取締役会において、公開買付関連当事者及び本取引の成否のいずれからも独立した、当社の社外取締役4名(本島修氏(スウェーデン王立科学工学アカデミー会員、大学共同利用機関核融合科学研究所名誉教授、未来エネルギー研究協会会長、総合研究大学院大学名誉教授、国際核融合エネルギー研究開発機構(ITER)名誉機構長、中部大学学事顧問、経済産業省認可 石狩超電導・直流送電システム技術研究組合(I-SPOT)理事長、中部学院大学学長)、垣内幹氏(垣内法律事務所所長)、新開智之氏(監査法人コスモス統括代表社員)及び林正子氏(岐阜県公安委員会委員長、岐阜大学名誉教授))によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置する旨を決議いたしました。本特別委員会は、2024年11月6日開催の第1回特別委員会において、公開買付関連当事者及び本取引の成否からの独立性並びに専門性に問題がないことを確認の上、当社がファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することをそれぞれ承認しました。
また、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2024年11月6日開催の第1回特別委員会において、当社が社内に構築した本取引の検討体制について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認いたしました。
上記体制の下、当社は、本公開買付価格を含む本取引の条件等に関する交渉方針について意見や指示を受ける等、公開買付者との交渉上重要な局面において本特別委員会より意見、指示及び要請を受けるとともに、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本意向表明書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、公開買付者との間で上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、協議・検討を重ねてきました。
具体的には、当社は、公開買付者から、2025年6月25日、当社が2026年3月期の中間配当及び期末配当を行わないことを前提として、2025年6月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,310円に対して22.14%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、株価に対するプレミアム率の計算において同じです。)、過去1ヶ月間の終値の単純平均値(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)1,305円に対して22.61%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,281円に対して24.90%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,335円に対して19.85%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を1,600円、本新株予約権買付価格を各本新株予約権1個につき1円(以下「初回提案価格」といいます。)とする本初回提案を受けました。当該提案に対して、当社は、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、当該提案価格は、当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2025年7月4日に、初回提案価格の引き上げの要請を公開買付者に対して行いました。また、当社は、公開買付者から、2025年7月7日、2025年7月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,341円に対して34.23%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,325円に対して35.85%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,279円に対して40.73%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,335円に対して34.83%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を1,800円、本新株予約権買付価格を1円(以下「第2回提案価格」といいます。)とする第2回提案を受けました。当該提案に対して、当社は、第2回提案の内容を本特別委員会において検討した結果、公正なM&Aの在り方に関する指針が公表された2019年6月28日以降、2025年5月15日までの間に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる公開買付けにおける事案167件のプレミアム水準の近時の動向及び直近における当社の株価推移等を勘案すると、当該提案価格は、依然として当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2025年7月10日に、第2回提案価格の引き上げの要請を公開買付者に対して行いました。また、当社は、公開買付者から、2025年7月16日、2025年7月15日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,385円に対して37.18%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,341円に対して41.69%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,297円に対して46.49%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,337円に対して42.11%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を1,900円、本新株予約権買付価格を1円(以下「第3回提案価格」といいます。)とする旨の第3回提案を受けました。当該提案に対して、当社は、第3回提案の内容を本特別委員会において検討した結果、直近における当社の株価推移及び山田コンサルにて行われた当社の株式価値算定の結果等を勘案すると、依然として、当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2025年7月18日、第3回提案価格の引き上げの要請を公開買付者に対して行いました。また、当社は、公開買付者から、2025年7月22日、2025年7月18日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,374円に対して43.38%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,348円に対して46.14%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,306円に対して50.84%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,339円に対して47.12%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を1,970円、本新株予約権買付価格を1円(以下「第4回提案価格」といいます。)とする旨の第4回提案を受けました。当該提案に対して、当社は、第4回提案の内容を本特別委員会において検討した結果、直近における当社の株価推移及び山田コンサルにて行われた当社の株式価値算定の結果等を勘案すると、当社の少数株主の利益確保の観点から十分とはいえないとの結論に至ったとして、2025年7月23日、第4回提案価格の引き上げの要請を公開買付者に対して行いました。
また、当社は、公開買付者から、2025年7月24日、2025年7月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,461円に対して40.31%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,367円に対して49.96%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,317円に対して55.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,341円に対して52.87%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を2,050円、本新株予約権買付価格を1円(以下「最終提案価格」といいます。)とする旨の最終提案を受けました。当該提案に対して、当社は、最終提案の内容を本特別委員会において検討した結果、当社の株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断し、最終提案価格に応諾する旨の回答をいたしました。
以上の経緯の下、当社は、2025年7月25日開催の取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、山田コンサルから受けた財務的見地からの助言並びに2025年7月24日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するか否か、及び本買付価格変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正・妥当なものか否か、本取引に係る手続の公正性が確保されているか、本取引は当社の一般株主にとって公正なものであると考えられるか等の観点から、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が企図する施策の内容は合理的であり、本取引が当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、地政学的な情勢変化、米国による関税引き上げ、エネルギー価格の高騰や為替変動による原材料価格や物流費等の高騰により、今後も先行き不透明な事業環境が続くと考えております。特に当社が属する自動車部品業界においては、電動車の拡大による部品の代替、更なる軽量化、高性能化等、自動車に関連する技術の急速な進歩と市場ニーズの変化に応じた新たな製品・技術の開発や安定供給のためのサプライチェーンの強化といった取り組みが求められています。昨今の自動車業界においては、燃料消費量の低減、排気ガス削減、航続距離の延長など、車両性能の向上が求められており、その実現のため、軽量化と高性能化を両立する新たな車両開発への取り組みが加速しております。これに伴い、当社の主要事業であるプレス製品事業においても、業界のニーズに応える革新的な技術の活用が一層求められております。当社は、CO2排出量の少なさが特長である「冷間超ハイテンプレス工法」を採用し、社会的要請及び顧客の期待に即した高品質なプレス製品の供給に努めてまいりました。一方で、今後、バッテリー電動車(BEV)市場においては、アルミ鋳造による一体成形、いわゆる「ギガキャスト工法」が広く採用された場合、当社が従来から事業領域とする車両のアッパーボディ部分の骨格部品に対する影響は限定的であるものの、従来はアンダーボディ部品を中核としていた他のプレスメーカーが、今後アッパーボディ領域へ事業展開を図る可能性があり、市場全体における競争が一層激化する懸念がございます。さらに、業界内における技術的な構造変化に加え、国内外の競合他社との厳しい価格競争、主要取引先である自動車メーカーからの価格改定要求、さらには自動車メーカーによる部品の内製化、既存競合他社間での提携強化等の競合他社の規模拡大等の競争激化が今後一層進展することが予見されております。これらの要因により、当社を取り巻く事業環境は、より一層の厳しさを増していくと考えております。
よって、当社は、上記の業界を取りまく環境の変化、デジタル化の加速、資源価格及び原材料価格の高騰、競争環境の激化が予想される中で、中長期的に企業価値を向上させるためには、競争優位性を確保し続ける技術開発力の強化、生産プロセスの自動化やスマートファクトリーの構築といった各種プロセスのDX化、モビリティ分野以外における新事業の創出、これらを実現するための人財の育成・確保が必要な施策であり、これらの施策を抜本的かつ機動的に一貫性をもって取り組み、一定の事業リスクを伴う戦略を迅速かつ果敢に実行する必要があると考えております。
また、小川哲史氏は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、抜本的な経営改革のため、(Ⅰ)将来的なカーボンニュートラルを見据えた更なる技術開発力の強化、(Ⅱ)高品質な製品の安定的かつ長期的な供給に向けたサプライチェーンの強靭化、(Ⅲ)持続的な成長を見据えた新事業の創出、(Ⅳ)サステナビリティ経営の実現に向けた人財の育成・確保といった具体的な施策を企図しているとのことですが、当社としても以下のことから、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の施策の実行が必要であると考えております。(Ⅰ)将来的なカーボンニュートラルを見据えた更なる技術開発力の強化については、脱炭素時代の中で当社が持続的な成長をするため、自動車の電動化に順応した、迅速な製品・技術開発を強みとして、競合他社対比での競争優位性を高めることが必要であり、(Ⅱ)高品質な製品の安定的かつ長期的な供給に向けたサプライチェーンの強靭化については、米国の関税引き上げ、労務費、原材料や物流費の上昇等による環境変化の中、安定した商品供給体制を確立するためには、サプライチェーン全体における各種プロセスのDX投資による抜本的な効率化が必要であり、(Ⅲ)持続的な成長を見据えた新事業の創出については、自動車業界を取り巻く環境が日々変化する中、当社が強固な事業基盤を構築するためには競争激化に対応するだけではなく、社会や顧客の課題やニーズの変化に即した、新事業の開発が必要であり、(Ⅳ)サステナビリティ経営の実現に向けた人財の育成・確保については、当社が中長期的な成長を実現するためには少子高齢化による労働人口の減少や自動車離れが加速する社会において、人財の確保及び育成が不可欠であるため、いずれの施策も当社の中長期的な企業価値向上のために推進していくべきと考えております。
しかしながら、当社は、かかる施策は事業構造の転換や将来的な取り組みを伴うものであり、当該施策が中長期的に見れば当社の大きな成長及び収益の拡大につながる施策であったとしても、その推進段階においては、相応の時間と各種先行投資が必要であり、短期的には利益水準の低下及びキャッシュ・フローの悪化を招く可能性があること、さらには期待される利益を生み出すことが困難となる可能性も否定できないと考えております。そのため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施した場合、株価の下落や配当の減少により、当社の既存株主の皆様の利益を損なう可能性があると考えられるため、当社が上場を維持したままでこれらの施策を実施することは困難であると考えております。
なお、当社株式の非公開化が行われた場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による人財の確保及び取引先との取引等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、現在当社はエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込んでおらず、事業から生じるキャッシュ・フローや金融機関からの借入れにより、資金確保は可能であると考えていること、また証券取引所への上場から60年以上経過し、上場による当社のブランド力や取引先に対する信用力は凡そ確保できていること、加えてこれまでの事業活動を通じて顧客・取引先・従業員に対する信用力及び知名度は既に確保できていることから、当社株式の非公開化による人財の確保及び取引先との取引に及ぼすデメリットは極めて限定的であると考えております。
さらに近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化により、株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストは増加を続けており、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないと考えております。年々これらの上場維持のコストは増えておりますが、本取引により、上場維持コストが削減され、ITを活用した業務の効率化への投資や人財への還元に充てることができれば、長期的な視点での企業価値の向上を図れるものと考えております。
また、本買付価格変更前の本公開買付価格(2,050円)が、(a)下記「(3) 算定に関する事項」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っていること、類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っていること、かつDCF法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回っていること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2025年7月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,461円に対して40.31%、2025年7月24日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,367円に対して49.96%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,317円に対して55.66%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,341円に対して52.87%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であるところ、公正なM&Aの在り方に関する指針が公表された2019年6月28日以降、2025年5月15日までの間に公表されたMBOの一環として行われる公開買付けにおける事案167件の公表日前日終値に対して平均44.31%、1ヶ月間の終値単純平均値に対して平均46.99%、過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して平均48.47%、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して平均47.51%のプレミアムと比較して合理的なものであると認められること、(c)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社と公開買付者との間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われ、より具体的には、当社において、本特別委員会との協議、山田コンサルによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や財務的見地からの助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言等を踏まえて、公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本買付価格変更前の本公開買付価格を含む本取引の条件について妥当である旨の意見を述べていることを踏まえ、当社は、2025年7月25日開催の取締役会において、本買付価格変更前の本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、本買付価格変更前の本公開買付価格は、当社の2025年6月30日現在の簿価純資産額である165,900百万円(十万の位を四捨五入しております。)を、自己株式控除後の発行済株式総数(57,673,249株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である2,877円(小数点以下を四捨五入しております。本買付価格変更前の本公開買付価格は当該金額との比較で28.75%(小数点以下第三位を四捨五入しております。)のディスカウント)を下回っているものの、仮に当社が清算する場合においても、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、所有する土地建物は本社及び工場であるところ、本社及び工場の各建屋等は建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると簿価により売却することが困難と見込まれるため、更地での売却が必要であり、建屋の取り壊しにも費用を要すること、機械装置については売却に伴い撤去の基礎工事に係る相当程度の追加コストが発生し、製造工程の仕掛品や製品、原材料は廃棄等を考慮すると、相当程度の毀損が見込まれます。加えて、子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、当社の株主の皆様に最終的に分配されることとなる金額は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定されます。なお、当社においては、清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本買付価格変更前の本公開買付価格が、具体的な検討を経て概算された想定清算コストを勘案して算出される想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。また、純資産額は、当社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
