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OncoTherapy Science, Inc.

Quarterly Report Aug 1, 2016

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【表紙】
【提出書類】 四半期報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の7第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 平成28年8月1日
【四半期会計期間】 第16期第1四半期(自  平成28年4月1日  至  平成28年6月30日)
【会社名】 オンコセラピー・サイエンス株式会社
【英訳名】 OncoTherapy Science, Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長  森 正 治
【本店の所在の場所】 神奈川県川崎市高津区坂戸三丁目2番1号
【電話番号】 044-820-8251
【事務連絡者氏名】 取締役管理本部長  山 本 和 男
【最寄りの連絡場所】 神奈川県川崎市高津区坂戸三丁目2番1号
【電話番号】 044-820-8251
【事務連絡者氏名】 取締役管理本部長  山 本 和 男
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

E0536345640オンコセラピー・サイエンス株式会社OncoTherapy Science, Inc.企業内容等の開示に関する内閣府令第四号の三様式Japan GAAPtruecte2016-04-012016-06-30Q12017-03-312015-04-012015-06-302016-03-311falsefalsefalseE05363-0002016-08-01E05363-0002015-04-012015-06-30E05363-0002015-04-012016-03-31E05363-0002016-04-012016-06-30E05363-0002015-06-30E05363-0002016-03-31E05363-0002016-06-30iso4217:JPYiso4217:JPYxbrli:sharesxbrli:pure

0101010_honbun_0108246502807.htm

第一部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

回次 第15期

第1四半期

連結累計期間
第16期

第1四半期

連結累計期間
第15期
会計期間 自  平成27年4月1日

至  平成27年6月30日
自  平成28年4月1日

至  平成28年6月30日
自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日
事業収益 (千円) 206,238 394 266,903
経常損失 (千円) 673,427 770,927 2,963,026
親会社株主に帰属する四半期

(当期)純損失
(千円) 540,125 764,798 2,788,819
四半期包括利益又は包括利益 (千円) △538,010 △764,128 △2,787,834
純資産額 (千円) 15,401,811 12,346,006 13,114,619
総資産額 (千円) 16,141,417 12,855,429 13,663,124
1株当たり四半期(当期)純損失金額 (円) 3.67 5.20 18.97
潜在株式調整後1株当たり

四半期(当期)純利益金額
(円)
自己資本比率 (%) 92.6 92.8 92.9

(注) 1.当社は四半期連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.事業収益には、消費税等は含まれておりません。

3.第15期第1四半期連結累計期間、第16期第1四半期連結累計期間および第15期連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり四半期(当期)純利益金額につきましては、潜在株式は存在するものの、1株当たり四半期(当期)純損失を計上しているため記載しておりません。 

2 【事業の内容】

当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)において営まれている事業の内容について重要な変更はありません。

また、主要な関係会社についても異動はありません。

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第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間における当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。なお、当社及び連結子会社は単一事業であり、当社及び連結子会社のセグメントは「医薬品の研究及び開発」となっておりますので、セグメントごとの記載はしておりません。

(1)業績の状況

経営成績の分析

当第1四半期連結累計期間における事業収益につきましては、提携先企業による研究用試薬等販売のロイヤルティーの受領により、0.3百万円(前年同四半期比 205百万円の減少)となりました。

また、医薬品候補物質等の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費の計上に加え、主として、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による費用計上を主な要因として、営業損失は783百万円(前年同四半期は 672百万円の営業損失)、経常損失は770百万円(同 673百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、764百万円(同 540百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

(2)財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間の総資産は、12,855百万円(前連結会計年度末比 807百万円の減少)となりました。流動資産は12,499百万円(同 789百万円の減少)、これは、現金及び預金が955百万円減少したことが主な要因となっております。固定資産は、356百万円(同 18百万円の減少)となっております。

負債は、509百万円(前連結会計年度末比 39百万円の減少)となりました。流動負債は、332百万円(同 39百万円の減少)、これは、前連結会計年度末と比べて未払金が25百万円減少したことが主な要因となっております。固定負債は177百万円(同 0百万円の減少)となっております。

純資産は12,346百万円(前連結会計年度末比 768百万円の減少)となりました。これは、前連結会計年度末と比べて、利益剰余金が764百万円減少したことが主な要因になっております。

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

①基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上していくことを可能にする者であるべきと考えています。

