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MediciNova,Inc.

Interim / Quarterly Report Sep 12, 2025

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 半期報告書

【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の5第1項の表の第1号
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2025年9月12日
【中間会計期間】 自 2025年1月1日 至 2025年6月30日
【会社名】 メディシノバ・インク

(MediciNova, Inc.)
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長兼CEO

岩 城 裕 一

(President and Chief Executive Officer)
【本店の所在の場所】 アメリカ合衆国カリフォルニア州ラ・ホイヤ、スウィート300、エグゼクティブ・スクエア4275

(4275 Executive Square, Suite 300, La Jolla, California 92037, USA)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士  梅 津  立
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業
【電話番号】 (03)6775-1220
【事務連絡者氏名】 弁護士  馬 場 健 太/上 部 大 樹
【最寄りの連絡場所】 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業
【電話番号】 (03)6775-1220
【事務連絡者氏名】 弁護士  馬 場 健 太/上 部 大 樹
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

(注1)  本書において、別段の記載がある場合を除き、以下の用語は以下に記載する意味を有しております:

「発行会社」、「当社」、「メディシノバ社」又は「メディシノバ・インク」:メディシノバ・インク

(注2)  別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「円」は日本の通貨、「ドル」、「米ドル」はアメリカ合衆国の通貨を指すものとします。

(注3)  本書において便宜上記載されている日本円への換算は、別段の記載がある場合を除き1米ドル=146.92円(2025年8月29日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)により計算されております。

(注4)  本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがあります。

(注5)  本書には、リスク及び不確実性を伴う将来の見通しに関する記述が含まれております。これらの将来の見通しに関する記述は、第2「企業の概況」2「事業の内容」、第3「事業の状況」1「事業等のリスク」、及び、同2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の各項に含まれております。これらの記述は、当社の実際の業績を、将来の見通しに関する記述によって明示又は黙示されている将来の業績とは大幅に異なるものとする可能性のある既知及び未知のリスク、不確実性、及びその他の要因に関するものであります。

将来の見通しに関する記述は、「~うる」、「可能性がある」、「予定である」、「意図する」、「~であろう」、「~かもしれない」、「場合がある」、「~と思われる」、「予想する」、「~と考える」、「見積もっている」、「予測する」、「潜在的な」、「計画する」などの語句、又はこれらの否定形、及び将来の見通しに関する記述であることを認識することを意図したこれらに類する表現によって識別できる場合があります。これらの記述は、将来の事由に関する当社の当中間連結会計期間の末日現在の見解を反映しており、仮定に基づいており、またリスク及び不確実性を伴います。このような不確実性に鑑み、投資家はこれらの将来の見通しに関する記述を過度に信頼すべきではない場合があります。これらの将来の見通しに関する記述は、当中間連結会計期間の末日現在に限っての当社の見通し及び仮定を示したものであります。当社は、米国証券法により要求されない限り、新情報、将来の事象その他のいずれによるかを問わず、いかなる将来の見通しに関する記述も更新することを予定しておりません。

投資家の皆様には、当社の実際の将来の業績は、当社の予想とは大幅に異なりうることを理解した上で、本書を熟読していただきたいと存じます。当社は、その将来の見通しに関する記述のすべてを、上記の注意書きによる条件付のものとしております。

 半期報告書

第一部【企業情報】

第1【本国における法制等の概要】

1【会社制度等の概要】

(1) 提出会社の属する国・州等における会社制度

当中間連結会計期間において、アメリカ合衆国及び同国デラウェア州における会社制度に重要な変更はありませんでした。

(2) 提出会社の定款等に規定する制度

当社は、アメリカ合衆国連邦法及びデラウェア州法により規律されるほか、当社の再表示基本定款(随時の修正を含みます。)(以下「基本定款」という。)及び附属定款により規律されます。下記は、当社の基本定款及び附属定款の規定の概要を述べたものであります。当社の基本定款及び附属定款に関する完全かつ正確な情報については、本書の添付書類として提出された、基本定款及び附属定款をご参照いただければと存じます。

株式資本について

取締役会は、発行される各シリーズの株式数、議決権(無制限、制限付き若しくは議決権無し)、並びに当該シリーズ株式に係る指定権、優先権、及びこれに関連する参加権、選択権その他の特別の権利、またその資格、制限若しくは制約を定めることについて、明示的な権限を有しています。

当社の授権株式数は、1株当たりの額面価格0.001米ドルの普通株式100,000,000株及び1株当たりの額面価格0.01米ドルの優先株式3,000,000株であります。2025年6月30日現在、登録された株主が保有する発行済普通株式数は49,046,246株であり、発行済優先株式はありません。

普通株式

各発行済普通株式は、適式かつ有効に発行され、全額払込済み及び追徴不能株式であります。

普通株式の株主は以下の権利を有しておりますが、その時点における発行済優先株式に適用される優先権には従うことになります。

①配当

当社の発行済普通株式の株主は、取締役会の随時の決定により、配当金の支払に充てることが法律上可能な資産から配当金を受け取る権利を有します。但し、当社の発行済優先株式の保有者の優先配当権に劣後します。

②議決権

普通株式の各株主は、株主による議決権行使の対象であるすべての事項(取締役の選任を含みます。)に関し、その保有する普通株式1株につき1個の議決権を有します。当社の基本定款には、取締役の選任に関する累積投票の規定は設けられておりません。つまり、行使された議決権の過半数を有する株主が当該時点における現行取締役を全員選任できることになります。

③先買権、転換及び償還

当社の普通株式には先買権は付与されておらず、転換及び償還はできません。

④清算及び解散

清算又は解散する際、普通株式の株主は、負債及び優先株式の優先的分配権に基づく支払をすべてなした後の会社のすべての残余資産の一切を、その保有する株式の数に比例して受領する権利を有しております。

オプション

2025年6月30日現在、当社のストック・インセンティブ・プランに基づき合計7,909,394株の普通株式を購入するオプションが未行使のままであり、これらのオプションは、各オプションが付与されたストック・インセンティブ・プランのロックアップに関する条項に従います。

2023年6月13日開催の2023年定時株主総会において、当社の2013年エクイティ・インセンティブ・プラン(その後の変更を含みます。)(「2013年プラン」)の後継プランである2023年エクイティ・インセンティブ・プラン(「2023年プラン」)が株主により承認されました。2013年プランの期間は10年間でした。2013年プランの失効後は、2013年プランによるオプションの付与はなされていません。2023年プランの下で発行される可能性のある普通株式の数は、(i)2013年プランの下で付与され、2013年プランの失効時点で未行使であった報酬の対象株式であって、その後、行使前又は決済前に権利喪失、期間満了又は失効となったもの、及び2013年プランの下で付与され、2013年プランの失効時点で未行使であった報酬の対象株式であって、その後、当社により没収又は再取得されたもの、並びに(ii)2013年プランの下で留保された株式であって、2013年プランの失効時点で発行されておらず、2013年プランに基づく未行使の報酬の対象となっていないものの合計に等しい数となります。2013年プランから最大9,934,567株が2023年プランの下で発行可能となる可能性があるものの、この数字は2013年プランの失効時点で2013年プランの下で未行使であったすべての報酬が権利喪失となることを前提としているため、2023年プランに実際に追加される株式の数はこれを下回ると当社は見込んでいます。2025年6月30日時点において、2023年プランの下で付与することができる株式の合計数は、2,025,173株でした。

2023年プランは、取締役会の報酬委員会によって運営され、(ⅰ)普通株式を購入するオプション、(ⅱ)普通株式の制限付株式、(ⅲ)株式評価益権、(ⅳ)株式ユニット、(ⅴ)業績連動型株式報酬、(ⅵ)業績連動型現金報酬、及び(ⅶ)その他の株式報酬の付与を内容としています。インセンティブ・ストック・オプションは、従業員にのみ付与することができます。非適格ストック・オプション及び他の株式に基づく報酬は、従業員、従業員を兼務していない取締役及びコンサルタントにのみ付与することができます。株式ユニットには、議決権はありません。2023年プランの下で付与された株式ユニットには、確定又は失効する前に、報酬委員会の裁量において、配当同価値物を付与することが可能です。株式ユニットは、適用ある株式ユニット契約の条項にしたがった、当社の資金裏付けも保証もない当社の債務を表象します。

2023年プランは、当社の取締役会が早期に終了させない限り、当社の取締役会が最初に採用したときから10年後に失効します。

2023年プランに基づき付与されたストック・オプションは、一般に、当該ストック・オプションを付与するストック・オプション契約の条項に規定された時期及び回数で行使可能となります(このような条項には、適用される保有者の雇用終了後の行使条項も含まれます。)。2023年プランに基づき付与されたオプションは、当初の付与から10年以上経過すると行使できなくなります。

取締役会は、その裁量で2023年プランを改訂できますが、当該改訂により、当初のオプションの付与による個人の権利を大きく損なうことはできません(当該個人の承諾のある場合を除きます。)。

優先株式

当社の取締役会には、デラウェア州一般会社法に基づく制限に従い、1つ又は複数のシリーズの優先株式3,000,000株を発行し、随時各シリーズに含まれる株式数を設定し、まだ未発行である各シリーズの株式について、その権利、優先権及び特権、並びに、その制限、限定及び制約を決定する権限が付与されております。また、当社の取締役会は、当社の株主による追加の議決権行使又は行為なしに、あらゆるシリーズの株式数を増減できます。但し、その数は当該時点における当該シリーズの発行済株式数を下回ってはならないとされております。

当社の取締役会は、当社の普通株主の議決権その他の権利に悪影響を及ぼす議決権付又は転換型償還優先株式の発行を決定できます。優先株式の発行は、今後実施される可能性のある買収、資金調達その他の会社目的に関連して柔軟性を与えるものの、かかる発行によって支配権の変更を遅延、延期又は阻止する効果があり、また当社普通株式の市場価格の下落又は議決権その他普通株主の権利を損なうおそれがあります。

株主総会

①開催場所

株主総会は、附属定款により指定されるか若しくは附属定款が定める方法に従って指定されたデラウェア州内部若しくは外部の場所、又はかかる指定がなされなかった場合には当社の登録事務所若しくは当社の主な営業所で開催することができます。

②年次株主総会

年次株主総会は、取締役会又はチーフ・エグゼクティブ・オフィサー(「CEO」)が随時指定し、招集通知に記載された日時に毎年開催されます。株主は、一般に、当該総会において任期が終了するクラスの取締役と同数の取締役を選任するほか、株主総会に適式に提出されたその他の検討事項の決議を行います。

③臨時株主総会

臨時株主総会は、目的の如何を問わず、法令又は基本定款に別段の定めがある場合を除き、取締役会長、CEOの請求又は取締役会の過半数の賛成により適式に承認された決議に基づき、セクレタリーがこれを招集することができます。上記の請求においては、提案された臨時株主総会の目的が表明されなければなりません。臨時株主総会で討議される事項は、招集通知に記載された目的に関連する事項に限定されます。

④招集通知

法律に別段の定めがある場合を除き、各株主総会(年次又は臨時を問いません。)の書面による通知について、開催場所(もしあれば)、開催日時、遠隔通信手段(もしあれば。かかる遠隔通信手段により株主及び委任状保有者本人が当該株主総会に出席して投票したものとみなされます。)、及び(臨時株主総会の場合には)招集される臨時総会の目的が記載された上で、当該株主総会の10日以上60日前までに当該株主総会において議決権を有する各株主に送付されます。

株主総会が他の場所、日時に延会となった場合であっても、延期された株主総会の会日が、延会が最初に通知された日から30日を超えず、かつ延期された総会の開催場所、日時が、延会の決定された株主総会において通知されている場合は、延期された株主総会について通知を発する必要はありません。

⑤定足数

法律又は当社の基本定款が別に定める場合を除き、発行済議決権付株式の過半数の保有者の本人又は代理人による出席をもって、株主総会における定足数とします。

⑥延会

株主総会は、出席株主の過半数の賛成により(定足数を下回っても構いません。)、また、いずれの株主も本人又は代理人によって出席していない場合には、当該株主総会の議長又はセクレタリーとして行為する権限を有する役員により、当該総会における公表以外の通知をすることなく、附属定款に従って株主総会を開催することのできる日時及び場所(かかる日時及び場所は当該総会において公表されます。)に、定足数が出席するまで、随時延期されることができます。定足数が出席した延会においては、当初の株主総会において検討される可能性のあった一切の事項が討議されます。延会が30日を越える場合、又は延会後に延期された株主総会のために新たな基準日が設定された場合には、延期された株主総会の通知が、延期された当該株主総会において議決権を有する株主名簿上の各株主に送付されます。

⑦議決権

当社の基本定款に別段の定めがある場合を除き、各株主は、各株主総会において当該株主が保有する議決権付株式1株につき1票の議決権を有します。

株主総会に定足数が出席した場合、議決権を有し、本人又は代理人が出席する過半数の株式の保有者の投票により、当該株主総会に提出された議題を決します。但し、当該議題が、法令又は当社の基本定款若しくは附属定款の明文の規定により異なる議決数によることが必要となる議題である場合は、当該議題の決議はかかる明文の規定に従うものとします。当社の年次又は臨時株主総会において採択されることが要求又は許可されているいかなる決議も、株主総会を経ずに採択することはできず、かつ株主総会を経ずに書面で決議の採択に同意する株主の権限はこれを明確に否定します。

⑧株主通知及び議決権の基準日

株主総会若しくはその延会の招集通知を受ける株主、当該株主総会若しくは延会における議決権を有する株主、配当その他の配分の支払若しくは権利の割当てを受ける株主、又は株式の変更、転換若しくは交換に関して権利行使できる株主を決定し、又はその他の適法行為を実施するため、取締役会は、事前に基準日を設定することができます。かかる基準日は、当該総会の期日の10日以上60日前の日でなければならず、当該基準日に関連するその他の行為の60日前でなければなりません。株主総会の招集通知を受ける株主又は当該総会における議決権を有する株主名簿上の株主の決定については、当該株主総会の延会にも適用されます。

取締役会

①人数、選任、任期及び資格

取締役会全体を構成する取締役の人数は、現在5名です。但し、取締役会全体を構成する取締役の人数は、取締役会全体の過半数が採択した決議により随時固定されます。取締役会全体を構成する取締役のクラスは、当社の基本定款に定められます。

取締役は、附属定款において別に定められる場合を除き、年次株主総会において選任されるものとし、選任された各取締役は、3年間かつ当該取締役の後任者が選任されその資格を授与されるまで、又はそれ以前に死亡、辞任若しくは解任されるまで、在職します。

②権限

当社の事業は、取締役会の指示により又は基づき運営され、取締役会は、法令又は当社の基本定款若しくは附属定款において、株主により行使又は実施することが指示又は要求されている行為及び事項以外の、当社の一切の権限を行使し、かつ、一切の適法行為及び事項を実施することができます。

③取締役会の開催場所

取締役会は、デラウェア州内部又は外部のいずれかにおいて、定時及び臨時に会議を開催することができます。

④定時取締役会

定時取締役会は、取締役会が随時決定する時間及び場所で通知をせずに開催することができます。但し、かかる決定が行われた時に欠席していた取締役に対して、当該決定について速やかに通知を行なわなければなりません。

⑤臨時取締役会

臨時取締役会は、取締役会長、CEO、プレジデント若しくはセクレタリー、2名以上の取締役の書面による要求、又は在任する取締役が1名の場合には1名の取締役によって、これを招集することができます。臨時取締役会開催の日時及び場所(もしあれば)についての通知は、各取締役への手渡し若しくは電話、又は送料前払いをもって、第一種郵便、商業配達サービス、ファクシミリ、電子メールその他の電子的手段により当社の名簿上に記載された当該取締役の営業所又は住所に送付されることによってなされます。当該通知が郵送される場合、当該通知は、臨時取締役会開催の少なくとも4日前に米国の郵便に投函されなければなりません。当該通知が手渡し若しくは電話、又は商業的配達サービス、ファクシミリ、若しくは電子メールその他の電子的手段によりなされる場合、当該通知は臨時取締役会の開催の少なくとも24時間前になされなければなりません。取締役会の通知又は通知の省略書には、当該会議の目的を記載する必要はありません。

⑥定足数、取締役会での行為

すべての取締役会は、当該時点で在任している取締役の過半数(但し、いかなる場合も附属定款に従い取締役が最後に確定した取締役の人数の3分の1未満であってはなりません。)の出席により、議案の決議の定足数が満たされ、法律又は当社の基本定款が別に定める場合を除き、定足数が出席した取締役会に出席した取締役の過半数の行為が取締役会の行為となります。

⑦会議を経ない行為

当社の基本定款又は附属定款により別に規制される場合を除き、取締役会又はその委員会において実施することが要求又は許容されている行為は、取締役会又は委員会(場合に応じて)の構成員全員が、書面又は電子的通信により同意し、当該書面又は電子的通信が取締役会又は委員会の手続についての議事録に記録される場合には、会議を経ずに実施することができます。

⑧電話会議

当社の基本定款又は附属定款により別に規制される場合を除き、取締役会又はその委員会の構成員は、出席者全員が相互に応答することができるような電話会議又はあらゆる形態の通信機器により、当該取締役会又は委員会(場合に応じて)の会議に参加することができ、かかる方法による会議への参加は、当該会議への本人による出席となります。

⑨委員会

取締役会は、取締役会全員の過半数により採択された決議により、1つ以上の委員会(各委員会は当社の取締役1名以上により構成されます。)を設置することができます。当該委員会は、取締役会の決議において定められる範囲内で、当社の事業及び業務の運営に際して取締役会が有する一切の権限を有しかつ行使することができ、かつ当社の社印の押印が必要となる一切の書類に当該社印を押印することを許可することができます。但し、いかなる委員会も、(ⅰ)デラウェア州一般会社法が株主の承認を受けることを明示に要求した決議若しくは事項の承認、採択若しくは株主への提案、又は(ⅱ)附属定款の採択、修正若しくは廃止に関連する権限を有しません。

⑩検査権

取締役は、取締役としての地位に合理的に関連する目的のために、当社の株主名簿、当社の株主の一覧表その他の帳簿及び記録を検査する権利を有します。

役員

①役員の選任

当社の役員は、取締役会により選任され、CEO(1名)、プレジデント(1名)、セクレタリー(1名)及びチーフ・フィナンシャル・オフィサー(CFO)又はトレジャラー(1名)等から構成されます。また、取締役会は、チーフ・オペレーティング・オフィサー(1名)、ヴァイス・プレジデント(1名以上)及びアシスタント・セクレタリー又はアシスタント・トレジャラー等(1名以上)を選任することができます。当社の基本定款又は附属定款に別段の定めがある場合を除き、同一人が複数の役員の地位を兼任することができます。

②任期

当社の各役員は、当該役員を選任又は任命する議決において異なる任期が指定されない限り、その後継人が選任されその地位に就任するまで、又は当該役員が任期前に死亡、辞任、解任又は無能力者となるまで、在職します。取締役会又はCEOが任命した役員は、取締役会又は解任権限を適式に授権された委員会の過半数の賛成により、理由の有無にかかわらずいつでもこれを解任することができます。但し、CEOが任命した役員については、CEOがこれをいつでも解任することができます。当社の役員の地位の欠員は、取締役会がその裁量によりこれを補充することができるものとします。役員は、当社の主たる営業所宛に、又はCEO若しくはセクレタリーに対して書面による辞任の通知を交付することにより辞任することができます。かかる辞任は、当該通知の受理時に効力を生じます。但し、当該辞任の効力発生時が別途定められた場合、又はその他の事由の発生がその効力発生の条件として指定された場合はこの限りではありません。

③権限の委譲

取締役会は、附属定款の定めにかかわらず、役員の権限又は職務を随時他の役員又は代理人に委譲することができます。

2【外国為替管理制度】

当中間連結会計期間において、米国における外国為替管理制度に重要な変更はありませんでした。

3【課税上の取扱い】

当中間連結会計期間において、米国における課税上の取扱いに重要な変更はありませんでした。

 半期報告書

第2【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

以下の主要な経営指標等の数値は、当社の中間要約連結財務書類(中間期については無監査)から抜粋した数値又は当該中間要約連結財務書類に基づいて算出された数値であり、将来の経営成績を表示するものではありません。以下の主要な経営指標等の推移は、当社の中間要約連結財務書類及びその注記並びに第3「事業の状況」2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の項に記載されている情報とともにお読みください。当社は、以下の主要な経営指標等の数値の元となった中間要約連結財務書類が、有価証券報告書に含まれる監査済連結財務書類と実質的に同様の基準によって作成されており、表示される期間中における財務情報を適正に表示するために必要な調整がなされているとの見解を有しています。いかなる期間における経営成績も将来において期待しうる経営成績を示すものではありません。以下の数字の単位は、個別に単位を記載したものを除き、千米ドルです。

連結損益及び包括利益計算書のデータ:

当中間

連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日)
前中間

連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日)
当第2四半期

連結会計期間

(自 2025年4月1日

至 2025年6月30日)
前第2四半期

連結会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年6月30日)
2024年
営業収益 135 135
20百万円 20百万円
営業損失 (6,810) (6,182) (3,607) (3,046) (12,675)
(1,000百万円) (908百万円) (530百万円) (448百万円) (1,862百万円)
中間(当期)純損失 (6,145) (5,383) (3,281) (2,628) (11,050)
(903百万円) (791百万円) (482百万円) (386百万円) (1,623百万円)
基本及び希薄化後当社株式1株当たり中間(当期)純損失 (1) (0.13米ドル) (0.11米ドル) (0.07米ドル) (0.05米ドル) (0.23米ドル)
(19.10円) (16.16円) (10.28円) (7.35円) (33.79円)

(1)1株当たり中間(当期)純損失の算出方法及び1株当たりの数値の計算にあたって使用した株式数の説明については、「第一部 企業情報」「第5 経理の状況」「1 中間要約連結財務書類」注記7「1株当たり純損失」をご参照ください。

連結貸借対照表のデータ:

2025年6月30日現在 2024年6月30日現在 2024年12月31日現在
資産合計 49,824 60,404 55,876
7,320百万円 8,875百万円 8,209百万円
株主資本合計 46,857 57,405 52,504
6,884百万円 8,434百万円 7,714百万円

連結キャッシュ・フロー計算書のデータ:

当中間

連結会計期間

(自 2025年1月1日

至 2025年6月30日)
前中間

連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日)
2024年
営業活動によるキャッシュ・フロー (6,090) (6,679) (10,643)
(895百万円) (981百万円) (1,564百万円)
投資活動によるキャッシュ・フロー (1) (1)
(0百万円) (0百万円)
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の中間期末(期末)残高 34,260 44,338 40,360
5,033百万円 6,514百万円 5,930百万円

 半期報告書

2【事業の内容】

概況

当社は、米国市場に商業的な重点を置き、まだ十分に有効な治療法がない重篤な疾患に対する新規医薬品の開発に特化する生物医薬品会社です。当社の現在の戦略は、進行型多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、化学療法誘発性末梢神経障害、変性性頸椎脊椎症、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)、薬物依存・中毒(メタンフェタミン依存症)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の予防等の神経疾患・その他疾患治療薬のMN-166(イブジラスト)及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、高トリグリセリド血症等の線維症及びその他の代謝性疾患などを適応とするMN-001(タイペルカスト)に重点を置いています。

進行型多発性硬化症:当社は、再発性多発性硬化症治療薬のMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b臨床治験を完了し、安全性及び神経保護効果について良好な指標を得ました。同治験のデータは、MN-166(イブジラスト)の進行型多発性硬化症の治療薬としての可能性を示すものでした。