加えて、本新株予約権買付価格について、本新株予約権は、当社の取締役の地位を喪失した日の翌日から10日間以内(10日目が休日に当たる場合には翌営業日まで)に限り、本新株予約権を一括して行使することができることが権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないこと等を考慮し、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることが不合理とはいえないと判断しております。
こうした判断のもと、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本買付価格変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると考えております。
以上より、当社は、2025年7月25日開催の当社取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨及び本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。なお、かかる当社取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及び本スクイーズアウト手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
その後、当社は、2025年9月8日、公開買付者より、本公開買付けの開始後における当社の株主の皆様による応募状況及び今後の応募の見通しを考慮して、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について更なる判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、公開買付期間を2025年9月24日まで延長し、合計40営業日とすることを決定した旨の伝達を受けました。
また、当社は、2025年9月24日、公開買付者より、本公開買付けの開始後における当社の株主の皆様による応募状況及び今後の応募の見通しを考慮して、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について更なる判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、公開買付期間を2025年10月8日まで延長し、合計50営業日とすることを決定した旨の伝達を受けました。
また、当社は、2025年10月8日、公開買付者より、本公開買付けの開始後における当社の株主の皆様による応募状況及び今後の応募の見通しを考慮して、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について更なる判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、公開買付期間を2025年10月23日まで延長し、合計60営業日とすることを決定した旨の伝達を受けました。
また、当社は、2025年10月23日、公開買付者より、本応募合意(岐建)をした旨、及び本買付価格変更を決定した旨、並びにこれに伴い公開買付期間を2025年10月23日から起算して10営業日を経過した日である2025年11月7日まで延長し、合計70営業日とすることを決定した旨の伝達を受けました。
当社は、公開買付者による本買付価格変更について慎重に協議・検討を行い、本買付価格変更に関する本特別委員会の意見等を踏まえ、(ⅰ)本買付価格変更を前提としても、本取引は、自動車業界を取りまく環境の変化、デジタル化の加速、資源価格及び原材料価格の高騰、競争環境の激化が予想される中で、中長期的に企業価値を向上させるためには、競争優位性を確保し続ける技術開発力の強化、生産プロセスの自動化やスマートファクトリーの構築といった各種プロセスのDX化、モビリティ分野以外における新事業の創出、これらを実現するための人財の育成・確保といった施策を抜本的かつ機動的に一貫性をもって取り組み、一定の事業リスクを伴う戦略を迅速かつ果敢に実行するための合理的な選択肢であることに変わりはなく、(ⅱ)本買付価格変更後の本公開買付価格2,919円については、山田コンサルより、2025年7月24日付で本株式価値算定書を取得して以降、その前提とした当社の事業の現状及び将来の見通し等の状況に重大な変更がない中で、本買付価格変更後の本公開買付価格は、本株式価値算定書におけるDCF分析により算定された当社株式の1株当たり株式価値の上限を大きく上回る価格であること等から、本買付価格変更は、合理的な目的のもと、一般株主の利益に配慮した形でなされるものであり、本買付価格変更により本公開買付けの成立可能性を高めることは、当社の企業価値の向上に資すると認められる本取引の実現可能性を高めるとともに、一般株主に適切な売却機会を与える観点で望ましいと考えられると判断いたしました。
また、当社は、公開買付者による本応募合意(岐建)についても慎重に協議・検討を行い、本応募合意(岐建)は当社の中長期的な企業価値の向上という本取引の目的に影響を及ぼすものではないことに加えて、本買付価格変更と同様に、本応募合意(岐建)によって本公開買付けの成立可能性を高めることは、当社の企業価値の向上に資すると認められる本取引の実現可能性を高めるとともに、一般株主に適切な売却機会を与える観点で望ましいと考えられると判断いたしました。
そこで、当社は、2025年10月23日開催の当社取締役会において、本買付価格変更及び本応募合意(岐建)を踏まえても、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨及び本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の意見を維持することを決議いたしました。
上記2025年7月25日開催及び2025年10月23日開催の当社取締役会における決議の詳細は下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年7月24日付で本株式価値算定書を取得いたしました。
山田コンサルは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び本スクイーズアウト手続の完了を条件に支払われる取引報酬とされており、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。また、本特別委員会は、2024年11月6日開催の第1回特別委員会において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
山田コンサルは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値算定を行っております。なお、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、当社は、山田コンサルから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
山田コンサルが上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :1,317円~1,461円
類似会社比較法 : 668円~1,804円
DCF法 :1,594円~2,393円
市場株価法では、2025年7月24日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,461円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,367円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,317円、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,341円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,317円から1,461円までと算定しております。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む類似上場企業として、東プレ株式会社、株式会社ジーテクト及びプレス工業株式会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAマルチプル及び時価総額に対する純利益の倍率を用いて、当社株式の1株当たりの価値の範囲を668円から1,804円と算定しております。
DCF法では、当社が現時点で合理的に予測可能な期間まで作成した2026年3月期から2030年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益予測及び投資計画、当社の2026年3月期第1四半期における財務情報、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期第2四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値及び株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,594円から2,393円と算定しております。なお、割引率は加重平均資本コストを採用した、7.17%から8.17%を採用しており、継続価値の算定に当たっては永久成長法を採用し、外部環境等を総合的に勘案した上で永久成長率を0.0%から1.0%として、継続価値を115,087~160,114百万円と算定しております。
山田コンサルがDCF法の算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。なお、山田コンサルがDCF法に用いた本事業計画には、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には2026年3月期において、技術開発センターの建設や工場の更新投資及び生産能力増強のための多額の設備投資を予定していることから、2026年3月期の設備投資額は対前年度比較で9,247百万円の増加を見込んでおり、翌2027年3月期の設備投資額は対前年度比較で10,058百万円の減少を見込んでおります。更に、翌2028年3月期の設備投資額は対前年度比較で3,888百万円の減少を見込んでおります。以上のことから、2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは対前年度比較で大幅な減少を、翌2027年3月期のフリー・キャッシュ・フローは対前年度比較で大幅な増加を、翌2028年3月期のフリー・キャッシュ・フローも対前年度比較で大幅な増加を見込んでおります。
なお、本事業計画は、当社の将来の成長を考慮した上で本取引の取引条件の妥当性を検討することを目的として、2023年4月に公表した当社の中期経営計画の基礎資料に準拠した上で、米ドルに対する円高や国内外での自動車生産台数の計画の見直し等といった足元の事業環境を踏まえて作成したものであり、公開買付者又は小川信也氏若しくは小川哲史氏はその作成過程に一切関与しておりません。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。
(単位:百万円)
| 2026年 3月期 (9ヶ月) |
2027年 3月期 |
2028年 3月期 |
2029年 3月期 |
2030年 3月期 |
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| 売上高 | 149,353 | 202,200 | 210,000 | 216,000 | 233,000 |
| 営業利益 | 8,516 | 13,885 | 15,166 | 16,681 | 18,967 |
| EBITDA | 24,399 | 31,997 | 34,972 | 36,609 | 38,771 |
| フリー・キャッシュ・フロー | ▲11,028 | 5,275 | 10,659 | 13,368 | 14,015 |
山田コンサルは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、山田コンサルは、算定の基礎とした本事業計画について、複数回、当社と質疑応答を行い、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、当社の事業計画の合理性を確認しております。また、山田コンサルの算定は、2025年7月24日までの上記情報を反映したものであります。なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円と決定されていることから、当社は第三者算定機関から算定書及び本新株予約権買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに当たり、当社が開示している有価証券報告書、決算短信等の財務情報等の資料等を踏まえ、当社の事業及び財務の状況について総合的に分析したとのことです。また、公開買付者は、当社に対する2025年5月8日から2025年6月27日にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果に加え、当社株式が金融商品取引所を通じて取引されていることから、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年7月24日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値(1,461円)、同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値の単純平均値(1,367円、1,317円及び1,341円)の推移を参考にしつつ、当社及び本特別委員会との協議・交渉の結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、最終的に2025年7月25日に本買付価格変更前の本公開買付価格を2,050円とすることを決定したとのことです。なお、公開買付者は、上記のとおり、諸要素を考慮し、かつ、当社及び本特別委員会との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンは取得していないとのことです。
なお、本買付価格変更前の本公開買付価格2,050円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年7月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,461円に対して40.31%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,367円に対して49.96%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,317円に対して55.66%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,341円に対して52.87%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。
また、本買付価格変更前の本公開買付価格2,050円は、2025年7月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,761円に対して16.41%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
その後、公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、本公開買付価格(2,050円)は、当社及び特別委員会の間の複数回にわたる真摯かつ継続的な協議・交渉を経て合意した公正かつ妥当な価格であると考えておりましたが、当社株式に係る市場株価が本公開買付価格を上回って推移していることや当社の株主の皆様による本公開買付けへの応募状況に鑑みて、本公開買付けの成立に向けては、本公開買付価格の見直しを行う必要性を認識していたとのことです。そして、2025年10月8日には、当社から、当社の複数の株主から本公開買付価格(2,050円)が当社の株式価値を十分に反映していないとの意見があること及び当社株式に係る株価が本公開買付価格(2,050円)を上回って推移していることから、当社の株主の皆様により高い価格での売却機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高める観点から、本公開買付価格(2,050円)を見直すよう要望を受けたとのことです。
そこで、公開買付者は、当社の株主の皆様による本公開買付けの応募状況、今後の見通し及び本公開買付けの目的を円滑に達成する必要性を総合的に考慮するとともに、村上氏らによる本公開買付価格の引上げに関する指摘や当社による本公開買付価格の見直しに関する要望を真摯に受け止め、当社の一般株主の皆様に本買付価格変更前の本公開買付価格(2,050円)より高い金額での売却機会を提供し、当社の一般株主の皆様からのご理解を得て本公開買付けの成立可能性を高めることができると考えたことから、本公開買付価格を2,919円に引き上げることを検討したとのことです。
その結果、公開買付者は、2025年10月23日付で、当社が算出した当社株式1株当たり純資産額である2,877円を上回るとともに、同日の前営業日である同年10月22日時点までの当社株式の市場株価の最高値である2,787円を上回るよう、本買付価格変更を決定したとのことです。これに伴い、公開買付者は、2025年10月23日、2025年10月23日付訂正届出書を提出するとともに、それに伴って公開買付期間を2025年10月23日付訂正届出書の提出日である2025年10月23日より起算して10営業日を経過した日にあたる同年11月7日まで延長し、合計70営業日とすることとしたとのことです。
本買付価格変更後の本公開買付価格(2,919円)は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年7月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,461円に対して99.79%、2025年7月24日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,367円に対して113.53%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,317円に対して121.64%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,341円に対して117.67%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格となっていることを踏まえると、公開買付者としては、本買付価格変更後の本公開買付価格(2,919円)は、当社株式の合理的な売却の機会を当社の株主の皆様に対して提供するものであると考えているとのことです。
