Legal Proceedings Report • Nov 28, 2025
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| 【提出書類】 | 意見表明報告書(2025年11月28日付け訂正報告書の添付インラインXBRL) |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2025年10月31日 |
| 【報告者の名称】 | 株式会社ブレインパッド |
| 【報告者の所在地】 | 東京都港区六本木三丁目1番1号 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 東京都港区六本木三丁目1番1号 |
| 【電話番号】 | 03-6721-7001(代表) |
| 【事務連絡者氏名】 | 上席執行役員CFO 新木 菜月 |
| 【縦覧に供する場所】 | 株式会社ブレインパッド (東京都港区六本木三丁目1番1号) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) |
(注1) 本書中の「当社」とは、株式会社ブレインパッドをいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、富士通株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入または切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注6) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注7) 本書中の記載において、日数または日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数または日時を指すものとします。
(注8) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続および情報開示基準に従い実施されるものです。
E25817 36550 株式会社ブレインパッド BrainPad Inc. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 2 true S100WY64 true false E25817-000 2025-10-31 xbrli:pure
訂正意見表明報告書_20251128140705
名称 富士通株式会社
所在地 神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号
普通株式
(1)意見の内容
当社は、2025年10月30日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」に記載の根拠および理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行いました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠および理由
本「(2)意見の根拠および理由」のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、2025年10月30日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(ただし、本書提出日現在の当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式を所有していないとのことです。
また、公開買付者は、2025年10月30日開催の取締役会において、当社との間で経営統合契約(以下「本経営統合契約」といいます。)を締結することを決議したとのことです。本経営統合契約の内容については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本経営統合契約」をご参照ください。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年10月30日付で、当社の第2位株主である株式会社ディシプリン(所有株式数2,351,400株、所有割合(注1):11.25%。以下「ディシプリン」といいます。)との間で、ディシプリンが所有する当社株式の全て(以下「応募対象株式(ディシプリン)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(ディシプリン)」といいます。)を、当社の取締役かつ第3位株主である佐藤清之輔氏(所有株式数1,691,880株、所有割合:8.09%。以下「佐藤氏」といいます。)との間で、当社が譲渡制限付株式報酬制度に基づいて佐藤氏に対して付与した譲渡制限付株式のうち、2025年10月30日現在において譲渡制限が解除されていない11,980株を除く1,679,900株(所有割合:8.03%)(かかる1,679,900株のうち、(ⅰ)本担保権付株式(佐藤氏)(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」に定義します。)については、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)の末日(公開買付期間が延長された場合には、当該延長後の末日をいいます。以下同じです。)までに設定されている担保権が解除された場合に限り、また、(ⅱ)本貸株対象株式(佐藤氏)(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」に定義します。)については、公開買付期間の末日までに貸株取引が解消され、本貸株対象株式(佐藤氏)が佐藤氏に返還された場合に限ります。)(以下「応募対象株式(佐藤氏)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(佐藤氏)」といいます。)を、当社の第6位株主である株式会社りそなホールディングス(所有株式数557,500株、所有割合:2.67%。以下「りそなホールディングス」といいます。)との間で、りそなホールディングスが所有する当社株式の全て(以下「応募対象株式(りそなホールディングス)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(りそなホールディングス)」といいます。)を、当社の取締役会長かつ第10位株主である高橋隆史氏(所有株式数268,190株、所有割合:1.28%。以下「高橋氏」といい、ディシプリン、佐藤氏、りそなホールディングスおよび高橋氏を総称して「10月30日付応募予定株主」といいます。)との間で、当社が譲渡制限付株式報酬制度に基づいて高橋氏に対して付与した譲渡制限付株式のうち、2025年10月30日現在において譲渡制限が解除されていない12,190株を除く256,000株(所有割合:1.22%)(かかる256,000株のうち、本貸株対象株式(高橋氏)(下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」に定義します。)については、公開買付期間の末日までに貸株取引が解消され、本貸株対象株式(高橋氏)が高橋氏に返還された場合に限ります。)(以下「応募対象株式(高橋氏)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(高橋氏)」といい、本応募契約(ディシプリン)、本応募契約(佐藤氏)、本応募契約(りそなホールディングス)および本応募契約(高橋氏)を総称して「10月30日付本応募契約」といいます。)を、さらに2025年11月28日付で、当社の第5位株主である伊藤忠商事株式会社(所有株式数669,000株、所有割合:3.20%。以下「伊藤忠商事」といい、10月30日付応募予定株主および伊藤忠商事を総称して「応募予定株主」といいます。)との間で、伊藤忠商事が所有する当社株式の全て(以下「応募対象株式(伊藤忠商事)」といいます。)を本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(伊藤忠商事)」といい、10月30日付本応募契約と併せて「本応募契約」といいます。)をそれぞれ締結し、応募予定株主が所有する当社株式(所有株式数5,537,970株、所有割合:26.49%)のうち5,513,800株(所有割合:26.37%)を本公開買付けに応募する旨を合意したとのことです。なお、本応募契約の詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約」をご参照ください。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年9月25日に提出した「第22期有価証券報告書」に記載された2025年6月30日現在の当社の発行済株式総数(22,300,596株)から、本書提出日現在の当社が所有する自己株式数(1,391,615株)を控除した株式数(20,908,981株。以下「本基準株式数」といいます。)に占める割合をいいます。小数点以下第三位を四捨五入しております。以下所有割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて13,883,800株(所有割合:66.40%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(13,883,800株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(13,883,800株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(13,883,800株)は、本基準株式数に係る議決権の数である209,089個に3分の2を乗じた数(139,393個)(小数点以下を切り上げ)から、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(注2)のうち、本書提出日現在において譲渡制限が解除されない株式(55,530株)に係る議決権の数(555個)を控除した数(138,838個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(13,883,800株)としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式の全てを取得できず、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、株式併合(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者および株式併合の手続に賛同すると見込まれる当社の取締役が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものとのことです。
(注2) 譲渡制限付株式報酬として当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式(取締役)」といいます。)のうち、本書提出日現在において譲渡制限が解除されていないものは、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、2025年10月30日開催の当社取締役会において、当社は当社の完全子会社化を前提とした本公開買付けに賛同することを決議しており、本公開買付けが成立した後、本臨時株主総会(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)において株式併合に係る議案が付議された場合には、本公開買付けに賛同した当社の取締役は同議案に賛成の議決権行使を行う見込みであると考えておりますので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、本譲渡制限付株式(取締役)のうち、本書提出日現在において譲渡制限が解除されていないもの(55,530株)(所有割合:0.27%)に係る議決権数を控除したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的および意思決定の過程
公開買付者は、1935年6月に富士通信機製造株式会社として設立し、1949年5月に東京証券取引所に、1960年12月に株式会社大阪証券取引所(現在の東京証券取引所、以下「大阪証券取引所」といいます。)に、1961年10月に株式会社名古屋証券取引所に株式をそれぞれ上場し、その後1967年6月に現在の商号に変更し、2013年7月に大阪証券取引所における現物市場が東京証券取引所に統合されたことにより、公開買付者は、東京証券取引所市場第一部および名古屋証券取引所市場第一部に上場することとなり、2022年4月の東京証券取引所および名古屋証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所プライム市場および名古屋証券取引所プレミア市場へ移行したとのことです。公開買付者は、公開買付者、その連結子会社271社および持分法適用関連会社14社(2025年3月31日現在)からなる企業グループ(以下「公開買付者グループ」といいます。)により構成されているとのことです。
公開買付者は1950年代に初の電算機「FACOM」を開発以降、通信機に加えて、電算機および半導体などの開発製造販売会社として発展したとのことです。また1970年代には、公開買付者製品の高い信頼性が認められ海外への事業展開を開始、1990年代以降には、オープン化(独自の技術システムから、特定企業に依存しないより標準的な技術を用いたシステムへの移行)やインターネットの普及などICT(注1)産業の急速な変化と拡大を背景に、最先端のテクノロジーやパートナーアライアンスを活用し、プロダクトからサービスに至る幅広いICT領域のトータルソリューションを提供する事業形態へと発展したとのことです。
公開買付者は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」をパーパスとし、「デジタルサービスによってネットポジティブ(注2)を実現するテクノロジーカンパニーになる」という2030年に向けたビジョンの達成に向けて、公開買付者自身の事業モデル転換をさらに推し進めるとともに、社会課題を起点としたクロスインダストリー(業種横断)でのお客様の問題解決に取り組んでいるとのことです。
(注1) 「ICT」とは、Information and Communication Technologyの略称であり、情報通信技術をいうとのことです。
(注2) 「ネットポジティブ」とは、社会に存在する公開買付者が、財務的なリターンの最大化に加え、地球環境問題の解決、デジタル社会の発展、そして人々のウェルビーイングの向上というマテリアリティに取り組み、テクノロジーとイノベーションによって、社会全体へのインパクトをプラスにすることをいうとのことです。
公開買付者はAI技術、量子コンピューティング、セキュリティなど幅広い分野で優れた先端技術の研究開発力を有すること、また特に日本国内市場における顧客基盤とシステム構築実績を有する点において競争優位性を有していると考えているとのことです。近年、技術革新とともに社会における価値観や働き方の多様化が加速し、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)(注3)やSX(サステナビリティトランスフォーメーション)(注4)をはじめとした事業モデルの変革に向けた取り組みを進めていることが、公開買付者の業績拡大に繋がっているとのことです。
現在公開買付者は、グローバルで11万人超の従業員が49カ国でサービスを提供し、国内ITサービス市場では売上シェア20%(注5)と国内最大シェアを確保しているとのことです。経営面ではサービスソリューションへの集中により、2025年度を最終年度とした現中期経営計画最終年度に過去最高益である2024年度の調整後営業利益3,072億円を更新する見通しとのことです。
(注3) 「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、経済産業省により2020年11月に策定され、2024年9月に改訂された「デジタルガバナンス・コード3.0」において、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」として定義されているものをいうとのことです。
(注4) 「SX(サステナビリティトランスフォーメーション)」とは、環境・社会・経済にプラスの変化をもたらすために事業を変革することをいうとのことです。
(注5) IDC Japan株式会社による『国内ITサービス市場 主要ベンダーサービスセグメント別売上額、2024年』によるとのことです。
そうした成果の一方で、お客様のデジタルサービスに対するニーズの一層の高まりや、競合する事業者との競争の激化、生成AI技術の登場・飛躍的な発展など、公開買付者を取り巻く事業環境は急速に変化を続けているとのことです。
こうした環境変化に対応し、持続的な成長を実現するため、公開買付者は全社的な成長領域として「Uvance」(注6)を戦略の中核に据えており、2025年度には当該領域の売上収益7,000億円の達成を企図しているとのことです。Uvanceはその中で、急拡大するData&AI(注7)市場を中長期の成長エンジンとしてとらえており、いち早く日本におけるリーダーポジションを確保することを目指しているとのことです。具体的には、自社のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」に加え、グローバルテクノロジーリーダーとの強力なパートナーシップにより、日本語強化型LLM(注8)「Takane」やオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS(以下「DIPaaS」(注9)といいます。)をはじめとして、最先端のクラウド基盤とAI技術を取り入れながら、技術資産とグローバルエコシステム(注10)を戦略的に組み合わせ、Data&AIの社会実装を加速させているとのことです。公開買付者では今後さらにData&AIへの成長投資・人的資源の投下を強化、AI技術のUvanceへの融合を進めることで、提供価値の高度化とサービスの差異化を図り、お客様の複雑化する課題に応えるData&AIソリューションの実現を加速していくとのことです。
(注6) 「Uvance」とは、公開買付者が成長戦略の中核として進めている、お客様のビジネス成長と社会課題の解決に挑む事業モデルをいうとのことです。
(注7) 「Data&AI」とは、企業が持つ膨大なデータを人工知能(AI技術)を使って、収集・整理・分析、価値ある洞察や予測、自動化などを行うことで、ビジネス課題の解決、業務の効率化、新たな価値の創造等を実現する取組みをいうとのことです。
(注8) 「LLM」とは、Large Language Modelの略称であり、大規模言語モデルをいうとのことです。
(注9) 「DIPaaS」とは、組織内外に散在する膨大なデータを意味の理解できる形に統合して意思決定を支援する、クラウドベースのオールインワンオペレーションプラットフォームをいうとのことです。
(注10) 「グローバルエコシステム」とは、複数の企業・組織・個人がグローバルなレベルで連携し、新たな価値を共創する仕組みをいうとのことです。
一方、当社は、2004年3月に設立され、創業来のパーパスに「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を掲げ、これを具体的に実現していくためのビジョンを「息を吸うようにデータが活用される社会をつくる」と定めて、日本のData&AI活用のリーディングカンパニーとして顧客企業を支援しながら、さまざまな産業の企業活動や人々の生活においてData&AI活用が広く浸透する世界を目指しております。当社株式については、2011年9月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、2013年7月に東京証券取引所市場第一部に市場変更した後、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至ります。
本書提出日現在、当社のグループは、当社、連結子会社3社および持分法適用関連会社1社(以下「当社グループ」といいます。)で構成されており、「プロフェッショナルサービス事業」および「プロダクト事業」の2つのセグメントで事業を展開しております。「プロフェッショナルサービス事業」は、データ分析、システム開発を含むコンサルティング、人的支援を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行っております。プロジェクトの期間や体制はさまざまではありますが、既存顧客の割合が高く、数年にわたり継続的に支援している顧客が多いのが特長です。また、当社グループは200名を超えるデータサイエンティスト(注11)を有しており、当該従業員がデータ分析技術を駆使して最適なデータ活用を実装していることおよび、特定の業界に特化せず、幅広い業種に対する支援実績を持つことが当該事業の優位性となります。
(注11) 「データサイエンティスト」とは、経済産業省および独立行政法人情報処理推進機構により2022年12月に取りまとめられた「DX推進スキル標準」において、「DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材」として定義されております。
「プロダクト事業」は、自社製および他社製プロダクトの提供を通じて、顧客企業のデータ活用支援を行っております。具体的には、デジタルマーケティングを自動化・効率化するSaaS(注12)プロダクトを中心に提供しており、主力プロダクトは、自社開発製品である「Rtoaster」(注13)および「Ligla」(注14)ならびに、他社製品である「Probance」(注15)および「Brandwatch」(注16)の4製品となります。自社開発製品にはデータ分析力を生かした高精度な自社開発アルゴリズムを搭載していることおよび他社製品として独自性が強い海外ツールを選定していることが、当該事業の特長となります。
(注12) 「SaaS」とは、「Software as a Service」の略称であり、インターネット経由でアプリケーション機能を提供するサービスを指します。
