AI Terminal

MODULE: AI_ANALYST
Interactive Q&A, Risk Assessment, Summarization
MODULE: DATA_EXTRACT
Excel Export, XBRL Parsing, Table Digitization
MODULE: PEER_COMP
Sector Benchmarking, Sentiment Analysis
SYSTEM ACCESS LOCKED
Authenticate / Register Log In

Forum Engineering Inc.

Legal Proceedings Report Nov 11, 2025

Preview not available for this file type.

Download Source File

 意見表明報告書_20251111124527

【表紙】

【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2025年11月11日
【報告者の名称】 株式会社フォーラムエンジニアリング
【報告者の所在地】 東京都港区虎ノ門二丁目10番4号
【最寄りの連絡場所】 東京都港区虎ノ門二丁目10番4号
【電話番号】 03-3560-5505(代表)
【事務連絡者氏名】 上席執行役員  千葉 宣行
【縦覧に供する場所】 株式会社フォーラムエンジニアリング

(東京都港区虎ノ門二丁目10番4号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

(注1) 本書中の「当社」とは、株式会社フォーラムエンジニアリングをいいます。

(注2) 本書中の「公開買付者」とは、KJ003株式会社をいいます。

(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は必ずしも計数の総和と一致しません。

(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。

(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。

(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。

(注7) 本書中の「株券等」とは、株式及び新株予約権に係る権利をいいます。

(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。

(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。

(注10) 本書記載の公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、日本で設立された会社である当社の普通株式及び新株予約権を対象としています。本公開買付けは、日本法で定められた手続及び情報開示基準を遵守して実施されるものであり、これらの手続及び基準は、米国における手続及び情報開示基準と必ずしも同じではありません。特に米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)(その後の改正を含みます。以下同じとします。)第13条(e)項又は第14条(d)項及びこれらの条項に基づく規則は本公開買付けには適用されず、本公開買付けはこれらの手続及び基準に沿ったものではありません。本書及び本書の参照書類の中に含まれる財務情報は、日本の会計基準に基づいた情報であり、当該会計基準は、米国その他の国における一般会計原則と大きく異なる可能性があります。また、公開買付者及び当社は米国外で設立された法人であり、米国の証券関連法を根拠として主張し得る権利又は請求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人及びその役員に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人並びに当該法人の関係会社に米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。

(注11) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものとします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部は英語で作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものとします。

(注12) 本書又は本書の参照書類の記載には、米国1933年証券法(Securities Act of 1933)(その後の改正を含みます。)第27A条及び米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)第21E条で定義された「将来に関する記述」が含まれています。既知又は未知のリスク、不確実性その他の要因によって、実際の結果がこれらの将来に関する記述に明示的又は黙示的に示された内容と大きく異なる可能性があります。公開買付者又はその関係者(affiliate)は、これらの将来に関する記述に明示的又は黙示的に示された結果が達成されることを保証するものではありません。本書又は本書の参照書類の中の「将来に関する記述」は、本書の日付の時点で公開買付者又は当社が有する情報を基に作成されたものであり、法令で義務付けられている場合を除き、公開買付者若しくは当社又はそれらの関係者は、将来の事象や状況を反映するためにその記述を変更又は修正する義務を負うものではありません。

(注13) 公開買付者、公開買付者及び当社の各財務アドバイザー並びに公開買付代理人(これらの関係会社を含みます。)は、その通常の業務の範囲の他、日本の金融商品取引関連法規制及びその他適用ある法令上許容される範囲で、米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)規則14e-5(b)の要件に従い、当社の普通株式及び新株予約権を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず買付け又はそれに向けた行為を行う可能性があります。そのような買付けは市場取引を通じた市場価格又は市場外での交渉で決定された価格で行われる可能性があります。そのような買付けに関する情報が日本で開示された場合には、当該買付けを行った者の英語ウェブサイト(又はその他の公開開示方法)においても開示が行われます。

(注14) 会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)に従って株主による単元未満株式の買取請求権が行使された場合には、当社は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

E35487 70880 株式会社フォーラムエンジニアリング Forum Engineering Inc. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 1 false false false E35487-000 2025-11-11 xbrli:pure

 意見表明報告書_20251111124527

1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   KJ003株式会社

所在地  東京都千代田区丸の内二丁目1番1号明治安田生命ビル11階 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

(1)普通株式

(2)新株予約権

① 2017年3月22日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第1回新株予約権(以下「第1回新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年3月24日から2027年3月22日まで)

② 2018年6月26日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第2回新株予約権(以下「第2回新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年6月28日から2028年6月26日まで)

③ 2019年6月25日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第3回新株予約権(以下「第3回新株予約権」といい、第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権を総称して「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年6月27日から2029年6月25日まで) 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)意見の内容

当社は、2025年11月10日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。

なお、上記取締役会決議は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」に記載の方法により決議されております。

(2)意見の根拠及び理由

本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 本両公開買付けの概要

ⅰ.本公開買付け

公開買付者は、本公開買付けを通じ当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)及び本新株予約権(以下「当社株式」及び「本新株予約権」を総称して「当社株券等」といいます。)を取得及び所有し、本両公開買付け(以下に定義します。)成立後に、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる事業として2025年10月22日に設立された株式会社であり、本書提出日現在、その発行済株式の全てを2025年10月22日に設立された株式会社であるKJ003 Group株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)が所有しているとのことです。また、公開買付者親会社は、本書提出日現在、その発行済株式の全てを2025年10月22日に設立された株式会社であるKJ003 HD株式会社(以下「公開買付者祖父母会社」といいます。)が所有しており、公開買付者祖父母会社は、本書提出日現在、米国デラウェア州設立の投資顧問会社であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、以下「KKR」といいます。)によって間接的に運営されている、カナダ国オンタリオ州法に基づき2025年10月14日に設立されたリミテッド・パートナーシップであるKJ003 Investment L.P.(以下「KKRファンド」といいます。)が、その発行済株式の全てを所有しているとのことです。なお、公開買付者、公開買付者親会社、公開買付者祖父母会社、KKR及びKKRファンドは、本書提出日現在、当社株券等を所有していないとのことです。

KKRは、1976年に設立された、プライベート・エクイティ投資を含み全世界で約7,230億ドル(2025年9月末時点)の運用資産を持つ国際的投資会社であり、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しているとのことです。KKRは、経営陣とのパートナーシップに基づく長期的な企業価値向上の視点での投資を志向する投資哲学を掲げており、事業基盤及び潜在力を持つ企業・経営陣のパートナーとして、KKRの持つ様々な経営資源、知見及びネットワークの活用による業界のリーディング・カンパニーの創造を目指しているとのことです。

KKRは、2006年の東京オフィス開設以降、日本市場における投資活動を積極的に拡大しており、日本国内の商慣行を熟知し、様々なバックグラウンドを有する約50名程度の社員により運営されているとのことです。特に、公開買付けに関しては、2024年に公表した、本邦ITサービス領域における過去最大のM&Aである富士ソフト株式会社(買付総額:6,015億円)を始めとして、2022年における国内最大規模のM&A案件であった株式会社日立物流(現ロジスティード株式会社)(買付総額:4,492億円)、2017年にはカルソニックカンセイ株式会社(現マレリ株式会社)(買付総額:3,455億円)、日立工機株式会社(現工機ホールディングス株式会社)(買付総額:882億円)及び株式会社日立国際電気(現株式会社KOKUSAI ELECTRIC。以下「KE」といいます。)(買付総額:1,439億円)への公開買付けを実現する等、KKRがグローバルに有する知見、ベストプラクティス、ネットワークを活用してオーガニック(既存の経営資源を活用した手法)及びインオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略並びに収益力や業務効率の改善を促進することでこれらの投資先企業の事業成長及び企業価値向上の支援に取り組み、本邦におけるプライベート・エクイティ・ファンドとして有数の執行実績を有していると考えているとのことです。中でもKEに関しては、非上場化後、会社分割を経て、KKRとのパートナーシップの下、半導体製造装置専業メーカーとして、前工程の成膜装置(注1)及びトリートメント装置(注2)の製造・販売を手掛け、特にバッチALD装置領域では世界シェアNo.1(2023年)(出典:TechInsights Inc.(VLSI)“TI_ALD Tools_YEARLY” 2024 (April))を誇る等盤石の経営基盤を確立したとのことです。その後、半導体市場の回復に加え、半導体デバイスの微細化/複雑化が加速する業界環境の中でKEの強みとする成膜/トリートメント技術の需要は今後も継続的に拡大することが見込まれる市場環境を踏まえ、2023年10月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場への再上場を実現しているとのことです。KEへの支援案件はまさに「KKRの持つ様々な経営資源、知見及びネットワークの活用による業界のリーディング・カンパニーの創造」を体現する事例であると考えているとのことです。

また、KKRは、当社の営む事業と関連するIT・ソフトウェア業界及び人材派遣業界において豊富な投資を有していると考えているとのことです。2022年3月には、中小企業向け会計・業務ソフトウェアを提供する弥生株式会社、2022年10月には、デジタルソフトウェア製品やプラットフォームの構築支援を専門とするNess Digital Engineering、2025年2月には、FA(注3)・自動車業界向け組込ソフトウェアや流通業界向け業務ソフトウェアに強みをもつSIer(注4)である富士ソフト株式会社等への投資を実行しているとのことです。また人材業界においては、2010年7月に総合人材サービスを提供する株式会社インテリジェンス、2025年2月に雇用管理ソリューションを提供するEmployment Heroといった企業等への投資実績を有しているとのことです。

(注1) 「成膜装置」とは、半導体製造においてシリコンウェーハ等の基板上に非常に薄い膜を形成するための装置です。

(注2) 「トリートメント装置」とは、半導体製造工程において成膜後の薄膜の膜質を改善するための装置です。

(注3) 「FA」とは、Factory Automationの略語であり、生産工程の自動化を図るシステムを総称しています。

(注4) 「SIer」とは、システムインテグレーションを担う事業者の略称であり、システムインテグレーションとは、顧客の要望に応じてシステム開発や運用等を請け負う事業又はサービスのことをいいます。

また、KKRは、2010年の総合人材サービスを提供する株式会社インテリジェンスへの投資を皮切りに、2014年にパナソニックヘルスケア株式会社(以下「PHC」といいます。)のパナソニック株式会社からの独立支援、2015年にパイオニア株式会社の一事業部であったDJ機器事業(現Pioneer DJ株式会社)への投資、2016年にPHCによるBayer Aktiengesellschaftとその子会社であるBayer HealthCare傘下の糖尿病ケア事業の買収、2019年にThermo Fisher Scientific, Inc.の解剖病理事業(現Epredia)の買収及び三菱ケミカルホールディングス株式会社傘下の国内臨床検査大手・株式会社LSIメディエンス、2021年にWalmart Inc.傘下のスーパー大手である株式会社西友の買収、2022年には業務ソフトウェアを提供する弥生株式会社の買収を実現する等、日本市場における投資活動を積極的に拡大し、KKRがグローバルに有する知見、ベストプラクティス、ネットワークを活用してオーガニック(既存の経営資源を活用した手法)及びインオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略並びに収益力や業務効率の改善を促進することで、投資先企業の事業成長及び企業価値向上の支援に取り組んでいるとのことです。

今般、公開買付者は、東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社株式を非公開化することを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。本取引は、①本公開買付け、②当社の主要株主かつ筆頭株主である株式会社ラテールホールディングス(以下「ラテールホールディングス」といいます。)を含む当社の株主の皆様が所有する当社株式の取得を目的とした、当社による自己株式の公開買付け(以下「本自社株公開買付け」といい、本公開買付けと総称して「本両公開買付け」といいます。)、本自社株公開買付けを実施するための資金及び分配可能額を確保することを目的とした(ⅰ)当社によるA種種類株式(注5)の新設に係る定款変更(以下「本定款変更」といいます。)、(ⅱ)公開買付者を引受人とする当該A種種類株式の第三者割当増資(以下「本第三者割当増資」といいます。)(注6)、公開買付者による当社への貸付け又は当社による公開買付者に対する社債の発行(以下、本第三者割当増資と総称して、「本第三者割当増資等」といいます。)(注7)及び(ⅲ)会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金及び資本準備金の額の減少(以下「本減資」といいます。)(注8)、③本自社株公開買付け、並びに④本公開買付けが成立したものの、公開買付者が当社株券等の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できていない場合に実施する本株式併合(下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。以下同じです。)を通じた、当社の株主(当社を除きます。)を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)により構成されるとのことです。なお、本自社株公開買付け後、当社の創業者かつ第二位株主である大久保泉氏(以下「大久保泉氏」といいます。)が代表取締役を務める大久保泉氏及びその親族の資産管理会社である株式会社ラテールネクストは、ラテールホールディングスから本自社株公開買付けで得た金銭を借り入れることにより取得する金銭を原資として、公開買付者祖父母会社が発行するA種種類株式(注9)及び優先株式(注10)の引受け(以下「本再出資」といいます。)を行うことを予定しているとのことです(注11)。

(注5) 公開買付者が取得することを予定している当社が発行するA種種類株式は、無議決権株式であり、株式又は金銭を対価とする取得条項(当社がA種種類株主から株式又は金銭を対価としてA種種類株式を取得できる権利)、及び株式又は金銭を対価とする取得請求権(A種種類株主が当社に対して株式又は金銭を対価としてA種種類株式を取得することを請求する権利)はいずれも定められない予定とのことです。また、剰余金の配当及び残余財産の分配に関しては、普通株式と同順位となる予定とのことです。

(注6) 公開買付者が引受けるA種種類株式に議決権がない理由は、当社株式の議決権の希薄化を発生させないことを意図したものとのことです。

(注7) 公開買付者は貸金業法(昭和58年法律第32号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に基づく貸金業者ではないため、公開買付者による当社への貸付けを行うことが法令上認められない場合には、当社による公開買付者に対する社債の発行を行うことを想定しているとのことです。

(注8) 本減資においては、当社の資本金及び資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金へ振り替える予定とのことです。

(注9) 株式会社ラテールネクストが取得することを予定している公開買付者祖父母会社が発行するA種種類株式は、無議決権株式であり、普通株式を対価とする取得条項(公開買付者祖父母会社がA種種類株主から普通株式を対価としてA種種類株式を取得できる権利)を定める予定ですが、金銭を対価とする取得条項及び株式又は金銭を対価とする取得請求権(A種種類株主が公開買付者祖父母会社に対して株式又は金銭を対価としてA種種類株式を取得することを請求する権利)はいずれも定められない予定とのことです。また、剰余金の配当及び残余財産の分配に関しては、普通株式と同順位となる予定とのことです。

(注10) 株式会社ラテールネクストが取得することを予定している公開買付者祖父母会社が発行する優先株式は、無議決権株式であり、かつ、普通株式及びA種種類株式に優先する順位で剰余金の配当及び残余財産の分配を受けることができる旨の定めがある優先株式であり、金銭を対価とする取得条項(公開買付者祖父母会社が優先株主に対して金銭を対価として優先株式を取得できる権利)を定める予定ですが、株式を対価とする取得条項及び株式又は金銭を対価とする取得請求権(優先株主が公開買付者祖父母会社に対して株式又は金銭を対価として優先株式を取得することを請求する権利)はいずれも定められない予定とのことです。

(注11) 本再出資における公開買付者祖父母会社のA種種類株式及び優先株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格(但し、本株式併合における当社株式の併合の割合に基づき形式的な調整を行う予定です。)にする予定であり、本公開買付価格よりも有利な条件が設定されているものではないとのことです。また、本再出資は、当社の創業以来安定した大株主としての立場を維持してきた大久保泉氏が、自ら及びその親族の資産管理会社である株式会社ラテールネクストを通じて、本取引の実行後も当社株式を間接に一定割合保有し続けることで、当社の経営陣及び従業員をはじめとする関係者の安心感を醸成することにより、当社の円滑な事業運営を支援することを目的としており、本公開買付けへの応募の可否とは独立して検討されたものであることから、本公開買付けへの応募の対価を提供するものではなく、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)の趣旨に抵触するものではないと考えているとのことです。

本取引の概要は以下のとおりとのことです。

Ⅰ.本公開買付けの実施前

0100010_001.png

Ⅱ.本公開買付けの実施

0100010_002.png

Ⅲ.本第三者割当増資等及び本減資(2026年3月上旬予定)

0100010_003.png

Ⅳ.本自社株公開買付け(2026年3月上旬予定)

0100010_004.png

Ⅴ.本再出資(時期:未定)

