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ITOCHU Corporation

Registration Form Aug 25, 2025

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 訂正発行登録書_20250825095215

【表紙】

【提出書類】 訂正発行登録書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2025年8月25日
【会社名】 伊藤忠商事株式会社
【英訳名】 ITOCHU Corporation
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長COO 石 井 敬 太
【本店の所在の場所】 大阪市北区梅田3丁目1番3号
【電話番号】 大阪(06)7638-2121
【事務連絡者氏名】 大阪財務部長     大 槻 智 宏
【最寄りの連絡場所】 東京都港区北青山2丁目5番1号
【電話番号】 東京(03)3497-2121
【事務連絡者氏名】 執行役員財務部長   相 馬 謙一郎
【発行登録の対象とした募集有価証券の種類】 社債
【発行登録書の提出日】 2025年8月1日
【発行登録書の効力発生日】 2025年8月9日
【発行登録書の有効期限】 2027年8月8日
【発行登録番号】 7-関東1
【発行予定額又は発行残高の上限】 発行予定額 400,000百万円
【発行可能額】 400,000百万円

(400,000百万円)

(注)発行可能額は、券面総額又は振替社債の総額の合計額(下段( )書きは、発行価額の総額の合計額)に基づき算出しています。
【効力停止期間】 この訂正発行登録書の提出による発行登録の効力停止期間は、2025年8月25日(提出日)です。
【提出理由】 2025年8月1日に提出した発行登録書の記載事項中、「第一部 証券情報 第1 募集要項」の記載について訂正するため及び「募集又は売出しに関する特別記載事項」を追加するため、本訂正発行登録書を提出いたします。
【縦覧に供する場所】 伊藤忠商事株式会社 東京本社

(東京都港区北青山2丁目5番1号)

伊藤忠商事株式会社 中部支社

(名古屋市中区錦1丁目5番11号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 訂正発行登録書_20250825095215

【訂正内容】

第一部【証券情報】

第1【募集要項】

1【新規発行社債】

(訂正前)

未定

(訂正後)

本発行登録の発行予定額のうち、金(未定)円を社債総額とする伊藤忠商事株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(別称:伊藤忠商事オレンジボンド)(以下「本社債」という。)を、下記の概要にて募集する予定です。

各社債の金額 :金1億円

発行価格   :各社債の金額100円につき金100円

2【社債の引受け及び社債管理の委託】

(訂正前)

未定

(訂正後)

社債の引受け

引受人の氏名又は名称 住所
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

(注)上記のとおり、元引受契約を締結する金融商品取引業者のうち、主たるものは大和証券株式会社を予定しておりますが、その他の引受人の氏名又は名称及びその住所並びに各引受人の引受金額、引受けの条件については、今後決定する予定であります。

3【新規発行による手取金の使途】

(1)【新規発行による手取金の額】

(訂正前)

未定

(訂正後)

本社債の払込金額の総額(未定)百万円(発行諸費用の概算額は未定)

(2)【手取金の使途】

(訂正前)

運転資金、設備資金、借入金返済、社債償還資金、コマーシャル・ペーパー償還資金、有価証券の取得、関係会社等に対する出資又は融資に充当する予定であります。

(訂正後)

運転資金、設備資金、借入金返済、社債償還資金、コマーシャル・ペーパー償還資金、有価証券の取得、関係会社等に対する出資又は融資に充当する予定であります。

本社債の手取金の全部又は一部は、当社が策定したオレンジボンド・フレームワークにおける適格プロジェクト(別記「募集又は売出しに関する特別記載事項」に記載します。)に係る新規支出に充当する予定であります。

「第一部 証券情報 第2 売出要項」の次に以下の内容を追加します。

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

<伊藤忠商事株式会社第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(別称:伊藤忠商事オレンジボンド)に関する情報>

オレンジボンド・フレームワークについて

当社は、本社債について、オレンジボンドの発行のために「オレンジボンドイニシアティブ(Orange Bond Initiative)」(注1)が定める「オレンジボンド原則(Orange Bond Principles)」(注2)に即したオレンジボンド・フレームワーク(以下「本フレームワーク」という。)を策定し、認定検証機関であるImpact Investment Exchange Pte. Ltd(注3)より、Orange Bond Principlesに整合している旨のセカンド・パーティ・オピニオンを取得しております。