(注13) 「Rtoaster」とは、あらゆる顧客データを統合・分析し、高度なアルゴリズム・多彩なアクション機能により、精度の高いパーソラナイズを実現するトータルソリューションをいいます。
(注14) 「Ligla」とは、顧客データと機械学習アルゴリズムを用いた配信シナリオ設計でパーソナライズされたLINEコミュニケーションを自動化するマーケティングオートメーションをいいます。
(注15) 「Probance」とは、機械学習により顧客ニーズを予測し、パーソナライズコミュニケーションを実現するBtoC向けマーケティングオートメーションプラットフォームをいいます。
(注16) 「Brandwatch」とは、デジタルボルテックスの時代に必要となるリアルタイム意思決定を支援する、業界最大級のデータとAI技術を搭載した、次世代マーケティングリサーチプラットフォームをいいます。
当社グループは、第三次AIブームや国内のDX投資の加速に伴うデータ活用の重要性の高まりを受け、プロフェッショナルサービス事業を中心に需要を取り込み、2025年6月期においては売上高・営業利益ともに前年度から10%以上の成長を実現するとともに、創業来21年連続の増収を達成しております。
また、当社グループは、三位一体のビジネスモデルによる内製化支援と、それを支える人材力・プロジェクト経験値を強みとしており、業界他社と比較して以下の3つの模倣困難性を有しております。
(ⅰ)三位一体のビジネスモデル
当社グループは、①プロフェッショナル支援、②人材育成・教育、③プロダクト提供の3つのビジネスを組み合わせて顧客企業のData&AI活用の内製化を支援しており、これら3つのビジネスを併せ持つ企業は世界的にも珍しいと考えております。
(ⅱ)業界一のデータサイエンティスト組織
上記のとおり、当社グループは200名を超えるデータサイエンティストを有しております。創業間もなく他社に先駆けて新卒採用を開始し、自社内でデータサイエンティストを育成して組織として束ねる力を備えております。またほぼ全員が顧客企業を支援するプロジェクトワークに従事しており、当社グループの収益に貢献しております。
(ⅲ)22年間にわたるData&AIプロジェクト経験
創業来22年間にわたり、全ての売上高がData&AI活用をテーマとするビジネスによりもたらされております。Data&AIを価値に変えるという本質からぶれない顧客企業への提案品質およびデータ活用コンサルティング、データ分析、システムインテグレーション、プロダクト提供をはじめとするプロジェクト遂行能力は、この22年間のプロジェクト経験の蓄積を通じて業界他社を先行していると考えております。
当社は、2023年5月12日に2024年6月期から2026年6月期を対象とする中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)を策定および公表し、本中期経営計画の対象期間を「構造改革期」と位置付けております。2025年6月に日本政府より示された「骨太方針2025」および「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画2025年改訂版」においては、日本経済の成長に向けて、AI技術等のイノベーションの促進や、データ利活用を促進する制度の検討による戦略的なデータ政策の推進が掲げられています。同時に、DXやData&AI活用を推進する国内のIT人材の不足が深刻化する状況が続いていることから、当社グループとしては、企業によるDX、Data&AI活用への投資(需要面)と、その推進を支えるIT人材不足の解消(供給面)という両面の経営課題をビジネスチャンスと捉えております。
一方で、昨今の当社を取り巻く事業環境の構造的変化は著しく、上場企業として独立した経営を継続する場合において、今後の持続的な成長に向けては以下のような課題に直面していると認識しております。
(ⅰ)競争環境の激化による差別化の困難性
当社は日本におけるData&AI活用の先駆者として、長年にわたり独自の地位を築いてまいりました。一方で、AI技術、特に生成AIの急速な発展は市場の前提を覆すほどの環境変化をもたらしており、競合となりうる企業が年々増加していると考えております。また、データ分析やAI関連技術のコモディティ化がさらに加速することを見込んでいる中で、他社との差別化が次第に困難な環境となっていくことも予想されます。加えて、経済産業省が発表したレポート「デジタル経済レポート:データに飲み込まれる世界、聖域なきデジタル市場の生存戦略」によると「デジタル赤字」が社会課題となっているように、海外製のソフトウェアやサービスの成長と日本市場への進出は著しく、容易には優位性を保ち続けづらいような競争環境の激化も想定されます。
(ⅱ)労働集約型の事業モデルの持続可能性
近年の当社の事業規模の拡大は、高度な専門人材による支援を中心とするプロフェッショナルサービス事業の成長が牽引したと考えております。一方で、国内における根本的なIT人材不足を背景に、優秀な人材の採用競争は過当ともいえる状況にあり、将来にわたってこの状況が改善される可能性は低いと考えております。そして、プロフェッショナルサービス事業の現行のビジネスモデルが人的支援の対価を得ることを主な収益源とする労働集約型の側面を持つ以上、人員数の増加に依存する形での爆発的な成長には限界があり、持続可能性の観点からもそのビジネスモデルの転換が急務であると認識しております。また、人材採用を加速する手段の一つとして当社が推進しているM&A戦略は、潤沢な資金力を有する大手企業との競争下にあり、買収価格が高騰を続けているとみており、近年の傾向をふまえると、当社が適切な条件で優良なM&Aを実現していくことは容易ではないと言えます。
(ⅲ)資本市場の構造的変化による上場維持メリットの低下
近年の国内株式市場において、当社並みの時価総額水準の企業は、国内外の大手機関投資家の投資対象として注目されにくいという構造的な課題を抱えており、株価形成の難易度は高まっていると考えております。当社は東証プライム市場の銘柄として十分な企業価値を有していると考えておりますが、株式会社日本取引所グループが推進しようとしている制度の見直しにより、例えば当社がTOPIXの構成銘柄から除外される場合には、当社株式の流動性の低下など株価形成への悪影響が懸念されます。加えて、当社の財務状況は健全であり、堅実な事業成長を続けていく上では株式市場からの大規模な資金調達等が必ずしも必要ではないという側面もあり、上場を維持することのメリットが享受しきれていない状況であるとも認識しております。
(ⅳ)株主構成がもたらす長期的視点での経営の制約
上記のような国内株式市場の環境要因もあり、現在の当社株価に対して短期的な利益確保や配当性向の上昇を期待する声が比較的強い傾向にあると認識しております。これは、今後の事業成長やビジネスモデルの転換期において不可欠となる、一時的な収益性の悪化を伴う大胆な先行投資を実行する上での大きな制約となり得ます。このような環境下において、当社の企業価値を持続的に向上させていくためには、その成長を支える安定株主やパートナーの存在が極めて重要であり、また、当社の創業者が保有する株式の承継先の検討も視野に入れる中で、当社の資本政策の見直しが求められる状況となっております。
公開買付者は、上記Data&AI領域においては顧客のAI技術導入やデータ基盤整備において競争が激化しており、リーダーポジションを確保するためには、自社の取り組みだけでなく、実績あるパートナーとの連携を通じてケイパビリティを戦略的に補完・拡充することが不可欠であると考えていたとのことです。
公開買付者は、2024年7月下旬から2025年2月下旬まで、当社との資本提携に係る初期的な打診を含めた協業の議論を行っていたとのことです。その後、2025年6月初旬、当社のフィナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)から当社株式の全てを公開買付け等の手法により取得し、またこれに伴う対象会社の今後のさらなる成長を実現させるためのパートナー選定のための入札手続における第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を行うこと、および公開買付者を本第一次入札プロセスに招聘する意向であるとの連絡を受けたとのことです。公開買付者は、予てより日本のデータサイエンスビジネスの草分けであり、Data&AI専業ベンダー最大手の一角である当社と連携することで、非連続な成長を実現し、労働力不足とデジタル赤字が加速する社会課題先進国・日本において、単独では到達し得ないレベルの高度なData&AIサービスを実現し、産業基盤・人的基盤の抜本的な変革を共にリードする存在となることができるものと考えており、2025年6月20日に本第一次入札プロセスへの参加を決定したとのことです。
そこで、公開買付者は、本取引に関する具体的な検討を開始するために、2025年6月10日に、フィナンシャル・アドバイザーとして大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、2025年6月18日にリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業(以下「森・濱田松本法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任し、2025年6月30日、当社に対して、本取引の意義および目的、バリュエーション、当社株式1株当たりの買付け等の価格として2,752円を想定している旨を含む想定する本取引のストラクチャー、本取引実行後の経営方針、株式保有方針、資金調達の方法、ならびに、当社に対するデュー・ディリジェンスを実施したい旨を含む本取引実行に向けた今後のプロセスおよび時間軸等を記載した法的拘束力を持たない意向表明書を提出したとのことです。公開買付者は、2025年7月24日に当社より本取引を検討したい旨の連絡を受け、同日、当社との間で本取引に関する独占交渉権付与に関する覚書を締結し、2025年8月上旬から当社に対する事業、財務・税務および法務等に関するデュー・ディリジェンスや当社との議論を通じて本公開買付けの実現可能性を精査するとともに、公開買付者グループと当社との間のシナジーの創出に向けた具体的な施策ならびに公開買付者による当社の完全子会社化後の経営方針等についてさらなる分析および検討を進めたとのことです。
かかる検討の結果、公開買付者は、2025年10月上旬に、本取引により、公開買付者および当社には以下のシナジー効果およびメリットがあると考えるに至ったとのことです。公開買付者は市場、技術、顧客ニーズが絶えず変化する環境下において競争優位性を確保し、以下のようなシナジー効果およびメリットの最大化を実現するためには、必要な施策を機動的に実行するための迅速な意思決定と両社の強固な協力体制の構築が必要であり、当社を公開買付者の完全子会社とすることが不可欠であると考えたとのことです。また、当社における本取引によるシナジー効果およびメリットの発現は、本取引を通じて当社を完全子会社とする公開買付者にとっても、当社を含めた本取引後の公開買付者グループとしての企業価値の向上につながるというメリットがあると考えるに至ったとのことです。
なお、公開買付者は、本取引の実施に伴うデメリットも検討したとのことですが、一般的に上場廃止に伴い、取引先を含む外部からの信用力・認知度への影響が想定されるところ、当社についてはこれまでの事業活動を通じて業界において十分な知名度と信用を有していることから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えているとのことです。したがって、本取引によりシナジー発現を推進する一方、当社グループの事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えているとのことです。
(ⅰ)プロフェッショナルサービス事業の協働展開
公開買付者は、長年にわたり日本の産業基盤を支える基幹業務や社会インフラを担うITシステムの構築・運用を通じて、国内随一の信頼とノウハウを築いてきたと考えているとのことです。さらに近年は同領域でのData&AI事業の展開を加速しているとのことです。これらの領域は高度な業種知見やセキュリティ要件、厳格な規制等が求められることから、参入障壁の高い領域であり、公開買付者ならではの競争優位性が発揮される分野であると考えているとのことです。
このような公開買付者の事業基盤と、当社が高い実績を有する金融・小売・メーカー・サービス領域に対するData&AI事業基盤(当社の事業のうちデータアナリティクスやデータエンジニアリング事業を中心に内包しています。)を相互に活用しながら、国内市場におけるData&AI事業のNo.1プレイヤーを目指した、両社のプロフェッショナルサービス事業展開の加速を企図しているとのことです。
本取引の実行後、公開買付者のData&AIに係る高度人材の人材交流、およびM&Aによる当社のチーム拡張等への積極的な取り組み等を通じて、当社のビジネス規模拡大と体制強化をともに推進するとのことです。
また、当社のData&AIの教育プログラムにより公開買付者の人材のリスキルを加速することで人的資源をさらに拡大し、当社の高度人材と公開買付者のリスキル人材を必要に応じて組み合わせることで、デリバリー体制の一層の強化と、品質を維持しつつ対応できるプロジェクト数の拡充を実現するとのことです。
さらに、当社が一部外部委託しているシステムインテグレーション・運用領域においては、公開買付者が保有するオフショア開発拠点であるGlobal Delivery Centerや、国内におけるハブ拠点であるJapan Global Gatewayを活用することで、品質・コスト・スピードの最適化を図りつつ、より安定的かつ内製と融合した開発・運用体制の構築をともに実現していくとのことです。
(ⅱ)プロダクト事業の協働展開
当社が有するRtoasterやLiglaといったマーケティング領域の先進的なプロダクトについては、公開買付者が保有する国内トップクラスの顧客基盤を活用し、製造・金融をはじめとした多様な業種への展開拡大をともに推進していくとのことです。加えて、公開買付者がグローバルで展開する事業基盤を通じて、新たな展開機会の創出にも貢献できると考えているとのことです。
また、公開買付者のCustomer Engagement(注17)やDIPaaSなどのオファリング(注18)についても、当社のプロフェッショナルサービス・プロダクトサービスと組み合わせることで、プロジェクトの大型化・長期化にもつながるソリューション提案をともに実現することが可能であると考えているとのことです。
(注17) 「Customer Engagement」とは、顧客データの利活用による顧客体験の改善、AI技術等を活用した顧客とのタッチポイントの高度化などを通じ、ユーザーによる顧客との強固な関係性の構築や効果的なマーケティング戦略の立案を可能とするソリューションオファリングの総称をいうとのことです。
(注18) 「オファリング」とは、顧客の課題やニーズに合わせてコンサルティングやサービス、ソリューションをパッケージ化し提案する手法をいうとのことです。
(ⅲ)持続的成長に向けた最先端テクノロジーやグローバルパートナーを活用した新たな事業の共創
絶えず変化を遂げる市場において持続的な成長を実現するためには、最先端テクノロジーを活用し、お客様の経営課題・社会課題をともに解決する企業となることが重要であると認識しているとのことです。そのためには、多くの最先端テクノロジーをもつパートナー企業との共創による新たな価値創造が不可欠であると考えているとのことです。公開買付者は自社の最先端テクノロジーに加え、前述のとおりグローバルテクノロジーリーダー企業群との緊密連携や、さまざまな企業との資本提携等も活用し、多様な最先端テクノロジーを常に身近に、また各々の強みを最大限発揮できるエコシステムの形成を大切にしているとのことです。今後は当社の知見と、公開買付者が利用可能な最先端テクノロジーを組み合わせることで、変化の激しい業界において、逸早く新たなプロダクトやサービスを共創し、両社の持続的成長を実現するとともに、日本全体の産業競争力とサステナブルな社会の実現に貢献することを企図しているとのことです。
(ⅳ)相互人材交流と育成
公開買付者は近年、全社横断での交流活動や働き方改革、ジョブ型人材マネジメントの導入などの人事制度の進化を通じ、多様な人材が活躍できる環境の整備とエンゲージメント向上に注力してきたとのことです。
当社を公開買付者グループに迎えることで、公開買付者が提供可能な多様な教育プログラムの提供や、国内外の大規模かつ多様なプロジェクトへの参画、AI技術・量子コンピューティング・セキュリティといった最先端テクノロジーとの接点など、当社役職員のキャリア形成がより魅力的に広がる機会を提供できるものと考えているとのことです。また、当社の教育プログラムを公開買付者のリスキル施策に組み込むことで、Data&AI領域における育成サイクルの短縮と人的資源の拡大を図り、両社の事業拡大に資する好循環の創出を企図しているとのことです。
本公開買付けにおける当社株式1株あたりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)については、公開買付者は、2025年8月上旬から2025年9月中旬までに実施したデュー・ディリジェンスの結果、および大和証券による当社株式の評価分析等を総合的に勘案し、2025年10月8日、当社に対して、本公開買付価格を2,706円とすることを検討する旨を伝達したとのことです。なお、当該公開買付価格は、当社株式の当該提案日である2025年10月8日の前営業日である、2025年10月7日の終値に対して95.52%(小数点以下第三位四捨五入、以下プレミアムの計算において同じとします。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して100.30%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して106.41%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して114.08%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
その後、公開買付者は、2025年10月15日に野村證券を通じて当社より、現時点では本公開買付価格について異議のない旨の回答を受け、継続して本経営統合契約の内容について当社との間で協議を重ねてきたとのことです。その後、当社より、2025年10月29日に、公開買付者との間で本経営統合契約の内容について合意したため、本公開買付価格を2,706円とすることについても応諾することを野村證券を通じて公開買付者に回答したとのことです。なお、最終的に合意された本公開買付価格は、公開買付者が本第一次入札プロセスで提示した公開買付価格2,752円から46円引き下げられたものであるところ、かかる引き下げは、公開買付者が当社グループに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、本第一次入札プロセスで提示した価格には反映されていなかった当社グループの純有利子負債項目の金額を当社グループの企業価値から控除したことによるものであり、公開買付者は、当社グループの企業価値それ自体の評価に変化はないものと考えているとのことです。
他方、公開買付者は、2025年9月中旬以降、応募予定株主との間で、本応募契約の締結に向けた協議を開始したとのことです。ディシプリン、高橋氏および佐藤氏に対して、2025年9月17日に本応募契約(ディシプリン)、本応募契約(高橋氏)および本応募契約(佐藤氏)の締結をそれぞれ申し入れ、前向きに検討する旨の回答を得たため、それらの締結に向けた協議をそれぞれ開始したとのことです。公開買付者は2025年10月27日に、本公開買付価格が2,706円となることをディシプリン、高橋氏および佐藤氏にそれぞれ伝達したところ、2025年10月29日にディシプリン、高橋氏および佐藤氏より、それぞれ応諾する旨の連絡を受け、内容についてそれぞれ合意に至ったとのことです。りそなホールディングスに対して、2025年10月中旬に、本応募契約(りそなホールディングス)の締結を申し入れ、前向きに検討する旨の回答を得たため、本応募契約(りそなホールディングス)の締結に向けた協議を開始したとのことです。公開買付者は2025年10月23日に、本公開買付価格が2,706円となることをりそなホールディングスに伝達したところ、2025年10月30日にりそなホールディングスより応諾する旨の連絡を受け、内容について合意に至ったとのことです。伊藤忠商事に対して、2025年10月中旬に、本応募契約(伊藤忠商事)の締結を申し入れ、前向きに検討する旨の回答を得たため、本応募契約(伊藤忠商事)の締結に向けた協議を開始したとのことです。公開買付者は2025年10月23日に、本公開買付価格が2,706円となることを伊藤忠商事に伝達したところ、2025年11月20日に伊藤忠商事より応諾する旨の連絡を受け、内容について合意に至ったとのことです。
以上の協議・交渉を踏まえ、公開買付者は、2025年10月30日開催の取締役会において、本取引の一環として本公開買付けを実施すること、2025年10月30日付で、当社との間で本経営統合契約を、また10月30日付応募予定株主との間で10月30日付本応募契約を締結することを決議し、さらに2025年11月28日付で伊藤忠商事との間で本応募契約(伊藤忠商事)を締結したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、本公開買付けの終了後、当社の独立性の維持を前提としつつ、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的および意思決定の過程」に記載の各効果を実現するための施策を講じるとともに、そのための適切な経営体制を構築することを目的として、公開買付者の役職員若干名を当社の非常勤取締役として派遣するとともに、公開買付者の関連事業において、当社の役職員が公開買付者の立場で関連事業に関与することも想定しているとのことです。これらの点を含む経営体制の詳細については、本公開買付けの成立後、当社と協議しながら決定する予定とのことです。