0100010_005.png

Ⅵ.本株式併合(2026年4月下旬~5月中旬予定)

0100010_006.png

Ⅶ.本取引実施後

0100010_007.png

公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、ラテールホールディングス及び当社との間で、2025年11月10日付で、基本契約(以下「本基本契約」といいます。)を締結し、ラテールホールディングスが、(ⅰ)その所有する当社株式(19,735,800株、所有割合(注12):37.07%)(以下「不応募合意株式」といいます。)の全てについて本公開買付けに応募しないこと、(ⅱ)本自社株公開買付けに不応募合意株式の全てを応募すること、(ⅲ)本臨時株主総会(下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。)において、本株式併合、本定款変更、本第三者割当増資及び本減資に関する議案に賛成することに合意しているとのことです。なお、ラテールホールディングスは、大久保泉氏が代表取締役を務める大久保泉氏及びその親族の資産管理会社とのことです。

(注12) 「所有割合」とは、当社が2025年11月10日付で公表した「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第2四半期(中間期)決算短信」といいます。)に記載された2025年9月30日現在の当社の発行済株式総数(53,419,200株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(728,659株)を控除した株式数(52,690,541株)に、同日時点で残存する本新株予約権(925個(注13))の目的となる当社株式の数(555,000株)を加算した株式数(53,245,541株。以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。)をいいます。以下同じです。

(注13) 公開買付者が、当社から2025年9月30日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権の内訳は以下のとおりとのことです。目的となる当社株式の数は、第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権のいずれも1個につき600株とのことです。なお、当社は、2018年10月18日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行い、また、2023年12月1日付で普通株式1株を2株の割合で株式分割を行っているところ、かかる第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権の目的となる当社株式の数は、当該株式分割による調整がなされた後の数となります。

新株予約権の名称 個数 目的となる当社株式の数
第1回新株予約権 578個 346,800株
第2回新株予約権 248個 148,800株
第3回新株予約権 99個 59,400株

さらに、公開買付者は、2025年11月10日付で、大久保泉氏、株式会社ラテールネクスト、当社の第三位株主であり、大久保泉氏の親族が保有する当社株式を管理する一般社団法人ラテールネクスト及びラテールホールディングスとの間で、大久保泉氏が所有する当社株式(3,999,600株、所有割合:7.51%)及び一般社団法人ラテールネクストが所有する当社株式(3,785,800株、所有割合:7.11%)の全てを本公開買付けに応募する旨の応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結しているとのことです。本基本契約及び本応募契約の詳細につきましては、下記(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

公開買付者は、本公開買付けにおいて15,613,500株(所有割合:29.32%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(15,613,500株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株券等の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的としていることから、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(15,613,500株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数に係る議決権の数(532,455個)に3分の2を乗じた数(354,970個、小数点以下切上げ)から、不応募合意株式(19,735,800株)に係る議決権の数(197,358個)及び譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び取締役を兼務しない執行役員に付与された譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)のうち当社の取締役が所有する譲渡制限付株式147,724株(注14)(所有割合:0.28%)に係る議決権の数(1,477個)を控除した数(156,135個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(15,613,500株)としているとのことです。

かかる買付予定数の下限を設定したのは、本取引において、公開買付者は、当社株式を非公開化することを目的としているところ、下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合、本定款変更、本第三者割当増資及び本減資の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者及びラテールホールディングスが所有する議決権の数並びに当社の取締役が所有する本譲渡制限付株式に係る議決権の数の合計が、当社の総株主の議決権の3分の2以上となるようにするためとのことです。

(注14) 本譲渡制限付株式は、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、2025年11月10日開催の当社取締役会において、当社は本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議していることから、本譲渡制限付株式の所有者のうち当社の取締役は、本公開買付けが成立した場合には本株式併合に係る議案に賛同する見込みであると考えておりますので、買付予定数の下限を考慮するにあたり、これらの当社の取締役が所有する本譲渡制限付株式に係る議決権の数を控除しているとのことです。

公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、公開買付者親会社からの出資により賄うことを予定しているとのことです。

ⅱ.本自社株公開買付け

当社は、2025年11月10日開催の当社取締役会において、本公開買付けの成立後、本減資の効力が発生することを条件に、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項及び当社定款の規定に基づき、不応募合意株式を含む当社の株主の皆様が所有する当社株式を取得することを目的とする自己株式の取得を行うこと、その具体的な取得方法を公開買付けとする予定であることを決議いたしました。

本自社株公開買付けは、本自社株公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本自社株公開買付価格」といいます。)を1,530円とし、2026年3月上旬から開始することを予定しております。当社は、本公開買付けではなく本自社株公開買付けに応募の申込みを希望する当社の株主が存在する可能性に配慮し、本自社株公開買付けにおける買付予定数を、潜在株式勘案後株式総数(注15)から、本公開買付けの決済の開始日時点において公開買付者が所有している当社株式の総数を差し引いた株数とする予定であり、本自社株公開買付けに応募された当社株式の全部の買付け等を行う予定です。なお、本自社株公開買付けにおける買付予定数の買付け等を行う場合であっても、本自社株公開買付けにおける買付予定総額が本自社株公開買付けの決済時における当社の分配可能額の範囲内となるように本第三者割当増資等及び本減資の額が設定されることが予定されていることから、本自社株公開買付けの決済が行えなくなる事態は生じないと考えております。また、当社は、本自社株公開買付けに係る決済等に要する資金を、本第三者割当増資等及び当社の自己資本により賄うことを予定しております。

(注15) 潜在株式勘案後株式総数は、2025年11月10日時点の情報であり、同日以降の当社が所有する自己株式数の変動等により、本自社株公開買付けの開始時点における潜在株式勘案後株式総数と異なる可能性があります。

本自社株公開買付価格は、本公開買付価格に比べて180円低い価格を予定しています。これは、本自社株公開買付けにおいては、法人株主に法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、本自社株公開買付けに応募することが予定されているラテールホールディングスにおいて、本自社株公開買付けに応募することが経済的合理性を有することとなる価格としております。また、本公開買付価格と本自社株公開買付価格の差額180円については、以下の要素を踏まえ、KKR、ラテールホールディングス及び当社の間で協議・交渉の結果、本基本契約により合意したものです。

(a)本自社株公開買付価格は、ラテールホールディングスが本自社株公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額が、ラテールホールディングスが本公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額よりも高くなるように設定されているところ、これは本公開買付けに応募した場合と税引後手取り額が同額となるような本自社株公開買付価格では、ラテールホールディングスから当社株式の売却に関する合意が得られず、そして、ラテールホールディングスの合意が得られない場合は当社の非公開化が実現できず、少数株主の皆様に売却機会を提供することがそもそもできないこと。

(b)公開買付者の買付総額に限度がある中で、本自社株公開買付価格を本公開買付価格より低く設定することにより、本公開買付価格を引き上げることが可能となり、また、本公開買付け後に本自社株公開買付けを実施するのではなく本公開買付けにより不応募合意株式も含めた全ての当社株式を対象とする場合と比べて、本公開買付けを通じて当社の少数株主の皆様により高い価格での売却機会を提供することができるため、ラテールホールディングスと合意した条件で本自社株公開買付けを実施することは当社の少数株主の皆様の利益に資すること。

(c)法人株主は、それぞれの税務上の取扱い及び当社株式の1株当たりの取得価額によってその経済的メリットが異なり得るところ、法人株主は税務上の取扱いに鑑みて、本公開買付け及び本自社株公開買付けからより有利な取引条件を判断の上応募することが可能となり、より多くの株主に対して平等に売却機会を提供することになることから、株主間の平等待遇を損なうものではないと考えられること。

本公開買付価格及び本自社株公開買付価格の決定に係る経緯の詳細については、下記「② 本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本両公開買付け後の経営方針」の「ⅰ.公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「B)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。なお、本自社株公開買付けの詳細については、当社自社株公開買付予定プレスリリースをご参照ください。

公開買付者は、本両公開買付けが成立したものの、当社株券等の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有していなかった場合には、下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式併合の実施を予定しているとのことです。

② 本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本両公開買付け後の経営方針

ⅰ.公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

A)当社を取り巻く経営環境

当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は、本書提出日時点において当社及び連結子会社1社により構成されております。当社は、1981年4月に主として人材派遣サービスを行う企業として設立されました。その後、各地に営業所を開設しながら事業を拡大し2020年3月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場いたしました。その後、東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行し、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しております。

当社グループは、AI活用を積極的に進めており、2016年4月にはAIを活用した人材マッチングプラットフォームのサービスを開始したほか、2018年7月にAI活用のプラットフォームを基軸として、エンジニアのスキルを可視化した人材紹介サイト「コグナビ」のサービスを開始しました。

エンジニア派遣サービスは、現在、当社グループの主業であり、2025年3月期売上高の98.8%を占めております。このエンジニア派遣サービスにおいて、2025年3月31日時点で1,376事業所に正社員として雇用しているエンジニアを4,486名派遣しております。また、当社グループは、その他に理工系新卒学生の就職支援から転職、教育まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することを目的とした4つの「コグナビ」サービスを提供しております。エンジニア派遣サービス及び「コグナビ」サービスの概要は以下のとおりです。

(ア)エンジニア派遣

当社エンジニア派遣サービスの主なターゲットは、機械・電機系(以下「機電系」といいます。)主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)に属しており、従業員数が100名以上の約3,200事業所と、それらに属する部署になります。特定の企業や案件に偏ることなく、多くの取引先から受注を獲得出来ているため、取引基盤が広く安定しております。

当社は、これらの顧客企業に対し、設計・開発、実験・評価、生産技術、品質保証等の各職種にエンジニアを派遣しております。当社は、派遣エンジニアを原則正社員として雇用し、通勤可能範囲内の就業先を選定することで、安定した就業環境を提供しております。

当社のエンジニア派遣サービスの特長として、以下の3点が挙げられます。

(a)部署単位での顧客企業管理

当社の顧客企業は複数県にまたがって事業所を設置していることが多く、派遣契約に関する決裁権限も各事業所に付与されているケースが一般的です。この点を踏まえ、当社による顧客企業管理も企業単位ではなく事業所単位としております。さらに当社は、顧客企業の各事業所に属する部署までを把握して、その業務内容や必要とされるスキル等の理解に努めております。このような部署単位での業務内容・人材ニーズ把握努力が、スキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「cognavi」(以下「コグナビ」といいます。)の開発の基となっております。

(b)「コグナビ」によるスキルをベースにしたダイレクトマッチング

当社は、顧客企業各部署の業務に必要なスキルをツリー構造で表した「テクニカルツリー」と、エンジニアが保有するスキルや経験をツリー構造で整理した「スキルツリー」をエンジニア派遣におけるマッチングにも利用しております。当社は、顧客からの求人案件に対し、業務に必要なスキルの「テクニカルツリー」と当社派遣エンジニア社員の「スキルツリー」をマッチングさせ、それを可視化することで、求人企業から見ても求職人材から見ても主観に頼らないダイレクトマッチングシステムを提供しております。

(c)独自のルートによる人材採用

当社は、求人・求職情報サイトに広告を掲載して応募者を募る一般的な手法に加え、下記4つの派遣エンジニア人材採用ルートを構築しております。採用にあたっては、地域性を重視し、応募者の書類選考から採用に至るまで全てのプロセスを各営業拠点で行っております。通勤可能範囲や地域特性を考慮し、地元での就業を希望するエンジニア人材の意向に沿った就業機会の場を数多く、迅速に提案できる体制を整えております。

・カムバック採用

当社で派遣エンジニアとして就業経験のある退職者に対して、当該人材が居住するエリアの派遣求人案件情報を定期的にメールで配信することで再応募を促進しております。

・社員紹介制度

当社社員から紹介された人材を派遣エンジニアとして採用する制度です。

・過去の就業辞退者

当社の派遣求人案件に応募されたものの選考過程で辞退された人材に対して、当該人材が居住するエリアの派遣求人案件情報を定期的にメール配信することで再応募を促進しております。

・理工系大学からの紹介

当社は、理工系学生が将来エンジニアを目指すきっかけづくりとして、全国の大学でエンジニア経験者による「エンジニア職セミナー」を無料で開催しております。この取組みは機電系学部の教授からも高く評価され、2025年3月末時点で、機電系学部のある大学(144校)のうち125校でセミナーを実施いたしました。当社は、通常の新卒採用に加え、このようにエンジニア職セミナーを通して当社の取組みを評価していただいた教授等から当社を推薦いただき、理工系学生を当社エンジニアとして採用しております。

(イ)エンジニア紹介及びその他

当社は、設立以来エンジニア派遣サービスを主業としてきましたが、以下の3点に配慮し、市場動向を先取りした新しいビジネスモデルを追求しております。

・当社の顧客企業・エンジニアについて、明確な選択と集中を行う。

・人材派遣ビジネスで一般的な「求人企業の需要」に対する営業活動ではなく、「求職人材」を起点とした営業活動を推進する。

・採用活動における労働集約的な業務のあり方からの脱却を目指して、業務プロセスの効率化を追求する情報通信テクノロジーを活用する。

上記の特長を具現化したものが、エンジニアのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」です。「コグナビ」の主な特長は以下のとおりです。

・エンジニアのスキルをツリーで体系化

「コグナビ」では、エンジニアのスキル、顧客企業の各部署における業務内容の双方を、わかりやすく可視化して把握するために、「技術・ツール」「製品・部品」「職種・工程」「学問」の4分野から構成された技術要素に係る用語を、ツリー構造で体系的に整理しております。「製品・部品」を例にとると、「自動車関連」⇒「自動車」⇒「ボディ」⇒「内装部品」⇒「エアバッグシステム」のように、ツリーの階層が深くなるほど細分化されます。選択肢となる技術用語は、2025年3月末時点で約178,000語が登録されております。

・「スキルツリー」と「テクニカルツリー」

エンジニアが保有するスキルや経験を、ツリー構造で登録したものを「スキルツリー」と称しております。登録したスキルにはそれぞれ5段階の習熟度を設定することで、保有スキルの幅と深さを体系化、可視化しております。ツリーを構成する技術用語は、それぞれ「関係線」で結ばれております。ひとつの技術用語を選択すると、その関係線が関係する他の技術用語にも結び付きます。これにより、業界や職種の枠にとらわれない、それまで見えていなかった新たな可能性を見出すことが可能です。

一方、顧客企業における各部署の業務内容や必要とするスキルを、ツリー構造で登録したものを「テクニカルツリー」と称しております。「スキルツリー」同様、選択した技術用語に対し、それぞれ5段階の重要度を設定することで、必要とするスキルの幅と深さを体系化、可視化しております。なお、エンジニアが選択する「スキルツリー」と、顧客企業が選択する「テクニカルツリー」の項目は、同一のものとなっております。

・ツリーの技術用語を結ぶ「関係線」

ツリーの技術用語は分野ごとに繋がり、体系化されておりますが、各技術用語はそれぞれの分野を超えて技術的、学術的に関連し合っております。当社では、これらの関係性を線で繋ぐ「関係線」によって、エンジニアが気づかなかった職種や製品分野で活躍する可能性を提案できるようになりました。また、顧客企業においても、他業種で活躍したエンジニアの採用や、ジョブローテーションのための自社エンジニアの異動部署選定等に活用できる仕組みを提供しております。2025年3月末時点で、約150,000本の関係線が登録されております。

・「マッチングスコア」と「マッチングツリー」

顧客企業における各部署の「テクニカルツリー」と、エンジニアや理工系学生の「スキルツリー」を重ね合わせてマッチングを行い、それを数値化した結果(「100」を完全マッチングとした場合の比率)を「マッチングスコア」と称しております。「マッチングスコア」のスコアは、エンジニアの持つスキルと顧客企業が求めるスキルが多くマッチするほど高くなります。

スキルのマッチングに際し、「スキルツリー」と「テクニカルツリー」を重ね合わせ、マッチングした箇所をハイライトしたものを「マッチングツリー」と称しております。「マッチングスコア」での判断に加え、「マッチングツリー」では具体的にどの技術要素がマッチしているかを視覚的に判りやすく把握できるため、顧客企業の各部署が重要視するスキルをエンジニアがどの程度保有しているか等、より双方のニーズに合致した、客観的な意思決定を可能としております。

・「マッチングマップ」

上記の「マッチングスコア」は、「マッチングマップ」と称する地図上に表示されます。顧客企業側の画面には事業所を中心として、通勤圏内に居住するエンジニアとの「マッチングスコア」が表示されます。通勤可能範囲内にどのようなスキルを保有するエンジニアがいるのかを地図上で確認できます。一方、エンジニア人材側の画面には自宅を中心として、通勤圏内にある顧客企業における各部署との「マッチングスコア」が表示されます。通勤可能範囲内にどのような企業の求人があるのかを同様に地図上で確認し、応募することが可能です。

