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| 【提出書類】 | 意見表明報告書 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2021年2月1日 |
| 【報告者の名称】 | 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング |
| 【報告者の所在地】 | 愛知県蒲郡市三谷北通6丁目209番地の1 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 愛知県蒲郡市三谷北通6丁目209番地の1 |
| 【電話番号】 | 0533(66)2020(代表) |
| 【事務連絡者氏名】 | 執行役員 経営管理本部長 大林 正人 |
| 【縦覧に供する場所】 | 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング (愛知県蒲郡市三谷北通6丁目209番地の1) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) |
(注1) 本書中の「当社」とは、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングをいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、帝人株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は必ずしも計数の総和と一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注6) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注7) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注8) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示基準に従い実施されるものです。
E02357 77740 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング Japan Tissue Engineering Co., Ltd. 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令 第四号様式 1 false false false E02357-000 2021-02-01 xbrli:pure
意見表明報告書_20210201124408
名称 帝人株式会社
所在地 大阪市北区中之島三丁目2番4号
普通株式
(1)意見の内容
当社は、2021年1月29日開催の取締役会において、後記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、帝人株式会社(以下「公開買付者」といいます。)による当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けにおける当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)については不合理なものではないと考えられるものの、本公開買付けには買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も引き続き当社株式の上場が維持される予定であることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を採り、当社の株主の皆様のご判断に委ねること及び後記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本資本業務提携契約」に記載のとおり、公開買付者との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、本資本業務提携契約に基づく資本業務提携を「本資本業務提携」といいます。)を締結することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
なお、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図するものではなく、本公開買付け後も当社株式の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)JASDAQグロース市場における上場は維持される予定です。
(2)意見の根拠及び理由
本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
当社は、公開買付者より、本公開買付けの概要につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、2021年1月29日付の取締役会において、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として、東京証券取引所JASDAQグロース市場に上場している当社株式を対象とした本公開買付けを実施することを決議したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式を所有していないとのことです。
本公開買付けに関連して、公開買付者は、当社の親会社である富士フイルム株式会社(以下「富士フイルム」といいます。)との間で、公開買付応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を2021年1月29日付で締結しており、富士フイルムは、本応募契約に基づき、その所有する当社株式(20,358,400株、所有割合(注):50.13%)の全て(以下「応募予定株式」といいます。)を本公開買付けに応募することに合意しているとのことです。本応募契約の内容については、後記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約」をご参照ください。また、当社の第二位の主要株主である株式会社ニデック(以下「ニデック」といいます。)は、本書提出日現在所有する当社株式(4,227,200株、所有割合:10.41%)について本公開買付けに応募しない旨の意向を示しております。さらに、公開買付者は、当社との間で本資本業務提携契約を2021年1月29日付で締結しております。本資本業務提携契約の内容については、後記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本資本業務提携契約」をご参照ください。
なお、公開買付者が2021年1月29日に公表した「株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式(証券コード7774)に対する公開買付けの開始及び同社との資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」(以下「公開買付者プレスリリース」といいます。)にて公表されておりましたとおり、公開買付者は、本応募契約において、(ⅰ)当社の取締役会により、本公開買付けに賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が撤回又は変更されていないこと、(ⅱ)当社の取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会により、当社の取締役会に対して、本公開買付けに賛同する旨の意見表明に係る決議を行う旨の答申が適法かつ有効になされ、これが当社のプレスリリースにおいて公表されており、かつ、かかる答申が撤回又は変更されていないこと、(ⅲ)本資本業務提携契約が適法かつ有効に締結され、存続していること(公開買付者の責めに帰すべき事由により本資本業務提携契約が適法かつ有効に締結されず、又は存続しないこととなった場合は当該条件は充足したものとみなす。)、(ⅳ)本公開買付け又は富士フイルムによる本公開買付けへの応募予定株式の応募を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、そのおそれもないこと、(ⅴ)本応募契約に基づき、富士フイルムが履行又は遵守すべき義務が重要な点で全て履行又は遵守されていること、(ⅵ)富士フイルムによる表明及び保証がいずれも重要な点で真実かつ正確であること、(ⅶ)本公開買付けに関する事実及び当社が本応募契約の締結日に公表を予定している事実を除き、当社に関する法第166条第2項に定める未公表の重要事実又は法第167条第1項柱書に規定する公開買付け等の実施に関する事実で未公表のものが存在しないこと、(ⅷ)公開買付者プレスリリースの「2.買付け等の概要」の「(9)その他買付け等の条件及び方法」の「② 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の公開買付けの撤回等の条件に該当する事由が発生していないことを本公開買付け開始の前提条件(以下「本前提条件」といいます。)としており、本前提条件が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)に、本公開買付けを開始することを予定しておりましたところ、本日、本前提条件が全て充足されたことを確認したため、本公開買付けを開始したとのことです。
(注) 「所有割合」とは、当社が2021年1月29日に公表した「2021年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」に記載された2020年12月31日現在の発行済株式総数(40,610,200株)から同日現在の当社が所有する自己株式数(216株)を控除した株式数(40,609,984株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、比率の計算において同じです。)をいいます。
本公開買付けにおいては、当社を連結子会社とすることを目的とするものである一方で、本公開買付けを確実に成立させるため、応募予定株式と同数である20,358,400株(所有割合:50.13%)を買付予定数の下限と設定しており、本公開買付けに応じて売付け等の申込みがなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。また、公開買付者は、上記のとおり、当社を連結子会社とすることを目指しており、現時点では本公開買付け後も引き続き当社株式の上場を維持する方針であることから、買付予定数の上限を設定しておりますが、法令上全部買付義務及び全部勧誘義務が生じない買付け等後の株券等所有割合が3分の2未満となり上限が設定可能な範囲において、より多くの当社の株主の皆様に売却の機会を提供する観点から、買付予定数の上限を26,389,900株(所有割合:64.98%)としているとのことです。なお、応募株券等の総数が買付予定数の上限(26,389,900株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行うとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針は以下のとおりです。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者プレスリリースその他公開買付者が公表した情報及び公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、1918年6月に帝国人造絹絲株式会社として創立され、山形県米沢市にて事業を開始したとのことです。公開買付者は、1949年5月に東京証券取引所、株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)、株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)に株式を上場し、1962年11月に帝人株式会社に社名を変更し現在に至るとのことです。なお、名古屋証券取引所については2006年1月に上場廃止をしており、大阪証券取引所については、2013年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場統合を行っているため、現在は東京証券取引所市場第一部にのみ上場しているとのことです。
公開買付者、子会社145社及び関連会社29社(2020年3月31日時点)(以下「公開買付者グループ」といいます。)は、「Quality of Lifeの向上に努めます」「社会と共に成長します」「社員と共に成長します」という企業理念のもと、高機能素材、複合成形材料を製造・販売するマテリアル領域、及び医薬品・在宅医療機器等を製造・販売するヘルスケア領域を中心に事業を行っているとのことです。特に、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンを掲げ、持続可能な社会の実現に貢献する「環境価値ソリューション」、「安心・安全・防災ソリューション」、そして「少子高齢化・健康志向ソリューション」の3つのフィールドで、社会に価値を提供することを目指しているとのことです。公開買付者グループは100年以上に亘る歴史において、時代の変化を捉えて事業ポートフォリオを変革し、成長を遂げてきたとのことです。自社研究と外部からの導入で築いてきた技術基盤を起点とし、高付加価値製品の開発及び迅速な事業化を強みとしているとのことです。マテリアル領域においては、レーヨン事業のリーディングカンパニーとして時代を牽引した後、ポリエステルからアラミド繊維(注)、炭素繊維へと事業展開し、また、素材から複合材へ、さらには加工度を高めた部品やソリューションの提供へと、常に時代の先端を行く高付加価値領域への事業展開を進めてきたとのことです。ヘルスケア領域においては、1970年代に医薬・在宅医療事業に参入し、潜在的な医療ニーズを発掘し、新領域を創出することによるビジネスモデルを確立してきたとのことです。骨粗鬆症や睡眠時無呼吸症候群は疾患認知度が低い時代に、診断方法の開発や検査環境の整備をサポートすることで、治療の浸透に貢献し、また、高尿酸血症・痛風の40年ぶりの新薬として創出した「フェブリク」(一般名:フェブキソスタット)は、高尿酸血症の治療エビデンスの浸透に貢献しているとのことです。在宅医療事業は、日本における保険適用在宅医療のパイオニアとして、機器のレンタルに加えて、地域密着型の24時間対応と専任担当者による一貫したフォロー体制を構築し、医療機関や患者様から直接ニーズを汲み取り、サービスを提供しているとのことです。なお、公開買付者グループの海外売上高比率は約44%、海外従業員比率は約53%となっており、世界20ヵ国以上でグローバルに事業を展開しているとのことです。