④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、2024年7月下旬に、公開買付者を含む複数の事業会社から、当社株式の100%を取得するための一連の取引を含む、資本提携に係る初期的な打診を受けて以降、当該事業会社それぞれとの間で継続的な協議を行いつつ、当社グループが成長を果たしていくための方策に関する様々な戦略的選択肢の検討をしておりました。かかる検討に際し、当社は、2024年7月23日に、当社内での意思決定プロセスの公平性・透明性を担保するために、石井隆一氏(当社独立社外取締役)、佐野哲哉氏(当社独立社外取締役)、大久保和孝氏(当社独立社外取締役、監査等委員)、および牛島真希子氏(当社独立社外取締役、監査等委員)の4名から構成される委員会(以下「社外取締役委員会」といいます。)を設置し、また、その独立性に問題がないことを確認の上、2024年7月下旬にリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任いたしました。
その後、当社は、当該事業会社の内、公開買付者以外の会社(以下「Z社」といいます。)から、2025年5月中旬に、当社株式の100%を取得するための一連の取引に係る法的拘束力を有しない意向表明書(以下「Z社意向表明書」といいます。)を受領いたしました。Z社意向表明書の受領をきっかけに、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的および意思決定の過程」に記載の経営環境を踏まえ、当社が中長期的なさらなる成長および企業価値向上を実現するためには、当社単独で事業を進める以外に、第三者との業務提携や資本提携、または第三者の協力のもと当社株式を非公開化することも選択肢の一つとなりうるのではないかとの考えから、当社は、その独立性に問題がないことを確認の上、2025年5月23日にファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関として野村證券を選任しました。そして、当社は、Z社を含む当社の中長期的な企業価値向上に資するパートナーによる当社の非公開化を含めた戦略的選択肢の具体的な検討を開始しました。
その後、当社は、社外取締役委員会、長島・大野・常松法律事務所および野村證券との協議を踏まえ、Z社意向表明書に記載された提案内容が当社の企業価値向上および株主の皆様の共同の利益の確保に資するものといえるかどうかについて慎重に評価・検討を行った上で当社の意見を形成するため、経済産業省が2023年8月31日付で策定した「企業買収における行動指針」(以下「企業買収行動指針」といいます。)が示す「株主にとってできる限り有利な取引条件を目指した交渉」を実現すべく、Z社との協議を通じてZ社意向表明書の内容の精査を行うだけでなく、Z社以外の当社の中長期的な企業価値向上に資するパートナーとなり得る候補の有無を確認するためのプロセス(以下「本件プロセス」といいます。)を実施するための準備を開始いたしました。
当社は、上記のとおり、Z社から、当社株式の100%を取得するための一連の取引に係る初期的な打診を受けた2024年7月23日に、社外取締役委員会を設置しておりましたが、本件プロセスの実施に際し、改めて、当社の株主の皆様に生じ得る影響に配慮し、Z社意向表明書および本件プロセスに関する当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性および客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置および特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年6月19日、当社取締役会決議により、その権限および諮問事項等を明確にした上で、当社、応募予定株主および本件パートナー候補(下記「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に定義します。)ならびに本公開買付けを含む本取引の成否に利害関係を有しない、石井隆一氏(当社独立社外取締役)、佐野哲哉氏(当社独立社外取締役)、大久保和孝氏(当社独立社外取締役、監査等委員)、および牛島真希子氏(当社独立社外取締役、監査等委員)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の設置の経緯や具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置および特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置しました。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、上記の検討体制を整備した上で、長島・大野・常松法律事務所から本件プロセスにおける手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受けた上で、当社の中長期的な企業価値のさらなる向上を実現し、少数株主の皆様の利益を最大化する観点から、野村證券を通じて、公開買付者を含む複数の事業会社およびプライベート・エクイティ・ファンドに対して、当社の非公開化を含む当社株式の取得に関する関心の有無についてヒアリングを行ったところ、2025年6月下旬に公開買付者を含むパートナー候補4社(Z社とあわせて、以下「本件パートナー候補」といいます。)から、当社株式の100%を取得するための一連の取引に係る法的拘束力を有しない意向表明書(Z社意向表明書とあわせて、以下「本件パートナー候補意向表明書」と総称します。)を受領いたしました。
そして、当社は、本件パートナー候補意向表明書の内容について、公開買付価格のみならず、提案内容の実現の蓋然性、資金調達の前提条件、本件パートナー候補の当社に対する理解、当社の中長期的成長に向けた本件パートナー候補の貢献可能性、本件パートナー候補と当社との間で想定されるシナジー、本取引後の経営方針等の観点等から、慎重に精査を行いました。その結果、当社は、2025年7月下旬、本件パートナー候補のうち、最も高い公開買付価格を提示し、かつ、当社に対する理解の深さならびに当社の中長期での企業価値向上を見据えた戦略および施策の観点で最も当社の企業価値向上に資すると評価した公開買付者を、優先的な協議を進める候補先として選定し、公開買付者のみを本取引の実施に向けたデュー・ディリジェンスのプロセスに招聘いたしました。
その後、2025年8月上旬から2025年9月中旬までの約6週間にわたって、当社グループに対する事業、財務・税務および法務等に関する公開買付者による当社に対するデュー・ディリジェンスを実施し、並行して、当社は、2025年8月下旬から2025年9月下旬にかけて、公開買付者との間で、本取引後の経営体制・事業方針等、業務提携に関する具体的な協議を行いました。
そして、当社は、2025年10月8日、公開買付者より本公開買付価格を1株当たり2,706円(2,706円は、当該提案がなされた2025年10月8日の前営業日である2025年10月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,384円に対して95.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,351円に対して100.30%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,311円に対して106.41%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,264円に対して114.08%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とする旨の提案を書面で受領しました。
本特別委員会は、当該提案を受けて、2025年10月10日に、公開買付者に対して、本件パートナー候補意向表明書の提出日からの検討の経緯や当該提案における提示価格の増額の余地の有無の確認を含む、当該提案に関する質疑応答を実施し、公開買付者から、本公開買付価格を増額する余地はない旨の明確な回答を受領いたしました。当社としては、2025年10月15日に現時点では本公開買付価格について異議のない旨を返答し、継続して本経営統合契約の内容について公開買付者との間で協議を重ねてまいりました。その後、当社は、2025年10月29日に、公開買付者との間で本経営統合契約の内容について合意したため、本公開買付価格を2,706円とすることについても応諾することを野村證券を通じて公開買付者に回答いたしました。
本特別委員会は、本公開買付価格を含む本取引の諸条件および本件の意義について慎重に協議を重ねた結果、2025年10月29日に、(ⅰ)本取引の目的には正当性・合理性が認められ、本取引は当社の企業価値向上に資すると認められる旨、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法(本公開買付けにより当社株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、本スクイーズアウト手続を実施するという方法)や対価の種類の妥当性を含みます。)が認められる旨、(ⅲ)本取引の手続(本件パートナー候補の選定プロセスを含みます。)には公正性が認められる旨、(ⅳ)当社取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明し、また、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当である旨、(ⅴ)本取引が当社の一般株主(少数株主を含みます。)にとって不利益でないと認められる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)を当社に提出しました(本答申書の概要については、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置および特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
(ⅲ)判断内容
以上の経緯の下で、当社は、2025年10月30日開催の取締役会において、野村證券から受けた財務的見地からの助言および2025年10月29日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)の内容ならびに長島・大野・常松法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2025年10月29日付の本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議および検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、本取引を通じて公開買付者が当社を非公開化することにより、大要以下のようなシナジーの創出を見込むことができ、本取引が当社グループの企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
(a)国内最大規模の強固な事業基盤を活用した当社成長の飛躍的加速
公開買付者は国内最大規模のIT事業者として、当社が単独では開拓することが困難であった広範な顧客基盤と、海外ならびに日本全国に展開する事業拠点を有しています。この強固な事業基盤を活用することで、当社の成長スピードは飛躍的に加速することが期待されます。特に、当社がこれまで十分に開拓できていなかった製造業やエネルギー産業、金融業等の国内の経済的・社会的に重要な役割を果たす産業の顧客ポートフォリオへのアクセスが可能になることは、当社事業の拡大にとって大きな好機となります。さらに、公開買付者が有するグローバルなData&AI領域のアライアンスパートナーとの連携や海外でのM&A実績、国内外のサービス提供拠点であるデリバリーセンターの人材活用は、当社の人材獲得におけるリスクを軽減するだけでなく、海外への事業展開を力強く後押しするものとなり得ます。これは、当社が日系大手企業に対するグローバル規模でのサービス提供体制を構築していく上で、不可欠な要素と認識しております。
(b)当社株式の非公開化による経営の柔軟性向上と中長期的成長への大胆な投資
本取引により、当社株式の非公開化を経て新たな株主を迎えることにより、当社は短期的な利益創出や株価変動にとらわれすぎることなく、より長期的かつ大局的な視点から大胆な事業変革が可能となります。これにより、労働集約型ビジネスからの転換の鍵となるSaaS(Software as a Service)やITと人的サービスを組み合わせた運用支援であるBPaaS(Business Process as a Service)、AIを活用した自動化ツールであるAIエージェントといった将来の成長の核となるビジネスモデルの強化に向けて、大胆な先行投資を機動的に実行できるようになるとともに、現在の事業活動の中心である関東圏以外への事業展開や海外市場への進出といった、時間とコストを要する戦略にも腰を据えて注力することが可能となります。
(c)独自の最先端技術の活用促進
公開買付者は、独自のAI技術、量子コンピューティング、セキュリティ等のさまざまな先端技術分野においても国内有数の開発力と、独自の技術を有しています。今後、当社はこれらの技術に容易にアクセスできるようになり、当社のData&AI活用ノウハウを融合させることで、より高度で競争力のあるソリューション開発が可能になると考えております。これらは当社の技術力向上に資するのみならず、公開買付者とともに日本発のIT企業として果たすべき役割の幅を広げる大きな機会になると認識しています。
上記のシナジー創出に加えて、公開買付者は、当社の日本におけるData&AI活用支援の先駆者としてのブランドや経験値、および当社に集う人材やその人材がつくり出すカルチャーを尊重し、本取引完了後も当面の間、当社のブランドおよび経営の独立性を維持することを想定しており、当社ブランドは公開買付者のData&AI領域における中核ブランドの1つと位置付けられる予定とのことです。加えて、当社の人材の価値を高く評価いただき、継続的な価値創出に対する新たなインセンティブプランの整備に向けて、本公開買付け後に公開買付者と当社との間で協議を実施するとのことです。それらは、公開買付者がData&AI領域で飛躍的な成長を目指すのみならず、公開買付者自身が社会課題の解決を起点としたソリューション提供企業としてビジネスモデルの大胆な転換を推し進めていくという強いコミットメントの現れと認識しております。この点は、2004年の創業来、社会課題の解決を目指し「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をパーパスに掲げる当社の理念に通ずるものとして、当社としても強く共感するものであります。
なお、当社が非公開化の上公開買付者のグループ会社となることに伴うデメリットとして、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられるほか、上場企業ではなくなることによる従業員のモチベーションに与える影響、経営や事業運営の独立性に与える影響、当社の取引先・提携先・顧客への影響等が想定されるため、当社としてもその影響について慎重に検討を行ってまいりました。
その結果、(a)当社グループは業界内において既に一定の知名度、認知度および社会的信用を確立している中、当社の株式の非公開化が当社に与える負の影響は大きくないと考えられること、(b)当社が公開買付者のグループ会社となることで、当社の知名度のさらなる向上および公開買付者グループの広範な顧客基盤を活用した当社事業のさらなる拡大も見込まれること、および(c)本取引後の体制として、当社の経営の継続性の観点から、経営の一定の独立性およびブランドの維持等が基本方針として確認されていること等を踏まえると当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えております。なお、本取引後の当社の経営方針については、上記「③ 本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
さらに、当社は、以下の各点等の諸事情を考慮し、本公開買付価格である1株当たり2,706円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a)本公開買付価格は、当社において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果、合意された価格であること。また、本件パートナー候補からの提案価格のうち、最終的に最も高い提案価格であること。
(b)本公開買付価格が、本株式価値算定書(野村證券)における野村證券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法および類似会社比較法の各レンジの上限値を上回り、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)のレンジの中央値(2,654円)を上回り、その範囲内に入る水準となっていること。
(c)本公開買付価格は、本取引の公表日の直前営業日である2025年10月29日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,353円に対して100.00%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,332円に対して103.15%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,323円に対して104.54%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,303円に対して107.67%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であるところ、2022年1月1日以降2025年10月29日までに公表し成立した国内上場企業を対象とし完全子会社化または非公開化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例52件のプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの中央値(53.26%)、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(53.88%)、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(57.59%)および直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(56.94%))と比較して、本公開買付価格のプレミアム水準は、極めて高いものとなっていると考えられること。
(d)本公開買付価格は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置および特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書において、妥当であると認められると判断されていること。
以上より、当社は、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る条件は妥当なものであると判断し、2025年10月30日開催の取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記当社取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称ならびに当社および公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、本公開買付価格に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社、応募予定株主および公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式価値の算定を依頼しました。なお、野村證券は、当社、応募予定株主および公開買付者の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置(具体的な内容については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、本取引に係る野村證券の報酬には、本公開買付けの成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案すれば、本公開買付けの成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関として選任いたしました。
(ⅱ)算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価平均法を用い、比較可能な類似上場会社が存在し、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を用い、また、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行いました。
野村證券によれば、当社株式の株式価値算定にあたり、採用した手法および当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価平均法:1,303円~1,353円
類似会社比較法: 986円~2,381円
DCF法 :2,083円~3,225円
市場株価平均法においては、2025年10月29日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日終値1,353円、直近5営業日の終値の単純平均値1,345円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,332円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,323円および直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,303円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、1,303円から1,353円と算定しております。
類似会社比較法においては、当社と類似性があると判断される上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社株式の株式価値を算定しております。その結果、当社株式の1株当たり株式価値の範囲は、986円から2,381円と算定しております。