当社は、NeuroNEXTにより実施され、米国国立衛生研究所(NIH)の国立神経疾患脳卒中研究所(NINDS)から資金提供を受けた、一次進行型及び二次進行型多発性硬化症に関するMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b臨床治験について治験責任医師と提携しました。2015年に、進行型多発性硬化症(SPRINT-MS)の臨床治験に関して255人の被験者の無作為化が完了しました。この被験者数は、参加を予定していた目標の250人を上回るものです。2017年10月に、当社は、進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験に関して良好なトップラインの結果を得たことを発表しました。同治験において、全脳萎縮進行抑制及び安全性と忍容性に関する2つの主要評価項目をいずれも達成しました。MN-166(イブジラスト)は、脳実質分画(BPF)法を用いた磁気共鳴画像診断装置(MRI)検査による評価において、全脳萎縮進行度に関してプラセボと比較し統計的に有意な48%の抑制がみられ(p=0.04)、またプラセボ群と比べてMN-166(イブジラスト)群の重篤な副作用反応、副作用の発生頻度に違いはみられませんでした。また2018年2月には、当社は、同治験における重要な二次的評価項目である継続する身体的障害の進行リスクに関して良好な臨床的有効性がみられたことを発表しました。MN-166(イブジラスト)では、総合障害度評価尺度(EDSS)による評価において、継続する身体的障害の進行リスクに関してプラセボと比較し26%低下(Hazard Ratio=0.74)したことが認められました。進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験の結果は、2018年8月にNew England Journal of Medicine誌に掲載されました。2019年4月には、当社は、進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験のサブグループ解析に関し、分析結果を発表しました。継続する身体的障害の進行リスクを低下させる傾向が最も強くみられたのが再発を伴わない二次進行型多発性硬化症の被験者のサブグループであり、このサブグループでは、MN-166(イブジラスト)によりプラセボと比較して46%のリスク低下が認められました。2019年5月にペンシルバニア州フィラデルフィアにおいて開催された第71回米国神経学会(AAN)年次総会では、完了した進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験に関する追加的なデータを発表しました。2020年11月には、当社は、進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験による光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の良好な結果がMultiple Sclerosis Journal誌に掲載されたことを発表しました。2021年7月には、当社は、眼科領域での神経変性疾患/障害若しくは損傷又は神経眼科障害を適応とするMN-166(イブジラスト)に関する新規特許に関し、米国特許商標庁(以下「USPTO」という。)から承認の通知を受領しました。当社は、進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)の開発に対し、米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック指定を受けました。

筋萎縮性側索硬化症:当社は、2014年下半期に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床治験を開始し、2017年下半期に同治験を完了しました。2017年12月に、当社は、同治験に関して良好なトップラインの結果を発表しました。同治験において、安全性と忍容性に関する主要評価項目を達成しました。さらに、MN-166(イブジラスト)群において、プラセボ群と比較したところ、機能的活動の評価基準である改訂筋萎縮性側索硬化症機能評価尺度(ALSFRS-R)総合スコアへの治療反応者の比率が増加しました。2018年9月には、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床開発計画についてFDAからフィードバックを受けました。2019年1月には、ALS及びその他の神経変性疾患の治療薬としてのMN-166(イブジラスト)とリルゾールの併用に関する新規特許に関し、USPTOから承認の通知を受領しました。2019年4月には、当社は、FDAがプロトコルの審査を完了し、当社のALSを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b/3臨床治験への着手を承認したことを発表しました。2019年6月には、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b/3臨床治験のキックオフミーティングを発表しました。2019年12月には、オーストラリアのパースにおいて開催された第30回筋委縮性側索硬化症/運動神経疾患(ALS/MND)国際シンポジウムにおいて、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)の完了した臨床治験に関する追加の解析結果を発表しました。2021年12月には、当社は、第32回ALS/MND国際シンポジウムにおいて、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)の進行中のフェーズ2b/3臨床治験の概要に関するポスター発表を行ったことを発表しました。2024年12月には、当社は、カナダのモントリオールにおいて開催された第35回ALS/MND国際シンポジウムにおいて、MN-166(イブジラスト)のフェーズ2b/3臨床治験の臨床データに関する治験アップデート及び中間解析結果を発表しました。2025年8月には、当社はALSを対象とするフェーズ2b/3臨床試験(COMBAT-ALS)において目標患者登録数を達成したことを発表しました。

また、2024年9月には、米国国立衛生研究所(NIH)からの資金提供によるExpand Accsee Protocol(拡大アクセスプロトコール)臨床治験に関するお知らせを発表しました。この臨床治験は、フェーズ2b/3臨床治験の参加基準を満たさないALS患者を対象とするものでMayo Clinicを含む医療機関で、約200名のALS患者の登録を予定しています。2025年4月には、第一例目の患者登録が行われたことを発表しました。

当社は、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に対して、FDAからファストトラック指定及びオーファンドラッグの指定を受けました。当該指定によって、MN-166(イブジラスト)がALSについて承認された場合、7年間の独占販売権が付与されることになります。また、欧州委員会からも、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に対してオーファン医薬品の指定を受けました。

薬物依存・中毒: 2017年11月、当社は、オレゴン保健科学大学と共同でメタンフェタミン使用障害に対するMN-166(イブジラスト)の効果を評価するためのバイオマーカー研究を開始することを発表し、当該臨床治験は現在進行中です。

カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)の研究者は、アルコール依存症を適応とするMN-166(イブジラスト)を評価するための臨床治験に対して、米国アルコール濫用/アルコール依存研究所(NIAAA)から臨床治験の承認及び資金援助を獲得しました。当該臨床治験は完了済みで、2015年12月には、研究結果が第54回米国神経精神薬理学(ACNP)会年次総会において公表されました。また、当社は、2018年5月、新たにNIDAから資金援助を受けて、アルコール摂取障害及び脱離症を適応とするMN-166(イブジラスト)に関するUCLAの研究者との共同臨床治験を行うことを発表しました。当該臨床治験は完了済みで、2020年8月にオンラインで開催された米国心理学会2020年年次総会において、良好な研究結果が発表されました。当該臨床治験の結果は、2021年6月にネイチャー関連誌のTranslational Psychiatryに掲載されました。2018年8月には、当社は新たにNIAAAから資金援助を受けて、アルコール依存症患者における大量飲酒日を評価するMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b臨床治験をUCLAの研究者と共同で行うことを発表し、当該臨床治験は完了済みです。2022年2月には、当社は、MN-166(イブジラスト)がアルコール使用障害の有望な薬物治療薬の候補の一つとしてDrugs誌に取り上げられたことを発表しました。2022年4月には、当社は、MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適応として実施されたフェーズ2臨床治験の二次解析結果が、Alcoholism: Clinical and Experimental Research誌に論文掲載されたことを発表しました。2022年12月には、当社は、MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適応として実施されたフェーズ2臨床治験の二次解析におけるポジティブな結果が、The American Journal of Drug and Alcohol Abuse誌に論文掲載されたことを発表しました。2023年1月には、当社は、MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適応として実施中のフェーズ2b臨床治験の患者登録が完了したことを発表しました。2023年6月には、当社は、第46回アルコール依存症学会(RSA)年次学術集会において発表された、MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適応として実施されたフェーズ2b臨床治験の結果をお知らせしました。

化学療法誘発性末梢神経障害:2018年3月、当社は、化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)の予防療法を適応とするMN-166(イブジラスト)を評価するための臨床治験をオーストラリアのシドニー大学コンコルド癌センターから資金援助を受けて開始する計画を発表しました。2020年9月には、当社は、当該臨床治験による良好な臨床結果がCancer Chemotherapy and Pharmacology誌に掲載されたことを発表しました。2020年10月には、当社は、CIPNを適応とするMN-166(イブジラスト)を評価するための多施設共同、プラセボ対照、無作為フェーズ2b臨床治験をオーストラレーシア消化器疾患臨床治験グループ(AGITG)から資金援助を受けて開始する計画を発表し、当該臨床治験は現在進行中です。

変性性頸椎脊椎症:2018年8月、当社は、変性性頸椎脊椎症(DCM)を適応とするMN-166(イブジラスト)に関する臨床治験をケンブリッジ大学と共同で開始する計画を発表しました。当該治験はイギリス国立疾病研究センター(NIHR)の助成によるものです。2019年5月には、当社は、ケンブリッジ大学の研究者との共同での、DCMを対象とする「変性性頸椎脊椎症における再生(RECEDE Myelopathy)」フェーズ3臨床治験に向けたキックオフミーティングに参加したことを発表しました。2022年2月には、当社は、MN-166(イブジラスト)が変性性頸椎脊椎症(DCM)の有望な薬物治療薬の候補としてGlobal Spine Journal誌に取り上げられたことを発表しました。

グリオブラストーマ:当社は、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)を評価するための臨床治験を開始しました。2017年6月、当社は、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床的有効性の可能性を評価した動物モデル研究から得た良好な結果を発表しました。この結果は2017年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において発表されました。2018年5月、当社は、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)に関する新薬臨床治験開始申請(IND)がFDAにより承認されたことを発表しました。2018年10月には、当社は、FDAにより、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)がテモゾロミドとの併用療法でオーファンドラッグに指定されたことを発表しました。2019年1月には、当社は、ボストンのダナファーバー癌研究所において、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)のテモゾロミドとの併用に関する臨床治験の患者登録を開始することを発表しました。2019年2月には、当社は、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)の動物実験の結果がScientific Reports誌に掲載されたことを発表しました。2020年6月には、当社は、グリオブラストーマを適応とする併用療法としてのMN-166(イブジラスト)の可能性に関する良好な前臨床結果がFrontiers in Immunology誌に掲載されたことを発表しました。2021年8月には、当社は、再発性グリオブラストーマ患者15名を対象とする、MN-166(イブジラスト)のテモゾロミドとの併用に関するフェーズ2臨床治験のパート1の安全性審査が完了したことを発表しました。パート1において懸念すべき安全性シグナルは認められず、MN-166(イブジラスト)に関連する重篤な有害事象はありませんでした。被験者15名中5名が疾患進行なしにサイクル6を完了しており、すなわち、被験者の33%が6ヶ月後の時点で無増悪でした。2022年4月には、当社は、MN-166(イブジラスト)がぶどう膜メラノーマ(UM)動物モデルにおいて、癌転移を抑制することを示したデータが、Molecular Cancer Research誌に掲載されたことを発表しました。2023年1月には、当社は、ダナファーバー癌研究所において、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)とテモゾロミドの併用療法を評価するフェーズ2臨床治験の患者登録が完了したことを発表しました。2023年2月には、当社は、第20回脳マッピング治療学会(SBMT)世界年次総会において当該臨床治験における腫瘍組織の解析に関する新たなデータを発表したことをお知らせしました。2023年11月には、当社は、第28回米国神経腫瘍学会(SNO)年次総会において、グリオブラストーマ患者を対象とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2臨床治験に関する新たなデータ及び結果を発表しました。発表内容には、グリオブラストーマモデルにおけるMN-166(イブジラスト)と抗PD1療法又は抗PD-L1療法との併用療法を評価した前臨床研究に関するデータも含まれました。2024年には、当社は、イリノイ州シカゴにおいて開催されたASCOの2024年次総会において、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ1b/2a臨床治験に関する新たなデータ及び結果を発表しました。

COVID-19患者におけるARDSの予防:2020年3月、当社は、ARDSの動物モデルにおける前臨床研究の良好な結果に基づき、重症肺炎及びARDSを適応とするMN-166(イブジラスト)の開発を開始する計画を発表しました。2020年4月には、当社は、COVID-19に起因するARDSを適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床治験を開始する計画を発表しました。2020年7月には、当社は、ARDSの予防を適応とするMN-166(イブジラスト)についてFDAにINDを申請し承認されたことを発表しました。当社はまた、FDAから、COVID-19患者におけるARDSの予防を適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床研究の計画を進めてよいとの通知を受領しました。2022年4月、当社は、MN-166(イブジラスト)の、ARDS発症リスクを有するCOVID-19入院患者を対象とするフェーズ2臨床治験の患者登録が完了したことを発表しました。2022年6月、当社は、当該フェーズ2臨床治験に関する良好なトップライン結果を発表しました。MN-166(イブジラスト)は、解析された4つの臨床エンドポイントのすべてにおいて、プラセボと比較して大きな改善を示しました。当該フェーズ2臨床治験は、主要評価項目の1つである呼吸不全から回復した患者の割合で、統計的に有意差を示しました。さらに、退院できた患者の割合でも統計的に有意差を示しました。死亡例はプラセボ群に2例、MN-166(イブジラスト)群に0例でした。2022年7月には、当社は、MN-166(イブジラスト)の新たな非経口製剤(注射製剤)を評価するため、初めてヒトに投与する臨床治験を開始することを発表しました。2023年1月には、当社は、健康なボランティアにMN-166(イブジラスト)10mgの静脈注射(IV)を行う当該フェーズ1臨床治験が完了し、良好な安全性プロファイル及び忍容性が示されたことを発表しました。

塩素ガス誘発性肺損傷:2021年3月、当社は、MN-166(イブジラスト)をARDS及び急性肺損傷(ALI)などの塩素ガス誘発性肺障害に対する潜在的な治療法・医療対策(MCM)として開発するために、米国保険福祉省戦略的準備・対応管理局(ASPR)の一部である生物医学先端研究開発機構(BARDA)と提携したことを発表しました。BARDAは、契約第75A50121C00022号に基づき、塩素ガス誘発性急性肺損傷の前臨床モデルにおけるMN-166(イブジラスト)の概念実証試験のために連邦政府の補助金を提供することに同意しています。2023年9月、当社は、BARDAとの契約に基づき実施した研究の結果を発表しました。一つ目の非臨床モデル有効性スタディの主要評価項目は、肺機能測定値PaO2/FiO2(動脈酸素分圧と吸入酸素分画の比)でした。パイロットデザインの単回投与療法では、MN-166(イブジラスト)高用量群及びポジティブ対照(ロリプラム)群では、MN-166(イブジラスト)低用量群及びネガティブ対照群に比べ、塩素ガス吸入暴露後12時間までより高い治療効果が観察されましたが、総合的な肺機能について統計学的に有意な結果は得られませんでした。複数回投与スタディでは塩素ガス吸入暴露後、各治療薬を12時間毎に合計4回投与しました。MN-166(イブジラスト)高用量投与群の平均PaO2/FiO2比は、MN-166(イブジラスト)低用量投与群、ロリプラム群及びネガティブ対照群に比べてより改善しました(P=0.0001)。一つ目の非臨床モデル有効性スタディにおいて、MN-166(イブジラスト)の忍容性は良好であり、安全性に関する懸念は認められませんでした。二つ目の塩素ガス誘発性肺障害モデルについては、当社の委託先において実行可能性の確立が何度も試みられた後、当該モデルは薬剤候補を評価するための実行可能なモデルではないと判断され、有効性に関する有用な結果は得られませんでした。

Long-COVID(新型コロナ後遺症):2022年8月、当社は、MN-166(イブジラスト)のLong-COVIDに対する効果を評価するための多施設共同・無作為化臨床治験(RECLAIM)に参加する計画を発表しました。本臨床治験は、公的助成金による支援の下、カナダ保健省の承認を得て開始されましたが、諸般の事情により中止となりました。

MN-001(タイペルカスト)は、以下の通り、線維症及びその他の代謝性疾患について開発段階にあります。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):当社は、2014年、2つの異なるNASHマウスモデルにおけるMN-001(タイぺルカスト)の良好な結果を公表し、2015年にNASHを適応とするMN-001(タイペルカスト)についてFDAにIND(新薬臨床治験開始申請)を申請し承認されました。その後、線維化を伴ったNASH患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)に対して、FDAからファストトラックの指定承認を受けました。当社はさらに、NASH患者及びNAFLD患者における高中性脂肪血症の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)を評価するための臨床治験を開始しました。2018年4月、当社は、本臨床治験の中間解析において、MN-001(タイペルカスト)について主要評価項目である中性脂肪値を有意に減少させる効果が確認されましたので、本治験を早期終了することを発表しました。かかるデータは、2018年4月にフランスのパリで開催された2018年国際肝臓会議/第53回欧州連合肝臓研究会(EASL)年次総会において発表されました。2020年11月には、当社は、米国肝臓学会(AASLD)の年次大会において、ヒト肝星細胞(HSC)及び急性肝障害モデルにおけるMN-001(タイペルカスト)の肝臓線維化を抑える効果を評価するインビトロ及びインビボの研究に関する良好な結果を発表しました。2021年11月には、当社は、AASLDの年次大会において、MN-001(タイペルカスト)が肝細胞におけるトリグリセリド代謝を変える仕組みを評価する研究による新たな知見を発表しました。2022年4月、当社は、2型糖尿病又は高中性脂肪血症を併発するNAFLD治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)を評価するフェーズ2臨床治験の計画について、FDAによる審査が完了し、臨床治験の開始が可能となったことを発表しました。2022年7月には、当社は、2型糖尿病又は高中性脂肪血症を併発するNAFLD患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)を評価するフェーズ2臨床治験の開始を発表しました。2022年12月には、当社は、国際糖尿病連合(IDF)の2022年国際糖尿病学会議年会において、高中性脂肪血症(HTG)を伴うNAFLD患者に対するMN-001(タイペルカスト)の効果を評価する、既に完了したフェーズ2臨床治験のサブグループ解析の良好な結果についてポスター発表を行ったことを発表しました。2024年5月には、当社は、第92回 欧州アテローム性動脈硬化学会年次総会(EAS)において、進行中の臨床治験のデザインについて発表しました。

2025年5月、現在進行中のフェーズ2臨床治験において患者登録が進められており、今後の解析結果に基づき、MN-001(タイペルカスト)のNASH/NAFLD治療薬としての可能性を評価していく予定であることをお知らせしました。

当社は、これらの製品候補の開発のために、MN-166(イブジラスト)及びMN-001(タイペルカスト)につき、ライセンスを取得しました。当社は、急性呼吸窮迫症候群の予防、進行型多発性硬化症、ALS、化学療法誘発性末梢神経障害、変性性頸椎脊椎症、グリオブラストーマ、様々な依存症、NASH及びNAFLDなどの様々な適応症について、これらの製品候補の開発を進めてきました。

当社の戦略

当社は、まだ十分に有効な治療法がない重篤な疾患に対する高付加価値な治療分野における差別化された製品の開発の成功によって、持続可能な生物薬剤事業を構築することを目標としております。こうした目標に向けて、主に以下の課題に取り組むことを当社の戦略としております。

非希薄化の資金調達を手段とする、複数の潜在的適応疾患に関するMN-166(イブジラスト)の開発の推進

当社は、治験責任医師が出資する臨床治験、政府の助成金又はその他の助成金を通じて資金援助を受けた治験及び当社が資金を提供する治験により、多様なMN-166(イブジラスト)プログラムを前進させるつもりです。当社は、MN-166(イブジラスト)の臨床開発をさらに支援するため、さらなる戦略的提携関係を推進する予定です。

線維症及びその他の代謝性疾患に関するMN-001(タイペルカスト)の開発の推進

当社は、治験責任医師主導の治験(助成金の有無を問いません。)及び当社から資金提供による治験等のさまざまな開発形態を組み合わせ、MN-001(タイペルカスト)の開発を進める予定です。

製品開発の完了及び当社の製品の商品化の成功に向けた大手製薬会社との戦略的提携の検討

当社は、大手製薬会社と関係を築き、それを維持してきました。当社は、MN-166(イブジラスト)及びMN-001(タイペルカスト)等の製品候補を求めている大手製薬会社との間で、当社の臨床開発及び製品の商品化の支えとなりうる戦略的提携関係を協議する予定です。

当社の製品候補及びプログラム

当社の製品開発プログラムは、まだ十分に有効な治療法が確立されておらず、大きなビジネス・チャンスを秘めていると当社がみなす疾患に対処するものです。当社は、当社の製品候補が、現在の治療法に比べて大きな優越性をもたらし得る新規治療法を提供できると考えております。

当社の製品取得は、主に、ライセンサーが米国外において集積した前臨床試験及び初期臨床治験データを豊富に有する製品候補を中心としております。当社は、米国又はその他の国における開発プログラムの推進のための、IND申請又はその他の国における同等の申請の準備の際、また追加の前臨床試験又は臨床治験を計画、実施する際に、かかる既存データを利用します。

以下は、当社の製品開発プログラムの詳細です。

MN-166(イブジラスト)

MN-166(イブジラスト)は、新規でファースト・イン・クラスの経口抗神経炎症性及び神経保護性薬剤です。MN-166(イブジラスト)は、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)及び特定のホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害薬です。MN-166(イブジラスト)はまた、ある種の神経症状において主要な働きをするグリア細胞の活性化を減衰させます。イブジラストは、日本と韓国において、喘息及び脳梗塞発作後の症状の治療薬として20年以上使用されていますが、当社は、進行型多発性硬化症、ALS、化学療法誘発性末梢神経障害、変性性頸椎脊椎症、グリオブラストーマ及び薬物依存の治療薬、急性呼吸窮迫症候群の予防薬の治療薬としてMN-166(イブジラスト)の開発を行っています。当社は、2004年に、MN-166(イブジラスト)をキョーリン製薬(以下「キョーリン」という。)からライセンスを導入しました。

当社は、進行型多発性硬化症、ALS及びメタンフェタミン依存症という3つの別個の症状を適応とするMN-166(イブジラスト)に対して、FDAからファストトラック指定承認を受けました。ファストトラック指定とは、深刻な疾患を適応とし満たされていない医療ニーズを満たす可能性がある医薬品の開発を促進し、承認審査を早めるための制度です。FDAのファストトラック・プログラムの重要な要素は、製品開発の効率性を高めるため、開発及び承認審査の全過程においてFDAと製薬企業との間で迅速かつ頻繁なやり取りが行われることです。したがって、ファストトラックの指定を受けると、最終的な医薬品の承認のために要する時間を短縮できる可能性があります。

当社は、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に対して、FDAからオーファンドラッグの指定を受けました。当該指定によって、MN-166(イブジラスト)が米国でALSについて承認された場合、7年間の独占販売権が付与されることになります。当社はまた、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に対して、欧州委員会からオーファン医薬品の指定を受けました。当該指定によって、MN-166(イブジラスト)が欧州でALSについて承認された場合、10年間の独占販売権が付与される等の潜在的な恩恵を受けることができます。MN-166(イブジラスト)は、グリオブラストーマを適応とするテモゾロミドとの併用療法に関しても、FDAからオーファンドラッグの指定を受けています。

当社は、神経系疾患治療のためのMN-166(イブジラスト)の複合的利用についての特許の申請を行いました。一部の特許財産は、米国及び諸外国において承認を取得しております。例えば、当社は、進行型多発性硬化症、ALS、グリオブラストーマ、薬物中毒・依存及び神経因性疼痛の治療のためのMN-166(イブジラスト)の使用に関する別個の米国特許を取得しています。

進行型多発性硬化症:多発性硬化症は、原因がほぼ不明の複雑な疾病であり、米国多発性硬化症協会(NMSS)によると、全世界に約2.8百万人の多発性硬化症患者がいます。また、NMSSによると、多発性硬化症患者の約85%は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)と最初に診断され、RRMSと最初に診断された患者の一部は最終的に二次進行型多発性硬化症(SPMS)へ進行します。多発性硬化症患者の約15%が一次進行型多発性硬化症(PPMS)と診断されます。PPMSに対する承認済の治療薬は、静注投与される1種類のみです。再発を伴うSPMSに関しては複数の治療薬が承認されているものの、再発を伴わないSPMSに対する、一般に安全で有効であると考えられている承認済の治療薬はありません。PPMS及びSPMSの患者に対する安全で効果的、かつ手軽に投与可能な治療法には大きな医学的需要があり、なかでも再発を伴わないSPMSの患者に関しては、最も対処されていない医学的需要があります。MN-166(イブジラスト)には、このような需要を満たすことができる可能性があります。

2008年に完了した再発性多発性硬化症に関するフェーズ2治験における有望な結果に基づき、米国国立衛生研究所から資金援助を受けるフェーズ2臨床治験ネットワークであるNeuroNEXT共同プロジェクトの治験責任医師は、米国のPPMS及びSPMSの患者に対するMN-166(イブジラスト)の評価を実施しました。SPRINT-MSは、PPMS及びSPMSの患者におけるMN-166(イブジラスト)(最大で1日100mg)の安全性及び忍容性を評価するプラセボ対照無作為二重盲検フェーズ2b治験の名称です。米国の28カ所の医療施設における患者の募集及び登録が2013年後半に開始され、2015年6月に255人の被験者の無作為化が完了しました。2017年10月に、当社は、進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験に関して良好なトップラインの結果を得たことを発表しました。同治験において、全脳萎縮進行抑制及び安全性と忍容性に関する2つの主要評価項目をいずれも達成しました。MN-166(イブジラスト)は、脳実質分画(BPF)法を用いたMRI検査による評価において、全脳萎縮進行度に関してプラセボと比較して統計的に有意な48%の抑制がみられ(p=0.04)、またプラセボ群と比べてMN-166(イブジラスト)群の重篤な副作用反応、副作用の発生頻度の違いはみられませんでした。また、2018年2月には、当社は、同治験における重要な二次的評価項目である継続する身体的障害の進行リスクに関して良好な臨床的有効性がみられたことを発表しました。MN-166(イブジラスト)では、総合障害度評価尺度(EDSS)による評価において、継続する身体的障害の進行リスクに関してプラセボと比較し26%低下(Hazard Ratio=0.74)したことが認められました。