・ダイレクトマッチング支援機能

顧客企業の担当者は、上記の「マッチングマップ」上の転職・就職希望者を確認した上で、着目したエンジニア人材に対して応募を促すためのオファーメールを送信することが可能です。また、エンジニアは、「マッチングマップ」上の興味のある企業に対して、採用を働きかけるアピールメールを送信することが可能です。

応募やオファーメール、アピールメール送信後における、エンジニアと顧客企業担当者とのやりとりは、「コグナビ」上にてチャット形式で行います。書類選考から面接の設定、面接結果の連絡まで、全て「コグナビ」上で完結させることが可能です。

当社は、上記の「コグナビ」の6つの特長を活かした人材サービスを提供しております。「コグナビ」をベースとして、エンジニア人材市場における全ての人材流動パターンを捕捉するため、以下の4つの「コグナビ」サービスをラインアップしております。これにより、当社は全てのエンジニア採用ルートを備えたビジネスモデルを構築しております。これら「コグナビ」各サービスの概要は以下のとおりです。

(a)コグナビ 派遣(エンジニア派遣サービス)

上記(ア)に記載のとおりです。

(b)コグナビ 転職

顧客企業と機電系エンジニアの転職希望者を「コグナビ」の根幹となるツリーと「マッチングマップ」によって結びつける人材紹介サービス「コグナビ 転職」を2018年7月に立ち上げました。このサイトは「コグナビ」の仕組みを活用して求人企業と求職人材をダイレクトマッチングする機能を有しております。

(c)コグナビ 新卒

「コグナビ 転職」における、ツリーと「マッチングマップ」を核としたマッチングの仕組みを、顧客企業と新卒理工系大学・大学院学生の就職希望者とのマッチングに応用する理工系学生専門の就職支援サービス「コグナビ 新卒」を2019年7月に立ち上げました。このサービスは「好きな科目が仕事につながる」をコンセプトとし、「学生が自分にどんな仕事が合っているかよくわからないため、知名度のある企業に応募が集中してしまう」という従来型就職活動の課題を解決し、自分の学んだ科目を生かして就職先企業を見つけることができるサービスです。求人企業にとっても、大学名や成績で判断するのではなく、各部署に応じた業務に必要な知識を備えた学生の採用につながるものと考えております。

基本的な仕組みは「コグナビ 転職」と同じですが、「コグナビ 転職」における「スキルツリー」の代わりに、就職を希望する学生が大学で学んできた「履修科目」と「実験実習」に関する「履修ツリー」を作成して利用します。また、「コグナビ 転職」における5段階のスキル「習熟度」の代わりに3段階の実験実習「習得度」を設定し、さらに好きな履修科目に対して「好きな科目」マークを付すことができる仕組みになっております。また、「コグナビ 新卒」は、文系・理工系双方の学生を対象としている既存の総合型求人・求職情報サイトと異なり、理工系学生が就職後の環境がイメージしやすい独自コンテンツを掲載しております。企業単位ではなく事業所単位でコンテンツを準備し、それぞれの事業所でどのような製品を扱い、どのような部門があるのかを紹介しております。また、実際のオフィスや実験設備、就業している若手エンジニアへのインタビュー等を、写真や動画、360度パノラマ動画にて掲載しております。

これらの企業紹介コンテンツは、当該企業が「コグナビ 新卒」の管理画面上で作成及び更新できるようになっております。この機能により、掲載企業は常に最新の情報を維持することができ、当社は掲載コンテンツの作成及び更新に関する工数負担を削減することが可能と考えております。更新にあたっては、当社管理担当者による内容確認を経て公開される流れとなっております。

なお、「コグナビ 新卒」のターゲットとなる顧客企業は、「コグナビ 派遣」のターゲットと同一となります。

(d)コグナビ カレッジ

顧客企業内の各部署における不足したスキルをカバーするためには、人材の社内若しくは社外からの補充、又は在籍エンジニアへの教育が必要となります。教育の受け皿として、機電系製造業の自社エンジニア向けリスキリング研修を近隣の大学で実施するために両者の仲介を行うサービスを「コグナビ カレッジ」という名称で2019年2月より提供しております。これまで企業の研修は、外部研修業者の施設で実施するか、企業内でのOJT、Off-JTという形が殆どでしたが、より専門的な知識の習得や、技術革新に伴う企業の業態転換等に対応するにあたっては、選択肢の少なさや講師の不在が課題となっていました。また採用環境が厳しい中、設計部門に理工系以外の学生を採用してから育成するといったニーズも発生しております。一方、大学にとっては少子化に伴って学生の確保が年々困難となる中、施設や教授の稼働率向上、競合となる近隣大学との差別化、近隣企業との関係強化による就職率の向上等、様々な課題を抱えております。

専門知識を持った大学教授と充実した大学の設備を活用し、企業のニーズに沿った研修を当社がカスタマイズして提供することで、双方の課題を解決するとともに、企業と大学とのコミュニケーションが強化されることで、将来の新卒採用や共同研究の可能性を広げ、地域活性化にも貢献し得るサービスです。

また、2025年3月末時点で、12大学と基本契約を締結しております。2025年3月期においては、814名が受講しております。

以上のほか、当社から派遣されているエンジニアを顧客が直接雇用したい場合に、本人の希望を確認の上、一定の手数料を受け取り、雇用関係を変更する場合があり、これを「転籍」としております。

当社は、上記事業を営む上で、当社を取り巻く市場環境や経営環境が変化している中、特に以下の3つの事項を経営上の課題(以下「本経営課題」といいます。)と認識しています。

(a)エンジニア人材の継続的な確保

日本国内のエンジニア人材市場は社会の高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面していることから、今後もエンジニア人材の確保が難しい状況が継続するものと予想されます。従いまして、エンジニア人材を確保することは当社の重要な経営課題であると考えております。エンジニア人材を継続的に確保するためには、マーケティング活動を含む適宜適切な投資が不可欠であると考えております。

(b)テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立

「同一労働同一賃金」の実現を目的とした2020年4月の労働者派遣法改正や近年のHRテック企業の台頭等を背景として人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れております。その一方で、様々なHRテックが登場しているものの、大きな変化を起こして市場を制覇する革新的なテクノロジーやビジネスモデルが業界内に見当たらないことも事実です。

独自のテクノロジーにより、スキルマッチング機能を駆使することで、学生から経験者、正社員から派遣社員まで、全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得る当社のビジネスモデルは、業界内を見渡しても類例を見ない革新的なものになっております。当社にとって、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルは当社の差異化の源泉であり、これらを活用したテクノロジーとビジネスモデルで十分な投資を実行して競争優位性を確立し続けることは、当社の重要な経営課題であると考えております。

(c)海外事業への取組み

当社グループは、今後飛躍的な経済成長が見込まれるインドにおいて、エンジニア専用のジョブポータルサイトの開発・運営を行うCognavi India Private Limitedを主体に事業を展開しております。日本国内においては、理工系学生とメーカーをメインターゲットとしておりますが、インドにおいては、全ての学生を対象としたジョブポータルサイトをインドで開発し、インドの全ての企業と大学、そして学生をつなぐ、インド市場に適合したシステムを運営することが重要であると考えております。また、日本への就職を希望するインドの新卒学生と日本の企業をつなぐ取組み「WORK IN JAPAN」を2025年3月より開始し、優秀なインド人学生の採用を望んでいる日本企業へのサービス訴求を進めております。こうした海外事業を順調に成長させていくため、継続的でかつタイムリーな投資が必須となっております。

当社を取り巻く経営環境は、このような状況を踏まえますと、本経営課題の解決に単独で取り組む際には時間がかかり、市場での好機を逃すリスクがあるほか、十分な投資ができないことによる機会損失の可能性があります。このため、当社のさらなる成長を実現するためには、新しいパートナー企業による資本参加を含む様々な取組みの検討が必要な状況にあります。

B)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

KKRは、2025年5月下旬、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)より、当社が「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、当社を取り巻く経営環境を踏まえ、新しいパートナー企業による資本参加を含む様々な取組みを検討しており、資本・ガバナンス・オペレーション面での中長期志向の成長投資をともに進めるパートナーを模索していたことから当社を紹介され、同年6月上旬から7月中旬にかけて、当社の経営陣と複数回の面談を行ったとのことです。これらの面談を通じて、また、当社から共有された事業計画等の精査を経て、KKRは、当社株式の非公開化取引及び当社との戦略的パートナーシップを通じて、当社のこれまで以上の成長戦略の推進、事業成長、及び価値向上が可能であるとの確信を得たとのことです。

また、KKRは、上記の当社経営陣との協議と並行して、大久保泉氏との間で2025年8月上旬から複数回の協議を実施したとのことです。具体的には、同年8月13日にKKRの紹介、当社の企業価値向上策に関する議論及び非公開化の提案を実施し、同年8月25日及び同年8月29日に再度非公開化の提案を実施したとのことです。その後、同年9月1日には、大久保泉氏を含む創業家株主から当社株式の非公開化取引を進めることについて同意を得たとのことです。なお、KKRは、複数回に亘る協議の結果、最終的に、同日付で大久保泉氏、ラテールホールディングス及び一般社団法人ラテールネクストとの間で、KKRに独占交渉権を付与することを含む秘密保持契約を締結したとのことです。なお、かかる秘密保持契約は、独占交渉権も含めて2025年11月10日付でその効力が失効しているとのことです。

さらに、KKRは、8月下旬、本取引の成立の蓋然性を高める観点でのストラクチャーに関する検討を行う中で、法人株主一般にとって、当社によって行われる公開買付けに応募する場合に、法人税法第23条の規定に基づき、当社による公開買付けへの応募により生じるみなし配当に係る受取配当金の益金不算入規定が適用されるため、当社以外の者によって行われる公開買付けに応募する場合と比較して税務上の取扱いが異なり得ることも踏まえ、公開買付者による当社株式を対象とする公開買付けに加え、当社による自己株式の公開買付けを併せて実施する手法についても検討を行ったとのことです。検討の過程において、KKRは、①上記のとおり当社の法人株主における税務上の取扱いを考慮して当社による自社株公開買付けを実施することは、当社の法人株主一般の利益につながり得ること、②本自社株公開買付価格を本公開買付価格より低く設定することにより、本公開買付け後に本自社株公開買付けを実施しない場合と比べて、公開買付者の買付総額を一定にしながら、本公開買付けを通じて当社の少数株主の皆様により高い価格での売却機会を提供することができ、より多くの当社の少数株主の皆様による応募が期待できる結果、本公開買付けを含む本取引の成立の蓋然性が高められつつ、当社の少数株主の皆様の利益拡大にも資することから、かかる公開買付けの組み合わせは、合理性があると判断し、当社による賛同を前提に本公開買付けと本自社株公開買付けを併せて実施することで当社株式を非公開化するストラクチャーの採用を検討したとのことです。

上記の検討及び経緯を経て、KKRは、2025年9月2日付で、当社に対して、当社株式の非公開化を前提として、本公開買付価格を1,510円とし、本自社株公開買付価格1,500円とする法的拘束力を有しない提案書(以下「初期的提案書」といいます。)を提出し、2025年9月4日付で、当社より本取引について検討する旨の回答を得たとのことです。なお、初期的提案書における本公開買付価格は、提案日の前営業日である2025年9月1日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,350円に対して11.85%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,290円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して17.05%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,210円に対して24.79%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,129円に対して33.75%のプレミアムを加えた価格であり、当社が2026年3月期の中間配当及び期末配当を行わない前提で提示した価格とのことです。これに対し、当社及び本特別委員会(下記「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」において定義します。以下同じです。)からは、2025年9月22日、初期的提案書における本公開買付価格は、同種案件におけるプレミアム水準と比較して極めて低い水準であり、当社の一般株主に支払うべき公正な価格として、到底受け入れられるものではないこと、また、本公開買付価格と本自社株公開買付価格の価格差がわずか10円にとどまっていることは、本自社株公開買付けに応募するラテールホールディングスが得られる税引後手取り額が、当社の一般株主の得られる税引後手取り額を相当程度上回ることが一目瞭然であり、支配株主に準ずる立場であるラテールホールディングスを優遇する条件であるとの評価を免れないと考えており、初期的提案書における本公開買付価格は、当社の本来の企業価値及び本取引による企業価値の増加分が当社の一般株主に公正に分配されているものとはいえず、当社の一般株主にとって公正な価格とは到底いえないものとして、法的拘束力のある提案の際には、本公開買付価格の価格を十分な水準まで引き上げるよう要請を受けたとのことです。

その後、KKRは、2025年9月4日から同年10月10日にかけて当社の事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス及び当社の経営陣との事業戦略に関するマネジメントインタビュー等を実施し、本取引に関する分析と検討を進めたとのことです。かかる検討の結果、KKRは、2025年10月14日、当社に対して、本公開買付価格を1,650円(提案実施日の前営業日である同月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,242円に対して32.85%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,275円に対して29.41%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,269円に対して30.02%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,184円に対して39.36%のプレミアムを加えた価格)、本自社株公開買付価格を1,520円とする旨の価格提案書(以下「第1回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2025年10月16日、第1回目提案書における本公開買付価格は、当社の一般株主に支払うべき公正な対価として到底受け入れられるものではなく、本公開買付価格及び本自社株公開買付価格の価格差を考慮すると依然として一般株主よりも大株主であるラテールホールディングス、ひいては支配株主に準ずる当社の創業者ら(大久保泉氏、ラテールホールディングス及び一般社団法人ラテールネクスト)を著しく優遇する取引であるとの評価を免れない水準であるとして再検討の要請を受けたとのことです。これを受けて、KKRは、2025年10月20日、当社に対して、本公開買付価格を1,680円(提案実施日の前営業日である同月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,225円に対して37.14%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,261円に対して33.23%のプレミアム、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,273円に対して31.97%のプレミアム、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,194円に対して40.70%のプレミアムを加えた価格。)に引き上げ、本自社株公開買付価格を引き続き1,520円とする旨の価格提案書(以下「第2回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2025年10月21日、第2回目提案書における提案内容は、2025年10月16日に当社より伝えた要望内容を反映したものとは到底考えられないとして再検討の要請を受けたとのことです。これを受けて、KKRは、2025年10月28日、当社に対して、本公開買付価格を1,700円(提案実施日の前営業日である同月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,266円に対して34.28%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,253円に対して35.67%のプレミアム、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,277円に対して33.12%のプレミアム、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,206円に対して40.96%のプレミアムを加えた価格。)に引き上げ、本自社株公開買付価格を1,530円とする旨の価格提案書(以下「第3回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2025年10月29日、第3回目提案書における本公開買付価格は、当社の一般株主に支払うべき公正な対価として受け入れられるものではなく、第3回目提案書において、本公開買付価格及び本自社株公開買付価格の提案価格はいずれも上昇したものの、一般株主よりも大株主であるラテールホールディングス、ひいては支配株主に準ずる立場にある当社の創業者ら(大久保泉氏、ラテールホールディングス及び一般社団法人ラテールネクスト)を優遇する取引と評価されないような提案を求める当社及び本特別委員会の懸念を正しく理解したものとはいえないとして再検討の要請を受けたとのことです。これを受けて、KKRは、2025年11月3日、当社に対して、本公開買付価格を1,705円(提案実施日の前営業日である同年10月31日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,231円に対して38.51%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,246円に対して36.84%のプレミアム、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,278円に対して33.41%のプレミアム、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,210円に対して40.91%のプレミアムを加えた価格。)に引き上げ、本自社株公開買付価格を引き続き1,530円とする旨の価格提案書(以下「第4回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2025年11月4日、第4回目提案書における本公開買付価格は、当社の一般株主に支払うべき公正な対価とはいえないとして、再検討の要請を受けたとのことです。これを受けて、KKRは、2025年11月5日、当社に対して、本公開買付価格を1,710円(提案実施日の前営業日である同年11月4日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,256円に対して36.15%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,248円に対して37.02%のプレミアム、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,279円に対して33.70%のプレミアム、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,213円に対して40.97%のプレミアムを加えた価格。)に引き上げ、本自社株公開買付価格を引き続き1,530円とする旨の価格提案書(以下「第5回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2025年11月6日、再検討の要請を受けましたが、KKRとして提案可能な最善かつ最終の提案として第5回目提案書を提出したことから、同日、本公開買付価格を維持する旨を回答したところ、2025年11月7日、当社より応諾する旨の回答があったとのことです。