DCF法においては、当社が作成した2026年6月期から2030年6月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づく収益予測や投資計画等、合理的と考えられる前提を考慮した上で、当社が2025年7月1日以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを基に、事業リスクに応じた一定の割引率で現在価値に割り戻して企業価値を評価し、さらに当社が保有する現金同等物等の価値を加算するなど財務上の一定の調整を行って、当社株式の株式価値を分析し、1株当たりの株式価値の範囲を2,083円から3,225円と算定しております。
野村證券がDCF法で算定の前提とした本事業計画においては、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、2027年6月期および2028年6月期には、プロフェッショナルサービス事業の人員拡大に伴う売上高の増加を主因として、営業利益において大幅な増益(それぞれ対前年比41%増加、32%増加)となることを見込んでおります。加えて、2029年6月期には、プロダクト事業の営業利益の増加に伴い、営業利益において大幅な増益(対前年比32%増加)となることを見込んでおります。また、2026年6月期、2027年6月期および2029年6月期においては、営業利益の増加に伴いフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加(それぞれ対前年比46%増加、44%増加、31%増加)を見込んでおります。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。
(注) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報および当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性および完全性についての検証は行っておりません。当社およびその関係会社の資産または負債(金融派生商品、簿外資産および負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産および負債の分析および評価を含め、独自に評価、鑑定または査定を行っておらず、第三者機関への鑑定または査定の依頼も行っておりません。当社の事業計画については、当社の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測および判断に基づき合理的に検討または作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2025年10月29日までに野村證券が入手した情報および経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社および応募予定株主から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年10月29日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)を取得したとのことです。なお、大和証券は、公開買付者、当社および応募予定株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係る大和証券の報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が一部含まれているとのことですが、同種の取引における一般的な実務慣行および本取引が不成立となった場合に公開買付者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって大和証券が本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断しているとのことです。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置ならびに利益相反を回避するための措置を踏まえて、当社の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えており、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者が大和証券から取得した本株式価値算定書(大和証券)の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
(4)上場廃止となる見込みおよびその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠および理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引の一環として本公開買付けを実施するため、本公開買付けにより当社株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者および当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨および会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、かかる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)および株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2026年2月下旬を予定しているとのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有するとのことです。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社または公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請するとのことです。なお、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4および第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主(当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨および裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主(当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。
上記の株式売渡請求および株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法および時期に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
なお、(ⅰ)本譲渡制限付株式(取締役)については、本譲渡制限付株式(取締役)に係る割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、会社法第180条に規定する株式併合に関する事項が当社の株主総会で承認された場合または会社法第179条に規定する株式売渡請求に関する事項が当社取締役会で承認された場合(ただし、会社法第180条第2項第2号に定める株式併合の効力発生日または会社法第179条の2第1項第5号に規定する特別支配株主が当社株式を取得する日(以下「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間の満了以前に到来するときに限ります。)は、2023年10月から当該承認の日(以下「本承認日」といいます。)を含む月までの月数を60で除した数(2023年に割り当てられた譲渡制限付株式)、2024年10月から本承認日を含む月までの月数を36で除した数(2024年に割り当てられた譲渡制限付株式)または2025年10月から本承認日を含む月までの月数を36で除した数(2025年に割り当てられた譲渡制限付株式)(ただし、計算の結果1を超える場合は、1とします。)に、(ⅱ)譲渡制限付株式報酬として当社の執行役員および従業員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式(従業員等)」といい、本譲渡制限付株式(取締役)と総称して「本譲渡制限付株式」といいます。)については、本譲渡制限付株式(従業員等)に係る割当契約書において、上記(a)に規定する場合には、2025年10月から本承認日を含む月までの月数を12で除した数(2023年に割り当てられた譲渡制限付株式)、2024年10月から本承認日を含む月までの月数を24で除した数(2024年に割り当てられた譲渡制限付株式)または2025年10月から本承認日を含む月までの月数を24で除した数(2025年に割り当てられた譲渡制限付株式)(ただし、計算の結果1を超える場合は、1とします。)に、本承認日において付与対象者が保有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数(ただし、計算の結果1株未満の端数が生ずる場合には、これを切り捨てます。)の本譲渡制限付株式について、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって、これに係る譲渡制限が解除され、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされています。本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時において譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、株式売渡請求または株式併合の対象とし、上記割当契約書(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。
以上の各場合における具体的な手続およびその実施時期等については、公開買付者が当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。また、本公開買付けへの応募または上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在、公開買付者は当社株式を有しておらず、本公開買付けは支配株主その他の関係会社による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部または一部が公開買付者に直接または間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注)取引にも該当しません。
もっとも、本公開買付けは当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的の一環として実施されるものであることを踏まえ、当社の株主の皆様の利益保護の観点から、公開買付者および当社は、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性および利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性および透明性を担保するため、以下の措置を講じております。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が対象者の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって対象者の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、当社、応募予定株主および公開買付者から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、大和証券は、公開買付者、当社および応募予定株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しないとのことです。
大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法および当社の業績の内容や予想等を勘案したDCF法を算定方法として用いて、当社株式の株式価値を算定し、公開買付者は、大和証券から2025年10月29日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しているとのことです。なお、公開買付者は、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
本株式価値算定書(大和証券)によると、採用した手法および当該手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価法 :1,303円から1,353円
類似会社比較法:2,302円から2,571円
DCF法 :2,344円から3,608円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年10月29日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値1,353円、直近1ヶ月間(2025年9月30日から2025年10月29日まで)の終値単純平均値1,332円(小数点以下四捨五入、以下終値単純平均値の計算において同じとします。)、直近3ヶ月間(2025年7月30日から2025年10月29日まで)の終値単純平均値1,323円および直近6ヶ月間(2025年4月30日から2025年10月29日まで)の終値単純平均値1,303円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,303円から1,353円までと算定したとのことです。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,302円から2,571円までと算定したとのことです。
DCF法では、当社が作成した2026年6月期から2030年6月期までの事業計画に基づく収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を基に、公開買付者において取得時期を踏まえて調整を行った事業計画において、当社が2026年6月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,344円から3,608円までと算定したとのことです。大和証券がDCF法による分析に用いた事業計画には大幅な増減益が見込まれる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年12月期には前年度における一時的な投資費用の増加に加え、償却費の減少およびプロフェッショナルサービス事業の人員拡大に伴う売上高の増加を主因として、営業利益において大幅な増益(前年比36.7%増)となることを見込んでいるとのことです。また、2027年12月期には、償却費の減少およびプロフェッショナルサービス事業の人員拡大に伴う売上高の増加を主因として、営業利益において大幅な増益(前年比32.5%増)となることに加え、営業利益の増加に伴いフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加(前年比30.0%増)となることを見込んでいるとのことです。また、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
公開買付者は、2025年10月29日付で大和証券から取得した本株式価値算定書(大和証券)の算定結果において市場株価法や類似会社比較法の算定結果の上限を上回り、DCF法の算定結果のレンジ範囲内であったこと、公開買付者において2025年8月上旬から2025年9月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、本取引が当社事業にもたらすメリット、過去の発行者以外の者による完全子会社化を目的とした株券等の公開買付けの事例において買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアムの実例、当社株式の市場株価の動向、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の可否および本公開買付けに対する応募の見通し、応募予定株主との間における協議・交渉の結果等を総合的に勘案し、最終的に2025年10月30日開催の取締役会の決議によって、本公開買付価格を1株当たり2,706円と決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である2,706円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年10月29日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,353円に対して100.00%、直近1ヶ月間(2025年9月30日から2025年10月29日まで)の終値単純平均値1,332円に対して103.15%、直近3ヶ月間(2025年7月30日から2025年10月29日まで)の終値単純平均値1,323円に対して104.54%、直近6ヶ月間(2025年4月30日から2025年10月29日まで)の終値単純平均値1,303円に対して107.67%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社、応募予定株主および公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式価値の算定を依頼し、2025年10月29日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得しました。本株式価値算定書(野村證券)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
なお、野村證券は、当社、応募予定株主および公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、野村證券の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関として承認しております。また、当社は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、野村證券に対する報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行および本取引が不成立となった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として選任しました。
③ 当社における独立した特別委員会の設置および特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、2025年6月19日に開催された取締役会決議により、当社、応募予定株主および本件パートナー候補ならびに本公開買付けを含む本取引の成否に利害関係を有しない、石井隆一氏(当社独立社外取締役)、佐野哲哉氏(当社独立社外取締役)、大久保和孝氏(当社独立社外取締役、監査等委員)、および牛島真希子氏(当社独立社外取締役、監査等委員)の4氏から構成される本特別委員会を設置いたしました。また、本特別委員会の委員の互選により、本特別委員会の委員長として石井隆一氏が選定されております。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更されておりません。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
その上で、当社は、上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、取締役会における決議により、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含みます。)、(ⅲ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含みます。)、(ⅳ)当社取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明するべきか、および当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否か、(ⅴ)本取引が当社の一般株主(少数株主を含みます。以下同じです。)にとって不利益でないか(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
また、当社取締役会は、本取引に関する重要な決定を行うに際して、本特別委員会の答申を最大限尊重しなければならず、本取引の条件等について本特別委員会が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引の実行を決定しない(本公開買付けに賛同せず、応募推奨をしないことを含みます。)ことを決議しております。あわせて、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)業務執行取締役等による本取引の検討について、必要な助言を行う権限、(ⅱ)公開買付者との本取引に関する協議および交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、本取引に関する協議および交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して勧告や要請を行い、また、必要に応じて法令上許容される範囲で公開買付者を含む第三者と直接協議・交渉を行う権限、(ⅲ)業務執行取締役等に対し、本取引に関する進捗、検討状況その他の事項の報告および情報提供を随時求める権限、(ⅳ)本特別委員会の役割を果たすために必要な範囲で、自らのためのファイナンシャル・アドバイザー、第三者評価機関やリーガル・アドバイザー等(以下「アドバイザー等」といいます。)を当社の費用負担により選任すること、および当社のアドバイザー等を評価し、選任について意見し、または承認(事後承認を含みます。)することができる権限を付与しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2025年6月26日より同年10月29日までの間に合計12回、合計約11時間にわたって開催されたほか、各会日間においても頻繁に電子メールやWeb会議等を通じて報告・情報共有、審議および意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。