(注1)「オレンジボンドイニシアティブ(Orange Bond Initiative)」とは、2030年までに100億ドルの資金を動員し、特に低所得国においてジェンダー平等を進め、1億人の女性、少女、LGBTQI+コミュニティをエンパワーメントするという使命を掲げた取り組みをいいます。オレンジボンドイニシアティブが提供するソリューションはジェンダー平等への資金提供です。このイニシアティブは、Orange Movement(注4)の一部として統合されており、ジェンダー平等が当たり前な規範となる世界を創造するという使命を推進する上での中心的な役割を果たしています。これは、多様性、公平性、包括性を基本とする持続可能な未来を築くための重要な一歩と位置付けられます。また、このイニシアティブの3つの目的として、(1)原則等(及びその後の基準、分類など)の作成、(2)オレンジボンドの取引を通じた資本移動の促進、(3)エコシステムの構築(市場調査報告書、データ分析と測定ツール、認証などの実務者向けサポート)が挙げられます。運営委員会メンバーには、国際機関、金融機関、投資家等が含まれています。

(注2)「オレンジボンド原則(Orange Bond Principles)」とは、2022年10月に発表された、オレンジボンドに関する取引を促進する発行体、投資家、アレンジャー、及び認定検証機関をサポートするためのガイドラインをいい、以下、「オレンジボンド原則」といいます。オレンジボンド原則は、オレンジボンドイニシアティブの運営委員会メンバーによって起草され、ラウンドテーブルに参加した100以上のエコシステム関係者の意見を取り入れて策定されました。オレンジ色は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)5:ジェンダー平等の色です。オレンジボンドは、ジェンダー・レンズ投資のための新しい資産クラスであり、これは、全世界の債券市場を活用して、女性、少女、LGBTQI+コミュニティが人種、宗教、地域、所得などの違いに関係なく、社会に完全かつ意義ある形で参加できる包括的な金融システムを構築することを目指すものです。

(注3)「Impact Investment Exchange Pte. Ltd」とは、シンガポールを拠点として2009年に設立された、インパクト投資の促進を目的としたプラットフォームやサービスを提供する企業をいい、以下「IIX社」といいます。主にジェンダー平等と気候変動対策に焦点を当て、資金の活用とデータ駆動型ソリューションを通じて、世界中で社会的・環境的なインパクト最大化に取り組んでいます。

(注4)Orange Movementとは、IIX社が主導するグローバルイニシアティブであり、女性、少女及びジェンダーマイノリティの可能性を最大限に引き出すことを目的とした取り組みです。

当社は、2003年の人材多様化推進計画策定以来、「持続的に個の力と組織力を強化し、収益力と労働生産性向上による企業価値向上を実現するためには、組織としての多様性が重要、特に女性の活躍は不可欠」という一貫とした考えのもと、女性活躍を推進してまいりました。女性の一層の経営参画促進や働き方・キャリアに関する上司・職場の意識改革等の課題解決に向け、朝型勤務や託児所の設置といった仕事と育児を両立できる環境の整備や、取締役会の諮問機関である女性活躍推進委員会の設置により、女性活躍推進政策を全社政策として推進することを促しております。

また、当社は2024年2月に新たに「女性活躍の更なる推進に向けて」を公表いたしました。女性役員の数値目標の設定や男性社員の育児休業取得必須化、フェムテック(注5)を中軸とした女性特有の健康課題への対応など、労働生産性向上・企業価値の拡大につながる地に足をつけた働き方改革を実行し、厳しくとも働きがいのある会社を目指してまいります。

この度、当社が意図をもってジェンダー平等と女性活躍推進を実現していく姿勢を幅広いステークホルダーの皆さまに示すため、オレンジボンドの発行を念頭に、本フレームワークを策定しました。その概要は以下のとおりです。

(注5)フェムテックとはFemale(女性)及びTechnology(テクノロジー)の造語であり、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するデバイスや商品、アプリ・サービスなどを指します。

オレンジボンドとして認定されるためには、オレンジボンド原則に示される以下3つの要素に沿っていることが期待されています。

原則1: ジェンダー・ポジティブな資金充当

原則2: 意思決定プロセスにジェンダーの視点が取り入れられていること

原則3: 投資プロセス及びレポーティングの透明性

原則1. ジェンダー・ポジティブな資金充当

本フレームワークに基づくオレンジボンド発行による資金調達は、ジェンダー・ポジティブに資する下記の適格プロジェクトに対する新規支出に充当されます。オレンジボンド原則に則り、「ジェンダー・ポジティブな資金充当」として、オレンジボンド発行による調達資金の少なくとも50%超をジェンダー・ポジティブに資するプロジェクトへ充当します。女性が長く働きがいのある職場を実現するための直接的な支援に加え、当社グループのバリューチェーンに含まれる女性が活躍する企業からの調達や女性活躍支援プログラムの提供のほか、ジェンダー平等に資するテクノロジーへの投資など、ジェンダー・ポジティブな資金充当を多角的に検討してまいります。