(注) 「アラミド繊維」とは、芳香族ポリアミド(aromatic polyamide)からなる繊維のことであり、高い耐熱性と切断・摩耗などに強い性質を持つ合成繊維です。
公開買付者は2017年2月、「中期経営計画2017-2019 ALWAYS EVOLVING」(以下「前中計」といいます。)の策定とともに、10年先を見据えた長期ビジョンとして「未来の社会を支える会社」になる、を掲げたとのことです。前中計期間においては、発展戦略として「新規コアビジネスの確立・ビジネスモデル変革」、成長戦略として「既存事業の成長加速による基礎収益力の強化」を推進し、その結果として将来の収益源となる事業と収益をさらに伸ばしていく事業の区別を明確化した上で、重点分野を選択することができたとのことです。続いて、公開買付者は2020年2月に、「中期経営計画2020-2022 ALWAYS EVOLVING」(以下「本中計」といいます。)を公表し、本中計期間を「成長基盤確立期」と位置付けたとのことです。本中計では各事業の位置づけを、将来の収益獲得のために育成が必要な事業を「Strategic Focus」、すでに高い収益を上げており、さらなる成長を目指す事業を「Profitable Growth」として整理したとのことです。また、本中計のStrategic Focusとしては公開買付者グループの各事業間や外部との協創により、個別には創出困難な革新的製品・サービスを協創・拡大していくことを重要な融合領域戦略としているとのことです。なお、本中計では前中計期間の実績を1,000億円以上上回る3,500億円の設備投資及びM&Aの投資枠を設定しており、積極的に資源を投入しながら成長基盤の確立を目指しているとのことです。
一方、当社は、1999年2月、ニデック(出資割合63.4%)、株式会社INAX(現 株式会社LIXIL。出資割合13.3%)、富山化学工業株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社。以下、商号変更の前後を通じて「富山化学」といいます。出資割合13.3%)並びに株式会社セントラル・キャピタル(現 三菱UFJキャピタル株式会社。出資割合10.0%)の共同出資により、ティッシュエンジニアリング(生物から採取した細胞を用いて、性質の改変、体外での培養、組織・臓器の再形成、新たな機能の付加あるいは機能の修復等を行う要素技術を利用して組織の再生を実現するための技術)をベースに再生医療を事業領域とする企業として愛知県蒲郡市に設立されました。当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とし、事業を展開して参りました。当社株式は、2007年12月、ジャスダック証券取引所NEO(現東京証券取引所JASDAQグロース市場)に上場しております。
当社は、2010年10月、富士フイルムを割当先とした第三者割当増資を実施し、これにより、富士フイルムが筆頭株主になりました(当該増資後における富士フイルムの議決権所有割合は41.29%)。当社は、当該増資に伴い、富士フイルムとの間で2010年10月6日付「業務提携に関する契約書」を締結し、それぞれが保有する製品・技術を活用した再生医療分野での製品開発及びその事業化に関して協働してまいりました。その後、当社は、事業安定のための資金調達及び業務上のシナジーを追求し再生医療ビジネスを拡大していくため、2014年3月31日付で富士フイルムを割当先とする第三者割当による新株予約権を発行するとともに、従前の業務提携を発展させ、富士フイルムが開発した細胞培養足場材を活用した再生医療製品の研究開発業務を当社が受託し、再生医療の実用化に向けた取り組みを加速することを目的として、同年4月1日付で同社と「業務委託基本契約」を締結しました。2014年12月に、富士フイルムにより当社が発行した上記新株予約権が行使されたことにより(当該新株予約権行使後における富士フイルムの議決権所有割合は46.08%)、富士フイルムの100%親会社である富士フイルムホールディングス株式会社(以下「富士フイルムホールディングス」といいます。)は、富山化学(当時、富士フイルムホールディングスの66%子会社)所有分(議決権所有割合4.08%)と合わせ、50.16%の議決権を所有することとなり、富士フイルムホールディングスが当社の親会社に該当することとなりました。その後、富山化学が2018年9月30日付で富士フイルムの100%子会社となった結果、富士フイルムが直接所有・間接所有あわせて当社の議決権の50.13%を所有することとなり、当社の親会社に該当することとなりました。なお、富士フイルムは、2019年11月に富山化学から、同社の所有する当社株式の全てを取得しており、その結果、富士フイルムは当社株式の50.13%を直接所有することになりました。
当社は、上記のとおり、富士フイルムと協力関係を保ちながら事業展開してきましたが、一方で独自の経営方針及び経営戦略に基づいて独立した活動を展開しており、また、富士フイルムと取引を行う際は、当該取引の必要性や一般的な取引条件と同等であること等を確認する等、少数株主の利益を害することのないようにしており、上場子会社としての経営の自主性・独立性を確保しつつ経営を行ってきたものと考えております。
当社は、現在、再生医療等製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造等を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開しています。各事業の概要は、以下のとおりです。
(Ⅰ)再生医療製品事業
当社は、ティッシュエンジニアリングを利用した、以下の再生医療等製品を開発し、当該製品を医療機関向けに医療目的で製造販売しています。当社の再生医療等製品は、現在、患者本人の細胞(自家細胞)を培養し、患者本人に移植する「自家移植」を対象としています。
(a)自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、患者自身の皮膚組織を少量取り、約3週間の培養期間を経て、患者本人に移植する自家培養表皮シートです。
本品は、2007年10月に重症熱傷治療を目的とした製品として製造販売承認を取得し、2009年1月より保険適用を受け、我が国で第1号となる再生医療等製品となりました。その後、本品は、適応拡大として2016年9月に先天性巨大色素性母斑の治療を目的として一部変更承認を受け、2016年12月より保険適用を受け、さらに2018年12月には表皮水疱症の治療を目的とした製品として一部変更承認を受け、2019年7月より保険適用を受けております。
(b)自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、軟骨損傷患者の関節(非荷重部)から少量採取した軟骨細胞をアテロコラーゲンゲルというゲル状の物質の中で約4週間培養し、患者本人の軟骨欠損部に移植する自家培養軟骨組織です。
本品は、2012年7月に膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除きます。)の臨床症状の緩和を目的として製造販売承認を取得し、2013年4月より保険適用を受け、整形外科領域で国内初の再生医療等製品となりました。その後、本品は、2019年1月には自家培養軟骨ジャック移植時に患者自身の骨膜に代わって人工のコラーゲン膜を使用する一部変更申請承認を受け、これにより患者の身体的負担軽減と医師の手技の簡便化を図ることができるようになりました。
また、当社は、2018年7月に外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする適応拡大のための治験計画届書を提出しており、現在、治験を実施しています。
(c)自家培養角膜上皮ネピック
自家培養角膜上皮ネピックは、患者自身の角膜輪部組織から角膜上皮幹細胞を採取し、それをシート状に培養したもので、本品を移植することにより角膜上皮を再建させることを目的としています。当社はニデックから本品の製品開発を受託し、自家培養角膜上皮の開発を進めてきました。
本品は、2020年3月に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的として製造販売承認を取得し、2020年6月より保険適用を受け、眼科領域で国内初の再生医療等製品となりました。
(Ⅱ)再生医療受託事業
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施する大学及び公的研究機関や、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。
さらに、2014年11月に施行された再生医療等安全性確保法に則った、再生医療の提供機関に対するコンサルティング並びに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。
(Ⅲ)研究開発支援事業
当社は再生医療等製品の開発を通じて蓄積したティッシュエンジニアリングに係る技術、ノウハウを水平展開し、研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを開発、製造、販売しています。また、当社は、2019年9月から、富士フイルムが開発した薬物の吸収性の評価に最適なヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」の製造、販売を開始しました。「F-hiSIEC」は、ヒトiPS細胞を小腸の腸管上皮細胞に分化誘導した創薬支援用細胞であり、ヒト生体に近い機能を有し、薬物の吸収性を高精度に評価できる画期的な細胞であるため、経口剤開発に大きく貢献するものであります。
(Ⅳ)新規パイプライン(注)の開発
当社は、上記の他に、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインとして、CAR-T細胞治療薬(CD19陽性の急性リンパ性白血病を対象とした自家CAR-T細胞治療薬)、尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的としたメラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)、同種培養表皮(他人の皮膚を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品)の開発に取り組んでいます。
(注) 「パイプライン」とは、研究開発の段階から、臨床試験(治験)を経て製品として販売されるまでの医薬品や再生医療等製品などの候補のことです。
当社は、前記(Ⅰ)のとおり、これまでに3品目の再生医療等製品の製造販売承認を取得し、これらを上市して必要とする医療機関に安定供給しております。
一方、現在の当社の経営課題は、当該製造販売承認を取得した当社製品群の承認された適応範囲が狭いことに端を発します。そのため、今後はより大きな市場に向けた各製品の適応拡大を進めるとともに、製造量及び販売量の拡大を目指して各製品の製造及び販売体制の合理化を実現する必要があります。さらに、現在、患者本人以外の細胞(他家細胞)を用いた製品提供に取り組むべく基盤整備も行っております。前記(Ⅰ)に記載した自家細胞を用いた再生医療等製品の提供の経験を十分に発揮し、速やかに他家細胞利用製品についても実現したいと考えております。
このような状況の下、今後の当社の発展のためには、まずは大規模生産に必要な資材等の最適化及び安定確保、生産プロセスの機械化・合理化、営業活動範囲の拡大などに取り組む必要があります。さらに、他社からの優位性を確保すべく、新規開発製品に供する臨床応用可能な各種バイオマテリアルの設計、各事業の海外からのニーズ対応等、数多くの取り組むべき課題があると考えております。
上記のような状況の中、公開買付者は2020年8月下旬にバイオ医療領域の事業ポートフォリオの最適化を図る中で、再生医療分野においては、創薬支援用のiPS細胞製品や培地、細胞治療薬の開発や製造受託等に経営資源を集中していくとの理由で、富士フイルムより富士フイルムの所有する当社株式の譲渡に関する第一次入札プロセスへの参加打診を受けたことから、当社株式の取得の是非について検討を行ったとのことです。その結果、公開買付者は、当社が既に複数品目の再生医療等製品の製造販売承認を取得し、同領域における多大な知見と経験に基づいた研究開発・生産/品質管理・販売の各体制を確立し、再生医療等製品のプラットフォーマーとしての確固たるポジションを得ていることを確認することができたとのことです。公開買付者グループの化学合成、高分子化学、加工、エンジニアリングなどの基盤技術及びヘルスケア事業基盤を当社が保有する技術と組み合わせることで、再生医療等製品の更なる普及に向けた、生産技術革新と関連新製品の開発を推進し、両社事業を大きく飛躍させる可能性があると考えたとのことです。