ⅱ 本両公開買付け後の経営方針

本取引後、KKRは、当社の役職員とともに、今まで当社が築き上げてきた確固たる事業基盤を活かしつつ、KKRが有するグローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)及びインオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略の推進を通じて、当社の更なる事業成長及び企業価値の向上を目指すとのことです。KKRは、本取引完了後、当社の経営陣と最適なポートフォリオ戦略を議論の上、当社の売上成長及び収益性改善施策を実施することを検討しているとのことです。

公開買付者は、現時点においては、経営の効率化を図るために、本取引完了後に、KKRが指名する取締役を当社の取締役に就任させることを考えておりますが、その具体的な人数、時期及び候補者等については、現時点では未定とのことです。また、本取引完了後の経営体制や取締役会の構成等に関しても、現時点では、公開買付者としての具体的な想定及び希望はないとのことです。

③ 当社における意思決定に至る過程及び理由

当社は、上記「② 本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本両公開買付け後の経営方針」の「ⅰ.公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「A)当社を取り巻く経営環境」に記載のとおり、当社を取り巻く経営環境を踏まえ、新しいパートナー企業による資本参加を含む様々な取組みの検討をしてまいりました。このような状況の中、2025年5月下旬、KKRから面談の申入れを受け、同年6月上旬から7月中旬にかけて、KKRと複数回の面談を行い、本経営課題について議論を行いました。

2025年9月2日に、KKRから、本公開買付価格を1,510円、本自社株公開買付価格を1,500円とする初期的提案書を受領し、2025年9月4日に、本取引に係る手続の公正性に関する助言を得るため、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を選任し、また、当社及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを選任することで、KKRからの提案を検討するための体制を整備いたしました。

同日、当該提案を検討する旨をKKRに対して回答いたしました。これを受けて、当社は、同日開催の当社取締役会において、当該提案の内容について検討するにあたり、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格、本自社株公開買付価格及びその他の本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置することを決議いたしました(委員の構成やその他具体的な諮問事項等については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。同日、本特別委員会は、本特別委員会の独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を選任いたしました。

かかる体制の下で、当社は、初期的提案書に記載された本取引の目的を含む本両公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容を踏まえ、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの助言を受けながら、本取引の実行の是非及び取引条件の妥当性について検討してまいりました。

また、当社は、本特別委員会に対し、(a)当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家(以下「アドバイザー等」と総称する。)を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(b)本特別委員会が必要と認める場合には、自らのアドバイザー等を選任する権限(本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とする。)、(c)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(d)本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与することを決議しました。

なお、当社及び本特別委員会は、KKRから法的拘束力を有する提案を受領するに先立ち、2025年9月22日に、KKRに対し、初期的提案書で提案された本公開買付価格は、極めて低い水準のプレミアムしか付されておらず、また、本公開買付価格と本自社株公開買付価格の価格差がわずか10円というのでは、本自社株公開買付けに応募するラテールホールディングスが得られる税引後手取り額が、当社の一般株主の得られる税引後手取り額を相当程度上回ることが一目瞭然であり、ラテールホールディングスを優遇する条件であるとの評価を免れないと考えていること、そのため、初期的提案書で提案された本公開買付価格は当社の本来の企業価値及び本取引による企業価値の増加分が当社の一般株主に公正に分配されているものとはいえず、当社の一般株主にとって公正な価格とは到底いえないものと考えているとして、本取引に係る法的拘束力を有するご提案をいただく際には、本公開買付価格を十分な水準まで引き上げていただくことを要請いたしました。

KKRは、2025年9月4日から同年10月10日にかけて当社の事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス及び当社の経営陣との事業戦略に関するマネジメントインタビュー等を実施し、本取引に関する分析と検討を進めたとのことです。その結果、2025年10月14日に、KKRから本取引のストラクチャー及び本公開買付価格を1,650円、本自社株公開買付価格を1,520円とする第1回目提案書を受領いたしました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年10月16日に、法的拘束力を有する提案いただく際には、本公開買付価格を十分な水準まで引き上げていただくように要請したにもかかわらず、第1回目提案書で提示された本公開買付価格はそれに応じたものとはいえず、また、本公開買付価格と本自社株公開買付価格の価格差も依然としてラテールホールディングスを優遇する条件であるとの評価を免れない水準であると考えたことから、第1回目提案書における本公開買付価格は引き続き当社の一般株主に支払うべき公正な対価として、到底受け入れられるものではないとして、本公開買付価格の引上げの要請を行いました。その後、2025年10月20日に、KKRから本公開買付価格を1,680円、本自社株公開買付価格を1,520円とする旨の第2回目提案書を受領したものの、2025年10月21日に、第2回目提案書の提案内容は、当社及び本特別委員会からの要望が反映されたものとは到底考えられないとして、本公開買付価格の再検討の要請を行いました。その後、2025年10月28日に、KKRから本公開買付価格を1,700円、本自社株公開買付価格を1,530円とする旨の第3回目提案書を受領したものの、2025年10月29日に、第3回目提案書の提案内容は、依然として当社の一般株主に支払うべき公正な対価として受け入れられるものではないとして、本公開買付価格については、当社の一般株主の利益の観点から一層の引上げの再検討を要請しました。その後、2025年11月3日に、KKRから本公開買付価格を1,705円、本自社株公開買付価格を1,530円とする旨の第4回目提案書を受領したものの、2025年11月4日に、第4回目提案書の提案内容は、当社の一般株主に支払うべき公正な対価とはいえないとして、本公開買付価格については、当社の一般株主の利益の観点から改めて引上げの再検討を要請しました。その後、2025年11月5日に、KKRから本公開買付価格を1,710円、本自社株公開買付価格を1,530円とする旨の第5回目提案書を受領いたしました。当社及び本特別委員会は、2025年11月6日に、当社の一般株主の利益の観点から、改めて第5回目提案書の提案内容がKKRにおいて提示可能な最善のものであり再検討の余地がないものかの確認を口頭で行ったところ、同日、KKRから提案可能な最善かつ最終の提案として第5回目提案書を提出したことから、本公開買付価格を1,710円とすることを維持する旨の回答がありました。これを受けて当社は、2025年11月7日に、本公開買付価格を1,710円、本自社株公開買付価格を1,530円とすることで応諾する旨の回答をしました。

さらに、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年11月7日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました。(本答申書の概要については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)なお、当社は、本特別委員会より、本答申書と併せて、2025年11月7日付で本特別委員会が山田コンサルから提出を受けた当社株式の株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(山田コンサル)」といいます。)の提出を受けております。(本株式価値算定書(山田コンサル)の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)

その上で当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから2025年11月7日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)」といいます。)、本株式価値算定書(山田コンサル)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものになっているか等の観点から慎重に協議を行いました。

当社を取り巻く市場環境や経営環境が変化している中、本経営課題の解決に単独で取り組む際には時間がかかり、市場での好機を逃すリスクがあるほか、十分な投資ができないことによる機会損失の可能性があります。このため、当社のさらなる成長を実現するためには、新しいパートナー企業による資本参加を含む様々な取組みの検討が必要な状況にありました。

当社は、本取引を実施することによるメリット、シナジーについて検討いたしました。本取引の実施による株式の非公開化によるメリットとしては、(ⅰ)適宜適切に大胆な投資施策が可能になること、(ⅱ)短期的な売上高の縮小や業績の浮き沈みを気にせず、中長期的な視点で経営判断できるようになること、そして(ⅲ)本経営課題を解決する能力や知見を備えた新たなパートナーの資本参加を得て、本経営課題の解決にスピーディに取り組めるようになることの3つと考えております。

(ⅰ)の投資施策に関しましては、上記の本経営課題において言及した「エンジニア人材の継続的な確保」、「テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立」、及び「海外事業への取組み」のいずれにおいても、適宜適切なタイミングで大胆な投資が必要になることから、メリット及びシナジーは高いと判断しています。(ⅱ)の中長期的な視点での経営判断に関しましては、今後の事業活動における選択と集中を進めるにおいて、短期的には売上高や利益縮小の可能性もあり、短期的な収益確保という観点では選択しづらい経営判断もあり得ることから、非公開化によって短期的視点の意見に左右されない判断を志向できるため、メリット及びシナジーは高いと判断しています。(ⅲ)の新たなパートナーとの共同課題解決においては、公開買付者が、当社が事業を進める人材派遣業界における知見を保有するほか、当社が経営課題としている「海外事業への取組み」、特にインド地域におけるリソースを大きく保有していることから、当社が同地域において人材ビジネスを拡大していく上で最適なパートナーであり、メリット及びシナジーは極めて高いと判断しています。公開買付者は、グローバルな市場で様々な企業の価値拡大に取り組んでおり、その中には人材派遣や人材紹介に関わる企業も含まれています。また、グローバルな活動の中においては、インドのみならず、当社が今後の進出先エリアと想定している米国地域でも大きなリソースを保有することから、中長期的にともに本経営課題を解決しながら企業価値向上を実現できるパートナーであると考えております。

一方で、当社は、本取引を実施することによるデメリットについても検討いたしました。本取引の実施による株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられます。しかしながら、資金調達の面では、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くなく、また、知名度や社会的信用の向上についても、真摯な事業遂行により実現することが可能なものであることからすれば、当社における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えております。また、主要株主との間で資本関係を解消し公開買付者の傘下に入ることによる当社事業への影響についても検討いたしましたが、特段のデメリットは見受けられず、本取引によって生じるメリットはそのデメリットを上回ると考えております。

以上を踏まえ、当社は、本取引は当社の企業価値向上に資するとの結論に至りました。

また、本公開買付価格1,710円は、(ⅰ)下記「(3)算定に関する事項」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、(a)市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っていること、(b)デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによるディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(c)山田コンサルによるDCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(d)山田コンサルによる類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限を上回ることが認められ、これらを踏まえるとデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルにより算定された当社株式の株式価値との比較の観点において、当社の少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考えられ、また、本公開買付けの公表日前営業日である2025年11月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,275円に対して34.12%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,249円に対して36.91%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,280円に対して33.59%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,215円に対して40.74%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年10月末時点で成立済みの同種事例136件における市場株価へのプレミアムの中央値(公表日の前営業日の終値に対して38.24%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値に対して40.40%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対して42.74%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値に対して44.89%)と比較しても、大きく乖離したものとはいえず、本公開買付価格に付されたプレミアムは同種事例と特段異なる水準あるいは不合理な水準を提示しているとは考えられないため、当該同種事例と特段遜色ない、合理的といえる水準であると考えております。

以上により、当社は、2025年11月10日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。

加えて、当社は、(ⅰ)本取引は、公開買付者が当社の筆頭株主であるラテールホールディングスとの間で本公開買付けに係る不応募の合意を行い、かつ本自社株公開買付価格について両当事者において合意して実施される予定のものであり、仮にラテールホールディングスが本自社株公開買付価格を含む本取引の実施に合意しない場合、本公開買付け自体が実施されず、当社の一般株主が本公開買付けを通じて当社株式を売却する機会が失われる可能性が高いものといえること、(ⅱ)そもそも本取引の目的は合理的である(本取引が当社の企業価値向上に資する。)と考えられ、また本公開買付価格については、当社が公開買付者との真摯な交渉を経て当初の提案価格から相当の増額を引き出したものであるところ、当社の本源的な価値を踏まえた妥当な水準の価格として合意に至っており、本取引と類似の取引事例を踏まえて合理的なプレミアムが付されていると考えられること、当該交渉において当社から公開買付者に対して増額されるべきは本公開買付価格である旨を申し入れ最終的には本自社株公開買付価格との間に相応の価格差が設けられるに至ったこと等を踏まえると、本公開買付けを通じて当社の一般株主に対しては合理的な水準での対価が配分されるものと考えられること、(ⅲ)仮に本取引において本自社株公開買付けが実施されず、本公開買付けのみにより当社株式の非公開化が進められた場合には、当社の一般株主が公開買付けを通じて得ることのできる対価(すなわち公開買付価格)がより低い金額となってしまうことが想定され、他方でラテールホールディングスにおける本自社株公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額は適用のある税制に負う部分もあることから、今般最終的に合意された本公開買付価格により実施予定の本公開買付けを含む本取引は、当社の一般株主に対して当社株式の適切な売却機会を与えるものであること、また下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、上記(ⅰ)乃至(ⅲ)に関して、本特別委員会からも同様の見解が示されていることから、当社が、本公開買付けの実施後に本取引の一環として本自社株公開買付価格を1,530円とする本自社株公開買付けを実施することは、当社の株主の皆様の利益に鑑みても合理的であると判断し、本自社株公開買付けの前提条件の全てが充足されていることを条件として、本公開買付けの実施に続く本取引の第二段階として、会社法第459条第1項の規定による当社定款の規定及び同法第156条第1項の規定に基づき、自己株式の取得及びその具体的な方法として本自社株公開買付価格を1,530円とする本自社株公開買付けを行う予定である旨を決議いたしました。

なお、上記のとおり、2025年11月10日開催の取締役会において、当社は、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しているものの、本公開買付けへの応募の推奨は、本自社株公開買付けへの応募を妨げる趣旨ではなく、当社の株主の皆様におかれては、各株主に適用される税務上の取扱いが異なることを踏まえ、本公開買付け又は本自社株公開買付けのいずれに応募するかも含めてご判断いただきますようお願いいたします。

なお、上記当社取締役会における決議の方法は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」をご参照ください。

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得

ⅰ 算定機関に関する名称並びに当社、公開買付者及び大久保泉氏等との関係

当社は、KKRから提示された本公開買付価格を検討し、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公正性を担保するための措置として、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス、株式会社ラテールネクスト及び一般社団法人ラテールネクストから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから、2025年11月7日付で本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得いたしました。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておらず、本特別委員会において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの独立性に問題がないことが確認されております。また、当社は、本取引に際して実施されている本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合でも当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しました。

ⅱ 算定の概要

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、また、当社の業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社株式の価値算定を行いました。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが上記各手法に基づいて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

市場株価法:1,215円から1,280円

DCF法 :1,566円から1,993円

市場株価法では、2025年11月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所における算定基準日終値1,275円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,249円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,280円、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,215円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、1,215円から1,280円までと算定しております。

次に、DCF法では、当社が作成した2026年3月期から2029年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期第3四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値及び株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,566円から1,993円までと算定しております。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF法による算定の前提とした本事業計画には、対前年度比較において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、主にエンジニア派遣サービスの稼働人数増加及び稼働平均単価の上昇による売上高の増加に伴い、2028年3月期の営業利益が77億円(対前年比41.8%増)となることを見込んでおります。なお、本事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味しておりません。

(注) デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を及ぼす可能性のある事実でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、本事業計画に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、2025年11月7日までの上記情報を反映したものであります。

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

ⅰ 算定機関に関する名称並びに当社、公開買付者及び大久保泉氏等との関係

本特別委員会は、本諮問事項(下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」において定義します。)について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス、株式会社ラテールネクスト及び一般社団法人ラテールネクストから独立した第三者算定機関である山田コンサルに当社株式の価値算定及び本公開買付価格の財務的観点からの公正性に関する意見表明を依頼し、2025年11月7日付で、当社株式の株式価値に関する本株式価値算定書(山田コンサル)を取得いたしました。なお、山田コンサルは当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておらず、本特別委員会において、山田コンサルの独立性に問題がないことが確認されております。また、本特別委員会は、本取引に際して実施されている本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、山田コンサルから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。なお、本取引に係る山田コンサルの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

ⅱ 算定の概要

山田コンサルは、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるという前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較法による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社株式の価値算定を行いました。

山田コンサルが上記各手法に基づいて算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

市場株価法  :1,215円から1,280円

類似会社比較法:1,010円から1,116円

DCF法   :1,554円から1,972円

市場株価法では、2025年11月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所における算定基準日終値1,275円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,249円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,280円、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,215円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、1,215円から1,280円までと算定しております。

類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の価値算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,010円から1,116円までと算定しております。

次に、DCF法では、当社が作成した本事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値及び株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,554円から1,972円までと算定しております。

なお、DCF法による算定に用いた本事業計画には、営業損益及びフリー・キャッシュ・フローについて大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2028年3月期について、本事業計画に基づく営業利益77億円は前年度比で41.8%増を見込んでおり、同年度のフリー・キャッシュ・フロー52億円は前年度比で30.6%増を見込んでおります。これは主に、エンジニア派遣サービスにおける継続的な稼働数の純増及び単価増に加え、コグナビ 新卒、インド事業の成長を見込んでいることによるものです。また、本事業計画は、本取引の実行を前提としたものではありません。

