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eGuarantee,Inc. — Call Transcript 2026
May 20, 2026
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eGuarantee
2026年3月期 通期決算説明会 質疑応答の要約
2026/5/20
2026年5月15日に開催した決算説明会において、参加者の皆さまから頂いた質問をまとめたものです。
代表取締役社長の江藤、常務取締役の邨井より回答させていただきました。
1. ビジネスモデル・参入障壁
Q1 「ユニークデータ」について、オープンデータが多いように感じました。これまで競合が参入してこなかったのは、まだ市場規模が小さかったからではないかと考えています。今後、売掛債権保証が一般的になり市場が拡大してくると、新規参入の障壁が下がったり、あるいはお客様自身で審査ができるようになったりすることはないのでしょうか。
A1 資料に記載した項目にはオープンデータも多く含まれていますが、社内での「重み付け」においては、それらは極めて軽い扱いです。
当社が最も重視しているのは、遅延情報等の極めてクローズドな取引データです。誰かが誰かに代金を支払っていないという情報は、通常は外部に漏れることはありませんが、当社は独自の仕組みにより収集することができ、精度の高い倒産確率の算出を支えています。さらに、どこがどこを相手に、どのような条件で取引をしているかという情報も極めて重要です。例えば、支払期日が従来の「90日後」から今回は「60日後」になった、あるいは「120日後」に伸びた、さらには「分割払い」に変更されたといった、契約条件の細かな変化まで捉えています。こうした情報は、銀行であっても自らが融資している先以外からは取得が難しく、他社が容易に真似できるものではありません。
過去には大手金融機関や伊藤忠商事以外の大手商社などもこの保証事業に参入されましたが、結果として他社は事業を撤退されており、現在も継続しているのは当社のみです。(江藤)
2. 2026年3月期実績
Q1 倒産件数が決して少なくない昨今の環境において、御社のように独自性の高いサービスを提供していれば、もっと能動的に平均料率を上げていけるようにも思えますが、何が課題となっているのでしょうか。
A1 当社の利益率が十分に高いということを現場の営業担当者も認識してしまっている点が、本音ベースでの課題としてあります。当社の売上高営業利益率は50%を超えており、原価率も約24%です。営業担当者が、十分な付加価値をお客様からいただいているという感覚を持ち、お客様からの価格交渉に対しても「これ以上高くいただくのは難しい」と譲歩してしまう傾向があります。このような個人の判断によるブレをなくすため、現在はAIなどのシステムを活用し、お客様の要望に引きずられずに適正な料率で付加価値を提案できる体制を構築している最中です。(江藤)
Q2 倒産件数が増加している局面では、保証料率は上げやすい傾向にあると考えております。過去のリーマンショック時やコロナ禍の初期などは特にそのような傾向が見られましたが、2023年頃から倒産件数が増加しているにもかかわらず、今回の平均保証料率は上がらず、特に前期については下がっています。以前のように料率を上げられた時代と、現在のように上げにくくなっている状況では、何が大きく異なっているのでしょうか。
A2 お客様が「今後、倒産がさらに急増するのではないか」と抱く不安感の強さに違いがあると考えています。
今回の倒産状況を見ますと、一昨年度は前年比13.4%増と跳ね上がりましたが、昨年度は3.5%増に留まり、落ち着きを見せています。そのため、お客様の間で「それほど急激には増えないのではないか」という印象が強まっていることが、件数の実数以上に影響していると感じます。
対照的に、リーマンショック後の時期などは、件数自体もさることながら、増える割合が16%、18%と非常に大きく、「今より来年、その先の方がもっと危ない」というイメージが共有されていました。そうした時期の方が、料率引き上げは行いやすくなります。また、コロナ禍においては実際には融資支援により倒産は減少しましたが、「もっと増えるに違いない、危ない」という強い不安感が社会全体にありました。このような印象の差が、料率に影響しているというのが率直な感想です。(江藤)
3. 業績予想・重点施策
Q1 今年度の業績予想の考え方について伺います。売上高は8%の伸びと、昨年度実績とほぼ同レベル、営業利益は6%程度の増益を予想されていますが、利益率がなかなか高まらない状況とお見受けします。このトップラインに関連して、保証債務の伸びや平均保証料率の見通しをどのように考えていらっしゃるのか。また、御社を取り巻く事業環境の見方や、コスト面での前提についても教えていただけますでしょうか。
A1 純増分として年間で1,300億程度保証債務を積み上げていく計画です。倒産環境等によって左右するものの、これまででは年間1,000億円程度のペースでしたので、契約自体は前年よりも増える見通しです。
一方で、懸念材料は単価の下落です。従来から与信管理の「事務アウトソーシング」としてのニーズが多くあります。信用度の高い、つまり保証料が極めて安価な先について「イー・ギャランティの審査と管理機能を活用して任せてしまおう」ということで、保証する枠に比べて保証料が小さくなるため、全体の平均単価を押し下げる要因となっています。本来であれば、当社の営業担当者が単なる事務代行ではなく、リスクヘッジとしての保証の価値を提案し、リスクのある案件をしっかり契約に繋げられれば料率は維持できます。しかし、若手社員を中心にまだそこが徹底できていない部分があり、今回の予算には単価下落の影響を一定程度織り込んでおります。