そこで、公開買付者は、上記富士フイルムによる第一次入札プロセスに参加の上、一次意向表明書提出に向けた検討を行い、2020年10月上旬に一次意向表明書を提出したとのことです。その後、2020年10月中旬に富士フイルムより第二次入札プロセスへの参加が認められる旨の通知を受け、第二次入札プロセスに参加することとなったとのことです。公開買付者は、第二次入札プロセスにおいて、2020年10月中旬から2020年11月中旬まで当社に対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや当社経営陣との面談を実施し、それらの過程で取得した情報を踏まえて、公開買付者グループと当社との間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策、買収ストラクチャー及び本公開買付け後の経営方針等について更なる分析及び検討を進めてきたとのことです。
その結果、公開買付者は、日本の再生医療のパイオニアであると公開買付者が考える当社の行う事業や両社共同で推進する細胞製品CDMO(注)事業が経営資源を積極的に投入すべきStrategic Focus分野に該当し、富士フイルムの所有する当社株式を取得することは、公開買付者が再生医療事業及び細胞製品CDMO事業に参入する絶好の機会であると考えるとともに、公開買付者グループが有する技術やノウハウを共有し、将来的なグローバル展開を協働することで、当社の再生医療製品事業や再生医療受託事業拡大に寄与することが可能との認識に至ったとのことです。なお、具体的には以下のようなシナジーを想定しているとのことです。
(注) 「CDMO」とは、「Contract Development and Manufacturing Organization」の略であり、医薬品の製剤開発や製造を受託する医薬品受託製造開発機関を指します。
(a)研究開発面での技術共有
公開買付者グループは、ユニークな製品・サービスを提供するヘルスケア事業を持つことから医薬品開発経験と関連技術、安全性・品質管理能力を有しており、さらに、素材・複合材開発に強みを持つマテリアル事業、更にはそれらを支えてきたエンジニアリング部門を有しているとのことです。当該事業又は部門の持つ医薬品関連技術、素材技術やエンジニアリング技術と、当社が持つ細胞製品の製造に関する知見・経験を活用することで協働での研究開発を行い、細胞製品の壁である生産プロセスの革新や製造設備の改善による原価低減を実現し、当社の事業の更なる競争力強化に寄与できると考えているとのことです。
(b)営業分野におけるノウハウの共有
公開買付者グループは、ヘルスケア事業を通して築いた規制当局との交渉能力や医療機関への学術的支援、取引先への営業ノウハウを有しているとのことです。細胞製品という技術力と信頼性が特に要求され、病院や患者様を含むサプライチェーンの綿密な管理が必要となる分野において、当該取引先との関係性及び営業ノウハウを活用することで、当社の販売力強化に寄与できると考えているとのことです。
(c)海外対応能力の活用
公開買付者グループは、海外技術の導入や海外進出のサポート、海外企業との協働をアレンジする能力も有していることから、当社におけるイノベーション創出を加速することが可能と考えているとのことです。また、公開買付者グループの関与により、将来的に再生医療領域における海外でのM&Aやアライアンス構築の選択肢が広がり、当社の海外展開の加速及び事業規模の拡大に寄与できると考えているとのことです。
(d)再生医療受託事業の拡大
公開買付者グループにとっての新規事業となる細胞製品CDMO事業は、技術力と信頼性が要求される分野、また、病院や患者様を含むサプライチェーンの緻密な管理が必要な分野であり、再生医療等製品の開発・製造・販売を手掛けてきた当社の技術やノウハウが必須であると考えているとのことです。一方で、長年に亘り医薬品及び在宅医療製品を自社開発に加えて国内外企業や大学及び公的研究機関から導入し、販売してきた公開買付者グループが持つネットワークを新規顧客開拓や海外からの新規技術導入に活用することで、細胞製品CDMO事業の競争力を強化できると考えているとのことです。さらに、当社の既存設備の改善や生産プロセスの革新に加え、新規設備投資のサポートや公開買付者グループの有する既存設備の相互活用を推進することで、再生医療受託事業における受託能力の拡充が可能となり、当該事業規模の拡大に寄与できると考えているとのことです。
上記の分析及び検討の結果を踏まえ、公開買付者は、2020年12月3日に富士フイルムに対して、(ⅰ)本公開買付価格を1株あたり820円として当社株式の全てを対象とする公開買付けを行うこと、(ⅱ)当社株式の上場維持を前提とし、当該公開買付けの結果、当社株式が上場廃止基準に抵触するおそれが生じた場合には、当社との間で上場廃止の回避のための方策について協議・検討し、合意された方策を実行すること、(ⅲ)当社との間で資本業務提携契約を締結すること等を内容とする意向表明書を提出したとのことです。なお、公開買付者は、現時点では、当社を完全子会社としなくとも、当社を公開買付者グループの一員とすることで、双方が有する技術やノウハウの共有及び経営資源の相互補完・有効利用を行うことができ、同じ船に乗る強固な協働を通して、両社のシナジー効果を発揮することができると考えているとのことです。さらに、日本の再生医療のパイオニアと公開買付者が考える当社のブランド力と、たゆまぬポートフォリオ変革で100年にわたる事業継続と顧客からの信頼を得てきた公開買付者のブランド力も、グループとしてのブランド強化に資するものであるとのことです。一方で、当社の現在の企業文化や経営の自主性を維持することが当社の企業価値を向上させるために重要であり、そのために本公開買付け後も当社株式の上場を維持し、公開買付者の上場子会社とすることも合理的であると現時点で考えたことから、当社を完全子会社とせず、連結子会社とすることが望ましいと判断したとのことです。
その後、後記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社が、公開買付者からの提案に係るスキーム(具体的には、当社株式の上場を維持することを前提としつつ、公開買付けの買付予定数に上限を設定しない点)は、公開買付けに応募するように圧力を受けてしまう、いわゆる強圧性の問題が存在することが否定できないと判断し、強圧性の問題を解消するための措置として、買付予定数について議決権の総数の3分の2未満に対応する株式数を上限として設定することを提案するよう、富士フイルムに対して要請したことに伴い、公開買付者は、富士フイルムより当該提案を受けたとのことです。公開買付者は当社を連結子会社とすることを企図していたため、買付予定数の上限設定の要請は受諾が可能と判断し、2020年12月25日、買付予定数の上限を26,389,900株(所有割合:64.98%)とする旨の提案を再度提出したとのことです。
その後、2020年12月28日に当社より本公開買付価格の引き上げ要請があったものの、公開買付者は、2021年1月8日に本公開買付価格は取締役会での議論を踏まえた価格であることから引き上げは難しい旨を当社に伝達するとともに、公開買付者、当社及び富士フイルムは、本公開買付けの意義・目的、本公開買付け後の経営方針を含めた諸施策及び本公開買付けの諸条件等について更なる協議・交渉を実施した結果、2021年1月下旬、本公開買付けの諸条件等について合意に至ったことから、公開買付者は、2021年1月29日付の公開買付者の取締役会において本公開買付けの実施及び富士フイルムとの間で本応募契約を締結することを決議したとのことです。また、公開買付者は、2021年1月29日付で当社との間で本資本業務提携契約を締結いたしました。なお、ニデックについては、当社の第二位の主要株主であり、本公開買付けに応募するか否かが本公開買付けに与える影響を鑑みて、公開買付者が、本公開買付けの実施に先立って2021年1月25日に面談を実施したところ、本書提出日現在所有する当社株式(4,227,200株、所有割合:10.41%)について本公開買付けに応募しない旨の意向が示されたとのことです。
(ⅱ)本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、現時点では本公開買付け後も引き続き当社の上場及びその経営の自主性を維持しながら連携を強化する方針であり、本公開買付けにより当社の連結子会社化を達成した場合には、本公開買付け後に当社株式を追加で取得することは現時点で予定していないとのことです。また、本公開買付け後の経営体制・取締役会の構成について、公開買付者は、当社との間で、当社の取締役のうち過半数を指名する権利を有する旨合意しております。公開買付者は、本公開買付け後、4名の取締役を指名することを想定しているとのことですが、その後の公開買付者による指名権の行使の有無及び指名員数について、当社の上場会社としての独立性を尊重した適切なガバナンスと、当社の連結子会社化を通じて公開買付者グループとしてのシナジー効果を最大限実現できる体制作りをめざして、慎重に検討した上で決定する予定とのことです。なお、富士フイルムから派遣されている当社の取締役4名(平尾和義氏、秋山雅孝氏、八尋孝弘氏及び長谷川知行氏)につきましては、本公開買付け成立後、本公開買付けに係る決済の開始日をもって辞任する予定です。また、公開買付者は、当社との間で、本公開買付け成立後、公開買付者が指名する者が取締役に選任されるまでの間、当該指名を受けた者を当社の取締役会その他当社の重要な会議体に参加させることができる旨合意しております。なお、本公開買付けが成立した場合、当社と富士フイルムとの間の資本業務提携は解消される見込みですが、当社と富士フイルムは、本公開買付け実施後も、再生医療分野における一部の取引を継続することを予定しております。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
当社は、2020年8月下旬、富士フイルムから、バイオ医療領域の事業ポートフォリオの最適化を図る中で、富士フイルムが所有する当社株式の全ての売却について検討を開始したこと、売却方法として入札手続を通じて複数の候補者の中から買付者を選定し、当該買付者による公開買付けへの応募を通じた譲渡を想定していること、及び当該公開買付けに関しては買付予定数の上限を付さず、当社の発行済株式全てを買付対象とすることを希望していることから、当該公開買付けに引き続き株式併合等の手法による当社の株主を買付者のみとするための取引が実施される可能性があることを伝えられ、富士フイルムが所有する当社株式の売却プロセスに協力してほしい旨の要請を受けました。これを踏まえ、当社は、同月下旬、西村あさひ法律事務所を法務アドバイザーとして、東海東京証券株式会社(以下「東海東京証券」といいます。)を財務アドバイザー及び第三者算定機関としてそれぞれ選任し、富士フイルムによる当社株式の売却に関する検討を開始いたしました。当社は、富士フイルムが、2020年8月下旬頃から、公開買付者を含む複数の事業会社に打診し、同年9月中旬頃から第一次入札プロセスを開始したことを受け、入札手続により最終的に買付者として選定されるいずれかの候補者と当社の支配株主(親会社)である富士フイルムが、富士フイルムの所有する当社株式を公開買付けに応募すること等を内容とする応募契約を締結する予定であり、富士フイルムと当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあること等を踏まえ、本公開買付け及びこれに引き続き実施される可能性のある当社の株主を買付者のみとするための一連の取引(以下「本取引」といいます。)に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避することを目的として、2020年9月23日に、特別委員会を設置し、本取引における手続の公正性・妥当性等について諮問いたしました(委員の構成その他具体的な諮問事項等については、後記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、当社は、特別委員会を設置するに際し、特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決定しております。
また、当社は、後記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から、当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所及び当社の財務アドバイザーであり、かつ、第三者算定機関である東海東京証券につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、当社の法務アドバイザー並びに財務アドバイザー及び第三者算定機関としてそれぞれ承認を受け、特別委員会としても、必要に応じて西村あさひ法律事務所及び東海東京証券に対して専門的助言を求めることについて確認いたしました。さらに、当社は、富士フイルム及び公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて、特別委員会の確認を得ております。
富士フイルムは、2020年10月初旬、公開買付者を含む複数の候補者が意向表明書を提出したことから、内容について慎重に比較検討を行い、当社と協議の上、第二次入札プロセスへの参加を打診する公開買付者を含む候補者を選定いたしました。
その後、富士フイルムは、当社とともに、2020年10月中旬頃から、第二次入札プロセスを開始し、候補者による当社のデュー・ディリジェンスを経て、2020年12月3日、第二次入札が行われました。公開買付者からは、当該第二次入札において、(ⅰ)本公開買付価格を1株あたり820円として当社株式の全てを対象とする公開買付けを行うこと、(ⅱ)当社株式の上場維持を前提とし、当該公開買付けの結果、当社株式が上場廃止基準に抵触するおそれが生じた場合には、当社との間で上場廃止の回避のための方策について協議・検討し、合意された方策を実行すること、(ⅲ)当社との間で資本業務提携契約を締結すること等を内容とする意向表明書が提出されました。