適格プロジェクト及び資金使途例

適格プロジェクト 適格プロジェクト概要 資金使途例
ジェンダーに関わらず全ての従業員等が長期にわたり活躍できる環境構築 ジェンダーに関わらず全ての従業員が長期にわたり活躍できる環境を構築するため、外部専門家から意見を聴取するとともに、福利厚生の整備や託児所の運営等を実施。

加えて、サプライチェーン上の医療インフラに課題のある地域において、従業員及び地域住民へ周産期医療を提供。
・福利厚生としての卵子凍結保管や不妊治療等に係る費用

・託児所整備費用

・環境構築に向けた外部コンサルティング費用

・周産期医療を提供するクリニック運営費用

サプライチェーン上で女性が活躍する企業等への投資、及びそのような企業からの製品の調達 ジェンダー平等推進の意図をもち、サプライチェーン上で女性が(産業平均以上に)活躍する企業又は事業への投資、及びそのような企業からの製品の調達を実施。また、当該企業においてジェンダー平等の精神に基づき研修プログラムを提供する等、女性生産者や女性従業員等に向けた支援を実施。 ・グアテマラからのコーヒー豆調達

・女性支援・活用を積極的に行っている企業への投資

ジェンダー平等に資するサービス・製品を提供する企業等への投資、及びそのような企業からの製品の調達 ジェンダー平等推進の意図をもち、ジェンダー平等に資するサービスや製品を提供する企業等への投資を実施。加えて、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する製品の調達を実施。 ・フェムテック事業への投資

・フェムテック製品の調達

 等

バリューチェーンにおけるサステナビリティの方針

事業領域の拡大を背景に、当社のサプライチェーンは広域化・複雑化し、自社が直接管理できる工程だけでなく、原料の調達や生産地、中間流通及び消費地での人権・労働及び環境等へのリスクマネジメントがより必要となっています。特に自社の購買シェアが比較的高いサプライヤーの現場管理については、その配慮や責任度合も大きく、優先して取組むべき事項として捉えています。

当社は、「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を定め、調査・レビューを行うことで、問題発生の未然防止に努め、問題が見つかった場合にはサプライヤーとの対話を通じて改善を目指します。

さらに、社会・地球環境に及ぼす影響の大きい商品については商品ごとに個別の取り組み方針を定めています。例えば、コーヒー豆の栽培適地では、農園開発・生産において人権や自然環境への影響が指摘されており、企業の社会的責任を果たすため「コーヒー豆調達方針」を設定し、人権及び地球環境に配慮した、コーヒー豆の安定した調達活動に取り組んでおります。その中で、重点項目の一つとして「差別・ハラスメントの禁止」を掲げ、性別による雇用差別の禁止を推進しております。

原則2. 意思決定プロセスにジェンダーの視点が取り入れられていること

本フレームワークに基づくオレンジボンド発行業務(ストラクチャリング、デュー・デリジェンス、ポートフォリオ・マネジメント、インベスター・リレーション、レポーティング等)に係る財務部、サステナビリティ推進部、人事・総務部におけるコアメンバーについて、30%以上が女性となっており、ジェンダー・レンズを通した検討を基にオレンジボンドの起債が実施される体制にあります。

なお、当社では2030年までに役員に占める女性の割合を30%まで高めることを目標としております。

女性活躍推進の取り組み

当社では、「人材多様化推進計画」により女性従業員を含む多様な人材の数の拡大、定着、活躍支援に向けた制度の拡充を進めてきました。2010年度以降は、全従業員が健康でエンゲージメント高く働くことで労働生産性を高めるという働き方改革のもとに、朝型勤務や健康経営、がんと仕事の両立支援策等の取組みを行ってきました。その結果、時間的制約のある従業員のみならず、全ての従業員にとって能力を発揮することができる職場環境の醸成に繋がっています。

現在は女性の採用数が拡大した世代が役職候補となり得る重要なステージに入ってきており、共働き世帯の増加も見据え、法定を上回る水準の両立支援制度を設置し、個々人のライフステージやキャリアに応じたきめ細かい個別支援を行っています。また、多様な人材が活躍できる社内風土の醸成、及び政府機関・経済団体の女性活躍推進策への賛同表明等を通じ、当社のみならず日本としてのSDGs目標5(ジェンダー平等)への貢献を図っていきます。