当社は、金融商品取引所に株式を上場していることから、当社株式の取引は、株主、投資家の自由意思に委ねるのが原則であり、大規模買付行為がなされた場合においても、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資するものである限り、これをすべて否定するものではありません。最終的には、株式の大規模買付提案に応じるべきかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えています。

しかしながら、大規模買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保持し続けることが困難であると予測されるなど、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なう恐れのあるものや、当社グループの企業価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的に決定をされるために必要な情報が十分に提供されずに、大規模買付行為が行われる可能性も否定できません。

とりわけ当社グループは「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命として掲げており、患者様の生命や健康に直結する事業を進めていることから、その経営においては高い倫理観とバイオテクノロジーに関する専門的な知識・ノウハウ等が要求されます。

このようなことから、当社は、大規模買付行為がなされた場合には、株主の皆様に提供される情報、検討機会を十分確保する方策が必要であると考えています。

②基本方針の実現に資する取組み

当社の研究開発は、平成13年4月からの東京大学医科学研究所との共同研究により出発致しました。当該研究は、各がん種において特異的に発現する遺伝子を網羅的に解析することにより、創薬ターゲットとなるがん関連遺伝子及び遺伝子産物を単離することを目的としており、主に基礎研究領域に重点を置いたものとなっています。

その後、基礎研究の継続的な実施による進展とともに、当社グループの事業領域は、より医薬品の開発に近い創薬研究へと拡大しており、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬の各領域において、臨床応用を目指した創薬研究を実施しております。さらに、国内外において、各提携先製薬企業と共同で、または当社グループ独自で複数の臨床試験を実施しております。

このように、当社グループは「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」という企業使命の実現のため、日々研究開発を推進しています。当社グループは、これらの研究開発の進展こそが当社グループの企業価値向上の源泉であると考えています。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成21年5月27日に取締役会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下「本プラン」といいます)を導入することに関して決定を行い、平成21年6月26日開催の第8回定時株主総会において承認可決され、平成24年5月28日の取締役会において原施策に軽微な修正を施したうえで内容に大幅な変更無く継続導入することに関して決定を行い、平成24年6月27日開催の第11回定時株主総会において承認可決、平成27年5月27日の取締役会において内容に大幅な変更無く継続導入することに関して決定を行い、平成27年6月22日開催の第14回定時株主総会において承認可決されております。

(a)本プランの概要

(ⅰ)本プランに係る手続きの設定

本プランは以下のアまたはイに該当する当社株式の買付けまたはこれに類似する行為(但し、当社取締役会が承認したものを除きます。当該行為を、以下、 「大規模買付け等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。大規模買付け等を行い、または行おうとする者 (以下、「買付者等」といいます。)は、予め本プランに定められる手続きに従わなければならないものとします。

ア. 当社が発行者である株式について、保有者の株式保有割合が20%以上となる買付け

イ. 当社が発行者である株式について、公開買付けに係る株式の株式所有割合およびその特別関係者の株式所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

(ii)対抗措置の内容

上記(ⅰ)記載の対抗措置として、当社は、上記(ⅰ)記載の買付者による行使は認められないとの条項及び当社が当該買付者以外の者から当社株式と引き換えに当該新株予約権を取得する旨の条項等が付された新株予約権を、当社株式1株に対し1個を上限として、当社取締役会が本新株予約権無償割当決議において別途定める割合で、その時点の全ての株主に対して割り当てる手法による無償割当て、その他法令または当社定款が取締役会の権限として認める措置を行います。

(b)本プランの有効期間

本プランの有効期間は、平成27年3月期の事業年度に関する定時株主総会終結の時から平成30年6月開催予定の定時株主総会終結の時までと定めています。

(c)本プランの廃止および変更

当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランは当該決議に従い、その時点で変更または廃止されるものとします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

なお、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令若しくは金融商品取引所規則の変更またはこれらの解釈・運用の変更、または税制、裁判例等の変更により合理的に必要と認められる範囲で独立委員会の承認を得た上で、本プランを修正し、または変更する場合があります。当社は、本プランが廃止または変更された場合には、当該廃止または変更の事実および(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。

④上記取組みが基本方針に沿い、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことおよびその理由

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、本プランは、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて設計されているものです。

(a)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則

本プランは、上記に記載の通り、当社株式に対する大規模買付け等がなされた際に、当該大規模買付け等に応じるべきか否かを株主がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。