当社は、最終的な買付者を選定するに際し、公開買付者の当該提案について、少数株主の利益保護の観点から、西村あさひ法律事務所による法的助言及び東海東京証券による財務的な助言並びに特別委員会における議論を踏まえて慎重に検討いたしました。当該検討の過程において、当社は、公開買付者からの提案に係るスキーム(具体的には、当社株式の上場を維持することを前提としつつ、公開買付けの買付予定数に上限を設定しない点)については、(ⅰ)1株あたり820円という公開買付者が提案する買付価格はその時点の当社の市場株価に比して一定のプレミアムが付された金額であったため、公開買付けに多くの応募が集まる可能性も完全には否定できないこと、(ⅱ)公開買付けに多くの応募が集まり、公開買付者が大多数の当社株式を取得したにもかかわらず、いわゆる当社株式のスクイーズ・アウトが行われず当社株式の上場が維持される場合には、当社株式の流動性の低下や少数株主の地位が不安定になるという問題が生じる可能性が否定できないこと、(ⅲ)以上を踏まえると、(ⅱ)の問題が生じる可能性を懸念した少数株主が、公開買付けに応募しない場合には、当該問題によって応募した場合よりも不利に扱われる可能性が否定できないと考え、買付価格に不満があっても、事実上、公開買付けに応募するように圧力を受けてしまう、いわゆる強圧性の問題が存在することが否定できないと判断し、かかる強圧性の問題を解消するための措置をさらに検討の上、公開買付者に対し、強圧性の問題を解消するための措置として、買付予定数について議決権の総数の3分の2未満に対応する株式数を上限として設定することを提案するよう、富士フイルムに対して要請いたしました。そして、富士フイルムにおいても、当社の意見を踏まえて慎重に検討し、2020年12月16日、公開買付者に対し、買付予定数に上記の上限を付すことを提案しました。これを受け、公開買付者は、2020年12月25日、買付予定数の上限を26,389,900株(所有割合:64.98%)とする旨の提案を再度提出しました。
当社は、公開買付者の当該提案を踏まえ、公開買付者が提案した買付価格を始めとする公開買付けの条件、本公開買付け後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社とのシナジー効果、従業員の処遇、ガバナンス体制等の観点から総合的に検討を行い、その結果、公開買付者の提示した買付価格を上回る額の提案はなかったこと、本公開買付け後、当社株式の上場を維持し、当社の企業文化や経営の自主性を維持しながら、公開買付者のグループの一員として協働するという経営方針は当社の志向する方向性と一致したこと、公開買付者の再生医療事業に対する長期的な視点は、当社の事業戦略の方向性とも合致すること、公開買付者の多様な材料・化学製品の製造販売の実績やそれらを支えてきたエンジニアリング技術等と当社の再生医療等製品の開発・製造・販売を手掛ける中で培ってきた技術やノウハウとを相互補完・有効利用することにより、より大きなシナジーが期待できること等から、公開買付者の提案が最善であると判断し、公開買付者との間で、本資本業務提携の内容その他本公開買付けの諸条件について慎重に協議・検討を行ってまいりました。その上で、当社は、東海東京証券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本公開買付け及び本資本業務提携について、企業価値向上を図ることができるか、本公開買付け及び本資本業務提携に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
そして、当社は、2021年1月28日、特別委員会から当社取締役会における本公開買付けについての決定(具体的には、本公開買付けへの賛同意見表明及び応募に関して中立の立場を取り、株主の判断に委ねる旨の決定)が、当社の少数株主にとって不利益なものではないと思料する旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要については、後記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
当社は、本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付け及び本資本業務提携が当社の企業価値向上に資するかについて協議及び検討した結果、2021年1月29日開催の当社取締役会において、以下の理由により、本公開買付け及び本資本業務提携は、当社の企業価値向上に資するものであるとの結論に至り、本公開買付けに賛同の意見を表明することを決議いたしました。
当社は、前記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に述べたとおり、これまでに3品目の再生医療等製品の製造販売承認を取得し、これらを上市して必要とする医療機関に安定供給しております。とりわけ自家培養表皮ジェイスは、わが国初の再生医療等製品であり、重症熱傷治療をはじめとする3つの適応疾患においてすでに1,000例以上の治療に提供しました。さらに、2番目の製品である自家培養軟骨ジャックも比較的低コストでの提供を実現するとともに、医療機関との連携を通じた治療法の改良に取り組むことで製品価値の向上を実現しております。両者はともに患者自身の細胞を使ったものであり、通常の医薬品・医療機器とは全く異なるビジネスモデルを展開する必要があります。すなわち、製品開発、製造販売承認取得のプロセスのみでなく、その後の安定生産、営業活動や市販後調査活動においてもきわめて多くのノウハウを蓄積し、自家細胞を用いた再生医療のプラットフォームを構築してきました。
一方、現在の当社の経営課題は、当該製造販売承認を取得した当社製品群の承認された適応範囲が狭いことに端を発します。そのため、今後はより大きな市場に向けた各製品の適応拡大を進めるとともに、製造量及び販売量の拡大を目指して各製品の製造及び販売体制の合理化を実現する必要があります。さらに、現在、他家細胞を用いた製品提供に取り組むべく基盤整備も行っております。自家細胞を用いた再生医療等製品の提供の経験を十分に発揮し、速やかに他家細胞利用製品についても実現したいと考えております。
このような状況の下、今後の当社の発展のためには、まずは大規模生産に必要な資材等の最適化及び安定確保、生産プロセスの機械化・合理化、営業活動範囲の拡大などに取り組む必要があります。さらに、他社からの優位性を確保すべく、新規開発製品に供する臨床応用可能な各種バイオマテリアルの設計、各事業の海外からのニーズ対応等、数多くの取り組むべき課題があると考えております。
本公開買付けが成立し、本資本業務提携が実現する場合には、当社は公開買付者との間で例えば以下の分野における協業が可能になり、これにより当社が取り組むべき課題が解消されることになると考えられるため、本公開買付け及び本資本業務提携は、当社の企業価値向上に資するものと判断しております。
1)公開買付者のマテリアル事業部門より提供される材料・ケミカルの再生医療における活用
公開買付者はマテリアル事業部門の活動を通じて、極めて多様な材料・ケミカルを有するとともに、その改良などを行う高い設計能力を有しております。加えて、公開買付者はこれら材料・ケミカルについて、医薬品・医療機器等に応用すべく多くの薬事対応経験を有しております。当社としては、公開買付者の有するこれらの資材、経験等は、現状の当社事業の効率化に資するとともに、今後の新規事業を円滑に進めるうえで重要な役割を果たすものと考えており、当該シナジーを十分に活用し、他社との競争優位性を確保することができると考えております。
2)公開買付者が培ってきた各種製造ノウハウ(特に生産の機械化・自動化)及び生産プロセスの効率化・最適化等の活用、並びに当社の生産設備拡大・分散化への支援
当社は、公開買付者の有する生産の機械化・自動化等のノウハウは、当社が目的とする再生医療等製品の生産の合理化・効率化に資すると考えております。とりわけ医薬品等の規制下での効率的生産を経験している公開買付者と、再生医療に供する生細胞を熟知した当社との連携によって、新たな再生医療等製品の生産モデルを構築してまいります。これに加え当社は、より大きな市場ニーズに対応すべく、生産設備の拡大並びにその分散化を考慮すべき段階に入っているところ、公開買付者の有する有形・無形の資産を活用することで、相互にメリットのある事業展開が可能になるものと考えております。
3)再生医療等製品の輸送搬送及び販売・教育等における協業
当社の再生医療等製品は生きた細胞を用いているために、保存期間がきわめて短く、その輸送・搬送に特別な配慮が必要になります。輸送に供するデバイスの改良、搬送手段の効率化等を公開買付者との協業により実現したいと考えております。さらに、公開買付者は医薬品・医療機器等の販売について、多くの経験・ノウハウ等を有するとともに、これらを活用できる多様なチャネルを有しております。当社は、こうした公開買付者の経験、ノウハウ等と当社の再生医療等製品の提供技術を連携することで、一層の営業活動範囲の拡大を目指します。
4)再生医療受託(CDMO)事業における顧客紹介、JVの設立等
当社は、大学及び公的研究機関やベンチャー企業など複数の機関から再生医療の開発を受託しております。加えて、すでに開発が完了した技術シーズについても受託製造機関として事業展開できる準備をしています。今後、公開買付者の有する技術シーズをもとにした委受託事業を進めることや、公開買付者のチャネルから顧客の紹介を受けることにより、再生医療受託事業を更に拡大させることができると考えております。さらに、大学及び公的研究機関などからの有望な技術シーズをもとに公開買付者とJVを共同設立し、これを通じた委受託事業への展開も想定することができます。再生医療のすそ野を広げるべく、協業が可能と考えております。
5)当社製品の臨床開発、薬事申請業務等への協力
公開買付者は、すでに医薬品・医療機器の薬事開発経験を有しており、当社の類似業務に対する協業が期待できます。
6)公開買付者の有する医薬品・医療機器事業との連携(膝関節領域等)
公開買付者は、すでに多くの医薬品・医療機器事業を進めており、とりわけ膝関節領域においては、各種製品を多角的に有しております。一方当社は、自家培養軟骨『ジャック』による膝関節領域戦略を推し進めております。当社は、主に医療機関向けに提供される同製品を中心に、両者の連携を行うことで、一層の販売拡大につなげたいと考えております。また、両者の連携は、今後その他の領域においても、医薬品・医療機器と再生医療等製品という異なるモダリティーの領域戦略によって、競合他社からの優位性の確保に資するものと考えております。
7)当社製品の海外展開のための各種支援
当社は、かねてより自社製品の海外展開について考えてまいりました。公開買付者の有する海外事業ネットワークを通じて、海外展開の足掛かりを作りたいと考えております。
なお、本公開買付けが成立した場合、当社と富士フイルムとの間の資本業務提携は解消される見込みですが、当社及び富士フイルムは、本公開買付け実施後も、再生医療分野における一部の取引を継続することを予定しております。また、当社が面談したところ、当社の主要株主であるニデックは、本資本業務提携に基づく当社と公開買付者との協業により当社にシナジーが生じることに期待し、本公開買付けには応募しない意向を示しております。
また、2021年1月29日開催の当社取締役会においては、上記の本公開買付けへの賛同の意見表明の決議と併せて、(a)本公開買付価格である1株当たり820円は、東海東京証券から取得した本株式価値算定書に提示された当社株式の株式価値の算定結果のうち、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)で算出されたレンジ718円から1,074円の範囲内であること、本公開買付けの公表日の前営業日である2021年1月28日の東京証券取引所JASDAQグロース市場における当社株式の終値644円に対して27.33%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、2021年1月28日から過去1ヶ月間の終値の単純平均値634円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値について同じです。)に対して29.34%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値640円に対して28.13%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値664円に対して23.49%のプレミアムが、それぞれ加算されていることからすると、不合理なものではないと考えられるものの、(b)本公開買付けには買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も引き続き当社株式の上場が維持される予定であることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を採り、当社株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
なお、上記の取締役会決議の詳細については、後記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者、当社及び富士フイルムから独立した第三者算定機関としての財務アドバイザーである東海東京証券に当社株式の株式価値の算定を依頼し、2021年1月28日に、本株式価値算定書を取得いたしました。なお、東海東京証券は、公開買付者、当社及び富士フイルムの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は東海東京証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