また、本買付価格変更後の本公開買付価格2,919円は、2025年10月23日付訂正届出書の提出日の前営業日である2025年10月22日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,703円に対して7.99%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
本新株予約権については、本新株予約権者は、本新株予約権の行使期間内において、本地位喪失行使条件を充足する場合に限り、本新株予約権を行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得したとしても行使することができないことから、本新株予約権買付価格をいずれも1円と決定したとのことです。
なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定していることから、本新株予約権買付価格を決定するに当たり、第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンは取得していないとのことです。
当社株式は本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けが成立した場合は、本公開買付けの成立時点では当該廃止基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を行うことを予定しているとのことですので、当該手続が実施された場合には、当社株式は当該基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所及び名古屋証券取引所において取引することはできなくなります。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)の取得を目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
具体的には、本公開買付けの成立後、公開買付者は、会社法第180条に基づき本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定であり、公開買付者及び本不応募合意株主は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を早期に開催することが望ましいと考えている一方で、当社の株主の皆様による本公開買付けへの応募状況及び今後の応募の見通しを総合的に勘案すると、公開買付期間中に行った基準日設定公告に係る基準日を取り消した上で再度基準日設定公告を行わざるを得ない可能性も否定できず、当社の株主の皆様の混乱を招かないようにする観点からは、当社に対する基準日設定公告を行うことの要請を公開買付期間中ではなく本公開買付けの成立後に行うことが望ましいと判断したため、本公開買付けの決済の開始日後、それと近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、当社に対して、基準日設定公告を行うことを要請する予定であり、本臨時株主総会の開催日は、2026年1月下旬~2026年2月中旬頃を予定しているとのことです。当社は、公開買付者からかかる要請を受けた場合には、かかる要請に応じる予定です。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認を頂いた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認を頂いた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者及び本不応募合意株主のみが当社株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募されなかった当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められているとのことです。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなるとのことです。また、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。
上記の手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
なお、本譲渡制限付株式については、本譲渡制限付株式に係る割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、株式併合(当該株式併合により本譲渡制限付株式の割当者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)が当社の株主総会で承認された場合(ただし、当該株式の併合の効力発生日が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社の取締役会の決議により、株式併合の効力発生日の前営業日の直前時をもって、割当日の直近の定時株主総会の開催日を含む月の翌月から当該承認の日(以下「スクイーズアウト承認日」といいます。)を含む月までの月数を12で除した数(ただし、計算の結果1を超える場合には1とします。)にスクイーズアウト承認日において割当者が保有する本譲渡制限付株式を乗じた数(ただし、計算の結果1株未満の端数が生じる場合には、これを切捨てるものとします。)の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合には、当社は、当該株式併合の効力発生日の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を無償で取得するとされているとのことです。本株式併合の手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、本株式併合の効力発生日の前営業日の直前時において譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、本株式併合の対象とし、上記割当契約書(b)の規定に従い、本株式併合の効力発生日の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践するよう要請する予定ですが、本書提出日現在においてその詳細は未定とのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。
以上の具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認くださいとのことです。
また、公開買付者は、最終的に公開買付者が当社の唯一の株主となることを予定しており、かかる目的を達成する手段として、本スクイーズアウト手続の完了を条件として、公開買付者を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とし、公開買付者の株式を対価とする本株式交換を実施することを予定しておりますが、本書提出日現在において、詳細については未定とのことです。
ただし、本公開買付けの結果、本不応募合意株主のいずれかが所有する当社株式と同数以上の当社株式を所有する株主が存在し、又は、本株式併合の効力発生時点でかかる株主が生じることが見込まれる場合は、本株式併合の効力発生後において、かかる株主が当社の株主として残存することがないよう、公開買付者は、かかる株主が所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるような株式併合比率で本株式併合を行うことを当社に要請することを予定しているとのことです。この場合、公開買付者が当社の唯一の株主となることを予定しており、本株式交換は行われないこととなるとのことです。
公開買付者及び当社は、本公開買付けがマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置(⑥及び⑦)については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本取引がいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであること、また、本取引については、公開買付者が当社の一般株主のスクイーズアウト手続を行うことが想定され、小川氏らと利益を共通にしていることから、小川氏らと、当社又は当社の一般株主との間に構造的な利益相反が存在することを踏まえ、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、2024年10月28日付取締役会における決議により本特別委員会を設置いたしました。なお、本特別委員会の設置に先立ち、当社は、2024年10月25日に小川氏らから本意向表明書を受領して以降、公開買付関連当事者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、当社の社外取締役の全員に対して、小川氏らから本意向表明書を受領した旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うに当たっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明いたしました。
また、当社は、公開買付関連当事者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、2024年10月下旬から、公開買付関連当事者から独立した当社のリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを、それぞれ選任し、同法律事務所から受けた本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に当たっての留意点等についての法的助言を踏まえ、公開買付関連当事者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を行い、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外役員の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て、公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して一般株主とは異なる重要な利害関係を有していないことに加え、委員としての適格性を有することを確認した上で、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」で委員として最も適任であるとされている、当社の独立社外取締役である本島修氏(監査等委員)、垣内幹氏(監査等委員)、新開智之氏(監査等委員)及び林正子氏の4名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました。また、本特別委員会の委員の互選により、本島修氏が本特別委員会の委員長に就任しております(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の各委員の報酬は、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。)。
その上で、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年10月28日付の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、①本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、②本取引に係る取引条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含みます。)の公正性・妥当性が確保されているか、③本取引に係る手続の公正性が確保されているか、④上記①から③までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、並びに⑤当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することの是非(①乃至⑤を総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置に当たり、(ⅰ)本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家(総称して、以下「アドバイザー等」といいます。)を指名又は承認(事後承認を含みます。)する権限を有すること、(ⅱ)本特別委員会は、諮問事項の検討に当たって、本特別委員会が必要と認める場合には、自らのアドバイザー等を選任する権限(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとします。また、本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とします。)を有すること、(ⅲ)本特別委員会は、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限を有すること、(ⅳ)本特別委員会は、本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を有すること、(ⅴ)本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議しております。
本特別委員会は、2024年11月6日から2025年7月24日までに、合計13回、約21時間開催されたほか、会日外においても電子メール等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。
具体的には、本特別委員会は2024年11月6日に開催された第1回特別委員会において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサル並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、その選任を承認し、本特別委員会も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認しております。
また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。その上で、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
さらに、本特別委員会は山田コンサルから受けた財務的見地からの助言を踏まえつつ、山田コンサルが当社株式の株式価値の算定において基礎とする当社の事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等(公開買付者又は小川信也氏若しくは小川哲史氏が当該事業計画の作成に関与していないことを含みます。)について説明を受けるとともに、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。
本特別委員会は、公開買付者並びに小川信也氏及び小川哲史氏に対し質問事項を提示し、公開買付者並びに小川氏らから、本取引の目的や背景、本取引後の経営方針とそれらの具体的な施策とそのために非公開化を必要とする理由、本取引におけるメリット・デメリット、本取引のスキーム、本取引における手続・諸条件等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施し、また当社に対し質問事項を提示し、当社から、当社の経営状況、認識している経営課題、市場環境、企業価値向上の観点から本取引を実行する目的や意義、当社事業に対する影響、本取引により上場廃止となることで懸念される事項の有無等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施しております。
加えて、上記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、山田コンサルは、当社が作成した事業計画を前提として当社株式の株式価値の算定を実施しておりますが、本特別委員会は、山田コンサルから、株式価値の算定結果とともに、当社の株式価値の算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
また、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社が、2025年6月25日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,600円、本新株予約権買付価格を1円とする提案を受領して以降、本特別委員会は、山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についての法的助言等を踏まえ、公開買付者との間で、当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルを通じて、継続的に協議・交渉を行ってまいりました。
具体的には、当社は、山田コンサルを通じて、公開買付者からの本公開買付価格の提案に対して、複数回にわたり繰り返し価格交渉を実施いたしました。なお、当該協議・交渉に当たっては、本特別委員会は、当社から当該協議・交渉の経緯及び内容等について適時に報告を受け、本特別委員会を通じて方針等を協議し、意見を述べるなどした上で行うなど、本特別委員会が公開買付者との交渉過程に実質的に関与する形で行われました。
さらに、本特別委員会は、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係る当社のプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト並びに公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容についてアンダーソン・毛利・友常法律事務所より説明を受け、公開買付者及び当社が、それぞれのリーガル・アドバイザーの助言を得て適切な開示を行う予定であることを確認しております。
以上の経緯で、本特別委員会は、本諮問事項について慎重に検討及び協議を重ねた結果、委員全員一致の決議により、2025年7月25日に、当社取締役会に対し、大要以下の内容の答申書(以下「本答申書」といいます。)を提出いたしました。
(a)答申内容
1. 本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する。)。
2. 本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性は確保されている。
3. 本取引に係る手続の公正性が確保されている。
4. 上記1から3までを踏まえ、本取引の決定は当社の一般株主にとって公正であると考えられる。
5. 当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること及び本新株予約権者に対して本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の判断に委ねることは、相当である。
(b)答申理由
(b)-1.本特別委員会における検討の方針
(1)本取引における利益相反性・情報の非対称性
本取引は、当社の代表取締役会長である小川信也氏、代表取締役社長である小川哲史氏との協議に基づいて、公開買付者が実施するものであり、経営者による企業買収(いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO))の一環として行われるものである。加えて、本公開買付けの開始時点においては、公開買付者は当社の支配株主ではないものの、本取引のうち本スクイーズアウト手続については、本公開買付けによって当社の支配株主となった公開買付者(又は公開買付者の意向を受けた当社)が実施をするものであるから、その時点では「支配株主との重要な取引等」に該当し、支配株主と一般株主との間に利益相反の問題が生じ得ることとなる。そのため、本取引には、類型的・構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が存在し得ること等を踏まえ、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、当社取締役会により、2024年10月28日付で、当社の独立社外取締役である本島修(監査等委員)、垣内幹(監査等委員)、新開智之(監査等委員)及び林正子から構成される当社より独立した本特別委員会を設置した。
