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TOPCON CORPORATION

Delisting Announcement Oct 9, 2025

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【表紙】
【提出書類】 臨時報告書(2025年10月9日付け訂正報告書の添付インラインXBRL)
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2025年10月8日
【会社名】 株式会社トプコン
【英訳名】 TOPCON CORPORATION
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 CEO 江藤 隆志
【本店の所在の場所】 東京都板橋区蓮沼町75番1号
【電話番号】 03(3558)2536
【事務連絡者氏名】 取締役兼専務執行役員 財務本部長 秋山 治彦
【最寄りの連絡場所】 東京都板橋区蓮沼町75番1号
【電話番号】 03(3558)2536
【事務連絡者氏名】 財務本部副長 森口 忠輔
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所

 (東京都中央区日本橋兜町2番1号)

E02299 77320 株式会社トプコン TOPCON CORPORATION 企業内容等の開示に関する内閣府令 第五号の三様式 2 true S100WU0Y true false E02299-000 2025-10-09 xbrli:pure

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1【提出理由】

当社は、2025年10月8日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)21,087,000株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする2025年11月11日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。 

2【報告内容】

1.本株式併合の目的及び理由

当社が2025年7月28日に公表した「MBOの実施の一環としてのTK株式会社による当社株券等に対する公開買付けの開始並びに株式会社KKRジャパン及びJICキャピタル株式会社の資本参画に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、TK株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、2025年7月28日、株式会社東京証券取引所(以下「(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式の全て(但し、本新株予約権(注1)の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)、本新株予約権の全て及び本米国預託証券(注2)(以下「当社株式」及び「本新株予約権」と併せて「当社株券等」と総称します。)の全てを取得することを目的とし、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注3)のための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを同月29日から開始することを決定いたしました。

(注1)「本新株予約権」とは、2021年6月25日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第7回新株予約権(行使期間は、2024年4月1日から2029年3月31日)をいいます。

(注2)「本米国預託証券」とは、Citibank, N.A.(以下「本預託銀行」といいます。)により米国で発行されている当社株式に係る米国預託証券をいいます。

(注3)「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、公開買付者が公開買付対象者の役員である公開買付け(公開買付者が公開買付対象者の役員の依頼に基づき公開買付けを行うものであって公開買付者の役員と利益を共通にするものである公開買付けを含みます。)をいいます(有価証券上場規程第441条)。本公開買付けには、有価証券上場規程第441条に規定される「MBO等に係る遵守事項」が適用されます。

そして、当社が2025年9月11日に公表した「TK株式会社による当社株式等に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」(以下「本公開買付け結果プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、公開買付者は、2025年7月29日から2025年9月10日までを買付け等の期間(以下「本公開買付期間」といいます。)とする本公開買付けを実施した結果、2025年9月18日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株券等84,748,472株(所有割合(注4):80.32%)を所有するに至りました。

(注4)「所有割合」とは、(ⅰ)当社が2025年6月26日に提出した第132期有価証券報告書(以下「当社有価証券報告書」といいます。)に記載された2025年3月31日現在の当社の発行済株式総数(108,382,642株)から、(ⅱ)当社有価証券報告書に記載された2025年3月31日現在当社が所有する自己株式数(2,970,630株)を控除した株式数(105,412,012株)に、(ⅲ)2025年7月28日時点で残存する本新株予約権(1,000個)の目的となる株式数(100,000株)を加算した数(105,512,012株、以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に占める割合(なお、小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。

その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式、本新株予約権及び本米国預託証券の全てを取得することができなかったことから、当社に対して、当社の株主を公開買付者のみとするための株式併合(以下「本株式併合」といいます。)の実施を要請いたしました。

そのため、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、2025年10月8日付の当社取締役会決議により、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者のみとするために、当社株式21,087,000株を1株に併合する本株式併合を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしましたとおりですが、以下に改めてその概要をご説明申し上げます。なお、以下の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

(1)本公開買付けを実施するに至った背景等

当社は、1932年9月に測量機の国産化を目的に陸軍省の要請で、服部時計店精工舎(現、セイコーグループ株式会社)の測量機部門を母体に東京光学機械株式会社として設立されました。その後、1989年に現在の社名である株式会社トプコンに社名変更しました。当社は、1949年5月に東京証券取引所及び大阪証券取引所に上場し、1986年9月に東京証券取引所市場第一部及び大阪証券取引所市場第一部に指定され、2009年3月に大阪証券取引所への上場を廃止した後、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至ります。2025年7月28日現在、当社は連結子会社59社、持分法適用会社5社及び非連結子会社1社からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)で構成されております。

当社グループは、グループグローバルで共有する最上位の価値観を「TOPCON WAY」(注1)として明文化し、「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念に掲げています。社会の価値観の多様化が進むなか、事業活動を通じて、持続的な社会の実現に向けて取り組むことを推進するために、社会的課題の解決に資する製品・サービスの提供を行っていくと同時に、当社グループに関連する全ての多様なステークホルダーを重視した経営を行うことを経営方針として、主に以下の事業を展開しております。

(注1)「TOPCON WAY」とは、当社が事業活動を通じて、「医(Healthcare)・食(Agriculture)・住(Infrastructure)」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献すること、そのために、先端技術にこだわりモノづくりを通じて新たな価値を提供し続けること、多様性を尊重しグローバルカンパニーとして行動すること、コンプライアンスを最優先し全てのステークホルダーから信頼される存在であり続けることを指します。

(i) ポジショニング事業

ポジショニング事業は、建設業者(土木・建物)、農家、建機・農機メーカー向けに、建機や農機を自動制御するマシンコントロール製品やGNNS(注2)製品を提供しております。当社としては建設における世界的なインフラ需要増に伴う技能者の不足、農業における世界的な人口増加に伴う食糧不足、高齢化や熟練者の減少といった社会的課題があると考えており、これらを解決すべく、当社のICT自動化施工技術(注3)や精密三次元位置計測(注4)やセンシング(注5)といったコア技術をベースに、建設分野におけるICT自動化施工や、農業分野におけるデジタル化や自動化を実現するIT農業ソリューション(注6)を通して、建設や農業の現場における生産性向上・品質向上、技能者不足解消に貢献します。

これを実現するための当社独自の技術を活用した製品群として、スマートインフラ事業(注7)が有する高度な光学技術を活用した測量機器、レーザー製品等、ポジショニング・カンパニー(注7)が有する最先端のGNSS受信機、建機や農機を自動化するマシンコントロール製品等と、関連ソフトウェアやクラウドソリューション(注8)を展開しております。

(注2)「GNSS」とは、Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)を指します。

(注3)「ICT自動化施工技術」とは、情報通信技術を活用して、建設現場における建設機械による施工の自動化・効率化を行う技術を指します。

(注4)「精密三次元位置計測」とは、対象物の寸法や形状、位置関係等を三次元空間において精密に測定する技術を指します。

(注5)「センシング」とは、センサーを用いて対象物の状態や情報を収集する技術を指します。

(注6)「IT農業ソリューション」とは、具体的には、IT技術を活用して、農機を自動運転すること等により、農業における自動化・効率化を目指すソリューションを指します。

(注7)「スマートインフラ事業」「ポジショニング・カンパニー」とは、ポジショニング事業を構成する従来の報告セグメントを指します。

(注8)「関連ソフトウェアやクラウドソリューション」とは、具体的には、建設現場において建機等の稼働状況や建設の進捗状況等のデータ管理、農業において農機等の稼働状況や作物の生育状況等のデータ管理を行うことができるクラウドデータ管理サービスを指します。

(ii) アイケア事業

アイケア事業は、眼科医、眼鏡店等向けに、眼科検査・診断機器及び関連サービスを提供しているとのことです。当社としては、世界的な高齢化の進行や生活習慣の変化による眼疾患の増加、医療コストの高騰、医師不足といったヘルスケアにおける社会的課題があると考えており、これらを解決すべく、当社独自のフルオートスクリーニング機器(注9)やデジタル検眼システムにより、診断に必要な眼底画像や検査データを簡単に取得し、更に取得した画像や検査データをクラウドを活用したデータマネジメントシステム(注10)で統合管理を行う新たな仕組みを構築することで、眼疾患の早期発見と早期治療に貢献します。

これを実現するための当社独自の技術を活用した製品群として、眼科医や眼鏡店等向けの各種検眼機器、フルオートの眼底カメラやOCT(注11)といった検査・診断機器、及び、関連ソフトウェアやクラウドソリューションを展開しております。

(注9)「フルオートスクリーニング機器」とは、使用者が熟練者でなくても、ボタンを押すだけ等の簡単な操作のみで自動で検査することが可能な眼科検査・検眼機器を指します。

(注10)「クラウドを活用したデータマネジメントシステム」とは、具体的には眼底等の画像を含む眼科検査データをクラウド上で管理できるデータ管理ソリューションTopcon Harmony等を指します。

(注11)「OCT」とは、Optical Coherence Tomography(光干渉断層計:近赤外光を照射して得た反射光から網膜の断層像を撮影する医療機器)を指します。

また、当社グループでは、創業より培ってきた当社の各事業共通のコア技術である光学技術を活かし、最先端の宇宙・防衛産業向けの光学製品及びデバイス製品を設計・製造・販売しています。具体例では、当社グループは小型月着陸実証機(SLIM)に搭載されたLIDAR用光学ユニット(注12)、新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)に搭載されるFlash LIDAR用光学ユニット(注13)、陸上自衛隊が運用する戦車に搭載される直接照準装置や、海上自衛隊が運用する哨戒機に搭載される赤外線探知装置用光学ユニット等の研究・開発・製造を行っております。当社の宇宙・防衛事業は、外国為替及び外国貿易法において、日本国の国家安全保障の観点で、外国人投資家による当社への投資を制限する目的で、事前届出が必要な指定業種(国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すことになるおそれがある対内直接投資等に係る業種)に指定されております。

(注12)「LIDAR用光学ユニット」とは、LIDAR(レーザー光を使用して物体までの距離を測定し、周囲の環境の3Dマップを生成する技術)に用いられる光学部品を指します。

(注13)「Flash LIDAR用光学ユニット」とは、Flash LIDAR(カメラのフラッシュのように一度に広範囲を照射し、その反射光をセンサーで受け取ることで、周囲の環境の3Dマップを瞬時に生成する技術)に用いられる光学部品を指します。

2032年には創業100周年を迎える当社は、「持続成長する100年ベンチャーに挑む」をビジョンとして掲げ、当社グループの競争力の源泉は以下の2点にあることを認識して、これをさらに加速させています。

メーカーとしてのモノづくりの強みを守りつつ、同時に、ソリューションビジネスの拡大をグローバルで追求ハードウェア製品を中心とする日本の製品開発・製造機能と、米国を中心にマーケットに即して発展する新しいソリューションビジネスの開発・展開機能を適切に組み合わせた組織として、日本及び米国相互のシナジーを最大化する。

各事業領域での持続的な事業成長を狙い、新規事業創出への適切な先行投資と再投資を継続、将来の成長事業となる新規事業の創造、新規テクノロジーの研究開発に対する適切な投資を継続し、各事業に対し最大限の事業成長を計画・実行する。

現在、当社グループは、2023年度を初年度とする3カ年の「中期経営計画2025」に沿って、顧客に必要とされる企業であり続けるための「顧客指向の深化」、効率的な組織を確立し収益力を強化するための「基盤改革」、次の成長事業を創出し続けるための「DX加速」の3つの柱を掲げて、各事業の持続成長を推進しています。

一方で、当社グループを取り巻く経営環境は、欧米を中心とした各国の金融引締め長期化と金融緩和期待の後退、また地政学的リスク等の影響を受け、先行き不透明な状況が続いていると当社としては認識しております。アイケア事業は引き続き、北米及び欧州地域を中心に順調に推移しておりますが、当社としては中国における病院経営の悪化や腐敗防止による入札減少等による影響が続くと考えており、ポジショニング事業は、当社としては、世界的なインフレ及び穀物価格下落の長期化による農機メーカー各社の投資抑制の終息が当面見込めないと考えていること、米国における新政権の発足に伴う貿易・金融・産業政策等に関する不透明感から、投資が手控えられている状況が継続と考えていることから、今後も不安定な状況が続く見通しであります。

このような経営環境に加え、ポジショニング事業においては、当社としては、今後大手メーカーの内製化によるOEMやアフターマーケット市場の成長減速、新興メーカーの台頭による製品のコモディティ化及び価格競争の激化が見込まれると考えており、こうした事業環境と市場変化を踏まえて、中小型建機向けの製品やミドルレンジ製品の新規開発・投入、一層の構造改革を通じた収益力の改善と安定化への取組みを、また、アイケア事業においては、迅速な新規サービスの開発と新規市場の開拓に向けた成長投資のさらなる加速等を中長期的な企業価値向上に向けた経営課題と認識しております。

上記のような経営課題にかかる認識を踏まえ、当社はこれまでも様々な成長戦略の実現に向けた施策を検討・実施してまいりましたが、当社のさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには、長期的・持続的な事業変革の推進が必要であると考えるようになりました。従来の事業変革にかかる施策を超える抜本的な取組を加速させるべく、当社株式の非公開化を含む当社の資本政策を検討した結果、当社グループが直面している経営課題を解決するためには、長期的にみれば当社の企業価値向上が期待できるものの、継続的・長期的な投資が必要となることに加え、特に新たなビジネスを創造する上では、事業遂行上の不確定リスクも存在するため、短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があるとの考えに至りました。こうした施策を当社が上場を維持したまま実施すれば、短期的には資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の市場価格の下落といったマイナスの影響を及ぼし、当社の現在の株主に不利益を与える可能性を否定できないと考えたことから、2024年7月頃から、当社を非公開化して資本市場から距離を置くとともに、株主構成を刷新し、機動的かつ柔軟な意思決定が可能となる株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した経営体制を構築した上で、当社独自の経営努力に加え、外部の経営資源も活用しながら、上記の経営課題に取り組むことが有力な選択肢と考えるに至りました。なお、当社は、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げています。もっとも、①の面では、本取引の実行後であっても当社の現在の財務状況等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないと考えられ、②の面では、当社が長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることからすれば、上場廃止による影響は限定的であると考えられることから、非公開化により期待されるメリットは、非公開化を行うことによるデメリットを上回るものと判断いたしました。