進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験の結果は、2018年8月にNew England Journal of Medicine誌に掲載されました。2019年4月には、当社は、進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験のサブグループ解析結果を発表しました。このサブグループ解析の目的は、障害の進行が認められる重要な段階でのMN-166(イブジラスト)の治療効果が、どのタイプの進行型多発性硬化症患者に対して、最も認められるかに関して、情報提供を行うことです。継続する身体的障害の進行リスクを低下させる傾向が最も強くみられたのは再発を伴わない二次進行型多発性硬化症患者のサブグループであり、このサブグループで、MN-166(イブジラスト)によりプラセボと比較して46%のリスク低下(Hazard Ratio=0.538)が認められました。2019年5月にフィラデルフィアにおいて開催された第71回米国神経学会(AAN)年次総会では、完了した進行型多発性硬化症を適応とするMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験に関する追加のデータが発表されました。2020年11月には、当社は、進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)のSPRINT-MSフェーズ2b臨床治験による光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の良好な結果がMultiple Sclerosis Journal誌に掲載されたことを発表しました。OCTの評価項目には、黄斑体積、乳頭周囲網膜神経線維(pRNFL)層厚、及び神経節細胞-内網状(GCIP)層厚が含まれました。かかるOCTの評価項目のすべてにおいて、MN-166(イブジラスト)では、プラセボと比較して網膜組織の喪失の低下が見られました。2021年7月、当社は、眼科領域での神経変性疾患/障害若しくは損傷又は神経眼科障害を適応とするMN-166(イブジラスト)に関する新規特許に関し、USPTOから承認の通知を受領しました。当社は、進行型多発性硬化症適応のMN-166(イブジラスト)に対し、2016年にFDAからファストトラックの指定を受けました。

筋萎縮性側索硬化症:ルー・ゲーリック病としても知られるALSは、脳及び脊椎の神経細胞に影響を及ぼす進行性の神経変性疾患です。神経が特定の筋肉への指令を伝達することができなくなり、筋肉が弱まっていきます。その結果、随意運動が不自由となり、病状末期には全身の運動麻痺に至ります。ALS患者の平均生存期間は2年から5年です。米国ALS協会によると、米国には16,000人以上のALS患者がおり、毎年約5,000人がALSと診断されています。

当社はカロライナ・ヘルスケアシステムの神経科学研究所のカロライナ神経筋ALS-MDAセンターと連携し、同センターによりALS適応のMN-166(イブジラスト)の臨床治験が実施されました。同治験は、6ヶ月間の治療期間に続き6ヶ月間の非盲検期間を有するプラセボ対照無作為二重盲検の治験でした。同治験は、ALS患者を対象に、リルゾールと併用した際の、プラセボに対するMN-166(イブジラスト)(1日当たり60mg)の安全性及び忍容性の監視に加えて、複数の有効性評価項目を評価しました。被験者の登録は2014年10月に開始されました。当社は、2016年4月に、第68回AAN年次総会において、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床治験の中間解析結果による中間有効データが公表されたことを発表しました。

2017年12月に、当社は、カロライナ神経筋ALS-MDAセンターにおけるALS治験に関して良好なトップラインの結果を発表しました。同治験において、安全性と忍容性に関する主要評価項目を達成しました。さらに、MN-166(イブジラスト)群ではプラセボ群と比較し、ALSFRS-R総合スコアへの治療反応者の比率は増加しました。改訂筋萎縮性側索硬化症機能評価尺度(ALSFRS-R)総合スコアは、ALS患者の機能的活動を評価するものです。また、MN-166(イブジラスト)群ではプラセボ群と比較し、ALSAQ-5スコアへの治療反応者の比率も増加しました。筋萎縮性側索硬化症評価質問表(ALSAQ-5)スコアは、ALS患者の身体的可動性、日常生活の自立的活動性、飲食、コミュニケーションや情緒反応などを評価するものです。2018年7月、当社は、カロライナ神経筋ALS-MDAセンターにおいて、球麻痺発症型又は上肢発症型のALS患者を対象とするアドホックのサブグループ解析データを発表しました。2018年9月には、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床開発計画についてFDAからフィードバックを受けました。2019年4月には、当社は、FDAによるプロトコルの審査が完了し、当社のALSを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b/3臨床治験への着手が承認されたことを発表しました。2019年6月には、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b/3臨床治験のキックオフミーティングを当社のカリフォルニア州ラ・ホイヤの本社において開催したことを発表しました。2019年12月には、オーストラリアのパースにおいて開催された第30回ALS/MND国際シンポジウムにおいて、ALSを適応とする臨床治験に関してさらなるデータ解析結果を発表しました。この分析は、ALSの病状進行及び治療効果を合理的に予測するために、患者の身体的な要因を見極めるものでした。分析結果では、ALS病歴の短い患者においてMN-166(イブジラスト)のより高い治療効果が見込まれることが示されました。当社は、この分析による結論をフェーズ2b/3臨床治験の設計に取り入れました。2021年12月には、当社は、第32回ALS/MND国際シンポジウムにおいて、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)の進行中のフェーズ2b/3臨床治験の概要に関するポスター発表を行ったことを発表しました。2024年12月には、当社は、カナダのモントリオールにおいて開催された第35回ALS/MND国際シンポジウムにおいて、COMBAT-ALS試験におけるMN-166(イブジラスト)のフェーズ2/3臨床治験の臨床データに関する治験アップデート及び中間解析結果を発表しました。事前に規定していた通り、6ヶ月目のデータと12ヶ月目のデータとの相関を評価するための中間解析を実施し、12ヶ月間の二重盲検フェーズ臨床治験デザインを評価しました。CAFSスコア(0.71)、修正CAFSスコア(0.70)及びALSFRS-Rスコア(0.69)に関して6ヶ月目と12ヶ月目のデータに正の相関が認められました。

当社は、2015年12月に、FDAから、ALS患者の治療についてMN-166(イブジラスト)に対しファストトラックの指定承認を受けたことを発表しました。2016年3月には、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に関する新たな特許に対し、USPTOから承認の通知を受領したことを発表しました。2016年10月に、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に対して、FDAからオーファンドラッグの指定を受けたことを発表しました。当該指定によって、MN-166(イブジラスト)がALSについて承認された場合、7年間の独占販売権が付与されることになります。2016年12月に、ALSを適応とするMN-166(イブジラスト)に対して、欧州委員会からオーファン医薬品の指定を受けたことを発表しました。さらに、2017年4月、米国神経学会において、MN-166のALS適応の臨床治験の中間解析結果が再び発表されました。2019年1月には、ALS及びその他の神経変性疾患の治療薬としてのMN-166(イブジラスト)とリルゾールの併用に関する新規特許に関し、USPTOから承認の通知を受領しました。

当社は、2016年2月に、PETバイオマーカーによってモニタリングされるALS患者における脳のミクログリア活性の軽減についてのMN-166(イブジラスト)の効果を研究するため、マサチューセッツ総合病院(MGH)と提携の取り決めを締結しました。同臨床治験の結果は、2019年12月にオーストラリアのパースにおいて開催された第30回ALS/MND国際シンポジウムにおいて発表されました。この小規模な研究では、PBR28-PETの集積又は血清中NFlに対する検出可能な効果はみられなかったものの、神経炎症のマーカーである血清中MIFの有意な減少がみられました。但し、非盲検研究という設計上、MN-166(イブジラスト)群と比較するためのプラセボ群が存在しなかったため、この研究から最終的な結論を引き出すことはできませんでした。

メタンフェタミン依存症:メタンフェタミンは、アンフェタミンと同様の構造を有する、中枢神経系刺激薬です。メタンフェタミンは、中毒性が高く、治療効果が低い、スケジュールⅡの薬剤です。米国薬物乱用・精神衛生管理庁の薬物使用に関する2022年の全国調査によると、米国のメタンフェタミン使用障害患者は約1.8百万人(12歳以上)に上っています。ランド・コーポレーションは、米国におけるメタンフェタミン使用による経済的負担を約234億米ドルと推定しています。現在のところ、メタンフェタミン依存症の承認済治療薬はありません。メタンフェタミン依存の再発に関する動物モデルにおけるMN-166(イブジラスト)の効果についての非臨床結果に基づき、UCLAの治験責任医師は、MN-166(イブジラスト)の安全性及び予備的効果を調査するため、入院患者治験における非治療目的のメタンフェタミン依存症患者を対象とした、NIDAから資金援助を受けたフェーズ1b臨床治験を実施しました。同治験は2012年に完了しました。その後、UCLAの治験責任医師は、メタンフェタミン依存症の外来患者を対象とした、MN-166(イブジラスト)評価のための2013年に開始されたフェーズ2臨床治験について、NIDAから資金援助を獲得しました。2018年3月、当社は、当該臨床治験が、治療期間の最後の2週間における尿中薬物スクリーニングによる検証でメタンフェタミン離脱に関する主要評価項目を満たさなかったことを発表しました。2017年11月には、当社はオレゴン保健科学大学と共同でメタンフェタミン使用障害に対するMN-166(イブジラスト)の効果を評価するためのバイオマーカー研究を開始することを発表し、当該研究は現在進行中です。当社は、2013年に、メタンフェタミン依存症を適応とするMN-166(イブジラスト)について、FDAからファストトラック指定承認を受けました。

アルコール中毒:米国薬物乱用・精神衛生管理庁の薬物使用及び健康に関する2022年の全国調査によると、米国のアルコール使用障害患者は約29.5百万人(12歳以上)に上っています。米国疾病対策予防センターの報告によると、米国における過剰なアルコール使用による経済負担は、年間2,490億米ドルとされています。FDAの承認を得たアルコール依存症治療薬には、Antabuse®(ジスルフィラム)、Vivitrol®(ナルトレキソン)、Campral®(アカンプロセート)及びRevia®(ナルトレキソン)等が含まれます。しかしながら、これらのFDAの承認を得た化合物の成果は限定的であり、安全で有効な治療薬の探求は依然として不確定です(Witkiewitz他、2012年)。非臨床治験において(ベル他、2013年)、ラット及びマウスにおけるMN-166(イブジラスト)の効果が調査され、アルコール選択性のPラット及び多量のアルコール摂取のラットにおけるアルコール摂取が50%減少し、アルコール依存のマウスについては、非依存のマウスでは効果がなかった用量においてアルコール摂取が減少することが発見されました。UCLAの治験責任医師は、MN-166(イブジラスト)の安全性、忍容性及び当初のヒトに対する有効性を判断するため、治療下にないアルコール乱用又は依存症患者24人を対象として、プラセボ対照無作為二重盲検被験者内クロスオーバーデザインの研究を実施するために、NIAAAから資金援助を受けました。アルコール依存症の研究結果は、2015年12月に第54回米国神経精神薬理学会年次総会において発表されました。研究期間を通して、MN-166(イブジラスト)は日々のアルコール渇望度を有意に減少させました(p<0.05)が、プラセボはかかる結果を示しませんでした。MN-166(イブジラスト)は、刺激誘因性又はストレス誘因性のアルコール渇望度に対しては変化を認めませんでしたが、刺激への反応及びストレス負荷に対して心理状態をポジティブに促進しました。MN-166(イブジラスト)の安全性及び忍容性は良好でした。2018年5月、当社は、アルコール中毒及び離脱を適応とするMN-166(イブジラスト)に関し、NIHから資金援助を受けた臨床治験をUCLAの研究者と共同で開始する計画を発表しました。当該研究は、アルコール性障害(AUD)患者52名を対象に、14日間のイブジラスト投与が心理状態、大量飲酒及び神経報酬シグナルに及ぼす影響を評価するための無作為二重盲検プラセボ対照フェーズ2臨床治験でした。当該フェーズ2臨床治験の良好な結果は、2020年8月にオンラインで開催された米国心理学会2020年年次総会において発表されました。2021年6月には、以下を含む当該臨床試験の結果が、ネイチャー関連誌のTranslational Psychiatryに掲載されました。(1)MN-166(イブジラスト)は、抑うつ気分の改善に対しては有意な効果を示さなかった。(2)MN-166(イブジラスト)は、プラセボと比較して、長期にわたる大量飲酒のオッズを45%減少させた(p=0.04)。(3)MN-166(イブジラスト)は、プラセボと比較して、アルコールキュー刺激による腹側線条体(VS)の活性化を抑制した(すなわち、脳内のアルコールに対する報酬反応を減少させた。)(p=0.01)。(4)VSにおけるアルコールキュー刺激による活性化は、MN-166(イブジラスト)群におけるその後の飲酒状況を有意に予測し(p=0.02)、VS活性化が抑制されたMN-166(イブジラスト)投与群はスキャン後の1週間の1飲酒日あたりの飲酒回数が最も少なかった。(5)MN-166(イブジラスト)は、プラセボと比較して、飲酒しない日のアルコール渇望度を減少させた(p=0.02)。これらの知見は、AUD治療におけるイブジラストの有効性に関する前臨床研究及びヒト臨床研究を発展させるとともに、脳内のアルコールキューに対する報酬反応を抑制することで大量飲酒を抑制するというイブジラストの生物行動学的なメカニズムを示唆しています。2018年8月には、当社は新たにNIAAAからの資金援助により、アルコール中毒を適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2b臨床治験をUCLAの研究者と共同で行うことを発表しました。完了済みの当該治験では、12週間の臨床治験の期間にわたり、MN-166(イブジラスト)がプラセボと比較して大量飲酒日(男性は5杯、女性は4杯を超える飲酒と定義されます。)の割合を減少させるかについての評価が行われました。

2022年2月には、当社は、MN-166(イブジラスト)がAUDの有望な薬物治療薬の候補の一つとしてDrugs誌に取り上げられたことを発表しました。UCLAの研究者らによる当該論文は、AUDの治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の有益な効果について論じ、当該効果はMN-166(イブジラスト)の抗炎症作用や、神経栄養因子を活性化する働きによるものと推定されると述べています。2022年4月には、当社は、MN-166(イブジラスト)のAUDを適応として実施されたフェーズ2臨床治験の二次解析結果が、Alcoholism: Clinical and Experimental Research誌に論文掲載されたことを発表しました。UCLAの研究者らによる当該論文は、二次解析結果について論じ、アルコール渇望度の低減がMN-166(イブジラスト)の主要な作用と考えられると述べています。2022年12月には、当社は、MN-166(イブジラスト)のAUDを適応として実施されたフェーズ2臨床治験の二次解析におけるポジティブな結果が、The American Journal of Drug and Alcohol Abuse誌に論文掲載されたことを発表しました。当該結果は、ベースラインのC反応性タンパク(CRP)値が高く、つまり炎症性が高く、かつMN-166(イブジラスト)を投与された患者群では、ベースラインのCRP値が低く、かつMN-166(イブジラスト)を投与された患者群に比べて飲酒日における飲酒量が有意に少なかった(p=0.007)ことを示しています。2023年1月には、当社は、MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適応として実施中のフェーズ2b臨床治験の患者登録が完了したことを発表しました。2023年6月には、当社は第46回アルコール依存症学会(RSA)年次学術集会において、MN-166(イブジラスト)のアルコール使用障害を適応として実施されたフェーズ2b臨床治験の結果が発表されたことをお知らせしました。当該研究は、治療を希望する中等度又は重度のアルコール使用障害の男女102名を対象とした無作為、二重盲検、プラセボ対照のフェーズ2b臨床治験です。プラセボ投与と比較して、MN-166(イブジラスト)は、多量飲酒日数を減少させる主要目的で優位性を示すことができませんでした。また、MN-166(イブジラスト)は、副次的評価項目である、1) 1日当たりのアルコール消費量、2) 飲酒日1日当たりのアルコール摂取回数、3) 禁酒日数の割合、4) 多量飲酒日がない被験者の割合、5) 禁酒被験者の割合においても、プラセボに対して優位性を示すことができませんでした。当該治験では、プラセボ投与とMN-166(イブジラスト)投与がいずれも多量飲酒を減少させる、プラセボ効果が観察されました。

化学療法誘発性末梢神経障害:末梢神経障害とは、脳及び脊髄から起始し、末梢へ延びる神経である末梢神経への損傷によって引き起こされる一連の症状です。癌治療に使用される化学療法及び他の薬物のいくつかは、脳に感覚を伝達し手足の運動を制御する末梢神経に損傷を与えることがあります。この損傷は、癌治療の障害を引き起こす副作用となりうる化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)を生じさせます。CIPNでよく見られる症状には、疼痛、灼熱痛、刺痛、感覚喪失、協調運動及び平衡感覚の問題、嚥下障害、排尿障害、便秘並びに血圧変化が含まれます。重度のCIPNでは、化学療法における投薬の減量や中止が必要となる可能性があります。4,000人を超える患者を含むメタ分析によれば、CIPN有病率は、化学療法後の最初の1ヶ月で68%、3ヶ月で60%、6ヶ月以上で30%(「発生率、罹患率、化学療法誘発性末梢ニューロパチー:系統的レビュー及びメタ分析」、Seretny M 他、2014年)とされます。2018年3月、当社は、CIPNの予防療法を適応とするMN-166(イブジラスト)を評価するための臨床治験をオーストラリアのシドニー大学コンコルド癌センターから資金援助を受けて開始する計画を発表しました。この非盲検、逐次クロスオーバーのパイロットスタディでは、オキサリプラチンを投与されていた転移性消化器癌(大腸・直腸・結腸癌や上部消化器癌)患者を対象に、MN-166(イブジラスト)を急性神経毒性、CIPN及び薬物相互作用について評価しました。2020年9月には、当社は、当該臨床治験による良好な臨床結果がCancer Chemotherapy and Pharmacology誌に掲載されたことを発表しました。MN-166(イブジラスト)とオキサリプラチンの併用投与により、オキサリプラチンによる治療を受けていた参加者の過半数で、オキサリプラチン誘発性神経毒性の改善又は安定化が生じました。オキサリプラチン特異的神経毒性スケール(OSNS)での評価によると、14名中12名の参加者について、両サイクルで急性神経毒性(グレード1又は2)が報告されました。MN-166(イブジラスト)の併用治療の結果、この12名のうち10名の参加者においては変化がなく、2名の参加者においてはグレード2からグレード1まで症状が改善しました。慢性のCIPNが予測される急性神経毒性は、継続的な化学療法を受ける患者において悪化すると予想されます。薬物動態解析では、オキサリプラチンの全身曝露に対するMN-166(イブジラスト)の効果は示されませんでした。2020年10月には、当社は、CIPNを適応とするMN-166(イブジラスト)を評価するための多施設共同、プラセボ対照、無作為フェーズ2b治験をAGITGから資金援助を受けて開始する計画を発表しました。当該臨床治験では、転移性大腸・直腸・結腸癌患者における急性神経毒性の重症度及びCIPNを低下させる可能性のある治療薬としてMN-166(イブジラスト)を評価しています。

変性性頸椎脊椎症:DCM(頸椎症性脊髄症とも呼ばれます。)は、頸部の圧迫による脊髄機能障害を伴います。DCMは、成人にもっとも多く見られる脊髄損傷の形態であり、障害及びクオリティ・オブ・ライフの低下を生じさせます。患者が訴える神経症状には、四肢の痛み及び麻痺、協調運動不全、平衡失調、膀胱の問題などがあります。米国脳神経外科学会によると、脊髄や神経根の圧迫を緩和するための頸部手術は毎年200,000件を超えます。DCMの治療薬として承認された医薬品はありません。2018年8月、当社は、DCMを適応とするMN-166(イブジラスト)に関する臨床治験をケンブリッジ大学と共同で開始する計画を発表しました。英国NIHRから資金の助成を受けて行う当該臨床治験は、脊髄手術後におけるDCMの補助療法としてのMN-166(イブジラスト)について、脊髄手術後の結果を向上させる上でMN-166(イブジラスト)がプラセボと比べてより効果的であるかを判断する評価を行うものです。2つの主要評価項目は、(1)手術の6ヶ月後における上下肢の運動機能障害、感覚喪失及び膀胱括約筋機能障害について評価する改訂版日本整形外科学会(mJOA)スコア、並びに(2)手術の6ヶ月後における頸部疼痛のビジュアルアナログスケール(VAS)とされています。2019年5月には、当社は、ケンブリッジ大学の研究者との共同によるDCMを対象とするRECEDE Myelopathyフェーズ3臨床治験のキックオフミーティングに参加したことを発表しました。2022年2月には、当社は、MN-166(イブジラスト)がDCMの有望な薬物治療薬の候補としてGlobal Spine Journal誌に取り上げられたことを発表しました。ケンブリッジ大学の研究者らによる当該論文は、治療効果が期待される最新の治療法や、DCMへの使用を支持するMN-166(イブジラスト)の特性を論じています。当該論文は、MN-166(イブジラスト)が持つ抗炎症作用、神経保護作用及び神経再生作用の複合的な効果はグリア細胞の活性化を抑制するものであり、進行中のRECEDE Myelopathy 臨床治験の根拠となっていると述べています。

グリオブラストーマ:米国脳神経外科協会によると、グリオブラストーマは、膠細胞(星状膠細胞及び乏突起膠細胞)で発生する悪性の脳腫瘍であり、急速に成長し、周囲の脳組織に転移することも多くあります。米国脳腫瘍協会の報告によると、グリオブラストーマは、全原発性脳腫瘍の約14%を占めます。米国では、年間12,000人超がグリオブラストーマと診断されています。グリオブラストーマ・ファウンデーションによると、グリオブラストーマ患者の平均生存期間は、治療を受けた患者では12ヶ月から15ヶ月、無治療の患者ではわずか4ヶ月です。2017年6月に、当社は、MN-166(イブジラスト)のグリオブラストーマに対する臨床的有効性の可能性を評価した動物モデル研究から得た良好な結果を発表しました。この結果は、2017年のASCO年次総会において発表されました。グリオブラストーマのマウスモデル研究により、MN-166(イブジラスト)とテモゾロミド(TMZ)の組合せの治療群の平均生存期間がテモゾロミドのみの治療群の平均生存期間と比べて長いという結果が示されました。2018年5月、当社は、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)に関するINDがFDAにより承認されたことを発表しました。当社はまた、FDAから、グリオブラストーマを適用とするMN-166(イブジラスト)のテモゾロミドとの併用療法に関する臨床研究を進めてよいとの通知を受けました。2018年10月には、当社は、FDAにより、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)がテモゾロミドとの併用療法でオーファンドラッグに指定されたことを発表しました。2019年1月には、当社は、ボストンのダナファーバー癌研究所において、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)のテモゾロミド(TMZ、Temodar-®)との併用に関する臨床治験の患者登録を開始することを発表しました。2019年2月には、当社は、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)の動物モデルスタディの結果がScientific Reportsに掲載されたことを発表しました。「イブジラストはMIFを標的とすることによりグリオブラストーマのテモゾロミドへの感受性を高める(Ibudilast sensitizes glioblastoma to temozolomide by targeting Macrophage Migration Inhibitory Factor (MIF))」と題されたこの論文は、MN-166(イブジラスト)のグリオブラストーマに対する臨床有用性の可能性が報告された最初の出版物です。2020年6月には、当社は、グリオブラストーマを適応とする併用療法としてのMN-166(イブジラスト)の可能性に関する良好な前臨床結果がFrontiers in Immunology誌に掲載されたことを発表しました。「グリオブラストーマ骨髄由来抑制細胞サブセットは、免疫抑制を低下させるために標的化されうる特異的なマクロファージ遊走阻止因子受容体プロファイルを発現させる(Glioblastoma myeloid-derived suppressor cell subsets express differential macrophage migration inhibitory factor receptor profiles that can be targeted to reduce immune suppression)」と題されたこの記事は、当社のクリーブランド・クリニックとの共同研究に基づいています。2021年8月には、当社は、再発性グリオブラストーマ患者15名を対象とする、MN-166(イブジラスト)のテモゾロミドとの併用に関するフェーズ2臨床治験のパート1の安全性審査が完了したことを発表しました。パート1において懸念すべき安全性シグナルは認められず、MN-166(イブジラスト)に関連する重篤な有害事象はありませんでした。被験者15名中5名が疾患進行なしにサイクル6を完了しており、すなわち、被験者の33%が6ヶ月後の時点で無増悪でした。