(2)本取引の検討において参照すべきM&Aに関する規律
M&A指針は、MBO及び支配株主による従属会社の買収を中心に、主として手続面から、我が国企業社会における公正なM&Aの在り方を提示するものである(M&A指針1.2及び1.3)。M&A指針は、法令ではないものの、MBO指針をもとに、有識者により構成された経済産業省主催の研究会における研究を経て取りまとめられた指針である。そして、MBO指針がMBOの公正性の判断に当たって裁判例でも多く言及されていることからすると、M&A指針は、本答申書作成時点の我が国において、利益相反の問題が生じ得るM&Aの公正性全般に関して示された公的見解又はこれに類似する存在として信頼に足るものと考えられる。
上述のとおり、本取引はM&A指針が対象とするMBOに該当し、類型的に構造的な利益相反の問題と情報の非対称性の問題が存在し得るM&A取引であり、その公正性を判断するに当たっては、M&A指針を参照することが適切である。
M&A指針がM&Aを行う上で尊重することを求めている原則は、次のとおりである(M&A指針2.3)。
① 企業価値の向上(望ましいM&Aか否かは、企業価値を向上させるか否かを基準に判断されるべき)
② 公正な手続を通じた一般株主利益の確保(公正な手続を通じてM&Aが行われることにより、一般株主が享受すべき利益が確保されるべき)
また、②の充足が認められるか否かを判断するに当たっては、M&A指針において挙げられている基本的な視点、すなわち、(ⅰ)取引条件の形成過程における独立当事者間取引と同視し得る状況の確保及び(ⅱ)一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点(M&A指針2.4)からの検討を行うことが有益である。さらに、②を具体的に検討するに当たっては、M&A指針が公正性担保措置として取り上げる措置(M&A指針第3章)の本取引における採用及び運用の状況を検討した上で、本件の状況に応じた適切な措置が選択されているか否かを検討する方法が有効である。その際には、M&A指針も指摘するように(M&A指針3.1.2)、M&A指針で取り上げられている措置を全て採用する必要があるわけではなく、本取引の実情に応じた公正性担保措置が採用され、適切に運用されているかを確認することが重要である。
以上を踏まえて本諮問事項を整理すると、本諮問事項1は本取引が企業価値の向上(上記①)の要請を充たしているかの検討を依頼するものである。本諮問事項2は、本取引において取引条件の公正性・妥当性が確保されているか否かの検討を依頼するものであり、その根拠として、本諮問事項3は本取引において公正な手続を通じた一般株主利益の確保(上記②)がなされているか否かの検討を依頼するものである。
また、本諮問事項4及び5は、これら本諮問事項1乃至3を総合して、当社取締役会としての本公開買付けに対する意見のあり方及び本取引全体の公正性を確認する趣旨の諮問事項であると考えられる。
そこで、本特別委員会は、本諮問事項1を下記(b)-2において、本諮問事項2を下記(b)-3において、本諮問事項3を下記(b)-4においてそれぞれ検討した上で、最後にこれらを踏まえて本諮問事項4について下記(b)-5で、また本諮問事項5について下記(b)-6で検討した。
なお、2025年7月7日付で東京証券取引所が「MBOや支配株主による完全子会社化に関する上場制度の見直し等に係る有価証券上場規程等の一部改正について」及び『MBOや支配株主による完全子会社化に関する上場制度の見直し等に係る有価証券上場規程等の一部改正等に伴う「会社情報適時開示ガイドブック」の改訂について』を公表し、有価証券上場規程等の改正(以下「本上場規程等改正」という。)は2025年7月22日をもって施行されている。本取引は、本上場規程等改正の施行日後に決定するMBOであるから、本上場規程等改正の適用を受けるものである。本上場規程等改正においては、MBOについて、一般株主にとって公正であることに関する意見の入手が求められている。本諮問事項4は、本諮問事項1から3までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるかを諮問するものであるが、本諮問事項の諮問は本上場規程等改正の公表前の2024年10月28日付であり、当時の東証の上場規則を踏まえたものであることに鑑みれば、当社取締役会として本上場規程等改正を踏まえた答申をすることを想定しているものと考えらえる。したがって、本特別委員会は、本諮問事項4について、本上場規程等改正に照らし、本諮問事項1から3までを踏まえ、本取引の決定は当社の一般株主にとって公正であると考えられるかを答申するものとする。
(b)-2.企業価値の向上・目的の合理性(本諮問事項1関係)
本諮問事項1は、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められるか否かを問うものである。
本特別委員会は、当社における事業環境及び経営課題の認識等その他の影響を踏まえ、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるか、また、その目的が合理的なものであるかを検討した。
(b)-2-1 当社における現状認識
(1)当社の事業内容及び経営方針
当社によれば、当社の事業内容及び経営方針は、概要以下のとおりである。
・ 当社は、1930年8月に創業者である小川宗一氏によって、岐阜県大垣市御殿町において、自動車用バルブコアの生産を目的に、太平洋工業合名会社として設立され、1938年4月に太平洋工業株式会社に商号が変更された。また、当社株式については、1962年10月に名古屋証券取引所市場第二部に、1963年10月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1970年8月に東京証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部に指定された後、2022年4月に実施された東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分見直しにより、本書提出日現在においては、東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場している。
・ 当社グループは、本答申書作成日現在、プレス・樹脂製品事業、バルブ製品事業及びその他事業を展開しており、それぞれの事業内容は以下のとおりである。
(ア)プレス・樹脂製品事業
・ 軽量化と高強度化を両立させる超ハイテン材の成形技術をもつプレス製品や、フィルム加飾技術や防音技術等多彩な分野にまたがる樹脂製品を製造・販売している。
・ プレス事業については、当社は、電動車を含む自動車全体において、軽量化と安全性を両立する超ハイテン材のニーズが拡大傾向にあり、特に当社が得意とする冷間超ハイテンプレス工法は生産時のCO2排出量が少なく安価でもあることから顧客ニーズが高まっていると考えており、それらのニーズを捉える技術開発を進めている。また、超ハイテン材の成形技術を活かした電動車向け新製品や既存ボディシェル部品の拡販による受注拡大に努める方針である。
・ 樹脂事業については、自動車の電動化の進展に伴い、エンジン音に隠れていたモーターやコンプレッサー等の騒音対策や電費効率の改善ニーズが高まっていると認識しており、防音技術や空力制御・加飾技術といったコア技術をベースに、2025年10月に稼働を開始する当社の技術開発センターにおける電動車向け新製品の開発及び拠点拡大の推進により受注拡大に努める方針である。
(イ)バルブ製品事業
・ 当社は世界トップシェアを自負するタイヤバルブ・バルブコア、カーエアコン用の各種バルブをはじめとしたバルブ製品に加え、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)製品、及び鍛圧製品、航空機、産業機械、エネルギー産業向けバルブを製造・販売している。
・ バルブ製品については、カーボンニュートラルに向けた自動車の電動化の流れを成長機会と捉え、電動車における効率的な熱の活用のために重要度が増している熱マネジメントシステム向けの製品開発を進めており、電子膨張弁をはじめとした、電動車向けのバルブの開発・拡販に注力する方針である。また、TPMS製品については、小型、軽量、低消費電力でコスト競争力が高い次期モデルの製品開発を進めており、データビジネスも視野に入れた更なる技術革新に挑戦する方針である。
(ウ)その他事業
・ モビリティ以外の分野でAI技術やセンシング・無線通信技術等を活用したIoT製品やアプリケーション等の開発・販売・サービス提供、リサイクル材の利用やリサイクル可能な製品等のアップサイクル製品の開発・販売、及び損害保険の代理業務等を行っている。
・ IoT製品では、物流品質の向上に寄与する「e-WAVES」や牛体調モニタリングシステム「CAPSULE SENSE」、工場のエネルギー使用量を見える化できる「エネグラフ」等のソリューションを開発・販売している。
・ 今後は、モビリティ分野以外にも積極的に挑戦し、当社グループが保有するTPMSで培ったセンシング・無線通信技術といったコア技術を活かした社会課題解決に貢献する製品を開発することで、当社グループの中長期的な事業の柱に資するような新たなビジネス機会の獲得に努める方針である。
(2)当社における事業環境及び経営課題の認識
当社は、当社における事業環境及び経営課題について、概要以下のとおりの認識が認められる。
・ 当社は、1930年の自動車用タイヤに使用されるバルブコアの開発以来90年以上に亘り、バルブコアのパイオニアとして自動車部品業界を支えてきたと自負するとともに、事業環境の変化に合わせて、自動車用プレス・樹脂製品、電子・制御機器製品、高機能バルブのTPMS製品へと事業を拡大し、我が国の自動車産業の発展とともに着実な成長を実現してきたと考えている。現在では、当社は国内における8工場、連結子会社2社及び持分法適用関連会社1社に加えて、海外では7カ国にわたる連結子会社14社を保有しており、国内・海外を横断して事業を展開するグローバル企業として、業界内で確固たる地位を築いていると自負している。当社は、創業の精神や先達から受け継いできた大切な思いを中心とした普遍的な価値観である「PACIFIC VALUES」を当社グループ全体に共有するとともに、当社グループの経営の軸であるパーパスとして「思いをこめて、あしたをつくる」を掲げ、将来の飛躍に向けて、邁進している。
・ また、当社は、VUCAと言われる先行きが見通せない厳しい環境下で、多様な人財が、将来を見据えて新しいことに挑戦し、性別・国籍・年齢・働き方等に関係なくそれぞれの強みを発揮し、長期的な視点で社会にプラスのインパクトを与えるような新しい価値を創造することが社会的存在意義であると考え、どのような環境変化でも追求すべき「パーパス」、環境変化を捉えて布石を打つ「長期戦略」、環境が想定と異なっても適応できる「レジリエンス」の3つの観点を踏まえ、2023年4月27日に、2030年に向けた中長期経営構想「Beyond the OCEAN」及び2026年度を最終年度とする中期経営計画「NEXUS-26」を策定した。
・ 当社は、長期的なトレンドと、モビリティの価値の変容の中で、一人ひとりの従業員が力を発揮して新しい価値づくりにチャレンジしていくための「パーパスを実現する人財戦略」を中心に、「売上と利益の共成長」「多様な技術による価値創出」「サステナビリティと経営の統合」といった成長基盤の構築に向けた4つの長期的な基本戦略に取り組むことで、中長期的に「社会から信頼され、必要とされる会社」として持続的な成長を目指すとともに、未来に向けた新たな価値の創造と企業経営の質の向上を企図している。一方で、当社グループの主要な取引先である自動車業界は、CO2削減等の気候変動対策による環境規制やエンドユーザーのニーズの多様化、電動化・自動化等の技術競争を背景にCASEやMaaSといった自動車のあり方や価値観が大きく変化する概念の登場によって、大変革期を迎えていると考えている。このような外部環境の変化を踏まえ、各自動車メーカーはカーボンニュートラルに向けた環境への取り組み、自動運転・電動車等の次世代モビリティの開発や技術革新のスピードを加速させており、競争環境は年々激化していると考えている。特に、ガソリン車から電動車へのシフトに伴い、欧米や中国を中心とした新興BEV(バッテリー電動車)メーカーの台頭や、更なる技術革新の加速を企図した自動車メーカーの再編等、自動車メーカーの勢力図は変化を見せており、これらを起因として、自動車部品業界においても更なる業界再編を予想している。上記のような業界動向に加えて、IoTやAI、自動運転等の自動車業界の枠を超えたさまざまな分野にまたがる新しいテクノロジーの利用や競争力の強化を目的に、これらの技術に強みを持つ企業と新たな業務提携・資本提携等の進展も活発化しており、企業間の競争環境は今後一層激化していくことが見込まれていると考えている。
・ また、当社は、地政学的な情勢変化、米国による関税引き上げ、エネルギー価格の高騰や為替変動による原材料価格や物流費等の高騰も踏まえると、依然として先行き不透明な事業環境が継続すると予想している。このような状況の中、当社グループが属する自動車部品業界では、前述の自動車業界全体の大きな変化に伴い、電動車の拡大による部品の代替、更なる軽量化、高性能化等、自動車に関連する技術の急速な進歩と市場ニーズの変化に応じた新たな製品・技術の開発や安定供給のための柔軟かつ効率的なサプライチェーンの強靭化が求められている。特に、当社グループの主要事業であるプレス製品事業では、自動車メーカーによる燃料消費量、排気ガスの削減や航続距離の延長等といった車両性能を向上させるための軽量化と高性能化を実現する車両開発への取り組みが求められている。当社グループでは、CO2排出量が少ない冷間超ハイテンプレス工法により、社会と顧客ニーズに即したプレス製品の供給を行っているが、今後、BEVにおいてアルミ鋳造で一体成形するギガキャスト工法が広く採用された場合、自動車のアッパーボディ部分の骨格部品を事業領域とする当社グループへの影響は限定的であるものの、自動車のアンダーボディ部分で影響を受ける他のプレスメーカーがアッパーボディ部分に進出することで、今後一層競争が激化する可能性がある。
・ さらには、当社は、自動車部品業界における技術面の構造変化だけではなく、国内外の競合他社との厳しい価格競争や主要取引先である自動車メーカーからの価格改定要請、及び自動車メーカーによる部品の内製化や既存競合他社間における提携等により、価格面においても、更なる競争激化を予見しており、当社グループを取り巻く事業環境は、より一層厳しさを増していくことを見込んでいる。
(3) 当社における認識の評価
以上のような当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や客観的事実に反している点は認められない。
(b)-2-2 本取引の意義
ア 公開買付者が想定する本取引の意義
公開買付届出書及び本ヒアリング等によれば、公開買付者らが想定する本取引の意義は、以下のとおりである。
(Ⅰ)将来的なカーボンニュートラルを見据えた更なる技術開発力の強化
・ 当社グループの主要な取引先である自動車業界では、カーボンニュートラルの実現を目的として、ガソリン車から電動車へのシフトが進展しており、バッテリーの重量増に起因する燃費・電費の向上や安全性強化を目的として、車体の軽量化・高強度化のニーズが拡大している他、電動車の需要拡大に合わせた迅速な製品・技術開発が求められていると考えている。
・ このような事業環境の下、当社グループは、プレス・樹脂製品事業では、生産時のCO2の排出が抑えられる冷間超ハイテンプレス工法を中心に戦略的な技術開発に加えて、軽量化に寄与する超ハイテン製品やアルミ製品、電動化により求められる快適性や空力性能向上のための樹脂製品開発を進めていると認識している。また、バルブ製品事業では、電動車で重要度が増している熱マネジメントシステム向けの製品開発の他、TPMS製品の事業領域拡大に向けた開発やセンシング技術・流体制御技術等のコア技術を活かした電動車向けの製品開発を加速させていると認識している。
・ しかしながら、小川哲史氏は、今後、自動車の電動化シフトの更なる進展が見込まれる中で、当社グループが持続的な成長を遂げるためには、既存の技術領域にとどまらない高付加価値な独自技術の確立や電動車向け新製品の開発に向けた投資を従来以上に迅速かつ大胆に行う必要があると考えている。
・ 具体的には、CAE構造解析技術の高度化と進化させてきた成形技術との融合によるユニット単位でのボディ構造提案力の強化、高強度な超ハイテン材を用いた難成形部品の工法開発投資、2025年10月に稼働を開始する当社の技術開発センターへの継続的な設備投資による防音・加飾技術力の向上を通じた新たな樹脂製品の開発力の強化が必要不可欠であると考えている。また、電動車のパワーユニットにおける多様な選択肢を見据え、構造解析や冷間プレス成形技術をさらに改良し、保有する大型プレス設備を活かした高付加価値製品や新技術・新工法の開発に積極的に取り組んでいく必要があると考えている。
これらの施策を通じて、開発力と生産技術力を磨くとともに、カーボンニュートラルや安全性・快適性の向上に貢献し、脱炭素時代に勝ち残る「提案型技術集団」となることが、中長期的には競合他社対比での競争優位性を高め、さらには当社グループの企業価値の向上に繋がると考えている。
(Ⅱ)高品質な製品の安定的かつ長期的な供給に向けたサプライチェーンの強靭化とコスト低減による競争力の強化
・ 当社グループが属する自動車部品業界は、自動車の電動化シフトの進展に加えて、地政学的リスクの高まり、国内外における価格競争の激化、米国による関税引き上げ、労務費の上昇、エネルギー価格の高騰や為替変動による鉄鋼をはじめとする黄銅やアルミ等の金属材料、ゴム材料、樹脂材料等の原材料価格や物流費の上昇等、様々な影響を受けるため、グローバルでのサプライチェーンの強靭化やコスト低減による価格競争力の強化が求められていると考えている。
・ そのため、当社グループでは、国内の東大垣・北大垣工場への投資を通じて、電動車向け製品の生産能力増強や量産体制の構築に加えて、生産プロセスの自動化及び省人化、DX化した生産現場情報と管理・間接業務情報の融合・利活用といった、無駄を徹底的に排除したリーンな生産を目指したスマートファクトリー化に取り組むことで、市場ニーズの変化に応じた生産体制を構築するとともに、高品質な製品の提供を前提とした原価低減活動を推進し、価格競争力の維持・向上に努めていると認識している。
・ 一方で、小川哲史氏は、このような厳しく変化の絶えない事業環境の中において、グローバル自動車部品メーカーとして、今後も安定的かつ柔軟に高品質な製品の供給を継続するためには、自動車メーカーの今後の事業戦略に合わせた生産体制の構築やサプライチェーン全体における取引適正化、各種プロセスのDX推進による抜本的な効率化を従来以上に迅速かつ大胆に行うことが必要不可欠であると考えている。
・ 具体的には、当社グループの主要拠点である日本・米国における電動車部品の生産能力増強に向けた拡充、今後の成長が見込まれるインド市場を見据えたアセアン拠点の強化、BEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)へのシフトによりローカル自動車メーカーが台頭している中国やBEVの販売が鈍化しつつある欧州における拠点の再編や生産・販売体制の最適化を通じて、自動車メーカーのグローバル戦略に沿った経営資源の転換や再配分に果敢に取り組んでいく必要があると考えている。また、あらゆる生産工程の可視化・デジタル化を通じた生産全体のプロセスの最適化や東大垣・北大垣工場といった国内のグローバルマザー工場で培った技術・生産・改善ノウハウの海外拠点への横展開によるグローバルでのスマートファクトリー化の実現が必要であると考えている。
・ これらの施策を通じて、グローバルでのサプライチェーン全体の最適化・安定化を追求することで、中長期的には収益性の向上による強固な事業基盤の確立を目指していく。
(Ⅲ)持続的な成長を見据えた新事業の創出
・ 自動車業界を取り巻く競争環境が日々劇的に変化する昨今の状況を踏まえ、当社グループは、上述したような電動化に向けた成長戦略に取り組むとともに、モビリティ以外の分野における中長期的な事業の柱の創出に注力していると認識している。
・ 当社の中長期経営構想「Beyond the OCEAN」では、2030年度のめざす姿として「無線・アプリ・クラウド・AI・ビッグデータを活用したデータビジネスを新事業の柱へ」を掲げ、足元では、社内公募型の新事業創出プロジェクトの開催やオープンイノベーション推進室の新設により、新事業案を発掘し、新しい価値を生み出すことができる企業風土の醸成を目指していると認識している。