(b)事前開示・株主意思の原則

本プランは、定時株主総会において株主の承認を得たうえで導入するものです。また、株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更または廃止されることになります。従いまして、本プランの導入及び廃止には、株主の意思が十分反映される仕組みとなっています。

(c)必要性・相当性確保の原則

(ⅰ)独立委員会による判断の重視と情報開示

本プランは、大規模買付け等への対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として独立委員会を設置します。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社社外取締役、当社社外監査役または社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者またはこれらに準じる者)から選任される委員3名以上により構成されます。また、当社は、その判断の概要については株主及び投資家の皆様に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しています。

(ⅱ)合理的かつ客観的な発動要件の設定

本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。

(ⅲ)デッドハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされています。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

(4)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は686百万円であります。

当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現、シカゴ大学教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定しております。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がん特異的ペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医薬品候補物質も複数有しております。

なお、平成28年6月30日現在、当社は全世界で381件の特許を取得しております。

<基礎研究領域>

創薬ターゲットの特定等を行う基礎研究領域においては、ヒト全遺伝子の遺伝子発現パターンを網羅的に検索できるcDNAマイクロアレイのシステムによる大腸がん、胃がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、食道がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎臓がん、膀胱がんおよび軟部肉腫等について発現解析が終了しております。これらの発現解析情報からがんで発現が高く正常臓器では発現がほとんどない遺伝子を選択し、更に機能解析により、がん細胞の生存に必須な多数の遺伝子を分子標的治療薬の標的として同定しております。

<創薬研究領域>

医薬品候補物質の同定および最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途毎に、より製品に近い研究を積極的に展開しております。

低分子医薬につきましては、7種のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。そのうち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施中です。(詳細は、以下、<医薬開発領域>低分子医薬をご覧ください。)他の1種のリン酸化酵素については、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化作業を進め、in vivoで強力な腫瘍増殖抑制効果を示すOTS964等複数の高活性化合物を同定しております。これらについては、医薬品候補化合物として臨床開発する為の薬効薬理・薬物動態・毒性試験を進めております。さらに、別の3種の標的酵素タンパク質に関して、これまでの構造活性相関研究の結果得られた多数の高活性化合物に基づきリード最適化作業を進め、有望化合物に対してin vivoでの薬効試験を実施中です。また、さらに別の2種の標的タンパク質に関して、大規模化合物ライブラリのスクリーニングから得た高活性化合物骨格につき、リード化合物獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進めております。

がん特異的ペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人および欧米人に多く見られるHLA-A*24:02およびA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がんおよび肝臓がんなどを標的とした計43遺伝子を対象としたペプチドワクチンを既に同定しておりますが、それら以外にもA*11:01, A*33:03, A*01:01およびA*03:01など、様々なHLAに対応したより多くのエピトープペプチドのスクリーニングを実施しております。さらに、塩野義製薬株式会社と、がん特異的ペプチドワクチンの迅速かつ確実な創薬化を目指した共同研究を実施しております。

このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を、積極的に展開しております。

<医薬開発領域>

医薬開発領域においては、当社グループ独自で、ならびに複数の製薬企業との提携による開発を、以下の通りそれぞれ進めております。

低分子医薬

がん幹細胞の維持に重要な分子であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase) を標的としたOTS167については、米国で実施しております標準療法不応の固形がんに対する第Ⅰ相臨床試験において、本年4月現在、患者登録を終了しております。この度の患者登録終了は、静脈投与において、本試験目的の安全性と薬物動態の確認が達成されたためです。本試験によって得られたデータはOTS167の後続する臨床試験計画と製剤開発に大きな意義をもたらしており、OTS167の急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を米国にて開始いたしました。この臨床試験は、急性骨髄性白血病の患者さんを対象とし、OTS167の静脈内反復投与における安全性および推奨投与量の確認を行い、確認後には、急性骨髄性白血病を含む予後不良の各種白血病についてのPOC(Proof of Concept : 有効性や安全性を含めて作用機序などが臨床において妥当であることの証明)を獲得することを目的とするもので、本年7月に第1例目の患者登録が完了しております。

また、OTS167は、オーストラリアで実施しておりました健常成人を対象とした経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)の確認を主たる目的とする臨床試験は、ヒトでの良好な経口吸収性が確認されました。