(注) 山田コンサルは、本株式価値算定書(山田コンサル)の作成に当たり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(山田コンサル)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。山田コンサルが、本株式価値算定書(山田コンサル)で使用している事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(山田コンサル)において、山田コンサルが提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。山田コンサルは、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、山田コンサルの算定結果は、山田コンサルが本特別委員会の依頼により、本諮問事項を検討するための参考に資することを唯一の目的として本特別委員会に提出したものであり、当該算定結果は、山田コンサルが本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。

(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、本両公開買付けにより、当社株券等の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本両公開買付けの成立後、以下の方法により本スクイーズアウト手続を行うことを企図しているとのことです。

具体的には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、本自社株公開買付けの成立を条件として当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を本公開買付けの決済の完了後、本自社株公開買付けの決済開始日までの間に開催することを当社に要請する予定とのことです。公開買付者は、当社との間で、本基本契約において、本公開買付けの決済の完了後、本自社株公開買付けの開始までの日が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを合意しているとのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

本臨時株主総会において本株式併合の議案について承認され、本自社株公開買付けが成立した場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会において承認された本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本両公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本両公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。

本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本両公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められております。上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

なお、本譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、株式の併合(当該株式の併合により付与対象者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)に関する事項が当社の株主総会で承認された場合(但し、株式の併合の効力発生日(以下「本スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社の取締役会の決議により、本スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって、当該承認の日において付与対象者が保有する本譲渡制限付株式の数に、払込期日を含む月(付与対象者が当社の取締役を兼務しない執行役員の場合には、事業年度の開始日を含む月)から当該承認の日を含む月までの月数を12で除した数(その数が1を超える場合は、1とします。)を乗じた結果得られる数(1株未満の端数が生ずる場合は、これを切り捨てます。)の本譲渡制限付株式について譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、本スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、同日における付与対象者の保有に係る譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされているとのことです。本スクイーズアウト手続においては、上記(a)の規定に従い、本スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、本スクイーズアウト手続の対象とし、上記(b)に従い、本スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定とのことです。

また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨その他本取引の実行に必要な合理的な手続を実施することを要請し、又は実施する予定ですが、詳細については、本書提出日においては未定とのことです。

なお、本両公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本両公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

上記の手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本両公開買付けが成立した場合には、本両公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法を採用する予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

なお、公開買付者は、本臨時株主総会が2026年6月30日までに開催されることが見込まれる場合には、2026年3月期に係る定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)において権利を行使することのできる株主を、本スクイーズアウト手続完了後の株主(公開買付者を意味します。)とするため、本臨時株主総会において、本スクイーズアウト手続が完了していることを条件として、定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定であるとのことです。そのため、当社の2026年3月31日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても、本定時株主総会において権利を行使できない可能性があります。

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と当社が協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

(5)上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本自社株公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

公開買付者は、本両公開買付けが成立した後に、上記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合を予定しておりますので、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置

本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本両公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者は、①大久保泉氏、株式会社ラテールネクスト、一般社団法人ラテールネクスト及びラテールホールディングスとの間で本応募契約を締結し、大久保泉氏及び一般社団法人ラテールネクストが保有する当社株式の全てを本公開買付けに応募すること及び再出資を予定していること、並びに②当社及びラテールホールディングスとの間で本基本契約を締結し、本自社株公開買付けにおいて当社がラテールホールディングスから不応募合意株式を取得することを予定していることから、大久保泉氏、一般社団法人ラテールネクスト及びラテールホールディングスと当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを踏まえ、本公開買付価格及び本自社株公開買付価格の公正性を担保し利益相反を回避すべく、以下の措置を講じております。以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

なお、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者としては、公開買付者及び当社において以下の措置を講じていることから、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

当社は、当社及び公開買付者のいずれからも独立した第三者算定機関として、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年11月7日付で、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得いたしました。

当社がデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)の詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者評価機関の株式価値算定書の取得」の「ⅱ.算定の概要」をご参照ください。

② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

当社は、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2025年9月4日に、中田華寿子氏(当社社外取締役・監査等委員・独立役員)、義経百合子氏(当社社外取締役・監査等委員・独立役員)、高橋明人氏(高橋・片山法律事務所 弁護士)の3名から構成される、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス、株式会社ラテールネクスト及び一般社団法人ラテールネクスト並びに本取引の成否のいずれからも独立した本特別委員会を設置いたしました(本特別委員会の委員のうち、当社の社外取締役である中田華寿子氏及び義経百合子氏の報酬については、固定額、外部専門家である高橋明人氏の報酬についてはタイムチャージ方式を採用しており、いずれも本取引の成否を条件とする成功報酬は採用しておりません。なお、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また、当社の社外取締役である竹中平蔵氏は、多忙のため、短期間に複数回かつ機動的に実施される特別委員会への参加及び審議に専念することが困難となるおそれがあったため、特別委員会の委員として選任をしておりません。加えて、委員の互選により、本特別委員会の委員長として中田華寿子氏を選定しております。)。

当社取締役会は、本特別委員会の決定に際し、本特別委員会に対し、1.本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、2.本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、3.本取引に係る手続の公正性が確保されているか、4.上記1.から3.を踏まえ、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、及び5.本取引が第三者による当社株式及び当社の新株予約権に対する公開買付けを伴う場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること並びに当社の株主及び新株予約権者に対して当該公開買付けに応募することを推奨することの是非について諮問いたしました。なお、2025年10月14日付で、KKRから当社に対し、本取引の実施に係る法的拘束力を有する提案がなされ、当該提案の内容を踏まえると本取引が東京証券取引所の有価証券上場規程に定めるMBO等に該当しないことが明らかになったことを踏まえ、当社は、同年10月23日開催の取締役会において、上記の諮問事項4.について、「上記1.乃至3.を踏まえ、本取引が当社の一般株主にとって公正であると考えられるか」から「上記1.乃至3.を踏まえ、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか」に変更をしております(以下、変更後の諮問事項を総称して、「本諮問事項」といいます。)。

さらに、当社取締役会は、本取引に関する決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の条件について妥当でないと判断した場合には、本取引を実行する旨の意思決定を行わないことを併せて決議しております。

また、併せて、当社は、本特別委員会に対して、(a)当社のアドバイザー等を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(b)本特別委員会が必要と認める場合には、自らのアドバイザー等を選任する権限(本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とする。)、(c)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(d)本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与することを、当社取締役会にて決議しております。

なお、本特別委員会は、山田コンサルを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー並びに当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、それぞれの独立性の程度、専門性及び実績等を確認した上でこれらの選任を承認しております。

これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、山田コンサル、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行いました。本特別委員会は、このように諮問事項について慎重に協議・検討した結果、2025年11月7日付で、当社取締役会に対して、委員の全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。

(a)答申内容

1.本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)」について、本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する。)と考えます。

2.「本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか」について、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考えます。

3.「本取引に係る手続の公正性が確保されているか」について、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えます。

4.「上記1.から3.を踏まえ、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか」について、上記1.から3.を踏まえると、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えます。

5.「本取引が第三者による当社株式及び当社の新株予約権に対する公開買付けを伴う場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること並びに当社の株主及び新株予約権者に対して当該公開買付けに応募することを推奨することの是非」について、上記1.から4.を踏まえれば、現時点において、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねるとすることは相当(すなわち「是」)である(従って、当社取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねるとする旨の決議を行うこと、及び②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた本スクイーズアウト手続を実施する旨の決議を行うことは、当社の少数株主にとって不利益でない)と考えます。

(b)答申理由

1.「本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資する。)」について

《結論》

本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する。)と考える。

《理由》

当社及び公開買付者から説明を受けた「(a)本取引の目的及び必要性・背景事情」、並びに「(b)本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」について、当社の現在の事業内容及び経営状況を前提とした具体的、合理的なものであると考えられる。

(1)当社の事業内容及び経営方針の整理

・当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は、当社及び連結子会社1社により構成されている。当社は、1981年4月に主として人材派遣サービスを行う企業として設立された。その後、各地に営業所を開設しながら事業を拡大し2020年3月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場した。その後、東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行し、本答申書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場している。

・当社は、AI活用を積極的に進めており、2016年4月にはAIを活用した人材マッチングプラットフォームのサービスを開始したほか、2018年7月にAI活用のプラットフォームを基軸として、エンジニアのスキルを可視化した人材紹介サイト「コグナビ」のサービスを開始した。エンジニア派遣サービスは、現在、当社グループの主業であり、2025年3月期売上高の98.8%を占めている。このエンジニア派遣サービスにおいて、2025年3月31日時点で1,376事業所に正社員として雇用しているエンジニアを4,486名派遣している。また、当社グループは、その他に理工系新卒学生の就職支援から転職、教育まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することを目的とした4つの「コグナビ」サービスを提供している。

・エンジニア派遣サービス及び「コグナビ」サービスの概要は以下のとおりとのことである。

(ア)エンジニア派遣

エンジニア派遣サービスの主なターゲットは、機電系主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)に属しており、従業員数が100名以上の約3,200事業所と、それらに属する部署である。特定の企業や案件に偏ることなく、多くの取引先から受注を獲得出来ているため、取引基盤が広く安定している。当社は、これらの顧客企業に対し、設計・開発、実験・評価、生産技術、品質保証等の各職種にエンジニアを派遣している。当社は、派遣エンジニアを原則正社員として雇用し、通勤可能範囲内の就業先を選定することで、安定した就業環境を提供しているとのことである。

(イ)エンジニア紹介及びその他(「コグナビ」サービス)

当社は、設立以来エンジニア派遣サービスを主業としてきたところ、以下の3点に配慮し、市場動向を先取りした新しいビジネスモデルを追求しているとのことである。すなわち、①当社の顧客企業・エンジニアについて、明確な選択と集中を行う、②人材派遣ビジネスで一般的な「求人企業の需要」に対する営業活動ではなく、「求職人材」を起点とした営業活動を推進する、③採用活動における労働集約的な業務のあり方からの脱却を目指して、業務プロセスの効率化を追求する情報通信テクノロジー(ICT)を活用する。これらの特徴を具現化したものが、エンジニアのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」であり、エンジニア人材市場における全ての人材流動パターンを捕捉するため、4つの「コグナビ」サービス(「コグナビ派遣(エンジニア派遣サービス)」、「コグナビ転職」、「コグナビ新卒」及び「コグナビカレッジ」)をラインアップし、これにより全てのエンジニア採用ルートを備えたビジネスモデルを構築しているとのことである。

(2)当社における事業環境及び経営課題の整理

・当社は、上記事業を営む上で、当社を取り巻く市場環境や経営環境が変化している中、特に以下の3つの事項を経営上の課題(「本経営課題」)と認識しているとのことである。

・(a)エンジニア人材の継続的な確保

日本国内のエンジニア人材市場は社会の高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面していることから、今後もエンジニア人材の確保が難しい状況が継続するものと予想される。従って、エンジニア人材を確保することは当社の重要な経営課題であると考えている。エンジニア人材を継続的に確保するためには、マーケティング活動を含む適宜適切な投資が不可欠であると考えている。

・(b)テクノロジーとビジネスモデルによる競争優位性の確立

「同一労働同一賃金」の実現を目的とした2020年4月の労働者派遣法改正や近年のHRテック企業の台頭等を背景として人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れている。その一方で、様々なHRテック企業が登場しているものの、大きな変化を起こして市場を制覇する革新的なテクノロジーやビジネスモデルが業界内に見当たらないことも事実である。この点、独自のテクノロジーにより、スキルマッチング機能を駆使することで、学生から経験者、正社員から派遣社員まで、全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得る当社のビジネスモデルは、業界内を見渡しても類例を見ない革新的なものになっている。当社にとって、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルは当社の差異化の源泉であり、これらを活用したテクノロジーとビジネスモデルで十分な投資を実行して競争優位性を確立し続けることは、当社の重要な経営課題であると考えている。

・(c)海外事業への取組み

当社グループは、今後飛躍的な経済成長が見込まれるインドにおいて、エンジニア専用のジョブポータルサイトの開発・運営を行うCognavi India Private Limitedを主体に事業を展開している。日本国内においては、理工系学生とメーカーをメインターゲットとしているが、インドにおいては、全ての学生を対象としたジョブポータルサイトを現地で開発し、インドの全ての企業と大学、そして学生をつなぐ、インド市場に適合したシステムを運営することが重要であると考えている。また、日本への就職を希望するインドの新卒学生と日本の企業をつなぐ取り組み「WORK IN JAPAN」を2025年3月より開始し、優秀なインド人学生の採用を望んでいる日本企業へのサービス訴求を進めている。こうした海外事業を順調に成長させていくため、継続的でかつタイムリーな投資が必須となっている。

・当社を取り巻く経営環境は、このような状況を踏まえると、上記経営課題の解決に単独で取り組む際には時間がかかり、市場での好機を逃すリスクがあるほか、十分な投資ができないことによる機会損失の可能性があるとのことである。このため、当社のさらなる成長を実現するためには、新しいパートナー企業による資本参加を含む様々な取り組みの検討が必要な状況にあるとのことである。

(3)当社における認識の評価

・まず、上記「(1)当社の事業内容及び経営方針の整理」及び「(2)当社における事業環境及び経営課題の整理」については、いずれも当社の事業形態の具体的な内容、当社におけるこれまでの取組み、また当社の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容と整合するものと考えられるとともに、当社に固有の強み等も踏まえた上で、当社の取り組むべき基本的な方向性を示すものとして合理的なものであると考えられる。

・特に「(2)当社における事業環境及び経営課題の整理」において、当社の今後の更なる成長のためには、必要な投資を、適切なタイミングかつ金額規模で行うことが非常に重要であり、状況次第ではかかる投資が継続的、持続的なものとなる旨認識しているとの点は、IT、ICT及びAIといった分野への投資においては、タイムリーかつスピーディな検討、判断、決定が重要といえ、また投資規模についても短期間のうちに集中的に相当額の投資を行わないと十分な効果が得られない状況もあり得ることから、当社の成長に向けた合理的な認識、整理であると考えられる。

・これらを踏まえ、当社が今般、今後の成長のためのパートナーとして、当社の事業及び関連する業界に対する様々な知見を有するとともに、必要な投資を可能とするための資金力を有し、また当社の目指す海外事業の発展を支援、促進するためのノウハウ、リソースを持つ企業を求めることは、合理的かつ妥当な対応であると考えられる。

(4)公開買付者及び当社が想定する本取引の意義・目的及びシナジー

・当社によれば、本取引を実施することによるメリット、シナジーについては、大要以下のとおりである。すなわち、本取引の実施による株式の非公開化によるメリットとしては、①適宜適切に大胆な投資施策が可能になること、②短期的な売上高の縮小や業績の浮き沈みを気にせず、中長期的な視点で経営判断できるようになること、そして③本経営課題を解決する能力や知見を備えた新たなパートナーの資本参加を得て、本経営課題の解決にスピーディに取り組めるようになることの3つと考えているとのことである。

・①の投資施策に関しては、本経営課題において言及されている「(a)エンジニア人材の継続的な確保」、「(b)テクノロジーとビジネスモデルによる競争優位性の確立」、及び「(c)海外事業への取組み」のいずれにおいても、適宜適切なタイミングで大胆な投資が必要になることから、メリット及びシナジーは高いと判断しているとのことである。

・②の中長期的な視点での経営判断に関しては、今後の事業活動における選択と集中を進めるにおいて、短期的には売上高や利益縮小の可能性もあり、短期的な収益確保という観点では選択しづらい経営判断もあり得ることから、非公開化によって短期的視点の意見に左右されない判断を志向できるため、メリット及びシナジーは高いと判断しているとのことである。

・③の新たなパートナーとの共同課題解決においては、公開買付者が、当社が事業を進める人材派遣業界における知見を保有するほか、当社が経営課題としている「海外事業への取組み」、特にインド地域におけるリソースを大きく保有していることから、当社が同地域において人材ビジネスを拡大していく上で最適なパートナーであり、メリット及びシナジーは極めて高いと判断しているとのことである。

・公開買付者は、グローバルな市場で様々な企業の価値拡大に取り組んでおり、その中には人材派遣や人材紹介に関わる企業も含まれているとのことである。また、グローバルな活動の中においては、インドのみならず、当社が今後の進出先エリアと想定している米国地域でも大きなリソースを保有することから、中長期的にともに本経営課題を解決しながら企業価値向上を実現できるパートナーであると考えているとのことである。