・ しかしながら、小川哲史氏は、2030年度のめざす姿を達成するためには、上記の各施策の更なる推進に加えて、既に高い競争優位性を確立している無線通信技術・センシング技術・AI技術といったコア技術の深化による社会課題や顧客課題を先取りした新事業の開発、外部の経営資源の活用による新事業領域への迅速な展開が必要不可欠であると認識している。
・ 具体的には、2025年10月に稼働を開始する当社の技術開発センターにおける、試作・評価といった開発・生産技術の一体的な研究開発体制の構築やイノベーションエリアの拡張等を通じた、多様な人財が挑戦・活躍できる開発環境の整備による、新事業創出の加速が必要不可欠であると考えている。また、当社グループとシナジー効果を生み出すことができる企業との機動的な業務提携やM&Aを含むアライアンス等を通じて、パートナーが保有する最先端の技術力やノウハウ・アイデア等と当社グループの技術を融合することで、モビリティ分野だけでなく、防災・減災、農業、ヘルスケア等の分野で社会課題解決型サービスを提供し、非連続的な成長を実現することが可能になると考えている。
(Ⅳ)サステナビリティ経営の実現に向けた人財の育成・確保
・ 国内の少子高齢化の進展による労働人口の減少や若者の自動車離れが進む中、自動車産業の企業における人財の確保については、今後ますます困難になることが予測される。また、当社グループにおいては、将来の厳しい事業環境の下で中長期的な成長を実現するためには、パーパスである「思いをこめて、あしたをつくる」の実践に加えて、上記(Ⅰ)乃至(Ⅲ)の施策の実行を含む企業改革を実現できる優れた人財の育成・確保が必要であり、人的資本の強化による従業員一人ひとりの能力向上や、多様な従業員が「思い」をもって成長・活躍できる仕組みづくりが必要であると考えているものと認識している。
・ かかる状況下、当社グループにおいては、多様な従業員がそれぞれの強みを発揮するための環境整備の一環として、人的リソースの最大化と職場環境の改善、人権の尊重と働きやすい環境の提供、従業員の安全と健康を優先する取り組みといった「基盤充実施策」と、人財の成長を促進するためのスキルアップやキャリア支援、挑戦できる風土への変革といった「事業成長施策」の両輪で人財戦略を推進し、従業員エンゲージメントを高めることで、従業員自らが積極的に提案し挑戦できる心理的安全性の高い職場の実現に取り組んでいると認識している。
・ しかしながら、小川哲史氏は、今後も自動車業界の変化に順応し持続的な成長と競争力を維持・向上するためには、人的資本である従業員一人ひとりが電動化、DX化、グローバル化といった時代の潮流に沿った最先端の専門知識・技術を身に付けるとともに、「挑戦できる風土」の中で、実際に自ら考え行動できる意欲ある人財の育成・確保が必要不可欠であると考えている。
・ 具体的には、リーダーシップやマーケティング等のビジネススキル全般に関する教育プログラムの強化、キャリア形成や学び直し支援の積極的な推進による誰もが力を発揮できる環境の整備、従業員のスキル・能力の可視化と不足分野の強化が必要であると考えている。
・ さらに、全従業員に対して、DXリテラシー教育を実施し、DXを自分事と捉えた全社一体活動を推進することで、デジタルリテラシーを底上げするとともに、DX専門人財を部署毎の特性に合わせ適材適所に配置することによって、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出し、社内の人財リソースの適正化に取り組みたいと考えている。企業の持続的な成長の基盤となるものが人財であり、上述のような人財投資こそが、当社グループの中長期的な企業価値向上には必要不可欠であると考えている。
イ 当社が想定する本取引の意義
当社意見表明プレスリリース及び本ヒアリング等によれば、当社が想定する本取引の意義は、以下のとおりである。
・ 当社を取り巻く事業環境は大きく変化し、持続的な成長に関する不確実性が非常に高くなっており、上場を維持したままでは、中長期的には企業価値の向上に資する研究開発や設備投資等であっても、短期的に収益やキャッシュ・フローの悪化をもたらすおそれがある場合には、株価への配慮から実行を見送らざるを得ない場合もあり、国内外の競合他社に対して遅れを取るおそれがある。
・ 本取引によって当社株式が非公開化される場合には、上記2つのリスクを回避して短期的な成果や株価への影響にとらわれることなく、研究開発や設備投資等を柔軟かつ迅速に行うことが可能と考えている。
また、当社としても公開買付者の考える(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の各施策は、施策の実行が必要であると考えている。すなわち、当社は、(Ⅰ)将来的なカーボンニュートラルを見据えた更なる技術開発力の強化については、脱炭素時代の中で当社が持続的な成長をするため、自動車の電動化に順応した、迅速な製品・技術開発を強みとして、競合他社対比での競争優位性を高めることが必要であり、(Ⅱ)高品質な製品の安定的かつ長期的な供給に向けたサプライチェーンの強靭化とコスト低減による競争力の強化については、米国の関税引き上げ、労務費、原材料や物流コストの上昇等による環境変化の中、安定した商品供給体制を確立するためには、サプライチェーン全体における各種プロセスのDX投資による抜本的な効率化が必要であり、(Ⅲ)持続的な成長を見据えた新事業の創出については、自動車業界を取り巻く環境が日々変化する中、当社が強固な事業基盤を構築するためには競争激化に対応するだけではなく、社会や顧客の課題やニーズの変化に即した、新事業の開発が必要であり、(Ⅳ)サステナビリティ経営の実現に向けた人財の育成・確保については、当社が中長期的な成長を実現するためには少子高齢化による労働人口の減少や自動車離れが加速する社会において、人財の確保及び育成が不可欠であるため、いずれの施策も当社の中長期的な企業価値向上のために推進していくべきと考えている。
ウ 公開買付者と当社が想定する本取引の意義の評価
公開買付者の考える(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の各施策は、前述した当社の経営課題を的確に捉えており、当社の認識及び中長期的な経営方針とも整合的である。また、当社グループの経営について深く理解している、創業家一族であり当社の現代表取締役社長小川哲史氏、及び現代表取締役会長小川信也氏が今後も経営に関与し、所有と経営が一体化した形で柔軟かつ機動的な経営判断が行われることを踏まえると、各施策の実現可能性を否定するに足る事情はない。
エ 他の手法との比較
公開買付届出書及び当社意見表明プレスリリースによれば、2024年7月下旬以降、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の各施策を具体的に検討する過程で、小川哲史氏は、かかる施策は直ちに当社グループの業績に貢献するものではなく、相応の時間と各種先行投資が必要になることから、利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等、一時的に当社グループの財務状況や業績を悪化させるリスクがあり、当社グループが期待される利益を生み出すことが一時的に困難となる可能性も否定できないと考えるようになった。
また、小川哲史氏は、かかる考えを持つに至ると同時に、当社が上場企業であるがゆえに、短期的な業績に対してコミットメントが求められる中、上記の各施策の実行により中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価を得られず、当社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性もあるため、当社が上場を維持したまま、これらの施策を実施することは困難であると考えるようになった。他方で、大変革期の中にある自動車業界において激化する競争環境下で勝ち抜くためには、可及的速やかにこれらの施策を実施するべきであると強く認識するようになった。
加えて、小川哲史氏は、当社の1962年10月の名古屋証券取引所市場第二部への株式上場以来、当社が知名度の向上による優れた人財の確保や社会的信用の向上等、上場会社として様々なメリットを享受してきたと認識している。一方で、当社が金融機関から効率的に資金の調達を行ってきた実績を踏まえると、事業活動に必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入れによって確保することが可能であり、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれないこと、また、当社グループは、90年以上の歴史を有するグローバル自動車部品メーカーとして業界内で確固たる地位を築いており、これまでの長きにわたる事業活動を通じて、一定のブランド力や取引先に対する信用力は既に確保できていると考えていること等から、現在では当社が上場を維持する必要性やメリットが低下している状況であると考えた。
さらに、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書等を通じたステークホルダーに対する追加的かつ継続的な情報開示事項は年々増加しており、上場会社として株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストの負担は増加傾向にあり、小川哲史氏としては、これらのコストが当社グループの経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあるとの考えに至った。
上記のような状況を踏まえ、小川哲史氏は、2024年8月上旬、当社の代表取締役会長である小川信也氏に対して上記の考えについて説明し、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の施策を可及的速やかに実施すべきであるものの当社が上場を維持したまま実施することは困難である点、現在では当社が上場を維持する必要性やメリットが低下している点について合意を得たことを踏まえて、当社グループの企業価値向上を考える上で、成長戦略の遂行のための手段の選択肢のひとつとして、当社株式の非公開化の可能性について検討を開始した。
小川氏らは2024年8月上旬以降、当社グループの事業戦略や各施策の実施に一定の時間を要する可能性が高い点、事業環境の変化及び市場での競争激化により各施策を迅速に実施する必要がある点、非公開化の実現可能性、非公開化に伴う事業面・財務面、各ステークホルダーへの影響等について慎重に検討を重ねた結果、2024年9月中旬、短期的な利益にとらわれずに、安定的かつ持続的に当社グループの企業価値を向上させるためには、当社株式を非公開化することが、上記の各施策の実行に伴う一時的な業績の悪化等によって株価が低迷するといった当社の株主のリスク負担を回避しつつ、各施策を機動的に実践するために最も有効な手段であるとの結論に至った。
同時に、小川氏らは、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の施策を中長期的な視点から一貫性をもって実践し、企業価値向上を推進するためには、これまでの当社の事業運営の連続性も確保しつつ当社株式を非公開化する必要があり、そのためには、当社の創業家一族かつ現代表取締役会長及び現代表取締役社長として、当社グループの経営について最も深く理解している小川氏ら自らが継続して経営を行うこと、及び、小川氏ら自らのコミットメントの下に所有と経営を一致させ、柔軟かつ機動的な経営判断を行うことが必要であると考えたため、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法が最適な手段であるという結論に至った。
以上の点に鑑みると、上場を維持したままでの大胆な事業変革や、他の提携先とのM&Aによる非上場化等のほかの手法によらず、本取引による企業価値向上の実現を目指すという判断は、合理的なものと考えられる。
オ 本取引による他の影響
本検討資料の検討及び本ヒアリング等の結果、本取引により当社の事業活動にもたらされる懸念については、以下の事項が確認された。
(ア)顧客・仕入先を含む取引先に対する影響
・ 当社は、90年以上の歴史を有するグローバル自動車部品サプライヤーとして業界内で確固たる地位を築いており、これまでの長きにわたる事業活動を通じて、一定のブランド力・知名度や取引先からの信用力等、相当程度の事業基盤をすでに確保しているため、非公開化後も、これまでどおり取引先との良好な関係を維持することは可能と考えている。また、これまで以上に安全性の向上や環境負荷の低減に寄与する新事業・新技術・新製品の開発の推進を通じて、これまで応援していただいた株主を含めたすべてのステークホルダーの信頼・期待に応えることを目指し、中長期的には更なる企業イメージ及びブランド力の向上に繋がると考えている。
(イ)今後の資金調達への影響
・ 当社は、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は見込んでいないものの、本取引による非公開化におけるLBOローンの組成に際して、各金融機関から多額の支援を得られるものと理解しており、本取引後に追加の資金調達を実施する場合には、与信審査上のハードルとなるものと認識している。
・ 一方で、これまでのトラックレコード等に加え、当社は健全な財務基盤を有しており、取引いただいている各金融機関とも良好な関係を構築できているものと理解しており、資金調達に影響はないものと考えている。
(ウ)コンプライアンス体制への影響
・ コンプライアンス体制の維持・強化は上場か非上場に関わらず、継続的な事業成長を図る上で重要と認識している。上場廃止後もこれまで以上の体制づくりに取り組んでいくことを想定しており、また、上場を維持するために必要な人的・金銭的リソースを、事業運営上の諸活動のほか、その適切な管理を行うための諸活動に割り当てることで、ガバナンス体制の更なる強化が可能であると考えている。
(エ)今後の人材採用への影響
・ (ア)で述べたとおり、当社は、90年以上の歴史を有するグローバル自動車部品サプライヤーとして業界内で確固たる地位を築いており、これまでの長きにわたる事業活動を通じて、一定のブランド力・知名度や取引先からの信用力等、相当程度の事業基盤をすでに確保している。これらは他社に対する採用面での競争優位性にも繋がっていると考えており、本取引に伴う上場廃止が今後の人材採用へ悪影響を与える影響は限定的であると考えている。
(オ)既存の従業員に対する影響等の有無・程度及び対応策
・ 当社は、本取引後も少なくとも現状の雇用と処遇を維持していきたいと考えている。また、公開買付者側からは、人的投資・人財育成の更なる拡充を検討している旨の回答を得ており、従業員にとっても本取引は大きなメリットがあるものと考えている。そのため、本取引に伴う上場廃止が既存の従業員に対して及ぼすマイナスの影響はないものと考えている。
(カ)当社の事業及びステークホルダーに対する影響
・ 本取引は当社の企業価値を高めることが期待できるものであり、当社の株主からも前向きな評価を頂けるものと考えている。また、上場廃止によるデメリットについては、上場会社としての信用力の低下、エクイティ・ファイナンスによる資金調達手段の制約、人的リソースの維持・確保(新規採用、既存従業員のリテンション)等が想定されるものの、当社の事業基盤やブランド力や信用力はすでに確立されており、当面エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性はなく、上場廃止が理由となり人財不足に陥る可能性も極めて低いと考えている。そのため、上場廃止によるデメリットはないと考えている。
・ また、取引先や従業員については、本取引の公表後に丁寧な説明を行うことで、本取引についてご理解をいただけるものと考えている。
(キ)本取引に係る資金調達による影響
・ 公開買付者らは、本取引に係る必要資金を銀行からのLBOローンと優先株式により調達することを想定している。公開買付者らとしては、いずれについても、返済又は償還、金利又は負担及びコベナンツ等の各種条件に関して、当社の事業運営に影響を与えないよう、当社のキャッシュ・フローや財務状況等を考慮して調達することを想定している。
・ 当社も、公開買付者らの回答を前提とすれば、本取引に係る資金調達に関し、返済又は償還、金利又は負担及びコベナンツ等の各種条件に関して、必要な投資やキャッシュ・フローを踏まえ、当社の事業運営に影響を与えるものではないと考えている。
以上の点及びこれに関する当社との間の質疑応答等の内容に鑑みると、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものは特に見受けられない。
(b)-2-3 小括
以上の事実を前提にすれば、本取引により想定されるシナジーは合理的なものということができ、公開買付者らの想定と当社の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、当社が認識する経営課題の解決に資することが認められる。
また、上場を維持したままでの大胆な事業変革や、他の提携先とのM&Aによる非上場化等の他の手法によるのではなく、本取引によるべき理由として説明された内容も合理的なものであると認められ、本取引によることも相当であると考えられる。加えて、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられない。
したがって、本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。
(b)-3.取引条件の妥当性(本諮問事項2関係)
本諮問事項2は、本公開買付けを含む本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性は確保されているか否かを問うものである。
M&Aにおける条件の妥当性を検討するに当たっては、①買付者との取引条件に関する協議・交渉過程において、企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況を確保すること、②取引条件の妥当性の判断の重要な基礎となる株式価値算定の内容と、その前提とされた財務予測や前提条件等の合理性を確認すること、③買収対価の水準だけでなく、買収の方法や買収対価の種類等の妥当性についても検討することが重要とされている(M&A指針3.2.2)。
また、M&A指針は、上記②の具体的内容として、専門性を有する独立した第三者算定機関による株式価値算定結果に加えて、算定の前提とされた事業計画の位置付けやその実現可能性、用いられた算定方法の特性、同種のM&Aにおいて一般に付与されるプレミアムの水準、当該M&Aを行わなくても実現可能な価値、想定される当該M&Aによる企業価値増加効果を検討することが望ましいとしている(M&A指針3.3.2.1B))。同様に、M&A指針は、上記③の具体的内容として、代替取引の有無や内容の検討を行うことが望ましいとしている(M&A指針3.3.2.1B))。
そこで、本特別委員会としても、M&A指針の指摘事項を踏まえて上記①乃至③を通じて、本取引における条件の妥当性の検討を行う。
(1)交渉状況の確保
まず、本取引において、上記①の「一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況の確保」が認められる前提として、これらを推認させる要素である手続の公正性が認められることは、下記(b)-4.で本諮問事項3の検討を通じて本特別委員会が確認するとおりである。
これに加え、当社は、2025年6月25日に公開買付者から本公開買付価格を1,600円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の価格提案を受けた後、山田コンサルから受けた当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容及び当該試算結果を踏まえて妥当な価格までは交渉するという交渉方針を含む本特別委員会の意見に基づき、山田コンサルの助言を受けながら、2025年7月4日、公開買付者に対して、当社一般株主保護の観点から本公開買付価格を引き上げることについての要請を行った。その後、2025年7月7日、当社は公開買付者から本公開買付価格を1,800円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の価格提案を受け、2025年7月10日付で、公開買付者に対して、当社一般株主保護の観点から本公開買付価格を引き上げることについての要請を行った。その後、2025年7月16日、当社は公開買付者から本公開買付価格を1,900円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の価格提案を受け、2025年7月18日付で、公開買付者に対して、当社一般株主保護の観点から本公開買付価格を引き上げることについての要請を行った。その後、2025年7月22日、当社は公開買付者から本公開買付価格を1,970円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の価格提案を受け、2025年7月23日付で、公開買付者に対して、当社一般株主保護の観点から本公開買付価格を引き上げることについての要請を行った。