OTS167の標的は、新規キナーゼのMELK (Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)であり、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしているタンパク(キナーゼ)です。そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制効果が期待できる新しい作用機序(ファースト・イン・クラス)の分子標的治療薬です。 OTS167 は、すでに動物試験において、肺がん、前立腺がん、乳がん、膵臓がんなどに対し、強力な抗腫瘍効果が確認されています。

また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する最終化合物を同定しております。動物実験で、がんの消失等顕著な結果が得られたことから、臨床試験開始を目指し、製剤化検討および非臨床試験を進めております。なお、TOPK阻害剤OTS964は、米国立がん研究所が提供するがん治療薬候補化合物特性評価及び安全性評価プログラム(NCL characterization プログラム)に採択されており、本化合物の非臨床試験開発が促進されることが期待されます。

がん特異的ペプチドワクチン

がん特異的ペプチドワクチンにつきましては、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。

塩野義製薬株式会社とは、当社がライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410の臨床開発を支援する目的で、食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験実施に関する覚書を締結しており、塩野義製薬株式会社が臨床試験を実施しております。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん第Ⅲ相臨床試験のほか、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験(目標症例数登録完了)を、頭頸部がんを対象としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、それぞれ実施しております。

大塚製薬株式会社と提携しておりますペプチドワクチンの開発については、大塚製薬株式会社が大腸がんペプチドワクチンについて、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。

小野薬品工業株式会社と提携しております、がん特異的ペプチドワクチンONO-7268MX1ならびにONO-7268MX2については、小野薬品工業株式会社が肝細胞がんを対象とした第Ⅰ相臨床試験を実施しております。

抗体医薬

がん治療用抗体OTSA101 については、肉腫治療の世界的権威であり、欧州がん研究・治療機構(European Organization for Research and Treatment of Cancer:EORTC)元会長のJean-Yves Blay 教授主導のもと、軟部肉腫の1種である滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験を実施しておりましたが、臨床試験の主目的であった、安全性と体内集積につきまして良好な結果が確認でき終了いたしました。今回の臨床試験の結果を踏まえ、企業主導の次相臨床試験を計画し、日米欧の承認申請を目指してまいります。

また、当社連結子会社であるイムナス・ファーマ株式会社が協和発酵キリン株式会社にライセンスアウトしております抗アミロイドβ(Aβ)ペプチド抗体KHK6640については、協和発酵キリン株式会社が、アルツハイマー病に対する第Ⅰ相臨床試験を欧州ならびに日本にて実施しております。

<がん個別化医療への取組み>

がん個別化医療

21 世紀に起こった技術革新により、個々の患者のゲノム・エピゲノム・プロテオームなどの変化を詳細に解析することが可能となりました。したがって、がん医療は、これらの革新的技術を駆使して、予防・早期発見・最適な治療法の選択・新規治療法の開発を行う「がん個別化医療」(Cancer Precision Medicine)が必須であると、当社は考えております。

がん個別化医療については、がん患者さんから提供された各種検体を分析して、①患者さんに合った分子標的薬剤があればそれをご紹介し、②再発の有無を遺伝子レベルで追跡する、さらに、③適切な分子標的薬が存在しない場合、患者さんに合ったワクチン療法をご紹介するなどの取り組みを考えております。

ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法

上記がん個別化医療の一翼を担う事業として、がん細胞の遺伝子異常解析を基盤にしたネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法の実用化に、テラ社と共同で取り組むことを合意しています。ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法は、個々の患者さんのがん細胞の遺伝子異常情報を基盤として、患者さんごとに特別なオーダーメードのワクチン治療法を提供する「究極の個別化医療」であり、世界的に注目を集めている最先端の免疫療法です。

TCR解析サービス

がん免疫療法における最先端の取組みとして、当社は、シカゴ大学医学部中村祐輔研究室において開発された、次世代シーケンサーを用いてT細胞受容体を解析する方法を導入し、当社ワクチン事業を、科学的エビデンスを重視して推進するとともに、製薬企業、医療機関、研究機関等に対してTCR解析サービスを提供する事業を開始いたしました。学会発表やセミナー開催による啓蒙活動により、がん領域の研究者を中心に事業を拡大する見込みです。これは、がん患者さんのゲノム等の情報をもとに、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供する、がん個別化医療に必須の技術となるものです。