さらに、上述のように今後当社を取り巻く事業環境が変化していく中で、当社グループがそれに対応していくためには、当社の代表取締役社長CEOである江藤隆志氏(以下「江藤氏」といいます。)が、当社の経営方針や資本政策、海外戦略の策定・推進、重要取引先との連携・取引関係の深耕においても責任ある役割を担いながら、当社グループの長期的な成長に向けて経営全般を継続的に主導していくことが有益であり、仮に当社を非公開化する場合には、江藤氏が非公開化後も公開買付者と利益を共通にし、一定期間引き続き経営に関与するマネジメント・バイアウト(MBO)が有力な選択肢であるとの考えに至り、当社の江藤氏以外の経営に携わる主要なメンバー及び一部の社外取締役とも協議を重ねた結果、2024年7月中旬頃、これらの考えが一致いたしました。そこで、当社は、マネジメント・バイアウト(MBO)を含む多角的かつ長期的な企業価値向上策の具体的な検討を開始するべく、その独立性に問題がないことを確認の上、同月、企業価値向上策の検討に係る当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、JPモルガン証券株式会社(以下「JPモルガン証券」といいます。)を、長島・大野・常松法律事務所を当社の法務アドバイザーとして、それぞれ選任するとともに、長期的な企業価値向上を推進するパートナーとして当社株式に係る資本取引の可能性を含めた当社の成長戦略について、米国デラウェア州設立の投資顧問会社であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.(関係会社及び関連ファンドを含め、以下「KKR」といいます。)を含む国内外において豊富な実績を有する3社の投資ファンドとの間で協議を重ねてまいりました。加えて、当社は、2024年7月30日開催の当社の取締役会において、長期的な企業価値向上のための経営上の選択肢を検討するに当たっては、検討プロセスの公正さと透明性を確保することが重要であり、かつ、仮に非公開化の選択をする場合にはマネジメント・バイアウト(MBO)の方法により行われることも視野に入れ、スクイーズ・アウトを伴う取引となることを前提に、公開買付者、その他の関係会社その他有価証券上場規程施行規則(東京証券取引所)(以下「施行規則」といいます。)で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる当社の社外取締役5名(社外取締役山崎直子氏(ファナック株式会社社外取締役、文部科学省宇宙開発利用部会第12期(科学技術・学術審議会臨時委員))、社外取締役稲葉善治氏(ファナック株式会社取締役会長)、社外取締役日髙直輝氏(住友商事株式会社元代表取締役兼副社長執行役員、ブラザー工業株式会社社外取締役)、社外取締役寺本克弘氏(ナブテスコ株式会社元代表取締役社長)、社外取締役中井元氏(みずほ証券株式会社元常務執行役員、セントラル硝子株式会社元代表取締役専務執行役員))によって構成される、戦略特別委員会(以下「本戦略特別委員会」といいます。)を設置することを決議いたしました。また、本戦略特別委員会は、同日に開催した戦略特別委員会において、潜在的な当社のパートナー候補先及び本取引から独立した、本取引に係る当社の法務アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、JPモルガン証券の選任を承認いたしました。なお、本戦略特別委員会は、2024年11月27日に開催された戦略特別委員会において、独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任いたしました。

また、当社は、当社の更なる企業価値の向上及び当社の株主の利益最大化の観点から、当社株式の取得に関心を示すと考えられる複数の候補先を対象とする入札手続を実施した上でパートナーを決定することが望ましいと判断し、2024年7月30日の本戦略特別委員会で審議し、その方針について承認を得ました。これを踏まえ、当社は、同年8月中旬、当社にとって望ましいパートナーを選定することを目的として、江藤氏が非公開化後も公開買付者と利益を共通にし、一定期間引き続き経営に関与するマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の公開買付けを通じた非公開化取引への参加につき、米国デラウェア州設立の投資顧問会社であるKKRを含む国内外において豊富な実績を有する3社の投資ファンド(以下、総称して「本候補者」といいます。)を招聘した入札手続(以下「非公開化プロセス」といいます。)の実施を決定し、当該プロセスを開始いたしました。なお、本候補者の選定にあたっては、初期的に投資ファンド及び事業会社を含む50社を超える潜在的候補者をリストアップした上で、有力な候補者との面談や、日本の製造業への投資実績、当社の成長戦略の柱としているヘルスケア領域やグローバルに事業展開している企業への投資実績等の一定の選定基準に基づき絞り込みを行った結果、3社を選定いたしました。

一方で、KKRは、2024年7月上旬、外部の経営資源も活用しながら経営課題に取り組むことを検討する当社より、当社の財務や事業などに関する戦略などについての相談を受け、2024年7月上旬以降複数回にわたり、事業成長の加速や将来の成長に向けた企業価値向上に資する施策について、当社と継続的に議論を重ねてきたとのことです。同年8月中旬、KKRは、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券より非公開化プロセスへの参加の打診を受け、非公開化プロセスへの参加の是非についての検討を始めたとのことです。KKRは、グローバルアイケア領域(注1)及びインダストリアル領域における有数の投資経験を有しており、これまでの当社との議論を通じて、KKRのグローバル・ネットワークを活用した当社の事業成長の加速や将来の成長に向けた企業価値向上の余地は大きいとの考えを強める中において、2024年8月中旬に非公開化プロセスに参加することを決定したとのことです。その後、非公開化プロセスの検討を進めるために、2024年8月13日にKKRと当社の間で締結された秘密保持契約書に基づき、当社から開示された当社グループ全体及びセグメント別の売上高や営業利益、主要キャッシュ・フロー項目の過去実績及び将来計画、当社の資産・負債の状況及び各種公開情報等に基づく初期的な検討を行い、当社の情報提供に基づくデュー・ディリジェンスを実施する前の段階ではあるものの、当社が属する事業セグメント別の市場の業界特性・成長性や、事業セグメント別の市場において当社が確立している競争優位性、当社の成長戦略の方向性や企業価値及び株式価値の向上に向けた潜在的な可能性について理解を深め、当社がアイケア事業を中心に強固な競争力・成長力と高い潜在性を有していると考えるようになり、同年9月13日、JPモルガン証券に対して、法的拘束力を有しない提案書(以下「非公開化プロセス9月13日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス9月13日付提案書において、当社株式1株当たり3,000円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする当社の非公開化取引の実施を提案したとのことです。なお、非公開化プロセス9月13日付提案書における公開買付価格は、2024年9月13日の前営業日である2024年9月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年8月13日から2024年9月12日まで)、直近3ヶ月(2024年6月13日から2024年9月12日まで)、及び直近6ヶ月(2024年3月13日から2024年9月12日まで)の終値の単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、単純平均値の計算において同じです。)(1,459.5円、1,496円、1,636円及び1,695円。)に対していずれもプレミアム(105.55%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、100.53%、83.37%及び76.99%)が付与されているとのことです。

(注1)「グローバルアイケア領域」とは、世界規模での眼科医療の提供に関する事業・支援活動を含む分野をいいます。

その後、KKRは、2024年9月中旬から11月下旬にかけて、当社の経営陣との間で、当社の企業価値の最大化に資する事業戦略についての建設的な議論を継続してきたとのことです。そして、これまでの当社の経営陣との議論の内容を踏まえ、KKRは、同年11月26日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の非公開化を前提とした公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない提案書(以下「非公開化プロセス11月26日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス11月26日付提案書において、当社株式1株当たり3,200円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案したとのことです。なお、非公開化プロセス11月26日付提案書における公開買付価格は、2024年11月26日の前営業日である2024年11月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年10月28日から2024年11月25日まで)、直近3ヶ月(2024年8月26日から2024年11月25日まで)、及び直近6ヶ月(2024年5月27日から2024年11月25日まで)の終値の単純平均値(1,564.0円、1,553円、1,547円及び1,614円。)に対していずれもプレミアム(104.60%、106.05%、106.85%及び98.27%)が付与されているとのことです。

その後、KKRは、2024年11月下旬から2025年1月上旬にかけて、当社の経営陣との間で、引き続き当社の企業価値の最大化に資する事業戦略についての建設的な議論を継続してきたとのことです。そして、これまでの当社の経営陣との議論の内容を踏まえ、KKRは、2025年1月6日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の非公開化を前提とした公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない提案書(以下「非公開化プロセス1月6日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス1月6日付提案書において、当社株式1株当たり3,800円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案をしたとのことです。なお、非公開化プロセス1月6日付提案書における公開買付価格は、2025年1月6日の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年12月2日から2024年12月30日まで)、直近3ヶ月(2024年10月1日から2024年12月30日まで)、及び直近6ヶ月(2024年7月1日から2024年12月30日まで)の終値の単純平均値(2,838.5円、2,459円、1,868円及び1,731円。)に対していずれもプレミアム(33.87%、54.53%、103.43%及び119.53%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、一部の報道機関における当社がKKRを含む複数の投資ファンドを招聘した本非公開化プロセスを行っている旨の憶測報道(以下「本非公開化プロセスに関する憶測報道」といいます。)がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(116.34%、139.45%、142.50%及び136.32%)が付与されているとのことです。

その後、KKRは、2025年1月下旬から2月下旬にかけて、当社の2025年1月30日公表の業績計画下方修正も踏まえた事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス、当社の経営陣との事業戦略に関するマネジメントインタビュー等を実施し、改めて当社株式の取得について、検討を進めたとのことです。そして、KKRとしては、当社が属する事業セグメント別の業界特性・成長性や、事業セグメント別の市場において当社が確立している競争優位性、当社の中長期的な成長戦略の方向性や、企業価値・株式価値の向上に向けた潜在的な可能性に関する更なる理解の深化に加えて、当社の中長期的成長・将来ビジョンに対する理解をより一層深化させるとともに、当社株式を非公開化することで、高度な技術、豊富な人的資本力及び強固な顧客基盤を有していると考える当社と潤沢な人的・資本的リソース、アイケア・インダストリアル領域双方における実績及びグローバル・ネットワークを有していると考えるKKRが戦略的なパートナーシップを組むことにより、特にアイケア領域において、KKRの投資先である大手アイケアリテール及び眼科医院チェーンとの協業による販売チャネルの拡大や、同領域の豊富な知見を有するグローバル専門家ネットワークの活用によるシナジーが期待でき、他方、本取引によるディスシナジーは見込まれないことから、本取引によって当社の更なる飛躍的成長が可能であると考えるに至り、同年2月25日、当社の事業及び財務の状況を多面的・総合的に分析の上、当社と事業内容、事業規模、収益の状況等において比較的類似する複数の上場会社の市場株価と収益性等との比較を通じて当社株式の株式価値を分析し、当社に対して、公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない提案書(以下「非公開化プロセス2月25日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス2月25日付提案書において、当社株式1株当たり3,100~3,300円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案をいたしました。なお、非公開化プロセス2月25日付提案書における公開買付価格は、2025年2月25日の前営業日である2025年2月21日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年1月22日から2025年2月21日まで)、直近3ヶ月(2024年11月22日から2025年2月21日まで)、及び直近6ヶ月(2024年8月22日から2025年2月21日まで)の終値の単純平均値(2,848.0円、2,858円、2,574円及び2,052円。)に対していずれもプレミアム(8.85~15.87%、8.47~15.47%、20.44~28.21%及び51.07~60.82%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(76.49~87.87%、95.34~107.94%、97.83~110.59%及び92.79~105.22%)が付与されているとのことです。

KKRは、その後当社から、非公開化プロセス2月25日付提案書において提案した公開買付価格の見直しを含めて、2025年2月28日までに提案の再提出をすべき旨の依頼を受けたことから、同日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の非公開化を前提とした公開買付価格についての記載を含む法的拘束力を有さない改訂提案書(以下「非公開化プロセス2月28日付提案書」といいます。)を提出したとのことです。KKRは非公開化プロセス2月28日付提案書において、当社株式1株当たり3,300円を公開買付価格とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を、当該公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする提案をしたとのことです。非公開化プロセス2月28日付提案書における公開買付価格は、2025年2月28日の前営業日である2025年2月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年1月28日から2025年2月27日まで)、直近3ヶ月(2024年11月28日から2025年2月27日まで)、及び直近6ヶ月(2024年8月28日から2025年2月27日まで)の終値の単純平均値(2,827.5円、2,845円、2,656円及び2,088円。)に対していずれもプレミアム(16.71%、15.99%、24.25%及び58.05%)が付与されており、また、当社株価の変動のきっかけとなった、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(87.87%、107.94%、110.59%及び105.22%)が付与されているとのことです。

その後、2025年3月3日、KKRは当社より本取引に関する独占交渉権の付与の連絡を受け、同年3月上旬から3月下旬にかけて、国内外の競争当局及び対内直接投資を所管する当局における手続等の完了に向けて必要となる当社の事業・財務情報の連携等の本取引の実施に向けた実務対応に関する継続的な協議を当社と重ねた後、同年3月26日に、当社取締役会及び本戦略特別委員会宛に、当社株式の公開買付価格を当社株式1株当たり3,300円(以下「本公開買付価格」といいます。)とし、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を本公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とする、本取引に係る法的拘束力ある最終提案書を提出いたしました。そして、2025年3月28日、KKRは、当社との間で、本公開買付価格を3,300円、本新株予約権買付価格を193,400円、本米国預託証券買付価格を、本公開買付価格と同額とすることで、本取引を実施することで合意に至ったことから、公開買付者は本公開買付けを実施することを決定したとのことです。

さらに、KKRによって間接的に運営されている、カナダ国オンタリオ州法に基づき2025年3月7日に設立されたリミテッド・パートナーシップであるTK Investment L.P.(以下「KKRファンド」といいます。)は、2025年3月17日にKKRと当社の株主であるValueAct Japan Master Fund, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund II, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.及びValueAct Strategic Global Master Fund, L.P.(以下、ValueAct Japan Master Fund, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund II, L.P.、ValueAct Strategic Master Fund IV, L.P.と併せて「VAC」といいます。)との間で秘密保持契約を締結した上で、本公開買付けの成立の可能性を高める目的で、VACとの間で、VACが所有する当社株式(15,425,800株、所有割合:14.62%。以下「本応募合意株式」といいます。)の本公開買付けへの応募に関する交渉を開始し、その後、VACが中長期的に当社株式を所有しており、当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことから、KKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮し、本応募合意株式の一部の不応募やKKRファンドに対する再出資に関しても協議を開始したとのことです。その後、2025年7月28日現在、公開買付者の発行済株式の全てを所有している2025年3月26日に設立された株式会社であるTKホールディングス株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)及びKKRファンドは、2025年4月16日、VACとの間で、①VACが、本応募合意株式の全部を本公開買付けに応募すること、及び、②本公開買付けの成立を条件として、VACが、本公開買付けの決済開始日において金28,050,000,000円を上限としてVACが決定する額をKKRファンドに対して出資し、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分を取得することを内容とする契約(以下「本応募契約(VAC)」といいます。)を締結したとのことです。