その後、2025年7月24日、当社は公開買付者から本公開買付価格を2,050円、本新株予約権買付価格を1円とする旨の価格提案を受けた。当該提案を受け、当社及び本特別委員会において検討した結果、下記(2)カ記載のとおり、本公開買付価格の水準は合理的であるとの結論に至り、本公開買付価格を2,050円、本新株予約権買付価格を1円とすることで最終的に公開買付者との間で合意に至ったものである。そして、かかる一連の交渉は、その過程において、当社又は山田コンサルから、委員会の場で又は電子メールにて適時に本特別委員会に対して状況の共有及び説明がなされ、随時本特別委員会において方針を確認しながら交渉状況の確保を行った。
このように、当社は、当社の企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力を行っている。
以上からすれば、本取引における本公開買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
(2)株式価値算定と本公開買付価格の関係
ア 事業計画の合理性
本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たっては、山田コンサルによる株式価値の算定結果が中心的な資料となるが、これは当社作成の事業計画(以下「本事業計画」という。)を基礎資料としていることから、前提とされている本事業計画が信用するに足りるかどうかが問題となる。特に本事業計画は、本取引が実施される可能性が具体的に認識された後に作成及び修正されたものであるため、本取引の成否に影響を与える目的による恣意が介在しやすいという点に留意が必要である。
本ヒアリング等及び当社意見表明プレスリリースによれば、本事業計画は、2026年3月期から2030年3月期までの当社の財務予測として、本取引が実施される可能性が具体的に認識される前の2023年4月に公表された当社の中期経営計画の基礎資料に準拠し、本取引の実施を前提としないスタンドアローン・ベースで2025年6月に作成されており、本ヒアリング等によれば、公開買付者ら又はそれらの関係者がその作成に関与し、又は影響を及ぼした事実は窺われない。
また、本特別委員会の開催期日において、当社から本特別委員会に対する説明の機会が設けられ、質疑応答が行われたが、その中では、本事業計画の修正を要する事情その他本事業計画の合理性に疑念を差し挟むべき事情は見当たらなかった。
すなわち、本ヒアリング等によれば、本事業計画は第3回委員会において本特別委員会により承認された後、修正され、改めて第8回委員会において提示されている。本ヒアリング等によれば、当該修正についても、公開買付者ら又はそれらの関係者が関与し、又は影響を及ぼした事実は窺われない。また、当該修正は、トランプ関税による市況の変化及び国内外での自動車生産台数の見直し等に伴って行ったものであるが、事業計画と足元の実績に差が生じた場合における同様の修正は過去においても数回あった。なお、本事業計画において大幅なフリー・キャッシュ・フローの増減があるが、その合理性については第13回委員会にて特段の問題がないことを確認した。そのため、本事業計画の修正は当社の通常の事業遂行の過程において行われたにすぎないといえる。
以上からすれば、本事業計画については、その策定プロセスに、公開買付者らの圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められない。
イ 算定方法及び算定根拠の合理性
本特別委員会は、第9回委員会及び第10回委員会において、山田コンサルから、当社株式の株式価値の算定結果、算定方法及び算定結果に関する考察過程等について詳細な説明を受けた。
まず、山田コンサルが採用した評価手法は、継続企業を前提とした企業価値評価手法であり、具体的には、市場株価法、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」という。)を採用している。市場株価を基準にして、将来キャッシュ・フローの現在価値を評価に織り込むDCF法にて評価上限を把握する評価手法の組み合わせは、企業評価の標準的アプローチに沿ったもので妥当である。
山田コンサルが採用した評価手法のうち、市場株価法は、本取引の公表日の前営業日を基準日とし、基準日の終値並びに基準日の直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間のそれぞれの終値の単純平均値を基に株価を算出している。当社の株価推移については、特別な要因によると思われる重要な変動は存在せず、特段異常な動きはないことからみても、山田コンサルの算定における株価評価期間は適切であり、市場株価法による価格レンジは十分合理的なものであると判断された。
類似会社比較法については、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算出している。当該類似企業の選定について、山田コンサルから、当社の認識及びマーケットからの評価も踏まえて採用されたものであること等について説明を受けており、当該説明に特に不合理な点はなく、当社の類似企業の各マルチプルを基に算出された価格レンジは十分合理的なものであると判断された。
次にDCF法については、各算出要素において恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定がなされた場合には、最終的な算定結果が大きく変動する可能性がある。かかる観点から、本ヒアリング等において、山田コンサルに対してその算定過程の確認を行ったが、DCF法で採用した各種算出根拠については、特段指摘すべき恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定は見受けられなかった。
以上のとおり、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法の選択、並びにそれぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、本特別委員会は、当社株式の株式価値の検討に当たり、山田コンサルが作成した本株式価値算定書に依拠することができるものと評価した。
ウ 株式価値算定の結果
山田コンサルが作成した本株式価値算定書によれば、各算定方法による当社株式の株式価値は以下の表1のとおりである。
<表1 山田コンサルによる当社株式の株式価値>
| 算定方法 | 基準日 | 1株当たり株式価値 |
| 市場株価法 | 2025年7月24日 | 1,317円~1,461円 |
| 類似会社比較法 | 2025年7月22日 | 668円~1,804円 |
| DCF法 | 2025年7月22日 | 1,594円~2,393円 |
本公開買付価格である1株当たり2,050円は、市場株価法及び類似会社比較法に基づく算定レンジの上限を上回り、DCF法による算定結果のレンジの中央値(1,994円)を上回り、その範囲内に入る価格であると認められる。
以上から、本公開買付価格は、山田コンサルにより算定された当社株式の株式価値との比較の観点からしても、一般株主にとって不利益ではない水準に達していると考えられる。
エ プレミアムの検討
(ア)本取引におけるプレミアム
本ヒアリング等における山田コンサルの説明によれば、本公開買付価格は、2025年7月24日(以下「直前営業日」という。)までの東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値に対して、以下の表2に示すプレミアムを加えた金額となっている。
<表2 本公開買付価格のプレミアム>
| 参照値 | 株価 | プレミアム |
| 直前営業日の終値 | 1,461円 | 40.31% |
| 直前営業日の過去1ヶ月の平均終値 | 1,367円 | 49.96% |
| 直前営業日の過去3ヶ月の平均終値 | 1,317円 | 55.66% |
| 直前営業日の過去6ヶ月の平均終値 | 1,341円 | 52.87% |
(イ)他の案件との比較
公開買付け全般について、株価に対していくらのプレミアムが適正であるかについて一義的・客観的な基準を設けることはできないため(M&A指針2.2.2)、上記のようなプレミアムが付されていることをもって、直ちに本公開買付価格が妥当あるいは不当であると断ずることはできないと特別委員会は認識している。
ただし、本ヒアリング等における山田コンサルの説明によれば、上記プレミアムは公正なM&Aの在り方に関する指針が公表された、2019年6月28日から2025年5月15日までに公表されたMBOの一環として行われる公開買付けにおける事例167件における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの平均値(44.31%)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値(46.99%)、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値(48.47%)、及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値(47.51%))と比較して、合理的な水準といえる。
オ PBRとの関係
本公開買付価格である1株当たり2,050円は、当社の2025年6月30日現在の1株当たり純資産額である2,877円(本公開買付価格は当該金額との比較で28.75%のディスカウント)を下回っているものの、当社及び山田コンサルの説明によれば、仮に当社が清算する場合においても、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、所有する土地建物は本社及び工場であるところ、本社及び工場の各建屋等は建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると簿価により売却することが困難と見込まれるため、更地での売却が必要であり、建屋の取り壊しにも費用を要すること、機械装置については売却に伴い撤去の基礎工事に係る相当程度の追加コストが発生し、製造工程の仕掛品や製品、原材料は廃棄等を考慮すると、相当程度の毀損が見込まれる。加えて、子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、当社の株主の皆様に最終的に分配されることとなる金額は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定さる。また、純資産額は、当社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えられる。
したがって、本特別委員会としては、本公開買付価格が当社の1株当たり純資産額を下回っていることをもって、その合理性が否定されることにはならないと考える。
カ 小括
以上のような山田コンサルによる株式価値算定の結果との比較の観点に加え、本取引において、過去事例の水準と概ね近接しており遜色がないプレミアムが確保されていると認められること、さらには本公開買付価格が当社株式の上場来高値最高値である1,998円(2018年10月4日)を上回っていることを勘案すれば、本公開買付価格の水準は、合理的であるとの結論に達した。
なお、本事業計画及びそれを基にした本株式価値算定書は、スタンドアローン・ベースで作成されているものである。もっとも、上記エで述べたようなプレミアム水準が確保されていることを踏まえれば、本件においては、M&A指針における①M&Aを行わなくても実現可能な価値の全てと、②M&Aを行わなければ実現できない価値のしかるべき部分を一般株主が享受すべきである旨の指摘(M&A指針2.2.1)への配慮もなされていると認められる。
以上のような諸事情を勘案すれば、本公開買付価格は、当社株式の株式価値が適正に反映されたものと考えることができ、その価格の妥当性が否定される水準ではないと評価できるものと考えられる。
(3)スキーム等の妥当性
本取引においては、一段階目に本公開買付けを行い、二段階目に当社株式の併合(以下「本株式併合」という。)を行うという手法が想定され、株式交換等の組織再編によることは想定されていない(なお、本スクイーズアウト手続が完了し、当社の株主が公開買付者及び本不応募合意株主のみとなった段階において、公開買付者が当社の唯一の株主となることを目的として、公開買付者を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とし、公開買付者の普通株式を対価とする株式交換を実施することは想定されている。)。本取引の手法は、この種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、二段階目の手続において、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。
また、本取引の方法は、株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で望ましく、当社の完全子会社化を迅速に行うという要請と、一般株主等による十分な情報に基づく適切な判断の機会と時間の確保を両立させることができるという観点でも、特に株式等を対価とする株式交換等の組織再編よりも望ましいと考えられる。公開買付届出書によれば、本株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定される予定であることも明らかにされている。
以上より、買収の方法として公開買付けを伴う二段階買収の方法を採用し、買収対価を現金とすることには、合理性が認められる(M&A指針3.2.2)。
(4)本新株予約権買付価格の妥当性
本新株予約権買付価格は、本新株予約権1個当たり1円とされている。これは公開買付者において本新株予約権を取得しても行使ができないものであることを踏まえると、不合理ではないと考えられる。
(5)小括
上記(1)から(4)までにおいて述べたとおり、本取引の交渉状況やスキーム等の妥当性を前提に、本公開買付価格については、その妥当性が認められる。また、本取引においては、一般株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることから、本公開買付けを含む本取引の条件の妥当性は確保されていると認められる。
(b)-4.手続の公正性(本諮問事項3関係)
次に、本特別委員会は、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性の確保が認められるか否かを、M&A指針で挙げられている公正性担保措置の採用及び運用の状況を確認することを通じて検討を行った。
(1)特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
本特別委員会は、当社より、本諮問事項についての諮問を受けており、本諮問事項の検討に当たって、M&A指針で特別委員会が果たすべきとされる役割(具体的には、①対象会社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、M&Aの是非について検討・判断するとともに、②一般株主の利益を図る観点から、(ⅰ)取引条件の妥当性及び(ⅱ)手続の公正性について検討・判断すること)を実施している(M&A指針3.2.2)。
このほか、本特別委員会については、以下の点への配慮があることから、公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
①2024年10月25日に小川信也氏及び小川哲史氏から本取引に関する意向表明書を受領した後、同月28日に本特別委員会が設置され、同年11月6日に第1回委員会が開催されており、買収者から買収提案を受けた後、可及的速やかに設置・開催がされた(M&A指針3.2.4.1)。
②本特別委員会の委員は当社独立社外取締役4名で構成されており、各委員について、当社及び公開買付者ら並びに本取引の成否から独立し、委員としての適格性を有することを確認した(M&A指針3.2.4.2 B)a))。
③本特別委員会は、本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができることを確認した(M&A指針3.2.4.4)。
④本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー若しくはリーガル・アドバイザーを承認(事後承認を含む。)した上で、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当該アドバイザーから専門的助言若しくは説明を受けること、又は独自のファイナンシャル・アドバイザー若しくはリーガル・アドバイザーを選任した上で当該アドバイザーから専門的助言を受ける(この場合の費用は当社が負担する。)権限が与えられているところ、第1回委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサル及び当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、それぞれ独立性に問題ないことを確認の上、必要に応じて専門的助言又は説明を求めることを確認した(M&A指針3.2.4.5)。
⑤本特別委員会は、公開買付者に対し質問事項を送付し、回答を得たうえで、当社から説明を受け、情報提供を求めるなど、検討及び判断に必要な情報を収集した(M&A指針3.2.4.6)。
⑥本特別委員会の各委員の報酬には、答申内容にかかわらず、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれていない(M&A指針3.2.4.7)。
⑦当社取締役会は、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議した(M&A指針3.2.5)。
(2)意思決定のプロセス
M&Aへの賛否を決定する取締役会決議において、当該M&Aに重要な利害関係を有する者を除く取締役全員の賛成及び監査役全員の異議がない旨の意見があった場合には、当該M&Aにおいて公正性担保措置が有効に機能したことを示す事情の一つとなるとされている(M&A指針3.2.5脚注46)。
当社については、本答申書作成日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計9名のうち、小川信也氏及び小川哲史氏を除く取締役7名)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の判断に委ねることが決議される予定である。なお、当社の代表取締役会長である小川信也氏及び当社の代表取締役社長である小川哲史氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、本取引において当社と利益が相反し又はそのおそれがあることを踏まえて、上記の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る検討並びに公開買付者との協議及び交渉に一切参加していない。
加えて、当社は、上記(1)のとおり、本特別委員会を設置してその意見を取得することとしているが、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることなどを踏まえれば、本取引に関する当社の意思決定の恣意性は排除され、意思決定のプロセスの公正性、透明性及び客観性が確保されているといえる(M&A指針3.2.4.4及び3.2.5)。
以上からすれば、当社における意思決定プロセスに、公正性に疑義のある点は見当たらない。
(3)独立した法律事務所からの助言の取得
当社意見表明プレスリリースによれば、当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、2024年10月下旬に、当社及び公開買付者らから独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有していない。また、本特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性に問題がないことが確認されている。さらに、本取引に係るアンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていない(M&A指針3.3.1)。