また、2024年2月には「女性活躍の更なる推進に向けて」において、役員の多様性確保、男性の育児休業取得率向上に向けた日本政府等の方針も踏まえ、新たに以下の数値目標の設定及び働き方改革に関連する施策を導入することを決定しました。

① 女性役員の数値目標を設定

女性経営者による視点は、消費者ビジネスの優位性を有する当社にとって非常に重要な要素であり、多様性に富み、強くレジリエントな取締役会や企業風土は一朝一夕にできるものではなく、何年もかけ、つくりあげていくものであると考えます。その実現のため、2024年2月、新たに「2030年までに、全役員に占める女性比率(執行役員を含む)を30%以上」とする数値目標を定めました。

2024年度に女性従業員のみを対象とした執行役員選考ルールを導入し、2024年4月1日付で5名、2025年4月1日付で5名の女性執行役員を内部から登用しました。内部登用を選択した最大の理由は、女性の登用だけが目的とならないよう、会社全体で女性管理職、役員を「育成」する文化の醸成、更なる意識改革が必要であったためです。計10名の女性執行役員を新たに登用した結果、当社において執行役員含めた全役員に占める女性比率は28%となりました。

② 男性社員の育児休業取得必須化(2024年4月)

当社では、男性従業員の共働き世帯の増加を背景として、2022年度の育児両立手当(注6)の導入等、社会課題である男性の育児参加を支援しております。男性従業員の育児休業取得を更に後押しするため、配偶者が出産した男性従業員について、2024年度から育児休業の取得を必須化しました。配偶者が出産した男性従業員全員とその上司に対し、育児休業の取得に向けたきめ細かな働きかけを行った結果、2024年度の男性従業員の取得率は96%となり、女性活躍推進委員会を設置した2021年度の約3倍となりました。

また、育児両立手当は、4週間以上の育児休業取得が支給要件であることに加え、社内の意識改革が進展した結果、育児両立手当導入前の2021年度と比較すると、4週間以上の育児休業を取得する男性従業員が約6倍に増加しました。性別を問わず、仕事と家庭の両立を周囲が理解し、支援する環境を整えることは、多様性を尊重する社内風土醸成に加え、従業員の働きがい向上、女性の更なる活躍推進にも繋がるものと考えております。

(注6)「育児両立手当」とは、子女誕生後、4週間以上の育児休業を取得し、対象子女の年齢が満1歳未満で復職する場合、両立に伴う追加費用(保育費用等)の補填等を目的として、一定の手当を支給する社内制度です。

③ フェムテックを中軸としたキャリア継続支援(2024年4月)

海外駐在は業務上の必要性に加え、社員の成長に繋がる重要なキャリアの一つです。ライフステージにかかわらず、社員が安心して海外駐在にチャレンジできるよう、2024年4月より、社員とその家族への選択肢を拡充しました。

・海外駐在期間中の卵子凍結保管費用を会社が負担(駐在に同行しない配偶者も対象)。

・海外で治療費が高額となる不妊治療に関し、海外駐在中に発生する医療費の一部を会社が負担。

④ 当社制度を熟知した看護師・助産師による「育児・健康コンシェルジュ」を正式導入(2024年2月)

・2023年度に実施したトライアルも踏まえ、社内では相談しづらい健康や育児等の悩みについて、24時間いつでも匿名で社外の「育児・健康コンシェルジュ」に相談できるオンライン相談窓口を正式導入しました。

・社員のヘルスリテラシー向上に向けた豊富なオンラインセミナーや、全国110施設以上の医療機関と連携したヘルスケアサポート等を社員に提供しています。

原則3. 投資プロセス及びレポーティングの透明性

3.1. 意図するインパクト

当社は、適格プロジェクトであるジェンダーに関わらず全ての従業員等が長期にわたり活躍できる環境構築、サプライチェーン上で女性が活躍する企業等への投資及び製品の調達、ジェンダー平等に資するサービス・製品を提供する企業等への投資及び製品の調達を通じ、以下のインパクトを創出することを意図します。

・多様な価値観を受容し、柔軟な働き方等を通じて従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境の整備