その後、公開買付者は、2025年7月24日、国内外の競争法並びに国外の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応(以下「本クリアランス手続」といい、本クリアランス手続につき、法令上の待機期間が存在する場合における当該待機期間の満了、及び、司法・行政機関等の判断等が必要な場合におけるその判断等を、以下「本クリアランスの取得」といいます。)について、EU、ベトナム、アルバニア及びウクライナにおける競争法並びに日本、アメリカ合衆国、イタリア、及びスペインにおける対内直接投資に係る本クリアランス手続(以下、総称して「未取得クリアランス」といいます。)を除き、2025年7月29日までに本クリアランスの取得が完了し、当社が2025年3月28日付で公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドとの間で締結した公開買付契約(以下「本公開買付契約」といいます。)に基づく本公開買付けを開始する各前提条件(注1)(以下「本前提条件」といいます。)が、本クリアランスの取得を除き、2025年7月29日までに全てを充足されることが確実であること、及び、各国における審査状況を踏まえ現地法律事務所と確認し、EUの競争法に係る本クリアランス手続については2025年8月中旬から下旬頃、ベトナムの競争法に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、アルバニアの競争法に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、ウクライナの競争法に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、日本の対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、アメリカ合衆国の対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、イタリアの対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年7月末から8月初旬頃、スペインの対内直接投資に係る本クリアランス手続については2025年8月初旬頃、それぞれ本クリアランスの取得が完了する見込みであり、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全ての未取得クリアランスの取得が完了することが見込まれたことから、本公開買付けが開始可能な状態になったと判断し、本前提条件のうち未取得クリアランスの取得について、当社と合意の上で放棄し、本公開買付けを2025年7月29日より開始したい旨、当社に連絡したとのことです。その後、公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンドは、2025年7月28日付けで、当社との間で、本前提条件のうち未取得クリアランスに係る本クリアランスの取得について放棄する旨の合意をしたとのことです。以上の経緯を経て、公開買付者は、本前提条件(公開買付者、公開買付者親会社及びKKRファンド並びに当社の合意により放棄された未取得クリアランスの取得を除きます。)の全てが充足されたことを確認したことから、2025年7月28日、本公開買付けを2025年7月29日より開始することとしたとのことです。なお、公開買付者は、2025年3月28日に公表した「MBOの実施の一環としてのTK株式会社による株式会社トプコン(証券コード:7732)に対する公開買付けの開始予定並びにKKR及びJICCの資本参画に関するお知らせ」を公表した2025年3月28日から2025年7月28日時点までの状況を考慮しても、本公開買付価格の決定に際して考慮された諸要素に特段の変化はないと考えられることから、2025年3月28日に決定した本公開買付価格の変更は不要であると判断したとのことです。

(注1)①当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)並びに当社の株主及び本新株予約権の保有者に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本応募推奨意見」といいます。)を表明することを決議し、その内容が当社によって公表されており、これが変更又は撤回されていないこと、②本取引に関して設置された本戦略特別委員会が、当社取締役会に対して、本賛同意見を表明することは相当である旨の答申(以下「本賛同答申」といいます。)及び本応募推奨意見を表明することは相当である旨の答申(以下「本応募推奨答申」といいます。)を行い、当該答申が変更又は撤回されていないこと、③本取引を制限又は禁止することを求める旨のいかなる訴訟等も司法・行政機関等に係属しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等もなされておらず、かつ、これらの具体的なおそれもないこと、④本公開買付契約に定める当社による表明及び保証がいずれも重要な点において真実かつ正確であること、⑤本公開買付契約に定める本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき当社の義務(注3)が、全ての重要な点において履行又は遵守されていること、⑥本公開買付契約に定める本公開買付けの撤回等が認められるべき事情(注4)が生じていないこと、⑦当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(同条第4項に定める意味を有します。)していないもの、又は、当社の株券等の公開買付け等の実施に関する事実及び中止に関する事実(法第167条第2項に定める意味を有します。)で公表(同条第4項に定める意味を有します。)されていないものが存在しないこと、及び⑧全ての本クリアランスの取得が完了していること(注5)。

(注2)本公開買付契約に基づく当社による表明及び保証の内容については、本意見表明プレスリリースの「4.公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」をご参照ください。

(注3)本公開買付契約に定める本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき当社の義務の内容については、本意見表明プレスリリースの「4.公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本公開買付契約」をご参照ください。

(注4)本公開買付契約に定める本公開買付けの撤回等が認められるべき事情は、法第27条の11第1項但書に定める当社又はその子会社の業務若しくは財産に関する重要な変更その他の公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情(令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ((i)当社が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び(ii)当社の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。)並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合に限り、本公開買付契約において企図されている事情を除きます。)とのことです。

(注5)公開買付者は、現地法律事務所による法的助言を踏まえ、本クリアランスの取得の完了に向けて、国内外(日本、米国、EU、ベトナム、モロッコ、台湾、トルコ、アルバニア、エジプト、ドイツ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、ブラジル、オーストラリア及びオーストリア)の競争法並びに国内外(日本、アメリカ合衆国、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、カナダ及び英国)の対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応を履践したとのことです。

2.本株式併合の割合

当社株式について、21,087,000株を1株に併合いたします。

3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法

①会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由

上記「1.本株式併合の目的及び理由」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付します。当該売却について、当社は、本株式併合が当社株式を非公開化することを目的とした本取引の一環として行われるものであること、及び当社株式が2025年12月2日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者親会社に売却することを予定しております。

この場合の売却額につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2025年12月3日時点の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である3,300円を乗じた金額に相当する金銭が、各株主の皆様に交付されるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。

②売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称

TKホールディングス株式会社(公開買付者親会社)

③売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性

公開買付者親会社は、本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を手元現預金及び出資により賄うことを予定しているとのことです。

当社は、公開買付者が2025年7月29日に提出した公開買付届出書(その後提出された公開買付届出書の訂正届出書により訂正された事項を含みます。)及び同書に添付された出資証明書を確認することによって、公開買付者親会社における資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者親会社によれば、当社株式の売却代金の支払の支障となる事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことです。

したがって、当社は、公開買付者親会社による本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。

④売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み

当社は、本株式併合の効力発生後、2025年12月中旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者親会社に売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2026年1月上旬を目途に当該当社株式を公開買付者親会社に売却し、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2026年3月頃を目途に当該売却代金を株主の皆様に対して交付することを見込んでおります。

当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。

(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

本株式併合においては、上記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「①会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、本株式併合の効力発生日の前日である2025年12月3日時点の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である3,300円を乗じた金額となる予定です。

以下の点を考慮した結果、当社取締役会は、本取引について本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格、本新株予約権買付価格、本米国預託証券買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様、本新株予約権者の皆様及び本米国預託証券保有者の皆様の利益にかなうものであり、本公開買付けは、当社の株主の皆様、本新株予約権者の皆様及び本米国預託証券保有者の皆様に対して、当社株式、本新株予約権及び本米国預託証券に係る合理的な売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

(ア)本公開買付価格は、本候補者が提出した最終提案書における提案価格のうち最も高い価格であること。

(イ)本公開買付価格は、下記「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための各措置が講じられた上で、本戦略特別委員会の十分な関与のもと、非公開化プロセスという競争環境が存在する中でKKRと長期に亘る十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。

(ウ)本公開買付価格が、当社が2025年3月28日付けでJPモルガン証券より取得した当社株式の株式価値に関する株式価値算定書における当社株式の価値算定結果のうち、(ⅰ)市場株価平均法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超えていること。また、当社がJPモルガン証券より、2025年3月28日付で、下記「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」「②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」「(iii) 本フェアネス・オピニオンの概要」に記載の前提条件のもと、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の意見書(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)を取得したこと。

(エ)本公開買付価格は、2025年3月28日の前営業日である2025年3月27日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年2月28日から2025年3月27日まで)、直近3ヶ月(2024年12月28日から2025年3月27日まで)、及び直近6ヶ月(2024年9月28日から2025年3月27日まで)の終値の単純平均値(3,190.0円、2,891円、2,850円及び2,319円。)に対していずれもプレミアム(3.45%、14.15%、15.79%及び42.30%)が付与されているところ、当社の株価は、本非公開化プロセスに関する最初の憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の終値(1,756.5円)から、当該憶測報道がなされた2024年12月10日の翌営業日である2024年12月11日の終値の終値(2,656.5円)にかけて51.24%の顕著な上昇をしており、本取引の実施に関する期待を相当程度織り込んでいるという見方が合理的であり、当該本非公開化プロセスに関する最初の憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2024年11月10日から2024年12月9日まで)、直近3ヶ月(2024年9月10日から2024年12月9日まで)、及び直近6ヶ月(2024年6月10日から2024年12月9日まで)の終値の単純平均値(1,756.5円、1,587円、1,567円及び1,608円。)に対していずれもプレミアム(87.87%、107.94%、110.59%及び105.22%)が付与されており、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事例74件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降、2025年3月17日までに公表された国内上場企業を対象としたもので、公開買付け未実施・不成立の事例を除きます。)における買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対するプレミアムの平均値・中央値(46.56%・41.97%)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値・中央値(49.68%・44.20%)、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値・中央値(52.21%・45.79%)及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値・中央値(52.17%・47.28%))と比較して、いずれも高い水準であるといえること。さらに、当社の株価は、本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025 年3月26日の終値(2,970.0円)から、当該憶測報道がなされた2025年3月27日の終値(3,190.0円)にかけて7.4%の上昇をしており、本取引の実施に関する期待を一層織り込んでいるという見方が合理的であるところ、本公開買付価格は、当該本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月(2025年2月27日から2025年3月26日まで)、直近3ヶ月(2024年12月27日から2025年3月26日まで)、及び直近6ヶ月(2024年9月27日から2025年3月26日まで)の終値の単純平均値(2,970.0円、2,872円、2,845円及び2,306円。)に対しても、いずれもプレミアム(11.11%、14.90%、15.99%及び43.10%)が付与されていること。

(オ)本公開買付価格は、下記「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「A.2025年3月28日付答申書」に記載のとおり、本特別戦略委員会から取得した2025年3月28日付答申書においても妥当であると判断されていること。

(カ)本新株予約権買付価格は、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額、本米国預託証券買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されているため、本公開買付価格と同様の理由で、新株予約権者及び本米国預託証券保有者の利益に十分な配慮がされたものといえること。

(キ)本公開買付期間について、公開買付期間を原則として21営業日とすることを予定しているものの、本公開買付けの開始予定の公表から実際の本公開買付けの開始までに4ヶ月程度を要することを見込んでいるため、当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株券等について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保されているといえること。

(ク)公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うことを予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることを明らかにしていること、本株式等売渡請求の場合は当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託証券が表章する本預託銀行に預託された米国預託株式(以下「本米国預託株式」といいます。)に係る当社株式の交付を受けた本米国預託証券保有者の皆様に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主の皆様に株式買取請求権及びこれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されており、これをもって強圧性が生じないように配慮されていること。

また、当社は、2025年7月28日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議した後、本臨時株主総会の招集を決定した2025年10月8日開催の取締役会に至るまでに、本取引に関する判断を変更すべき要因が生じていないことを確認しております。

以上のことから、本株式併合により生じる端数の処理により株主の皆様に交付されることが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。

(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

本株式併合は、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反状態が生じ得ること等を踏まえ、当社及び公開買付者は、本公開買付価格、本新株予約権買付価格及び本米国預託証券買付価格の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避するため、以下の措置を講じました。

以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

①複数の買い手候補先からの提案の受領と検討

当社は、本戦略特別委員会の助言のもと、本取引の検討において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続き等を含む。)を実施しております。当社は、入札手続きを通じて、複数の買い手候補先からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、買い手候補先間の競争環境の醸成・維持に努めてまいりました。

②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(i)算定機関の名称並びに上場会社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、本公開買付け価格を含む本取引に係る取引条件の公正性及び客観性を担保するための措置として、JPモルガン証券に対して、当社株式の価値の算定を依頼するとともに、本フェアネス・オピニオンの提出を依頼しました。JPモルガン証券は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であり、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者に該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るJPモルガン証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合でも当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系を採用するデメリットも勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではなく、また、当社にとっても一定の経済合理性があるとの判断のもと、上記の報酬体系によりJPモルガン証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

(ii)算定の概要

当社は、下記「(iii) 本フェアネス・オピニオンの概要」の注記に記載の前提条件のもと、2025年3月28日付けでJPモルガン証券より、当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。また、当社は、2025年3月28日付けでJPモルガン証券より、本公開買付価格が、当該前提条件のもと、当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。

JPモルガン証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社に市場株価が存在することから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を、それぞれ算定手法として用いて、当社株式の株式価値の算定を行っております。なお、本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンは、当社の取締役会が本取引を検討するにあたり、情報を提供し支援することのみを目的として作成されたものです。

JPモルガン証券が、上記の手法に基づいて算定して当社株式の1株当たりの株式価値のレンジは、以下のとおりです。

市場株価平均法:2,319円~3,190.0円

DCF法: 2,790円~3,512円

市場株価平均法では、基準日を2025年3月27日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値3,190.0円、直近1ヶ月間(2025年2月28日~2025年3月27日)の終値単純平均値2,891円、直近3ヶ月間(2024年12月28日~2025年3月27日)の終値単純平均値2,850円、及び直近6ヶ月間(2024年9月28日~2025年3月27日)の終値単純平均値2,319円を基に、当社の1株当たりの株式価値の範囲を2,319円~3,190円と算定しています。

DCF法では、当社グループの事業をポジショニング事業とアイケア事業に分類して価値評価を行う、サム・オブ・ザ・パーツ分析を実施し、各事業ごとに価値評価を行っております。ポジショニング事業については当社が本件に際して作成した2026年3月期から2031年3月期までの事業計画、アイケア事業については当社が本件に際して作成した2026年3月期から2033年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益計画及び投資計画(注1)を前提として、当社の各事業が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、各事業ごとの一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、各事業の事業価値を算定し、その各事業の事業価値を合算することで、当社の1事業価値を算定した上で、当社の1株当たりの株式価値の範囲を2,790円~3,512円と算定しております。なお、割引率は株主資本コストと負債コストを加重平均した加重平均資本コスト(WACC)を用い、その範囲としてポジショニング事業では8.0%~8.5%、アイケア事業では10.5%~11.0%を採用しております。継続価値(注2)の算定についてはポジショニング事業、アイケア事業の各事業において永久成長率法を採用し、各事業における中長期的な市場成長率、各国におけるGDP成長率及び物価上昇率等を考慮し、永久成長率をポジショニング事業では2.0%~3.0%、アイケア事業では2.5%~3.5%としております。