・他方、公開買付者によれば、本取引後、公開買付者は、当社の役職員とともに、今まで当社が築き上げてきた確固たる事業基盤を活かしつつ、公開買付者が有するグローバルの人的・資本的リソース、ノウハウ、ネットワークを活用し、オーガニック(既存の経営資源を活用した手法)及びインオーガニック(他社との提携・他社の買収等による手法)双方での成長戦略の推進を通じて、当社の更なる事業成長及び企業価値の向上を目指すとのことである。

・また公開買付者は、本取引完了後、当社の経営陣と最適なポートフォリオ戦略を議論の上、当社の売上成長及び収益性改善施策を実施することを検討しているとのことである。あわせて公開買付者は、現時点において、当社の経営の効率化を図るために、本取引完了後に、公開買付者が指名する取締役を当社の取締役に就任させることを考えているとの一方、その具体的な人数、時期及び候補者等については未定とのことである。また、本取引完了後の当社の経営体制や取締役会の構成等に関しても、現時点では、公開買付者としての具体的な想定及び希望はないとのことである。

(5)想定される本取引の意義・目的及びシナジーの合理性

・上記「(4)公開買付者及び当社が想定する本取引の意義・目的及びシナジー」については、本経営課題を念頭に、それらの解決を目指すための具体的な対応であるとともに、本経営課題の解決の先に当社事業の発展及び当社企業価値の向上があるものといえ、いずれも合理的なものと考えられる。

・とりわけ、前記のとおりIT、ICT及びAI等の分野への投資においては、タイムリーかつスピーディな検討、判断、決定が重要であり、また投資規模についても短期間のうちに集中的に相当額の投資が必要となる状況があり得るところ、本取引の後、公開買付者の知見やリソースを前提に、当社において成長のために必要な投資を行うことが可能となると考えることは、合理的な判断であるといえる。

・また前記のとおり、公開買付者においては、本取引の完了後も基本的には当社の事業及び経営の独立性を尊重しつつ、IT・ソフトウェア業界及び人材派遣業界についての公開買付者の知見等も活用した上での当社の経営効率化等に向けた関与を予定しているものと考えられ、当社における迅速な意思決定や適切な投資判断及び実行への期待と、それを可能とするための公開買付者からのノウハウやリソースの提供の意向は、いずれも当社の今後の成長に向けた合理的なものと考えられる。

(6)他の手法との比較

・上記本取引の意義・目的の達成に向けた各施策の実行、また想定されるシナジーの創出に向けては、当社における費用支出が先行する可能性もあり得るところである。そのため、短期的には当社の財務状況や業績の悪化をもたらすリスクもあり、当社株式の上場を維持したままでは少数株主の利益や独立性に配慮する必要があると考えられる。このような状況下では、中長期的な企業価値の向上に向けた当社経営陣の迅速な意思決定、ひいては上記シナジー効果の実現に大きな遅れが生じる懸念もあり、そのため、今般当社において、当社株式の上場を維持したまま当社の成長を目指すのではなく、当社株式を非公開化することが今後の当社の成長及び企業価値の向上につながると判断したことは、一時的な費用支出の先行や短期的な業績悪化が株価に与え得る影響にとらわれず、より迅速な意思決定を可能として、当社の成長戦略を推進するための対応として合理的なものであると考えられる。

(7)本取引によるその他の影響の有無

・本取引に伴う当社株式の非公開化によるデメリットとして、一般的には、上場会社というステータスを失うことにより、(ア)資本市場から資金調達を行うことができなくなること、また(イ)上場会社として享受してきた知名度や信用力、人材の確保に影響を及ぼす可能性等の懸念があり得る。

・この点、上記(ア)については、当社の現在の財務状況等を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は必ずしも見込まれないとのこと、また昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないとのこと、また上記(イ)については、真摯な事業遂行により実現することが可能なものであり、また、当社のこれまでの事業活動を通じて、市場におけるブランド力や知名度は既に浸透しているとのことであり、従業員や取引先、派遣人材を含めた多数のステークホルダーとの信頼関係も構築できていると考えているとのことから、当社が当社株式を非公開化したとしても、上場会社である現状と比して当社の社会的信用や採用活動、事業活動への悪影響が生じることは考えにくいとのことであり、これらの事情を踏まえると当社株式の非公開化によるデメリットは限定的であると整理することは合理的なものと考えられる。

2.「本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか」について

《結論》

本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考える。

《理由》

(1)適切な交渉状況の確保

・当社において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを経験豊富なファイナンシャル・アドバイザーとして選任、起用し、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を複数回にわたり実施している。

・今般の本公開買付け及び本スクイーズアウト手続を含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト取引に該当するものでは無いものの、公開買付者が、当社の第2位株主及び第3位株主との間で本公開買付けに係る応募の合意を、また筆頭株主との間で本公開買付けに係る不応募の合意及び本自社株公開買付けに係る応募の合意を行った上で実施される予定のものであり、これらの株主と当社の少数株主の利害とが必ずしも一致しない可能性があり得るところ、当社においては、公開買付者から独立した検討体制を確保の上で、本取引についてより慎重に条件の妥当性及び公正性を担保する必要がある旨を認識し、当社から公開買付者に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきた。

・より具体的には、当社が公開買付者から2025年9月2日付で受領した法的拘束力を有しない提案書において、本公開買付価格を1,510円とする旨が提案されたことを受け、当社及び本特別委員会において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサル並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言も踏まえ、公開買付者に対して、法的拘束力を有する提案書においては、より当社の少数株主の利益に配慮した買付価格が提示されるべき旨を要請した。

・その後、当社が公開買付者から2025年10月14日付で受領した法的拘束力を有する提案書において、本公開買付価格を1,650円とする旨が提案され、以降、当社及び本特別委員会において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルによる当社株式価値に関する暫定的な価値評価結果(中間的報告)並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言も踏まえ、公開買付者に対して、更なる買付価格の増額を数度にわたり要請し、当社と公開買付者との交渉が重ねられた。

・その結果として、公開買付者からの法的拘束力を有する提案書における提案に続く、二回目の提案において30円の価格上乗せ、同三回目の提案において更に20円の価格上乗せ、同四回目の提案において更に5円の価格上乗せ、同五回目の提案において更に5円の価格上乗せを引き出し、これらの価格上乗せが公開買付者において合理的に提示可能な最大限のものであるかの確認も行い、最終的に今般当社取締役会において決議を予定している本公開買付価格(1,710円)での合意に至っている。

・この間、本特別委員会は、本取引の取引条件に関する交渉について、少数株主の利益を確保すべく、より高い買付価格を目指すべきとの交渉方針を予め確認するとともに、交渉の主担当である当社のファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び当社自身から適時に交渉状況の報告を受け、各局面において積極的に意見を述べ、より強い姿勢での交渉を行うべき等の指示や要請を行うことにより、本取引の取引条件に関する交渉過程に本特別委員会が実質的に関与してきている。

・これらの当社及び本特別委員会における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性及び妥当性を確保し、またこれらに関する当社の判断及び意思決定について、その過程から恣意性を排除するための方法として合理性、相当性を有するものと考えられる。

(2)事業計画の合理性

・デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルによる各株式価値算定の前提となっている本事業計画の内容に関して、当社並びにデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルから本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、本事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から当該事業計画の合理性を確認することとし、結論として本事業計画を合理的なものであると考えている。

・具体的には、本事業計画は2027年3月期から2029年3月期までの期間について、本取引の実施を前提としない、いわゆるスタンドアローン・ベースで作成されたものであるとのこと、2026年3月期までの既存計画の存在を前提に作成作業の着手時期自体は2025年6月頃であり、作成期間は概ね3ヶ月程度であるとのこと、計画作成の基本的な方針は平時における中期経営計画及び単年度業績予想と異ならないものとのことであり、その他本事業計画の作成に際し公開買付者又はその関係者が関与し、あるいは影響を及ぼした事実は見当たらない。

(3)各第三者算定機関の算定方法及び算定根拠の合理性

・当社において、本取引の条件、とりわけ本公開買付価格の公正性及び妥当性を確保するために、その検討及び判断に際し、当社株式に係る株式価値算定のための独立の第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを選任した上で、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得し本株式価値算定書を参考にしている。

・本特別委員会においても、本取引の条件、とりわけ本公開買付価格の公正性及び妥当性を確保するために、その検討及び判断に際し、当社株式に係る株式価値算定のための独立の第三者算定機関として山田コンサルを選任した上で、本株式価値算定書(山田コンサル)を取得し本株式価値算定書を参考にしている。

・本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルから、当社株式に係る各株式価値算定結果、算定手法等について詳細な説明を受けている。その上で、各株式価値算定の結論に至る過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること、算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられることから、各株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと判断している。

・具体的には、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルが採用した評価手法は、継続企業を前提とした企業価値評価手法であり、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは市場株価法及びDCF法を、山田コンサルは市場株価法、DCF法及び類似会社比較法をそれぞれ採用している。市場株価を基準にして、将来キャッシュフローの現在価値を評価に織り込むDCF法により評価上限を把握する評価手法の組み合わせは、企業評価の標準的アプローチに沿ったもので妥当であると考える。

・デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルが採用した評価手法のうち、市場株価法は、本取引の公表日の前営業日を基準日とし、基準日の終値並びに基準日の直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間のそれぞれの終値の単純平均値を基に株価を算出している。当社の株価推移については、特別な要因によると思われる重要な変動は存在せず、特段異常な動きはないことから、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルの算定における株価評価期間は適切であり、市場株価法による価格レンジは十分合理的なものであると判断される。

・デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルが採用した評価手法のうち、DCF法については、各算出要素において恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定がなされた場合には、最終的な算定結果が大きく変動する可能性がある。かかる観点から本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルに対して各算定過程の確認を行っている。この点、DCF法で採用された各種算出根拠については、特段指摘すべき恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定は見受けられなかった。

・また、山田コンサルが採用した評価手法のうち、類似会社比較法については、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算出している。本特別委員会は山田コンサルから、当該類似企業の選定について、当社の認識及びマーケットからの評価も踏まえて採用されたものであること等について説明を受けているところ、当該説明に特段不合理な点は無いと考えられ、当社の類似企業の各マルチプルをもとに算出された価格レンジは十分合理的なものであると判断される。

(4)各第三者算定機関の株式価値算定の結果

・当社において、当社が取得した本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を前提に、また本特別委員会が取得した本株式価値算定書(山田コンサル)も踏まえて、公開買付者との間で合意された本公開買付価格は、各算定結果の範囲内のものである。特に各DCF法による算定との関係では、算定レンジの範囲内の価格となっている。

・本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)において、各算定方法による当社株式1株あたりの株式価値は、それぞれ以下のとおりとのことである。

市場株価法:1,215円~1,280円

DCF法 :1,566円~1,993円

・本株式価値算定書(山田コンサル)において、各算定方法による当社株式1株あたりの株式価値は、それぞれ以下のとおりとのことである。

市場株価法  :1,215円~1,280円

DCF法   :1,554円~1,972円

類似会社比較法:1,010円~1,116円

・本公開買付価格である1株当たり1,710円は、①デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルの市場株価法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回ること、②デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルの各DCF法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの範囲内の価格であること、また③山田コンサルの類似会社比較法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回ることが認められる。これらを踏まえると、本公開買付価格は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルにより算定された当社株式の株式価値との比較の観点において、当社の少数株主にとって不利益ではない水準に達しているものと考えられる。

(5)本取引におけるプレミアム(他の案件との比較)

・本公開買付価格は、本答申書提出日(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び山田コンサルによる各株式価値算定における市場株価法に係る算定基準日)の当社株式の取引終値(1,275円)並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の各終値単純平均値(1,249円、1,280円及び1,215円)に対して、それぞれ約34.12%、約36.91%、約33.59%及び約40.74%に相当するプレミアムが付された金額となっている。また、本公開買付価格は当社株式の株式市場における過去最高値を上回るものとなっており、従って当社株式を株式市場で取得した全ての株主についてその取得価格を上回るものとなっている。

・公開買付け全般に関して、市場株価に対してどの程度のプレミアムが付されることが適正であるかについて、一義的、客観的な基準を設けることはできないと考えられる。そのため、本特別委員会においても、前記のような各プレミアムが付されていることをもって、直ちに本公開買付価格が妥当あるいは不当であると断言することはできないと考える。

・その上で、「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載されている過去の類似事例におけるプレミアムの実例を踏まえると、本公開買付価格に付されたプレミアムが特段異なる水準あるいは不合理な水準を提示しているものとは考えられず、かかる類似事例と特段の遜色のない、合理的といえる水準であると推定される。

・なお、過去の類似事例におけるプレミアムの実例として当社のファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから説明を受けた内容は以下のとおりである。すなわち、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年10月末時点で成立済みの同種事例136件における市場株価へのプレミアムの中央値は、公表日の前営業日における終値に対して38.24%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値に対して40.40%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.74%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値に対して44.89%とのことである。この点、前記のとおりの本件における各プレミアム率(すなわち約34.12%、約36.91%、約33.59%及び約40.74%)は、いずれも同種事例におけるプレミアム中央値から大きく乖離したものとはいえず、また当該同種事例の中にはプレミアム中央値を下回る事例も相当数存在するといった事情を踏まえ、本公開買付価格に付されたプレミアムは前記類似事例と特段異なる水準あるいは不合理な水準を提示しているものとは考えられず、当該類似事例と特段の遜色のない、合理的といえる水準であると推定するものである。

(6)スキーム等の妥当性

・本取引においては、本公開買付けの実施後に、いわゆる二段階買収の手続として株式併合を実施する手法が予定されている。かかる手法は、同種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、二段階目の手続において、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。

・また、本取引の方法は、株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で望ましく、当社株式の非公開化を迅速に行うという要請と、少数株主等による十分な情報に基づく適切な判断の機会と時間の確保を両立させることができるという観点で望ましいと考えられる。公開買付者によれば、株式併合の実施に際し、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定される予定であることも明らかにされている。

・さらに、本公開買付けにおいては買付け予定数の上限が設定されておらず、強圧性の問題も小さいと認められる。このように本取引の方法として、公開買付けを伴う二段階買収の方法を採用し、買収対価を現金とすることには、合理性が認められる。

・上記に加え、本取引においては、本公開買付けと二段階買収の手続としての株式併合との間に、(a)本自社株公開買付けを実施するための資金及び分配可能額を確保することを目的とした、(ⅰ)「本定款変更」(当社による無議決権種類株式の新設に係る定款変更)、(ⅱ)「本第三者割当増資等」(公開買付者を引受人とする当該無議決権種類株式の第三者割当増資及び公開買付者による当社への貸付け又は当社による公開買付者に対する社債の発行)、及び(ⅲ)「本減資」(会社法第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金及び資本準備金の額の減少)、並びに(b)「本自社株公開買付け」(本公開買付けの成立を条件として開始される、当社の主要株主かつ筆頭株主であるラテールホールディングスを含む当社株主が所有する当社株式の取得を目的とした、当社による自社株公開買付け)の実施が予定されている。

・公開買付者によれば、本自社株公開買付価格は、本公開買付価格に比べて180円低い価格を予定しているところ、これは、本自社株公開買付けにおいては、法人株主に法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを踏まえ、本自社株公開買付けに応募することが予定されているラテールホールディングスにおいて、本自社株公開買付けに応募することが経済的合理性を有することとなる価格とのことである。

・また、本公開買付価格と本自社株公開買付価格の差額180円については、以下の要素を踏まえ、ラテールホールディングス及び当社の間での協議・交渉の結果、公開買付者も契約当事者である本基本契約において合意されたものとのことである。すなわち、①本自社株公開買付価格は、ラテールホールディングスが本自社株公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額が、ラテールホールディングスが本公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額よりも高くなるように設定されているところ、これは本公開買付けに応募した場合と税引後手取り額が同額となるような本自社株公開買付価格では、ラテールホールディングスから当社株式の売却に関する合意が得られず、そして、ラテールホールディングスの合意が得られない場合は当社株式の非公開化が実現できず、当社の少数株主に当社株式の売却機会を提供することがそもそもできないこと、②本自社株公開買付価格を本公開買付価格より低く設定することにより、本公開買付け後に本自社株公開買付けを実施しない場合と比べて、本公開買付けを通じて当社の少数株主により高い価格での当社株式の売却機会を提供することができるため、ラテールホールディングスと合意した条件で本自社株公開買付けを実施することは当社の少数株主の利益に資すること、③一方で、本自社株公開買付価格を本公開買付価格よりあまりにも低い価格に設定した場合、本自社株公開買付けへの応募に関する税務上の取扱いが本公開買付けへの応募とは異なることを考慮したとしても、本自社株公開買付けを実施することが当社の法人株主一般の利益につながり得なくなること、④当社の法人株主は、それぞれの税務上の取扱い及び当社株式の1株当たりの取得価額によってその経済的メリットが異なり得るところ、法人株主は税務上の取り扱いに鑑みて、本公開買付け及び本自社株公開買付けからより有利な取引条件を判断の上応募することが可能となり、より多くの株主に対して平等に売却機会を提供することになることから、株主間の平等待遇を損なうものではないと考えられるとのことである。