(ⅱ)算定の概要
東海東京証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が東京証券取引所JASDAQグロース市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法及び当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法を算定方法として採用し、当社株式の株式価値の算定を行いました。
東海東京証券が上記の手法に基づいて算定した当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:634円~664円
DCF法 :718円~1,074円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2021年1月28日を算定基準日として、東京証券取引所JASDAQグロース市場における当社株式の直近1ヶ月間の終値の単純平均値634円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値640円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値664円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を634円から664円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2021年3月期第4四半期の業績予想及び当社が作成した2021年3月期から2036年3月期までの事業計画における財務予測、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2021年3月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を718円から1,074円までと算定しております。割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、株式価値評価実務において一般的に用いられているCAPM(資本資産価格モデル)理論に基づき分析を行っております。また、事業計画には、前事業年度対比で大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2022年3月期以降、眼科領域における新規パイプラインの製品が、また、2024年3月期以降、皮膚領域における新規パイプラインの製品が、それぞれ上市され、これらの製品の売上高が各上市以降の3年間で大幅に増加することにより、営業利益において大幅な増益を見込んでおります。なお、当該事業計画については、特別委員会が当社との間で質疑応答を行うとともに、その内容や前提条件等の合理性を確認しております。
また、当該事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではありません。そのため、本公開買付けの成立により実現することが期待されるシナジー効果は、当該事業計画及び価値算定には加味されておりません。
東海東京証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。
② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者プレスリリースによれば、公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及び富士フイルムから独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、SMBC日興証券は公開買付者、当社及び富士フイルムの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
SMBC日興証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、当社が東京証券取引所JASDAQグロース市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はSMBC日興証券から2021年1月28日付で当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者はSMBC日興証券から、本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
SMBC日興証券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。
市場株価法:634円~664円
DCF法 :687円~1,020円
市場株価法では、算定基準日を2021年1月28日として、東京証券取引所JASDAQグロース市場における当社株式の算定基準日までの直近1ヶ月間(2020年12月29日から2021年1月28日まで)の終値の単純平均値634円、直近3ヶ月間(2020年10月29日から2021年1月28日まで)の終値の単純平均値640円及び直近6ヶ月間(2020年7月29日から2021年1月28日まで)の終値の単純平均値664円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を634円から664円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社が作成した2021年3月期から2036年3月期までの事業計画を、直近までの業績の動向、公開買付者が2020年10月中旬から2020年11月中旬の間に当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、想定されるシナジー、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2021年3月期第3四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を、687円から1,020円までと算定したとのことです。
公開買付者は、SMBC日興証券から取得した公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において2020年10月中旬から2020年11月中旬の間に実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社及び富士フイルムとの協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2021年1月29日付の公開買付者の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり820円とすることを決議したとのことです。
本公開買付価格820円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2021年1月28日の当社株式の東京証券取引所JASDAQグロース市場における終値644円に対して27.33%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値634円に対して29.34%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値640円に対して28.13%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値664円に対して23.49%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本公開買付価格820円は、本書提出日の前営業日である2021年1月29日の当社株式の東京証券取引所JASDAQグロース市場における終値639円に対して28.33%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所JASDAQグロース市場に上場されております。本公開買付けは当社株式の上場廃止を企図したものではなく、公開買付者は買付予定数の上限を設定のうえ本公開買付けを実施し、本公開買付け後、公開買付者が所有する当社株式の数は、最大で26,389,900株(所有割合:64.98%)にとどまる予定です。したがって、本公開買付け後も当社株式の東京証券取引所JASDAQグロース市場への上場は維持される見込みです。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
いわゆる二段階買収に関して該当事項はありません。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者は当社株式を所有しておりませんが、公開買付者が当社の支配株主(親会社)である富士フイルムとの間で本応募契約を締結しており、富士フイルムと当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けに関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避するため、当社及び公開買付者は、それぞれ以下のような措置を講じております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者プレスリリースによれば、公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及び富士フイルムから独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、SMBC日興証券は公開買付者、当社及び富士フイルムの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
公開買付者が2021年1月28日付でSMBC日興証券から取得した当社株式の株式価値の算定結果に関する株式価値算定書の概要については、前記「(3)算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者、当社及び富士フイルムから独立した第三者算定機関としての財務アドバイザーである東海東京証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2021年1月28日付で本株式価値算定書を取得いたしました。
なお、東海東京証券は、公開買付者、当社及び富士フイルムの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、特別委員会は、第1回の特別委員会において、東海東京証券の独立性及び専門性に問題がないことから、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関として承認した上で、特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
本株式価値算定書の概要については、前記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、公開買付者、当社及び富士フイルムから独立した法務アドバイザーとして、西村あさひ法律事務所を選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。
なお、西村あさひ法律事務所は、公開買付者、当社及び富士フイルムの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、特別委員会は、第1回の特別委員会において、西村あさひ法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことから、当社の法務アドバイザーとして承認した上で、特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付け及びこれに引き続き実施される可能性のある当社の株主を買付者のみとするための一連の取引(本取引)に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2020年9月23日、当社において本公開買付けを含む本取引の是非を検討するに際して、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、その是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性、手続の公正性などについて検討及び判断を行う任意の合議体として、笠野さち子弁護士(潮見坂綜合法律事務所、特別委員会委員長)、加藤孝浩氏(当社監査役(社外)・独立役員)及び小川薫氏(当社監査役(社外)・独立役員)の3名から構成される、公開買付者、当社及び富士フイルムのいずれからも独立した特別委員会を設置いたしました(なお、特別委員会の委員は、設置当初から変更しておりません。特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額又は時間単位の報酬のみとしており、本取引の成立を条件とする成功報酬は採用しておりません。)。
当社は、特別委員会に対し、以下の各事項(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問いたしました。
(ⅰ)本公開買付けを含む本取引の目的の正当性・合理性(本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
(ⅱ)本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性
(ⅲ)本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性