2023年1月には、当社は、ダナファーバー癌研究所において、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)とテモゾロミドの併用療法を評価するフェーズ2臨床治験の患者登録が完了したことを発表しました。2023年2月には、当社は、第20回SBMT世界年次総会において当該臨床治験における腫瘍組織の解析に関する新たなデータを発表したことをお知らせしました。2023年11月には、当社は、第28回SNO年次総会において、グリオブラストーマ患者を対象とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ2臨床治験に関する新たなデータ及び結果を発表しました。当該フェーズ2臨床治験の主要評価項目は、MN-166(イブジラスト)とTMZの併用療法の安全性及び忍容性、並びにRANO基準を用いた6ヶ月時点の無憎悪生存率で定義される併用療法の有効性でした。MN-166(イブジラスト)とTMZの併用療法は安全かつ忍容性良好で、予期せぬ副作用は報告されませんでした。当該治験には、新規にグリオブラストーマと診断された(初発グリオブラストーマ)患者36名及び再発性グリオブラストーマ患者26名を含む合計62名の患者が登録されました。6ヶ月後の無憎悪生存率(PFS6)は、初発グリオブラストーマ患者群で44%、再発性グリオブラストーマ患者群で31%でした。免疫組織化学的評価により、病気が進行した患者では進行のなかった患者に比べて腫瘍細胞へのCD3の浸潤が高く(p<0.05)、CD3発現はMN-166(イブジラスト)とTMZ併用治療の再発グリオブラストーマ患者における5ヶ月後の腫瘍進行の良好な予測因子であることが明らかになりました。発表内容には、グリオブラストーマモデルにおけるMN-166(イブジラスト)と抗PD1療法又は抗PD-L1療法との併用療法を評価した前臨床研究に関するデータも含まれました。一つ目の前臨床グリオブラストーマモデル研究では、生存期間中央値は、無治療群で17日間、PD1阻害剤単独投与で28日間でした。PD1阻害剤治療にMN-166(イブジラスト)を追加した併用療法では、生存期間平均値は66日間(p<0.001)と有意に延長しました。二つ目の前臨床グリオブラストーマモデル研究では、生存期間中央値は、無治療群で18日間、PD-L1阻害剤単独投与で26日間でした。PD-L1阻害剤にMN-166(イブジラスト)を追加した併用療法では、生存期間中央値は34日間(p<0.05)と有意に延長しました。2024年には、当社は、イリノイ州シカゴにおいて開催されたASCOの2024年次総会において、グリオブラストーマを適応とするMN-166(イブジラスト)のフェーズ1b/2a臨床治験に関する新たなデータ及び結果を発表しました。

2022年4月、当社は、MN-166(イブジラスト)がUM動物モデルにおいて、癌転移を抑制することを示したデータが、Molecular Cancer Research誌に掲載されたことを発表しました。コロンビア大学メディカルセンターの研究者らによる当該論文は、MN-166(イブジラスト)による治療が腹部における定量測定による生物発光強度を有意に抑制(p<0.05)したUM癌転移マウスモデル研究について論じています。当該論文は、コントロール群のマウスの肝組織の組織学的解析では、肝臓中に癌細胞の集積が観察された一方、MN-166(イブジラスト)治療群では、肝組織における癌細胞集積は観察されなかったとも述べています。

COVID-19患者におけるARDSの予防:ARDSは、血液中の酸素濃度を低下させる重篤な肺疾患です。通常、ARDSの初期症状は息苦しさです。ARDSの最も一般的な危険因子は感染症であり、かかる感染症にはインフルエンザ、コロナウイルス、その他ウイルス等が含まれます。ARDS財団によると、米国では年間推定150,000件のARDSの症例があり、ARDS患者の死亡率は、約40%です。2020年3月、当社は、ARDSの動物モデルにおける前臨床研究の良好な結果(Yang他、2020年)に基づき、重症肺炎及びARDSを適応とするMN-166(イブジラスト)の開発を開始する計画を発表しました。当該前臨床研究の結果は、MN-166(イブジラスト)での治療により、炎症、出血、肺胞うっ血及び肺胞壁浮腫を含む、ARDSマウスモデルで観察された組織学的変化が改善することを示すものでした。とりわけ、肺水腫は、MN-166(イブジラスト)での治療により有意に減少しました(p<0.001)。また、MN-166(イブジラスト)は、TNF-alpha(p<0.001)、IL-1beta(p<0.001)、IL-6(p<0.001)及びMCP-1(p<0.001)を含む炎症性サイトカインの水準を用量依存的に有意に低下させ、イブジラストが炎症反応を抑制することを示しました。当該研究の結果はまた、MN-166(イブジラスト)が肺組織における細胞アポトーシスを減弱することによって肺障害を防止することを示唆しています。ARDSの動物モデルによるデータに加えて、MN-166(イブジラスト)は、SARS-CoV-2複製阻害について1,520種の化合物をスクリーニングしたインビトロの研究において、潜在的抗SARS-CoV-2活性を有する化合物として特定されています(Touret他、2020年)。2020年4月には、当社は、COVID-19に起因するARDSを適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床治験を開始する計画を発表しました。2020年7月には、当社は、ARDSの予防を適応とするMN-166(イブジラスト)についてFDAにINDを申請し承認されたことを発表しました。当社はまた、FDAから、COVID-19患者におけるARDSの予防を適応とするMN-166(イブジラスト)の臨床研究の計画を進めてよいとの通知を受領しました。2022年4月には、当社は、ARDSを発症するリスクのあるCOVID-19入院患者を対象とするMN-166(イブジラスト)の当該フェーズ2臨床治験の患者登録が完了したことを発表しました。2022年6月、当社は、当該フェーズ2臨床治験に関して、良好なトップライン結果を発表しました。MN-166(イブジラスト)は、解析された4つの臨床エンドポイントのすべてにおいて、プラセボと比較して大きな改善を示しました。当該フェーズ2臨床治験は、主要評価項目の1つである7日目において呼吸不全から回復した患者の割合では統計的に有意差を示し、MN-166(イブジラスト)群は71%、プラセボ群は35%が7日目において呼吸不全から回復しました(p=0.02)。7日目における臨床症状(NIAIDスケールで評価する改善)という主要評価項目では、MN-166(イブジラスト)群は71%、プラセボ群は47%で7日目において臨床症状の改善が認められました(p=0.08)。退院者の割合では、7日目においてMN-166(イブジラスト)群は65%、プラセボ群は29%が退院し(p=0.02)、統計的に有意差を示しました。さらに、7日目における臨床症状が悪化した患者の割合は、MN-166(イブジラスト)群は0%、プラセボ群は24%(p=0.05)でした。死亡例はプラセボ群に2例、MN-166(イブジラスト)群に0例でした。MN-166(イブジラスト)に関連する重篤な有害事象は認められませんでした。2022年7月には、当社は、MN-166(イブジラスト)の新たな非経口製剤(注射製剤)を評価するため、初めてヒトに投与する臨床治験を開始することを発表しました。この製剤は、経口投与以外に、MN-166(イブジラスト)を投与するための新たな選択肢を医療供給者に提供するものです。2023年1月には、当社は、健康なボランティアにMN-166(イブジラスト)10mgのIVを行う当該フェーズ1臨床治験が完了し、良好な安全性プロファイル及び忍容性が示されたことを発表しました。

塩素ガス誘発性肺損傷:塩素ガスは、産業事故やテロ攻撃により放出されるおそれのある有毒化学物質です。塩素ガスを吸入すると気道が損傷し、急性肺障害が生じるおそれがあります。2021年3月、当社は、MN-166(イブジラスト)をARDS及びALIなどの塩素ガス誘発性肺障害に対する潜在的なMCMとして開発するために、ASPRの一部であるBARDAと提携したことを発表しました。BARDAは、研究・イノベーション・ベンチャー(DRIVe)部門のドラッグリポジショニングによる化学物質曝露脅威への対策(ReDIRECT)プログラムの下、契約第75A50121C00022号に基づき、塩素ガス誘発性急性肺損傷の前臨床モデルにおけるMN-166(イブジラスト)の概念実証試験のために連邦政府の補助金を提供することに同意しています。MN-166(イブジラスト)は、DRIVeのReDIRECTプログラムを通じてBARDAの開発支援を受ける最初の化合物となりました。効性スタディの主要評価項目は、肺機能測定値PaO2/FiO2(動脈酸素分圧と吸入酸素分画の比)でした。パイロットデザインの単回投与療法では、MN-166(イブジラスト)高用量群及びポジティブ対照(ロリプラム)群では、MN-166(イブジラスト)低用量群及びネガティブ対照群に比べ、塩素ガス吸入暴露後12時間までより高い治療効果が観察されましたが、総合的な肺機能について統計学的に有意な結果は得られませんでした。複数回投与スタディでは塩素ガス吸入暴露後、各治療薬を12時間毎に合計4回投与しました。MN-166(イブジラスト)高用量投与群の平均PaO2/FiO2比は、MN-166(イブジラスト)低用量投与群、ロリプラム群及びネガティブ対照群に比べてより改善しました(P=0.0001)。ネガティブ対照群の平均PaO2/FiO2比は、48時間後に224.8mmHgとベースライン(塩素ガス暴露直後)の518.7mmHgより57%減少(悪化)しました。MN-166(イブジラスト)高用量群では、48時間後の平均PaO2/FiO2比は327.8mmHgとベースライン値の516.0mmHgから36%減少(悪化)しました。スタディ最後の評価タイムポイントである48時間後のMN-166(イブジラスト)高用量群の平均PaO2/FiO2比はネガティブ対照群に比べ46%高い(良好である)ことが確認されました(327.8 vs. 224.8 mmHg)。ARDSはPaO2/FiO2比300mmHg未満と定義されるため、これらの平均PaO2/FiO2比の値は、48時間の評価期間終了時においてネガティブ対照群は依然として軽度ARDSに分類されたのに対し、MN-166(イブジラスト)高用量投与群はARDSと分類されないほどまでに回復していたことを示します。一つ目の非臨床モデル有効性スタディにおいて、MN-166(イブジラスト)の忍容性は良好であり、安全性に関する懸念は認められませんでした。二つ目の塩素ガス誘発性肺障害モデルについては、当社の委託先において実行可能性の確立が何度も試みられた後、当該モデルは薬剤候補を評価するための実行可能なモデルではないと判断され、有効性に関する有用な結果は得られませんでした。

Long-COVID(新型コロナ後遺症):Long-COVID(新型コロナ後遺症)には、SARS-CoV-2感染後数週間、数ヶ月又は数年間にわたって続く場合のある、呼吸器、神経その他のさまざまな持続的症状が含まれます。CDCによると、COVID-19の既往を報告した成人におけるLong-COVID(新型コロナ後遺症)の有病率は約11%です。2022年8月、当社は、MN-166(イブジラスト)のLong COVID(新型コロナ後遺症)に対する効果を評価するための多施設共同・無作為化臨床治験(RECLAIM)に参加する計画を発表し、カナダのUniversity Health Networkと提携して臨床治験を実施しておりましたが、諸般の事情により中止となりました。

MN-001(タイペルカスト)

MN-001(タイペルカスト)は、新規の経口投与可能な低分子化合物であり、いくつかのメカニズムによって前臨床モデルにおいて線維化を抑える効果や炎症を抑える効果を発揮しています。その中には、ロイコトリエン(LT)受容体拮抗作用、PDE(主に3及び4)の阻害及び5-リポキシゲナーゼ(5-LO)の阻害が含まれます。5-LO/LT経路は、線維化の病原因子であるとされており、5-LO及び5-LO/LT経路に対するMN-001(タイペルカスト)の阻害作用は線維化治療の新たな手法であると考えられています。MN-001(タイペルカスト)は、LOXL2、Collagen Type 1及びTIMP-1等の線維化を促進する遺伝子の発現を下方制御することが知られています。MN-001(タイペルカスト)はまた、CCR2及びMCP-1等の炎症を促進する遺伝子の発現を下方制御することが知られています。さらに、病理組織検査において、MN-001(タイペルカスト)が複数の動物モデルにおいて線維化を軽減することが示されています。当社は、2002年に、MN-001(タイペルカスト)をキョーリンからライセンス導入しました。

当社は、以前には、喘息に対する臨床的有効性についてMN-001(タイペルカスト)の評価を行い、喘息に関するフェーズ2治験を完了し、良好な結果を得ていました。MN-001(タイペルカスト)は、600人以上の被験者に投与され、おおむね安全で良好な忍容性を示していると考えられています。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD): NAFLDは、肝臓に脂肪が貯まった状態をいいます。NAFLDを有する人の一部は、NASHになる可能性があり、これは肝臓に脂肪が貯まり、肝細胞の炎症及び損傷が起きている状態をいいます。NASHは、アルコール性肝障害に類似した一般的な肝疾患ですが、アルコールをほとんど又は全く飲まない人にも発症します。国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所によると、米国の成人におけるNASHの有病率は1.5~6.5%であり、米国の成人の約24%がNAFLDを有します。NASHの根本原因は不明ですが、肥満の中年に有病率が高くなっています。NASH患者の多くは、血清脂質濃度が高く、糖尿病又は糖尿病予備軍です。NASHは肝硬変に進行する可能性があります。

当社は、NASH治療薬としての臨床的有効性を評価するためMN-001(タイペルカスト)の前臨床試験を完了しました。NASHのSTAMTM(NASH-HCC)のマウスモデルにMN-001(タイペルカスト)を1日1回経口投与し(3週間にわたり10、30、100mg/kg)、肝臓生化学及び肝臓病理組織、NAFLDの活動スコア(NAS)並びに線維化の割合及び遺伝子発現によって、その効果を評価しました。MN-001(タイペルカスト)は、肝臓のヒドロキシプロリン量の減少に見られるとおり、プラセボと比較して用量依存的に線維化領域を大幅に減少させました(p<0.01)。これは、MN-001(タイペルカスト)の線維化の予防の可能性を支持するものです。MN-001(タイペルカスト)は、NASを大幅に改善させました(p<0.01)。MN-001(タイペルカスト)は、当該動物モデルにおいて、肝細胞障害(p<0.01)及びballooning(肝実質細胞の死)(p<0.01)を阻害し、NASHの病状を改善させました。MN-001(タイペルカスト)は、同時に、肝臓における一定の遺伝子発現を減少させることが確認され、MN-001(タイペルカスト)がNASHモデルにおいて線維化の形成を減少させることが示されました。当社は、進行型NASH治療薬としての臨床的有効性を評価するためMN-001(タイペルカスト)の2番目の前臨床試験を完了しました。同試験は、NASHのマウスモデルを対象とするMN-001(タイペルカスト)の最初の前臨床試験に対し、NASHのより進行期のマウスを用いています。MN-001(タイペルカスト)は、進行型NASHのマウスモデルにおいて、NASHを抑える効果や線維化を抑える効果を示しました。MN-001(タイペルカスト)の治療群におけるNAFLD活動スコア(NAS)は、非治療群に対し大幅に減少しました(p<0.001)。肝細胞の風船様腫大スコア(p<0.001)、肝葉炎症巣スコア(p<0.01)及び脂肪化スコア(p<0.05)等のすべてのNAS構成要素において、一貫して減少が認められました。また、MN-001(タイペルカスト)の治療群において、肝臓の線維化が減少しました(p<0.01)。さらに、MN-001(タイペルカスト)の治療群において、α-SMAの染色部分が大幅に減少しました(p<0.001)。総じて、これらの結果により、ヒトのNASHの治療にはMN-001(タイペルカスト)のさらなる治験・評価が必要であるという有力な証拠が提示されました。

当社は、FDAに対しINDを提出し、FDAから、米国におけるNASH及びNAFLDを適応とするMN-001(タイペルカスト)に関する3つの異なるフェーズ2臨床治験のプロトコルについて承認を取得しました。2018年4月、当社は、NASH患者及びNAFLD患者における高中性脂肪血症の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)のフェーズ2臨床治験の中間解析において有意なポジティブな結果が得られたことから、本治験を早期終了することを発表しました。かかるデータは、2018年4月にフランスのパリで開催された国際肝臓会議/第53回欧州連合肝臓研究会(EASL)年次総会において発表されました。当社は、FDAから、線維化を伴ったNASH患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)に対しファストトラックの指定承認を受けました。

2020年11月には、当社は、AASLDの年次大会において、HSC及び急性肝障害モデルにおけるMN-001(タイペルカスト)の肝線維化を抑える効果を評価するインビトロ及びインビボの研究に関する良好な結果を発表しました。MN-001(タイペルカスト)は、マウスの急性四塩化炭素(CCl4)誘発性肝障害モデルにおいて、TGFβ1誘発性HSC活性化、TGFβ1媒介性のHSC運動性及び収縮性の増加、並びに線維形成シグナル伝達を減弱させました。これらのデータは、MN-001(タイペルカスト)の肝臓における抗線維化作用を支持するさらなる科学的証拠となります。2021年11月には、当社は、AASLDの年次大会において、MN-001(タイペルカスト)が肝細胞におけるトリグリセリド代謝を変える仕組みを評価する研究による新たな知見を発表しました。当該研究は、MN-001(タイペルカスト)がヒト肝細胞癌サンプル由来のHepG2細胞におけるトリグリセリド合成に対して阻害作用を有することを明らかにしました。MN-001(タイペルカスト)の添加により、アラキドン酸の肝細胞への取り込みに関与する脂肪酸輸送体の一種であるCD36の発現が抑制されました。これは、MN-001(タイペルカスト)が肝細胞へのアラキドン酸取り込みを阻害することによりトリグリセリド合成を低下させることを示します。CD36は肝臓における細胞の脂肪酸取り込みを増強し、脂肪肝の発症に関与することが知られています。

2022年4月、当社は、2型糖尿病又は高中性脂肪血症を併発するNAFLD患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)を評価するフェーズ2臨床治験の計画について、FDAによる審査が完了し、臨床治験の開始が可能となったことを発表しました。この多施設共同、2群、無作為化、二重盲検、プラセボ比較フェーズ2臨床治験は、米国内で約40名の患者を対象に、プラセボとの比較によりMN-001(タイペルカスト)を評価するものです。患者は、無作為に1:1の割合で割り付けられ、1日に500mgのMN-001(タイペルカスト)又はプラセボのいずれかを24週間投与されます。主要評価項目は、(1)肝脂肪量の変化(ベースラインと24週後の比較)、及び(2)空腹時血清トリグリセリド値の変化(ベースラインと24週後の比較)です。2022年7月には、当社は、2型糖尿病又は高中性脂肪血症を併発するNAFLD患者の治療薬としてのMN-001(タイペルカスト)を評価する当該フェーズ2臨床治験の開始を発表しました。2022年12月には、当社は、国際糖尿病連合(IDF)の2022年国際糖尿病学会議年会において、高中性脂肪血症(HTG)を伴うNAFLD患者を対象にMN-001(タイペルカスト)を評価する、既に完了したフェーズ2臨床治験のサブグループ解析の良好な結果についてプレゼンテーションを行ったことを発表しました。2型糖尿病(T2DM)併発群ではT2DM非併発群に比べ、8週間投与時点で、血清中性脂肪値の大きな低下(T2DM群50.8%低下 vs 非T2DM群17.8%低下、p=0.098)が認められました。T2DM群では非T2DM群に比べ、8週間投与時点で、平均HDL値に有意な上昇(15.8%上昇 vs 1.0%上昇、p<0.0002)が認められました。T2DM群では非T2DM群に比べ、8週間投与時点で、血清LDL値の大きな低下(15.4%低下 vs 6.7%低下)が認められました。

MN-166(イブジラスト)臨床治験及びプログラム

COVID-19 ARDSを発症するリスクのあるCOVID-19患者を対象にMN-166(イブジラスト)の有効性、安全性、忍容性、バイオマーカー及び薬物動態を評価するためのプラセボ対照無作為二重盲検並行群間比較治験 多施設共同

メディシノバ
完了
一次進行型及び二次進行型多発性硬化症 進行型多発性硬化症患者を対象にMN-166(イブジラスト)の安全性、忍容性及び作用を評価するためのプラセボ対照無作為二重盲検治験 クリーブランド・クリニック/多施設共同

国立神経疾患脳卒中研究所

メディシノバ
完了
筋萎縮性側索硬化症

(ALS)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象にMN-166(イブジラスト)の安全性、忍容性及び臨床エンドポイント反応性を評価するための6ヶ月間の単独施設、プラセボ対照、無作為二重盲検治験(その後に非盲検期間を有する。) カロライナ・ヘルスケアシステム神経科学研究所

メディシノバ
完了
ALS/バイオマーカー 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象にMN-166(イブジラスト)を評価するためのバイオマーカー研究 マサチューセッツ総合病院

メディシノバ
完了
筋萎縮性側索硬化症

(ALS)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象にMN-166(イブジラスト)の効果及び安全性を評価するための12ヶ月間のフェーズ2b/3多施設共同、プラセボ対照、無作為二重盲検臨床治験(その後に非盲検期間を有する。) 多施設共同

メディシノバ
進行中
筋萎縮性側索硬化症

(ALS)

拡大アクセスプログラム

(ExpandAccess Program)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象にMN-166(イブジラスト)の有効性を評価する拡大アクセスプログラム。フェーズ2b/3臨床治験(COMBAT-ALS)の参加基準を満たない患者が対象 メイヨー・クリニック/多施設共同

米国国立衛生研究所

(NIH)
進行中
変性性頸椎脊椎症 変性性頸椎脊椎症の減圧手術の補助療法としてのMN-166(イブジラスト)の効果を評価するための多施設共同、プラセボ対照、無作為二重盲検治験 ケンブリッジ大学/多施設共同

イギリス国立疾病研究センター(NIHR)
進行中
化学療法誘発性末梢神経障害 化学療法誘発性急性神経毒性の予防におけるMN-166(イブジラスト)の影響を評価するとともに、オキサリプラチンの投与を受ける消化器癌患者におけるオキサリプラチンとの薬物動態を評価するパイロットスタディ シドニー大学

オーストラリア・コンコルド癌センター
完了
化学療法誘発性末梢神経障害 転移性大腸・直腸・結腸癌患者におけるオキサリプラチン急性神経毒性がMN-166(イブジラスト)により低下するか-フェーズ2無作為治験 シドニー大学

オーストラリアのオーストラレーシア消化器疾患臨床治験グループ
進行中
グリオブラストーマ グリオブラストーマ患者におけるMN-166(イブジラスト)とテモゾロミドの併用療法の安全性、忍容性及び効果を評価するためのフェーズ1a/2b多施設共同、非盲検、用量漸増研究 ダナファーバー癌研究所

メディシノバ
完了
薬物依存・中毒

メタンフェタミン依存症
メタンフェタミン依存症に関するMN-166(イブジラスト)の無作為治験 UCLA

米国国立薬物乱用研究所
完了
メタンフェタミン依存症/バイオマーカー メタンフェタミン使用者の神経炎症に対するMN-166(イブジラスト)の効果 オレゴン保健科学大学 進行中
アルコール依存症 アルコール依存症の新規治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の開発 UCLA

アルコール乱用/アルコール依存症研究所
完了
アルコール依存症及び離脱 アルコール中毒及び離脱に伴う精神不安に対するMN-166(イブジラスト)の効果 UCLA

米国国立薬物乱用研究所
完了
アルコール依存症 アルコール使用障害の治療薬としてのMN-166(イブジラスト) UCLA

アルコール乱用/アルコール依存症研究所
完了

営業及びマーケティング業務

現在、当社はマーケティング能力及び販売能力を有しておりません。当社は、当社の製品を商品化するにあたっては、戦略的提携先に頼ることを見込んでおります。

製造

当社は、研究、開発、前臨床試験及び臨床治験に用いる大半の医薬品有効成分(以下「API」という。)及び治験用製品の完成品の製造を外部委託しております。当社は、当社の臨床治験あるいは将来的な販売のために、API及び完成品の製造を、今後も外部製造業者に委託することが必要であると見込んでおります。当社は、当社の臨床治験の要件あるいは将来的な販売の要件に見合い、かつ商業上妥当な条件で、当社の製品のAPI及び完成医薬品の製造を委託できる製造業者が複数存在すると考えております。

当社は、MN-166(イブジラスト)開発プログラムに関して、日本でPinatos®として販売されている遅発放出性のイブジラストのカプセルを大正薬品工業株式会社から調達し、輸入しています。この他に、当社は、MN-166(イブジラスト)開発プログラムのためのAPI及び完成品の製造に関して委託製造業者も利用しています。

知的財産権及びライセンス契約

2000年9月の創業以来、当社は、現在有する製品候補につき、ライセンス契約を製薬会社と締結しております。当社はまた、製品候補に関する追加の知的財産につき、大学とライセンス契約を締結しております。通常、当社は、販売が見込まれる製品については特許を取得して保護するか、又はライセンサーが有する関連特許により同様の保護を得るようにしております。当社は米国で、40件の交付済み特許を有しており、4件の特許申請を新たに提出しました。また米国外において、上記の米国特許及び特許申請に相当する、124件の交付済み外国特許及び26件の出願中の外国特許申請を有しております。当社は、当社が保有し又はライセンスを許諾した特許に対する、第三者のいかなる侵害も認識しておりません。当社はまた、第三者から、その知的財産権を当社が侵害したとする重大な請求を受けておりません。以下は、当社の各臨床製品候補に関して当社が有する既存のライセンス契約及び知的財産権の詳細です。