・サプライチェーン及びパートナー社における女性活躍の推進及び女性生産者の経済的向上とエンパワーメント

・女性の活躍や働き方の変化を背景に複雑化する個々の女性労働者が抱える健康課題の解決

3.2. 資金使途の選定プロセス

オレンジボンドによる調達資金の充当先については、下記のとおり、関係部署が連携し、決定事項について協議のうえ確定します。

関係部署

・財務部

・サステナビリティ推進部

・人事・総務部

決定事項

・調達資金の充当先が、「原則1. ジェンダー・ポジティブな資金充当」で規定されている内容と一致することの確認

3.3. 資金使途の適格性の担保及びDNSH(注7)の要件を満たすことの確認

資金使途の適格性の担保

本フレームワークに基づくオレンジボンドによる調達資金の「原則1. ジェンダー・ポジティブな資金充当」との整合性について、社債発行額の50%超が対象資産に充当されるまで財務部にて確認を行います。調達資金の充当先が、「原則1. ジェンダー・ポジティブな資金充当」で規定される内容と一致しないと判断する場合、関係部署で協議のうえ、「原則1. ジェンダー・ポジティブな資金充当」に該当する他の資金充当先を検討します。

(注7)DNSHとは、Do Not Significant Harmの略であり、ジェンダー平等を推進することを目的とする活動において、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の他の目標に重大な害を及ぼしてはならないとされています。

DNSHの要件を満たすことの確認

当社グループでは、全社レベルでのリスク管理の一環として、サステナビリティを推進していくため、人権・労働安全・気候変動・自然災害・ESG投資等のESGリスクに関して、サステナビリティ委員会を中心に関連委員会と協議を経て、ESGリスクに関する方針や施策、及びリスク管理体制の浸透について討議のうえ、年に1回以上の頻度で、取締役会への報告を行っています。

事業投資プロセスにおいては、投資判断時の検討項目の中の一つにESGリスク評価を導入しています。具体的には、環境・社会等に与える影響や投資対象のガバナンス状況を30項目からなるESGチェックリストを用いて事前に評価しています。また投資実行後もグループ会社における環境汚染等の未然防止を目的として、現地訪問調査等によるESG評価を多面的に実施しています。

事業領域の拡大を背景に、当社のサプライチェーンは広域化・複雑化し、自社が直接管理できる工程だけでなく、原料の調達や生産地、中間流通及び消費地での人権・労働及び環境等へのリスクマネジメントがより必要となっています。特に自社の購買シェアが比較的高いサプライヤーの現場管理については、その配慮や責任度合も大きく、優先して取組むべき事項として捉えています。

当社は、「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を定め、調査・レビューの取組みを通じて問題発生の未然予防に努め、問題が見つかった場合にはサプライヤーとの対話を通じて改善を目指します。具体的には、サプライヤーの実態を把握するため、2008年度よりサステナビリティ調査を実施しています。高リスク国・取扱商品・取扱金額等一定のガイドラインのもとに各カンパニー及び該当するグループ会社が重要サプライヤーを選定し、ISO26000の7つの中核主題を必須調査項目としたアンケート形式(サステナビリティチェックリスト)に加え、各カンパニーの営業担当者や海外現地法人及びグループ会社の担当者がサプライヤーを訪問しヒアリングを実施しています。

当社は、DNSHの要件を満たすよう、上記のリスク対応等含めたESGリスク及びESG論争のモニタリングについて、オレンジボンド償還時までにおいても対応していきます。

加えて、当社はジェンダー平等の推進に関する取り組み自体が他のSDGs目標に対しても正の波及効果をもたらすと認識しており、特に以下の観点からDNSHの観点を強化しています。

・女性従業員のキャリア継続支援(例:フェムテック導入、育児・健康コンシェルジュ制度)を通じた健康・福祉への貢献(SDGs目標3)及び働きがいのある社会の実現(SDGs目標8)

・サプライチェーン上の女性生産者への支援を通じた貧困削減(SDGs目標1)及び教育機会の拡大(SDGs目標4)

・女性役員比率の向上を通じた意思決定への多様性確保(SDGs目標5)

3.4. 調達資金の管理

本フレームワークに基づくオレンジボンドによる調達資金について、当社財務部が一般勘定にて適格プロジェクトへの充当及び管理を行います。当社財務部は、本フレームワークに基づいて調達されたオレンジボンドによる調達額の50%超が適格プロジェクトのいずれかに充当されるよう追跡・管理します。調達資金の50%超が上記適格プロジェクトに充当されるまでの間は、現金又は現金同等物にて運用します。