(ⅳ)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非
(ⅴ)本公開買付けを含む本取引を行うこと(本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益ではないか
なお、上記諮問事項の範囲内において細目を定める必要が生じた場合には、当該細目の内容については、委員長に一任することとしました。
また、当社は、特別委員会に対し、以下の権限を付与いたしました。
(ⅰ)本公開買付けを含む本取引に関して適切な判断を確保するために、当社の第三者算定機関、法務アドバイザーその他のアドバイザー(以下「アドバイザー等」という。)を指名し又は当社のアドバイザー等を承認(事後承認を含む。)する権限
(ⅱ)本公開買付けを含む本取引に関して適切な判断を確保するために、特別委員会のアドバイザー等を選任する権限(なお、特別委員会は、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がないなど、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとする。特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的費用は当社の負担とする。)
(ⅲ)本公開買付けを含む本取引に関して適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他特別委員会が必要と認める者に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限
(ⅳ)本公開買付けを含む本取引に関する候補者の選定プロセス及び取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、候補者の選定プロセス及び取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限
これを受け、特別委員会は、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関である東海東京証券並びに当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所の選任を承認しております。加えて、特段の事情がない限り、特別委員会は、それぞれの独立性の程度、専門性及び実績を確認したうえで財務アドバイザー及び第三者算定機関として東海東京証券、並びに法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所の助言を受けることとしました。
特別委員会は、2020年9月23日より2021年1月28日までの間に合計11回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われました。具体的には、特別委員会は、まず第1回の特別委員会において、当社が選任した財務アドバイザー及び第三者算定機関である東海東京証券並びに法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社の第三者算定機関及び財務アドバイザー並びに法務アドバイザーとして承認した上で、特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しました。
その上で、特別委員会は、当社の経営陣より、事業計画について詳細な説明を受けました。また、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関である東海東京証券からは、算定方法の選択理由、算定結果の分析等、当社株式の株式価値の算定に関する事項について説明を受け、質疑応答を行った上で、当該算定結果の合理性について検討いたしました。当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所からは、特別委員会の意義・役割等といった本公開買付けを含む本取引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受けております。
また、特別委員会は、当社から、富士フイルムによる当社株式の譲渡に係る入札プロセスや、当社及び富士フイルム並びに公開買付者との間における本公開買付けに係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、特別委員会において協議し、公開買付者の提示した条件につき、前記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、公開買付者の選定や買付条件、資本業務提携契約の内容の交渉等の過程に関与いたしました。
特別委員会は、以上の経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2021年1月28日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。なお、当社は、特別委員会設置当初、本公開買付けに引き続き、当社の株主を買付者のみとするための一連の取引が実施される可能性があることを前提として、本公開買付けを含む本取引について諮問しておりましたが、最終的に、本答申書の時点で想定されている「本取引」としては、本公開買付けのみとなっております。
(a)本取引の目的の正当性・合理性(本公開買付けが当社の企業価値向上に資するかを含む。)
当社の経営課題としては、まず、当社の現在の主力事業である、再生医療等製品として承認されている再生医療製品の製造・販売につき、(ⅰ)既に承認された当社の再生医療等製品の適応範囲の拡大・施設基準の緩和等、すなわち、医薬品医療機器等法による製造販売承認では、再生医療等製品の適応対象が明確に定められているところ、使用できる疾患の範囲を拡大するために、承認取得後に新たに治験を実施して一部変更承認申請を行う必要があること、(ⅱ)自家細胞を用いた再生医療等製品は、医療機関が患者本人から正常な組織を採取して当社に輸送し、当社にて組織処理した細胞を培養し、出荷検査・梱包の上医療機関に輸送するところ、上記製造管理や品質管理においては長年に亘る当社のノウハウが活用されているものの、細胞培養、輸送等のさらなる効率化を目指すことも必要であることが挙げられる。また、(ⅲ)再生医療受託事業については、各案件の課題を的確にとらえ、委託元と密に連携して着実に業務を進める必要があること、(ⅳ)現在開発中の新規パイプラインについては、早期承認・保険適用が重要であり、そのためには、臨床試験・非臨床試験、企業治験の実施が不可欠であること、(ⅴ)患者本人の細胞(自家細胞)を利用した製品の製造・販売により蓄積されたノウハウを活かし、患者本人以外の細胞(他家細胞)を用いた製品提供も実現していく必要があることも当社の経営課題となっている。
これらの当社の課題に対処していくためには、まず再生医療を含む薬事事業は短期的な採算に馴染みにくく、長期的な視点を持って展開しなければ利益に結び付かない先行投資ありきの事業であり、かつ規制当局による承認の可否、時期、適応範囲等は予見可能性が高いとは言えず、相対的にリスクの高い事業であること、また特に当社の現状については、これまでの投資により複数の新規パイプラインが進行中であり、今後の投資により新規パイプラインの承認による果実がもたらされる可能性がある一方、ここで投資を中止又は低減してしまうと、上記承認を得られず、又は製品開発スピードの点において競合他社に劣後し、これまでの投資が水泡に帰す可能性があるフェイズにあることへの理解が重要である。
かかる理解を前提に、当社の課題に応じた具体的な施策としては、臨床試験や治験に要する費用を拠出し続けることに加え、大規模生産に必要な資材等の最適化及び安定確保、生産プロセスの機械化・合理化、営業活動範囲の拡大、新規開発製品に供する臨床応用可能な各種バイオマテリアルの設計、海外進出等、並びにこれらの施策を実現するために必要な人材の採用・育成が必要である。
本取引によって、当社は、公開買付者との間で、前記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の協業が実現可能であると考えている。そして、(ⅰ)公開買付者の提出した最終提案書等や公開買付者による従前の医薬品・医療機器の製造販売、再生医療等製品の共同開発等の実績からすると、公開買付者は、再生医療を含む薬事事業は長期的な視点を持って展開しなければ利益に結び付かず、相対的にリスクの高い事業であることを理解しているものと評価できること、(ⅱ)具体的な施策についても、公開買付者が極めて多様な材料・化学製品の製造販売の実績を有していることからすれば、これらを当社の再生医療分野に活用することは十分可能と考えられ、また長年に亘るメーカーとしての実績からすれば、各種製造ノウハウや生産プロセスに豊富な知見を有しており、これを当社に転用することも可能と考えられること、(ⅲ)医薬品・医療機器の製造販売実績からは、公開買付者が多くの薬事対応経験を有していることが裏付けられ、当社の再生医療等製品の規制当局対応にも資すると考えられること、(ⅳ)公開買付者が、当社の再生医療等製品である自家培養軟骨ジャックが適応される膝関節領域に関係する医療用医薬品を製造・販売していることから、同領域での協業による売上拡大が期待できること、(ⅴ)公開買付者が幅広いグローバルネットワークを有していることから、海外展開のための支援も十分に得られる可能性が高いと考えられ、また、子会社であるインフォコムの上場から20年近くが経過しており、上場子会社の少数株主に対する配慮が必要である点も理解しているものと考えられること、(ⅵ)これらの協力が得られることは、公開買付者との間で締結予定の本資本業務提携契約でも、抽象的にではあるものの、担保されていること等からすれば、上記協業は実現可能性があり、当社の経営課題への対処にも有用と評価できる。
他方で、本取引により、当社と富士フイルムとの資本関係・業務提携関係は解消されることとなるが、富士フイルムとしては、当社に対する再生医療等製品の開発製造委託のうち、本取引と関係なく、縮小を予定していたものを除き、委託を継続する意向とのことであり、売上面でのマイナスの影響は大きくないと評価できること等からすると、富士フイルムとの資本関係の解消が当社の事業に悪影響を及ぼすと評価する必要もない。
また、本資本業務提携契約においては、公開買付者に、当社の従業員の雇用維持義務の他、当社の役員・従業員に対する当社株式等を利用したインセンティブ報酬への協力義務が定められており、当社の従業員のインセンティブ、新規採用等に悪影響を及ぼすとは認められないこと、当社からの公開買付者に対するCDMO事業のノウハウ等の提供は、当社と公開買付者との市場における競合等の観点から問題となり得るも、本資本業務提携契約において、当社の少数株主との間の利益相反に配慮する前提であることが定められていること等を踏まえると、公開買付者と資本関係を構築することによって当社に生じる企業価値の向上を否定するものではない。
以上のとおり、本取引は、当社の企業価値の向上に資する可能性が認められ、その目的は正当性・合理性を有すると思料する。
(b)本取引に係る手続の公正性
(ⅰ)本取引においては、特別委員会が、未だ本取引の取引条件等は何ら決定されていない段階から設置され、アドバイザー等の選任・承認権限や取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べる等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限等が付与され、また、取締役会決議に参加する予定の取締役4名は、特別委員会の判断内容を最大限尊重する意向であるところ、実際にも、入札者の選定、本取引にかかるスキームの変更、本公開買付価格の交渉といった局面で、特別委員会に対し事前に方針が確認され、当社は当委員会の意見に従い交渉し、また適時にその結果は特別委員会に報告されたから、当社は、特別委員会を取引条件の交渉過程に実質的に関与させたと評価でき、かつ、特別委員会の委員の独立性、専門性・属性などの構成、特別委員会の設置・委員選定のプロセス、アドバイザーなどの検討体制、特別委員会に対する情報の提供、報酬面等についても特段の問題は認められない。(ⅱ)本取引の検討・交渉は、当社のプロジェクトチームにより行われているところ、プロジェクトチームの独立性には問題がない。(ⅲ)当社は、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から専門的助言を取得し、第三者算定機関及び財務アドバイザーである東海東京証券から本株式価値算定書を取得しているところ、特別委員会は、両アドバイザーの専門性、当社、富士フイルム及び公開買付者を含む買手候補者からの独立性等に問題がないことを確認し、当社のアドバイザー等として事後承認している。(ⅳ)本取引においては、入札手続を通じて積極的なマーケット・チェックが実施されている(なお、第一次入札プロセスにおいては、買付予定数の上限を設けないことが前提とされていたが、当初から最終的な公開買付者の訂正提案と同様に、買付予定数の上限を設けるスキームが許容されていたとしても、本公開買付価格より高い公開買付価格で応札できたとする候補者が存在した可能性は極めて低い。)。(ⅴ)本公開買付けに係る公開買付期間(以下「本公開買付期間」という。)は法定の最短期間である20営業日とされているが、本取引は入札プロセスという積極的なマーケット・チェックを経ていることに加え、上場廃止が前提とされていないこと等からすると、これをもって公正な取引条件が担保されていないと評価する必要はなく、また、本資本業務提携契約においては、当社による対抗提案者との接触等は原則として禁じられているが、入札プロセスという積極的なマーケット・チェックを経ていること等からすれば、上記定めが、公正性を欠くものとは認められない。(ⅵ)本公開買付けは、当社の上場維持が前提とされていること等からすると、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことをもって、取引条件の公正さが担保されていないと評価する必要はない。(ⅶ)本公開買付けに係る適時開示においては、特別委員会に関する情報その他の情報について充実した開示が行われる予定であり、また、同開示の中で予定されている株式価値算定書に関する情報の開示方法についても合理性があると考えられる。(ⅷ)公開買付者の第二次入札プロセスにおける最終提案は、公開買付価格に一定のプレミアムを付していたため、富士フイルム以外の少数株主も応募する可能性があり、本公開買付けの結果として公開買付者が大多数の当社株式を取得した場合には、当社株式の流動性が低下したり、少数株主が不利に扱われる可能性が否定できないスキームであったところ、特別委員会の意見も踏まえた当社からの要請を受けて、公開買付者が、買付予定数を議決権総数の3分の2未満として上限を設定するスキームに変更したことにより、当社株式の流動性の低下に一定の歯止めがかかり、強圧性の問題は生じていないと考えられる。(ⅸ)本資本業務提携契約においては、公開買付者が、当社の取締役の過半数を指名する権利を有するものと定められ、第三者との間での本業務提携(後記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本資本業務提携契約」の「(b)提携の内容等」の「(う)業務提携の内容」において定義する。)に類似する業務提携等の行為が、事前承諾事項として定められており、当社に一定の制約が生じているが、本取引の実行によって当社の企業価値の向上が見込まれることを踏まえると、少数株主保護の観点から、これらの条項の存在が直ちに許容されないとまで考える必要はない。