MN-166(イブジラスト)

当社は、2004年10月22日、MN-166(イブジラスト)の開発及び商品化に関して、キョーリンと独占的ライセンス契約を締結いたしました。キョーリンは、日本の総合医薬品企業で、東証上場会社です。当社は、多発性硬化症治療薬MN-166(イブジラスト)に関する特許権につき独占的かつ全世界(日本、中国、韓国及び台湾を除きます。)で再許諾可能なライセンス(点眼薬の製剤を除きます。)を取得いたしました。MN-166(イブジラスト)について、組成物に関する特許は取得されておりません。かかるライセンスの基盤となる多発性硬化症治療薬のMN-166(イブジラスト)の米国における使用方法の特許は、2018年8月10日に失効しました。一部のその他の国でも、これに相当する用法特許が2018年8月10日に失効しました。契約の条件に従い、当社は、MN-166(イブジラスト)化合物を使用した眼科製品を世界中のあらゆる場所において、また、MN-166(イブジラスト)化合物を使用した眼科に無関係の製品を当社の販売区域外において開発するために、当社の前臨床、臨床及び規制データベースを使用するための無償の独占的かつ再許諾可能なライセンスをキョーリンに付与いたしました。

同ライセンス契約は、一方の当事者が本契約に対し重大な違反を行い、当該違反が治癒されない場合には、他方当事者が解除することができます。また、当社はキョーリンに対する90日前までの書面による通知をもっていかなる理由によっても同契約を解除することができ、第三者がMN-166(イブジラスト)がかかる第三者の知的所有権を侵害する旨を主張した場合には、30日前までの書面による通知をもって同契約を解除することができます。

同契約の期間は、各国ごとの基準により決定され、同契約上の支払義務が満了する日、又は、同契約により付与されるライセンスがなければ、薬品の製造、使用又は販売が、キョーリンが有する有効な特許クレームの侵害に該当することになる期間の最終日、若しくは適用ある市場独占期間の最終日まで延長されます。特定の国において、有効な特許クレーム及びジェネリック製品との競争が存在しない場合、同契約は、当社が最初に製品の販売を行った日から数えて5年後、又は、かかる国においてジェネリック製品との競争が生じてから第2四半期末のいずれか早い日に終了します。

同ライセンス契約に基づき、当社は、現在までにキョーリンに対し、0.7百万米ドルを支払っております。また、臨床治験及び薬事規制において一定の段階に到達した場合には最大で5百万米ドルを支払う義務があります。当社はまた、ライセンス製品の純売上高に対するライセンス使用料を支払う義務があります。

当社は、MN-166(イブジラスト)及びその類似物について、21件の交付済み米国特許及び4件の出願中の米国特許申請、並びに50件の交付済み外国特許及び21件の出願中の外国特許申請についてのライセンスを保有し又は共同保有しております。これらの特許及び特許申請は、当社の開発ポートフォリオに関連するものであり、主に、MN-166(イブジラスト)及びその類似物を使用した様々な適応疾患に対する治療法を対象としています。

当社は、進行型多発性硬化症治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の使用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2029年11月以降に失効することになっています(特許期間の回復に関する規則に基づき認められる可能性のある延長を含みません。)。当該特許は、MN-166(イブジラスト)を投与することによる、PPMS又はSPMSの治療法に対するものです。かかる特許申請に相当する申請が特定の外国において承認されております。当社は、PPMS及びSPMSの両方を含む進行型多発性硬化症治療薬としてのMN-166(イブジラスト)とインターフェロンベータの併用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2039年10月以降に失効する見込みです。当社は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の使用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2029年1月以降に失効することになっています。当社は、ALS及びその他の神経変性疾患の治療薬としてのMN-166(イブジラスト)とリルゾールの併用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2035年11月以降に失効することになっています。かかる特許申請に相当する申請が特定の外国の法域において承認されております。当社は、グリオブラストーマの併用療法の一部としてのMN-166(イブジラスト)の使用に関する米国特許を2件取得いたしました。当該特許は、2039年2月以降に失効することになっています。当社は、薬物依存・中毒又は薬物離脱症候群治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の使用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2030年1月以降に失効することになっています。当該特許申請に相当する特許が海外の一定の国々において承認されています。当社は、神経因性疼痛治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の使用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2025年12月以降に失効することになっています。当社は、眼科領域での神経変性疾患/障害若しくは損傷又は神経眼科障害の治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の使用に関する米国特許を取得いたしました。当該特許は、2039年10月以降に失効することになっています。

MN-001(タイペルカスト)

2002年3月14日、当社は、MN-001(タイペルカスト)の開発及び商品化に関して、キョーリンと独占的ライセンス契約を締結いたしました。当社は、当該特許権において開示され、含まれ又は対象となるMN-001(タイペルカスト)及びその活性代謝産物であるMN-002に関する特許権及びノウハウにつき、すべての適応疾患(点眼薬の製剤を除きます。)のための、独占的かつ全世界(日本、中国、韓国、及び台湾を除きます。)で再許諾可能なライセンスを取得いたしました。同ライセンスは、2件の米国特許並びにそれに相当する外国における特定の特許に基づく独占的かつ再許諾可能なライセンスを含むものでした。ライセンスの基盤となるMN-001(タイペルカスト)及びMN-002の米国における組成物特許は、それぞれ2009年2月23日及び2011年12月30日に失効いたしました。MN-001(タイペルカスト)及びMN-002の外国における組成物特許もまた失効いたしました。当社は、MN-001(タイペルカスト)及びMN-002に付随する特定の組成物、用途及び製造過程を対象とする9件の米国特許及び65件の外国特許を保有しております。当該米国特許の対象となる用途には、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、線維化を伴う進行型NASH、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、脂肪症、高中性脂肪血症、高コレステロール血症、高リポタンパク血症、線維化、潰瘍性結腸炎、間質性膀胱炎及び過敏性腸症候群が含まれます。これらの米国特許に相当する特許申請は、特定の外国において提出されており、複数の外国特許が交付されております。

契約の条件に従い、当社は、MN-001(タイペルカスト)を使用した眼科製品を世界中のあらゆる場所において、また、MN-001(タイペルカスト)を使用した眼科に無関係の製品を当社の販売区域外において開発するために、当社の前臨床、臨床及び規制データベースを使用するための無償の独占的かつ再許諾可能なライセンスをキョーリンに付与いたしました。同ライセンス契約は、一方の当事者が本契約に対し重大な違反を行い、当該違反が治癒されない場合には、他方当事者が解除することができます。また、当社は、いかなる理由の場合でも、キョーリンに対する90日前までの書面による通知をもって同契約を解除することができ、第三者がライセンスされた特許若しくはノウハウがかかる第三者の知的所有権を侵害する旨を主張した場合には、30日前までの書面による通知をもって同契約を解除することができます。

同契約の期間は、各国ごとの基準により決定され、同契約上の支払義務が満了する日、又は同契約により付与されるライセンスがなければ、製品の製造、使用又は販売が、キョーリンが有する有効な特許クレームの侵害に該当することになる期間の最終日、若しくは適用ある市場独占期間の最終日まで延長されることになります。特定の国において、有効な特許クレーム及びジェネリック製品との競争が存在しない場合、同契約は、当社が最初に製品の販売を行った日から数えて5年後、又はかかる国においてジェネリック製品との競争が生じてから第2四半期末のいずれか早い日に終了します。

同ライセンス契約に基づき、当社は、現在までにキョーリンに対し、4百万米ドルを支払っております。また、臨床治験及び薬事規制において一定の段階に到達した場合には最大で5百万米ドルを支払う義務があります。当社はまた、ライセンス製品の純売上高に対するライセンス使用料を支払う義務があります。

一般事項

当社が企図する商業活動は、競合会社、大学及び/又はその他に対して既に付与されているか又は付与される可能性のある特許に抵触するおそれがあります。また、第三者が特許侵害を主張して当社、当社のライセンサー又はサブライセンシーに対して法的措置を行い、損害賠償を請求したり、又は影響を被った製品の製造及び販売、若しくは当該製品の使用若しくは製法の利用を禁じたりする可能性があります。このような行為が認められた場合、当社は、補償、損害賠償及び場合により弁護士報酬の支払の責任を負う可能性に加えて、影響を被った製品の製造、使用又は販売を継続するためには、ライセンスの取得が必要となる可能性があり、かかるライセンスは商業上妥当な条件では取得できないか、又はまったく取得できないおそれもあります。また、場合により、営業秘密又は秘密保持に係る合意に依拠する方が特許よりも当社にとって好都合なことがあり、その場合、当社は、特許を受けていない専有技術も利用いたします。しかし、他の者が実質的に同一の専有情報及び技術を独自に開発し又はかかる専有技術を入手し若しくは開示するおそれがあります。当社は、このような特許を受けない専有技術における当社の権利については、これを有効に保護できないおそれがあります。また、当社が研究を行う他の医薬化合物や技術について、第三者が権利を保有していたり、又はこれが第三者の特許権に服していたりする可能性もあります。これにより、当該研究に基づく製品が商品化された場合には、その販売活動が特許その他の権利を侵害し、これにより当社がかかる特許その他のライセンスを取得しなければならないことがあります。当社は、当社が保有し又はライセンスを許諾した特許について、第三者によるいかなる侵害も認識しておりません。当社はまた、第三者から、その知的財産権を当社が侵害したとする重大な請求を受けておりません。

当社がアサイニー、ライセンシー又は潜在的なライセンシーとして利益を有するような特許申請を、当社又は他の者が申請することにより、付与されるという保証はありません。また、かかる特許が付与されたとしても、類似の技術又は製品を有する競合会社に対して当社を保護するものとなるか、あるいは特許の保護を回避されたり異議を申し立てられたりすることがないかについては不確実です。例えば、当社は、MN-166(イブジラスト)による進行型多発性硬化症の治療法、MN-166(イブジラスト)によるALSの治療法、併用療法の一部としてのMN-166(イブジラスト)によるグリオブラストーマの治療法、MN-166(イブジラスト)による薬物依存・中毒の治療法及びMN-166(イブジラスト)による神経因性疼痛の治療法について米国特許を取得しておりますが、MN-166(イブジラスト)についての組成物特許のクレームは失効したため有しておりません。したがって、無関係の第三者が、MN-166(イブジラスト)に関する使用方法の特許、当社がライセンサーを通じて独占権を有するその他の特許又は当社が取得し得るどの特許も侵害しないのであれば、MN-166(イブジラスト)と同種のAPIを使用した製品を開発するおそれがあります。

加えて、当社の開発した製品がいずれの特許の対象ともならない場合、当社は、当該製品につき、米国においてはハッチ・ワックスマン法の新規化学物質専有に関する規定及び/又は欧州においてはデータ専有に関する規定に基づく市場優先権の取得に依拠することになります。当社が、当局の承認取得後に当社の製品について強力な専有権の保護を得ることができない場合、競合会社は、長期にわたる臨床治験を要求されることなく当社製品との生物学的同等性を立証することが可能な簡易手続のみにより当局の承認を取得することによって、競合的なジェネリック製品を販売することができるようになる可能性があります。当社の特定のライセンス契約には、ジェネリック製品による競合が生じた場合には、ライセンス使用料を減額するか、又は放棄する旨が定められております。

競合

新薬の開発及び商品化は競合が厳しく、広範な研究努力及び急速な技術進歩を特徴とします。業界における競合は様々な分野にわたっており、他社より先に新製品を開発及び販売すること、より低価格で既存製品と同一の効能を有する新製品を開発すること、並びに既存製品より優れた効能を有する新製品を開発することが挙げられます。当社は、米国及びその他の国々における医薬品企業及びバイオテクノロジー企業並びに多くの学術機関、研究機関及び政府機関との競合に直面しています。このような競合相手の中には、当社の製品開発プログラムが焦点とする疾患及び症状と同一のものを対象とした製品を有している、又はそのような医薬品を開発している企業若しくは機関もあります。当社の競合相手の多くは、承認済み若しくは開発後期段階にある製品を有しており、当社の製品よりも、効果的で安全性が高くコストが低い医薬品あるいは容易に投与することができる医薬品の開発に成功する可能性があります。また、当社の競合相手は、当社の製品より早期に特許権保護若しくは商品化を実現する可能性があります。当社の競合相手はまた、当社が製品に対する承認を取得することができたとしても、当該製品の市場をさらに狭めうる代替療法を開発する可能性があります。

当社が取扱う疾病分野の多くについて、異なる作用機序並びに魅力的な有効性及び安全性プロフィールを有する新たな化合物の開発に取り組む潜在的な競合相手が存在します。当社の競合相手の多くが、実質的に当社よりも優れた財務、研究開発資源(人的資源及び技術を含みます。)、臨床治験の経験、製造、販売及びマーケティング能力並びに製造施設を有しております。小規模企業もまた、独自の研究開発や大手医薬品企業及びバイオテクノロジー企業との提携関係により、重要な競合相手となる可能性があります。

進行型多発性硬化症治療薬(Progressive MS)のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、進行型多発性硬化症の治療薬として現在開発中です。二次進行型多発性硬化症治療薬としては、ミトキサントロンが承認されておりますが、ミトキサントロンは、心毒性の危険性のため長期的に使用することができません。再発性二次進行型多発性硬化症(活動性二次進行型多発性硬化症としても知られます。)治療薬としては、Mayzent(シポニモド)、Mavenclad(クラドリビン)、Vumerity(フマル酸ジロキシメル)、Zeposia(オザニモド)、Kesimpta(オファツムマブ)、Bafiertam(フマル酸モノメチル)、Ponvory(ポネシモド)、Briumvi(ウブリツキシマブ-xiiy)、Avonex(インターフェロン ベータ-1a)、Betaseron(インターフェロン ベータ-1b)、Rebif(インターフェロン ベータ-1a)、Extavia(インターフェロン ベータ-1b)、Plegridy(ペグインターフェロン ベータ-1a)、Copaxone(グラチラマー酢酸塩)、Glatopa(グラチラマー酢酸塩)、Gilenya(フィンゴリモド)、Aubagio(テリフルノミド)、Tascenso ODT(フィンゴリモド)、Tecfidera(フマル酸ジメチル)、Lemtrada(アレムツズマブ)、Tysabri(ナタリズマブ)及びTyruko(ナタリズマブ-sztn)を含む多くの薬剤が承認されております。一次進行型多発性硬化症及び再発性二次進行型多発性硬化症治療薬としては、Ocrevus(オクレリズマブ)が承認されております。再発を伴わない二次進行型多発性硬化症治療薬として特別に承認されている薬剤はありません。進行型多発性硬化症に関する臨床開発におけるその他のプログラムには、サノフィのトレブルチニブ、ロシュのフェネブルチニブ及びABサイエンスのマシチニブが含まれます。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、ALSの治療薬として現在開発中です。ALS治療薬としては、Rilutek及びTiglutikの各ブランド名でも販売されているジェネリック版リルゾール、Radicava(エダラボン)、Relyvrio(フェニル酪酸ナトリウム及びタウルルソジオール)及びQalsody(トフェルセン)が承認されています。当社は、ALSの治療薬として、ブレインストーム・セル・セラピューティクス、ABサイエンス、バイオジェン及びクリネ等の他社において、その他の化合物が臨床開発段階にあることを認識しています。

薬物依存・中毒治療薬のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、オピオイド依存、メタンフェタミン依存症並びにアルコール依存症の治療薬として現在開発中です。現在のオピオイド離脱症状の治療薬には、ジェネリック版メタドン等の麻薬並びにインディビアー・インクのSuboxone Film(ブプレノルフィン+オピオイド拮抗性ナロキソン)が含まれます。オピオイド依存症について承認済のその他の製品には、アルカミーズのVivitrol(ナルトレキソン1ヶ月有効型注射剤)、オレクソのZubsolv(ブプレノルフィン及びナロキソン)及びインディビアーのSublocade(ブプレノルフィン徐放性注射剤)が含まれます。2023年5月、ブレイバーンは、経粘膜的ブプレノルフィン製品の単回投与による治療を開始した患者又は既に経粘膜的ブプレノルフィン含有製品による治療を受けている患者を対象とした、中等度から重度のオピオイド使用障害を適応とする新たな週1回及び月1回投与型の徐放性皮下注用製剤のBRIXADI(ブプレノルフィン)がFDAにより承認されたことを発表しました。オピオイド離脱症状に対する非麻薬性の医薬品候補は限られています。ユーエス・ワールドメッズ・エルエルシーのLucemyra(ロフェキシジン)は、オピオイドの急激な断薬を円滑化するためのオピオイド離脱症状の軽減に関して承認された中枢性α2アドレナリン拮抗薬です。現在のところ、メタンフェタミン依存症の治療薬として承認されている医薬品はありません。インターベキシオン・セラピューティクスは、現在メタンフェタミン使用障害の治療薬を開発しています。アルコール依存症の承認済治療薬には、Antabuse(ジスルフィラム)、Vivitrol(ナルトレキソン)及びジェネリック版アカンプロセートがあります。当社は、インディビアー及びエーダイヤル・ファーマシューティカルズ等の他社において、その他の治療薬がアルコール使用障害治療のために開発段階にあることを認識しています。

化学療法誘発性末梢神経障害治療薬のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、化学療法誘発性末梢神経障害の治療薬として開発されています。現在のところ、化学療法誘発性末梢神経障害の治療薬として承認されている医薬品はありません。デュロキセチンが、かかる適応症に適応外使用される場合があります。当社は、アルゴ・テラプティクス(AlgoTx)、ソネット・バイオセラピューティクス及びWinSanTor等の他社において、化学療法誘発性末梢神経障害の治療薬が開発段階にあることを認識しています。

変性性頸椎脊椎症治療薬のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、変性性頸椎脊椎症の治療薬としても開発されています。現在のところ、変性性頸椎脊椎症の治療薬として承認されている医薬品はありません。

グリオブラストーマ治療薬のMN-166(イブジラスト)

当社は、グリオブラストーマ治療薬としてのMN-166(イブジラスト)の製品候補の臨床開発を開始しました。グリオブラストーマの現在の標準的な治療法は、手術、放射線治療及びテモゾロミド剤による化学療法です。また、グリオブラストーマの治療薬として、GLIADEL® WAFER(カルムスチン・インプラント)及びAVASTIN®(ベバシズマブ)が承認されています。当社は、カジア・セラピューティクス、キンタラ・セラピューティクス、デノボ・バイオファーマ、ラミナー・ファーマシューティカルズ及びTVAXバイオメディカル等の他社において、その他の化合物がグリオブラストーマ治療のために開発段階にあることを認識しています。

COVID-19患者におけるARDS予防薬のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、COVID-19患者におけるARDSの予防薬としても開発中です。当社は、特にこの適応症を対象とする他の開発中の医薬品は認識していないものの、COVID-19の治療薬として承認済み又は開発中の他の医薬品については認識しています。2020年10月、ギリアド・サイエンシズは、入院を必要とするCOVID-19患者の治療のための抗ウイルス薬であるVeklury(レムデシビル)がFDAにより承認されたことを発表しました。2020年11月、FDAは、重度のCOVID-19への進行及び/又は入院のリスクが高いCOVID-19患者の治療を目的とするイーライ・リリーの治験段階の中和抗体であるバムラニビマブ(LY-CoV555)に、緊急使用許可(EUA)を与えました。2020年11月、イーライ・リリー及びインサイトは、入院中のCOVID-19患者に対するレムデシビルとの併用投与のための、バリシチニブの配布及び緊急使用に関するEUAがFDAにより発行されたことを発表しました。2020年11月、リジェネロン・ファーマシューティカルズは、同社のカシリビマブとイムデビマブの併用によるマルチ抗体療法について、FDAからCOVID-19治療法としてのEUAを取得したことを発表しました。2021年2月、FDAは、重度のCOVID-19への進行のリスクが高いCOVID-19患者の治療に関し、イーライ・リリーのバムラニビマブとエテセビマブの併用投与に関するEUAを発行しました。2021年5月、FDAは、重度のCOVID-19への進行のリスクが高いCOVID-19患者の治療に関し、グラクソ・スミスクラインのソトロビマブのEUAを発行しました。2021年6月、FDAは、入院中のCOVID-19患者の治療に関し、ロシュのActemra(トシリズマブ)のEUAを発行しました。2021年12月、ファイザーは、重度のCOVID-19への進行のリスクが高い、軽度から中等度のCOVID-19成人患者及び小児患者(12歳以上、体重40kg以上)の治療に関し、FDAによりPAXLOVID(ニルマトレビル錠及びリトナビル錠)のEUAが付与されたことを発表しました。2021年12月、メルク及びリッジバック・バイオセラピューティクスは、重度のCOVID-19への進行のリスクが高く、FDAによって承認された他のCOVID-19治療選択肢が利用できない又は臨床的に適切ではない軽度から中等度のCOVID-19成人患者における治療薬として、治験中の経口抗ウイルス薬であるモルヌピラビルのEUAがFDAによって承認されたことを発表しました。2022年2月、FDAは、重度のCOVID-19への進行のリスクが高く、他のCOVID-19治療選択肢が利用できない又は臨床的に適切ではない軽度から中等度のCOVID-19成人患者及び小児患者の治療に関し、イーライ・リリーのベブテロビマブのEUAを発行しました。2022年11月、FDAは、重度の呼吸不全への進行のリスクがあり、血漿中の可溶性ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ受容体(suPAR)の上昇の可能性が高い、酸素補給が必要な肺炎を合併した入院中のCOVID-19成人患者の治療に関し、スウェディッシュ・オーファン・バイオビトラムのKineret(アナキンラ)のEUAを発行しました。2023年4月、FDAは、侵襲的人工呼吸器又は体外式膜型人工肺(生命維持装置)導入後48時間以内に開始する場合における入院中のCOVID-19成人患者の治療に関し、インフラRxのGohibic(ビロベリマブ)のEUAを発行しました。当社は、メルク、アストラゼネカ、ギリアド・サイエンシズ及びリゲル・ファーマシューティカルズ等の他社において、COVID-19のさらなる治療薬の開発が進められていると認識しています。

Long-COVID(新型コロナ後遺症)治療薬のMN-166(イブジラスト)

当社のMN-166(イブジラスト)の製品候補は、Long-COVID(COVID-19の後遺症)治療薬として開発を進めてまいりました。現在のところ、Long-COVIDの治療について承認された医薬品はありません。当社は、アクセラ・セラピューティクス、AIMイムノテック、トニックス・ファーマシューティカルズ、ヒューマネティクス及びエアリウム・セラピューティクス等の他社において、化合物が臨床開発段階にあることを認識していますが、当社の取り組みは諸般の事情により中止となりました。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)治療薬のMN-001(タイペルカスト)

当社のMN-001(タイペルカスト)の製品候補は、NASH及びNAFLDの治療薬として開発されています。NASH治療薬としては、RezdiffraTM(レスメチロム)が承認されています。また、当社は、ガレクチン・セラピューティクス、ギリアド・サイエンシズ、ガルメド・ファーマシューティカルズ、ファイザー、ノボ ノルディスク、メルク及びマドリガル・ファーマシューティカルズ等の他社において、化合物がNASH又はNAFLDの治療のために臨床開発段階にあることを認識しています。

政府の規制

米国及びその他各国の政府機関は、当社が開発するような医薬品及び生物製剤に関する研究、開発、試験、製造、表示、販売促進、広告、販売、サンプリング、マーケティング並びに輸入及び輸出について広範囲に規制しております。米国において、FDAは、連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug and Cosmetic Act/その後の改正を含みます。)並びにその他の連邦法及び規制に基づき、医薬品について広範囲かつ厳密な検討を行っております。該当する規制要件を満たさない場合、承認の前後を問わず、当社、外部製造業者、請負業者、供給業者及び提携先は、例えば、承認の遅延、出願中の申請の承認拒否、罰金、行政警告書(warning letters)、製品のリコール、製品差押え、製造・販売の全部又は一部中止、差止命令及び/又は刑事上の訴追等の行政上又は司法上の制裁を被ることがあります。

米国監督機関の承認 

概要 米国においては、医薬品と医薬品の治験は、州や地域の政府機関に加えて、連邦食品医薬品化粧品法(以下「FDCA」という。)の下、FDAによる規制を受けます。すべての開発中の製品候補は、商品化前に、政府機関の承認を得なければなりません。当社は、FDAから新製品の承認を得るために、特に、安全性及び有効性を示すデータ並びに製品の製造や構成及び予定されている表示に関する詳細な情報を提出しなければなりません。当社の製品候補は治験の初期の段階にあり、同局の承認を受けたものはありません。医薬品が承認されるまでの一般的な手順は以下が含まれます。