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第3 【提出会社の状況】

1 【株式等の状況】

(1) 【株式の総数等】

① 【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 385,000,000
385,000,000
種類 第1四半期会計期間

末現在発行数(株)

(平成28年6月30日)
提出日現在

発行数(株)

(平成28年8月1日)
上場金融商品取引所

名又は登録認可金融

商品取引業協会名
内容
普通株式 147,027,000 147,027,000 東京証券取引所

(マザーズ)
単元株式数は100株であります。
147,027,000 147,027,000

(注)  提出日現在の発行数には、平成28年8月1日からこの四半期報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。 #### (2) 【新株予約権等の状況】

該当事項はありません。 #### (3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

該当事項はありません #### (4) 【ライツプランの内容】

該当事項はありません 

(5) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日 発行済株式

総数増減数

(株)
発行済株式

総数残高

(株)
資本金増減額

(千円)
資本金残高

(千円)
資本準備金

増減額

(千円)
資本準備金

残高

(千円)
平成28年4月1日~

平成28年6月30日
10,000 147,027,000 1,839 9,135,118 1,839 12,100,340

(注)新株予約権の行使による増加であります

(6) 【大株主の状況】

当四半期会計期間は第1四半期会計期間であるため、記載事項はありません。

(7) 【議決権の状況】

① 【発行済株式】

平成28年6月30日現在

区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式
議決権制限株式(自己株式等)
議決権制限株式(その他)
完全議決権株式(自己株式等)
完全議決権株式(その他) 普通株式

147,011,100
1,470,111
単元未満株式 普通株式

   5,900
発行済株式総数 普通株式

147,017,000
総株主の議決権 1,470,111

(注)当第1四半期会計期間末日現在の「発行済株式」については、株主名簿の記載内容が確認できないため、記載することができないことから、直前の基準日(平成28年3月31日)に基づく株主名簿による記載をしております。 ##### ② 【自己株式等】

平成28年6月30日現在

所有者の氏名

又は名称
所有者の住所 自己名義

所有株式数

(株)
他人名義

所有株式数

(株)
所有株式数

の合計

(株)
発行済株式

総数に対する

所有株式数

の割合(%)

2 【役員の状況】

該当事項はありません。

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第4 【経理の状況】

1.四半期連結財務諸表の作成方法について

当社の四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(平成19年内閣府令第64号)に基づいて作成しております。

2.監査証明について

当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、第1四半期連結会計期間(平成28年4月1日から平成28年6月30日まで)及び第1四半期連結累計期間(平成28年4月1日から平成28年6月30日まで)に係る四半期連結財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより四半期レビューを受けております。

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1 【四半期連結財務諸表】

(1) 【四半期連結貸借対照表】

(単位:千円)
前連結会計年度

(平成28年3月31日)
当第1四半期連結会計期間

(平成28年6月30日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 13,070,294 12,114,396
原材料及び貯蔵品 15,777 16,268
前渡金 65,278 67,016
その他 137,114 301,419
流動資産合計 13,288,464 12,499,100
固定資産
有形固定資産
建物 418,010 418,010
減価償却累計額 △224,572 △231,092
建物(純額) 193,438 186,918
機械及び装置 137,628 137,226
減価償却累計額 △129,816 △129,962
機械及び装置(純額) 7,811 7,264
工具、器具及び備品 688,133 690,614
減価償却累計額 △612,421 △622,144
工具、器具及び備品(純額) 75,712 68,470
有形固定資産合計 276,962 262,652
無形固定資産
特許権 16,508 14,854
ソフトウエア 7,943 7,118
その他 72 72
無形固定資産合計 24,524 22,046
投資その他の資産
長期前払費用 8,850 7,310
差入保証金 64,322 64,319
投資その他の資産合計 73,172 71,630
固定資産合計 374,659 356,329
資産合計 13,663,124 12,855,429
(単位:千円)
前連結会計年度