(注1)本事業計画においては、ポジショニング事業については2026年3月期から2031年3月期までの6年間を、アイケア事業については2026年3月期から2033年3月期までの8年間を対象期間としておりますが、これは、当社が合理的に予測可能、かつ、業績が平準化すると考えられるまでの期間が、ポジショニング事業においては6年間であると当社が判断したのに対し、今後、新規サービスの開発や新規市場の開拓を見込むアイケア事業においては、当該期間が8年間であると当社が判断したためです。

(注2)DCF法における各事業の事業計画期間の最終期時点における継続価値は以下のとおりです。

ポジショニング事業 アイケア事業
継続価値(単位:百万円) 158,251~197,333 391,316~475,461

本事業計画は、当社の経営陣により、本取引の取引条件の妥当性を客観的かつ合理的に検証することを目的として、本取引の実行に際して新たに作成されております。なお、江藤氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその所有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を原資として、公開買付者親会社の普通株式の取得を予定していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、本事業計画の策定に一切関与しておりません。

本事業計画のうち、ポジショニング事業においては、スマートインフラ事業における新製品の投入やアジア地域への販売拡大、ポジショニング・カンパニーにおける中小型建機・農機メーカー向けOEMの拡大等により、対象期間を通じて売上が増加することを見込んでいるほか、製造コストの削減やサプライチェーンの最適化、組織構造改革とそれに伴う販売費及び一般管理費の削減等により、対象期間を通じて営業利益率が拡大することを見込んでおります。アイケア事業においては、健診・検眼機器の新製品投入、Microsoft社とのパートナーシップを活用した2026年3月期以降のHealthcare from the Eye(注3)の立ち上げ、それに伴うOCTや眼底カメラ等のスクリーニング機器の販売拡大等により、対象期間を通じて売上が増加することを見込んでいるほか、収益性の高いソリューションビジネスの拡大、及び売上の増加に伴うスケールメリットの獲得により、対象期間を通じて営業利益率が拡大することを見込んでおります。

(注3)「Healthcare from the Eye」とは、AI等を活用した眼健診により、眼疾患以外の全身疾患を含めた診断を行い、疾患の早期発見及び医療費の削減を可能とするソリューションをいいます。Healthcare from the Eyeの実現により、眼科医のみならずかかりつけ医も含めた市場に対してスクリーニングビジネスを展開することが可能となります。

なお、本事業計画における財務予測は、本取引の実施を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であることから反映しておりません。本事業計画については、ポジショニング事業において大幅なフリー・キャッシュ・フローの増益を見込んでいる事業年度(2030年3月期において、前期比57.2%の増加)が含まれております。これは、ポジショニング事業における販売費及び一般管理費の継続的な削減努力により、当該事業年度のフリー・キャッシュ・フローの増加が見込まれているためです。また、アイケア事業においても、大幅な営業利益の増益を見込んでいる事業年度(2027年3月期、2029年3月期、2031年3月期において、それぞれ前期比85.9%、58.3%、36.8%の増加)が含まれております。これは、当該事業年度を含むアイケア事業の計画期間にわたり、顧客市場及びサービス領域の拡大による継続的な売上高の成長と営業利益率の改善が見込まれているためです。

本事業計画のうち、2026年3月期における財務予測は、2023年5月12日付で公表した当社中期経営計画において掲げた2026年3月期の計数計画(ポジショニング事業:売上高1,660億円、営業利益率16%以上、アイケア事業:売上高830億円、営業利益率10%以上)の一部を下回っております。これは、本事業計画が、上述の中期経営計画策定時点からの事業環境の変化や足元の業況を踏まえて、現状に即した客観的かつ合理的な財務予測として本取引の実行に際して新たに作成されたものであることによります。

なお、DCF法による算定の前提とした各事業ごとの当社の財務予測の数値は以下のとおりです。

ポジショニング事業(単位:百万円)

2026年

3月期
2027年

3月期
2028年

3月期
2029年

3月期
2030年

3月期
2031年

3月期
売上高 131,510 145,355 157,682 169,698 181,417 188,475
営業利益 9,091 11,079 13,317 15,308 16,666 17,460
EBITDA 21,617 24,592 26,169 24,621 29,690 26,305
フリー・キャッシュ・フロー 11,500 9,924 9,751 7,139 11,221 8,550

アイケア事業(単位:百万円)

2026年

3月期
2027年

3月期
2028年

3月期
2029年

3月期
2030年

3月期
2031年

3月期
2032年

3月期
2033年

3月期
売上高 87,798 106,125 124,856 140,699 155,532 177,485 200,581 223,019
営業利益 5,223 9,709 10,807 17,112 21,252 29,067 37,374 46,419
EBITDA 9,912 14,946 16,600 23,565 28,877 37,014 45,854 55,432
フリー・キャッシュ・フロー 2,691 5,719 5,909 11,880 15,681 17,925 23,253 29,540

(iii) 本フェアネス・オピニオンの概要

上記のとおり、当社は、2025年3月28日付けでJPモルガン証券より、本公開買付価格である1株当たり3,300円が、下記の注記に記載の前提条件のもと、当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地より妥当であると判断した旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。なお、本フェアネス・オピニオンは、当社から提出した事業計画その他財務情報の分析及び検討並びに当社及び本戦略特別委員会との質疑応答を経て、JP モルガン証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、本公開買付けに賛同するに至る経緯・背景に係る当社及び本戦略特別委員会との質疑応答、並びにJP モルガン証券内部の手続に従い、JP モルガン証券の投資銀行本部その他のプロフェッショナルにより構成されるコミッティーによる承認を経て、発行されております。

(注)JPモルガン証券は、本フェアネス・オピニオンに記載された意見の表明及びその基礎となる本株式価値算定書における当社株式の株式価値の算定を行うにあたり、公開情報、本戦略特別委員会、当社若しくは公開買付者から提供を受けた情報、又は本戦略特別委員会、当社若しくは公開買付者と協議した情報、及びJPモルガン証券が検討の対象とした、又はJPモルガン証券のために検討されたその他の情報等の一切が、正確かつ合理的で完全であることを前提としており、独自にその正確性、合理性、及び完全性について検証を行ってはいません。(また独自にその検証を行う責任も義務も負っていません。)。JPモルガン証券は、公開買付者又は当社及びその関連会社のいかなる資産及び負債についての評価又は査定も行っておらず、また、そのような評価又は査定の提供も受けておらず、さらに、JPモルガン証券は、倒産、支払停止又はそれらに類似する事項に関する適用法令の下での公開買付者又は当社の信用力についての評価も行っていません。JPモルガン証券は、当社から提出された、又はそれらに基づき算出された財務分析や予測に依拠するにあたっては、それらが、当該分析又は予測に関連する当社の将来の業績や財務状況に関する当社の経営陣の本株式価値算定書、及び本フェアネス・オピニオンの作成時点での最善の見積もりと判断に基づいて合理的に作成されていることを前提としています。そして、JPモルガン証券は、かかる分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提については、何ら見解を表明するものではありません。また、JPモルガン証券は、本公開買付けを含む本取引が、本公開買付契約に規定されたとおりに実施されること、並びに、本公開買付契約の最終版が、JPモルガン証券に提出されていたその文案と如何なる重要な点においても相違しないことを前提としています。また、JPモルガン証券は、本公開買付契約及び関連する合意文書内において、当社、公開買付者、公開買付親会社、KKR及びその関連会社によってなされた表明保証が、現在及び将来において、JPモルガン証券の分析とって重要な点において真実かつ正確であることを前提としています。 JPモルガン証券は、法務、当局による規制、税務、会計等の事項に係る専門家ではなく、それらの点については当社のアドバイザーの判断に依拠しているとのことです。さらに、JPモルガン証券は、本取引の実行に必要な全ての重要な政府、規制当局その他の者の同意又は許認可が、当社又は本取引の実行により期待される利益に悪影響を与えることなく取得されることも前提としています。

本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる算定結果は、必然的に、本フェアネス・オピニオンの日付時点でJPモルガン証券が入手している情報及び同日現在の経済、市場、その他の状況に基づいています。同日より後の事象により、本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる本株式価値算定書の算定結果が影響を受けることがありますが、JPモルガン証券はその分析及び意見を修正、変更又は再確認する義務は負いません。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、一定の前提条件の下、当社の普通株主(公開買付者、公開買付者親会社、KKR及びそれらの関係者を除きます。)にとって財務的見地から公正であることについての意見を表明するにとどまり、当社のいかなる種類の有価証券の保有者、債権者、その他の構成員にとって本公開買付価格が公正であることについての意見を述べるものではなく、また、本取引を実行するという当社の決定の是非について意見を述べるものではありません。また、本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる本株式価値算定書の算定結果は、当社又は当社の取締役会、買付者及び買付者の取締役会に対し、特定の買付価格について推奨するものではなく、また特定の買付価格が、唯一の適切な買付価格であることについて推奨するものではありません。さらに、JPモルガン証券は、本公開買付等のいかなる当事者の役員、取締役若しくは従業員、又はいかなる役職につく関係者についても、本取引における本公開買付価格に関連する報酬の金額又は性質に関して意見を述べるものではなく、又は当該報酬が公正であることに関して意見を述べるものではありません。JPモルガン証券は、将来において取引させる当社株式の価格に関し、意見を述べるものではありません。

当社からJPモルガン証券に対して提出された当社の事業計画及び財務予測(以下「本件財務予測等」といいます。)は、当社の経営陣により作成されています。なお、当社は、JPモルガン証券による本フェアネス・オピニオン及びその基礎となる当社株式の株式価値の算定に関連してJPモルガン証券に提出した本件財務予測等を、一般には公表しておらず、また、本件財務予測等は一般に公開することを目的としては作成されていません。本件財務予測等は、本質的に不確実であり、かつ当社の経営陣が制御できない多くの変数及び前提条件(一般経済、競争条件及び現行利子率に関係する要因を含みますが、これらに限られません。)に依拠しています。そのため、実際の業績は、本件財務予測等と大幅に異なる可能性があります。前記の本フェアネス・オピニオンに記載された意見の表明並びにその基礎となる当社株式の株式価値の算定の結果及びその算定の手法の概要は、JPモルガン証券が実施した又は参考にしたデータを全て記載したものではありません。本フェアネス・オピニオン及び本株式価値算定書は複雑な過程を経て作成されており、その分析結果の一部又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではありません。JPモルガン証券の分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、JPモルガン証券の分析及び意見の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得ることができない可能性があります。JPモルガン証券は、その意見を表明するに当たり、分析及び要因を総体的かつ全体的に考慮しており、特定の分析又は要因に特別な比重を置いておらず、また、個別に検討した各分析又は各要因についてそれぞれが JPモルガン証券の算定結果の根拠となったか又どの程度根拠となったかについての意見は述べていません。

JPモルガン証券は、本公開買付けを含む本取引に関する当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であり、かかるファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関としての業務の対価として当社から報酬を受領する予定ですが、当該報酬の相当部分は本公開買付けを含む本取引が実行された場合にのみ発生します。さらに、当社は、かかる業務に起因して生じ得る一定の債務についてJPモルガン証券を補償することに同意しています。本フェアネス・オピニオンの日付までの2年間において、JPモルガン証券及びその関係会社は、当社のために投資銀行業務を行い、JPモルガン証券及びその関係会社は通常の報酬を受領しています。当該期間中、JPモルガン証券又はその関係会社は、当社の財務アドバイザーを務めていますが、これ以外に当社のために重要な財務アドバイザリー業務その他の重要な商業銀行業務又は投資銀行業務を行っていません。また、当該期間中、JPモルガン証券及びその関係会社は、KKR及びその特定の関連会社やポートフォリオ企業のために商業銀行業務又は投資銀行業務を行い、JPモルガン証券及びその関係会社は通常の報酬を受領しています。かかる業務には、それらの企業に対する財務アドバイザリー業務、デットシンジケーション、デットの引受け、及びエクイティの引受けに係る業務が含まれます。さらに、JPモルガン証券の商業銀行である関係会社は、公開買付者、KKR及びその投資先企業のエージェント・バンクであり、未利用のレジット・ファシリティのレンダーであり、当該関係会社は当該業務に関して通常の報酬又はその他の金銭的な便益を受領しております。さらに、本フェアネス・オピニオンの日付までの2年間において、JPモルガン証券及びその関係会社は、JICCのために投資銀行業務を行い、JPモルガン証券及びその関係会社は通常の報酬を受領しています。かかる業務には、2024年6月に完了したJSR株式会社の買収におけるJICCの買い手側アドバイザーが含まれています。

また、JPモルガン証券及びその関係会社は、自己勘定で、当社及びKKRのそれぞれの発行済み普通株式の1%未満を保有しています。JPモルガン証券及びその関係会社は、その通常の業務において、当社、KKR及びそれらの関係会社が発行した債券、株式又は金融商品(デリバティブ、銀行ローンその他の債務を含みます。)の自己勘定取引又は顧客勘定取引を行うことがあり、したがって、JPモルガン証券及びその関係会社は随時、これらの有価証券の買持ちポジション又は売持ちポジションを保有する可能性があります。

③当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性、客観性及び適正性を担保すべく、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、長島・大野・常松法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。本戦略特別委員会は、当社が選任した法務アドバイザーにつき、独立性及び専門性に問題がないことを確認しております。

④当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

A. 2025年3月28日付答申書

(i) 設置等の経緯

上記「(1)本公開買付けを実施するに至った背景等」に記載のとおり、当社は、長期的な企業価値向上のための経営上の選択肢を検討するに当たっては、検討プロセスの公正さと透明性を確保することが重要であり、かつ、仮に非公開化の選択をする場合にはマネジメント・バイアウト(MBO)の方法により行われることも視野に入れ、スクイーズ・アウトを伴う取引となることを前提に、2024年7月30日開催の当社取締役会における決議により、公開買付者、その他の関係会社その他施行規則で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる、当社の社外取締役5名(山崎直子氏、稲葉善治氏、日髙直輝氏、寺本克弘氏、及び中井元氏)によって構成される、本戦略特別委員会を設置いたしました。なお、本戦略特別委員会の委員の報酬は、通常の役員報酬以外に、委員としての職務に関する報酬を受領する予定ですが、委員としての職務に関する報酬は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬であることから、本戦略特別委員会の委員の本取引の成否からの独立性も確保されております。また、当社は、江藤氏がマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化を進める旨の意向を本戦略特別委員会において表明したことを受け、本取引に係る提案がマネジメント・バイアウト(MBO)を前提として具体化されることに伴い、2025年1月30日開催の当社取締役会において、本戦略特別委員会に対して以下の各事項について諮問いたしました(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)。