・ 非臨床検査、動物研究及び製剤研究の完了。

・ IND申請(米国での人体臨床治験開始前に効力が生ずる必要があります。)の提出。

・ 製品候補につき承認申請の対象となる適応ごとの安全性及び有効性を確立するための、適切かつ十分に管理された人体臨床治験の完了。

・ FDAに対する多額の申請料を添えての新薬承認申請(以下「NDA」という。)の提出。

・ FDAの命ずる商業医薬品製造管理及び品質管理基準(以下「cGMP」という。)に合致した製造過程の開発、並びに、cGMPの遵守及び治験責任医師による医薬品の臨床治験の実施に関する基準(Good Clinical Practice)の遵守に関するFDAの査察の順調な完了。

・ FDAによるNDAの検討及び承認(諮問委員会からFDAへの意見並びに更なる臨床治験及び医薬品のリスク軽減のための販売制限に関する承認後のコミットメントを含むことがあります。)。

治験、データ収集、必要な申請の準備及び承認の手続には、膨大な時間、努力及び資金が必要となります。加えて、法令、規則、規制及び政策が変更され、新たな規制が発令される可能性があります。そのような場合、当社の医薬品の承認が遅れる可能性があります。FDAは、迅速に又は当社に有利に当社の申請を検討するとは限りません。当社は、FDAによる承認を得る際に、著しい困難や膨大な費用に直面することがあり、その結果として当社の製品候補の販売が遅れる又は妨げられる可能性があります。

前臨床試験 前臨床試験は、製品候補、その化学的性質、毒性、剤形及び安定性の実験評価と、当該製品候補の潜在的な安全性及び有効性を評価するための動物実験から成ります。前臨床試験の結果は、製造情報、分析データ及び製品候補に関して入手されるその他の情報と併せて、INDの一部としてFDAに提出されます。前臨床試験及び研究は完了までに数年の歳月を要することがあり、試験及び研究が完了したとしても、FDAが臨床治験の開始を許可しないこともあります。

INDプロセス 治験段階の医薬品を人体に投与するためにはINDが効力を生じていなければなりません。INDは、FDAがこれを受理してから30日後に自動的に効力が生じますが、この30日間において、FDAがINDの臨床治験差止めを命じた場合にはこの限りではありません。またFDAは、かかる30日間の満了後に、INDの書類に概要が記載されている治験の実施について懸念又は疑問を呈することがあり、FDAが適切であるとみなす場合、臨床治験の差止めを強制することもあります。この場合、INDを行った開発業者及びFDAは、臨床治験が開始・継続される前にかかる懸念を解消しなければなりません。INDは極めて多額の費用を要することがあり、当社の製品候補の開発を大幅に遅らせるおそれがあります。さらに、前臨床試験又は過去の人体治験における結果が肯定的であったとしても、必ずしもその後の臨床治験の結果が肯定的となると予測されるものではありません。

当社は、臨床治験の結果を詳述した進捗報告書を毎年FDAに提出しなければならず、また深刻かつ想定外の有害事象や、実験動物試験の結果で被験者への重大なリスクを示すものについては、IND安全性報告書をFDA及び治験責任医師に対して速やかに提出しなければなりません。

臨床治験 人体への臨床治験は、通常、重複する可能性のある3つの連続した段階を経て行われなければなりません。

・ 第I相(フェーズ1):最初に少人数の健康な被験者又は患者に対して医薬品候補を投与し、安全性、許容投与量、吸収、分散、排出及び代謝についての検査を行います。被験製品を健康なボランティアに医療用として投与することが本質的にあまりに有害であると考えられる場合、最初の人体治験をターゲットの患者群に対して実施することも多くあります。

・ 第Ⅱ相(フェーズ2):少数の患者に対して医薬品候補を投与し、焦点を絞った特定の適応疾患に対しての有効性、許容投与量及び最適用量を評価し、潜在的副作用並びに安全性リスクの有無を確認します。

・ 第Ⅲ相(フェーズ3):臨床効果及び安全性をさらに評価するために様々な地域の臨床治験施設において、より広範な患者群に対して医薬品候補を投与します。フェーズ3臨床治験の目的は、医薬品候補のリスク/ベネフィット分析を行い、製品表示に十分な根拠を与えることにあります。FDAによるNDAの承認を得る上で、2回の適切かつ十分に管理されたフェーズ3臨床治験を行うことが一般的です。

各臨床治験の開始に先行して、実施を申し出た各医療現場に対して、独立の治験審査委員会(IRB)が臨床治験の研究手順を検討の上で承認しなければならず、また被験者に対しては、研究への参加に対するインフォームド・コンセントが行われなければなりません。

当社は、製品候補についてフェーズ1、2又は3の各臨床治験を完了することができるか、完了することができたとしても、特定の期間内に順調に完了できるかについては確証を得ることができません。臨床治験は、FDAの医薬品の臨床治験の実施基準の要件(以下「GCP」という。)に従って実施されなければなりません。FDAは、臨床治験がかかるFDAの要件に従っておらず、又は臨床治験の被験者に対して容認できないリスクを及ぼすと判断した場合には、何時でも臨床治験を部分的、一時的若しくは永続的に中止し、又はその他の罰則を課すことがあります。IRBは、臨床治験がIRBの要件に従っていなかった場合には、かかる現場における臨床治験を一時的あるいは永続的に中止し、又はその他の罰則を課すことがあります。当社はさらに、被験者又は患者が容認できない健康上のリスクにさらされていることが明らかになった場合を含む様々な理由により、随時、臨床治験を一時的に中断するか又は打ち切る可能性があります。

当社は、新薬開発の過程で、INDの提出前、エンド・オブ・フェーズ2ミーティングの時点及びNDAの提出前等にFDAとのミーティングを要求することがありますが、FDAとのミーティングはこれらの特定の機会に限られません。エンド・オブ・フェーズ2ミーティングは、フェーズ2臨床治験の結果について協議し、新薬の承認に役立つと当社が考えるフェーズ3臨床治験の計画を提示することを目的とするものです。進行中の臨床治験と並行して、追加的な動物安全性研究、製剤研究及び薬理学的研究も実施されます。また、新薬の品質、純度及び力価が基準を満たすものと見込まれる場合、cGMPの要件に従って、新薬を商業用規模で製造するためのプロセスを決定します。医薬品開発業者は、特別プロトコル査定(SPA)を要求することもできますが、これはフェーズ3臨床治験のプロトコル設計及び有効性の主張の基礎となる分析についてFDAの合意を得ることを目的とするものです。

ファストトラック指定 FDAは、一定の基準を満たした新たな医薬品及び生物薬品の承認審査のプロセスを迅速化又は円滑化することを目的としたファストトラック・プログラムを設けています。具体的には、新たな医薬品及び生物薬品は、それらが重篤又は命に関わる状態の治療を目的とするものであり、かかる状態に対する新規の有効な治療法となる可能性を有する場合、ファストトラック指定の対象となります。ファストトラック指定は、製品と、その研究対象となっている特定の適応との組み合わせに対して適用されます。ファストトラック指定製品の場合、FDAは、医薬品開発業者がNDAの各セクションの提出スケジュールを提示し、FDAがNDAをセクション毎に受理することに同意し、また当該スケジュールが容認可能であると判断し、かつ医薬品開発業者が必要な利用者手数料を、NDAのセクションを最初に提出する際に支払う場合、完全な申請が提出される前に、NDAの各セクションを順次審査することを検討することができます。

ファストトラック・プログラム対象製品を含め、販売に向けてFDAに提出された製品は、開発及び承認審査の迅速化を目的とするFDAの他のプログラム(優先審査、迅速承認等)の対象となることもあります。優先審査は、他に十分な治療法が存在しない分野に安全かつ有効な治療法をもたらす可能性又は疾患の治療、診断若しくは予防において市販製品と比べて著しく向上する可能性を有する製品が対象となります。FDAは、承認審査を円滑化するため、優先審査の対象に指定されたNDAの評価に追加的な資源を投じるよう努めます。さらに、製品は迅速承認の対象にもなる場合があります。重篤又は命に関わる疾患の治療における安全性及び有効性が研究されており、かつ既存の治療法を上回る重要な治療効果をもたらす薬剤が、迅速承認を受けることができます。迅速承認とは、薬剤が、適切かつ十分に管理された臨床治験により、臨床的有効性が合理的に見込まれる代用エンドポイントに関して効果を有するか、又は生存若しくは不可逆的罹患を除く臨床エンドポイントに関して効果を有すると証明されたことを根拠として承認されることをいいます。承認の条件として、FDAは、迅速承認を受ける薬剤の医薬品開発業者に対し、適切かつ十分に管理された販売後臨床治験の実施を要求することがあります。さらに、FDAは現在、迅速承認の条件として、販促資料の事前承認を義務付けており、これにより製品の市場での販売開始の時期に悪影響が及ぶ可能性があります。ファストトラック指定、優先審査及び迅速承認により、承認の基準が変わることはありませんが、開発又は承認プロセスが迅速化される可能性があります。

米国における特許期間回復及び独占販売権 FDAによる医薬品候補の承認の時期、期間及び特性に応じて、製品候補に対する米国特許の一部が、1984年医薬品の価格競争と特許期間回復法(以下「ハッチ・ワックスマン改正法」という。)に基づく限定的な特許期間の延長の対象となる場合があります。ハッチ・ワックスマン改正法は、製品開発及びFDAによる規制上の審査の過程で喪失した特許期間の補償として、最大5年間の特許回復期間を認めています。但し、特許期間の回復において、特許の残存期間を製品の承認日から合計14年間を超えて延長することはできません。特許回復期間は、通常、INDの発効日からNDAの提出日までの期間の半分にNDAの提出日から申請の承認日までの期間を加えた期間とされます。延長の対象となるのは、承認された医薬品に適用される特許のうち一つのみで、延長申請は、特許期間の終了前になされる必要があります。特許期間の延長又は回復の申請の審査及び承認は、USPTOが、FDAとの協議の下で行います。当社は将来的に、現在所有しているか又はライセンスを受けている特許の一つ又は複数について、臨床治験の予想期間や関連NDAの提出に関わるその他の要素に応じて、現行の特許期間終了日後まで特許期間を延長するための特許期間回復申請を行う可能性があります。

また、FDCAの独占販売権に関する規定により、他社による特定の申請であって別の会社のNDAを参照しようとするものの提出又は承認が遅れる可能性があります。新規化学物質に対するNDAの承認を取得した最初の申請者は、FDCAに基づき、米国内において5年間、特許なく独占的に販売を行う権利を与えられます。医薬品は、FDAが同様の活性部分(すなわち、原薬の作用に関与する分子又はイオン)を含有するその他一切の新薬に対して過去に承認を付与したことがない場合、新規化学物質とされます。独占期間中、FDAは、他社が当該医薬品の別のバージョンに関して行う簡略新薬申請(以下「ANDA」という。)又は505(b)(2)NDAの審査要求であって、申請者が承認に必要なすべてのデータを参照する法的権利を有しないものを受理することはできません。但し、イノベーターNDA保有者によってFDAに登録された特許の一つについて特許の無効性又は非侵害性の証明を含む申請であれば、4年後以降提出することができます。FDCAはまた、申請者が実施又は出資した新規臨床治験(バイオアベイラビリティ研究を除きます。)が申請の承認において不可欠であると見なした場合、既存の医薬品の新規の適応疾患、投与量若しくは効能等について新規若しくは補足的になされたNDAの承認について3年間の独占販売権を付与します。この3年間の独占権は、新規臨床治験に関連する条件のみを対象とするものであり、FDAによる、元となる活性薬剤を含む医薬品に関するANDAの承認を禁止するものではありません。5年間及び3年間の独占権により、完全なNDAの提出又は承認が遅延することはありません。但し、申請者は、完全なNDAを提出するにあたり、安全性及び有効性を示すために必要なすべての前臨床研究及び適切かつ十分に管理された臨床治験を実施するか、又はこれらを参照する権利を得る必要があります。小児独占権も、米国における規制上の独占販売権の種類の一つです。小児独占権が付与された場合、既存の独占期間及び特許期間に6ヶ月が追加されます。この6ヶ月間の独占権は、他の独占権保護期間又は特許期間の終了後に適用開始され、FDAにより公表された小児治験に関する「要求書」に基づく小児治験の自主的な完了に応じて付与されます。

米国外における規制 米国内における規制に加え、当社及び当社の戦略的提携先は、臨床治験並びに当社製品の商業的な販売及び流通等に関する他の法域における様々な規制の対象となります。

当社は、製品に関してFDAの承認を得るか否かにかかわらず、外国における臨床治験の開始や製品の販売開始に先立って、かかる国の規制当局から必要な承認を得なければなりません。米国外の一部の国では、人体臨床治験開始前にINDのような臨床治験申請を提出することを義務付ける、米国と同様のプロセスが設けられています。例えば、欧州連合では、各国の保険当局及び独立倫理委員会(それぞれFDA及びIRBに相当するもの)に対して臨床治験申請(CTA)を提出しなければなりません。各国の要件に従ってCTAが承認された後に、臨床治験開発を進めることができます。

臨床治験の実施、製品のライセンス、価格決定及び還付に関する要件及びプロセスは、各国毎に異なります。いずれの場合にも、臨床治験は、GCP、適用ある規制上の要件及びヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則に従って行われます。

欧州連合の薬事制度の下で被験薬に対する規制当局の承認を得るためには、当社又は当社の戦略的提携先は、市場化に係る認可の申請を行う必要があります。各国毎に必要な書類等を除き、米国でNDAを提出する際の申請は、欧州連合で義務付けられるものと類似しています。

欧州連合以外の国(東欧、ラテンアメリカ又はアジア等の国々)については、臨床治験の実施、製品のライセンス、価格決定及び還付に関する要件は、各国毎に異なります。いずれの場合にも、上記と同様に、臨床治験は、GCP、適用ある規制上の要件及びヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則に従って行われます。

当社又は当社の戦略的提携先は、適用ある外国規制要件を遵守できない場合、罰金、規制当局の承認の保留又は撤回、製品のリコール、製品差押え、営業の規制及び刑事上の訴追等の対象となる可能性があります。

 半期報告書

第3【事業の状況】

1【事業等のリスク】

本書に記載されるその他の情報と併せて、本書に参照することにより組み込まれる2024年12月31日に終了した事業年度についての有価証券報告書における「事業等のリスク」で記された、当社の事業、財務状況又は将来の業績に重大な影響を与えうる様々な要素を慎重に考慮することを推奨いたします。当社が直面するリスクは、有価証券報告書に記載されるリスクだけではありません。当社が現在認識していない又は現在重大だと考えていない新たなリスク及び不確実性が、当社の事業、財務状況及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。2024年12月31日に終了した事業年度についての有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について、重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

下記の内容については、第5「経理の状況」並びに本書に含まれる中間財務書類及び関連する注記と併せてお読みいただくことを推奨いたします。下記に記載する内容には、リスク及び不確定事項といった将来についての記述が含まれております。1「事業等のリスク」で記された様々な要素により、当社の実際の業績が、これらの将来の見通しに関する記述で明示的又は黙示的に示されたものとは大幅に異なる結果となる可能性があります。

概況

当社は、米国市場に重点を置き、まだ十分に有効な治療法がない重篤な疾患に対する治療のために新規の医薬品の開発に特化する生物医薬品企業です。当社は現在、進行型多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、化学療法誘発性末梢神経障害、変形性頸椎脊椎症、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)、薬物依存症・中毒(メタンフェタミン依存症等)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の予防等の神経疾患・その他疾患治療薬のMN-166(イブジラスト)並びに非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、高トリグリセリド血症等の線維症及びその他の代謝性疾患等を適応とするMN-001(タイぺルカスト)の開発活動に重点を置いています。当社は、2000年9月にデラウェア州で設立されました。

当社は、設立以来多額の純損失を負ってきました。2025年6月30日現在、設立以来、当社の累積赤字は432.9百万米ドルでした。当社は、特定の既存の製品開発候補の開発を継続することにより、今後数年間相当な純損失を計上することを見込んでおり、また、研究開発プログラムの拡張、及び当社の製品、技術若しくは事業を補完するような製品、技術若しくは事業の取得又はライセンス導入が実施された場合にも、長期間にわたり相当な純損失を計上する可能性があります。

当社は、まだ十分に有効な治療法がない重篤な疾患に対する高付加価値な治療分野における差別化された製品の開発の成功によって、持続可能な生物薬剤事業を構築することを目標としております。当社の戦略の主要な要素は以下のとおりです。

非希薄化の資金援助を受けての、複数の潜在的適応疾患に関するMN-166(イブジラスト)の開発の推進

当社は、治験責任医師から資金援助を受けた臨床治験、政府の助成金又はその他の助成金を通じて資金援助を受けた治験及び当社の資金供与による治験の組み合わせにより、多様なMN-166(イブジラスト)プログラムを前進させるつもりです。当社は、MN-166(イブジラスト)の臨床開発をさらに進めるため、新たな戦略的提携を推進することを企図しています。

・線維症及びその他の疾患に関するMN-001(タイペルカスト)の開発の推進

当社は、助成金による資金調達の有無を問わず、治験責任医師から資金援助を受けた治験及び当社の資金供与による治験を含む様々な手段により、MN-001(タイペルカスト)の開発を前進させる予定です。

製品開発の完了及び当社の製品の商品化の成功に向けた大手製薬会社との戦略的提携の検討

当社は、大手製薬会社と関係を築き、それを維持してきました。当社は、MN-166(イブジラスト)及びMN-001(タイペルカスト)等の製品候補を求めている大手製薬会社との間で、当社の臨床開発及び製品の商品化の支えとなりうる戦略的提携関係を協議する予定です。

研究開発及びパテント費

当社の研究開発及びパテント費は、主に当社の製品候補に関するライセンス料、給与及び関連従業員手当、当社の製品開発プログラムの前臨床及び臨床開発に関連する費用、並びに薬事申請等の非臨床活動及び商品化に先立つ製造開発活動に係る費用から構成されております。当社は、臨床治験並びに当社の製品候補の前臨床及び臨床開発に関して行われる業務の大部分において使用される当社の化合物の製造を、外部業務提供業者に委託しております。研究開発及びパテント費には、当社の知的財産に関する法律業務、特許及び特許出願に伴う顧問報酬及び費用を含む、顧問、委託研究機関、委託製造業者その他外部業務提供業者に支払われる報酬が含まれます。内部の研究開発費用には、研究開発人員に支払う報酬その他費用、備品、設備費用及び減価償却費が含まれます。研究開発及びパテント費は、発生の都度、費用に計上されており、当社は自社の開発プログラムの進展に伴い、2025年末にかけて、かかる費用が増加することを見込んでいます。

下表は、当社の各製品開発プログラムに関する研究開発及びパテント費を下記期間についてまとめたものです。人件費を含め、特定の製品開発プログラムに割り当てられない費用は、「その他の研究開発費」の項目に含まれます。

(単位:上段/千米ドル 下段/千円)
6月30日に終了した四半期 6月30日に終了した半期
2025年 2024年 2025年 2024年
外部開発費:
MN-166 1,535

225,522
947

139,133
2,618

384,637
2,011

295,456
MN-001 187

27,474
128

18,806
406

59,650
222

32,616
その他 4

588
3

441
7

1,028
7

1,028
外部開発費合計 1,726

253,584
1,078

158,380
3,031

445,315
2,240

329,101
研究開発人員の費用 270

39,668
416

61,119
658

96,673
847

124,441
研究開発設備費用・減価償却費 17

2,498
16

2,351
33

4,848
32

4,701
パテント費 150

22,038
107

15,720
250

36,730
247

36,289
その他の研究開発費 26

3,820
29

4,261
56

8,228
62

9,109
研究開発及びパテント費合計 2,189

321,608
1,646

241,830
4,028

591,794
3,428

503,642

一般管理費

当社の一般管理費は、主に給与、株式報酬費用、扶助金並びに当社の総務、財務、人事、事業開発、法務、情報システム等のサポート機能に関して顧問及び専門職に支払う費用、設備費及び保険料から構成されております。一般管理費は、発生の都度、費用に計上されます。

当社の製品開発プログラムが成功し当社のインフラストラクチャーを拡張する必要が出てきた場合、並びに当社の製品開発プログラムを支援するために資金を調達する際、又は当社の提携、ライセンス導出若しくは製品処分に関連して増加する事業開発活動に関連して、当社の一般管理費が将来的に増加する可能性があります。

重要な会計上の見積り

当社の財務状態及び経営成績の分析は当社の連結財務書類に基づいており、これらは米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に従って作成されております。連結財務書類の作成にあたり、当社は見積り、判断及び仮定を行わなければならず、これらの見積り、判断及び仮定は、財務書類の日付、現在計上された資産及び負債の額、偶発資産、負債の開示、並びに報告期間について計上された費用の額に影響を与えます。当社の見積りは、これまでの経験並びに見積りの時点で当社が状況に応じて合理的であると判断するその他の要因及び仮定に基づいており、これが他の情報源からは容易に判断できない資産及び負債の簿価に関する判断の基礎となります。異なる仮定又は条件の下では、実際の業績がこれらの見積りとは異なる場合があります。当社は、状況の変化、事実及び経験に照らして、当社の見積り及び判断を定期的に見直しております。

当社の重要な会計方針は、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則です。この会計原則により、当社は、不確かであり、当社の財務状態及び経営成績並びに当社がかかる会計原則を適用する具体的な方法に重大な影響を与える可能性がある事項について主観的な見積り及び判断を行わなければなりません。当社の重要な会計上の見積りについては、当社の2024年12月31日終了事業年度の報告書様式10-Kの年次報告書に含まれる「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析―重要な会計方針及び見積り」をご参照ください。2025年6月30日に終了した半期において、重要な会計方針に重大な変更はありませんでした。

仕掛研究開発及びのれん

仕掛中の研究開発(以下「IPR&D」という。)又はIPR&Dの資産の取得に関連して発生した金額は、発生時に費用計上されます。企業結合に関連してIPR&Dに割り当てられた金額は、公正価値で測定のうえ、関連する研究開発の完了又は中止まで、耐用年数の確定できない無形資産として計上されます。資産が耐用年数の確定できない資産とみなされている間は、償却はされませんが、年次で減損のテストが行われ、もし減損の兆候が存在する場合には、より頻繁にテストが行われます。のれんは、毎年一度(12月31日現在で)、又は減損の兆候が存在する場合にはより頻繁に、減損のレビューが行われます。

2024年12月31日現在、当社は、のれん及び耐用年数の確定できない無形資産の定性的な減損評価を実施しました。かかる評価には、業界、市場及びマクロ経済状況の変化の評価並びに財務実績及び重要な傾向の検討が含まれます。定性的評価では、2024年12月31日現在、のれん及び耐用年数の確定できない無形資産が減損している可能性は高くないことが示されました。当社の株価の持続的な下落又は当社の単一報告単位の公正価値の決定に影響を及ぼす重要な仮定におけるその他の重要な変更が生じた場合、将来のれん及び/又は無形資産の減損費用が発生する可能性があり、かかる費用が深刻なものとなる可能性があります。

業績

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期の比較

(収益)

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期の収益は、それぞれ0.1百万米ドル及び0.0百万米ドルでした。かかる0.1百万米ドルの増加は、メイヨーとの契約に基づき認識された収益によるもので、当該契約は2024年12月に締結され、2025年3月に患者登録が開始され、2025年4月に主要サービスが開始されました。

(サービス原価)

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期のサービス原価は、それぞれ0.1百万米ドル及び0.0百万米ドルでした。かかる0.1百万米ドルの増加は、メイヨーとの契約に関連するサービスの提供に要した費用によるものです。

(研究開発及びパテント費)

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期の研究開発及びパテント費は、それぞれ2.2百万米ドル及び1.6百万米ドルでした。かかる0.6百万米ドルの増加は、主に、MRC-001の薬物動態(PK)研究に関するMN-166関連費用及び変性性頸椎脊椎症(DCM)研究費用によるものですが、これは、人員削減による人件費の減少により部分的に相殺されました。

(一般管理費)

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期の一般管理費は、いずれも1.4百万米ドルでした。これは、一般管理費を構成する項目に前四半期比で重要な変化がなかったことによるものです。

(利子所得)

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期の利子所得は、それぞれ0.3百万米ドル及び0.4百万米ドルでした。かかる0.1百万米ドルの減少は、主に、利子を生む現金残高が減少したことによるものです。利子所得は、現金、現金同等物及び投資から得る金利により構成されました。