(平成28年3月31日)
当第1四半期連結会計期間

(平成28年6月30日)
負債の部
流動負債
未払金 237,813 211,856
前受金 84,059 84,059
未払法人税等 32,290 20,648
その他 17,114 15,657
流動負債合計 371,277 332,222
固定負債
繰延税金負債 11,246 10,797
資産除去債務 86,432 86,855
その他 79,548 79,548
固定負債合計 177,226 177,200
負債合計 548,504 509,423
純資産の部
株主資本
資本金 9,133,279 9,135,118
資本剰余金 12,098,501 12,100,340
利益剰余金 △8,526,325 △9,291,123
株主資本合計 12,705,455 11,944,335
その他の包括利益累計額
為替換算調整勘定 △8,740 △8,071
その他の包括利益累計額合計 △8,740 △8,071
新株予約権 417,905 409,742
純資産合計 13,114,619 12,346,006
負債純資産合計 13,663,124 12,855,429

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(2) 【四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書】

【四半期連結損益計算書】
【第1四半期連結累計期間】
(単位:千円)
前第1四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

 至 平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

 至 平成28年6月30日)
事業収益 206,238 394
事業費用
研究開発費 779,503 686,662
販売費及び一般管理費 98,987 97,165
事業費用合計 878,491 783,827
営業損失(△) △672,252 △783,432
営業外収益
受取利息 2,018 423
為替差益 - 12,010
還付加算金 28 71
その他 0 0
営業外収益合計 2,047 12,505
営業外費用
為替差損 3,221 -
営業外費用合計 3,221 -
経常損失(△) △673,427 △770,927
特別利益
新株予約権戻入益 133,882 6,814
特別利益合計 133,882 6,814
税金等調整前四半期純損失(△) △539,545 △764,112
法人税、住民税及び事業税 1,134 1,134
法人税等調整額 △553 △448
法人税等合計 580 685
四半期純損失(△) △540,125 △764,798
親会社株主に帰属する四半期純損失(△) △540,125 △764,798

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【四半期連結包括利益計算書】
【第1四半期連結累計期間】
(単位:千円)
前第1四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

 至 平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間

(自 平成28年4月1日

 至 平成28年6月30日)
四半期純損失(△) △540,125 △764,798
その他の包括利益
為替換算調整勘定 2,115 669
その他の包括利益合計 2,115 669
四半期包括利益 △538,010 △764,128
(内訳)
親会社株主に係る四半期包括利益 △538,010 △764,128

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【注記事項】

(会計方針の変更等)

法人税法の改正に伴い、「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第32号 平成28年6月17日)を当第1四半期連結会計期間に適用し、平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更しております。

なお、当第1四半期連結累計期間において、四半期連結財務諸表への影響額はありません。  

(追加情報)

「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 平成28年3月28日)を当第1四半期連結会計期間から適用しております。  

(四半期連結キャッシュ・フロー計算書関係)

当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。なお、第1四半期連結累計期間に係る減価償却費(無形固定資産に係る償却費を含む。)は、次のとおりであります。

前第1四半期連結累計期間

(自  平成27年4月1日

至  平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間

(自  平成28年4月1日

至  平成28年6月30日)
減価償却費 20,186千円 19,599千円
(株主資本等関係)

前第1四半期連結累計期間(自  平成27年4月1日  至  平成27年6月30日)

1.配当金支払額

該当事項はありません。

2.基準日が当第1四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当第1四半期連結会計期間の末日後となるもの

該当事項はありません。 当第1四半期連結累計期間(自  平成28年4月1日  至  平成28年6月30日)

1.配当金支払額

該当事項はありません。

2.基準日が当第1四半期連結累計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当第1四半期連結会計期間の末日後となるもの

該当事項はありません。  ###### (セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社及び連結子会社は「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業内容となっており、事業区分が単一セグメントのため、記載を省略しております。  ###### (1株当たり情報)

1株当たり四半期純損失金額及び算定上の基礎は、以下のとおりであります。

項目 前第1四半期連結累計期間

(自  平成27年4月1日

至  平成27年6月30日)
当第1四半期連結累計期間

(自  平成28年4月1日

至  平成28年6月30日)
1株当たり四半期純損失金額 3円67銭 5円20銭
(算定上の基礎)
親会社株主に帰属する四半期純損失金額(千円) 540,125 764,798
普通株主に帰属しない金額(千円)
普通株式に係る親会社株主に帰属する四半期純損失

  金額(千円)
540,125 764,798
普通株式の期中平均株式数(株) 146,973,923 147,020,186

(注) 1 潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり四半期純損失であるため、記載しておりません。  

(重要な後発事象)

該当事項はありません。

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2 【その他】

該当事項はありません。 

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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】

該当事項はありません。

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