原価については、今期は前期よりも改善に向かうと見ており、利益面での好転材料となります。ただし、現在は年間50人規模での増員を続けており、これに伴う人件費等が増加要因となっています。この先行投資としての採用コストを吸収しながら営業利益を向上させていくというのが、今期の予算の考え方です。(江藤)
Q2 中期経営計画の業績目標に対して遅れが出ているということでしたが、御社のビジネス特有の人を育てることの難しさや、組織作りの課題などはあるのでしょうか。
A2 人を育てること自体の難しさは、それほど大きくないと考えています。資料のデータにある通り、契約率などは新卒2年目と3~10年目のベテランで大きな差はありません。教育体制は比較的整備されていると自負しております。ただ、営業部門だけで見れば、90人程度の体制の中に40人規模の新人が入ることで、教える側の負担が過大になっていることが現状の課題です。
足元で人員増加ペースは上がっているものの、2025年3月期に営業人員が減少した分の売上の遅れを取り戻すことは非常に難しく、中期経営計画において業績目標として掲げた「売上高200億円・経常利益100億円」という業績目標の達成については少なくとも1.5年程度遅れる見込みとなっています。(江藤)
Q3 今期の計画において、保証料率や再保証料(原価)などの方向性をどのように置いていらっしゃるのでしょうか。
A3 まず保証料率については、今期の計画では微増という前提で作成しております。原価については、横ばいから若干の低下を見込んでいます。したがって、売上総利益率については前期がボトムであり、今期からは改善に向かうという見通しで計画を立てております。(江藤)
Q4 「パートナーセールスモデル」について、従業員を介さずにレバレッジを効かせるこのモデルが実現すれば、業績へのインパクトは非常に大きいと考えております。AI を活用した与信システムやスマートフォンによるクロージングの仕組みがすでに完成しているのか、また、今期の予想にはどの程度織り込んでいるのかを教えてください。
A4 現在の進捗としては、できている部分とできていない部分があります。また、完成している部分についても、まだ不十分な部分があると感じています。
例えば、AI が企業の倒産確率の根拠(資産の異動状況、電気代ガス代の支払状況、保証申込の集中度合等)を文章で説明する機能は、約 4 ヶ月前にプロトタイプが完成しています。しかし、現状では内容に不自然な箇所が多くあり、現時点では営業担当者が AI の生成した文章を確認・補正した上で、お客様に提示している状況で、苦しみながら取り組んでいるところです。
パートナーセールスモデルについては、会計事務所等の提携は順次拡大していますが、資料に記載している「スマートフォンだけで契約まで完結する」という仕組みはまだ完全には稼働しておらず、難しい点も多く残っています。提携先が増えても、現時点では当社の人間が説明に介在しているフェーズです。一刻も早く、人の介在をなくしたモデルへと移行したいと考えておりますが、こうした AI やスマートフォン完結型のモデルによる業績貢献については、今期の予想には一切織り込んでおりません。(江藤)
Q5 AI の導入を進めていくことで、御社の保証残高の伸び方や金額がさらに大きくなっていくという理解でよろしいでしょうか。
A5 AI の活用は保証残高の拡大に繋がると考えております。単に「AI だから増える」というわけではなく、現在進めている「パートナーセールスモデル」を実現するために AI が不可欠だからです。現在、当社の営業担当者が銀行から紹介された企業を一社一社訪問していますが、人員を増やさないと対応できないということで苦しんでいます。AI が企業の分析や保証料率の根拠を即座に生成し、会計事務所の担当者などがスマートフォン一台でお客様に提案・完結できるようになれば、営業人員の制約がなくなります。引き合い自体は人員を増やした分だけ増えておりますので、AI によってこのボトルネックを解消できれば、よりスピーディーに契約を積み上げることが可能になります。ただし、AI の活用についてはまだ課題点も多く残っていますので、引き続き取り組んでまいります。(江藤)
4.株主還元
Q1 株主還元について、今期は必要資本を算出した結果、配当性向 100% を目安とされるとのことですが、これは今後も継続されるのでしょうか。それとも最低必要資本は毎年計算し直すため、必ずしも 100% が
続くわけではないという理解でよろしいでしょうか。
A1 必要な資本については、「リスクバッファとして必要なもの」と「成長投資に必要なもの」の2つに分けて管理しております。「リスクバッファ」については、当社が実際にリスクを負っている残高に対し、8%から12%を目安に都度算出します。「成長投資」については、向こう数年を見据えて必要な投資額を見積もります。これらを差し引いた上で、余剰となっている部分については積極的に株主に還元していくという方針です。したがって、都度洗い替えは行いますが、この高い還元方針を当面は継続して実行してまいる考えです。(邨井)
1~2年でやめるものとは考えておりません。ビジネスモデル上一定の割合をリスクヘッジしており、リスクバッファ分を差し引いても十分な資本を有していることから、当面は維持できる方針であると考えております。(江藤)
以上