具体的には、本特別委員会は、野村證券および長島・大野・常松法律事務所について、いずれも独立性および専門性に問題がないことを確認の上、それぞれ、当社のファイナンシャル・アドバイザーおよび第三者算定機関ならびにリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としても、必要に応じて、野村證券および長島・大野・常松法律事務所から専門的助言を受けることを確認しております。
その上で、本特別委員会は、野村證券から受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、当社が本事業計画を公開買付者に開示するにあたって、本事業計画の内容、重要な前提条件および作成経緯等について合理性を確認いたしました。
また、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、公開買付者に対し、質問事項を提示し、本件パートナー候補意向表明書の提出日からの検討の経緯や当該提案における提示価格の増額の余地の有無などについてインタビュー形式および書面により質疑応答を実施するとともに、当社経営陣からも、本取引の意義・目的、当社株式の非公開化後における公開買付者との経営統合および経営体制の内容、ならびに、公開買付者との交渉方針等について説明を受け、必要に応じて質疑応答を実施いたしました。
さらに、上記「(3)算定に関する事項」に記載のとおり、野村證券は、本事業計画を前提として当社株式の株式価値の算定を実施しておりますが、本特別委員会は、野村證券から、株式価値の算定結果とともに、当社の株式価値の算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容および重要な前提条件について説明を受け、質疑応答および審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認いたしました。
また、本特別委員会は、当社と公開買付者との交渉方針について、野村證券から意見を聴取した上で、野村證券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて審議・検討を行い、当社の交渉方針を確認いたしました。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、ならびに野村證券から受けた財務的見地からの助言および2025年10月29日付で提出を受けた本株式価値算定書(野村證券)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議および検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(a)答申内容
ⅰ.本取引の目的には正当性・合理性が認められ、本取引は当社の企業価値向上に資すると認められる。
ⅱ.本取引の実施方法や対価の種類を含む本取引の取引条件は妥当であると認められる。
ⅲ.本取引に至る交渉過程等においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引の手続には公正性が認められる。
ⅳ.当社取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明し、また、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当である。
ⅴ.本取引が当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
(b)答申理由
ⅰ.本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)について
(1)本取引の意義・目的および本取引により期待されるシナジーの概要
本特別委員会が公開買付者から受領した本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフト(以下「本公開買付届出書ドラフト」という。)、本特別委員会が公開買付者から聴取した説明およびその補足資料、ならびに、本特別委員会が当社の経営陣から聴取した説明およびその補足資料によれば、本取引の意義・目的および本取引により期待されるシナジーの概要は、以下のとおりとのことである。
ア.本取引の意義・目的および本取引により期待されるシナジーの概要に関する公開買付者の説明
公開買付者は、自らが成長投資・人的資源の投下を強化し、今後の事業の中核に据えることを検討しているData&AI領域においては、顧客のAI導入やデータ基盤整備に係る競争が激化しており、リーダーポジションを確保するためには、自社の取り組みだけでなく、実績あるパートナーとの連携を通じてケイパビリティを戦略的に補完・拡充することが不可欠であると考えていたところ、日本のデータサイエンスビジネスの草分けであり、Data&AI専業ベンダー最大手の一角である当社と連携することで、以下のシナジー効果およびメリットを実現することができ、両社において非連続な成長を実現し、労働力不足とデジタル赤字が加速する社会課題先進国・日本において、単独では到達し得ないレベルの高度なData&AIサービスを実現し、産業基盤・人的基盤の抜本的な変革を共にリードする存在となることができるものと考えている。
(ⅰ)プロフェッショナルサービス事業の協働展開
長年にわたる日本の産業基盤を支える基幹業務や社会インフラを担うITシステムの構築・運用、およびこのような参入障壁の高い領域におけるData&AI事業の展開の加速により築き上げた公開買付者の事業基盤と、当社が高い実績を有する金融・小売・メーカー・サービス領域に対するData&AI事業基盤を相互に活用することにより、国内市場における両社のプロフェッショナルサービス事業展開を加速することができる。
また、本取引の実行後、①公開買付者の高度人材の移籍・出向、およびM&Aによるチーム拡張等への積極的な取り組み等を通じた、当社のビジネス規模拡大と体制強化の推進、②当社のData&AIの教育プログラムにより公開買付者の人材のリスキルを加速することによる人的資源のさらなる拡大、および、当社の高度人材と公開買付者のリスキル人材を組み合わせることによる、デリバリー体制の一層の強化と、品質を維持しつつ対応できるプロジェクト数の拡充の実現、ならびに、③当社が一部外部委託しているシステムインテグレーション・運用領域において、公開買付者が保有するオフショア開発拠点であるGlobal Delivery Centerや、国内におけるハブ拠点であるJapan Global Gatewayを活用することにより、品質・コスト・スピードの最適化を図りつつ、より安定的かつ内製と融合した開発・運用体制の構築の実現が可能となる。
(ⅱ)プロダクト事業の協働展開
当社が有するRtoasterやLiglaといったマーケティング領域の先進的なプロダクトについて、公開買付者が保有する国内トップクラスの顧客基盤を活用し、製造・金融をはじめとした多様な業種への展開拡大をともに推進するとともに、公開買付者がグローバルで展開する事業基盤を通じて、新たな展開機会の創出にも貢献することができる。また、公開買付者のCustomer EngagementやDIPaaSなどのオファリングについて、当社サービスとの補完関係を前提に組み合わせることで、プロジェクトの大型化・長期化にもつながるソリューション提案をともに実現することが可能となる。
(ⅲ)持続的成長に向けた最先端テクノロジーやグローバルパートナーを活用した新たな事業の共創
公開買付者は、自社の最先端テクノロジーに加え、グローバルテクノロジーリーダー企業群との緊密連携や、様々な企業との資本提携等も活用し、多様な最先端テクノロジーを常に身近に、また各々の強みを最大限発揮できるエコシステムの形成を大切にしているところ、本取引後は、当社の知見と、公開買付者が利用可能な最先端テクノロジーを組み合わせることで、変化の激しい業界において、いち早く新たなプロダクトやサービスを共創し、両社の持続的成長を実現するとともに、日本全体の産業競争力とサステブルな社会の実現に貢献することができる。
(ⅳ)相互人材交流と育成
公開買付者は、近年、公開買付者グループを横断した交流活動や働き方改革、ジョブ型人材マネジメントの導入などの人事制度の進化を通じ、多様な人材が活躍できる環境の整備とエンゲージメント向上に注力してきたところ、当社を公開買付者グループに迎えることで、公開買付者が提供可能な多様な教育プログラムの提供や、国内外の大規模かつ多様なプロジェクトへの参画、AI・量子・セキュリティといった最先端テクノロジーとの接点など、当社役職員のキャリア形成がより魅力的に広がる機会を提供できると考えている。また、当社の教育プログラムを公開買付者のリスキル施策に組み込むことで、Data&AI領域における育成サイクルの短縮と人的資源の拡大を図り、両社の事業拡大に資する好循環を創出することができる。
イ.本取引の意義・目的および本取引により期待されるシナジーの概要に関する当社経営陣の説明
当社経営陣は、本取引を通じて公開買付者が当社を非公開化することにより、大要以下シナジーの創出を見込むことができ、本取引が当社グループの企業価値向上に資するものであると考えている。
(a)国内最大規模の強固な事業基盤を活用した当社成長の飛躍的加速
公開買付者の国内最大規模のIT事業者としての強固な事業基盤を活用することで、特に、当社がこれまで十分に開拓できていなかった製造業やエネルギー産業、金融業等の国内の経済的・社会的に重要な役割を果たす産業の顧客ポートフォリオへのアクセスが可能になり、また、公開買付者が有するグローバルなData&AI領域のアライアンスパートナーとの連携や海外でのM&A実績、国内外のサービス提供拠点であるデリバリーセンターの人材活用を行うことにより、当社の人材獲得におけるリスクを軽減するとともに、海外への事業展開を力強く後押しするものとなり得るという点で、当社の成長スピードは飛躍的に加速することが期待される。
(b)当社株式の非公開化による経営の柔軟性向上と中長期的成長への大胆な投資
本取引により、当社は短期的な利益創出や株価変動にとらわれすぎることなく、より長期的かつ大局的な視点から大胆な事業変革が可能となり、これにより、労働集約型ビジネスからの転換の鍵となるSaaS(Software as a Service)やBPaaS(Business Process as a Service)、AIエージェントといった将来の成長の核となるビジネスモデルの強化に向けて、大胆な先行投資を機動的に実行できるようになるとともに、現在の事業活動の中心である関東圏以外への事業展開や海外市場への進出といった、時間とコストを要する戦略にも腰を据えて注力することが可能となる。
(c)独自の最先端技術の活用促進
公開買付者は、独自のAI技術、セキュリティソリューション、量子コンピューティング等のさまざまな先端技術分野においても国内有数の開発力と、独自の技術を有しているところ、本取引後、当社はこれらの技術に容易にアクセスできるようになり、当社のData&AI活用ノウハウを融合させることで、より高度で競争力のあるソリューション開発が可能になる。
(2)本取引のデメリットの検討
当社経営陣によれば、当社が非公開化して公開買付者のグループ会社となることに伴うデメリットとして、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられるほか、また、上場企業ではなくなることによる従業員のモチベーションに与える影響、経営や事業運営の独立性に与える影響、当社の取引先・提携先・顧客への影響等が想定されるとのことである。これに対し、当社経営陣によれば、(a)当社グループは業界内において既に一定の知名度、認知度および社会的信用を確立している中、当社の株式の非公開化が当社に与える負の影響は大きくないと考えられること、(b)当社が公開買付者のグループ会社となることで、当社の知名度のさらなる向上および公開買付者グループの広範な顧客基盤を活用した当社事業のさらなる拡大も見込まれること、および(c)本取引後の体制として、当社の経営の継続性の観点から、当社の現行の経営体制や当社の強みである迅速な意思決定を尊重することが基本方針として確認されていること等を踏まえると、当社株式の非公開化に伴うデメリットおよび当社が公開買付者グループの一員となることによるデメリットは限定的と考えているとのことである。
(3)当社株式の非公開化の必要性およびその手法の合理性
公開買付者としては、本取引によるシナジー効果を最大化するためには、必要な施策を機動的に実行するための迅速な意思決定を可能とする観点から、当社を公開買付者の完全子会社とすることが不可欠であると考えたとのことである。
また、公開買付者の説明によれば、公開買付者としては、本取引後も当社のブランドや経営体制、当社の独立性は維持しつつ、当社が公開買付者の完全子会社となり公開買付者の有するリソースを活用できるようにすることによって、当社の特徴を活かしたさらなる成長が可能となると考えており、実際にも、公開買付者における過去の企業買収において類似のアレンジを行った事例も存在するとのことである。
(4)本特別委員会の見解
以上を踏まえて、本特別委員会において慎重に審議・検討をしたところ、本取引の意義・目的および本取引により期待されるシナジーの概要についての公開買付者および当社の説明は一定の具体性を有しており、合理的な説明であると認められる。
また、本取引により、株式の非公開化による一般的なデメリットが生じる可能性は否定できないものの、業界内における当社グループの知名度、認知度および社会的信用は上場廃止により失われるものではなく、本取引後は、公開買付者グループの一員として知名度のさらなる向上および事業の拡大も可能であると考えられるため、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であるという説明には、合理性が認められる。そして、本取引によって期待されるシナジー効果を明らかに上回るデメリットが生じる具体的な可能性は特段認められない。加えて、経営統合の手法として当社を公開買付者の完全子会社とするという手法を選択した理由についても特段不合理な点は見当たらない。
以上を踏まえ、本特別委員会において慎重に審議・検討をしたところ、本取引の目的には正当性および合理性があると認められ、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると認められる。
ⅱ.本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)について
(1)経営統合のパートナーの選定
当社は、上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載されている本件プロセスの実施を経て、2025年7月下旬に、公開買付者からの提案が、本件パートナー候補から提出された意向表明書における提案の中で、提案された公開買付価格が最も高く、かつ当社の事業等に対する理解、当社の中長期での企業価値向上を見据えた戦略および施策の観点で最も当社の企業価値向上に資すると判断したことから、公開買付者を経営統合のパートナーとして選定しており、本特別委員会は、本件プロセスにおいて、公開買付者を最終的なパートナー候補者として選定するにあたり、本件プロセスの公正性・妥当性を検証し、当社経営陣との間で本件パートナー候補と当社経営陣との間における協議および交渉の方針等を協議し、当社経営陣に対して複数回にわたり意見を述べるなどして、本件プロセスの実施および本件パートナー候補とのやりとり等に実質的に関与した。
かかる経緯の下で、経営統合のパートナーとして選定した公開買付者との間で下記(2)に記載の交渉を行った上で決定された本公開買付価格は、一定の妥当性を有するものと評価できる。
(2)公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程において、企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況の確保
当社は、本特別委員会から、本公開買付価格を含む本取引の条件等に関する交渉方針について意見や指示を受ける等、公開買付者との交渉上重要な局面において意見、指示および要請を受けるとともに、野村證券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉の方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を、また、長島・大野・常松法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言をそれぞれ受けながら、本件プロセスを通じて、公開買付者との取引条件に係る交渉・協議を複数回行った。
本件においては、本件プロセスを通じた積極的なマーケット・チェックが実施されており、本公開買付価格について、当社の一般株主にとってできる限り有利な条件とする観点から実効的な手続を経ていたと評価できる。本件プロセスにおける各候補者からの提案は、法的拘束力を有しない初期的意向表明に過ぎず、一般論としては、各候補者にデュー・ディリジェンスの機会を付与した上で、複数の候補者から法的拘束力のある提案を受けた上で、1社を選定するという方法も考えられるものの、本件プロセスにおける競争力を背景に、本件プロセスにおいて公開買付者から提案を受けた価格は既に十分に高いプレミアムが付されていることに加え、当該時点で独占交渉権を付与しない場合に企業価値向上の観点および株主共同利益の観点から最も優位な提案をしている公開買付者が提案を撤回するリスクや、複数の候補者に対してデュー・ディリジェンスを実施させることに伴う情報漏洩のリスク・経営資源の負担等を鑑み、公開買付者に対して独占交渉権を付与し、一定の期間、公開買付者とのみ交渉を行うことは不合理とはいえない(なお、独占交渉権の内容としても、一定の条件を満たした場合に公開買付者以外の者とも協議可能な余地は残されており、公開買付者以外の提案を完全に排除するものではなく、相当な範囲の内容であると認められる。)。また、最終的に合意された本公開買付価格は、公開買付者から当初提示された公開買付価格2,752円から46円引き下げられたものであるところ、公開買付者からの説明によれば、かかる引き下げは、公開買付者が当社グループに対して実施したにデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、企業価値から株式価値を計算する際の控除項目である当社グループの純有利子負債項目を更新したことによるものであり、また、当社の事業計画の実現可能性の精査と本取引によるシナジー効果を総合的に勘案した結果、当社グループの企業価値それ自体の評価に変化はないとのことであり、かかる説明にも合理性があると考えられる。また、かかる引き下げを考慮しても、最終的に合意された本公開買付価格は、下記(3)ウ.で詳述するとおり、同種事例のプレミアム水準と比較して極めて高いプレミアムが付されたものとなっていることに加え、公開買付者から本公開買付価格を増額する余地はないと明確に回答がなされており、本取引の検討において双方において時間的制約がある中でさらなる価格交渉を行うことは本取引の機会自体を失いかねないと考えられる。さらに、当社の大株主である佐藤氏および高橋氏(その資産管理会社を含む。)、ならびにりそなホールディングスが本公開買付価格にて本公開買付けに応募する意向を示している。これらの事情に鑑みると、本特別委員会としては、本公開買付価格は、当社が、公開買付者との間で、株主にとってできる限り有利な取引条件で買収が行われることを目指して、真摯な交渉の結果決定されたものと考える。
(3)取引条件の妥当性の判断の重要な基礎となる株式価値算定の内容と、その前提とされた財務予測や前提条件等の合理性
ア.算定方法および結果ならびにその前提条件の合理性
当社は、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性および客観性を担保するための措置として、公開買付者を含む本件パートナー候補および当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年10月29日付で野村證券より本株式価値算定書(野村證券)を取得している。
野村證券は、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定に当たり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の価値を多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、(ⅰ)当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価平均法を、(ⅱ)当社と比較可能な類似上場会社が存在し、また、類似会社比較法による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、(ⅲ)当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるために、DCF法を用いて、当社の1株当たりの株式価値の算定を行っているところ、本特別委員会は、野村證券から、株式価値の算定結果とともに、当社の株式価値の各算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容および重要な前提条件について説明を受け、質疑応答および審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認した。また、DCF法による算定に用いた本事業計画についても説明を受けるとともに、本事業計画の内容についても合理性が認められることを確認した。
以上を踏まえれば、本株式価値算定書(野村證券)における当社株式の価値算定の内容は、現在の実務に照らして妥当なものであると考える。
イ.算定結果の検討
本株式価値算定書(野村證券)によれば、当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は、以下のとおりである。
市場株価平均法:1,303円~1,353円
類似会社比較法: 986円~2,381円
DCF法 :2,083円~3,225円