・この点、上記ラテールホールディングスが本自社株公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額は、同社が本公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額と、例えば同額又は同水準とされるべきである、といった考えもあり得るところである。他方で本取引は、公開買付者が当社の筆頭株主であるラテールホールディングスとの間で本公開買付けに係る不応募の合意を行い、かつ前記のとおり本自社株公開買付価格について合意して実施される予定のものであり、仮にラテールホールディングスが本自社株公開買付価格を含む本取引の実施に合意しない場合、本公開買付け自体が実施されず、当社の少数株主が本公開買付けを通じて当社株式を売却する機会が失われる可能性が高いものといえる。

・前記のとおり、そもそも本取引の目的は合理的である(本取引が当社の企業価値向上に資する。)と考えられること、また本公開買付価格について当社の本源的な価値を踏まえた妥当な水準の価格として合意に至ったと考えられること、本取引と類似の取引事例を踏まえて合理的なプレミアムが付されていると考えられること、当社が公開買付者との真摯な交渉を経て当初の提案価格から相当の増額を引き出したものであること、当該交渉において当社から公開買付者に対して増額されるべきは本公開買付価格である旨を申し入れ最終的には本自社株公開買付価格との間に相応の価格差が設けられるに至ったこと等を踏まえると、本公開買付けを通じて当社の少数株主に対しては合理的な水準での対価が配分されるものと考えられる。

・また、仮に本取引において本自社株公開買付けが実施されず、本公開買付けのみにより当社株式の非公開化が進められた場合には、当社の少数株主が公開買付けを通じて得ることのできる対価(すなわち公開買付価格)がより低い金額となってしまうことが想定され、他方で前記ラテールホールディングスにおける本自社株公開買付けに応募した場合の税引後の手取り額は適用のある税制に負う部分もあることから、今般最終的に合意された本公開買付価格により実施予定の本公開買付けを含む本取引は、当社の少数株主に対して当社株式の適切な売却機会を与えるものであることを踏まえると、少数株主にとって不利益であるとはいえないものと考えられる。

(7)本新株予約権の買付価格の妥当性

・本新株予約権買付価格については、本新株予約権のいずれについても1円とするとのことである。

・これは、本新株予約権が、行使までの間、継続して当社又は当社の子会社の取締役、監査役、執行役員又は従業員であることを要するとされていることから、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことを考慮したものとのことである。

・当社の新株予約権者においては、本新株予約権を行使した上で本公開買付けへ応募するか否かを判断することになるものであり、上記のとおり公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないこと踏まえて、本新株予約権買付価格をいずれも1円とする旨合意することは合理的なものと考えられる。

3.「本取引に係る手続の公正性が確保されているか」について

《結論》

本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されていると考える。

《理由》

(1)特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

・当社は本取引への対応を検討するに当たり、上場会社である当社における本取引に係る意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保すること等を目的として、当社及び公開買付者並びに本取引の成否のいずれからも独立した本特別委員会を設置している。本特別委員会について、大要以下の体制が取られており、公正性担保措置として有効に機能するものと考える。

・当社は公開買付者から2025年9月2日付の法的拘束力を有しない提案書を受領した後、同月4日に本特別委員会設置の取締役会決議を行い、同日第1回の特別委員会が開催された。本特別委員会は買収者からの買収提案後、可及的速やかに設置及び開催されたものといえる。

・本特別委員会の委員全3名の過半数である2名はいずれも当社の独立社外取締役(監査等委員)であり、残る1名は外部の専門家である弁護士であり、各委員について、当社及び公開買付者並びに本取引の成否から独立し、委員としての適格性を有することを確認している。

・さらに当該独立社外取締役のうち1名が本特別委員会委員の互選により同委員会の委員長に選定されている。

・本特別委員会は、本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を有する旨を確認するとともに、そのための体制を確保している。

・本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、また本特別委員会が必要と認める場合には、自らのアドバイザーを選任する権限(本特別委員会のアドバイザーの専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とする。)が与えられていることを確認している。

・その上で、第1回委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー(兼第三者算定機関)であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、それぞれの独立性及び専門性に問題が無いことを確認の上、各アドバイザーとしての承認を行っている。あわせて、かかる独立性及び専門性を前提に、本特別委員会においても、当社の各アドバイザーから必要に応じて専門的助言又は説明を受けることを確認している。

・さらに第1回委員会において、委員全員一致により、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー(兼第三者算定機関)として山田コンサルを選任するとともに、その独立性及び専門性に問題が無いことを確認している。

・本特別委員会は、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限を有する旨を確認している。その上で、本特別委員会は、公開買付者に対し質問事項を送付し回答を得るとともに、当社の経営執行陣に対しても質問事項を送付した上で説明を受けるなど、本取引の検討及び判断に必要な情報を収集している。

・本特別委員会の各委員の報酬について、答申の内容により支払いの有無や金額等が左右されるものでは無く、本取引の公表や成立等を条件とするいわゆる成功報酬は採用されていない。

・当社取締役会は、本特別委員会の設置に際して、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする旨を決議している。

(2)意思決定のプロセス(当社における独立した検討体制)

・当社は、当社取締役会において、当社取締役7名全員の一致により、本公開買付けに対して賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねるとする旨の決議を行う予定とのことである。なお、当該当社取締役7名はいずれも本取引に重要な利害関係を有しないとのことである。本取引に係る取締役会決議において、本取引に重要な利害関係を有する者を除く取締役全員が賛成することは、公正性担保措置の有効な機能を基礎付ける事情の一つといえる。

・また、当社において本取引の検討及び交渉等に対応、従事する役職員について、公開買付者の役職員を兼務している者はいないとのことであり、当社は、本取引について公開買付者から独立した検討体制を確保しているものと考える。

・なお前記のとおり、当社取締役会は、本特別委員会の設置に際して、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする旨を決議している。この点においても、本取引に関する当社の意思決定の恣意性は排除され、そのプロセスの公正性、透明性及び客観性が確保されているものと考える。

(3)独立した法律事務所(リーガル・アドバイザー)からの助言の取得

・当社は、本取引に関する意思決定過程における透明性及び合理性を確保するために、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス及び一般社団法人ラテールネクスト並びに本取引の成否のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任の上で、本特別委員会の設置及び委員の選定、その他の公正性担保措置に係る助言を取得している。

・前記のとおり本特別委員会は、第1回委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題が無いことを確認の上、アドバイザーとしての承認を行い、当該独立性及び専門性を前提に、本特別委員会においても、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から随時必要な専門的助言及び説明を受けている。

(4)当社における独立した第三者算定機関(ファイナンシャル・アドバイザー)からの株式価値算定書の取得

・当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス及び一般社団法人ラテールネクスト並びに本取引の成否のいずれからも独立した第三者算定機関(ファイナンシャル・アドバイザー)であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを選任の上で、当社株式に係る株式価値に関する資料として、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得している。

・本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)においては、複数の算定方法が採用されており、恣意的な価値算定が行われないよう配慮が行われている。また、算定の前提となる本事業計画の作成に当たって、当社又は公開買付者の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、従って株式価値算定において公正性を疑わせる事情は見当たらないと考える。

・なお、当社はいわゆるフェアネス・オピニオンまでは取得していないが、実務上フェアネス・オピニオンの取得は必須とは考えられておらず、本取引において他に実施される公正性担保措置の内容を勘案すると、当社が本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得し、これを踏まえて本公開買付けを含む本取引への賛同及び応募推奨の可否を判断することは、本取引の公正性を阻害するものではないと考える。

(5)本特別委員会における独立した第三者算定機関(ファイナンシャル・アドバイザー)からの株式価値算定書の取得

・本特別委員会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス及び一般社団法人ラテールネクスト並びに本取引の成否のいずれからも独立した第三者算定機関(ファイナンシャル・アドバイザー)である山田コンサルを選任の上で、当社株式に係る株式価値に関する資料として、本株式価値算定書(山田コンサル)を取得している。

・本株式価値算定書(山田コンサル)においても、複数の算定方法が採用されており、恣意的な価値算定が行われないよう配慮が行われている。また、前記同様、算定の前提となる本事業計画の作成に当たって、当社又は公開買付者の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、従って株式価値算定において公正性を疑わせる事情は見当たらないと考える。

・なお、本特別委員会はいわゆるフェアネス・オピニオンまでは取得していないが、前記のとおり、実務上フェアネス・オピニオンの取得は必須とは考えられておらず、他方で本取引において他に実施される公正性担保措置の内容を勘案するならば、フェアネス・オピニオンを取得しないことをもって本取引の公正性が阻害されるものではないと考える。

(6)マーケット・チェック

・本公開買付けにおいて、その買付期間は30営業日と法令上の最短期間である20営業日よりも長期の期間が設定される予定とのことである。また、当社は公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを一律に、あるいは全面的に禁止するようないわゆる取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを過度に制限するような内容の合意を行っていないとのことである。これらの事情を踏まえると、本取引においては、本取引の公表後における対抗的な買付け等の機会が確保され得る環境が用意されることで、いわゆる間接的なマーケット・チェックの観点において特段不合理な状況には無いものと考えられる。

・なお、市場における潜在的な買収者の有無を調査、検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックに関しては、情報管理の観点等から実務上その実施は必ずしも容易とはいえない。従って、本取引においてもそのような対応が行われていないことのみをもって、マーケット・チェックの点で不合理な状況が生じるものでは無いと考えられる。

(7)マジョリティ・オブ・マイノリティ

・本公開買付けにおいては、買付予定数が設けられ、当社の少数株主からの応募が一定の水準に満たない場合には公開買付けが成立しないものとして、少数株主の意向への配慮が行われている。他方で本公開買付けにおいて、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティの条件設定までは行われないとのことである。この点、公開買付者は、当社の第2位株主及び第3位株主との間で本公開買付けに係る応募の合意を、また筆頭株主との間で本公開買付けに係る不応募の合意を行った上で本公開買付けを実施する予定とのことであり、マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限設定は、かえって本公開買付けの成立を不安定なものとする可能性があり得るところである。すなわち、当社の第2位株主及び第3位株主並びに筆頭株主との間でそれぞれ応募又は不応募に関する合意が行われる予定のもと、公開買付者が本取引実施の意向を示した以上、仮に今回本公開買付けが成立しなかったとしても、将来のいずれかの時点において再度同様の取引が実施される可能性もあり、少数株主が不安定な立場に置かれる可能性もあり得るといえる。

・加えて、マジョリティ・オブ・マイノリティの条件設定は、本公開買付けへの応募を希望する少数株主(すなわち、当社株式の売却機会を希望する株主)の利益に資さない可能性もあり得るところである。そのため、本取引において、他の公正性担保措置について相当程度の配慮が行われているといえること等を踏まえると、形式的にマジョリティ・オブ・マイノリティの条件設定が無いことを特に注視して、本取引の公正性に疑義があるとまで言うべき状況には無いものと考えられる。

(8)少数株主への情報提供の充実(プロセスの透明性の向上)

・本取引について、公開買付者及び当社が作成し開示する予定の各開示資料において、充実した情報提供が行われる予定とのことである。すなわち、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、本特別委員会の答申内容及び委員報酬の体系等、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)及び本株式価値算定書(山田コンサル)の概要、本取引の実施に至るプロセス及び交渉経緯等について、情報が開示される予定とのことである。

・さらに、いわゆる二段階買収等に関しても、早期かつ詳細な開示及び説明が行われる予定とのことである。これらを踏まえると、公開買付者及び当社が作成し開示する予定の各開示書類において、当社株主(とりわけ少数株主)が本公開買付けを含む本取引の各条件の妥当性等を判断するために必要かつ相当と考えられる情報が開示される予定となっていると考えられ、本取引において、当社の株主(該当のある場合における当社の新株予約権者を含む)の適切な判断機会の確保に努めているといえる。

(9)強圧性の排除

・本取引においては、当社株式の非公開化のために、いわゆる二段階買収の手続が予定されており、現状、株式併合の手続によることが予定されている。その上で、当該株式併合の条件に関して、今後特段の事情が無い限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定、決定される予定とのことである。

・この点、上記のとおりのいわゆるスクイーズアウト手続は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続として行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であり(但し、本取引においては本公開買付けの後に手続が進められた上で、株式併合の効力発生自体は本自社株公開買付けの後となる予定とのことである)、時間的に近接した両手続における取引条件が同一のものとなるようにすることは合理的と考えられる。

・また、株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、所定の条件のもと、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する普通株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社普通株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められている。かかる申立てが行われた場合の価格の決定は、最終的には裁判所が判断することとなり、当社の少数株主においては、当該手続を通じて経済的な利益の確保を図ることが可能とされている。これらのとおり、本取引における二段階買収の手続に関して、強圧性の排除への配慮が行われているものと考えられる。

4.「上記1.から3.を踏まえ、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか」について

《結論》

上記1.から3.を踏まえると、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。

《理由》

・上記1.から3.までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)が当社の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見あたらず、従って本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)は当社の少数株主にとって不利益でないと考える。

5.「本取引が第三者による当社株式及び当社の新株予約権に対する公開買付けを伴う場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること並びに当社の株主及び新株予約権者に対して当該公開買付けに応募することを推奨することの是非」について

《結論》

上記1.から4.を踏まえれば、現時点において、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねることは相当(すなわち「是」)である(従って、当社取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねるとする旨の決議を行うこと、及び②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた本スクイーズアウト手続を実施する旨の決議を行うことは、当社の少数株主にとって不利益でない)と考える。

《理由》

・これまでに述べたとおり、1.本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する。)と考えられること、2.本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考えられること、3.本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えられること、4.上記1.から3.を踏まえると、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられることからすると、現時点において、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること並びに当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねることは相当(すなわち「是」)である(従って、当社取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対しては本公開買付けに応募することを推奨し、他方当社の新株予約権者に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の判断に委ねるとする旨の決議を行うこと、及び②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた本スクイーズアウト手続を実施する旨の決議を行うことは、当社の少数株主にとって不利益でない)と考えられ、これに反する事情は現時点において特段見当たらない。

③ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス、株式会社ラテールネクスト及び一般社団法人ラテールネクスト並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関として、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルに対し、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年11月7日付で本株式価値算定書(山田コンサル)を取得いたしました。詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

④ 当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会における意思決定の公正性及び適正性を担保するために、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社、公開買付者、大久保泉氏、ラテールホールディングス、株式会社ラテールネクスト及び一般社団法人ラテールネクスト並びに本取引の成否から独立した法務アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所より、本公開買付けを含む本取引の諸手続、取締役会の意思決定の方法・過程、その他本取引に関する意思決定にあたっての留意点等(利害関係を有する当社取締役の範囲、特別委員会を設置すること及びその設置時期、特別委員会の答申の内容を最大限尊重して意思決定を行うことが望ましいこと等を含みますが、これらに限られません。)について法的助言を受けております。

なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性に問題がないことが確認されております。

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認

当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的見地からの助言及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた財務的見地からの助言、並びに本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)及び本特別委員会が山田コンサルから取得した本株式価値算定書(山田コンサル)を総合的に考慮しつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正なものか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けについて、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けを含む本取引に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年11月10日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した利害関係を有しない当社の取締役(監査等委員を含みます。)全員の一致(当社の取締役7名の全員一致)で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。

⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

公開買付者は、公開買付期間を、法令において定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を法令において定められた最短期間と比較して長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。また、公開買付者は、当社との間で、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを一律に、あるいは全面的に禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを過度に制限するような内容の合意は行っていないとのことです。このように、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

⑦ 強圧性の排除

公開買付者は、上記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後、本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請をすることを予定しており、当社の株主の皆様に対して価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本基本契約

上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、2025年11月10日付で、ラテールホールディングス及び当社との間で、本取引に関し、以下の内容を含む本基本契約を締結しております。