以上より、本取引は、当社の支配株主である富士フイルムが買主となるものではなく、利益相反の状況は低いことに照らし、上記の公正性担保措置は、取引条件の形成過程における独立当事者間取引と同視し得る状況の確保、及び一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保といういずれの視点からしても、全体として見れば、本取引に係る手続の公正性は確保されていると思料する。
(c)本取引に係る取引条件の公正性・妥当性
(ⅰ)当社、公開買付者及び富士フイルムから独立した第三者算定機関である東海東京証券から取得した本株式価値算定書によれば、当社株式1株当たりの株式価値は、市場株価法で634円から664円、DCF法で718円から1,074円と算定されているところ、本公開買付価格である1株当たり820円は、本株式価値算定書における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法による上限値を超え、かつ、DCF法におけるレンジの範囲内にはあること、(ⅱ)東海東京証券による本株式価値算定書及び算定に用いた当社の事業計画の内容に関する説明及び質疑応答の結果等からすると、東海東京証券が当社株式の価値の算定に当たり採用した算定手法の選択、DCF法の基礎となる事業計画、算定の過程及び算定結果について、特段不合理と認められる点はないこと、(ⅲ)本公開買付価格である1株当たり820円は、当社の市場株価に対しても一定のプレミアムが付された価格であること、(ⅳ)本公開買付価格は、公正と認められる入札プロセスを経たものであること等を踏まえると、本公開買付価格その他の本取引に係る条件には、一定の公正性・妥当性が認められると思料する。
(d)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非
前記(a)乃至(c)のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資し、本取引の目的は正当性・合理性を有するから、本公開買付けに対して当社の取締役会が賛同意見を表明することは妥当と思料する。
また、本取引に係る手続の公正性も確保され、本取引の取引条件には一定の公正性・妥当性が認められるとは言えるものの、本取引は当社株式の上場を維持するスキームであり、少数株主としては当社株式を保有し続ける選択肢があるから、本公開買付けについては応募することの推奨も応募しないことの推奨もせず中立の立場を採り、株主の判断に委ねることを決定することが妥当と思料する。
(e)本取引を行うこと(本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益ではないか
本取引の目的は正当性・合理性を有し、本取引に係る手続の公正性も確保されており、また本取引の取引条件は一定の公正性・妥当性が認められるから、本取引を行うこと(本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること、及び前記(d)のとおり、本公開買付けへの応募については中立の立場を採り、株主の判断に委ねることの決定を含む。)は当社の少数株主にとって不利益なものでないと思料する。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、東海東京証券から取得した本株式価値算定書、西村あさひ法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けの諸条件について、慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、前記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2021年1月29日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、中立の立場を採り、当社の株主の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
上記取締役会においては、当社の取締役7名のうち、非業務執行取締役である秋山雅孝氏、八尋孝弘氏及び長谷川知行氏はいずれも富士フイルムに籍を置きつつ、当社の取締役を兼任していること、平尾和義氏は、2020年6月まで富士フイルムの職員を兼任しており、その後、当社に転籍しているものの、現在も富士フイルムに出向し富士フイルムにおける職務を兼務しているところ、同社と当社の少数株主の利益が相反する懸念があることから、また、社外取締役である手塚勉氏は当社の主要株主であるニデックの役員を兼任しているところ、同社と当社の少数株主の利害が一致しない可能性が否定できないことから、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を高め、利益相反のおそれを回避する観点から、まず、(ⅰ)当社の取締役7名のうち、秋山雅孝氏、八尋孝弘氏、長谷川知行氏、平尾和義氏及び手塚勉氏を除く2名の取締役(畠賢一郎氏及び大須賀俊裕氏)において審議の上、その全員一致により上記の決議を行い、さらに、会社法第369条に定める取締役会の定足数を確保する観点から、(ⅱ)富士フイルムに籍を置きつつ、当社の取締役を兼任している秋山雅孝氏、八尋孝弘氏及び長谷川知行氏と比べて、当社に転籍した上で富士フイルムに出向している平尾和義氏や当社の主要株主であるニデックの役員を兼任しているに過ぎない手塚勉氏は利益相反の程度が低いと考えて、平尾和義氏及び手塚勉氏を加えた4名の取締役において改めて審議の上、4名の取締役全員の一致により上記の決議を行うという二段階の手続を経ております。なお、上記取締役会に参加した当社の取締役のうち、畠賢一郎氏は、2020年8月31日付で富士フイルムの職員との兼任関係を解消し、富士フイルムの役職員の地位を有しておらず、出向等による兼務関係もないところ、同氏は、富士フイルムの役職員の地位を有する取締役に比べて利益相反の程度が低いと考えられること、他方で、当社の代表取締役社長執行役員として、重要な業務執行を担っており、当社における職務を通じて同氏が得た当社事業に関する知見を本公開買付けに係る検討に活かす必要性が高いこと、本公開買付けに関しては第一次入札プロセス中の2020年9月23日に特別委員会が設置され、かつ、有効に機能していること等を踏まえ、上記取締役会の審議及び決議並びに公開買付者及び富士フイルムと当社との協議に参加しております。
また、上記取締役会には、当社の監査役3名(倉橋清隆氏、加藤孝浩氏及び小川薫氏)全員が出席し、上記決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の監査役3名において、富士フイルム又はニデックの役職員を兼務しているなど利害関係を有するものは存在しておりません。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
前記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、富士フイルムはその所有する当社株式の譲渡を複数の買付候補先に打診することによる入札プロセスを実施しており、一定の競争状態において、他の複数の買付候補者との比較を通じて、当社及び富士フイルムが公開買付者を最終買付候補者として選定した経緯があります。したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は既に十分に設けられていたと考えております。
なお、本公開買付けにおいては、公開買付期間を法令に定められた最短期間(20営業日)より長期に設定することは行われておらず、また、後記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本資本業務提携契約」の「(b)提携の内容等」の「(い)資本提携の内容」の「(ア)当社による賛同等」に記載のとおり、本資本業務提携契約において、当社による対抗的買収提案者との接触等を原則として禁止し、例外的に当社の取締役の忠実義務又は善管注意義務違反を構成する可能性が高い場合に限り、これが容認される旨の定めがある等、本公開買付けの公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことを可能にする措置が十分設けられていないという見方もありうるところですが、当社としては、上記のとおり、入札プロセスという積極的なマーケット・チェックを経て、他の潜在的な買付者からの買付機会の確保は既に十分に図られていること等からすると、この点をもって本公開買付けの公正性を欠くものとは認められないと考えており、前記「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会からも同様の意見を得ております。
(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 本応募契約
前記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、当社の親会社である富士フイルムとの間で2021年1月29日付で本応募契約を締結しており、富士フイルムは、本応募契約に基づき、応募予定株式を本公開買付けに応募することに合意しているとのことです。本応募契約において、富士フイルムが本公開買付けに応募する前提条件として、応募を行う日(2021年2月1日から10営業日以内)に、(ⅰ)法その他適用ある法令等に従い、本公開買付けの開始に必要な全ての手続がとられており、本公開買付けが本応募契約の規定に従って開始され、その後に撤回されていないこと、(ⅱ)当社の取締役会により、本公開買付けに賛同する旨の意見表明に係る決議がなされ、これが法令等に従って公表されており、かつ、かかる意見表明が撤回又は変更されていないこと、(ⅲ)当社の取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会により、当社の取締役会に対して、本公開買付けに賛同する旨の意見表明に係る決議を行う旨の答申が適法かつ有効になされ、これが当社のプレスリリースにおいて公表されており、かつ、かかる答申が撤回又は変更されていないこと、(ⅳ)本公開買付け又は富士フイルムによる本公開買付けへの応募予定株式の応募を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、そのおそれもないこと、(ⅴ)本応募契約に基づき、本公開買付者が履行又は遵守すべき義務が重要な点で全て履行又は遵守されていること(注1)、(ⅵ)本公開買付者による表明及び保証(注2)がいずれも重要な点で真実かつ正確であることが規定されているとのことです。但し、富士フイルムは、その任意の裁量により、かかる事由のいずれも放棄して本公開買付けに応募することができるとのことです。
また、富士フイルムは、本公開買付けが成立した場合において、本公開買付けにおける決済の開始日より前の日を基準日とする当社の株主総会が開催されるときは、応募予定株式のうち本公開買付けにおいて買い付けられた株式に係る議決権について、公開買付者の指示に従って当該株主総会における議決権を行使する義務を負っているとのことです。さらに、富士フイルムは、本公開買付けが成立した場合、公開買付者の事前の書面による承諾なく当社の株式等を買い増さない義務、及び、本公開買付けの決済完了後に、自らが応募予定株式(本公開買付けの成立後に保有している場合)の全部又は一部について第三者に対する処分(取引所金融商品市場における取引(法第27条の2第1項第3号に定める特定売買等による場合を除く。)により譲渡しようとする場合を除く。)を行うときは、当該第三者と協議を行う前に公開買付者に通知し、通知後15営業日の間、公開買付者との間で誠実に協議を行うものとし、その間、譲渡、承継、担保提供その他の方法による処分を行わない義務を負っているとのことです。