本公開買付価格(1株当たり2,706円)は、(ⅰ)市場株価平均法に基づく算定結果のレンジを上回る価格であり、(ⅱ)類似会社比較法に基づく算定結果のレンジを上回る価格であり、かつ、(ⅲ)本事業計画に基づくDCF分析に基づく算定結果のレンジの範囲に含まれる価格であり、その中央値である2,654円を上回る価格である。
ウ.プレミアム水準の検討
本株式価値算定書(野村證券)によれば、本公開買付価格は、本取引の公表日の直前営業日である2025年10月29日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,353円に対して100.00%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,332円に対して103.15%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,323円に対して104.54%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,303円に対して107.67%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であるところ、2022年1月1日以降2025年10月29日までに公表し成立した国内上場企業を対象とし完全子会社化または非公開化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例52件のプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの中央値(53.26%)、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(53.88%)、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(57.59%)および直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(56.94%))と比較して、本公開買付価格のプレミアム水準は、極めて高いものとなっている。
(4)買収の方法や買収対価の種類等の妥当性
本公開買付届出書ドラフトによれば、本取引は、その一段階目として、公開買付者が当社の総議決権数の3分の2以上を取得することとなる株式数を買付予定数の下限に設定して本公開買付けを行い、二段階目として、株式売渡請求または株式併合による本スクイーズアウト手続を実行するというものである。かかるスキームは、上場会社の非公開化の手法として一般的に採用されている方法であり、本公開買付価格に不満のある当社株主は、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。
さらに、本スクイーズアウト手続は、本公開買付け終了後速やかに行われる旨、および、本スクイーズアウト手続の際に一般株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が本公開買付届出書ドラフトで開示されている。
また、本公開買付けの対価である金銭は、価値変動リスクが低く、かつ、流動性が高いことに加えて、株主の応募判断にあたっても評価が比較的容易であるため、株主保護の観点から妥当なものであると評価することができる。
以上からすると、本取引の方法および対価は、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
(5)小括
以上のとおり、(a)本公開買付価格を含む本取引の条件は、本件プロセスの実施を経て得られたものであること、(b)本取引の条件の形成過程においては、独立当事者間で企業価値を高めつつ、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況が確保されていたと認められる上、公開買付者との実際の交渉状況にも疑義はないこと、(c)本公開買付価格については、(ⅰ)市場株価平均法に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅱ)類似会社比較法に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅲ)DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲に含まれる価格であり、その中央値を上回ること、および、(ⅳ)当社の直近3年間の終値最高値である1,720円および場中最高値である1,778円を超える水準であること、ならびに、(d)買収の方法については、当社の一般株主にとって不利益でないと認められることなど、様々な事情を総合的に考慮した結果、本取引による企業価値の増加分が適正に当社の株主にも分配される条件であると評価でき、本取引の条件の妥当性は確保されていると判断される。
ⅲ.本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)について
(1)本特別委員会の設置
本特別委員会は、2025年6月19日開催の当社取締役会において設置を決議され、設置当時において当社の独立社外取締役4名により構成される委員会である。
当社は、2024年7月下旬に、公開買付者を含む複数の事業会社から、当社株式の100%を取得するための一連の取引を含む、資本提携に係る初期的な打診を受けて以降、当該事業会社それぞれとの間で継続的な協議を行いつつ、当社グループが成長を果たしていくための方策に関する様々な戦略的選択肢の検討を行っていた。かかる検討に際し、当社は、2024年7月23日に、当社内での意思決定プロセスの公平性・透明性を担保するために、石井隆一(当社独立社外取締役)、佐野哲哉(当社独立社外取締役)、大久保和孝(当社独立社外取締役、監査等委員)、および牛島真希子(当社独立社外取締役、監査等委員)の4名から構成される社外取締役委員会を設置した。
その後、当社は、2025年5月中旬に、Z社からZ社意向表明書を受領したことをきっかけに、当社が中長期的なさらなる成長および企業価値向上を実現するためには、当社単独で事業を進める以外に、第三者との業務提携や資本提携、または第三者の協力のもと当社株式を非公開化することも選択肢の一つとなりうるのではないかとの考えから、Z社を含む当社の中長期的な企業価値向上に資するパートナーによる当社の非公開化を含めた戦略的選択肢の具体的な検討を開始した。
その後、当社は、社外取締役委員会、長島・大野・常松法律事務所および野村證券との協議を踏まえ、Z社意向表明書に記載された提案内容が当社の企業価値向上および株主の皆様の共同の利益の確保に資するものといえるかどうかについて慎重に評価・検討を行った上で当社の意見を形成するため、企業買収行動指針が示す「株主にとってできる限り有利な取引条件を目指した交渉」を実現すべく、Z社との協議を通じてZ社意向表明書の内容の精査を行うだけでなく、本件プロセスを実施するための準備を開始した。
当社は、上記のとおり、Z社から、当社株式の100%を取得するための一連の取引に係る初期的な打診を受けたことを踏まえ、2024年7月23日に、社外取締役委員会を設置していたところ、本件プロセスの実施に際し、改めて、当社の株主の皆様に生じ得る影響に配慮し、Z社意向表明書および本件プロセスに関する当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性および客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、2025年6月19日、当社取締役会決議により、その権限および諮問事項等を明確にした上で、当社、応募予定株主および本件パートナー候補ならびに本公開買付けを含む本取引の成否に利害関係を有しない、石井隆一(当社独立社外取締役)、佐野哲哉(当社独立社外取締役)、大久保和孝(当社独立社外取締役、監査等委員)、および牛島真希子(当社独立社外取締役、監査等委員)の4名から構成される本特別委員会を設置した。なお、本特別委員会の委員長には当社の社外取締役(監査等委員)である石井隆一が就任しており、本特別委員会の委員は、社外取締役委員会の設置当初から変更していない。
本特別委員会の設置に先立って、当社は、長島・大野・常松法律事務所の助言も得て、公開買付者との間で重要な利害関係を有しない当社の独立社外取締役に対して、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明するとともに、本取引においては手続の公正性を十分に確保する必要がある旨、ならびに本特別委員会の役割等についての説明および質疑応答を行っていた。また、当社は、並行して、長島・大野・常松法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる上記の当社の独立社外取締役4名の独立性および適格性等について確認を行うとともに、公開買付者との間で重要な利害関係を有していないこと、および本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行った上で、当社の独立社外取締役との間で、長島・大野・常松法律事務所の助言を得つつ協議した結果、異議がない旨を確認している。
また、本特別委員会に諮問を行うにあたって策定した特別委員会規程においては、当社取締役会が特別委員会の答申を最大限尊重しなければならず、本取引における取引条件について本特別委員会が妥当でないと判断した場合には、取締役会は本取引の実施を決定しない(本公開買付けに賛同せず、応募推奨をしないことを含む。)こととする旨の規定が設けられている。あわせて、特別委員会規程においては、本特別委員会に対して、(a)業務執行取締役等による本取引の検討について、必要な助言を行う権限、(b)公開買付者との本取引に関する協議および交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、本取引に関する協議および交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して勧告や要請を行い、また、必要に応じて法令上許容される範囲で公開買付者を含む第三者と直接協議・交渉を行う権限、(c)業務執行取締役等に対し、本取引に関する進捗、検討状況その他の事項の報告および情報提供を随時求める権限、(d)その役割を果たすために必要な範囲で、自らのためのアドバイザー等を当社の費用負担により選任する権限、および当社のアドバイザー等を評価し、選任について意見し、または承認(事後承認を含む。)する権限が付与されている。また、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、社外取締役としての報酬とは別に、固定額の報酬を支払うものとされており、本取引の成否に利害関係を有しない仕組みとしている。
なお、上記の当社取締役会決議においては、当社の取締役8名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行っている。
このように、本特別委員会は、当社において独立した特別委員会として、社外取締役委員会として設置された2024年7月下旬から、第三者との業務提携や資本提携、または第三者の協力のもと当社株式を非公開化することを含めた戦略的選択肢の検討に実質的に関与している。2025年6月19日に本特別委員会として設置されて以降も、本特別委員会は、本取引の検討手続において有効に機能するための権限を付与され、実際に有効に機能したと考えられる。特に公開買付者との価格交渉については、上記3.(1)のとおり、本特別委員会は、本件プロセスの実施および本件パートナー候補とのやりとり等にも実質的に関与していることに加え、当社が公開買付者と本公開買付価格について協議する際には、事前に本特別委員会に確認を求めており、これにより、本特別委員会は、適時に交渉状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行い、または自ら公開買付者に対してヒアリングを実施することで、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保している。また、本取引の意義・目的の確認および本取引により生じうるデメリットに関しては、必要に応じて当社経営陣からの説明を受け、また、公開買付者に対するヒアリングを実施するなど、自ら一般株主に代わり、本取引に関する非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行っている。
(2)外部専門家からの専門的助言等の取得
ア.専門的助言の取得
当社は、公開買付者および当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーおよびリーガル・アドバイザーとして、それぞれ野村證券および長島・大野・常松法律事務所を選任した。当社は、随時、野村證券および長島・大野・常松法律事務所から専門的助言を取得しながら本取引の検討を行った。
また、本特別委員会は、独自のアドバイザーを選定していないが、随時、野村證券および長島・大野・常松法律事務所から必要な助言を受けつつ、当社の企業価値向上および少数株主を含む当社株主共同の利益の観点から、本取引の検討を行った。
イ.第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、公開買付者および当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関である野村證券から、当社株式の価値算定結果に関する資料としての本株式価値算定書(野村證券)を取得している。
本株式価値算定書(野村證券)においては、上記3の(3)で詳述するように、複数の算定方法を利用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、こうした算定の前提となる本事業計画に関しては、当社経営陣より、従前の中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)をベースに作成しているものであり、未確定のM&Aによる効果は除外しつつも、現在当社が行っている事業を中心として順調に成長した場合を想定した事業計画である旨の説明があり、算定にあたって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。
(3)他の買付者からの買付機会を確保するための措置
本公開買付届出書ドラフトによれば、本公開買付けの買付期間は30営業日に設定されている。これは、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保する効果があると認められる。
また、当社の説明および本公開買付届出書ドラフトによれば、当社と公開買付者の間において、一定の場合を除き当社が賛同および応募推奨の意見表明を撤回することができない旨の合意が行われている。もっとも、第三者から当社の普通株式の全てを取得する旨の法的拘束力のある真摯な買収提案(当該提案に係る公開買付価格が本公開買付価格を一定割合以上上回り、かつ、取引の実現可能性、当社の企業価値に与える影響等の観点から、当該提案が本取引を合理的に有意に上回る場合に限る。)を受領した場合には、公開買付者に当該提案の提案者およびその内容を書面で通知した上で、当社と公開買付者との間で誠実に協議が行われたにもかかわらず、(ⅰ)公開買付者が当該通知後一定期間を経過する日までにこれと同等以上の条件への変更を行わず、かつ、(ⅱ)当社が本賛同表明を維持することが、当社の取締役の善管注意義務に違反する合理的なおそれがあると本特別委員会および取締役会が合理的に判断した場合には、当該意見表明を変更または撤回することができることとされており、かかる条件は、(x)本件プロセスを通じて、公開買付者を含む複数の本件パートナー候補に提案の機会を与えた上で、公開買付者との間で本取引を実行することを決定しており、本取引は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等その他の取引機会が積極的に設けられた上で、実施されるに至ったものといえること、ならびに、(y)当社経営陣から、本取引の公表までの期間、公開買付者と当社との間で、本取引が当社の企業価値に与える影響を考慮して綿密な協議が行われた結果、本取引後における当社の経営体制や両者の業務提携の内容等について、当社の独立性を尊重した条件による経営統合契約の合意に至る予定であるとの説明を受けていることを踏まえれば、合理的な条件であると評価できる。
以上からすると、本取引においては、本件プロセスを通じた積極的なマーケット・チェックの実施に加え、本公開買付けの公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによって、いわゆる間接的なマーケット・チェックも行うことができる状況が確保されていると評価することができる。
(4)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
本取引に関するプレスリリースにおいては、法令や東京証券取引所の適時開示規制に沿った開示が予定されているほか、①本特別委員会に関する情報(委員の独立性・属性等に関する情報、本特別委員会に付与された権限の内容に関する情報、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況に関する情報、答申書の内容に関する情報、委員の報酬体系に関する情報等を含む。)、②当社株式の株式価値の算定結果の内容に関する情報、③その他本取引を実施するに至った背景、目的等に関する情報、当社と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関する情報等について、それぞれ一定の開示が予定されており、当社の株主による取引条件の妥当性等についての判断のために相当な情報が開示される予定であることが認められる。
(5)強圧性の排除
本公開買付届出書ドラフトによれば、本取引においては、一段階目として行われる本公開買付けにおいて、買付予定数の下限が本公開買付け成立後に公開買付者が当社の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるように設定されていることで、本公開買付けが成立した場合、成立後の本スクイーズアウト手続が確実に実行できるスキームになっている。また、本公開買付け成立後の本スクイーズアウト手続において、当社一般株主に対価として交付される金銭は、本公開買付価格に当該各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定であり、その旨が本公開買付けの開始に際して公表される予定である。以上からすれば、本取引については、当社一般株主に対する強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。
(6)当社における意思決定プロセス
当社の大株主であり取締役でもある佐藤氏および高橋氏が公開買付者との間で応募契約その他の本取引に関連する契約を締結することを予定していることから、外形的には一般株主と異なる利害関係が生じるように見える可能性も否定はできない。そこで、佐藤氏および高橋氏は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定における公正性、透明性および客観性を高め、利益相反を回避する観点から、本取引に係る賛同決議の当社取締役会の審議および決議には参加しない予定である。また、佐藤氏および高橋氏は、本取引に係る検討、交渉および判断を行うための当社のプロジェクトチームに加わっておらず、かつ、本取引に関して、当社の立場で公開買付者との協議および交渉にも参加しておらず、慎重な対応がされていると認められる。
(7)小括
上記(1)ないし(6)のとおり、本取引の検討に際しては上記の各公正性担保措置が講じられていることから、本取引の検討に際して公正な手続が実施されており、これを通じた当社株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められる。
ⅳ.当社取締役会が、本公開買付けについて賛同意見を表明するべきか、および当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かについて
上記ⅰ.ないしⅲ.において詳細に検討した事項を踏まえると、当社取締役会が、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへ応募することを推奨する旨の決議を行うことは、相当であると認められる。
ⅴ.本取引が当社の一般株主にとって不利益でないかについて
上記ⅰ.において詳細に検討したとおり、本取引の目的には正当性および合理性があると認められ、本取引は当社の企業価値向上に資するものである上、上記ⅱ.およびⅲ.において詳細に検討したとおり、本公開買付けを含む本取引全体について、当社の一般株主からみて、本公開買付価格その他の取引条件の妥当性が確保されており、かつ、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がされていると認められる。
以上から、本取引は、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
④ 当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
当社は、上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社、応募予定株主および公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続ならびに本取引に係る当社の意思決定の方法およびその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、長島・大野・常松法律事務所は、当社、応募予定株主および公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、長島・大野・常松法律事務所の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。また、長島・大野・常松法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認