3.5. インパクト測定の実施

当社は、適格プロジェクトへの資金充当完了までの期間においてIIX社によるサーベイを通じたインパクト測定を実施いたします。資金充当完了後のサーベイ実施については、プロジェクトの状況等を踏まえて検討してまいります。

なお、償還までのいずれかの年にサーベイの実施を中断した場合、資金充当を通じたジェンダー平等への貢献を確認できなくなるため、オレンジボンド原則へ整合していると見なされなくなります。

3.6. レポーティングの実施

当社は、適格プロジェクトへの資金充当完了までの期間において、以下の項目について、当社ウェブサイトにて年次で開示します。資金充当完了後のレポーティングの実施については、プロジェクトの状況等を踏まえて検討してまいります。

なお、償還までのいずれかの年にレポーティングの実施を中断した場合、資金充当を通じたジェンダー平等への貢献を確認できなくなるため、オレンジボンド原則へ整合していると見なされなくなります。

また、調達資金の充当計画に大きな変更が生じた場合や、調達資金の充当後にプロジェクトに大きな影響を及ぼす状況の変化が生じた場合は、適時に開示する予定です。

① 資金充当状況レポーティング

・資金充当合計額

・未充当資金がある場合は、その金額及び「3.4. 調達資金の管理」の指針に沿った未充当資金の管理方法に関する情報

② インパクト・レポーティング

・下記のアウトプット・アウトカム・インパクト項目(事業例及びインパクト・レポーティング項目は一例であり、これらに限定されるものではありません。)

インパクト・レポーティング項目

適格プロジェクト 事業例 アウトプット アウトカム インパクト
ジェンダーに関わらず全ての従業員等が長期にわたり活躍できる環境構築 女性が長期にわたり活躍できる環境づくり ・女性活躍推進に資する諸施策(男性育休100%、フェムテックを主軸としたキャリア支援等)

・女性執行役員制の概要
・女性役員比率

・男性育休取得率
・女性役員の視点を通じた、ジェンダーに関わらず全ての従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備

・女性社員のキャリアパス形成
Dole Asia社(注8)によるシエラレオーネにおける周産期医療支援 ・一般外来及び周産期医療を提供する医療提携契約の締結

・医療人材の教育プログラムの実施の概要
・診察数

・医療人材教育の受講者数
・パイナップルサプライチェーンにおける女性活躍の推進及び女性生産者の経済的向上とエンパワーメント
サプライチェーン上で女性が活躍する企業等への投資、及びそのような企業からの製品の調達 グアテマラにおけるコーヒー豆調達及び女性生産者の活躍支援 ・女性支援プログラムの実施の概要 ・バリューチェーン上の女性生産者数の割合及び女性生産者からの調達額の割合

・女性支援プログラムの開催回数及び参加人数

・当社パートナー社及び仕入先のBoard member比率
・サプライチェーン及びパートナー社における女性活躍の推進及び女性生産者の経済的向上とエンパワーメント
ジェンダー平等に資するサービス・製品を提供する企業等への投資、及びそのような企業からの製品の調達 フェムテック事業への投資 ・投資対象の概要 ・投資対象のサービスによる裨益者の概要(裨益者の変化) ・女性の活躍や働き方の変化を背景に複雑化する個々の女性労働者が抱える健康課題の解決

(注8)Dole Asia社(Dole Asia Holdings Pte. Ltd.)は、当社が2013年4月にDole Food Company, Inc.(本社:米国カリフォルニア州ウエストレイク・ビレッジ)のアジアにおける青果物事業とグローバルに展開する加工食品事業を取得するにあたり設立されました。Dole Asia社は、フィリピン、タイに次ぐ第三のパイナップルの生産拠点として、2014年にSierra Tropical Limited(本社:シエラレオネ共和国)を設立し、2022年より、米国・欧州向けのパイナップルの栽培及びパイナップル加工品の生産を行っています。

国際資本市場協会(ICMA)の原則等への適合性について

オレンジボンド原則は、原則1では資金使途がジェンダー平等の推進に資するプロジェクトに限定されること、原則2では発行体のオレンジボンド発行に係る意思決定プロセスにおける多様性の確保やジェンダー平等に関する方針の明示が求められること、原則3では発行時の意図するインパクトの明示及びサーベイ等を通じた年次のインパクト測定の実施が求められることに特徴があるものと捉えています。

本社債は、ジェンダー平等の推進を目的とし、オレンジボンド原則に整合したオレンジボンドとして発行するものであり、ICMAの原則等に適合している旨の評価は取得しておりません。

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