① 本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

② 本取引の取引条件の妥当性

③ 本取引に係る手続の公正性

④ 本取引を行うことは当社の一般株主にとって不利益ではないか

⑤ 本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非

また、当社取締役会は、本諮問事項の諮問にあたり、(i)本戦略特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本戦略特別委員会が本取引の取引条件が妥当でなく、本取引に賛同すべきでないと判断した場合には、本取引に賛同しないこと、(ⅱ)本諮問事項の検討に必要な情報収集を行うこと(取締役、従業員その他本戦略特別委員会が必要と認める者への本戦略特別委員会への出席等)、(ⅲ)当社の費用負担にて本戦略特別委員会として独自に財務アドバイザー、法務アドバイザー、第三者評価機関その他のアドバイザーを指名又は選任すること(また、当社のアドバイザーにも専門的助言を求めることができること。)、(iv)公開買付者との交渉権限、及び(v)その他本諮問事項の検討に必要な事項に係る権限を付与することを併せて決議しております。

(ii) 検討の経緯

本戦略特別委員会は、2024年7月30日から2025年3月28日までの間に全17回の日程で開催され、本諮問事項に関する審議を行いました。

具体的には、本戦略特別委員会は、本株式価値算定書、本フェアネス・オピニオン、本取引に関する当社の意見表明に関するプレスリリース(以下「当社プレスリリース」といいます。)及び本公開買付契約のドラフトのほか、非公開化プロセスにおいて各本候補者から受領した提案書を含む、本取引の検討や本公開買付価格の交渉に関する一連の資料その他の本戦略特別委員会において配付された各種資料を検討いたしました。

また、本戦略特別委員会は、本諮問事項につき検討するため、本取引に関し、当社から複数回に亘り、当社における当社の事業に関する現状認識、本取引の意義・目的、本取引が当社に与える影響についてのヒアリングを実施いたしました。さらに、本戦略特別委員は、江藤氏からも、本取引の意義・目的、非公開化プロセスにおける本候補者との協議状況についてのヒアリングを実施しております。

また、本戦略特別委員は、当社から本事業計画について説明を受け、質疑応答を行うとともに、JPモルガン証券に対してヒアリングを実施し、当社株式の株式価値の算定方法及び評価プロセス並びに株式価値算定等に関する考察過程について詳細な説明を受けました。

このほか、本公開買付価格を含む本公開買付けの買付条件に関する交渉経緯については、非公開化プロセスの内容及び非公開化プロセスに係る当社と本候補者との交渉状況を含め、JPモルガン証券及び当社から本戦略特別委員に対して詳細な説明が行われました。本戦略特別委員からも当該説明の都度、交渉に関して意見を述べることで、交渉に主体的に関与しております。

これとは別に、本戦略特別委員会は、当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、本取引において想定されているスキーム、当社における意思決定プロセスにおいて講じている利益相反回避措置の内容及び運用状況、並びに本公開買付契約の交渉状況及びその内容について説明を聴取するとともに、本戦略特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から本戦略特別委員会の運営方法等について法的観点からの助言を受けております。

(iii) 判断内容

本戦略特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年3月28日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年3月28日付答申書を提出しております。

a.答申内容

1. 本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的である。

2. 本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されている。

3. 本取引に係る手続の公正性は確保されている。

4. 上記1.から3.までを踏まえ、本取引を行うことの決定は、当社の一般株主にとって不利益でないと考えられる。

5. 当社取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨することは、合理的であると考えられる。

なお、上記5.においては、諮問事項には明記されていない本新株予約権及び本米国預託証券に関する答申が含まれるが、本戦略特別委員会は、諮問事項5.の細目として本新株予約権者及び本米国預託証券保有者に対して応募を推奨することの是非が含まれるものと判断し、上記5.の答申を行っている。

b.答申理由

I.本取引の目的の合理性について

以下の点を考慮すれば、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められる。

・ 当社のさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには長期的・持続的な事業変革の推進が必要であるが、そのような事業変革は短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与え、短期的なスパンで業績を上げることが求められる資本市場においては十分な評価が得られない可能性がある。事業変革についての抜本的な取組を加速させるという目的の達成のためには、非公開化を行うことにより、パートナーとなる特定の株主と経営陣が一体となった経営体制を構築することも合理と考えられる。

・ 非公開化の中でも特にマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とすることについては、アイケア事業のソリューションビジネスのような様々なリスク管理が求められる新規事業を育てていくためには、高度な経営的な知見を有する体制で臨むことがとりわけ重要であり、当社の事業特性を熟知した江藤氏が本取引の後も当社の経営に関与して事業変革に取り組むことは当社の企業価値の向上にとって有益な選択肢であると考えられる。

・ KKRは、本取引後の経営方針について、当社の企業価値の源泉である、メーカーとしてのモノづくりの強みを守りつつ、同時に、ソリューションビジネスの拡大をグローバルで追求すること、及び各事業領域での持続的な事業成長を狙い、新規事業創出への適切な先行投資と再投資を実行すること、という当社の経営方針をサポートする考えであることを表明している。

・ このほか、本取引においてはJICCが当社に対する間接的なマイノリティ出資を行う予定であることから、宇宙・防衛事業を含む当社の事業に対してJICCから継続的な支援を受けることも期待できる。

・ 本取引に伴うデメリットについては、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが考えられるが、①の面では、当社の現在の財務状況等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないと考えられ、②の面では、当社が長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることからすれば、上場廃止による影響は限定的であると考えられ、本取引により期待されるメリットは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。

II.本取引の取引条件の妥当性

以下の点を考慮すれば、当社の一般株主からみて、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認められる。

ア.交渉状況の確保

本取引における合意は、本戦略特別委員会の主体的な関与の下、当社とKKRとの間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。

イ.株式価値算定と本公開買付価格の関係

(a) 事業計画

本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たって中心的な資料となるJPモルガン証券による算定結果は、本事業計画を基礎資料としているため、本戦略特別委員会は、本事業計画について、その策定手続(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容について、本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含めて確認した。

特に、アイケア事業については、ポジショニング事業と比べても各種の施策が結実するのに時間を要することが想定されるところ、両事業について同じ期間の計画とした場合には、アイケア事業についての将来性が適切に反映できない計画になる可能性があることから、本事業計画においては、ポジショニング事業は2031年3月期までの計画としているのに対して、アイケア事業については2033年3月期までの計画を策定している。このように、本事業計画は、当社の事業の実態と今後の展望に照らして、合理的な期間を事業ごとに設定するものであると認められる。

また、当社は、2025年1月30日に2025年3月期の業績予想を下方修正したことに加え、本件に関する最終入札手続の開始前に、足元における最新の業績や将来の見通しを踏まえて本事業計画の修正を行っている。これらの修正は、北米でのポジショニング事業の景況の回復が想定より遅れていること及び新規事業であるアイケア事業のソリューションビジネスの進捗の遅れ等の足元の状況を踏まえた合理的な見通しを反映したものであり、従前はより早い時期に実現できると考えていた事項について、当初の予想よりも成長に時間がかかることが見込まれることを理由に改めて精査を行ったものである。

このように、本事業計画の修正は、客観的な業績の進展等を踏まえた時点修正を行うものであって、恣意的に計画を押し下げたり修正前の事業計画で想定していた事業の内容を変更したりするものではないから、不合理なものとは認められない。

以上からすれば、本事業計画は、その策定手続及び内容について、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。

(b) 算定方法

本株式価値算定書の内容に関するJPモルガン証券の本戦略特別委員会に対する説明及び本戦略特別委員会との質疑応答に基づけば、JPモルガン証券が採用した算定方法である市場株価平均法及びDCF法は、本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、JPモルガン証券による各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められず、JPモルガン証券が上記各算定方法を用いて当社の株式価値を算定したことについて不合理な点は認められない。

JPモルガン証券は、市場株価平均法において、2025年3月27日を基準日として、基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用しているところ、市場株価平均法において基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用することは一般的であり、市場株価平均法による算定の内容に不合理な点は認められない。

また、JPモルガン証券は、DCF法において、当社グループの事業をポジショニング事業とアイケア事業に分類して価値評価を行う、サム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しているところ、上記イ(a)のとおり本事業計画は合理的な期間を事業ごとに設定しているものであること、アイケア事業においては新規事業であるソリューションビジネスを含んでいる点において、ポジショニング事業とは性質が異なることから、サム・オブ・ザ・パーツ分析を採用したことについて不合理な点は認められない。

DCF法の算定過程においても、まずフリー・キャッシュ・フローは、一般的な項目を加減算することで算定されており、本事業計画の財務数値とも整合していることから、合理的であり、割引率としてWACCの採用、その際のリスクフリーレート、エクイティ・リスク・プレミアム及びベータ値の数値の採用根拠及び継続価値について永久成長率法の採用についても、実務上も一般的な手法であると考えられ、不合理な点は認められない。

以上より、JPモルガン証券による算定の内容について不合理な点は認められない。

(c) 当社株式に関する株式価値評価

JPモルガン証券が作成した本株式価値算定書における各算定方法による当社株式の株式価値は下記のとおりである。

算定方法 1株当たり株式価値
市場株価平均法 2,319円~3,190.0円
DCF法 2,790円~3,512円

上記のとおり、本公開買付価格(1株当たり3,300円)は、(ⅰ)市場株価平均法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超えている。

(d) フェアネス・オピニオンの取得

当社は、2025年3月28日付けで、JPモルガン証券より、本フェアネス・オピニオンを取得している。

JPモルガン証券による当社の株式価値の算定結果に特に不合理な点は認められないこと等からすれば、本フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、本戦略特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。

(e) プレミアムの検討

本公開買付価格は、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

参照値 株価 プレミアム
終値 1,756.5円 87.87%
過去1ヶ月の平均終値 1,587円 107.94%
過去3ヶ月の平均終値 1,567円 110.59%
過去6ヶ月の平均終値 1,608円 105.22%

さらに、本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

参照値 株価 プレミアム
終値 2,970.0円 11.11%
過去1ヶ月の平均終値 2,872円 14.90%
過去3ヶ月の平均終値 2,845円 15.99%
過去6ヶ月の平均終値 2,306円 43.10%

また、本公開買付価格は、2025年3月27日(以下「公表直前日」という。)までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

参照値 株価 プレミアム
公表直前日の終値 3,190.0円 3.45%
公表直前日の過去1ヶ月の平均終値 2,891円 14.15%
公表直前日の過去3ヶ月の平均終値 2,850円 15.79%
公表直前日の過去6ヶ月の平均終値 2,319円 42.30%

本戦略特別委員会において参照した近時の同種事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2025年3月17日までに公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例のうち、成立した74件)のプレミアムは、以下のとおりである。

プレミアム 平均値 中央値
公表直前日の終値 46.56% 41.97%
公表直前日の過去1ヶ月の平均終値 49.68% 44.20%
公表直前日の過去3ヶ月の平均終値 52.21% 45.79%
公表直前日の過去6ヶ月の平均終値 52.17% 47.28%

以上を踏まえると、公表直前日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは、近時の同種事例のプレミアム水準より低いものの、当社株価の推移を踏まえると本非公開化プロセスに関する2度の憶測報道の影響は軽視すべきでなく、1度目の憶測報道日の前営業日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは近時の同種事例の平均値及び中央値を大きく上回るものであることから、本公開買付価格は同種事例と比較しても十分なプレミアムが付与されているものと認められる。

(f) 他の候補からの優位性

本取引は、入札手続である非公開化プロセスを経た上で、複数の候補先から提案を受けた中で選択された取引であるところ、KKRの提案を上回る公開買付価格で本取引を行う旨の最終提案を行った者は存在しなかった。

したがって、当社が本取引を実施することは、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の一般株主に最も有利な条件を選択したものであると考えられる。

ウ.スキーム等の妥当性等

本取引では、一段階目として金銭を対価とする本公開買付けを行い、本公開買付けの成立後、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズ・アウトを行うことが予定されているが、このスキームは金銭を対価とする点を含め、投資ファンドをスポンサーとするMBOにおいて一般的なものであり、当社の一般株主に対して不利益を及ぼすものではない。また、本公開買付契約のうち主要な事項(本公開買付けの開始の前提条件を含む。)について、長島・大野・常松法律事務所及び中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえて検討した結果、一般株主の利益を害するような合意はなされておらず、本公開買付契約に基づき本取引を実行することにつき、不合理な点は認められない。

本取引においては、江藤氏が、本取引後に公開買付者親会社の株式を引き受け、本公開買付けへの応募により取得した対価の範囲内で、その一部を公開買付者親会社に再出資すること(以下「本再出資」といいます。)が予定されているところ、本再出資における公開買付者親会社の株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格である3,300円とされる予定であり、本公開買付価格より低い価格による発行は行わない予定とのことである。本取引がMBOであることにも鑑みると、江藤氏が本取引後に本再出資を行うことには合理性が認められ、かつ、一般株主の利益を確保する観点からも、本再出資によって江藤氏に対する不公正な価値の移転が生じることは予定されておらず、本再出資の条件に不合理な点は認められない。

このような検討からすると、本取引のスキームは、妥当なものといえる。

エ.本新株予約権の買付価格の妥当性

本新株予約権買付価格は、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額と決定されているため、本新株予約権買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、新株予約権者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

オ. 本米国預託株式の買付価格の妥当性

また、本公開買付けにおいては、本米国預託証券が表章する本米国預託株式も対象となっているが、本米国預託株式の買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されていることからすれば、本戦略特別委員会は、本米国預託株式の買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、本米国預託証券保有者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

III.本取引に係る手続の公正性について

本取引に際して以下の措置が講じられていること、及びこれらの措置が実際に実効性をもって運用されていることを踏まえれば、本取引に係る手続きの公正性は確保されており、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