当社取締役会は、上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」に記載のとおり、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言および本株式価値算定書(野村證券)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、および本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年10月30日開催の当社取締役会において、審議および決議に参加した利害関係を有しない当社の取締役(監査等委員である者を含みます。)全員の一致(当社の取締役会長Co-Founderである高橋氏および取締役Co-Founderである佐藤氏を除く当社の取締役6名の全員一致)で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行いました。
なお、高橋氏および佐藤氏については、同氏らが公開買付者との間で本応募契約(高橋氏)および本応募契約(佐藤氏)をそれぞれ締結しており、当社の少数株主との利害が必ずしも一致しない可能性があるため、利益相反の疑義を回避する観点から、上記の当社取締役会の審議および決議には一切参加しておりません。
また、当社は、野村證券を通じて、2025年7月30日に、公開買付者から、高橋氏および佐藤氏との間で本応募契約(高橋氏)および本応募契約(佐藤氏)をそれぞれ締結することを提案する可能性があることを示唆されたため、利益相反の疑義を回避する観点から、リーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、同日以降、同氏らは、当社の立場において、公開買付者との協議および交渉に一切参加しておりません。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、当社との間で、本経営統合契約において、当社が、本経営統合契約締結日から公開買付期間が満了するまでの間、直接または間接に、本取引と矛盾もしくは抵触し、または、本取引の遂行を困難にしもしくは遅延させ、その他本取引の実行の支障になる可能性のある取引または行為(公開買付け、組織再編その他方法を問わず、当社株式を取得する取引、当社グループの株式または事業の全部または重要な一部を処分する取引を含みます。)に関連する勧誘、提案、協議、交渉または情報提供を行わないことを合意しているものの、(ⅰ)当社が第三者から当社株式の全てを取得する旨の法的拘束力のある真摯な買収提案(当該提案に係る公開買付価格が本公開買付価格を一定程度以上上回り、かつ、取引の実現可能性、当社の企業価値に与える影響等の観点から、当該提案が本取引を合理的に有意に上回る場合に限り、以下「適格対抗提案」といいます。)を受けた場合に、当社の取締役の善管注意義務を履践するために必要と当社の取締役会が合理的に判断する範囲で、当該第三者との間で当該適格対抗提案に関連した協議、交渉または情報提供を行うこと、および、(ⅱ)(x)適格対抗提案の提案者およびその内容を公開買付者に通知したものの、当該通知の日から起算して一定期間を経過する日までに、公開買付者が本公開買付価格を適格対抗提案に係る公開買付価格以上の金額に変更する旨の再提案を行わず、かつ、(y)当社が賛同表明を維持することが、当社の取締役の善管注意義務に違反する合理的なおそれがあると当社の特別委員会および取締役会が合理的に判断した場合には、この限りではないとされており、公開買付者以外の者による公開買付け等の機会が不当に制限されることがないよう、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを過度に制限するような合意は行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないよう配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、これと比較して長期間である30営業日としております。公開買付者は、公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することで、当社の一般株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、公開買付者以外の者による対抗的な買付け等の機会を確保し、もって本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
さらに、上記「(2)意見の根拠および理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程および理由」に記載のとおり、当社は、積極的なマーケット・チェックの実施を通じて、公開買付者を含む複数の者に提案の機会を与えた上で、公開買付者との間で本取引を実行することを決定しており、本取引は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等その他の取引機会が積極的に設けられた上で、実施されるに至ったものといえます。
したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は十分に確保されたものと考えております。
(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本経営統合契約
公開買付者は、2025年10月30日付で、当社との間で、本経営統合契約を締結したとのことです。本経営統合契約の概要は、以下のとおりとのことです。
(ア)本公開買付けへの賛同等
・当社は、公開買付期間が満了するまでの間、公開買付者以外の者との間で本取引と矛盾もしくは抵触しまたは本取引の遂行を困難にしもしくは遅延させ、その他本取引の実行の支障になる可能性のある取引または行為に関連する勧誘、提案、協議、交渉または情報提供を行わない。ただし、第三者から適格対抗提案を受けた場合は、当該第三者との間で、当社の取締役の善管注意義務を履践するために必要と当社の取締役会が合理的に判断する範囲で、当該適格対抗提案に関連した協議、交渉または情報提供を行うことは妨げられない。
・当社が、公開買付期間満了日の前営業日までに、第三者から当社株式の全てを取得する旨の法的拘束力のある真摯な適格対抗提案を受領した場合には、公開買付者に当該提案の提案者およびその内容を書面で通知した上で、直ちに公開買付者と誠実に協議する。
・(ⅰ)公開買付者への通知の日から一定期間を経過する日までに、公開買付者が本公開買付価格を適格対抗提案に係る公開買付価格以上の金額に変更する旨の再提案を行わず、かつ、(ⅱ)当社が本賛同表明(本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明をいう。以下同じ。)を維持することが、当社の取締役の善管注意義務に違反する合理的なおそれがあると当社の特別委員会および取締役会が判断した場合、当社は、本賛同表明に関する決議の変更または撤回を行うことができる。
(イ)本公開買付けに関する誓約事項
・本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(当社の保有する自己株式を除く。)を取得できなかった場合、当社は、本スクイーズアウト手続の実施に際して、当該本スクイーズアウト手続を実施するために必要な事項を行う。
・当社は、本スクイーズアウト手続の実施により当社の株主が公開買付者のみとなる日までの間、本経営統合契約締結日までに行われていたのと実質的に同一の方法であって、通常の業務の範囲内で業務を遂行し、かつ、本経営統合契約に定める一定の行為を行わない。
(ウ)経営統合
・業務提携
・公開買付者および当社は、本公開買付けの決済完了後、本事業計画ならびに当社の事業戦略およびシナジー計画について、誠実に協議の上合意するものとし(以下、かかる合意された事業戦略およびシナジー計画を「本事業戦略等」という。)、本事業計画および本事業戦略等に従い、新たな商品・サービスの共同開発、公開買付者および当社が保有する技術資産や人材の有効活用、営業活動をはじめとする顧客資産の拡充、M&Aを含む事業基盤の拡大に向けた協働等を含む業務提携を実施する。
・商号・本店所在地
・公開買付者は、当社の同意なく、当社グループの商号を変更せず、また、当社の商標およびブランドを当面の間維持する。
・公開買付者は、当面の間は、当社の本店所在地を変更しない。
・業務執行体制の維持・業務執行役員の指名権
・公開買付者は、本公開買付けの決済完了後、当面の間は、本経営統合契約締結時点の当社の業務執行体制等を最大限に尊重し、当社の同意なくこれらを変更しない。
・公開買付者および当社は、本公開買付けの決済完了後、(ⅰ)公開買付者が公開買付者の指名する者を当社の取締役会にオブザーバーとして参加させることができること、および(ⅱ)当社の非公開化前に当社の株主総会が開催される場合であって、公開買付者の要請がある場合には、当該株主総会において、公開買付者が指名する者を当社の取締役として選任することに合意する。
・本取引の完了後、取締役の過半数および監査役は公開買付者が指名する者が占める。ただし、当社は、最長2026年9月末日までを任期とする監査役を1名指名できるものとする。
・経営の独立性
・公開買付者は、当社グループが、原則として公開買付者のグループポリシーおよび規定等に準拠し、本事業計画および本事業戦略等に従うことを前提として、当社グループの法人格を維持し、当社グループの経営の独立性、本事業計画および当社の合理的な経営判断(製品開発を含む。)を最大限尊重するとともに、当社の競争力の維持・強化の観点から、当社が取り扱う製品の採用や顧客および協業先の選定に係る当社の合理的な裁量権の行使に特段の制約を設けないこと、当社の既存の業務提携先および協業パートナーとの合理的な事業推進を妨げないこと、当社の受注活動に重大な悪影響を及ぼすおそれのある当社の資本政策を行わないこと等を遵守する。
・役職員の処遇
・公開買付者は、本公開買付けの決済完了後、少なくとも3年間、原則として、本経営統合契約締結日時点の水準を下回らない条件で、当社の従業員の雇用を維持する。
・公開買付者は、本取引の完了後、当社が株式報酬制度を維持することができなくなることを勘案し、経済的に合理的な代替施策を実施することを協議するとともに、当社の従業員に対するリテンションボーナスおよび当社の役職員を対象とするインセンティブプログラムの整備について、当社と誠実に協議の上実施する。
・株式譲渡に関する事前協議
・公開買付者は、本取引の完了後、当社株式の売却を行う場合には、当該売却の概要を事前に当社に通知し、当社と誠実に協議する。
(エ)表明および保証
・公開買付者は、大要、①存続および権限の有効性、②本経営統合契約の締結および履行に必要な権利能力および行為能力、③本経営統合契約の有効性および強制執行可能性、④本経営統合契約の締結および履行に必要な許認可等の取得、⑤本経営統合契約の締結および履行についての法令等との抵触の不存在、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑦倒産手続等の不存在について、表明および保証する。
・当社は、大要、①存続および権限の有効性、②本経営統合契約の締結および履行に必要な権利能力および行為能力、③本経営統合契約の有効性および強制執行可能性、④本経営統合契約の締結および履行に必要な許認可等の取得、⑤本経営統合契約の締結および履行についての法令等との抵触の不存在、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑦倒産手続等の不存在、⑧2024年9月26日および2025年9月25日提出の有価証券報告書ならびに同年2月21日提出の半期報告書の正確性、⑨発行済株式の適法性等について、表明および保証する。
② 本応募契約
(ⅰ)本応募契約(ディシプリン)
公開買付者は、2025年10月30日付で、ディシプリンとの間で、本応募契約(ディシプリン)を締結し、ディシプリンが所有する当社株式の全て(2,351,400株、所有割合:11.25%)を本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。
本応募契約(ディシプリン)において、ディシプリンは、公開買付者に対して、以下の事項を誓約しているとのことです。
(ア)ディシプリンは、本応募契約(ディシプリン)締結日から本公開買付けに係る決済開始日(以下「本決済開始日」といいます。)までの間、本公開買付けへの応募を除き、応募対象株式(ディシプリン)の譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(イ)ディシプリンは、本公開買付けの開始後実務上可能な限り速やかに(ただし、遅くとも応募を行うまでに)、応募対象株式(ディシプリン)に設定された質権、譲渡担保権その他の担保権の全てについて、被担保債権の弁済その他の方法により解除し、当該解除を示す書面を公開買付者に交付する。
(ウ)ディシプリンは、本応募契約(ディシプリン)締結日から本決済開始日までの間、直接または間接に、本公開買付けと実質的に類似、競合もしくは抵触しまたは本公開買付けの実行を困難にしもしくは遅延させ、その他本公開買付けの実行の支障になる可能性のある取引または行為に関し、提案、勧誘、協議、交渉または情報提供を行わないものとし、ディシプリンは、第三者からかかる取引または行為に関する申出または提案を受けたことを認識した場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実、第三者名および内容を通知し、対応について公開買付者との間で誠実に協議する。
(エ)ディシプリンは、本公開買付けが成立し応募対象株式(ディシプリン)に係る決済が完了した場合であって、本決済開始日以前の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、当該株主総会における応募対象株式(ディシプリン)に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者もしくは公開買付者の指定する者に対して適式な委任状を交付して包括的な代理権を授与するか、または(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとする。
上記のほか、本応募契約(ディシプリン)においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項、契約の終了事由(注3)および解除事由(注4)が規定されているとのことです。なお、ディシプリンによる本公開買付けへの応募の前提条件または応募義務の免除条件は規定されていないとのことです。また、本応募契約(ディシプリン)以外に、公開買付者とディシプリンの間で本公開買付けに関する合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、本公開買付けに関して公開買付者からディシプリンに対して供される対価は存在しないとのことです。
(注1) 本応募契約(ディシプリン)において、公開買付者は、①設立および存続の有効性、②本応募契約(ディシプリン)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(ディシプリン)の強制執行可能性、④本応募契約(ディシプリン)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および必要な手続の履践、⑤本応募契約(ディシプリン)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、ならびに⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在について表明および保証を行っているとのことです。
(注2) 本応募契約(ディシプリン)において、ディシプリンは、①設立および存続の有効性ならびに本応募契約(ディシプリン)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、②本応募契約(ディシプリン)の強制執行可能性、③本応募契約(ディシプリン)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および手続の履践、④本応募契約(ディシプリン)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在、ならびに⑦応募対象株式(ディシプリン)の適法かつ有効な所有について表明および保証を行っているとのことです。
(注3) 本応募契約(ディシプリン)は、①当事者が書面により合意した場合または②本公開買付けが撤回されもしくは不成立となった場合に終了するものとされているとのことです。
(注4) 当事者は、①相手方当事者に表明および保証の重大な違反が存在する場合、②重大な義務違反が存在する場合、および③本公開買付けが2025年11月30日まで開始されない場合に、相手方当事者に書面で通知することにより本応募契約(ディシプリン)を解除することができるものとされているとのことです。
(ⅱ)本応募契約(佐藤氏)
公開買付者は、2025年10月30日付で、佐藤氏との間で、本応募契約(佐藤氏)を締結し、応募対象株式(佐藤氏)を本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。ただし、(a)応募対象株式(佐藤氏)のうち担保権が設定されている820,000株(以下「本担保権付株式(佐藤氏)」といいます。)については担保権の解除後から、(b)応募対象株式(佐藤氏)のうち貸株契約に基づき貸し出されている223,000株(以下「本貸株対象株式(佐藤氏)」といいます。)についてはその返還後から、それぞれ公開買付期間の末日までの間に、当該本担保権付株式(佐藤氏)または本貸株対象株式(佐藤氏)を本公開買付けに応募することが実務上困難であることが見込まれる場合には、佐藤氏および公開買付者は公開買付期間の延長その他の対応方針について誠実に協議するものとされているとのことです。また、佐藤氏が合理的な範囲で最大限の努力を行ったにもかかわらず本担保権付株式(佐藤氏)または本貸株対象株式(佐藤氏)について本公開買付けへの応募が実務上困難であると合理的に認められる場合に、佐藤氏が公開買付期間の末日までの間に当該本担保権付株式または当該本貸株対象株式(佐藤氏)を本公開買付けに応募することができなかったとしても、佐藤氏は、当該本担保権付株式(佐藤氏)または当該本貸株対象株式(佐藤氏)に係る応募義務の違反の責任を負わないものとされているとのことです。
本応募契約(佐藤氏)において、佐藤氏は、公開買付者に対して、以下の事項を誓約しているとのことです。
(ア)佐藤氏は、本応募契約(佐藤氏)締結日から本決済開始日までの間、本公開買付けへの応募および本応募契約(佐藤氏)において別途明示的に規定される場合を除き、応募対象株式(佐藤氏)の譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(イ)佐藤氏は、本公開買付けの開始後実務上可能な限り速やかに、(ⅰ)本担保権付株式(佐藤氏)に設定された担保権の全てについて、被担保債権の弁済その他の方法により解除されるよう合理的な範囲で最大限努力し、担保権の全部または一部が解除された場合には、当該解除を示す書面を公開買付者に交付するとともに、(ⅱ)本貸株対象株式(佐藤氏)の全てについて、貸株取引が解消され、佐藤氏に返還されるよう合理的な範囲で最大限努力する。
(ウ)佐藤氏は、(a)佐藤氏が所有する本譲渡制限付株式、ならびに(b)公開買付期間の末日までに(ⅰ)担保権が解除されていない本担保権付株式(佐藤氏)、および(ⅱ)佐藤氏に返還されていない本貸株対象株式(佐藤氏)((a)および(b)を総称して以下「残存株式(佐藤氏)」といいます。)については、本スクイーズアウト手続の効力発生日までの間、本応募契約(佐藤氏)において別途明示的に規定される場合を除き、譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(エ)佐藤氏は、本応募契約(佐藤氏)締結日から本決済開始日までの間、直接または間接に、本公開買付けと実質的に類似、競合もしくは抵触しまたは本公開買付けの実行を困難にしもしくは遅延させ、その他本公開買付けの実行の支障になる可能性のある取引または行為に関し、提案、勧誘、協議、交渉または情報提供を行わないものとし、佐藤氏は、第三者からかかる取引または行為に関する申出または提案を受けたことを認識した場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実、第三者名および内容を通知し、対応について公開買付者との間で誠実に協議する。
(オ)佐藤氏は、本公開買付けが成立し応募対象株式(佐藤氏)に係る決済が完了した場合であって、(a)本決済開始日以前の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、当該株主総会における応募対象株式(佐藤氏)および残存株式(佐藤氏)に係る議決権その他の一切の権利行使について、また、(b)本決済開始日後の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、残存株式(佐藤氏)に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者もしくは公開買付者の指定する者に対して適式な委任状を交付して包括的な代理権を授与するか、または(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとする。
(カ)佐藤氏は、本公開買付けが成立した場合、本スクイーズアウト手続を実施するために合理的に必要な一切の協力(本スクイーズアウト手続を実施するための当社の臨時株主総会において上記(オ)に従って議決権その他一切の権利行使を行うことを含みます。)を行う。
上記のほか、本応募契約(佐藤氏)においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項、契約の終了事由(注3)および解除事由(注4)が規定されているとのことです。なお、佐藤氏による本公開買付けへの応募の前提条件または応募義務の免除条件は規定されていないとのことです。また、本応募契約(佐藤氏)以外に、公開買付者と佐藤氏の間で本公開買付けに関する合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、本公開買付けに関して公開買付者から佐藤氏に対して供される対価は存在しないとのことです。