(i)ラテールホールディングスは、不応募合意株式の全てについて本公開買付けに応募しないこと。

(ⅱ)当社は、法令等に従い本公開買付けへの賛同・応募推奨の意見表明に係る決議(以下「本賛同決議」といいます。)の内容を公表した上で、本公開買付けの買付期間の末日までの間、本賛同決議を維持し、これを撤回又は変更しないこと。

(ⅲ)当社は、本基本契約締結日以降、本取引が完了するまでの間、(a)いかなる公開買付者以外の第三者に対しても、直接又は間接に、本取引と実質的に競合、矛盾若しくは抵触し、若しくは本取引の実行を困難にし、又はそれらのおそれのある取引(本「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」において、以下「競合取引」といいます。)に関する提案又は勧誘を行わず、(b)公開買付者以外の第三者(本「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」において、以下「対抗提案者」といいます。)から競合取引の提案を受け、又はかかる提案が存在することを知った場合、速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案の内容を通知し、公開買付者及びラテールホールディングスとの間で対応につき誠実に協議すること。

(ⅳ)競合取引の提案が、(a)①当社株式(当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを対象とする当社の非公開化を目的とした他社株公開買付け又は他社株公開買付け、自社株公開買付け、相対譲渡その他の複数の取引を組み合わせる取引を開始し、若しくはその予定を公表した場合であって、②当該他社株公開買付けにおける買付価格が本公開買付価格(本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいいます。)を3%以上上回る場合(本「① 本基本契約」において、①②の条件を満たす取引を以下「対抗公開買付け」といいます。)、又は(b)対抗公開買付けに係る法的拘束力のある具体的かつ実現可能性のある真摯な提案((a)及び(b)のいずれの場合も、当社の非公開化を適法に完了させるために必要となる資金に係る法的拘束力のある資金証明書が提出されており、かつ、対抗公開買付けの実行の確実性に合理的に疑義を生じさせるような事情がないものに限ります。)のいずれにも該当しない場合には、当社は、当該提案の公表についても公開買付者及びラテールホールディングスとの間で協議し、公開買付者の事前の書面による承諾なく当該提案を公表しないこと。

(ⅴ)上記(ⅱ)乃至(ⅳ)にかかわらず、当社からの提案又は勧誘なく、対抗提案者から、対抗公開買付けに係る具体的かつ実現可能性のある真摯な提案があった場合で、当該提案に関する検討を行わないことが当社の取締役の善管注意義務に違反する蓋然性があると客観的かつ合理的に判断し、本特別委員会も当該判断に同意した場合には、当社は、当該第三者との間で協議、交渉、又は情報提供(当社グループに関する情報を提供することを含みます。)を行うことができること。

(ⅵ)本基本契約締結後、本公開買付けの買付期間(以下「本公開買付期間」といいます。)の満了までに、対抗提案者が対抗公開買付けを開始し、若しくはその予定を公表した場合又は当社が対抗提案者から対抗公開買付けに係る法的拘束力のある具体的かつ実現可能性のある真摯な提案(当社の非公開化を適法に完了させるために必要となる資金に係る法的拘束力のある資金証明書が提出されており、かつ、対抗公開買付けの実行の確実性に合理的に疑義を生じさせるような事情がないものに限ります。)を受けた場合には、当社は、公開買付者に対して、協議を申し入れることができ、この場合、公開買付者及び当社は対応につき誠実に協議すること。

(ⅶ)当社が、上記の協議も踏まえ、(a)対抗公開買付けに係る買付価格その他の取引条件、対抗提案者の属性、対抗公開買付け後の経営方針、取引実行の確実性その他の事情を勘案した上で、本取引と比較して、対抗公開買付けの方が当社の企業価値向上及び株主共同の利益により資するものであり、かつ、(b)本賛同決議を維持することが当社の取締役の善管注意義務に違反する蓋然性があると客観的かつ合理的に判断した場合であって、本特別委員会も(a)及び(b)に係る判断に同意した場合には、当社は、本公開買付期間の末日の3営業日前までの間、公開買付者に対し、その旨を書面により通知することができ、当社は、(x)公開買付者が、上記記載の書面通知を受領した日から起算して3営業日を経過する日又は本公開買付期間の末日の前営業日のうちいずれか早い方の日までに本公開買付価格を対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に変更しない場合、かつ、(y)当社に本基本契約又は法令等の重大な義務の違反がない場合には、本賛同決議を撤回又は変更し、対抗提案者との間で対抗公開買付けに係る合意を行うことができること。

(ⅷ)当社は、本自社株公開買付けの決済に必要となる分配可能額及び資金を確保するために、本第三者割当増資等及び本減資を実施し、本減資の効力発生を条件として、本自社株公開買付けを開始すること。

(ⅸ)ラテールホールディングスは、本応募契約で許容される場合を除き、本自社株公開買付けの開始日から5営業日以内に、不応募合意株式全てを本自社株公開買付けに応募するものとし、かつ、その後当該応募を維持し、撤回せず、当該応募により成立するラテールホールディングス保有株式の買付けに係る契約を解除しないこと。

その他、本基本契約においては、本スクイーズアウト手続の実施に関する事項、ラテールホールディングス、当社及び公開買付者による表明保証事項(注1)、公開買付者の義務(注2)、ラテールホールディングスの義務(注3)、当社の義務(注4)、補償条項、契約の終了、2025年11月11日付で提出する本公開買付けに係る公開買付届出書(以下「本公開買付届出書」といいます。)提出日の前日正午までに限り行使することのできる解除権に関する規定、一般条項が規定されております。また、本公開買付け開始に係る前提条件も規定されておりますが、かかる前提条件は、いずれも本公開買付届出書提出日時点で充足されております。

(注1) 本基本契約において、(A)ラテールホールディングスは、(a)適法かつ有効な設立及び存続、事業に必要な権限及び権能、(b)本基本契約の有効な締結及び手続の履践、(c)強制執行可能性、(d)法令等との抵触の不存在、(e)許認可等の取得、(f)倒産申立原因等の不存在、(g)反社会的勢力との関係の不存在、(h)不応募合意株式についての下記(注3)で定める担保権以外の負担等のない適法かつ有効な所有に関する事項の表明及び保証を、(B)当社は、当社グループについて、上記(a)乃至(g)及び(i)発行可能株式総数・発行済株式の適法かつ有効な発行、(j)有価証券報告書等の法令を遵守した作成及び正確かつ適正な記載内容、(k)偶発債務・簿外債務等の不存在、(l)重要な変更の不存在、(m)当社グループの事業上重要な資産についての適法かつ有効な権限の保有及び必要かつ有効な対抗要件の具備、(n)当社グループの事業上重要な契約の適法かつ有効な締結及び当社の事業遂行を制約する条項を含む契約等の不存在、(o)法令等及び司法・行政機関等の判断等の遵守、(p)労働関連の法令等、司法・行政機関等の判断等及び当社グループの就業規則その他の人事関連の社内規程並びに役職員との間の契約等に対する重大な違反の不存在、(q)公租公課の適正かつ適法な納付、(r)訴訟等又は重要なクレーム等の不存在、(s)未公表の重要事実等の不存在、(t)必要な許認可等の取得、競争法制、汚職防止法制、マネーロンダリング法制及び制裁関連法制等への違反の不存在及び遵守のための社内規程の策定、政府関係者又は制裁対象者との取引等の不存在、並びに政府関係者及び政府組織による当社株式の保有の不存在等(u)ラテールホールディングス及び当社グループが、本取引又は本基本契約の内容に関して公開買付者に開示した資料及び情報について、重要な点において虚偽又は誤りが含まれてないことに関する事項の表明及び保証を、それぞれしております。本基本契約において、公開買付者は、公開買付者について、上記(a)乃至(g)及び(v)本公開買付けの決済開始日、本第三者割当増資の払込期日及び本貸付け等の実行日のそれぞれの時点において、公開買付者に対する直接又は間接の出資及び貸付けが実行されることを前提として、本公開買付けの決済、本第三者割当増資、本貸付け等のそれぞれを行うために必要となる資金を十分に保有していることに関する事項の表明及び保証を、それぞれしております。

(注2) 本基本契約において、公開買付者は、大要、①競争法令等のクリアランスの取得に関する努力義務、並びに、②表明保証違反若しくは義務違反となるおそれがある事由又は本取引の遂行に重大な支障となり得る事由が発生又は判明した場合の通知義務を負担しています。

(注3) 本基本契約において、ラテールホールディングスは、大要、①本公開買付けの決済開始日以降、本自社株公開買付けの決済開始日までの日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催された場合における、公開買付者の要請に従った議決権行使義務、②不応募合意株式に設定された担保権の解除義務、③本取引を実行するための資金調達への協力義務、④表明保証違反若しくは義務違反となるおそれがある事由又は本取引の遂行に重大な支障となり得る事由が発生又は判明した場合の通知義務を負担しています。

(注4) 本基本契約において、当社は、大要、①本スクイーズアウト手続の実施義務、②本スクイーズアウト手続完了までの間、従前の実務に従った通常の業務の範囲内でその業務の執行及び財産の管理・運営を行うことに係る義務、③本取引を実行するための資金調達への協力義務、④表明保証違反若しくは義務違反となるおそれがある事由又は本取引の遂行に重大な支障となり得る事由が発生又は判明した場合の通知義務を負担しています。

② 本応募契約

本公開買付けに際し、公開買付者は、2025年11月10日付で、ラテールホールディングス、大久保泉氏、一般社団法人ラテールネクスト(本「② 本応募契約」において以下「本株主」といいます。)及び株式会社ラテールネクストとの間で以下の内容を含む本応募契約を締結しております。

(ⅰ)大久保泉氏及び一般社団法人ラテールネクストは、本公開買付けが開始された場合、実務上可能な限り速やかに(但し、遅くともその開始日から20営業日以内に)自らが所有する当社株式の全てを、それぞれ本公開買付けに応募し(以下「本応募」といいます。)、本応募後、本応募契約で別途定める場合を除き、本応募を撤回せず、本応募により成立する当該株式の買付け等に係る契約を解除しないこと。

(ⅱ)株式会社ラテールネクストは、本自社株公開買付けに係る決済の完了後直ちに(但し、遅くとも決済の開始日の翌営業日までに)、公開買付者の要請に応じて、投資契約及び株主間契約(なお、公開買付者祖父母会社及びその子会社に関する株式会社ラテールネクストの役員指名権及び事前承諾事項は規定されない予定です。)を締結するものとし、当該契約に従い、本再出資を行うこと。

(ⅲ)本株主は自らが保有する当社株式の全部又は一部について、本基本契約に従いラテールホールディングスが本自社株公開買付けに応募することを除き、第三者に対する譲渡(公開買付者以外の第三者が実施した当社の株式等を対象とする公開買付けへの応募を含みます。)、担保権の設定その他の方法による処分を行わないこと。

(ⅳ)本株主は、本応募契約締結日以降、本取引が完了するまでの間、(a)いかなる公開買付者以外の第三者に対しても、又はいかなる公開買付者以外の第三者との間においても、直接又は間接に、競合取引に関する提案、勧誘、情報提供(当社グループに関する情報を提供することを含みます。)、協議、交渉、合意又は取引の実行を一切行わず、(b)公開買付者以外の第三者から競合取引の提案を受け、又はかかる提案が存在することを知った場合、速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案の内容を通知し、公開買付者との間で対応につき誠実に協議すること。

(ⅴ)上記(ⅳ)にかかわらず、本応募契約締結後、本公開買付期間の満了までに、対抗提案者が本公開買付価格(本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいいます。)を10%以上上回る買付価格による当社株式(自己株式を除く。)及び本新株予約権の全てを対象とする当社の非公開化を目的とした公開買付け(但し、当該公開買付けは、買付予定数の上限が設定されていないものであることを要するものとし、本「② 本応募契約」において、以下「対抗公開買付け」といいます。)を開始した場合には、本株主は、公開買付者に対して、協議を申し入れることができ、この場合、公開買付者及び本株主は対応につき誠実に協議すること。

(ⅵ)本株主が、上記の協議も踏まえ、(a)対抗公開買付けに係る買付価格その他の取引条件、対抗提案者の属性、対抗公開買付け後の経営方針、取引実行の確実性その他の事情を勘案した上で、本取引と比較して、対抗公開買付けの方が当社の企業価値向上により資するものであり、かつ、(b)本株主が対抗公開買付けその他の対抗提案者が実施する付随する取引に応じた場合に受領することとなる税引後の手取額の総額(本「② 本応募契約」において、以下「本対抗取引税引後手取額」といいます。)が、本取引に応じた場合に受領することとなる税引後の手取額の総額(本「② 本応募契約」において、以下「本取引税引後手取額」といいます。)を10%以上上回ることが合理的に確実である場合には、本株主は、本公開買付期間の末日の10営業日前までの間、公開買付者に対し、その旨を書面により通知することができ、公開買付者が、かかる書面通知を受領した日から起算して5営業日を経過する日又は本公開買付期間の末日の前日のうちいずれか早い方の日までに、本取引税引後手取額が本対抗取引税引後手取額以上となるように本取引の条件を変更しない場合で、本株主に本応募契約又は法令等の義務の違反がない場合には、(x)大久保氏及び一般社団法人ラテールネクストは、本応募を行わず又は本応募を撤回し、その所有する当社株式を対抗公開買付けに応募することができ、(y)ラテールホールディングスは、本基本契約の規定にもかかわらず、その所有する当社株式を対抗公開買付けに応募することができること。

その他、本応募契約においては、本株主、株式会社ラテールネクスト及び公開買付者による表明保証事項(注5)、本取引の実施に関する義務(注6)、資金調達への協力義務、補償条項、契約の終了、本公開買付届出書提出日の前日正午までに限り行使することのできる解除権に関する規定、一般条項等が規定されております。

(注5) 本応募契約において、(A)ラテールホールディングスは、(a)適法かつ有効な設立及び存続、事業に必要な権限及び権能、(b)本応募契約の有効な締結及び手続の履践、(c)強制執行可能性、(d)法令等との抵触の不存在、(e)許認可等の取得、(f)倒産申立原因等の不存在、(g)反社会的勢力との関係の不存在、(h)必要な許認可等の取得、競争法制、汚職防止法制、マネーロンダリング法制及び制裁関連法制等への違反の不存在及び遵守のための社内規程の策定、政府関係者又は制裁対象者との取引等の不存在、並びに政府関係者及び政府組織による当社株式の保有の不存在等及び(i)不応募合意株式についての「(1)本基本契約」(注3)で定める担保権以外の負担等のない適法かつ有効な所有に関する事項の表明及び保証を、(B)大久保泉氏は、(a)意思能力、(b)(注1)記載の(A)(b)乃至(h)及び当社株式の適法かつ有効な所有に関する事項の表明及び保証を、(C)一般社団法人ラテールネクストは、(注1)記載の(A)(a)乃至(h)及び当社株式の適法かつ有効な所有に関する事項の表明及び保証を、(D)株式会社ラテールネクスト及び公開買付者は、(注1)記載の(A)(a)乃至(g)の表明保証を、それぞれしております。

(注6) 本株主及び株式会社ラテールネクストは、本取引が完了するまでの間、①ラテールホールディングス及び株式会社ラテールネクストの株式等の全部又は一部について譲渡等を行わず又は行わせないこと、また、ラテールホールディングス及び株式会社ラテールネクストの資本構成又は支配関係に変動を生じさせる一切の行為を行わず又は行わせないこと、②一般社団法人ラテールネクストの社員又は理事の変更その他の一般社団法人ラテールネクストの運営体制又は支配関係に変動を生じさせる一切の行為を行わず又は行わせないこと、並びに③公開買付者の事前の書面による承諾なしに、株主権を行使しないことを合意しています。 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

(1)普通株式

氏名 役職名 所有株式数(株) 議決権の数(個)
佐藤 勉 代表取締役兼社長執行役員 2,192,153 2,192,153
本畑 弘人 取締役兼副社長執行役員 1,092,933 1,092,933
宇野 敏弘 取締役 173,638 173,638

(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は2025年11月10日時点のものです。

(注2) 代表取締役兼社長執行役員佐藤勉の所有株式数には、全株式を保有する同氏の資産管理会社である株式会社sucreが保有する当社株式800,000株を含めております。

(2)新株予約権

該当事項はありません。 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

7【公開買付者に対する質問】

該当事項はありません。

8【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。

Talk to a Data Expert

Have a question? We'll get back to you promptly.