ア.本戦略特別委員会の設置 

当社は、公開買付者、その他の関係会社その他施行規則で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる、当社の独立社外取締役5名によって構成される本戦略特別委員会を設置している。各委員は、当社から、当社の社外取締役の独立性に関する基準に照らして独立性を有しており、いずれもKKRを含む本候補者との間で重要な利害関係を有しておらず、KKRを含む本候補者からの独立性も有しているものと認められる。また、各委員は、いずれも当社の社外取締役として、当社の事業内容等について相当程度の知見を有しているほか、各種分野において豊富な経験と高い見識を有していること等から、いずれも本諮問事項について検討する専門性・適格性を有すると考えられる。

本戦略特別委員会の委員は通常の役員報酬以外に、委員としての職務に関する報酬を受領する予定であるが、委員としての職務に関する報酬は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬であることから、本戦略特別委員会の委員の本取引の成否からの独立性も確保されている。

本戦略特別委員会は、(ⅰ)本戦略特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から本取引に係る意思決定の過程及び本戦略特別委員会の運営方法等について法的観点からの助言を受け、(ⅱ)当社から本事業計画について説明を受け、質疑応答を行い、(ⅲ)各本候補者からの意向表明書等の提案書を受領するとともに、本戦略特別委員会において、江藤氏との間で本取引の目的や各本候補者からの提案内容についての考え等について質疑応答を行い、(ⅳ)当社から本取引の目的等についての見解を聴取し、質疑応答を行い、(ⅴ)当社の第三者評価機関であるJPモルガン証券から当社の株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンについて報告を受け、質疑応答を行うとともに、(ⅵ)当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から当社プレスリリース及び本公開買付契約のドラフトの説明を受け、質疑応答を行うなど、十分な情報を取得している。

さらに、本公開買付けに係る公開買付価格等に関する交渉について、KKRを含む各本候補者からの公開買付価格に係る提案内容及び交渉状況について適時に情報共有を受け、JPモルガン証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討し、当該公開買付価格等に関する交渉方針について事前に協議の上承認するとともに、重要な交渉上の協議事項については意見を述べ、具体的な指示・要請等をする等して、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与している。

イ.当社における意思決定プロセス

当社の取締役のうち、江藤氏は、利益相反の疑いを回避する観点より、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していない。

ウ.外部専門家の専門的助言等の取得

(a) 法務アドバイザーからの助言の取得

本戦略特別委員会は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性、客観性及び合理性を確認するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。

また、当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性、客観性及び適正性を担保すべく、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。

(b) 第三者評価機関からの株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの取得

当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券から、当社株式の株式価値に係る本株式価値算定書を取得するとともに、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。

また、本戦略特別委員会は、JPモルガン証券の独立性と専門性・実績を確認した上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、価格交渉等において、必要に応じてJPモルガン証券が当社に対して提供した専門的助言について説明を受けている。

エ.マーケット・チェック

(a) 非公開化プロセスの実施

当社は、本戦略特別委員会の助言のもと、本取引の検討において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含む。)を実施している。当社は、入札手続を通じて、複数の買い手候補先からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、買い手候補先間の競争環境の醸成・維持に努めてきた。したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。

(b) 公開買付期間及び取引保護条項

本公開買付けの公開買付期間は原則21営業日とすることが予定されているものの、本公開買付けの開始予定の公表から実際の本公開買付けの開始までに3ヶ月以上を要することが見込まれている。本公開買付けが開始されるまでの当該期間を含めて考えれば、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。

また、本公開買付契約において、当社は、公開買付者との間で、一定の取引保護条項(当社の義務違反があった場合の違約金の定めを含む。)につき合意しているものの、①第三者が本公開買付価格を上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗公開買付け」という。)を開始した場合において、当該第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議、交渉又は合意を行うこと、及び②第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの真摯な提案を受領した場合において、当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うことは妨げられないとされている。さらに、本公開買付契約において、当社は、①第三者から対抗公開買付けが開始された場合(既に開始されている公開買付けが対抗公開買付けの要件を満たすこととなった場合を含む。以下同じ。)、又は対抗公開買付けの法的拘束力のある真摯な提案を受けた場合、公開買付者に対し、本公開買付価格の引上げについて協議を申し入れることができ、②公開買付者が一定期間内に本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げない場合には、当社は、本公開買付けに対する応募推奨意見を維持する義務を免れるものとされるとともに、対抗公開買付けに係る買付価格が本公開買付価格を5%以上上回る場合であって、一定期間内に公開買付者が本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げないときは、当社は、本戦略特別委員会の意見その他合理的な根拠に基づいて、本公開買付けに対する賛同意見を表明又は維持することにつき、当社の取締役の善管注意義務に違反する具体的な懸念があると合理的に認められることを条件として、本公開買付けに対する賛同意見を維持する義務を免れるものとされている。

以上からすれば、本公開買付けにおける取引保護条項は、対抗提案者により対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合の対抗提案者との協議等を妨げるものではなく、かつ、対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合に公開買付者が本公開買付価格の引上げに応じない場合に、一定の条件の下で、当社が本公開買付けに対する意見を変更することを可能とするものであることから、その内容は不合理なものではなく、間接的なマーケット・チェックの実施を過度に制限するものとは認められない。

オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ

本公開買付けにおける買付予定数の下限は52,861,561株と設定され、その旨が公表されるところ、かかる買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数(105,512,097株)から江藤氏が所有する当社株式の数(70,054株)を控除した株式数(105,442,043株)の過半数(52,721,022株。いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数)を上回るものとなる。

したがって、本公開買付けにおいては、一般株主にとって、実質的にマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合と同等の判断機会が確保されていると認められる。

カ.一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上

当社プレスリリースでは、本戦略特別委員会に関する情報及び株式価値算定に関する情報に加え、本取引を実施するに至ったプロセス等、当該時期に本取引を行うことを選択した背景・目的等、当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、当社とKKRとの間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関しても充実した情報開示が予定されている。

したがって、本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

キ.強圧性が生じないための配慮

本取引においては、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うこと、及び、本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請をすることが予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主及び本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることとされ、それが当社プレスリリースにおいて開示される予定である。

また、本株式等売渡請求の場合は当社の株主及び本新株予約権者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されている。

さらに、公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,561株(所有割合:50.10%)を買付予定数の下限として設定しているが、当該下限は、公開買付者により、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率を参考に、本公開買付けへの応募は行わないものの本臨時株主総会において賛成の議決権行使を行うことが見込まれる当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式数及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数に照らし、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回らない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な議決権数を確保できる水準として設定したとのことである。当該説明に特に不合理な点は認められず、本公開買付けが成立した場合には、少なくとも本株式併合によるキャッシュ・アウトが行われることが実質的に保障されていることから、強圧性の問題は回避されているものと考えられる。

したがって、本取引においては、強圧性が生じないための配慮がなされているものと認められる。

IV.本諮問事項4.及び5.について

上記のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められること、本取引に係る取引条件の公正性・妥当性は確保されていると認められること、本取引においては、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められることから、当社取締役会が、本公開買付けについて賛同するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者に対して、本公開買付に応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を決定することは、当社の一般株主にとって不利益ではないと考えられる。加えて、本公開買付けが成立した後、当社の株主を公開買付者のみとするために、当社取締役会が本スクイーズ・アウト手続を実施することを決定することは、当社の一般株主(すなわち少数株主)にとって不利益なものではないと考えられる。また、上記と同様の理由により、本諮問事項5.についても、当社取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者に対して、本公開買付に応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨することは、合理的であると考えられる。

B. 2025年4月16日付追加答申書

(i) 検討の経緯

本戦略特別委員会は、追加の答申を行うに際して、2025年4月16日に戦略特別委員会を、委員5名全員の出席のもとで開催し、審議を行いました。

これにあたり、本戦略特別委員会は、(ⅰ)当社プレスリリースの一部変更に係る2025年4月16日付プレスリリースについての2025年4月16日付追加答申書作成時点でのドラフト、(ⅱ)本取引が公表された2025年3月28日(以下「公表日」といいます。)から2025年4月16日付追加答申書作成日に至るまでの本取引に関する資料(KKRから提出を受けた報告資料を含む。)その他の本戦略特別委員会に報告された各種資料を検討いたしました。

(ii) 判断内容

本戦略特別委員会は、以上の経緯の下で、2025年4月16日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年4月16日付追加答申書を提出しております。

a.答申内容

2025年3月28日付答申書の提出後、2025年4月16日付追加答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、2025年3月28日付答申書において表明した本戦略特別委員会の意見に変更はない。

b.追加答申理由

I.本取引の目的の合理性

以下の点を考慮すれば、本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む本取引の目的の合理性について、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

・ 本取引のストラクチャーについて、VACがその所有する当社株式の全部を本公開買付けに応募するとともに、VACによるKKRファンドに対する出資が新たに予定されている。

・ KKRファンドがVACから本LP持分取得を受ける理由は、VACが中長期的に当社株式を所有しており、当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことからKKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮したものとのことであるが、本LP持分取得によりVACが取得する持分は、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分であり、VACは公開買付者親会社、公開買付者又は当社の議決権を取得するものではなく、かつ、VACによる公開買付者親会社、公開買付者又は当社への取締役の派遣は予定されていないことから、VACが本取引完了後の当社の意思決定に関与することは想定されていない。本取引後に想定されるKKRによるサポート及びJICCから継続的な支援にも変更はなく、本LP持分取得が行われたとしても、MBOとしての本取引によって想定される当社の企業価値向上の前提に変更はないから、2025年3月28日付答申書における本戦略特別委員会の判断を変更すべき事情はない。

・ VACによる本公開買付けへの応募は、当社の企業価値向上に資する本取引の確度を高めるものであると評価できる。

・ 公表日以降、当社の事業価値を減少させるような事態が新たに生じたこともない。

II.本取引の取引条件の妥当性

以下の点を考慮すれば、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらず、当社の一般株主からみて、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は引き続き確保されていると認められる。

・ 本取引の条件の妥当性に関して、当社は、現状、本事業計画を変更する予定はなく、本事業計画を基礎としてJPモルガン証券が作成した本株式価値算定書のアップデートも行われていない。この点、公表日以降、当社の事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していないことからすれば、本事業計画について変更を行う必要は認められず、本株式価値算定書のアップデートを行う必要も認められない。

・ 当社がJPモルガン証券から取得した本フェアネス・オピニオンは、2025年4月16日付追加答申書提出日においても維持されている。

・ 上記に加え、(ⅰ) 本LP持分取得におけるKKRファンドのリミテッド・パートナー持分の払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格である3,300円にする予定であり、本公開買付けへの応募及び本LP持分取得によってVACが当社の少数株主とは異なる利益を享受する取引とはなっていないこと、(ⅱ)公表日以降、2025年4月16日付追加答申書提出日までの間、当社の市場株価は本公開買付価格を下回る価格で推移しており、本公開買付価格の妥当性について市場株価との関係で特段の検討を要する事態は生じていないことも認められる。

III.本取引に係る手続の公正性

本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保については、2025年3月28日付答申書において、本公開買付けの買付予定数の下限は52,861,561株と設定されているところ、かかる買付予定数の下限は、潜在株式勘案後株式総数から江藤氏が所有する当社株式の数を控除した株式数の過半数を上回ることから、実質的にマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合と同等の判断機会が確保されていると判断した。

この点、本LP持分取得が新たに予定されていることから、VACは買収者であるKKRと重要な利害関係を共通にする株主に該当することとなる。VACが所有する当社株式の数(15,425,800株、所有割合:14.62%)を考慮すると、本公開買付けの買付予定数の下限に変更はないことから、本公開買付けの買付予定数の下限は、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準を下回ることになる。

ただし、M&A指針において、買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等が指摘されているところである。本取引は、支配株主による従属会社の買収とは異なるものの、本取引においても、本公開買付けの買付予定数を、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準に引き上げることにより、公正・妥当な価格での一般株主による当社株式等の売却の機会が阻害されるおそれは完全には否定できない。

また、本取引においては、(ⅰ)本戦略特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅵ)強圧性が生じないための配慮といった各公正性担保措置が、2025年4月16日付追加答申書作成日時点において、いずれも変更されておらず、引き続き有効に機能しているものと判断できる。したがって、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しなくても、他の充実した公正性担保措置によってこれを補い、全体として取引条件の公正さが担保されていると認められる。

以上からすれば、本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保についても、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

C. 2025年7月28日付追加答申書

(i) 検討の経緯

本戦略特別委員会は、追加の答申を行うに際して、2025年7月28日に戦略特別委員会を、委員5名全員の出席のもとで開催し、審議を行いました。

これにあたり、本戦略特別委員会は、(ⅰ)当社の2025年7月28日付のプレスリリース「MBOの実施の一環としてのTK株式会社による当社株券等に対する公開買付けの開始並びに株式会社KKRジャパン及びJICキャピタル株式会社の資本参画に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」についての2025年7月28日付追加答申書作成時点でのドラフト、(ⅱ)2025年4月16日付追加答申書の作成日から2025年7月28日付追加答申書作成日に至るまでの本取引に関する資料その他の本戦略特別委員会に報告された各種資料を検討いたしました。

(ii) 判断内容

本戦略特別委員会は、以上の経緯の下で、2025年7月28日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年7月28日付追加答申書を提出しております。

a. 諮問事項の確認

2025年3月28日付答申書に記載の、本戦略特別委員会が当社の取締役会より諮問を受けた事項は、以下のとおりである。なお、2025年7月22日に施行された株式会社東京証券取引所における有価証券上場規程等の一部改正(MBO等に係る遵守事項に関する改正。以下「本制度改正」といいます。)に伴い、2025年7月28日付追加答申書においては、本諮問事項のうち、諮問事項2.において「本取引の取引条件の妥当性」とあるのは「本取引の取引条件の公正性」と、諮問事項4.において「本取引を行うことは当社の一般株主にとって不利益ではないか」とあるのは「本取引を行うことは当社の一般株主にとって公正なものであるか」と、それぞれ読み替えるものとする。

① 本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

② 本取引の取引条件の公正性

③ 本取引に係る手続の公正性

④ 本取引を行うことは当社の一般株主にとって公正なものであるか

⑤ 本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非

b.答申内容

2025年3月28日付答申書の提出後、2025年7月28日付追加答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書における答申の内容を変更する必要はないことから、以下のとおり答申する。

1. 本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的である。

2. 本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されている。

3. 本取引に係る手続の公正性は確保されている。

4. 上記1.から3.までを踏まえ、本取引を行うことの決定は、当社の一般株主にとって公正なものであると考えられる。

5. 当社取締役会が、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券保有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨することは、合理的であると考えられる。