2025年及び2024年各6月30日に終了した半期の比較

(収益)

2025年及び2024年各6月30日に終了した半期の収益は、それぞれ0.1百万米ドル及び0.0百万米ドルでした。かかる0.1百万米ドルの増加は、メイヨーとの契約に基づき認識された収益によるもので、当該契約は2024年12月に締結され、2025年3月に患者登録が開始され、2025年4月に主要サービスが開始されました。

(サービス原価)

2025年及び2024年各6月30日に終了した半期のサービス原価は、それぞれ0.1百万米ドル及び0.0百万米ドルでした。かかる0.1百万米ドルの増加は、メイヨーとの契約に関連するサービスの提供に要した費用によるものです。

(研究開発及びパテント費)

2025年及び2024年各6月30日に終了した半期の研究開発及びパテント費は、それぞれ4.0百万米ドル及び3.4百万米ドルでした。かかる0.6百万米ドルの増加は、主に、MRC-001のPK研究に関するMN-166関連費用及び変性性頸椎脊椎症(DCM)研究費用の増加並びにMN-001臨床治験費用の増加によるものですが、これは、MN-166製造費用の減少及び人員削減による人件費の減少により部分的に相殺されました。

(一般管理費)

2025年及び2024年各6月30日に終了した半期の一般管理費は、いずれも2.8百万米ドルでした。これは、一般管理費を構成する項目に前四半期比で重要な変化がなかったことによるものです。

(利子所得)

2025年及び2024年各6月30日に終了した半期の利子所得は、それぞれ0.7百万米ドル及び0.8百万米ドルでした。かかる0.1百万米ドルの減少は、主に、利子を生む現金残高が減少したことによるものです。利子所得は、現金、現金同等物及び投資から得る金利により構成されました。

流動性及び資本資源

2025年6月30日に終了した半期において営業活動に使用された現金純額は、2024年同期の6.7百万米ドルに対し、6.1百万米ドルでした。かかる0.6百万米ドルの差異は、主に、これらの期間の営業資産及び負債の変化に関連するものです。

2025年6月30日現在、当社の現金及び現金同等物は、34.3百万米ドル、運転資金は32.5百万米ドルでした。当社は、本書の日付現在当社が有する運転資金が、少なくとも2026年8月までの事業運営の資金需要を充足すると考えています。しかしながら、予定されている当社のすべての研究開発プログラムを実施するためにかかる資本資源が十分であると保証することはできません。

株式による資金調達

当社は、2019年8月に、B. Riley FBR, Inc.(以下「B. Riley FBR」という。)との間でAt-The-Market新株販売代理契約(その後の変更を含みます。)(以下「ATM契約」という。)を締結し、2022年8月26日付で同契約を変更しました。当社は、同契約に基づき、B. Riley FBRを通じて発行価格総額75.0百万米ドルを上限とする当社普通株式を随時売却することができます。B. Riley FBRを通じた当社普通株式の売却(もしあれば)は、1933年連邦証券法(その後の改正を含みます。)に基づき公布される規則415に定義される「時価」株式募集であるとみなされるあらゆる方法により行われます。その中には、NASDAQにおける直接の売却、普通株式のその他の既存取引市場における直接の売却又はマーケットメーカーに対するものか若しくはそれを通じた直接の売却が含まれます。B. Riley FBRはまた、当社から事前に承認を得た場合、相対取引において普通株式を売却することができます。当社は、同契約に基づき売却される普通株式による手取金総額の3.5%を上限とした手数料をB. Riley FBRに支払うことに合意しました。普通株式の売却による収益は、B. Riley FBRに売却される普通株式の数及び各取引の1株当たりの購入価格に左右されます。

2025年及び2024年各6月30日に終了した四半期及び半期において、ATM契約に基づき売却された普通株式はありませんでした。

市場リスクに関する量的及び質的開示

該当事項はありません。

3【経営上の重要な契約等】

経営上の重要な契約等については、第2「企業の概況」2「事業の内容」の「知的財産権及びライセンス契約」及び本第3「事業の状況」の2「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

第4【提出会社の状況】

1【株式等の状況】

(1) 株式の総数等

①  株式の総数 (2025年6月30日現在)

授権株数 発行済株式総数 未発行株式数
普通株式 100,000,000株 49,046,246株 50,953,754株(注)
優先株式 3,000,000株 0株 3,000,000株

(注) オプションの行使により発行される予定の株式の数、種類等につきましては、第1「本国における法制等の概要」1「会社制度等の概要」(2)「提出会社の定款等に規定する制度」中の「オプション」の項をご参照ください。

②  発行済株式 (2025年6月30日現在)

記名・無記名の別及び額面・無額面の別 種 類 発行数(株) 上場金融商品取引所名

又は登録認可金融商品取引業協会名
内容
記名・額面

(額面金額0.001米ドル)
普通株式 全額振込済

49,046,246株
東京証券取引所スタンダード市場

Nasdaqグローバル市場

(Nasdaq Global Market)
(注)
49,046,246株

(注)普通株式の内容

(ⅰ)配当

当社の発行済普通株式の株主は、取締役会の随時の決定により、配当金の支払に充てることが法律上可能な資産から配当金を受け取る権利を有します。但し、当社の発行済優先株式の保有者の優先配当権に劣後します。

(ⅱ)議決権

普通株式の各株主は、株主による議決権行使の対象であるすべての事項(取締役の選任を含みます。)に関し、その保有する普通株式1株につき1個の議決権を有します。当社の基本定款には、取締役の選任に関する累積投票の規定は設けられておりません。つまり、行使された議決権の過半数を有する株主が当該時点における現行取締役を全員選任できることになります。

(ⅲ)先買権、転換及び償還

当社の普通株式には先買権は付与されておらず、転換及び償還はできません。

(ⅳ)清算及び解散

清算又は解散する際、普通株式の株主は、負債及び優先株式の優先的分配権に基づく支払をすべてなした後の会社のすべての残余資産の一切を、その保有する株式の数に比例して受領する権利を有しております。

(ⅴ)単元株式数

単元株式数は100株であります。

(2) 行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等

該当事項はありません。

(3) 発行済株式総数及び資本金の推移

普通株式

年月日 発行済株式総数増減数 発行済株式総数残高 資本金増減額 資本金残高
2024年12月31日 - 49,046,246株 - 49,046.24米ドル

(7,205,873.58円)
2025年1月1日

~2025年6月30日
0株 49,046,246株 0.00米ドル

(0.00円)
49,046.24米ドル

(7,205,873.58円)

シリーズA優先株式(注)

年月日 発行済株式総数増減数 発行済株式総数残高 資本金増減額 資本金残高
2024年12月31日 - 0株 - 0.00米ドル

(0.00円)
2025年1月1日

~2025年6月30日
0株 0株 0.00米ドル

(0.00円)
0.00米ドル

(0.00円)

(注)当社は転換型優先株式であるシリーズA優先株式を発行しておりましたが、新規株式公開に伴い、2005年2月4日時点で権利未行使であったシリーズA優先株式は自動的に普通株式へと転換されました。

シリーズB優先株式(注)

年月日 発行済株式総数増減数 発行済株式総数残高 資本金増減額 資本金残高
2024年12月31日 - 0株 - 0.00米ドル

(0.00円)
2025年1月1日

~2025年6月30日
0株 0株 0.00米ドル

(0.00円)
0.00米ドル

(0.00円)

(注)新規株式公開に伴い、2005年2月4日時点で権利未行使であったシリーズB優先株式は自動的に普通株式へと転換されました。

シリーズC優先株式(注)

年月日 発行済株式総数増減数 発行済株式総数残高 資本金増減額 資本金残高
2024年12月31日 - 0株 - 0.00米ドル

(0.00円)
2025年1月1日

~2025年6月30日
0株 0株 0.00米ドル

(0.00円)
0.00米ドル

(0.00円)

(注)当社は転換型優先株式であるシリーズC優先株式を発行しておりましたが、新規株式公開に伴い、2005年2月4日時点で権利未行使であったシリーズC優先株式は自動的に普通株式へと転換されました。

オプションの残高、行使価格等につきましては、第1「本国における法制等の概要」1「会社制度等の概要」(2)「提出会社の定款等に規定する制度」中の「オプション」の項をご参照ください。

(4) 大株主の状況(2025年4月21日現在の上位10名の大株主)

(a) 所有株式数別

普通株式

氏名又は名称 住所 所有株式数(注) 発行済株式総数に対す

る所有株式数の割合

(注)
3D・オポチュニティー・マスター・ファンド メープルコーポレートサービス・リミテッド・ピーオーボックス309 グランドハウス・グランドケイマン・ケーワイ1-1104ケイマン諸島 5,502,047株 11.22%
里見 治 東京都港区 2,077,500株 4.24%
エセックス・ウッドランド・ヘルス・ベンチャーズ・ファンド VI・エルピー 77380テキサス州ザ・ウッドランズ スウィート225ウォーターウェイ アベニュー21 1,105,941株 2.25%
岩城 裕一 92037カリフォルニア州ラ・ホイヤ スウィート300エグゼクティブ・スクエア4275 1,091,933株 2.23%
ノムラピ-ビ-ノミニ-リミテツトジヨウダイノムラシヨウケン 東京都中央区日本橋1-13-1 705,500株 1.44%
BlackRock Inc. 10001ニューヨーク州ニューヨーク・ハドソン・ヤード50 700,341株 1.43%
The Vanguard Group, Inc. 19482-2600ペンシルべニア州 バレーフォージ・ピーオーボックス2600 623,574株 1.27%
CitiGroup Inc. 10013ニューヨーク州ニューヨーク・グリニッジ・ストリート388 591,957株 1.21%
Geode Capital Management, LLC 02110マサチューセッツ州ボストン・ザマー・ストリート100 526,999株 1.07%
マツシマ ミノル 埼玉県熊谷市 345,700株 0.70%
13,271,492株 27.06%

(注) 上記表では、所有株式数、発行済み株式総数に対する所有株式数の割合ともに、普通株式数に基づいて表示しております。上記表は、普通株式を実質的に保有すると当社が認識している株主により保有される普通株式に関する情報です。各保有者に関する情報は、各保有者が提供した情報に基づくものです。また、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、2025年4月21日現在において発行済みの当社普通株式の合計49,046,246株に基づいて計算されております。

(b) 議決権の数別

普通株式

氏名又は名称 住所 議決権の数(注) 総議決権数に対する

所有割合

(注)
3D・オポチュニティー・マスター・ファンド メープルコーポレートサービス・リミテッド・ピーオーボックス309 グランドハウス・グランドケイマン・ケーワイ1-1104ケイマン諸島 5,502,047個 11.22%
里見 治 東京都港区 2,077,500個 4.24%
エセックス・ウッドランド・ヘルス・ベンチャーズ・ファンド VI・エルピー 77380テキサス州ザ・ウッドランズ スウィート225ウォーターウェイ アベニュー21 1,105,941個 2.25%
岩城 裕一 92037カリフォルニア州ラ・ホイヤ スウィート300エグゼクティブ・スクエア4275 1,091,933個 2.23%
ノムラピ-ビ-ノミニ-リミテツトジヨウダイノムラシヨウケン 東京都中央区日本橋1-13-1 705,500個 1.44%
BlackRock Inc, 10001ニューヨーク州

ニューヨーク・ハドソン・ヤード50
700,341個 1.43%
The Vanguard Group Inc, 19482-2600ペンシルべニア州 バレーフォージ・ピーオーボックス2600 623,574個 1.27%
CitiGroup Inc. 10013ニューヨーク州ニューヨーク・グリニッジ・ストリート388 591,957個 1.21%
Geode Capital Management, LLC 02110マサチューセッツ州ボストン・ザマー・ストリート100 526,999個 1.07%
マツシマ ミノル 埼玉県熊谷市 345,700個 0.70%
13,271,492個 27.06%

(注) 2025年4月21日現在、当社は自己株式を保有しておりません。総株主の議決権に対する所有議決権数の割合は、2025年4月21日現在の総株主の議決権数49,046,246個に基づいて計算されています。

2【役員の状況】

前事業年度の有価証券報告書の提出日(2025年6月10日)後、当中間会計期間において役員に異動はありませんでした。(本書提出日現在において、男性の執行役、役員及び取締役の数:4名、女性の執行役、役員及び取締役の数:3名(女性の執行役、役員及び取締役の割合:42.9%))。

 半期報告書

第5【経理の状況】

a 本書記載のメディシノバ・インク及び連結子会社(以下「当社」という。)の邦文の中間要約連結財務書類は、米国における諸法令及び一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して作成された本書記載の原文の中間要約連結財務書類(米国証券取引委員会(SEC)に提出された2025年度第2四半期の報告書様式10-Q)(以下「原文の中間要約連結財務書類」という。)を翻訳したものであります。当社の中間要約連結財務書類の日本における開示については、「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和五十二年大蔵省令 第三十八号)第76条第1項の規定を適用しております。

なお、日本と米国との会計処理の原則及び手続並びに表示方法の主要な差異については、第5の「3 日本と米国との会計原則の相違」に記載しております。

b 原文の中間要約連結財務書類は、独立登録会計事務所のレビューを受けておりません。

c 邦文の中間要約連結財務書類には、原文の中間要約連結財務書類中の米ドル表示の金額のうち主要なものについて円換算額を併記しております。日本円への換算には、2025年8月29日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値、1米ドル=146.92円の為替レートを使用しております。なお、円表示額は、単に便宜上の表示のためのものであり、米ドル額が上記のレートで円に交換されることを意味するものではありません。

d 日本円及び第5の2及び3の事項は原文の中間要約連結財務書類には記載されておりません。

1【中間要約連結財務書類】

(1) 中間要約連結貸借対照表

当中間連結会計期間末

(2025年6月30日)

(無監査)
前連結会計年度

(2024年12月31日)
区分 金額(米ドル) 金額(米ドル)
(資産)
流動資産:
現金及び現金同等物 34,259,637 40,359,738
売掛債権 134,599
前払費用及びその他の流動資産 729,598 714,541
流動資産合計 35,123,834 41,074,279
のれん 9,600,240 9,600,240
仕掛研究開発費(IPR&D) 4,800,000 4,800,000
有形固定資産(純額) 15,361 25,507
使用権資産 265,444 356,904
その他の非流動資産 18,996 18,996
資産合計 49,823,875 55,875,926
(7,320,124千円) (8,209,291千円)
(負債及び株主資本)
流動負債:
買掛債務 569,445 1,102,494
未払債務及びその他の流動負債 1,893,889 1,662,860
オペレーティング・リース負債 184,842 193,769
流動負債合計 2,648,176 2,959,123
繰延税金負債 201,792 201,792
その他の非流動負債 117,038 211,460
負債合計 2,967,006 3,372,375
(435,913千円) (495,469千円)
契約債務及び偶発債務
株主資本:
普通株式 額面0.001米ドル 49,046 49,046
(授権株式数) (100,000,000株) (100,000,000株)
(発行済株式数) (49,046,246株) (49,046,246株)
払込剰余金 479,831,741 479,340,901
その他の包括損失累計額 △ 127,371 △ 135,154
累積欠損 △ 432,896,547 △ 426,751,242
株主資本合計 46,856,869 52,503,551
(6,884,211千円) (7,713,822千円)
負債及び株主資本合計 49,823,875 55,875,926
(7,320,124千円) (8,209,291千円)

添付の中間要約連結財務書類に対する注記を参照のこと

(2) 中間要約連結損益及び包括利益計算書 (無監査)

<中間連結会計期間>

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

 至 2025年6月30日)
前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

 至 2024年6月30日)
区分 金額(米ドル) 金額(米ドル)
営業収益 134,599
営業費用:
サービス費用 116,349
研究開発及びパテント費 4,028,454 3,427,918
一般管理費 2,799,398 2,754,571
営業費用合計 6,944,201 6,182,489
営業損失 △ 6,809,602 △ 6,182,489
受取利息 661,066 832,861
その他の収益又は費用(純額) 3,231 △ 33,090
中間純損失 △ 6,145,305 △ 5,382,718
中間純損失 △ 6,145,305 △ 5,382,718
(△ 902,868千円) (△ 790,829千円)
基本及び希薄化後1株当たり中間純損失 △ 0.13 △ 0.11
(△ 19.10円) (△ 16.16円)
基本及び希薄化後1株当たり中間純損失の

計算に使用した株式数
49,046,246株 49,046,246株
中間純損失 △ 6,145,305 △ 5,382,718
その他の包括損益(税引後):
為替換算調整勘定 7,783 △ 13,437
中間包括損失 △ 6,137,522 △ 5,396,155
(△ 901,725千円) (△ 792,803千円)

添付の中間要約連結財務書類に対する注記を参照のこと

(3) 中間要約連結キャッシュ・フロー計算書 (無監査)

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

 至 2025年6月30日)
前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

 至 2024年6月30日)
区分 金額(米ドル) 金額(米ドル)
営業活動:
中間純損失 △ 6,145,305 △ 5,382,718
中間純損失から営業活動により生成された(使用された)現金(純額)への調整:
非現金の株式に基づく報酬費用 490,840 422,885
減価償却費及び償却費 10,241 10,720
使用権資産の帳簿価額の変動 92,732 85,595
資産及び負債の変動:
売掛債権 △ 134,599
前払費用及びその他の資産 △ 13,208 △ 947,502
買掛債務、未払債務及びその他の負債 △ 285,850 △ 780,838
オペレーティング・リース負債 △ 104,918 △ 87,320
営業活動によるキャッシュ・フロー(純額) △ 6,090,067 △ 6,679,178
(△ 894,753千円) (△ 981,305千円)
投資活動:
有形固定資産の取得 △ 891
投資活動によるキャッシュ・フロー(純額) △ 891
(△ 131千円)
現金及び現金同等物に係る換算差額 △ 10,034 18,451
現金及び現金同等物の増減額 △ 6,100,101 △ 6,661,618
現金及び現金同等物の期首残高 40,359,738 50,999,442
現金及び現金同等物の中間期末残高 34,259,637 44,337,824
非現金の投資活動に関する補足的開示:
オペレーティング・リース負債と引き換えに

取得した使用権資産
42,281
リースの解約による使用権資産の帳簿価額の変動 79,229

添付の中間要約連結財務書類に対する注記を参照のこと

(4) 中間要約連結財務書類に対する注記 (無監査)

1. 中間財務情報

組織と事業

当社は、2000年9月にデラウェア州で設立され、現在は公開会社です。当社の株式は米国及び日本で上場され、ナスダック・グローバル市場及び東京証券取引所のスタンダード市場において売買されています。当社は、米国市場に商業的な重点を置き、医療ニーズが満たされていない重篤な疾病治療を対象とした新規性のある治療法の開発に特化したバイオ医薬品会社です。当社は現在、以下の開発に注力しています。

・ 進行型多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)、変性脊椎頚椎症(DCM)及びグリオブラストーマ(神経膠芽腫)並びにメタンフェタミン(覚醒剤)といった薬物依存症・中毒の神経系疾患等の治療、さらには急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を適応とするMN-166(イブジラスト)

・ 線維症及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や高トリグリセリド血症等のその他の代謝異常疾患の治療を適応とするMN-001(タイペルカスト)

開示の基本方針

当社は米国において期中財務情報のための一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)及び報告書様式10-Qに対する米国証券取引委員会(SEC)の指示書並びにRegulation S-XのRule 8-03に準拠して、添付の中間要約連結財務書類(無監査)を作成しております。したがって当財務書類には、GAAPにおいて完全な財務書類に求められている情報及び開示項目のすべてが含まれてはいませんが、経営者は、表示された期中会計期間について財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示するために必要な、通常かつ経常的取引に対する全ての会計上の調整が、添付の中間要約連結財務書類に対してなされているものと考えています。また添付の中間要約連結財務書類(無監査)には、当社及びその完全子会社の財務書類が含まれております。

これらの財務書類はSECに提出した当社の報告書様式10-K上の年次報告書に含まれる2024年12月31日終了事業年度の監査済連結財務書類及び開示事項と合わせて読まれるべきものです。この報告書上の期中会計期間の経営成績は必ずしもその他の期中会計期間又は事業年度全体の成績を示唆するものではありません。2024年12月31日現在の貸借対照表は同日現在の監査済財務書類を基に作成されたものですが、GAAPにおいて完全な財務書類に求められているすべての情報及び開示項目が含まれているわけではありません。

流動性

当社は創業以来、純損失を計上しており、営業キャッシュ・フローもマイナスの状態にあります。2025年6月30日現在、当社は現金及び現金同等物を34.3百万米ドル保有しており、当中間要約連結財務書類の発行日以降少なくとも12か月間は資金需要を満たすのに十分な資金があると考えています。しかし、今後しばらくは損失を計上し続ける見込みであり、臨床治験プログラムのさらなる推進やその他の事業運営を支えるために、追加の資本が必要になると予想されます。当社は、追加資金が受け入れ可能な条件で調達可能であるか、あるいは、そもそも調達自体が可能であるかどうかについて、保証することはできません。

連結の原則

当中間要約連結財務書類は、メディシノバ・インク及びその完全所有子会社であるメディシノバ製薬株式会社、メディシノバ・リミテッド(ヨーロッパ)、メディシノバ・ヨーロッパ・ゲーエムベーハー、メディシノバ・カナダ・インク及びアヴィジェン・インクの勘定を含んでおります。海外子会社の財務諸表は、現地通貨を機能通貨として使用し測定しています。その結果生じる換算差額は、その他の包括利益又は損失の構成要素として計上されています。各事業年度における連結会社間の取引に係る損益は、為替換算調整勘定としてその他の包括利益又は損失に計上されています。すべての連結会社間取引及び子会社投資勘定は、連結に当たり相殺消去されています。

セグメント情報

事業セグメントとは、事業活動に従事する企業の構成単位として識別され、企業の最高執行意思決定者(以下「CODM」という。)が資源配分に関する意思決定や業績評価を行う際に、その個別の財務情報及び経営成績が定期的なレビュー対象となっているものを指します。当社のCODMは、CEO(最高経営責任者)、CMO(最高医学責任者)及びCFO(最高財務責任者)で構成される上級執行役員会であります。当社は、「医療ニーズが満たされていない重篤な疾病治療を対象とした低分子治療法の獲得及び開発」という単一の事業セグメントにより運営されています。CODMは、セグメントの業績を評価し、会社の戦略的優先事項、現金残高及び予想される現金使途を考慮した上で、連結損益計算書に計上された純損失に基づいて資源の配分方法を決定します。さらに、CODMは、会社の経営管理上、研究開発及びパテント費並びに一般管理費といった機能別費用を連結レベルで検討のうえこれを利用します。連結ベースの純損失に含まれるその他のセグメント項目には、営業収益、サービス費用、株式に基づく報酬費用、減価償却費及び償却費、受取利息、その他の費用(純額)及び法人所得税等があり、これらは連結損益及び包括利益計算書に反映されています。セグメント資産の測定額は、連結貸借対照表上の総資産として計上されています。

以下の表は、CODMに定期的に提供されている、重要なセグメント費用を含む財務情報を示しています。重要なセグメント費用は、セグメント及び連結ベースの純損失に含まれています。

6月30日に終了した6ヶ月間
2025年 2024年
米ドル 米ドル
営業収益 134,599
営業費用(株式に基づく報酬費用を除く)
サービス費用 116,349
研究開発及びパテント費 3,832,181 3,267,700
一般管理費 2,504,831 2,491,904
営業費用合計(株式に基づく報酬費用を除く) 6,453,361 5,759,604
株式に基づく報酬費用
研究開発及びパテント費 196,273 160,218
一般管理費 294,567 262,667
株式に基づく報酬費用合計 490,840 422,885
営業費用合計 6,944,201 6,182,489
営業損失 △ 6,809,602 △ 6,182,489
受取利息 661,066 832,861
その他の収益又は費用(純額) 3,231 △ 33,090
セグメント及び連結ベースの純損失 △ 6,145,305 △ 5,382,718

現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、現金並びにマネー・マーケット及びミューチュアル・ファンド・アカウントを含む取得日後3ヶ月以内に満期日が到来する容易に換金可能なその他の投資で構成されております。

売掛債権

売掛債権は貸倒引当金を控除した金額で計上されます。2025年6月30日時点において、貸倒引当金の計上は必要ありませんでした。なお、2024年12月31日時点において、売掛債権の残高はありませんでした。

研究開発及びパテント費

研究開発費は発生した期間に費用計上され、主に従業員の給料その他の人件費、設備及び減価償却費、研究開発用の部材費、ライセンス費用及び外注業者への業務委託料等が含まれます。当中間連結会計期間及び前年同期の研究開発費の総額は、それぞれ3.7百万米ドル及び3.2百万米ドルでした。