以上から、当社及び本特別委員会は、本取引に係る検討の初期的段階からリーガル・アドバイザーによる専門的助言を取得していると認められる。
(4)独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社意見表明プレスリリースによれば、当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、山田コンサルに当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年7月24日付で本株式価値算定書を取得している(M&A指針3.3.2)。
本株式価値算定書においては、上記(b)-3で詳述するように、複数の算定方法を採用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、算定の前提となる本事業計画の作成に当たって、公開買付者ら又は当社の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。
以上から、本株式価値算定書は、独立した第三者算定機関による株式価値算定書であると認められる。
なお、当社はフェアネス・オピニオンの取得はしていないが、M&A指針でもフェアネス・オピニオンの取得は必須とされておらず(M&A指針3.3.2.2)、本取引は独立した当事者の間で行われるものであり、他にとられる公正性担保措置を勘案すると、当社が本株式価値算定書をもとに本取引への賛同及び応募推奨の可否の判断をすることも、公正性との関係で問題はないと考えられる。
(5)マーケット・チェック
公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」という。)を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定している。公開買付期間を法定の最短期間に照らして長期に設定することにより、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保することを企図している。
また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない(M&A指針3.4.2脚注63)。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、いわゆる間接的なマーケット・チェックを実施し、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。
なお、本取引において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含む。)は実施されていないが、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するために実施された各種措置の内容、その他本取引における具体的な状況に鑑みて、これを実施しなくとも特段、本取引の公正性が阻害されることはないと考えられる。
(6)マジョリティ・オブ・マイノリティ
公開買付届出書によれば、公開買付者は、買付予定数の下限を35,841,900株(所有割合:62.02%)に設定しており、応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わない予定である。かかる買付予定数の下限は、当社が2025年7月25日に公表した「2026年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2025年6月30日現在の当社の発行済株式総数(61,312,896株)に、(ⅰ)当社から報告を受けた2025年7月25日現在残存する本新株予約権の合計である1,184個の目的となる当社株式数(118,400株)を加算した数(61,431,296株)から、(ⅱ)当社から報告を受けた同日現在の当社が所有する自己株式数(3,639,647株)を控除した株式数(57,791,649株)から、本不応募合意株式数(2,689,432株)を控除した株式数(55,102,217株)の半数に相当する株式数(27,551,109株、所有割合:47.67%)を上回るものとなる。すなわち、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数の賛同が得られない場合に本公開買付けは成立せず、当社の一般株主の意思を重視した設定となっており、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」条件を満たしている。
したがって、本公開買付けの成立には、本公開買付けと利害関係のない一般株主の過半数の賛同(応募)を要し、かかる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」条件は、一般株主による判断機会の確保をより重視することにつながり、かつ、一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることに資するものと認められる(M&A指針3.5.1)。
(7)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
M&A指針では、一般株主による取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料の提供が推奨されており(M&A指針3.6.1)、具体的には、特別委員会に関する情報や株式価値算定書に関する情報等についての充実した開示が期待されている(M&A指針3.6.2)。
本取引では、公開買付届出書及び当社意見表明プレスリリースにおいて、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び本特別委員会の委員の報酬体系等(M&A指針3.6.2.1)、本株式価値算定書の概要(M&A指針3.6.2.2)、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯等(M&A指針3.6.2.3)について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主等に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料は提供されていると認められる。
(8)強圧性の排除
公開買付届出書によれば、本公開買付けの成立後、公開買付者は、当社に対し、会社法第180条に基づき本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会を2025年10月中旬~11月上旬頃に開催することを要請する予定であるところ、本株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定する予定であることが明らかにされている(なお、最決平成28年7月1日 民集70巻6号1445頁〔J:COM事件〕は、利益相反性のある二段階買収において、一般に公正と認められる手続により公開買付けが行われ、その後に対象会社株式の全部取得条項付種類株式化とその取得が行われる場合には、特段の事情がない限り、裁判所は、全部取得条項付種類株式の取得における取得価格を公開買付価格と同額とするのが相当である旨判示している。)。
さらに、当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が、それぞれ確保されていることを踏まえると、本公開買付けについて、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められる(M&A指針3.7)。
(9)総括
上記(1)から(8)までに記載のとおり、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、(ⅱ)一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点(M&A指針2.4)から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。
(b)-5.本諮問事項4について
本諮問事項4は、本取引が当社の一般株主にとって不利益なものでないか否かを問うものであるところ、上記(b)-1(2)記載のとおり、本上場規程等改正を踏まえ、本取引は当社の一般株主にとって公正であると考えられるかを以下のとおり答申するものとする。
本特別委員会としては、本諮問事項1から3までで検討を要請されている事項が、本諮問事項4を検討する際の考慮要素になるものと考えているところ、本特別委員会における検討の結果、本諮問事項1から3までについて、いずれも問題があるとは認められないことは、上記(b)-2から(b)-4までで述べたとおりである。
以上から、本特別委員会は、本諮問事項4について、本取引を行うことは、当社の一般株主にとって公正であると考えられる旨の意見を答申する。
(b)-6.本諮問事項5について
本諮問事項5は、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非を問うものであるところ、これは当社取締役会における本取引についての決定の是非を問うものであるといえる。そのため、本特別委員会は、当社取締役会が予定している、本公開買付けに賛同意見を表明すること、並びに当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の判断に委ねることの是非について答申するものとする。
本特別委員会としては、本諮問事項1から4までにおいて、本取引の目的の合理性、本取引に係る手続の公正性及び本取引に係る取引条件の妥当性が確認され、かつ、本取引を行うことが当社の一般株主にとって不利益なものでないことが確認されることにより、本諮問事項5を是認する理由になるものと考える。そして、本特別委員会における検討の結果、本諮問事項1から4までについて、いずれも問題があるとは認められないことは、上記(b)-2から(b)-5までで述べたとおりである。また、本新株予約権買付価格については、上記(b)-3(4)で述べたとおり、不合理ではないと考えられるものの、1円とされていることから、本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の判断に委ねることが相当である。
以上から、本特別委員会は、本諮問事項5について、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨及び本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議を行うことは相当であると認められる旨の意見を答申する。
なお、上記答申は、本答申書作成時点における本特別委員会の判断内容を示すものであることに留意されたい。
(c)定義
本書の他の記載にかかわらず、上記(a)及び(b)において、以下に掲げる用語は、それぞれ以下に定める意味を有する。
・MBO指針 経済産業省策定の2007年9月4日付「企業価値の向上及び公正な手続確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する指針」
・M&A指針 経済産業省策定の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」
・アンダーソン・毛利・友常法律事務所 当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
・小川氏ら 当社の代表取締役会長である小川信也氏及び当社の代表取締役社長である小川哲史氏の総称
・公開買付者 CORE株式会社
・公開買付者ら 当社の代表取締役会長である小川信也氏、当社の代表取締役社長である小川哲史氏及び公開買付者の総称
・公開買付届出書 公開買付者の2025年7月28日付公開買付届出書の本答申書作成時点でのドラフト
・第1回新株予約権 2011年6月18日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2011年8月2日から2061年7月31日まで)
・第2回新株予約権 2012年6月23日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2012年8月2日から2062年7月31日まで)
・第3回新株予約権 2013年6月15日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2013年8月2日から2063年7月31日まで)
・第4回新株予約権 2014年6月14日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2014年8月2日から2064年7月31日まで)
・第5回新株予約権 2015年6月13日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2015年8月4日から2065年8月3日まで)
・第6回新株予約権 2016年6月18日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2016年8月2日から2066年8月1日まで)
・第7回新株予約権 2017年6月17日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2017年8月2日から2067年8月1日まで)
・第8回新株予約権 2018年6月16日の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2018年8月2日から2068年8月1日まで)
・東京証券取引所 株式会社東京証券取引所
・当社意見表明プレスリリース 当社の2025年7月25日付プレスリリース「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の本答申書作成時点でのドラフト
・当社株式 当社の普通株式
・当社グループ 当社、当社の連結子会社16社及び持分法適用関連会社1社によって構成される企業グループ
・名古屋証券取引所 株式会社名古屋証券取引所
・本株式価値算定書 山田コンサル作成に係る2025年7月24日付株式価値算定書
・本検討資料 本株式価値算定書、公開買付届出書、当社意見表明プレスリリース及び本ヒアリング等その他の本特別委員会において配付された各種資料
・本公開買付け 公開買付者により実施される予定の、当社株式及び本新株予約権を対象とする公開買付け
・本公開買付価格 本公開買付けにおける当社株式の買付価格とすることを公開買付者が予定している当社株式1株当たり2,050円
・本諮問事項 以下に記載する当社取締役会から本特別委員会への諮問事項
1 本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
2 本取引に係る取引条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性
が確保されているか
3 本取引に係る手続の公正性が確保されているか
4 上記1から3までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか
5 当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買
付けに応募することを推奨することの是非
・本譲渡制限付株式 譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び執行役員に付与された当社の譲渡制限付株式
・本新株予約権 第1回新株予約権、第2回新株予約権、第3回新株予約権、第4回新株予約権、第5回新株予約権、第6回新株予約権、第7回新株予約権及び第8回新株予約権の総称
・本新株予約権買付価格 本公開買付けにおける本新株予約権の買付価格とすることを公開買付者が予定している本新株予約権1個当たり1円
・本新株予約権者 本新株予約権の所有者
・本スクイーズアウト手続 本公開買付け後の状況を踏まえて実施が予定されている、本公開買付けの成立後に、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとするための一連の手続
・本取引 当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株主が所有する当社株式を除く。)を取得し、当社株式を非公開化するための取引
・本ヒアリング等 委員会又は委員会の開催期日外において実施したヒアリング、インタビュー、質疑応答等
・本不応募合意株式 本不応募合意株主が所有する当社株式
・本不応募合意株主 (i)小川信也氏、(ii)小川哲史氏及び(iii)小川信也氏が理事長(代表理事)を、小川哲史氏が副理事長(業務執行理事)を務める公益財団法人小川科学技術財団
・山田コンサル 当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルティンググループ株式会社
当社は、本公開買付け開始以降も、本特別委員会に対して、当社の株価の推移及び公開買付者と当社の大株主との間の協議の状況等について情報共有を行い、本特別委員会との間で継続的に協議を行いました。その後、公開買付者により本買付価格変更に係る提案がなされる可能性が生じたことを受け、本特別委員会に対して、本買付価格変更を前提としても、上記答申内容に変更がないかにつき意見を求めたところ、本特別委員会は、2025年10月22日に本特別委員会を開催した上で検討を行い、同日付で、当社取締役会に対して、大要以下の内容の追加の答申書(以下「本追加答申書」といいます。)を提出しました。
(d)求意見事項に対する本特別委員会の意見
本買付価格変更を前提としても、2025年7月25日付答申書において当社取締役会に答申した意見に変更はない。
(e)本特別委員会の意見の理由
(e)-1.本公開買付けの公表後に生じた各種事象
本特別委員会は、2025年7月25日付答申書において当社取締役会に答申した意見を変更する必要性の有無を判断するため、当社に対して、本公開買付けの公表後に生じた各種事象についての説明を求めた。これに対して当社から、本公開買付けの公表後に生じた事象として、①公開買付者との間で、2025年7月下旬以降、当社株式に係る市場株価の推移及び公開買付者と当社の大株主との間の協議の状況等について共有を受けてきたこと、その結果、2025年10月21日、公開買付者から本買付価格変更について提案を受けたこと、②第三者から、本取引と実質的に抵触し若しくは本取引の実行を困難にする又はその合理的なおそれのある取引に係る買収提案等を受けていないこと、③当社が作成した本事業計画の内容には変更は生じていないこと等についての説明があった。
本特別委員会は、改めて、これらの事象が当社の業況や本取引に与える影響等について慎重に議論した。その結果、本特別委員会は、当社の説明に不合理な点は見当たらず、総合的にみて、本公開買付けの公表後に生じた各種事象は、当社が従来目指してきた企業価値向上に重大な影響を与えるものではないと判断した。
(e)-2.本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)旨の意見の変更の要否(本諮問事項1関係)
本特別委員会は、本特別委員会における慎重な議論を通じて、本公開買付けの公表後に生じた各種事象を踏まえても、当社の業況や本取引を取り巻く環境に重大な変化は生じていないと判断した。
そして、本特別委員会は、本買付価格変更を前提としても、2025年7月25日付答申書において本特別委員会が判断した、本取引の実行は当社が認識する経営課題の解決に資することが認められること、他の手法と比較して本取引によることも相当であると考えられること、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられないことについては、いずれも本追加答申書作成時点においても変更されておらず、引き続き維持されているものと判断した。なお、2025年7月25日付答申書において述べたとおり、公開買付者らは、本取引に係る必要資金をLBOローンと優先株式により調達することを想定しているところ、公開買付者らとしては、いずれについても、返済又は償還、金利又は負担及びコベナンツ等の各種条件に関して、当社の事業運営に影響を与えないよう、当社のキャッシュ・フローや財務状況等を考慮して調達することを想定している。本特別委員会は、公開買付者が本買付価格変更に伴う資金調達増加によってもこの点に変更はないと考えていることを付言する。