なお、上記5.においては、諮問事項には明記されていない本新株予約権及び本米国預託証券に関する答申が含まれるが、本戦略特別委員会は、諮問事項5.の細目として、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者に対して応募を推奨することの是非が含まれるものと判断し、上記5.の答申を行っている。

c.追加答申理由

I.本取引の公表後に生じた各種事情

まず、本取引が公表された2025年3月28日(以下「公表日」という。)以降、2025年4月16日に、本取引のストラクチャーに関する一部変更(本応募契約(VAC)が締結された旨及び本LP持分取得が実施される予定であること)が公表された。これを受けて、当委員会は、これら公表日以降2025年4月16日に至るまでの事情を勘案して検討しても、2025年3月28日付答申書において表明した当委員会の意見に変更はない旨を、2025年4月16日付答申書において答申した。

次いで、2025年4月16日付追加答申書の提出後、さらに下記の事情が生じたことが認められる。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出以降、本取引のストラクチャーに関して、新たに以下の契約がそれぞれ締結された。

・ KKRファンドと江藤氏との間の、本取引後の当社の経営等に関して規定する2025年7月28日付経営委任契約書(以下「本経営委任契約」といいます。)

・ 公開買付者とJICCファンドとの間の、本出資の条件、A種優先株式及びB種優先株式の概要、本取引後の公開買付者親会社、公開買付者及び当社の運営並びに公開買付者親会社の株式の取扱い等に関して規定する2025年7月28日付株主間契約書(以下「本株主間契約」といいます。)

・ 本応募契約(VAC)について当事者を追加する2025年6月3日付変更覚書

・ 本LP持分取得契約(VAC)

・ 2025年4月16日に公表済みである本取引のストラクチャーの一部変更、上記で記載した各契約の締結及び当社が所有する自己株式数の変動に伴う本公開買付けにおける買付予定数の下限の変更(52,861,561株から52,861,519株への変更)を除き、本取引の取引条件に変更は生じていない。とりわけ、本公開買付価格については変更がない。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出以降、公開買付者による国内外の競争法及び対内直接投資に係る法令に基づく必要な手続及び対応が進められているところ、その中で、本取引の実行の障害となるような特段の問題は生じていない。また、本クリアランスの取得は、未取得クリアランスを除いて2025年7月29日までに完了し、未取得クリアランスについても、未取得クリアランスの取得により必要となる本公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書の提出によっても、金融商品取引法第27条の8第8項に基づく本公開買付期間の延長が必要とならない期限である2025年8月26日までに全て取得が完了する見込みである。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出日以降、2025年7月28日付追加答申書提出日までの間に、当社の事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していない。

・ 当社の2025年3月期の連結業績は、当社が2025年1月30日に公表した連結業績予想値を上回って着地したが、かかる2025年3月期の業績を踏まえても、現状、JPモルガン証券による算定の基礎となった2026年3月期以降を対象とする本事業計画(ポジショニング事業は2031年3月期までの計画。アイケア事業については2033年3月期までの計画。)について変更する予定はなく、また、変更をする必要もないと判断している。

・ 2025年4月16日付追加答申書の提出日以降、2025年7月28日付追加答申書提出日までの間、当社の市場株価は本公開買付価格を下回る価格で推移している。また、本公開買付けに対するより高い買付価格での対抗提案その他の本公開買付価格の公正性に疑義を差し挟ませるような事象は生じていない。

II.本取引の目的の合理性

本経営委任契約は、従前締結されていたKKRファンドと江藤氏との間の、本取引後の当社の経営等に関して規定する経営委任契約の主要条件に関する2025年3月28日付合意書と同旨の契約であり、本株主間契約についても、従前締結されていた2025年3月28日付の本合意書(JICC)と同旨の契約である。また、本応募契約(VAC)の変更覚書及び本LP持分取得契約(VAC)も、従前締結されていた2025年4月16日付の本応募契約(VAC)に比べ、当社に影響する部分については変更がない。このほか、公表日に本取引が公表されて以降、本取引の実施に向けて各種作業が進む中で、当社の事業価値を減少させるような事象が新たに生じたこともなく、本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む本取引の目的の合理性について、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。したがって、2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書に記載の以下の理由のとおり、2025年7月28日付追加答申書作成日現在においても、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理的であると認められる。

・ 当社のさらなる成長及び企業価値向上を実現するためには長期的・持続的な事業変革の推進が必要であるが、そのような事業変革は短期的には当社グループの収益及びキャッシュ・フローに悪影響を与え、短期的なスパンで業績を上げることが求められる資本市場においては十分な評価が得られない可能性がある。事業変革についての抜本的な取組を加速させるという目的の達成のためには、非公開化を行うことにより、パートナーとなる特定の株主と経営陣が一体となった経営体制を構築することも合理と考えられる。

・ 非公開化の中でも特にマネジメント・バイアウト(MBO)を前提とすることについては、アイケア事業のソリューションビジネスのような様々なリスク管理が求められる新規事業を育てていくためには、高度な経営的な知見を有する体制で臨むことがとりわけ重要であり、当社の事業特性を熟知した江藤氏が本取引の後も当社の経営に関与して事業変革に取り組むことは当社の企業価値の向上にとって有益な選択肢であると考えられる。

・ KKRは、本取引後の経営方針について、当社の企業価値の源泉である、メーカーとしてのモノづくりの強みを守りつつ、同時に、ソリューションビジネスの拡大をグローバルで追求すること、及び各事業領域での持続的な事業成長を狙い、新規事業創出への適切な先行投資と再投資を実行すること、という当社の経営方針をサポートする考えであることを表明している。

・ このほか、本取引においてはJICCが当社に対する間接的なマイノリティ出資を行う予定であることから、宇宙・防衛事業を含む当社の事業に対してJICCから継続的な支援を受けることも期待できる。

・ 本取引に伴うデメリットについては、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが考えられるが、①の面では、当社の現在の財務状況等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、少なくとも当面の間その必要性は高くないと考えられ、②の面では、当社が長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることからすれば、上場廃止による影響は限定的であると考えられ、本取引により期待されるメリットは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。

・ VACによる本LP持分取得の理由は、VACが中長期的に当社株式を所有しており当社の事業や企業価値向上策について一定の知見を有しているものと考えられたことから、KKRとしてもVACからそのような知見の共有を受けられることを考慮したものとのことであるが、本LP持分取得によりVACが取得する持分は、KKRファンドのリミテッド・パートナー持分であり、VACは公開買付者親会社、公開買付者又は当社の議決権を取得するものではなく、かつ、VACによる公開買付者親会社、公開買付者又は当社への取締役の派遣は予定されていないことから、VACが本取引完了後の当社の意思決定に関与することは想定されていない。本取引後に想定されるKKRによるサポート及びJICCから継続的な支援にも変更はなく、本LP持分取得が行われたとしても、MBOとしての本取引によって想定される当社の企業価値向上の前提に変更はない。

III.本取引の取引条件の公正性

本取引の条件の公正性に関して、当社は、現状、本事業計画を変更する予定はなく、本事業計画を基礎としてJPモルガン証券が作成した本株式価値算定書のアップデートも行われていないところ、公表日以降、当社の事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していないことからすれば、本事業計画について変更を行う必要は認められず、本株式価値算定書のアップデートを行う必要も認められない。また、当社がJPモルガン証券から取得した本フェアネス・オピニオンは、2025年7月28日付追加答申書提出日においても維持されていることから、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。したがって、取引条件の公正性に関して2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書で述べた答申の根拠とした事情を含め、本制度改正も敷衍して検討を行った結果として、2025年7月28日付追加答申書提出日時点において、以下の理由により、当社の一般株主からみて、本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認める。

ア. 取引条件の公正性に関する目線

次のイ.以下で述べるような諸般の事情を総合考慮すれば、本公開買付価格は、本取引を前提としないスタンドアローン・ベースの株式価値(すなわち現時点における当社株式の価値)に加えて、M&A指針のいう「M&Aを行わなければ実現できない価値」のしかるべき部分を少数株主に享受する水準にあるものと考える。

イ. 交渉の過程

本取引における合意は、本戦略特別委員会の主体的な関与の下、当社とKKRとの間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。具体的には、本戦略特別委員会は、(ⅰ)2024年7月30日に開催した本戦略特別委員会において、本取引を実施するに当たって入札手続を実施することについて承認し、これを受けて実施された非公開化プロセスの中で各候補者から寄せられた提案の内容についても、当社の更なる企業価値の向上及び当社の株主の利益最大化の観点から精査を行い、(ⅱ)2025年1月には、マネジメント・バイアウト(MBO)を前提とした当社の非公開化を実施する前提で、本最終入札手続を実施することについても承認し、(ⅲ)本最終入札手続における提案内容も総合的に比較・検討し(かかる比較・検討に当たっては、本最終候補者の提案内容を所与の前提とはせず、当社や江藤氏に対して、本最終候補者からの提案内容の実現可能性及び合理性並びに本最終候補者の当社事業に関する理解の正確性等について質疑応答を実施し、批判的な検証も行っている)、KKRの提案価格が当社株式1株当たり3,300円と他の本最終候補者と比べてより高額であること等を踏まえ、2025年3月3日、KKRを最終候補先として選定した上で、同年3月21日を期限とする独占交渉権を付与することを承認し、(ⅳ)独占交渉権に係る独占交渉期間中も本公開買付契約の条件交渉等を通じて本取引の実施に向けた検討を継続的に行い、2025年3月28日に開催された本戦略特別委員会において、本取引の取引条件の公正性を含め、本取引を行うことの決定が当社の一般株主にとって不利益でないと考えられる旨を答申した。

ウ. 株式価値算定と本公開買付価格の関係

(a) 事業計画

本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たって中心的な資料となるJPモルガン証券による算定結果は、本事業計画を基礎資料としているため、本戦略特別委員会は、本事業計画について、その策定手続(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容について、本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含めて確認した。

特に、アイケア事業については、ポジショニング事業と比べても各種の施策が結実するのに時間を要することが想定されるところ、両事業について同じ期間の計画とした場合には、アイケア事業についての将来性が適切に反映できない計画になる可能性があることから、本事業計画においては、ポジショニング事業は2031年3月期までの計画としているのに対して、アイケア事業については2033年3月期までの計画を策定している。このように、本事業計画は、当社の事業の実態と今後の展望に照らして、合理的な期間を事業ごとに設定するものであると認められる。

また、当社は、2025年1月30日に2025年3月期の業績予想を下方修正したことに加え、本最終入札手続の開始前に、足元における最新の業績や将来の見通しを踏まえて本事業計画の修正を行っている。これらの修正は、北米でのポジショニング事業の景況の回復が想定より遅れていること及び新規事業であるアイケア事業のソリューションビジネスの進捗の遅れ等の足元の状況を踏まえた合理的な見通しを反映したものであり、従前はより早い時期に実現できると考えていた事項について、当初の予想よりも成長に時間がかかることが見込まれることを理由に改めて精査を行ったものである。

このように、本事業計画の修正は、客観的な業績の進展等を踏まえた時点修正を行うものであって、恣意的に計画を押し下げたり修正前の事業計画で想定していた事業の内容を変更したりするものではないから、不合理なものとは認められない。

以上からすれば、本事業計画は、その策定手続及び内容について、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。

(b) 算定方法

本株式価値算定書の内容に関するJPモルガン証券の本戦略特別委員会に対する説明及び本戦略特別委員会との質疑応答に基づけば、JPモルガン証券が採用した算定方法である市場株価平均法及びDCF法は、本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、JPモルガン証券による各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められず、JPモルガン証券が上記各算定方法を用いて当社の株式価値を算定したことについて不合理な点は認められない。

JPモルガン証券は、市場株価平均法において、2025年3月27日を基準日として、基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用しているところ、市場株価平均法において基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用することは一般的であり、市場株価平均法による算定の内容に不合理な点は認められない。

また、JPモルガン証券は、DCF法において、当社グループの事業をポジショニング事業とアイケア事業に分類して価値評価を行う、サム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しているところ、上記イ(a)のとおり本事業計画は合理的な期間を事業ごとに設定しているものであること、アイケア事業においては新規事業であるソリューションビジネスを含んでいる点において、ポジショニング事業とは性質が異なることから、サム・オブ・ザ・パーツ分析を採用したことについて不合理な点は認められない。

DCF法の算定過程においても、まずフリー・キャッシュ・フローは、一般的な項目を加減算することで算定されており、本事業計画の財務数値とも整合していることから、合理的であり、割引率としてWACCの採用、その際のリスクフリーレート、エクイティ・リスク・プレミアム及びベータ値の数値の採用根拠及び継続価値について永久成長率法の採用についても、実務上も一般的な手法であると考えられ、不合理な点は認められない。

以上より、JPモルガン証券による算定の内容について不合理な点は認められない。

(c) 当社株式に関する株式価値評価

JPモルガン証券が作成した本株式価値算定書における各算定方法による当社株式の株式価値は下記のとおりである。

算定方法 1株当たり株式価値
市場株価平均法 2,319円~3,190.0円
DCF法 2,790円~3,512円

上記のとおり、本公開買付価格(1株当たり3,300円)は、(ⅰ)市場株価平均法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超えている。

(d) フェアネス・オピニオンの取得

当社は、2025年3月28日付けで、JPモルガン証券より、本フェアネス・オピニオンを取得している。

JPモルガン証券による当社の株式価値の算定結果に特に不合理な点は認められないこと等からすれば、本フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、本戦略特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。

(e) プレミアムの検討

本公開買付価格は、本非公開化プロセスに関する憶測報道がなされた2024年12月10日の前営業日である2024年12月9日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

参照値 株価 プレミアム
終値 1,756.5円 87.87%
過去1ヶ月の平均終値 1,587円 107.94%
過去3ヶ月の平均終値 1,567円 110.59%
過去6ヶ月の平均終値 1,608円 105.22%

さらに、本非公開化プロセスに関する2度目の憶測報道がなされた2025年3月27日の前営業日である2025年3月26日までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

参照値 株価 プレミアム
終値 2,970.0円 11.11%
過去1ヶ月の平均終値 2,872円 14.90%
過去3ヶ月の平均終値 2,845円 15.99%
過去6ヶ月の平均終値 2,306円 43.10%

また、本公開買付価格は、2025年3月27日(以下「公表直前日」という。)までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記のプレミアムを加えた金額となっている。