なお、本応募契約において、富士フイルムは、本公開買付けの決済の開始日の前日までに、富士フイルムから派遣されている当社の取締役4名(平尾和義氏、秋山雅孝氏、八尋孝弘氏、及び長谷川知行氏)をして、本公開買付けの決済の開始日をもって当社の取締役を辞任する旨の辞任届を提出させることとされているとのことです。
(注1) 本応募契約において、公開買付者は、富士フイルムが本公開買付けに応募する前提条件に関わる義務として、(ⅰ)本公開買付けの実施義務・法令等により延長しなければならない場合を除き富士フイルムの承諾なく本公開買付けにおける買付け等の期間を延長しない義務、(ⅱ)自らの表明保証違反又はその具体的なおそれが生じたことを知った場合の通知義務、(ⅲ)秘密保持義務、(ⅳ)本応募契約上の地位又はこれに基づく権利義務の譲渡等の禁止義務、(ⅴ)本応募契約の交渉、準備、締結及び履行に関連して自らに発生する費用や本応募契約及び本公開買付けに関して自らに課される公租公課の負担義務を負っているとのことです。
(注2) 本応募契約において、公開買付者は、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本応募契約の締結に関する権限及び権能、必要な手続の履践、(ⅲ)本応募契約の有効性及び強制執行可能性、(ⅳ)本応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(ⅴ)本応募契約の締結及び履行のために必要な許認可等の取得・履践、(ⅵ)本公開買付けの決済の開始日において本公開買付けの決済を行うために必要な資金を十分に保有し、本応募契約の締結日、本公開買付けの開始日及び本公開買付期間の末日(以下「本公開買付期間満了日」という。)において、かかる資金を確保することができる確実な見込みがあること、(ⅶ)反社会的勢力との取引・関与の不存在、(ⅷ)倒産手続開始及びその原因の不存在、本応募契約の締結及び履行に際して公開買付者の債権者を害する意図等の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
また、本応募契約において、富士フイルムは、応募の撤回を行わないものとされていますが、本公開買付期間満了日の5営業日前までに、公開買付者以外の者から、本公開買付価格の105%を超える金額に相当する取得対価(金銭、株式その他種類を問わない。)により当社株式26,389,900株以上を取得(公開買付け、組織再編その他方法を問わない。)する旨の真摯な申出、提案、又は公表(以下「対抗提案」という。)が行われた場合には、富士フイルムは、公開買付者に対して、本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ(但し、かかる協議の申入れは、本公開買付期間満了日の5営業日前までに行われることを要する。)、公開買付者が、当該申入れの日から起算して5営業日を経過する日若しくは本公開買付期間満了日の前日のいずれか早い方の日までに、本公開買付価格を対抗提案に係る取得対価を上回る金額に変更しない場合で、かつ、富士フイルムが本公開買付けに応募すること若しくは既に行った応募を撤回しないことが富士フイルムの取締役の善管注意義務に違反する可能性が高いと客観的かつ合理的に認められる場合には、富士フイルムは、本公開買付けに応募する義務を負わず、富士フイルムが既に応募していた場合には、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、応募により成立する買付けに係る契約を解除することができるものとされているとのことです。
なお、本公開買付けが成立した場合、当社は富士フイルムの子会社ではなくなりますが、当社の事業の円滑な継続のため、富士フイルムは、本応募契約において、本公開買付けの決済の開始日から最長1年間は、自ら又はそのグループ会社をして、当社の事業を本公開買付けの開始日時点におけるのと実質的に同様に運営するために必要なネットワーク、グループウェア、複合機等のITインフラの提供等を継続させるものとされているとのことです。また、公開買付者は、本公開買付けに係る決済の開始日から2年間、原則として、当社の従業員について、当社をして、雇用を継続させ、かつ、本応募契約の締結日と全体として実質的に同一又はそれ以上の処遇を維持させるものとされているとのことです。
② 本資本業務提携契約
当社は、公開買付者との間で、2021年1月29日付で本資本業務提携契約を締結しております。本資本業務提携契約の概要等は以下のとおりです。
(a)業務提携の理由
前記「(2)意見の根拠及び理由」をご参照ください。
(b)提携の内容等
(あ)目的
公開買付者及び当社は資本提携及び業務提携を通じ、両当事者の事業上のシナジーを実現させ、両当事者の企業価値を向上させることを目的として、本資本業務提携契約を締結する。
(い)資本提携の内容
(ア)当社による賛同等
(ⅰ)当社は、本資本業務提携契約の締結日(以下「本締結日」という。)において、公開買付者が、本公開買付けを実施することを決議し公表した場合、本公開買付けに賛同しつつ、本公開買付価格の妥当性については意見を留保して本公開買付けに応募するか否かは、当社の株主の判断に委ねる旨の取締役会決議(以下「賛同決議」という。)を行い、その旨を公表し、本公開買付けが開始された後、賛同決議に係る意見表明報告書を提出する。
(ⅱ)当社は、本公開買付期間が満了するまでの間、本公開買付けの条件が変更されない限り、賛同決議を維持し、変更又は撤回しない。
(ⅲ)当社は、本締結日以降、(a)第三者との間で、当社株式を対象とする公開買付けの実施その他公開買付者による当社の連結子会社化(以下「本資本提携」という。)又は本公開買付けと競合・矛盾・抵触し又はそのおそれのある行為に関する提案、勧誘、情報提供、協議、交渉、合意等を一切行わず、(b)第三者からかかる行為に関する提案又は勧誘(以下「第三者提案」という。)を受けた場合には、直ちに公開買付者に対しその事実及び当該提案又は勧誘の内容を通知し、その対応について公開買付者との間で誠実に協議する。
(ⅳ)当社に対し、第三者提案が行われた場合又は当社株式について第三者が公開買付け(以下「第三者公開買付け」という。)を開始した場合で、当社が上記(ⅱ)及び(ⅲ)に定める義務を履行することが当社の取締役の忠実義務違反又は善管注意義務違反を構成する可能性が高いと客観的かつ合理的に判断する場合(但し、当社は、第三者提案及び第三者公開買付けにおける買付け等の価格その他対価の優劣のみに基づいて判断してはならず、本業務提携(後記「(う)業務提携の内容」において定義する。以下同じ)の内容及びその発展可能性その他の当社の企業価値向上の観点を踏まえて真摯に判断することを要する。)には、当該判断をした後速やかに(但し、本公開買付期間満了日の5営業日前までであることを要する。)その旨及び当該判断を行った具体的な根拠(独立性のある弁護士による法律意見書を含む。)並びに第三者提案についてはその具体的内容を公開買付者に対して書面により通知する。公開買付者は、当該通知を受けた日から3営業日以内に本資本提携及び本業務提携又は本公開買付けの条件の変更に関し、当社に対して書面による提案をすることができ、かかる期間中、当社は公開買付者との間で本資本提携及び本業務提携の実現可能性に向けて誠実協議する。当社は、当該協議の結果を誠実に検討してもなお上記(ⅱ)及び(ⅲ)に定める義務を履行することが、当社の取締役の忠実義務違反又は善管注意義務違反を構成する可能性が高いと客観的かつ合理的に認められる場合には、上記(ⅱ)及び(ⅲ)に定める義務を履行することを要しない。
(イ)議決権割合等を希釈化させる行為についての事前承諾
当社は、株式、新株予約権、新株予約権付社債の発行若しくは処分又は割当てその他公開買付者の当社株式に係る議決権割合又は持株割合を希釈化させる行為又はそのおそれのある行為をする場合には、事前に公開買付者から書面による承諾を得るものとする。
(う)業務提携の内容
(ア)公開買付者は、本公開買付けの成立後、自ら及びその子会社をして、本資本業務提携契約に基づく業務提携(以下「本業務提携」という。)として、(ⅰ)当社の事業に資する知見やノウハウ、リソースの提供、(ⅱ)当社の事業運営に必要なインフラの提供を実施し、実施させるものとし、当社は、本公開買付けの成立後、本業務提携として、公開買付者と当社の少数株主との間の利益相反に関し必要な配慮を行った上で、公開買付者のCDMO事業の立上げに資する知見やノウハウの提供、及び当該CDMO事業への協働を実施するものとし、これらの業務提携の詳細については、今後、誠実に協議する。
(イ)公開買付者及び当社は、本資本提携及び本業務提携に関する事項(実務的若しくは技術的な事項を含む。)について、意見交換を行い、当社の運営状況及び本業務提携の進捗状況を共有・協議するための会合として、ステアリングコミッティーを毎月1回を目安として開催する。
(え)本資本提携下での当社の運営等
(ア)役員指名権
公開買付者は、本公開買付けの成立後、当社の取締役のうち過半数を指名する権利を有するものとし、当社は、公開買付者が当該指名権を行使した場合、指名された者を取締役候補者とする取締役選任議案を株主総会に対して上程するために必要となる一切の手続を行うものとする。なお、公開買付者は、公開買付者が指名した者が当社の取締役に選任されるまでの間、その指名した者を当社の取締役会その他公開買付者が合理的に指定する当社の経営上の重要な会議体に参加させることができる。また、公開買付者の当社株式に係る議決権割合が50%以下となる場合に、当社が要請するときは、公開買付者及び当社は、公開買付者が指名権を有する当社の取締役の人数につき当該議決権割合に応じた数に見直すことに向けて別途誠実に協議する。
(イ)事前承諾事項
当社は、本公開買付けの成立後、以下の事項を行い又は決定する場合には、当該事項を行い又は当該決定を行う日の遅くとも2週間前までに公開買付者に対し書面による通知を行い、公開買付者の事前の書面による承諾を取得するものとする。
(ⅰ)子会社又は関連会社の異動
(ⅱ)上場廃止基準に該当する若しくはそのおそれのある行為又は上場廃止の申請
(ⅲ)第三者との間での本業務提携に類似する業務提携(合弁会社の設立及びライセンスの付与を含む)
(ⅳ)組織変更、合併、株式交換、会社分割、事業の全部若しくは一部の譲渡又は譲受その他これらに準ずる行為
(ウ)事前協議事項
当社は、本公開買付けの成立後、一定の事項(注)を行い又は決定する場合には、当該事項を行い又は当該決定を行う日の遅くとも2週間前までに公開買付者に対し当該事項に関し書面による通知を行い、上記通知後、公開買付者との間で、当該事項について誠実に協議を行うものとする。
(注) 本資本業務提携契約における事前協議事項は、中期及び短期経営計画の策定、事業の開始・撤退等の会社運営に関する重要事項の決定、重要組織の新設・変更等の決定、基幹人事に関する事項、重要な資産の取得・譲渡・処分・貸与等、重要な投融資、重要な資金調達・運用、人事関連の制度の新設・改廃等、重要な寄付、重要な訴訟等に係る方針の決定、定款の変更を含む重要な社内規則の変更・新設・改廃等並びに法令等、定款又は当社の取締役会規則に定める取締役会付議事項の決定
(エ)報告又は情報提供
当社は、本公開買付けが成立した後、公開買付者グループが法令等を遵守し又は適切なグループガバナンスを実行するために必要となる事項について、公開買付者から報告又は情報提供を要請された場合、速やかに当該報告又は情報提供を行うものとする。
(オ)従業員の待遇維持
公開買付者は、本公開買付けに係る決済の開始日から2年間、原則として、当社が従業員の雇用を維持し、その雇用条件を従業員に全体として実質的に不利益に変更しないことについて異議を述べず、かつ、当社に対して当社の従業員の解雇又は労働条件の不利益変更を求めないものとする。
(カ)本社機能の不移転
公開買付者は、本公開買付けに係る決済の開始日から当面の間、当社がその本社機能を蒲郡に置くことについて尊重し、当社に対して本社機能を蒲郡から移転することを求めないものとする。
(キ)インセンティブプラン
当社が、当社グループの役員又は従業員に対するインセンティブ付与を目的とした株式等の発行等を希望する場合において、公開買付者は、公開買付者の当社株式に係る議決権割合又は持株割合を維持するために必要な行為が行われることを前提に、合理的な範囲でこれに協力する。
(お)解除事由
公開買付者及び当社は、公開買付者による当社株式の売却により、公開買付者の当社株式に係る議決権割合又は持株割合が3分の1を下回った場合その他一定の事由が生じた場合には、本資本業務提携契約を解除することができる。
| 氏名 | 役名 | 職名 | 所有株式数(株) | 議決権数(個) |
| --- | --- | --- | --- | --- |
| 畠 賢一郎 | 代表取締役 社長執行役員 | ― | 29,500 | 295 |
| 大須賀 俊裕 | 取締役専務執行役員 | 生産統括本部長 | 95,500 | 955 |
| 平尾 和義 | 取締役常務執行役員 | 営業推進本部長 | ― | ― |
| 手塚 勉 | 取締役(社外) | ― | ― | ― |
| 秋山 雅孝 | 取締役(非常勤執行) | ― | 2,000 | 20 |
| 八尋 孝弘 | 取締役(非常勤執行) | ― | ― | ― |
| 長谷川 知行 | 取締役(非常勤執行) | ― | ― | ― |
| 倉橋 清隆 | 常勤監査役 | ― | ― | ― |
| 加藤 孝浩 | 監査役(社外) | ― | 3,000 | 30 |
| 小川 薫 | 監査役(社外) | ― | ― | ― |
| 計 | ― | ― | 130,000 | 1,300 |
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役手塚勉氏は、社外取締役であります。
監査役加藤孝浩氏及び小川薫氏は、社外監査役であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
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