また、公開買付者によれば、本買付価格変更は、本公開買付けの成立可能性を高めることを企図して行われるものとのことであり、かかる説明に不合理な点は認められない。本買付価格変更が一般株主の利益にも配慮した形でなされるものであれば、本買付価格変更により本公開買付けの成立可能性が向上することは、当社の企業価値向上に資すると考えられる本取引の実現可能性を高めるともに、一般株主に適切な売却機会を与える観点で望ましいものと考えられる。
以上より、本特別委員会は、本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)旨の意見を変更する必要はないと判断した。
(e)-3.本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性は確保されている旨の意見の変更の要否(本諮問事項2関係)
公開買付価格の変更は、本取引の条件の妥当性が確保されているかどうかの判断に影響を与える可能性があるものであるところ、本買付価格変更は、公開買付価格を引き上げるものである。
そして、本買付価格変更に係る本公開買付価格2,919円は、当社が、山田コンサルより、2025年7月24日付で本株式価値算定書を取得して以降、その前提とした当社の事業の現状及び将来の見通し等の状況に重大な変更がない中で、本株式価値算定書における市場株価法、類似会社比較法、DCF法のいずれによって算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限も大きく上回る価格である。
さらに、本買付価格変更に係る本公開買付価格2,919円は、東京証券取引所プライム市場における2025年7月25日付答申書の提出日の直前営業日の当社株式の終値1,461円に対して99.79%、直前営業日の過去1ヶ月の平均終値1,367円に対して113.53%、直前営業日の過去3ヶ月の平均終値1,317円に対して121.64%、直前営業日の過去6ヶ月の平均終値1,341円に対して117.67%のプレミアムを加えた金額となっている。これは、2025年7月25日付答申書の作成までに山田コンサルから説明があった、2019年6月28日から2025年5月15日までに公表されたMBOの一環として行われる公開買付けにおける事例167件における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準と比して、相当に高い水準であるといえる。
加えて、本買付価格変更に係る本公開買付価格2,919円は、当社の2025年6月30日現在の1株当たり純資産額である2,877円(本公開買付価格は当該金額との比較で1.46%のプレミアム)を上回っている。なお、純資産額は、当社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないという前提に変更はない。
以上より、本特別委員会は、本買付価格変更は当社の一般株主に利益をもたらすものであると評価することができるため、本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性は確保されている旨の意見を変更する必要はないと判断した。
(e)-4.本取引に係る手続の公正性が確保されている旨の意見の変更の要否(本諮問事項3関係)
本特別委員会は、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性の確保については、本特別委員会が2025年7月25日付答申書で指摘した、(ⅰ)特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得、(ⅱ)意思決定のプロセス、(ⅲ)独立した法律事務所からの助言の取得、(ⅳ)独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得、(ⅴ)マーケット・チェック、(ⅵ)マジョリティ・オブ・マイノリティ、(ⅶ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上、並びに(ⅷ)強圧性の排除の各項目の内容について、いずれも(但し、(ⅳ)については2025年7月25日付答申書作成日時点でのものとして)本追加答申書作成日時点においても変更されておらず、引き続き維持されているものと判断した。
以上より、本特別委員会は、本取引に係る手続の公正性が確保されている旨の意見を変更する必要はないと判断した。
(e)-5.本取引の決定は当社の一般株主にとって公正であると考えられる旨の意見の変更の要否(本諮問事項4関係)
本特別委員会としては、本諮問事項1乃至3において検討を要請されている事項が、本諮問事項4を検討する際の考慮要素になるものと考えているところ、本特別委員会における検討の結果、本諮問事項1乃至3について、いずれも2025年7月25日付答申書における意見を変更する必要はないと認められることは、上記(e)-2.乃至(e)-4.において述べたとおりである。
以上から、本特別委員会は、本諮問事項4についても、本取引の決定は当社の一般株主にとって公正であると考えられる旨の意見を変更する必要はないと判断した。
(e)-6.当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること及び本新株予約権者に対して本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の判断に委ねることは、相当である旨の意見の変更の要否(本諮問事項5関係)
本特別委員会としては、本諮問事項1乃至4において、本取引の目的の合理性、本取引に係る取引条件の妥当性及び本取引に係る手続の公正性が確認され、かつ、本取引の決定が当社の一般株主にとって公正であることが確認されることにより、本諮問事項5を是認する理由になるものと考える。そして、本特別委員会における検討の結果、本諮問事項1乃至4について、いずれも2025年7月25日付答申書における意見を変更する必要はないと認められることは、上記(e)-2.乃至(e)-5.において述べたとおりである。
以上から、本特別委員会は、本諮問事項5についても、当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること及び本新株予約権者に対して本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の判断に委ねることは、相当である旨の意見を変更する必要はないと判断した。
(f)用語
本書の他の記載にかかわらず、上記(d)及び(e)において使用される用語は、特段の記載のない限り、上記(c)において定義されたものと同様の意味を有する。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルに対して、当社株式価値の算定を依頼し、2025年7月24日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」をご参照ください。
山田コンサルは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び本スクイーズアウト手続の完了を条件に支払われる取引報酬とされており、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。また、本特別委員会は、第1回特別委員会において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本取引に関し、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、第1回特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、当社を除く公開買付関連当事者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、2024年10月25日に小川氏らから本意向表明書を受領して以降、本取引に係る当社の検討、交渉及び判断の過程に、小川氏らを関与させないこととした上で、当社を除く公開買付関連当事者からの独立性の認められる、粥川久氏(取締役専務執行役員)及び野田照実氏(取締役専務執行役員)を含む役職員のみで構成される検討体制を構築し、本特別委員会とともに、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程及び当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の作成過程に関与しており、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。
以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、山田コンサルから受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書の内容、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本買付価格変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討をいたしました。
その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年7月25日開催の当社取締役会において、当社の経営課題の解決及び株主様への利益還元の機会の提供という観点から、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本株式価値算定書の算定結果、本買付価格変更前の本公開買付価格のプレミアム水準、公開買付者との交渉過程及び本買付価格変更前の本公開買付価格の決定プロセス等に照らし、本買付価格変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び、本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
その後、当社は、2025年10月23日開催の当社取締役会において、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨及び本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、当該本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の意見を維持することを決議いたしました。
上記2025年7月25日及び2025年10月23日開催の当社取締役会においては、当社の取締役9名のうち、小川氏らを除く7名が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役全員の一致により上記の決議を行っております。
なお、当社の代表取締役会長である小川信也氏及び当社の代表取締役社長である小川哲史氏は、本取引後も継続して当社の経営に当たることを予定していることから、本取引において当社と利益相反又はそのおそれがあることを踏まえて、上記2025年7月25日及び2025年10月23日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る検討並びに公開買付者との協議及び交渉に一切参加しておりません。
公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、80営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
なお、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含みます。)については、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するために実施された各種措置の内容、その他本取引における具体的な状況に鑑みて、これを実施しなくとも特段、本取引の公正性が阻害されることはない旨を判断したとのことです。
公開買付者は、本書提出日現在、当社株式及び本新株予約権を所有していないところ、本公開買付けにおける買付予定数の下限(35,841,900株、所有割合:62.02%)は、潜在株式勘案後株式総数(57,791,649株)から、小川信也氏の所有株式数1,573,305株(所有割合:2.72%)、小川哲史氏の所有株式数:116,127株(所有割合:0.20%)及び本財団の所有株式数1,000,000株(所有割合:1.73%)並びに岐建の所有株式数2,344,994株(所有割合:4.06%)及びPECホールディングスの所有株式数1,987,000株(所有割合:3.44%)の合計株式数(7,021,426株)を控除した株式数(50,770,223株)の半数に相当する株式数(25,385,112株、所有割合:43.93%)を上回っているとのことです。すなわち、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主の皆様が所有する当社株式及び本新株予約権の数の過半数の賛同が得られない場合には本公開買付けは成立せず、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件を充たしたものとなっており、当社の少数株主の皆様の意思を重視したものであると考えているとのことです。
公開買付者は、本創業家株主との間で、2025年7月25日付で本不応募合意(創業家)を行っており、その内容は以下のとおりとのことです。
本創業家株主は、本創業家株主の所有する本不応募合意株式について本公開買付けに応募しない旨、及び第三者への譲渡その他の処分を行わない旨を合意しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの結果、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には本株式併合を行うこと、及び本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定していることを合意しているとのことです。本創業家株主は本臨時株主総会において公開買付者の指示に従って公開買付者と同一の内容で、本創業家株主の所有する本不応募合意株式に係る議決権を行使することを合意しているとのことです。
公開買付者は、本株式併合の効力発生後、本不応募合意株主のいずれかが当社の株主として存在する場合には本株式交換を行うことを合意しているとのことです。本創業家株主は、本株式交換の実施を付議議案に含む当社の臨時株主総会において議決権を行使できる場合、公開買付者の指示に従って公開買付者と同一の内容で、本創業家株主の所有する本不応募合意株式に係る議決権を行使することを合意しているとのことです。
本創業家株主は、本株式併合の結果、そのいずれか又は両方の所有する当社株式の数に1株に満たない端数が生じ、当該端数株式の対価として当社から金銭を受領した場合には、本株式交換の完了後、実務上可能な限り速やかに、当該金銭の全額(ただし、公租公課及び合理的な諸経費は控除します。)について、本再出資を行い、公開買付者の普通株式を取得することを合意しているとのことです。
公開買付者及び本創業家株主は、書面で終了について合意した場合又は本公開買付けが開示されたが成立せずに終了した場合には本不応募合意(創業家)は自動的に終了することを合意しているとのことです。
公開買付者は、本財団との間で、2025年7月25日付で本不応募合意(財団)を行っており、その内容は以下のとおりとのことです。
本財団は、本財団の所有する本不応募合意株式について本公開買付けに応募しない旨、及び第三者への譲渡その他の処分を行わない旨を合意しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの結果、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には本株式併合を行うこと、及び本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定していることを合意しているとのことです。本財団は本臨時株主総会において公開買付者の指示に従って公開買付者と同一の内容で、本財団の所有する本不応募合意株式に係る議決権を行使することを合意しているとのことです。
公開買付者は、本株式併合の効力発生後、本不応募合意株主のいずれかが当社の株主として存在する場合には本株式交換を行うことを合意しているとのことです。本財団は、本株式交換の実施を付議議案に含む当社の臨時株主総会において議決権を行使できる場合、公開買付者の指示に従って公開買付者と同一の内容で、本財団の所有する本不応募合意株式に係る議決権を行使すること、及び本株式交換の効力発生後は公開買付者のC種優先株式のみを所有すること及びそのために必要な手続・協力を行うことを合意しているとのことです。
本財団は、本株式併合の結果、その所有する当社株式の数に1株に満たない端数が生じ、当該端数株式の対価として当社から金銭を受領した場合には、本株式交換の完了後、実務上可能な限り速やかに、当該金銭の全額(ただし、公租公課及び合理的な諸経費は控除します。)について、本再出資を行い、公開買付者のC種優先株式を取得することを合意しているとのことです。
公開買付者及び本財団は、書面で終了について合意した場合又は本公開買付けが開示されたが成立せずに終了した場合には本不応募合意(財団)は自動的に終了することを合意しているとのことです。
③ 本応募合意(岐建)
公開買付者は、2025年10月23日、岐建との間で、その保有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しかつこれを撤回しない旨を口頭で合意しているとのことです。
なお、本応募合意(岐建)を除いて、現時点において、岐建との間で本取引に係る重要な合意は締結されておりませんが、本公開買付けが成立した場合、本取引の実行に必要となる資金への充当を目的として、本公開買付けの決済時までの期間において、公開買付者による岐建を割当先とするD種優先株式(無議決権株式)の第三者割当増資のための手続が行われることが予定されているとのことです。
④ 本応募合意(PECホールディングス)
公開買付者は、2025年11月7日、PECホールディングスとの間で、その保有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しかつこれを撤回しない旨を口頭で合意しているとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
| 氏名 | 役職名 | 所有株式数(株) | 議決権の数(個) |
| 小川 信也 | 代表取締役会長 | 1,484,005 | 14,840 |
| 小川 哲史 | 代表取締役社長 | 98,527 | 985 |
| 村上 明彦 | 取締役 (監査等委員) |
12,581 | 125 |
| 野田 照実 | 取締役 専務執行役員 |
61,930 | 619 |
| 粥川 久 | 取締役 専務執行役員 |
52,034 | 520 |
| 計 | 5名 | 1,709,077 | 17,089 |
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(少数点以下を切捨てております。)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
| 氏名 | 役職名 | 所有個数(個) | 株式に換算した数(株) | 株式に換算した 議決権の数(個) |
| 小川 信也 | 代表取締役会長 | 893 | 89,300 | 893 |
| 小川 哲史 | 代表取締役社長 | 176 | 17,600 | 176 |
| 粥川 久 | 取締役 専務執行役員 |
99 | 9,900 | 99 |
| 秋山 眞澄 | 常務執行役員 | 16 | 1,600 | 16 |
| 計 | 4名 | 1,184 | 118,400 | 1,184 |
(注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は本書提出日現在のものです。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7 【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
8 【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
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