参照値 株価 プレミアム
公表直前日の終値 3,190.0円 3.45%
公表直前日の過去1ヶ月の平均終値 2,891円 14.15%
公表直前日の過去3ヶ月の平均終値 2,850円 15.79%
公表直前日の過去6ヶ月の平均終値 2,319円 42.30%

本戦略特別委員会において参照した近時の同種事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2025年3月17日までに公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例のうち、成立した74件)のプレミアムは、以下のとおりである。

プレミアム 平均値 中央値
公表直前日の終値 46.56% 41.97%
公表直前日の過去1ヶ月の平均終値 49.68% 44.20%
公表直前日の過去3ヶ月の平均終値 52.21% 45.79%
公表直前日の過去6ヶ月の平均終値 52.17% 47.28%

以上を踏まえると、公表直前日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは、近時の同種事例のプレミアム水準より低いものの、当社株価の推移を踏まえると本非公開化プロセスに関する2度の憶測報道の影響は軽視すべきでなく、1度目の憶測報道日の前営業日を基準とした本公開買付価格のプレミアムは近時の同種事例の平均値及び中央値を大きく上回るものであることから、本公開買付価格は同種事例と比較しても十分なプレミアムが付与されているものと認められる。

(f) 他の候補からの優位性

本取引は、入札手続である非公開化プロセスを経た上で、複数の候補先から提案を受けた中で選択された取引であるところ、KKRの提案を上回る公開買付価格で本取引を行う旨の最終提案を行った者は存在しなかった。

したがって、当社が本取引を実施することは、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、当社の一般株主に最も有利な条件を選択したものであると考えられる。

エ. スキーム等の公正性

本取引では、一段階目として金銭を対価とする本公開買付けを行い、本公開買付けの成立後、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズ・アウトを行うことが予定されているが、このスキームは金銭を対価とする点を含め、投資ファンドをスポンサーとするMBOにおいて一般的なものであり、当社の一般株主に対して不利益を及ぼすものではない。また、本公開買付契約のうち主要な事項(本公開買付けの開始の前提条件を含む。)について、長島・大野・常松法律事務所及び中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえて検討した結果、一般株主の利益を害するような合意はなされておらず、本公開買付契約に基づき本取引を実行することにつき、不合理な点は認められない。

本取引においては、江藤氏が、本取引後に公開買付者親会社の株式を引き受け、本公開買付けへの応募により取得した対価の範囲内で、本再出資を行うことが予定されているところ、本再出資における公開買付者親会社の株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格である3,300円とされる予定であり、本公開買付価格より低い価格による発行は行わない予定とのことである。本取引がMBOであることにも鑑みると、江藤氏が本取引後に本再出資を行うことには合理性が認められ、かつ、一般株主の利益を確保する観点からも、本再出資によって江藤氏に対する不公正な価値の移転が生じることは予定されておらず、本再出資の条件に不合理な点は認められない。

このような検討からすると、本取引のスキームは、公正・妥当なものといえる。

オ. 本新株予約権の買付価格の公正性

本新株予約権買付価格は、本公開買付価格である3,300円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額と決定されているため、本新株予約権買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、新株予約権者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

カ. 本米国預託株式の買付価格の公正性

また、本公開買付けにおいては、本米国預託証券が表章する本米国預託株式も対象となっているが、本米国預託株式の買付価格は、本公開買付価格である3,300円と同額と決定されていることからすれば、当委員会は、本米国預託株式の買付価格についても、本公開買付価格と同様の理由で、本米国預託証券保有者の利益に十分な配慮がされたものと考える。

IV.本取引に係る手続の公正性

2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書で指摘した、(ⅰ)戦略特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことの合理性、(ⅵ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅶ)強圧性が生じないための配慮の各項目は、いずれも2025年7月28日付追加答申書作成日時点においても変更されておらず、引き続き維持されているものと判断したことから、本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保についても、2025年3月28日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

したがって、2025年3月28日付答申書及び2025年4月16日付追加答申書に記載の以下の理由により、2025年7月28日付追加答申書作成日現在においても、本取引に係る手続の公正性は確保されており、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

ア. 戦略特別委員会の設置

当社は、公開買付者、その他の関係会社その他施行規則で定める者からの独立性及び取引の成否からの独立性がいずれも認められる、当社の独立社外取締役5名によって構成される本戦略特別委員会を設置している。各委員は、当社から、当社の社外取締役の独立性に関する基準に照らして独立性を有しており、いずれもKKRを含む本候補者との間で重要な利害関係を有しておらず、KKRを含む本候補者からの独立性も有しているものと認められる。また、各委員は、いずれも当社の社外取締役として、当社の事業内容等について相当程度の知見を有しているほか、各種分野において豊富な経験と高い見識を有していること等から、いずれも本諮問事項について検討する専門性・適格性を有すると考えられる。

本戦略特別委員会の委員は通常の役員報酬以外に、委員としての職務に関する報酬を受領する予定であるが、委員としての職務に関する報酬は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬であることから、本戦略特別委員会の委員の本取引の成否からの独立性も確保されている。

本戦略特別委員会は、(ⅰ)本戦略特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から本取引に係る意思決定の過程及び本戦略特別委員会の運営方法等について法的観点からの助言を受け、(ⅱ)当社から本事業計画について説明を受け、質疑応答を行い、(ⅲ)各本候補者からの意向表明書等の提案書を受領するとともに、本戦略特別委員会において、江藤氏との間で本取引の目的や各本候補者からの提案内容についての考え等について質疑応答を行い、(ⅳ)当社から本取引の目的等についての見解を聴取し、質疑応答を行い、(ⅴ)当社の第三者評価機関であるJPモルガン証券から当社の株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンについて報告を受け、質疑応答を行うとともに、(ⅵ)当社の法務アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から2025年3月28日付の本取引に係る当社プレスリリース及び本公開買付契約のドラフトの説明を受け、質疑応答を行うなど、十分な情報を取得している。

さらに、本公開買付けに係る公開買付価格等に関する交渉について、KKRを含む各本候補者からの公開買付価格に係る提案内容及び交渉状況について適時に情報共有を受け、JPモルガン証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討し、当該公開買付価格等に関する交渉方針について事前に協議の上承認するとともに、重要な交渉上の協議事項については意見を述べ、具体的な指示・要請等をする等して、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与している。

イ. 当社における意思決定プロセス

当社の取締役のうち、江藤氏は、利益相反の疑いを回避する観点より、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していない。

ウ. 外部専門家の専門的助言等の取得

(a) 法務アドバイザーからの助言の取得

本戦略特別委員会は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性、客観性及び合理性を確認するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。

また、当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性、客観性及び適正性を担保すべく、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立した法務アドバイザーとして、長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。

(b) 第三者評価機関からの株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの取得

当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるJPモルガン証券から、当社株式の株式価値に係る本株式価値算定書を取得するとともに、本公開買付価格が当社の普通株主(公開買付者、公開買付親会社、KKR及びそれらの関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。

また、本戦略特別委員会は、JPモルガン証券の独立性と専門性・実績を確認した上で当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、価格交渉等において、必要に応じてJPモルガン証券が当社に対して提供した専門的助言について説明を受けている。

エ. マーケット・チェック

(a) 非公開化プロセスの実施

当社は、本戦略特別委員会の助言のもと、本取引の検討において、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含む。)を実施している。当社は、入札手続を通じて、複数の買い手候補先からの提案を受領し、それらを比較検討しながら交渉を進めることにより、買い手候補先間の競争環境の醸成・維持に努めてきた。したがって、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。

(b) 公開買付期間及び取引保護条項

本公開買付けの公開買付期間は30営業日とすることが予定され、法定最短期間より長期に設定している。また、本公開買付けの開始予定の公表から実際の本公開買付けの開始までに4ヶ月程度を要していることから、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。

また、本公開買付契約において、当社は、公開買付者との間で、一定の取引保護条項(当社の義務違反があった場合の違約金の定めを含む。)につき合意しているものの、①第三者が本公開買付価格を上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗公開買付け」という。)を開始した場合において、当該第三者との間で、当該対抗公開買付けに関連し、情報提供、協議、交渉又は合意を行うこと、及び②第三者から書面により本取引よりも優れていると合理的に認められる対抗公開買付けの真摯な提案を受領した場合において、当該第三者に対して必要最小限度の情報提供を行い、又は当該第三者と協議、交渉若しくは合意を行うことは妨げられないとされている。さらに、本公開買付契約において、当社は、①第三者から対抗公開買付けが開始された場合(既に開始されている公開買付けが対抗公開買付けの要件を満たすこととなった場合を含む。以下同じ。)、又は対抗公開買付けの法的拘束力のある真摯な提案を受けた場合、公開買付者に対し、本公開買付価格の引上げについて協議を申し入れることができ、②公開買付者が一定期間内に本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げない場合には、当社は、本公開買付けに対する応募推奨意見を維持する義務を免れるものとされるとともに、対抗公開買付けに係る買付価格が本公開買付価格を5%以上上回る場合であって、一定期間内に公開買付者が本公開買付価格を当該対抗公開買付けに係る買付価格以上の金額に引き上げないときは、当社は、当委員会の意見その他合理的な根拠に基づいて、本公開買付けに対する賛同意見を表明又は維持することにつき、当社の取締役の善管注意義務に違反する具体的な懸念があると合理的に認められることを条件として、本公開買付けに対する賛同意見を維持する義務を免れるものとされている。

以上からすれば、本公開買付けにおける取引保護条項は、対抗提案者により対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合の対抗提案者との協議等を妨げるものではなく、かつ、対抗公開買付けの開始又はその真摯な提案がなされた場合に公開買付者が本公開買付価格の引上げに応じない場合に、一定の条件の下で、当社が本公開買付けに対する意見を変更することを可能とするものであることから、その内容は不合理なものではなく、間接的なマーケット・チェックの実施を過度に制限するものとは認められない。

オ. マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しないことの合理性

本公開買付けの買付予定数の下限は、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準を下回っている。

ただし、M&A指針において、買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等が指摘されているところである。本取引は、支配株主による従属会社の買収とは異なるものの、本取引においても、本公開買付けの買付予定数を、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を満たす水準に引き上げることにより、公正・妥当な価格での一般株主による当社株式等の売却の機会が阻害されるおそれは完全には否定できない。

また、本取引においては、(ⅰ)本戦略特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅵ)強圧性が生じないための配慮といった各公正性担保措置が、2025年7月28日付追加答申書作成日時点において、いずれも変更されておらず、引き続き有効に機能しているものと判断できる。したがって、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定しなくても、他の充実した公正性担保措置によってこれを補い、全体として取引条件の公正さが担保されていると認められる。

カ. 一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上

本公開買付開始時のプレスリリースでは、本戦略特別委員会に関する情報及び株式価値算定に関する情報に加え、本取引を実施するに至ったプロセス等、当該時期に本取引を行うことを選択した背景・目的等、当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、当社とKKRとの間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯に関しても充実した情報開示が予定されている。

したがって、本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

キ. 強圧性が生じないための配慮

本取引においては、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うこと、及び、本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請をすることが予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主及び本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることとされ、それが本公開買付開始時のプレスリリースにおいて開示される予定である。

また、本株式等売渡請求の場合は当社の株主及び本新株予約権者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されている。

さらに、公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,519株(所有割合:50.10%)を買付予定数の下限として設定しているが、当該下限は、公開買付者により、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率を参考に、本公開買付けへの応募は行わないものの本臨時株主総会において賛成の議決権行使を行うことが見込まれる当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式数及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数に照らし、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回らない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な議決権数を確保できる水準として設定したとのことである。当該説明に特に不合理な点は認められず、本公開買付けが成立した場合には、少なくとも本株式併合によるキャッシュ・アウトが行われることが実質的に保障されていることから、強圧性の問題は回避されているものと考えられる。

したがって、本取引においては、強圧性が生じないための配慮がなされているものと認められる。

⑤本戦略特別委員会における独立した法律事務所からの助言

本戦略特別委員会は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者から独立し法務アドバイザーとして、中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性、客観性及び合理性を確認するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者、公開買付者親会社、KKR及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関する意見表明に関して重要な利害関係を有しておりません。中村・角田・松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

⑥ 当社における利害関係を有しない取締役の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見

当社は、JPモルガン証券より取得した本株式価値算定書、長島・大野・常松法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に検討いたしました。その結果、当社取締役会は、本取引が当社企業価値の向上に資するものであると判断するとともに、本公開買付けは合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年7月28日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役全10名のうち、江藤氏を除く取締役9名)の全員一致で、本公開買付けへ賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、及び、本米国預託証券保有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当該取締役会に出席した監査役4名(うち社外監査役2名)の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の取締役のうち、江藤氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその所有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を原資として、公開買付者親会社の普通株式の取得を予定していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、上記取締役会における審議及び決議を含む、本取引に関連した当社取締役会の審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。

⑦他の買付者からの買付機会を確保するための措置

公開買付者は、法で定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、本公開買付期間を30営業日とし、本公開買付期間を法定最短期間より長期に設定しているとのことです。また、本公開買付けの開始予定の公表日である2025年3月28日から本公開買付けの開始までに4ヶ月程度を要しているため、当社の株主の皆様、本新株予約権者及び本米国預託証券保有者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行う機会を確保するとともに、当社株券等について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。

⑧強圧性が生じないための配慮

公開買付者は、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式等売渡請求、又は本株式併合を行うこと、及び、本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請をすることを予定しており、本公開買付けに応募しなかった株主、本新株予約権者、及び本米国預託証券保有者に対して金銭を交付する場合には、本公開買付けに応募した場合に受領する価格と同一となるように算定されることを明らかにしていること、本株式等売渡請求の場合は当社の株主の皆様、本新株予約権者及び本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた本米国預託証券保有者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主の皆様に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が確保されていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて52,861,519株(所有割合:50.10%)を買付予定数の下限として設定していますが、公開買付者は、本株式併合に係る議案の可決に必要な議決権数を検討するにあたっては、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率を参考にして、本公開買付け成立後、公開買付者が所有する株式数(その場合想定される最低値は所有割合にして50.10%)、取締役が保有する本譲渡制限付株式数(同0.14%)及びパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する株式数(同約15.90%)を合計した株式数(同約64.14%)に照らせば、本臨時株主総会の議決権行使比率が過去の議決権行使実績を大幅に上回る約99.21%程度以上にならない限り、本株式併合に係る議案の可決が可能な水準となると考えており、強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

4.本株式併合がその効力を生ずる日

2025年12月4日

以上

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