特許の出願及び特許化を目指すための費用は、回収可能性が不確実なため発生時に全額費用計上しています。当社は、パテントの出願に関連する全ての外部費用を研究開発及びパテント費に含めています。当中間連結会計期間及び前年同期におけるパテント関連費用の総額は、それぞれ0.3百万米ドル及び0.2百万米ドルでした。

臨床治験に関する未払債務及び前払費用

前臨床研究、臨床研究及び臨床治験用の医薬品製造活動に係るコストは、研究開発費として認識されます。研究開発費の認識は、患者の登録、治験実施施設の立ち上げ、供給業者から当社に提供された原価情報等のデータを使って供給業者が行う個別業務の進捗度評価に基づいて行われます。これらの活動に対する支払いは、個々の契約条件に基づいて行われていますが、支払時期と役務が実際に提供される期間が大きく異なる場合があります。未払債務の見積りについては、研究の進捗、完了状況や提供された役務に関する担当者や外注業者からの報告及び彼らとの協議を通じて行っています。貸借対照表日現在の未払債務の見積りは、その時点で既知の事実や状況に基づいています。また役務の提供前に支払ったコストは前払費用として繰延べられ、役務が提供される期間にわたって償却されます。

リース取引

当社は、契約の締結にあたり当該取引がリース取引であるかどうかを判断し、リース取引である場合には、オペレーティング・リース又はファイナンス・リースのいずれに該当するかを判断します。当社は、リース期間が12ヶ月以内のリース取引については、使用権資産及びリース負債を認識しておらず、また、非リース構成部分をリース構成部分と区分していません。オペレーティング・リースの使用権資産及び負債は、リース期間にわたり支払われるリース料の現在価値に基づいて開始日現在において認識しています。オペレーティング・リース費用は、リース期間にわたって定額法により認識され、一般管理費に含まれています。当社が有するオペレーティング・リース契約の大半において計算利子率が示されていないことから、当社はリース料の現在価値を決定する際に、開始日に入手可能な情報に基づく追加借入利子率を使用しています。追加借入利子率は、有担保の完全分割返済型ローンを通じ、リース期間と同様の期間にわたり、同様の経済環境のもとで、リース料と同額の借入を行う場合に当社が支払うと想定される利率としています。

見積りの使用

米国会計基準に準拠した中間要約連結財務書類を作成するために、経営者は、中間要約連結財務書類への計上額及び連結注記表に影響を与える見積り及び仮定を行わなければなりません。実際の結果は、これらの見積りとは異なることもあり得ます。

新会計基準の公表

2023年12月、FASBはASU 2023-09「法人所得税(Topic 740):法人所得税に関する開示の改善」(以下「ASU 2023-09」という。)を公表しました。ASU 2023-09は、法人所得税の開示の透明性と意思決定の有用性を高めるものです。具体的には、公開企業に対して以下の事項を要求しています。

1) 法人所得税率調整を年次で表形式にて、特定の区分を開示し、定量的閾値を満たす調整項目については追加情報を提供すること

2) 法人所得税支払額について以下の情報を年次で開示すること

(i) 連邦税(国税)、州税及び外国税に区分された法人所得税支払額(還付金控除後)

(ii) 法人所得税の合計支払額(還付金控除後)の5%以上を占める個々の法域に区分された法人所得税支払額(還付金控除後)

3) すべての企業を対象に、以下の情報を開示すること

(i) 国内・国外に区分された法人所得税(又は法人所得税ベネフィット)考慮前の継続事業からの損益

(ii) 連邦(国)、州及び海外に区分された継続事業からの法人所得税費用(又は法人所得税ベネフィット)

本改訂は、公開企業に対して2024年12月16日以降に開始する事業年度から適用されます。その他の企業については、2025年12月16日以降に開始する事業年度から適用されます。まだ公表されていない又は公表可能な状態になっていない年次財務諸表については、早期適用が認められています。本改訂は、将来に向かって適用されますが、遡及適用も認められています。当社は現在、本基準が当社の連結財務書類及び関連する開示に与える潜在的影響を評価中です。

2024年11月、FASBはASU 2024-03「損益計算書-包括利益の報告-費用の分解開示(Subtopic 220-40):損益計算書における費用の分解」(以下「ASU 2024-03」という。)を公表しました。ASU 2024-03は、財務書類に含まれる費用の性質について、追加の開示を要求しています。ASU 2024-03は、2026年12月16日以降に開始する事業年度及び2027年12月16日以降に開始する期中会計期間より適用が開始され、早期適用も認められています。当社は現在、本基準が当社の連結財務書類及び関連する開示に与える潜在的な影響を評価中です。

2. 収益認識

収益の計上基準

収益はこれまで主に顧客との契約に従って履行される研究開発に係る役務によって構成されてきました。当社は各契約において独立した履行義務を評価し、当該役務について見積った独立販売価格を考慮しつつ取引価格を各履行義務に配分し、このような義務が一時点で、もしくは一定の期間にわたり充足された時点で、かつ次の要件のいずれかを満たした場合に、収益を計上しています。

(1) 顧客が、供給業者の履行によって提供される経済的便益を、同時に受け取って消費する。

(2) 供給業者が、顧客が支配する資産を創出するか又は増価させる。

(3) 供給業者の履行が、供給業者が他に転用できる資産を創出しない。

(4) 供給業者が現在までに完了した履行に対する支払いを受ける強制可能な権利を有している。

メイヨー医学教育研究財団

2024年12月、当社はメイヨー医学教育研究財団(以下「メイヨー」という。)とALSにおけるMN-166(イブジラスト)の有効性を評価する臨床研究サービスを支援する契約を締結しました。本契約は当初1年間の契約期間を有し、その後はいずれかの当事者が当該契約期間終了の少なくとも90日前までに更新しない旨を文書で通知しない限り、自動的に1年間更新されます。サービス対価の支払いは請求書発行から60日以内に行われるものとされています。本契約は、一定の事由が生じた場合にいずれの当事者からも解除可能であり、また正当な理由がなくても、少なくとも30日前までに文書による通知を行うことで解除することができます。

当社は、本契約により提供されるサービスを関連する米国会計基準のガイダンスに基づいて評価した結果、ASC 606(「収益認識基準-顧客との契約から生じる収益」)に定める契約の定義を満たすと判断し、単一の履行義務が存在すると結論づけました。識別された履行義務は、医薬品安全性監視及び臨床研究支援のサービスであり、原価比例法を用いて時間の経過に応じて履行されるものです。

2025年3月には最初の研究施設において初めて患者が登録され、2025年4月に本契約に基づく主要なサービスが開始されました。これに伴い、当社は2025年6月30日時点で、当社が契約上の請求権を有する0.1百万米ドルの売掛債権を計上しました。また、当中間連結会計期間において、0.1百万米ドルの収益を計上しました。

3. 公正価値の測定

公正価値とは、市場参加者間の秩序ある取引において、資産の売却により受け取るであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格、すなわち出口価格を指します。従って公正価値は、市場参加者が資産又は負債の価格付けを行う際に用いるであろう仮定に基づいて決定される市場を基礎とした測定値です。このような仮定を考慮する基礎として、公正価値ヒエラルキーを下記の3つのレベルに分類することにより、公正価値を測定する際に用いるインプットの優先順位づけを行っています。

レベル1: 活発な市場における相場価格のような観察可能なインプット

レベル2: 活発な市場における類似の資産・負債の相場価格、或いは測定日前後では活発でない市場における同一又は類似の資産・負債の相場価格によるインプット

レベル3: 市場データが皆無あるいはほとんどないため観察可能でないインプットであり、報告企業による独自の仮定が要求される。

金融商品の2025年6月30日及び2024年12月31日現在の帳簿価額及び公正価値(近似値)は以下の通りです。

2025年6月30日現在 2024年12月31日現在 インプット

レベル
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
米ドル 米ドル 米ドル 米ドル
現金及び現金同等物:
ミューチュアル・

ファンド
31,972,516 31,972,516 21,501,081 21,501,081 レベル 1

4. 契約債務及び偶発債務

リース取引

当社は、主に米国及び日本の不動産を対象としたオペレーティング・リース契約を有しております。このうち米国におけるリース契約は、サンディエゴの本社ビルを対象としたもので、リース期間は2027年1月31日までの5年間となっており、毎年リース料が増額されます。2024年4月、当社は2024年10月をもって東京事務所の従前のリース契約を解約する旨の通知を行い、2024年5月、東京の別の場所を新たな事務所として2024年6月から開始されるリース契約を締結しました。この新たなリース契約の当初リース期間は、2025年5月までの12ヶ月間であり、その後当社は2ヶ月間の延長オプションを行使しました。その後は、リース契約が解約されるまで2ヶ月毎に自動更新が行われる取決めとなっています。当該リースのリース負債の測定にあたり、当社は、延長オプションの一度の行使は合理的に確実であると判断し、リース期間を14ヶ月と見積もりました。そのうえで、合理的に確実な一度の延長オプション行使を含んだ将来のリース料を、見積追加借入利子率である6.51%で割引いた現在価値に基づいて、リース負債の測定を行いました。なお、当該見積追加借入利子率は、リース開始時のリース料と同額をリース期間と同程度の期間にわたり有担保で借入れた場合の利率であります。これらの不動産に係るオペレーティング・リースは、当社の連結貸借対照表上「使用権資産」に含まれており、これは当該契約のリース期間にわたって原資産を使用する当社の権利を表しています。一方、当社のリース料支払義務は、当社の連結貸借対照表上「オペレーティング・リース負債」及び「その他の非流動負債」に含まれています。

当社の使用権資産及びこれに関連するリース負債についての情報は以下の通りです。

6月30日に終了した6ヶ月間
2025年 2024年
米ドル 米ドル
オペレーティング・リース負債に係る現金支払額 121,759 128,833
オペレーティング・リース費用 110,803 125,301
2025年6月30日 2024年12月31日
オペレーティング・リース負債(流動) 184,842 193,769
オペレーティング・リース負債(非流動) 117,038 211,460
オペレーティング・リース負債合計 301,880 405,229
加重平均残存リース期間 1.57年 1.98年
加重平均割引率 9.6% 9.6%

2025年6月30日現在におけるオペレーティング・リース負債の満期分析は、以下の通りです。

米ドル
2025年(残り6ヶ月間) 103,257
2026年 206,483
2027年 17,269
2028年
2029年
2030年以降
最低リース料総額 327,009
(控除)利息相当額 △ 25,129
リース負債合計 301,880

製造物責任

当社の事業は製品候補による製造物責任のリスクに晒されています。製造物責任に関する個別又は一連の請求に対して、成功裡に防御することができない場合、当社は多大な賠償責任を負い、かつ経営者が本来の事業運営に集中できなくなる可能性があります。当社は受諾可能な条件で保険契約を維持できなくなるか、あるいは製造物責任に関する請求に対して保険による補償が十分にできなくなる可能性があります。もし利用可能であったとしても、当該製造物責任保険が潜在的な賠償請求を補償できなければ、当社はそのような賠償請求に対するリスクに対して自家保険せざるを得なくなります。当社は製造物責任に対して合理的に考えて十分な補償が得られる保険に加入しているものと考えています。

ライセンス及び研究開発契約

当社は複数の製薬会社とライセンス導入契約を締結しています。これらの契約条項に従い、当社は特定の特許権を得ている又は特許権出願中の研究開発、ノウハウ及び技術のライセンスを取得しています。これらの契約では当社は通常、契約一時金を支払い、更にマイルストーンを達成した時点で追加の支払いを要求されます。当社はまた将来の販売に対し、販売開始後、特許権の期限満了日又は該当する市場独占権の最終日のいずれか遅い時まで、国ごとに計算したロイヤリティを支払うことが義務付けられております。

これらの契約に基づくマイルストーン・ペイメントは、当中間連結会計期間及び前年同期においてはありませんでした。現在開発中の製品について、MN-166(イブジラスト)及びMN-001(タイペルカスト)の製品開発に基づく将来の潜在的なマイルストーン支払額は、2025年6月30日現在において10百万米ドルであります。また、その他すべての製品について、開発マイルストーン及び商業化マイルストーンに関する将来の潜在的なマイルストーン支払額は、2025年6月30日現在において合計で16.5百万米ドルになります。なお、いかなるライセンス契約においても、最低ロイヤリティが要求される条項を含むものはありません。かかる支払いは当社の製品開発プログラムの進捗度合に依存するため、これらのマイルストーンの支払いの発生時期を確実に見積ることはできません。

法的手続

当社は随時、通常の事業過程において生じる法的手続や賠償請求の当事者となる可能性があります。当社は、当社の事業、財政状態又は経営成績に、個別又は総体として重大な悪影響を与えるものと考え得られる法的手続や賠償請求について、一切関知していません。

5. 株式に基づく報酬

株式インセンティブ・プラン

2013年6月に当社は、2013年株式インセンティブ・プラン(以下「2013年プラン」という。)を設けました。このプランの下で、当社又は子会社のその時点における従業員、役員、非従業員取締役又はコンサルタントであった個人に対して、株式ベースの報奨である、ストック・オプション、株式評価益権(SAR)、制限付株式及び制限付株式ユニット(RSU)が付与されました。2013年プランに基づく発行のために留保されている普通株式の総数は、8,700,000株でした。これに加えて、随時利用可能となる「返還株式」が、同プランに足し戻されていました。なお「返還株式」とは、当社が以前設定していた2004年株式インセンティブ・プランにより付与されたものの行使前又は決済前に期間満了又は契約終了した株式、権利確定に至らなかったため権利喪失した株式、買い戻された株式、さらにはこうした報奨に伴う源泉徴収義務や購入価格義務を履行するために天引処理された株式を指します。当社は、2013年プランの下での新たな報奨の付与は行っていませんが、同プランの下で付与され未だ行使されていないものについては、引き続き同プランで定められた行使条件等が適用されます。

2023年6月に当社は、2023年株式インセンティブ・プラン(以下「2023年プラン」という。)を設けました。2023年プランの下では、当社又は子会社のその時点における従業員、役員、非従業員取締役又はコンサルタントである個人に対して、ストック・オプション、株式評価益権(SAR)、制限付株式、制限付株式ユニット(RSU)及びその他の報奨を付与することができます。2023年プランは2013年プランの後継プランです。2023年プランの下で発行可能な当社普通株式の数は、(a)2013年プランの下で付与された、同プランの終了時点で未行使であった報酬の対象株式であって、その後、行使前又は決済前に権利喪失、期間満了又は失効となったもの及び2013年プランの下で付与された、同プラン終了時点で未行使であった報酬に基づき発行される株式であって、その後、当社により没収又は再取得されたもの並びに(b)2013年プランの下で留保された株式であって、同プランの終了時点で2013年プランの下で発行されておらず、未行使の報酬の対象となっていなかったものの合計数に等しい数となります。2013年プランからの最大9,934,567株が、2023年プランの下で発行可能となる可能性があるものの、この数字は2013年プランの終了時点において2013年プランの下で未行使のすべての報酬が権利喪失となることを前提としているため、2023年プランに実際に追加される株式数はこれを下回ることが予想されます。一般に、2023年プランに基づく報酬が完全に行使又は決済される前に何らかの理由で権利喪失、取消し又は失効となった場合、当該報酬の対象株式は、2023年プランの下で再び発行可能となります。SARが行使され、又はRSUが決済された場合、参加者に実際に発行された株式数(もしあれば)のみが、2023年プランの下で利用可能な株式数を減少させます。制限付株式又はオプションの行使により発行された株式が、権利喪失条項、買戻権又はその他の理由により、当社により再取得された場合、当該株式は2023年プランの下で再び発行可能となります。オプションの行使価格の支払い又は報酬に関する税金の源泉徴収義務の履行のために留保された株式は、2023年プランの下で再び発行可能となります。また、報酬が株式ではなく現金で決済される場合、当該現金決済によって2023年プランの下で発行可能な株式数が減少することはありません。

2025年6月30日現在、2,025,173株が、2023年プランに基づく将来の付与のために利用可能な状態にあります。

付与された従業員ストック・オプションの中には業績条件を含むものがありますが、その権利確定は、業績評価期間終了時において行われる一定の企業目標の達成に関する判定に基づきます。なおこの判定は、報酬委員会により行われ、取締役会の承認を要します。当該報酬の付与日は、取締役会が承認した日となります。付与日までの期間において、当該報酬に係る費用は、各報告日現在の公正価値に基づき測定されます。付与された業績連動型報酬の公正価値及び付与に伴う費用の見積り額は、企業目標の達成度及びその他公正価値算定にあたっての前提条件に基づきます。当該業績評価期間終了後の付与日において最終的に認識される費用の金額は、企業目標の達成度、公正価値算定にあたりブラック=ショールズ・モデルで用いられる前提条件の変動及び業績評価期間における当社の株価の変動を含む様々な要因により、見積り額から乖離する可能性があります。2025年6月30日現在、2025年度における企業目標及び従業員の業績達成度に応じた付与の対象となる業績連動型ストック・オプションの株式総数は、970,000株でした。

ストック・オプション

2023年プラン及び2013年プランにより付与されたオプションは、早期に終了しない限り、付与日より10年間有効であり、一般に付与日から1年ないし4年後に権利が確定します。2025年及び2024年6月30日までに付与されたすべてのオプションの行使価格は、付与日現在の当社普通株式の公正市場価値と一致しています。

2025年6月30日現在におけるストック・オプションの増減及び関連情報の要約は以下のとおりです。

株式数

(株)
加重平均行使価格

(米ドル)
2024年12月31日現在未行使残高 7,040,894 5.12
付与数 1,380,500 2.00
行使数
取消数 △ 512,000 2.84
2025年6月30日現在未行使残高 7,909,394 4.73
2025年6月30日現在行使可能残高 6,678,933 5.22

報酬費用

ストック・オプションに関連する株式に基づく報酬費用は各期間の営業費用合計に含まれています。

当中間連結会計期間及び前年同期における株式に基づく報酬費用の要約は以下の通りです。

(金額単位:米ドル)
6月30日に終了した6ヶ月間
2025年 2024年
研究開発及びパテント費 196,273 160,218
一般管理費 294,567 262,667
株式に基づく報酬費用合計 490,840 422,885

当社は、従業員に付与された株式に基づく報酬の見積り公正価値の算定にブラック=ショールズ評価モデルを使用すると共に、当事業年度に係る企業目標達成についての経営者の現時点における予想を織り込んでおります。以下の表は、当中間連結会計期間及び前年同期において付与されたオプションの公正価値並びに2025年及び2024年6月30日現在の業績連動型ストック・オプションの公正価値を見積るために用いられたブラック=ショールズ評価モデルにおける前提条件を示しています。

6月30日に終了した6ヶ月間
2025年 2024年
ストック・オプションの前提条件:
無リスク利子率 3.79–4.48 % 4.21-4.41 %
普通株式の予想株価変動率 69.75–75.66 % 72.60-74.05 %
配当利回り 0.00 % 0.00 %
予想期間(年) 4.53-5.31 5.30-5.77

2025年6月30日現在、権利未確定のストック・オプション報奨に関連する未償却の報酬コストが0.6百万米ドルありますが、これは加重平均の残存権利確定期間である0.57年にわたって定額法にて認識される見込みです。当該報酬費用は、最終的には上記で記載の通り、企業目標と対比した実績に基づき調整されます。

当中間連結会計期間及び前年同期に付与した各ストック・オプションについて、付与日現在でブラック=ショールズ・オプション評価モデルを使用して見積もった加重平均公正価値はそれぞれ、オプション1個当たり1.34米ドル及び0.99米ドルでした。

6. 株主資本

At-The-Market新株販売代理契約と第三者割当増資

当社は、2019年8月23日付けで、B. Riley FBR, Inc.(以下「B. Riley FBR」という。)との間でATM新株販売代理契約を締結し、2022年8月26日にこれを改訂しました(以下、改訂後の契約を「ATM契約」という。)。ATM契約により、当社はB. Riley FBRを通じ、当社普通株式を発行価格総額75.0百万米ドルを上限として随時売却することができます。B. Riley FBRを通じて普通株式を売却する場合には、1933年証券法(その後の改正を含む)に基づき公布されたRule 415における定義上で「市場を通じた」株式発行と見なされるあらゆる方法にて売却が実施されます。これらの方法には、Nasdaqその他の既設の普通株式の売買市場で直接売却する方法並びにマーケットメーカーを通じた売却方法が含まれます。また、当社の事前承認を前提に、B. Riley FBRは普通株式を相対取引で売却することもできます。当社は、B. Riley FBRに対する手数料として、ATM契約に基づき売却された普通株式による手取金総額の3.5%を上限として支払うことに合意しました。当社の手取金は、B. Riley FBRに売却される当社普通株式の数及び各取引における1株当たりの購入価格に左右されます。

当中間連結会計期間及び前年同期において、ATM契約に基づき売却した普通株式はありませんでした。

7. 1株当たり純損失

当社は基本1株当たり純損失を、自己株式を除いた発行済普通株式の期中加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり純損失は、自己株式を除いた発行済普通株式及び潜在的に希薄化効果を有する証券(以下「普通株式同等物」という。)の期中加重平均株式数で除して計算しております。自己株式方式により決定される発行済普通株式同等物は、当社におけるストック・オプションの取決め及びワラントに基づき発行される可能性のある株式より構成されます。普通株式同等物が逆希薄化効果を有する場合、当社の財務書類に表示された全ての期間について希薄化後1株当たり純損失の計算から除外されています。

逆希薄化効果があるため希薄化後1株当たり純損失の計算から除外した潜在的に希薄化効果を有する未行使のストック・オプションは、2025年及び2024年6月30日現在、それぞれ7,909,394株及び8,431,644株でした。

8. 後発事象

スタンバイ型株式購入契約(SEPA)

2025年7月30日、当社は、ケイマン諸島に設立された免税有限責任会社である YA II PN, LTD.(以下、「Yorkville」という。)との間で、スタンバイ株式購入契約(以下「SEPA」という。)を締結しました。

当該SEPAに基づき、当社は、契約締結日より36か月間にわたり、SEPAの契約条項の制限及び条件が満たされることを前提として、最大30.0百万米ドル相当の当社普通株式を随時、Yorkvilleに売却する権利を有しますが、これは義務ではありません。

当社の選択により、Yorkvilleは、当社がYorkvilleに対して一定の制限の下に当該普通株式の購入を約束する通知を送付した日から始まる連続した3取引日の期間中、3日間の出来高加重平均価格(VTAP)のうち最も低い価格の97%に相当する価格で、随時普通株式を購入することができます。また、当社は、ドローダウン時において、1株当たりの最低許容価格を指定することもできます。

Yorkvilleの普通株式購入に関する取消不能なコミットメントの対価として、当社はYorkvilleに25,000米ドルのストラクチャリングフィーと 375,000米ドルのコミットメントフィーを支払うことに同意しました。

適用されるNASDAQの規則及びSEPAに基づいて、当社は、(i)Exchange Cap(SEPA締結直前の発行済普通株式の19.99%)を超えて普通株式を発行することに対する株主承認を得ない限り、または(ii)SEPAの下で適用対象となる全ての普通株式の平均価格が1株あたり1.33米ドル以上とならない限り、Yorkvilleに対して9,804,345株あるいはExchange Capを超えて当社普通株式を発行・売却することはできません。

この1.33米ドルという価格は、普通株式の(i)2025年7月30日の直前の取引日におけるNASDAQ公式終値、または、(ii)同日直前の5取引日のNASDAQ公式終値の平均値(いずれもNasdaq.comに掲載)のいずれか低い方を表しています。

2【その他】

該当事項はありません。

3【日本と米国との会計原則の相違】

当該半期報告書に含まれる中間要約連結財務書類は米国において一般に公正妥当と認められる期中財務情報の会計原則(米国会計基準)に準拠して作成されています。従って同中間要約連結財務書類は、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則(日本会計基準)に準拠して作成された中間要約連結財務書類と比較して、会計原則、会計慣行及び表示方法が異なっています。米国会計基準と日本会計基準の主な相違点は、当社の2024年度有価証券報告書の「第6. 4.日本と米国との会計原則の相違」をご参照ください。

 半期報告書

第6【外国為替相場の推移】

米ドルと円の為替相場は日本国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日刊新聞紙に当該半期中において掲載されているため省略いたします。

 半期報告書

第二部【提出会社の保証会社等の情報】

第1【保証会社情報】

該当事項はありません。

第2【保証会社以外の会社の情報】

該当事項はありません。

第3【指数等の情報】

該当事項はありません。

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