(注1) 本応募契約(佐藤氏)において、公開買付者は、①設立および存続の有効性、②本応募契約(佐藤氏)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(佐藤氏)の強制執行可能性、④本応募契約(佐藤氏)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および必要な手続の履践、⑤本応募契約(佐藤氏)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、ならびに⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在について表明および保証を行っているとのことです。
(注2) 本応募契約(佐藤氏)において、佐藤氏は、①権利能力等の存在、②本応募契約(佐藤氏)の強制執行可能性、③本応募契約(佐藤氏)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および手続の履践、④本応募契約(佐藤氏)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在、ならびに⑦応募対象株式の適法かつ有効な所有について表明および保証を行っているとのことです。
(注3) 本応募契約(佐藤氏)は、①当事者が書面により合意した場合または②本公開買付けが撤回されもしくは不成立となった場合に終了するものとされているとのことです。
(注4) 当事者は、①相手方当事者に表明および保証の重大な違反が存在する場合、②重大な義務違反が存在する場合、および③本公開買付けが2025年11月30日まで開始されない場合に、相手方当事者に書面で通知することにより本応募契約(佐藤氏)を解除することができるものとされているとのことです。
(ⅲ)本応募契約(高橋氏)
公開買付者は、2025年10月30日付で、高橋氏との間で、本応募契約(高橋氏)を締結し、応募対象株式(高橋氏)を本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。ただし、高橋氏は、応募対象株式(高橋氏)のうち貸株契約に基づき貸し出されている247,000株(以下「本貸株対象株式(高橋氏)」といいます。)について、その返還後から公開買付期間の末日までの間に、当該本貸株対象株式を本公開買付けに応募することが実務上困難であることが見込まれる場合には、高橋氏および公開買付者は公開買付期間の延長その他の対応方針について誠実に協議するものとされているとのことです。また、高橋氏が合理的な範囲で最大限の努力を行ったにもかかわらず本貸株対象株式について本公開買付けへの応募が実務上困難であると合理的に認められる場合に、高橋氏が公開買付期間の末日までの間に当該本貸株対象株式を本公開買付けに応募することができなかったとしても、高橋氏は、当該本貸株対象株式に係る応募義務の違反の責任を負わないものとされているとのことです。
本応募契約(高橋氏)において、高橋氏は、公開買付者に対して、以下の事項を誓約しているとのことです。
(ア)高橋氏は、本応募契約(高橋氏)締結日から本決済開始日までの間、本公開買付けへの応募および本応募契約(高橋氏)において別途明示的に規定される場合を除き、応募対象株式(高橋氏)の譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(イ)高橋氏は、本公開買付けの開始後実務上可能な限り速やかに、本貸株対象株式(高橋氏)の全てについて、貸株取引が解消され、高橋氏に返還されるよう合理的な範囲で最大限努力する。
(ウ)高橋氏は、(a)高橋氏が所有する本譲渡制限付株式、および、(b)公開買付期間の末日までに高橋氏に返還されていない本貸株対象株式(高橋氏)((a)および(b)を総称して以下「残存株式(高橋氏)」といいます。)については、本スクイーズアウト手続の効力発生日までの間、本応募契約(高橋氏)において別途明示的に規定される場合を除き、譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(エ)高橋氏は、本応募契約(高橋氏)締結日から本決済開始日までの間、直接または間接に、本公開買付けと実質的に類似、競合もしくは抵触しまたは本公開買付けの実行を困難にしもしくは遅延させ、その他本公開買付けの実行の支障になる可能性のある取引または行為に関し、提案、勧誘、協議、交渉または情報提供を行わないものとし、高橋氏は、第三者からかかる取引または行為に関する申出または提案を受けたことを認識した場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実、第三者名および内容を通知し、対応について公開買付者との間で誠実に協議する。
(オ)高橋氏は、本公開買付けが成立し応募対象株式(高橋氏)に係る決済が完了した場合であって、(a)本決済開始日以前の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、当該株主総会における応募対象株式(高橋氏)および残存株式(高橋氏)に係る議決権その他の一切の権利行使について、また、(b)本決済開始日後の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、残存株式(高橋氏)に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者もしくは公開買付者の指定する者に対して適式な委任状を交付して包括的な代理権を授与するか、または(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとする。
(カ)高橋氏は、本公開買付けが成立した場合、本スクイーズアウト手続を実施するために合理的に必要な一切の協力(本スクイーズアウト手続を実施するための当社の臨時株主総会において上記(オ)に従って議決権その他一切の権利行使を行うことを含みます。)を行う。
上記のほか、本応募契約(高橋氏)においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項、契約の終了事由(注3)および解除事由(注4)が規定されているとのことです。なお、高橋氏による本公開買付けへの応募の前提条件または応募義務の免除条件は規定されていないとのことです。また、本応募契約(高橋氏)以外に、公開買付者と高橋氏の間で本公開買付けに関する合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、本公開買付けに関して公開買付者から高橋氏に対して供される対価は存在しないとのことです。
(注1) 本応募契約(高橋氏)において、公開買付者は、①設立および存続の有効性、②本応募契約(高橋氏)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(高橋氏)の強制執行可能性、④本応募契約(高橋氏)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および必要な手続の履践、⑤本応募契約(高橋氏)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、ならびに⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在について表明および保証を行っているとのことです。
(注2) 本応募契約(高橋氏)において、高橋氏は、①権利能力等の存在、②本応募契約(高橋氏)の強制執行可能性、③本応募契約(高橋氏)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および手続の履践、④本応募契約(高橋氏)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在、ならびに⑦応募対象株式(高橋氏)の適法かつ有効な所有について表明および保証を行っているとのことです。
(注3) 本応募契約(高橋氏)は、①当事者が書面により合意した場合または②本公開買付けが撤回されもしくは不成立となった場合に終了するものとされているとのことです。
(注4) 当事者は、①相手方当事者に表明および保証の重大な違反が存在する場合、②重大な義務違反が存在する場合、および③本公開買付けが2025年11月30日まで開始されない場合に、相手方当事者に書面で通知することにより本応募契約(高橋氏)を解除することができるものとされているとのことです。
(ⅳ)本応募契約(りそなホールディングス)
公開買付者は、2025年10月30日付で、りそなホールディングスとの間で、本応募契約(りそなホールディングス)を締結し、応募対象株式(りそなホールディングス)を本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。
本応募契約(りそなホールディングス)において、公開買付者以外の者によって、当社の発行済普通株式について本公開買付価格(ただし、買付条件の変更により本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいう。)を一定程度以上上回る買付価格による公開買付けが開始された場合においてりそなホールディングスが応募対象株式(りそなホールディングス)を本公開買付けに応募することがりそなホールディングスの取締役の善管注意義務に違反すると合理的に判断する場合、りそなホールディングスは、応募義務を負わないものとされているとのことです。
本応募契約(りそなホールディングス)において、りそなホールディングスおよび公開買付者は、以下の事項を誓約しているとのことです。
(ア)りそなホールディングスは、本応募契約(りそなホールディングス)締結日から本決済開始日までの間、本公開買付けへの応募を除き、応募対象株式(りそなホールディングス)の譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(イ)りそなホールディングスは、本応募契約(りそなホールディングス)締結日から本決済開始日までの間、直接または間接に、本公開買付けと実質的に類似、競合もしくは抵触しまたは本公開買付けの実行を困難にしもしくは遅延させ、その他本公開買付けの実行の支障になる可能性のある取引または行為に関し、提案、勧誘、協議、交渉または情報提供を行わないものとし、りそなホールディングスは、第三者からかかる取引または行為に関する申出または提案を受けたことを認識した場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実、第三者名および内容を通知し、対応について公開買付者との間で誠実に協議する。
(ウ)りそなホールディングスは、本公開買付けが成立し応募対象株式(りそなホールディングス)に係る決済が完了した場合であって、本決済開始日以前の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、当該株主総会における応募対象株式(りそなホールディングス)に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者もしくは公開買付者の指定する者に対して適式な委任状を交付して包括的な代理権を授与するか、または(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとする。
(エ)りそなホールディングスは、当社との間で、りそなホールディングスおよび当社の間の資本業務提携契約につき、応募対象株式(りそなホールディングス)の公開買付者に対する譲渡後も有効に存続させる旨の覚書を締結するよう最大限努力し、公開買付者はこれに最大限協力する。りそなホールディングスおよび公開買付者は、りそなホールディングス、公開買付者および当社を当事者とし、りそなホールディングス、公開買付者および当社間の業務提携を内容とする契約の締結に向けて誠実に協議し、当該締結がなされるよう最大限努力する。公開買付者は、当社に係る銀行取引が公開買付者の有する金融子会社へ移管された場合、当該金融子会社およびりそなホールディングスの間で合理的な取引条件を前提に銀行取引が開始されるよう最大限努力する。
上記のほか、本応募契約(りそなホールディングス)においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項、契約の終了事由(注3)および解除事由(注4)が規定されているとのことです。また、本応募契約(りそなホールディングス)以外に、公開買付者とりそなホールディングスの間で本公開買付けに関する合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、本公開買付けに関して公開買付者からりそなホールディングスに対して供される対価は存在しないとのことです。
(注1) 本応募契約(りそなホールディングス)において、公開買付者は、①設立および存続の有効性、②本応募契約(りそなホールディングス)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(りそなホールディングス)の強制執行可能性、④本応募契約(りそなホールディングス)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および必要な手続の履践、⑤本応募契約(りそなホールディングス)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、ならびに⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在について表明および保証を行っているとのことです。
(注2) 本応募契約(りそなホールディングス)において、りそなホールディングスは、①設立および存続の有効性、②本応募契約(りそなホールディングス)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(りそなホールディングス)の強制執行可能性、④本応募契約(りそなホールディングス)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および手続の履践、⑤本応募契約(りそなホールディングス)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在、ならびに⑧応募対象株式(りそなホールディングス)の適法かつ有効な所有について表明および保証を行っているとのことです。
(注3) 本応募契約(りそなホールディングス)は、①当事者が書面により合意した場合または②本公開買付けが撤回されもしくは不成立となった場合に終了するものとされているとのことです。
(注4) 当事者は、①相手方当事者に表明および保証の重大な違反が存在する場合、②重大な義務違反が存在する場合、および③本公開買付けが2025年11月30日まで開始されない場合に、相手方当事者に書面で通知することにより本応募契約(りそなホールディングス)を解除することができるものとされているとのことです。
(ⅴ)本応募契約(伊藤忠商事)
公開買付者は、2025年11月28日付で、伊藤忠商事との間で、本応募契約(伊藤忠商事)を締結し、応募対象株式(伊藤忠商事)を本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。伊藤忠商事によるかかる応募は、当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明決議が行われ、その旨が公表されており、かつ、かかる意見表明が変更又は撤回されていないことを前提条件としているとのことです。ただし、伊藤忠商事は、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄することができるものとされているとのことです。
本応募契約(伊藤忠商事)において、公開買付者以外の者によって、当社の発行済普通株式について本公開買付価格(ただし、買付条件の変更により本公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の買付価格をいいます。)を一定程度以上上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗公開買付け」といいます。)が開始された場合、伊藤忠商事は、公開買付者に対して本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができるものとされているとのことです。この場合、(ⅰ)公開買付者が当該申入れの日から一定期間内に本公開買付価格を対抗公開買付けに係る公開買付価格以上の金額に変更しないとき、または(ⅱ)伊藤忠商事が応募対象株式(伊藤忠商事)を本公開買付けに応募することもしくは対抗公開買付けに応募しないことが伊藤忠商事の取締役の善管注意義務に違反すると伊藤忠商事が合理的に判断する場合、伊藤忠商事は、応募対象株式(伊藤忠商事)を本公開買付けに応募せず、または本公開買付けへの応募を撤回し、対抗公開買付けに応募することができるものとされているとのことです。
本応募契約(伊藤忠商事)において、伊藤忠商事および公開買付者は、以下の事項を誓約しているとのことです。
(ア)伊藤忠商事は、本応募契約(伊藤忠商事)締結日から本決済開始日までの間、本公開買付けへの応募を除き、応募対象株式(伊藤忠商事)の譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
(イ)伊藤忠商事は、本応募契約(伊藤忠商事)締結日から本決済開始日までの間、直接または間接に、本公開買付けと実質的に類似、競合もしくは抵触しまたは本公開買付けの実行を困難にしもしくは遅延させ、その他本公開買付けの実行の支障になる可能性のある取引または行為に関し、提案、勧誘、協議、交渉または情報提供を行わないものとし、伊藤忠商事は、第三者からかかる取引または行為に関する申出または提案を受けたことを認識した場合には、速やかに、公開買付者に対して、その事実、第三者名および内容を通知し、対応について公開買付者との間で誠実に協議する。
(ウ)伊藤忠商事は、本公開買付けが成立し応募対象株式(伊藤忠商事)に係る決済が完了した場合であって、本決済開始日以前の日を権利行使の基準日として当社の株主総会が開催されるときは、当該株主総会における応募対象株式(伊藤忠商事)に係る議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(ⅰ)公開買付者もしくは公開買付者の指定する者に対して適式な委任状を交付して包括的な代理権を授与するか、または(ⅱ)公開買付者の指示に従って議決権を行使するものとする。
上記のほか、本応募契約(伊藤忠商事)においては、表明保証条項(注1)(注2)、補償条項、契約の終了事由(注3)及び解除事由(注4)が規定されているとのことです。また、本応募契約(伊藤忠商事)以外に、公開買付者と伊藤忠商事の間で本公開買付けに関する合意は存在せず、本公開買付けに応募することにより得られる金銭以外に、本公開買付けに関して公開買付者から伊藤忠商事に対して供される対価は存在しないとのことです。
(注1) 本応募契約(伊藤忠商事)において、公開買付者は、①設立および存続の有効性、②本応募契約(伊藤忠商事)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(伊藤忠商事)の強制執行可能性、④本応募契約(伊藤忠商事)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および必要な手続の履践、⑤本応募契約(伊藤忠商事)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在、ならびに⑧本決済開始日において本公開買付けの決済を行うために必要な資金を有していることについて表明および保証を行っているとのことです。
(注2) 本応募契約(伊藤忠商事)において、伊藤忠商事は、①設立および存続の有効性、②本応募契約(伊藤忠商事)の締結および履行に必要な権限および権能の存在、③本応募契約(伊藤忠商事)の強制執行可能性、④本応募契約(伊藤忠商事)の締結および履行に必要な許認可等の取得または履践および手続の履践、⑤本応募契約(伊藤忠商事)の締結および履行の法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力に該当しないことおよび反社会的勢力との関係の不存在、ならびに⑧応募対象株式(伊藤忠商事)の適法かつ有効な所有について表明および保証を行っているとのことです。
(注3) 本応募契約(伊藤忠商事)は、①当事者が書面により合意した場合、②本公開買付けが撤回されもしくは不成立となった場合または③伊藤忠商事が対抗公開買付けに応募した場合に終了するものとされているとのことです。
(注4) 当事者は、①相手方当事者に表明および保証の重大な違反が存在する場合または②重大な義務違反が存在する場合に、相手方当事者に書面で通知することにより本応募契約(伊藤忠商事)を解除することができるものとされているとのことです。
| 氏名 | 役職名 | 所有株式数(株) | 議決権数(個) |
|---|---|---|---|
| 関口 朋宏 | 代表取締役社長 社長執行役員 CEO |
196,100 | 1,961 |
| 高橋 隆史 | 取締役会長 Co-Founder |
266,290 | 2,662 |
| 佐藤 清之輔 | 取締役 Co-Founder |
1,690,060 | 16,900 |
| 佐野 哲哉 | 取締役 | 30,000 | 300 |
| 石井 隆一 | 取締役 | 800 | 8 |
| 谷口 卓 | 取締役 (常勤の監査等委員) |
500 | 5 |
| 大久保 和孝 | 取締役 (監査等委員) |
3,600 | 36 |
| 牛島 真希子 | 取締役 (監査等委員) |
― | ― |
(注1) 役職名は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数および議決権の数は2025年6月30日時点のものです。
(注3) 佐野哲哉、石井隆一、谷口卓、大久保和孝および牛島真希子は、社外取締役です。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
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